JP2693575B2 - 超音波ドプラ血流測定装置 - Google Patents

超音波ドプラ血流測定装置

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JP2693575B2 JP1130706A JP13070689A JP2693575B2 JP 2693575 B2 JP2693575 B2 JP 2693575B2 JP 1130706 A JP1130706 A JP 1130706A JP 13070689 A JP13070689 A JP 13070689A JP 2693575 B2 JP2693575 B2 JP 2693575B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ドプラ効果を利用して血流速を測定し、該
血流速測定値を時間軸と順・逆流速軸との関係にて表示
するようにした超音波ドプラ血流測定装置に関する。
(従来の技術) ドプラ現象は、電波や音波が移動物体に当ると、その
反射波は周波数偏移を受けてしまう現象であり、この現
象を生体内での移動物体である血液(血球)に適用した
のが超音波ドプラ診断装置である。そして、この種の超
音波ドプラ診断装置には、このドプラ効果を利用して血
流速を測定し、該血流速測定値を時間軸と順・逆流速軸
との関係にて表示するようにした装置、つまり、超音波
ドプラ血流測定装置がある。この超音波ドプラ血流測定
装置には、超音波パルスを用いるパルスドプラ(PW)法
の装置、連続超音波を用いる連続波(CW)法の装置等が
ある。
(発明が解決しようとする課題) このような超音波ドプラ血流測定装置では、サンプリ
ングレート(PW法においては送受信器のパルス繰返し周
波数PRFと同じもの、CW法においてはサンプリングレー
トfsそのもの)により、一義的に検出可能な血流速の範
囲(以下「流速検出範囲」と称する。)が定まってしま
う。以下、サンプリングレートfsと称したときは、CW法
におけるサンプリングレートfsはもちろんのことPW法に
おける送受信器のパルス繰返し周波数PRFをも意味して
いるとする。
第8図は、横軸に時間軸を、縦軸に順・逆流速軸を設
定した場合の血流速測定値の表示例である。この第8図
の表示例は、流速検出範囲に対してサンプリングレート
が比較的大きいため、そのスペクトラムは小さいものと
なり、これに対し、第9図の表示例は、流速検出範囲に
対してサンプリングレートが小さすぎるため、そのスペ
クトラムは大きくなりすぎ、表示における折り返り現象
が発生してしまう。
上記において、スペクトラムが小さすぎる場合も折り
返りが発生した場合も、順流と逆流の表示が正確でなく
なり、問題である。そこで、この種の超音波ドプラ血流
測定装置は、従来から所望のサンプリングレートが設定
できるように、装置のパネル(操作卓)にサンプリング
レート変更/設定スイッチを設けており、上述した不具
合に対処できるようにしている。しかし乍、適度なスペ
クトラム表示を得るためには、表示を観察しながらサン
プリングレート変更/設定スイッチを操作しなければな
らず、面倒であり、問題であった。
また、第10図(a)に示すように、折り返りが発生し
た場合に、サンプリングレートを再設定するに代えて、
第10図(b)に示すように、零ライン(0Hz)を例えば
図示SDだけシフトできるように、装置のパネル(操作
卓)にゼロシフト変更/設定スイッチを設けており、上
述した不具合に対処できるようにしている。しかし乍、
適度なスペクトラム表示を得るためには、表示を観察し
ながらゼロシフト変更/設定スイッチを操作しなければ
ならず、面倒であり、問題であった。
そこで、本発明の目的は、折り返りが発生しない見易
いスペクトラム表示を得ることが可能な超音波ドプラ血
流測定装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決し且つ目的を達成するために
次のような手段を講じた構成としている。
すなわち、超音波を所定のサンプリングレートで生体
中に送波し、生体中の所定のサンプル位置からの反射信
号を周波数解析することにより反射波のドプラ偏移周波
数スペクトラムを検出し、血流速の測定値として前記ド
プラ偏移周波数スペクトラムを時間軸と順・逆流速軸と
の関係にて表示するようにした超音波ドプラ血流測定装
置において、前記周波数解析により検出されるドプラ偏
移周波数スペクトラムより得られる平均周波数はディジ
タル値であって、このディジタル値の平均周波数が時間
軸で0Hzを横切る時、そのディジタル値のMSB(Most Sig
nificant Bit)を反転させ出力する前処理系を備え、こ
の前処理系の出力に対し少なくとも1心拍中の最大値及
び最小値を検出し、この最大値及び最小値に基づき折り
返りが発生しているか否か又はサンプリングレートが高
すぎるかどうかを判定する判定手段と、この判定手段の
判定結果に基づいて前記サンプリングレートを前記サン
プリング位置で決まる範囲内で変更し設定する設定手段
とを具備したことを特徴とする。
(作用) 本発明によれば、測定されたドプラ偏移周波数スペク
トラムより得られる平均周波数に基づき折り返りが発生
しているかどうか又はサンプリングレートが高すぎるか
どうかを判定でき、その判定に基づき自動的に適切なサ
ンプリングレートを設定できるので、見やすいスペクト
ラム表示を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明にかかる超音波ドプラ血流測定装置の一
実施例を第1図及び第2図を参照して説明する。
第1図は本実施例の超音波ドプラ血流測定装置のブロ
ック図、第2図は同装置におけるPRF範囲検出部の詳細
な回路図である。
第1図に示すように、本実施例の超音波ドプラ血流測
定装置は、従来の装置の構成である超音波プローブ1
と、送受信器2,位相検波器3,周波数解析器4,メモリ5,表
示系6,スキャン条件や表示条件を設定する条件設定部7
に、新規の構成であるPRF範囲検出部8を付加した構成
となっている。PRF範囲検出部8は、条件設定部7に対
しスキャン条件の一つであるサンプリングレートを変更
し設定するための信号を供給する。
ここで、PRF範囲検出部8は、周波数解析器4から出
力される測定点で得られたドプラ偏移周波数スペクトラ
ム測定値の平均周波数(ディジタル値)を入力する前
処理系をなすコンパレータ20及びフリップフロップ21
と、この前処理系により調整された平均周波数′の少
なくとも1心拍中の最大値及び最小値を検出する系とし
て最大値レジスタ(MAX REG)22,最小値レジスタ(MIX
REG)23,ラッチ24,ウィンドウコンパレータ25,アンドゲ
ート26,アンドゲート27,加算器28と、サンプリングレー
トを変更し設定するための信号としてサンプリングレー
トアップ信号,サンプリングレートダウン信号を出力し
条件設定部7に与える系であるロジック回路29とから構
成されている。
上記の如くのPRF範囲検出部8において、コンパレー
タ20には周波数解析器4から平均周波数と、速度零つ
まり0Hzとが入力される。そして、フリップフロップ21
には、コンパレータ20での比較結果と平均周波数のMS
B(Most Significant Bit)が入力される。これによ
り、フリップフロップ21は、平均周波数が時間軸で0H
zを横切ったときのみ(表示における平均周波数が0Hzを
横切ったときではない)に、平均周波数のMSBを反転
させる。
この前処理系にて、測定値上で折り反りが発生しない
平均周波数′の値が得られ、ラッチ24,ウィンドウコ
ンパレータ25,アンドゲート26,アンドゲート27により時
相の判定が行われる。よって、最大値レジスタ(MAX RE
G)22には、平均周波数′の少なくとも1心拍中の最
大値Aが格納され、また、最小値レジスタ(MIX REG)2
3には、平均周波数′の少なくとも1心拍中の最小値
Bが格納される。
そして、加算器28においては、最大値と最小値との差
分値A−Bが求められ、ロジック回路29に与えられる。
このロジック回路29には、判定値としてδとσとが入力
されている。ここで、δは、1.0×fs,0.9×fs等であ
り。また、σは、0.25×fs,…,0.10×fs等である。
ロジック回路29においては、A−B≧δと、A−B<
σとが判定されるが、A−B≧δは、サンプリングレー
トfsが低すぎて折り返りが発生している場合であり、A
−B<σは、サンプリングレートfsが高さすぎてスペク
トラムが小さいものとなっている場合である。なお、A
−B=fsの場合には、順流及び逆流ともに飽和している
場合である。また、平均周波数′を用いる場合は、分
散を考慮して余裕を持たせる必要があるので、0.9×fs
等を採用するのが好ましい。
以上において、A−B≧δが成立したときは、サンプ
リングレートfsが低すぎて折り返りが発生している場合
であるので、このときは、サンプリングレートfsを上げ
るべくfs←fs+Δfsとする。ここで、Δfsは、例えば50
0Hzとする。この新規のサンプリングレートfsを条件設
定部7に対して与え、前のサンプリングレートfsをリセ
ットし、新規のサンプリングレートfsを設定する。そし
て、再び、少なくとも1心拍中最大値及び最小値を検出
し、上述の処理を実行する。
一方、A−B<σが成立したときは、サンプリングレ
ートfsが高すぎてスペクトラムが小さいものとなってい
る場合であるので、このときは、サンプリングレートfs
を下げるべくfs←fs−Δfsとする。ここで、Δfsは、例
えば500Hzとする。この新規のサンプリングレートfsを
条件設定部7に対して与え、前のサンプリングレートfs
をリセットし、新規のサンプリングレートfsを設定す
る。そして、再び、少なくとも1心拍中最大値及び最小
値を検出し、上述の処理を実行する。
なお、サンプリングレートfsの設定範囲に関し、CW法
においては、可変できるサンプリングレートfsの範囲内
でfsを可変設定するものとし、また、PW法においては、
PRFで視野深度を制限するのでサンプルポジションで定
まるPRF以下の範囲の条件下で可変設定するものであ
る。
以上の実施例は、零ラインが固定化されているもとで
適切なサンプリングレートfsを自動設定することができ
る装置の説明であるが、次に、折り返りが発生した場合
に、サンプリングレートfsを変更するのではなく、零ラ
イン(0Hz)を可変設定することができる装置の説明を
する。
第3図は本実施例の超音波ドプラ血流測定装置のブロ
ック図、第4図は同装置における制御部の詳細な回路
図、第5図〜第7図は同実施例の作用を示す図である。
第3図に示すように、本実施例の超音波ドプラ血流測
定装置は、従来の装置の構成である超音波プローブ1
と、送受信器2,位相検波器3,周波数解析器4,メモリ5,表
示系6,スキャン条件や表示条件を設定する条件設定部
7′に、新規の構成である平均演算部9,加算器10,制御
部11,加算器12を付加した構成となっている。
ここで、平均演算部9は、表示系1ライン毎のドプラ
偏移周波数スペクトラムの平均周波数の値mを求めるも
のである。また、加算器10は、メモリ5の出力のドップ
ラスペクトラムと平均演算部9の出力である平均周波数
の値mとを合成するものである。さらに、制御部11は、
平均周波数の値mが零ライン(0Hz)を横切らずに、逆
→順又は順→逆に変化したとき、つまり折り返りの発生
を検出し、そして、逆→順に変化したときは、零ライン
をシフトアップさせるべく、順→逆に変化したときは、
零ラインをシフトダウンさせるべく、制御信号又はシフ
ト量を出力する。加算器12は、制御部11から出されたシ
フトアップ又はシフトダウン量と条件設定部7で設定さ
れた零ラインとを加算して、変更された零ラインの信号
を得てメモリ5に与え、表示系6における新規の零ライ
ンを設定する。
ここで、表示系1ライン毎の平均周波数の値mを求め
る平均演算部9は、公知のものであるので、ここでは、
制御部11について第4図を参照して詳細に説明する。す
なわち、制御部11は、平均周波数のkライン目の値をmK
としたとき、mkとmk-1との差分値Δmkを求め且つ当該差
分値Δmk(=mk−mk-1)を出力すると共に、該差分値Δ
mkが0Hzを横切ったときのみ、順流,逆流の極性が反転
して、反転信号を出力し、これを差分値ΔmkのMSBとし
て出力するラッチ30、加算器31からなる系と、この系か
らの差分値Δmkを入力すると共に予め定めた判定基準値
+ξ,−ξを入力し、それらの比較を行い、逆→順に変
化したときの折り返りを検出し、また、順→逆に変化し
たときの折り返りの発生を検出する2つのウィンドウコ
ンパレータ23,33と、この2つのウィンドウコンパレー
タ32,33の出力と差分値ΔmkのMSBとの符号によりシフト
アップ又はシフトダウン量を生成するアンドゲート34,3
5とから構成されている。
ここで、逆→順又は順→逆に変化し、折り返りが発生
していることを差分値Δmkにて検出するのは、急峻な変
化のときには平均周波数の値mがm=0Hzとならないこ
とがあるので、折り返りでないことの検出に平均周波数
の値mをそのまま使うと誤動作を招く。これを防止する
ために、表示系1ライン毎の平均周波数の値mの差分値
Δmkを、判定基準値と比較する方法を用いている。
上記において、第5図(a)に示すように、“ロ”の
ところでΔmk<−ξとなるので、この第5図(a)に対
応して本実施例を示す第5図(b)によれば、“ロ”の
ところで零シフトダウンとなる。この結果、第5図
(b)に示すように、“ロ”以降では折り返りは発生し
ない。
また、ノイズ性のドプラ画像の場合は、本実施例の制
御系が動作する前に、第5図(a)に示すように、
“イ”のところで、逆方向に零シフトアップが発生する
と、この系は安定しない。これを防ぐために、1ライン
毎の平均周波数の値mではなくして、その直前数ライン
の平均値(移動平均)でもよい。
なお、第5図の説明をさらに具体的に説明すると、次
のようになる。すなわち、判定基準値ξとしては、表示
幅の3/4又は3/4以上等の値を用いるが、差分値Δmkが判
定基準値ξより大(>0)のときには、第6図(a)に
示すように、逆→順に変化し、折り返りが発生している
ので、第6図(b)に示すように、零シフトアップす
る。また、差分値Δmkが判定基準値ξより小(<0)の
ときには、第7図(a)に示すように、順→逆に変化
し、折り返りが発生しているので、第7図(b)に示す
ように、零シフトダウンする。
上記においては、第1図及び第2図において、零ライ
ンが固定化されているもとで適切なサンプリングレート
fsを自動設定することができる装置を例示し、また、第
3図〜第7図において、折り返りが発生した場合に、サ
ンプリングレートfsを変更するのではなく、零ライン
(0Hz)を可変設定することができる装置を例示してい
るが、この2方式を組合わせた装置、つまり、サンプリ
ングレートfs及び零ライン(0Hz)を自動可変設定する
ように、第1図及び第2図の構成と第3図及び第4図の
構成とを併設するようにしてもよい。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施できるものである。
[発明の効果] 本発明によれば、小さすぎることもなく折り返りが発
生することもない適切な大きさのスペクトラム表示を得
ることが可能な超音波ドプラ血流測定装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる超音波ドプラ血流測定装置の第
1の実施例のブロック図、第2図は第1図の装置におけ
るPRF範囲検出部の詳細な回路図、第3図は本発明にか
かる超音波ドプラ血流測定装置の第2の実施例のブロッ
ク図、第4図は第3図の装置における制御部の詳細な回
路図、第5図〜第7図は第3図の装置の作用を示す図、
第8図及び第9図は折り返り現象及び該現象をサンプリ
ングレートの設定変更で解消する手法を示す図、第10図
は折り返り現象及び該現象を零シフトで解消する手法を
示す図である。 1……超音波プローブ、2……送受信器、3……位相検
波器、4……周波数解析器、5……メモリ、6……表示
系、7,7′……条件設定部、8……PRF範囲検出部、9…
…平均演算部、10……加算器、11……制御部、12……加
算器、20……コンパレータ、21……フリップフロップ、
11,22……最大値レジスタ(MAX REG)、23……最小値レ
ジスタ(MIX REG)、24……ラッチ、25……ウィンドウ
コンパレータ、26……アンドゲート、27……アンドゲー
ト、28……加算器、29……ロジック回路、30……ラッ
チ、31……加算器、32,33……ウィンドウコンパレー
タ、34,35……アンドゲート。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を所定のサンプリングレートで生体
    中に送波し、生体中の所定のサンプル位置からの反射信
    号を周波数解析することにより反射波のドプラ偏移周波
    数スペクトラムを検出し、血流速の測定値として前記ド
    プラ偏移周波数スペクトラムを時間軸と順・逆流速軸と
    の関係にて表示するようにした超音波ドプラ血流測定装
    置において、 前記周波数解析により検出されるドプラ偏移周波数スペ
    クトラムより得られる平均周波数はディジタル値であっ
    て、このディジタル値の平均周波数が時間軸で0Hzを横
    切る時、そのディジタル値のMSB(Most Significant Bi
    t)を反転させ出力する前処理系を備え、この前処理系
    の出力に対し少なくとも1心拍中の最大値及び最小値を
    検出し、この最大値及び最小値に基づき折り返りが発生
    しているか否か又はサンプリングレートが高すぎるかど
    うかを判定する判定手段と、 この判定手段の判定結果に基づいて前記サンプリングレ
    ートを前記サンプリング位置で決まる範囲内で変更し設
    定する設定手段とを具備したことを特徴とする超音波ド
    プラ血流測定装置。
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