JPH0681615B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH0681615B2
JPH0681615B2 JP14745288A JP14745288A JPH0681615B2 JP H0681615 B2 JPH0681615 B2 JP H0681615B2 JP 14745288 A JP14745288 A JP 14745288A JP 14745288 A JP14745288 A JP 14745288A JP H0681615 B2 JPH0681615 B2 JP H0681615B2
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郁夫 坂井
伸昭 古谷
恭大 中村
正己 川淵
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生体内の運動部分、例えば血流の運動速度ベ
クトル分布を測定して表示する超音波診断装置に関する
ものである。
従来の技術 生体内の運動部分の運動速度を測定し、二次元に表示す
ることのできる従来の超音波診断装置としては、例え
ば、特開昭58−188433号公報に記載されている構成が知
られている。この従来の超音波診断装置では、超音波の
ドップラー効果による受波信号の位相変化を自己相関関
数から求めて運動速度を演算し、測定部位を微小量ずら
しながらこの測定を繰り返すことにより、表示装置に生
体内の運動部分の速度分布像を二次元的に表示してい
る。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の超音波診断装置による測定方
式では、超音波のドップラー効果を利用しているため、
運動部分の運動速度における超音波の進行方向の成分に
ついては測定することができるが、運動速度における超
音波の進行方向に対して直交する方向の成分を測定する
ことができないため、運動部分の真の運動速度を測定す
ることができないばかりでなく、本来、ベクトル量とし
ての運動速度の方向さえ知ることができない。また、例
えば従来のセクター型の超音波探触子を用い、これをセ
クター走査させて二次元の運動速度表示を行う場合、第
5図に示すように左から右に一様に流れる流体aの運動
速度の場合には、図の左側では超音波ビームの進行方向
でトランスジューサに近付く方向a1に、図の右側ではト
ランスジューサから遠ざかる方向a2に表示し、中央部分
ではドップラー効果による周波数シフトを検出すること
が不可能であるため、運動はまったくしていないa3のよ
うに表示し、実際の運動とは全くかけ離れた運動速度の
表示になり、分かりにくく、正確な診断を行うことがで
きないなどの課題があった。
本発明は、従来技術の以上のような課題を解決するもの
で、生体内部の運動部分における超音波の進行方向に対
して直交する方向の運動速度成分を測定し、ベクトル的
に表示することができ、したがって、生体内の運動部分
の状態が分かりやすく、正確な診断を行うことができる
ようにした超音波診断装置を提供することを目的とする
ものである。
課題を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するために、超音波パルスビ
ームを一定の繰り返し周期で生体内に送波し、生体内か
らの反射波を受波し、この受波信号を増幅し、この増幅
された受波信号を複数のチャンネルで同時に受波整相す
る並列受波装置と、この並列受波装置の各チャンネル受
波信号を重み付けする重み付け手段と、重み付けされた
受波信号の隣り合う少なくとも2つのチャンネル信号を
単位として交互に符号を反転させて加算し、互いに空間
的に90度位相の異なる複素信号に変換する1対の加算手
段と、複素信号に変換された受波信号の周波数スペクト
ラムを演算する周波数分析手段と、周波数スペクトラム
から生体内の運動部分における超音波ビームの進行方向
に対して直交する方向の運動速度成分を演算する速度演
算手段と、求められた運動速度成分を用いて生体内運動
をベクトル量として表示する手段とを備えたものであ
る。
作用 本発明は上記構成により、並列受波装置の各チャンネル
の受波信号を重み付けし、この重み付けされた受波信号
の符号を交互に反転させながら加算し、加算された受波
信号の周波数スペクトラムを周波数分析手段で演算す
る。これにより、生体内の運動部分の超音波ビームの進
行方向に対し直交する方向(チャンネル方向)の運動に
よって生じる各チャンネル間の受波信号の変化分を周波
数スペクトラムとして求め、この周波数スペクトラムよ
り、生体内の運動部分の超音波ビームの進行方向に対し
直交する方向の運動速度成分を求め、ベクトル量として
表示することができる。
実施例 以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明
する。
第1図ないし第3図は本発明の一実施例における超音波
診断装置を示し、第1図は全体の概略ブロック図、第2
図は並列受波回路の一例の詳細なブロック図、第3図は
並列受波回路の他の例の詳細なブロック図である。
第1図および第2図において、1は超音波ビームを送受
するための超音波探触子であり、n個の短冊状の振動子
(以下、エメレントと呼ぶ)1−1〜1−nが並列され
てトランスジューサとして構成されている。この超音波
探触子1の各エレメント1−1〜1−nは、切換回路2
に接続されている。この切換回路2は、送波時間の間で
は、n個のエメレント1a〜1nのうち、順次k個(第2図
では10個)のエレメントを選択し、送波時間の間だけk
個のエレメントを送波回路3に接続し、受波時間の間
は、n個のエレメント1a〜1nのうち、m個(第2図では
4個)のエレメントからなるj個(第2図では4個)の
隣り合ったチャンネルを選択するように受波増幅器4に
接続する。上記送波回路3では、送波パルスを発生する
ばかりでなく、送波パルスの位相制御も行い、上記k個
のエレメントから送波される超音波ビームを制御する。
5−1〜5−jは受波整相回路であり、上記j個のチャ
ンネルを構成する各k個のエレメントからの受波信号の
位相を制御することにより、受波時における指向性を制
御している。これら超音波探触子1、切換回路2、受波
増幅器4、受波整相回路5−1〜5−jにより並列受波
回路が構成されている。6−1〜6−jは受波整相回路
5−1〜5−jで位相整合されたj個の受波信号を検波
する検波器、7−1−1〜7−1−j及び7−2−1〜
7−2−jはj個の検波信号に重み付けする重み付け
器、8−1,8−2は重み付けされた隣り合う2つのチャ
ンネルの受信信号を単位として、符号を交互に反転する
ように加算し、複素信号に変換する加算器、9−1,9−
2は複素信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、10
−1,10−2はデジタル信号に変換された複素信号の低周
波成分を除去するキャンセラ、11は周波数スペクトラム
を演算する周波数分析器、12は周波数分析器11で求めら
れた周波数スペクトラムより、生体内部の運動部分にお
ける超音波ビームの進行方向に対して直交する方向の運
動速度成分を演算する速度演算回路である。13は速度演
算回路12で求められた運動速度を一時記憶する画像メモ
リ、14はD/A変換器、15は切換回路、16は表示装置、17
は受波整相回路であり、Bモード画像を表示するために
受波増幅器4で増幅された受波信号を位相整合する。18
は検波器、19はA/D変換器、20は画像メモリ、21はD/A変
換器、22は切換回路である。
以上のような構成において、以下、その動作について説
明する。
第2図は4チャンネルが並列に、且つ同時に受波し、ま
た、各チャンネルが4エレメントから構成された並列受
波回路の一列を示している。受波時において、各チャン
ネルは、2エレメントずつずれながら構成され、計10エ
レメントで同時に受波している。すなわち、受波整相回
路5−1〜5−4の出力がそれぞれ各チャンネルの出力
に対応している。ここで、同時に受波するチャンネル
数、各チャンネルを構成するエレメント数及び隣り合っ
たチャンネルのずれピッチは任意に取ることができ、第
3図に示すように同時に受波するチャンネル数を4、各
チャンネルを構成するエレメント数を8、隣り合ったチ
ャンネルのずれピッチを1エレメントにしてもよい。第
2図において、切換回路2によって選択された各エレメ
ントは対応する受波増幅器4に接続され、受波増幅器4
の出力は受波整相回路5−1〜5−4に入力されるが、
受波時の指向性を制御するために、受波増幅器4の出力
は受波増幅器4の入力となったエレメントに対応した遅
延時間を有する遅延器のタップに入力され、各チャンネ
ルで位相制御されて加算される。隣り合ったチャンネル
は2エレメント間隔のピッチで並んでおり、空間的に2
エレメント間隔の情報を並列にチャンネルの数だけ、し
かも、同時に取り込むことができる。
一方、送波時においては、少なくとも同時に受波するチ
ャンネルに接続されたすべてのエレメントが送波回路3
に接続され、各エレメントから送波回路3で位相制御さ
れた送波パルスに応じて指向性の制御された超音波ビー
ムが送波される。
第1図において、受波整相回路5−1〜5−jから出力
された同一時刻の各チャンネルの受波信号は、検波器6
−1〜6−jで検波され、重み付け器7−1−1〜7−
1−j、7−2−1〜7−2−jで重み付けされる。こ
の重み付けは通常の周波数分析等で行われるウィンドウ
処理とまったく同等なもので、空間周波数領域での周波
数スペクトラムのサイドローブを抑圧するものである。
重み付けされた信号は加算器8−1,8−2に入力され
る。加算器8−1,8−2では、隣り合う2つのチャンネ
ルの信号を単位として符号が反転されながら加算される
が、8−1と8−2の加算器では符号の変化の仕方を1
チャンネル分だけシフトさせる。この関係は空間的に位
相が90度シフトした関係で、複素信号に変換される。A/
D変換器9−1,9−2では、複素信号がデジタル信号に変
換される。キャンセラ10−1,10−2では、A−D変換さ
れた信号の中に含まれる生体内組織の体動に伴う低周波
数成分、いわゆるクラッター成分が除去される。周波数
分析器11では、クラッター成分の除去された複素信号の
周波数スペクトラムが演算される。この周波数分析の演
算において、生体内の運動に伴った超音波ビームの各チ
ャンネルにおける受波信号をf(X)、重み付けをされ
た隣り合う2つの受波信号を単位として符号が交互に反
転されながら加算され、生成された複素関数h(X)の
実部、虚部をh1(X),h2(X)とする。複素関数h
(X)は第4図(a)に示すように並列受波回路のチャ
ンネルピッチの2倍の間隔で変化する関数である。加算
器8−1,8−2において加算された受波信号をg(X)
とし、更に(ω)を受波信号g(X)のフーリエ変換と
し、またH(k),F(k)をそれぞれ複素関数h
(X)、受波信号f(X)のフーリエ変換とすると、下
記(1)式の関数が成立する。
ここで、Vは測定しようとしている生体内の運動部分に
おける超音波ビームの進行方向に対し直交する方向の運
動速度であり、また、H・(k)はH(k)の複素共役
を表しており、第4図(b)に示すようにk=π/P、
(Pはチャンネル間隔のピッチ)で鋭いピークを示す関
数である。一方、F(k)はブロードな関数であるか
ら、その積で表わされるG(ω)は鋭いピークを示す関
数となる。運動方向の弁別は、G(ω)の位相が運動方
向によって反転することから検出される。また、ここ
で、周波数スペクトラムは、n個の超音波ビームのパル
ス繰り返し周期Tの時間間隔の複素位相検波信号で演算
されているが、この個数iは、Bモード画像を構成する
ための走査線数N、超音波ビームのパルス繰り返し周期
T及び画像のフレームレートFから、次の関係式(2)
によって決定される。
iTNF=1 ……(2) 速度演算回路12において、周波数スペクトラムのピーク
をあたえるωはこの周音数スペクトラムより演算され
るが、上記(2)式の制限により、超音波診断画像にリ
アルタイム性を持たせるために、iを十分に大きく取れ
ず、周波数分解能が粗くなるため、下記(3)式のよう
に周波数スペクトラムモーメントとして求める。
ω=∫ω・|G(ω)| ……(3) このωから、生体内の運動部分の超音波ビームの進行
方向に対し直交する方向の運動速度成分Vは、下記
(4)式で求められる。
これにより、生体運動部分の運動速度をベクトル量とし
て測定し、画像メモリ13、D/A変換器14、切換回路15を
介して表示装置16に表示することが可能となる。
一方、受波増幅器4で増幅された受波信号は受波整相回
路17、検波器18、A/D変換器19で処理され、画像メモリ2
0、D/A変換器21、切換回路22を介して表示装置16にBモ
ード画像として表示される。
以上の説明から明らかなように本実施例によれば、隣り
合う複数のチャンネルで、並列に、しかも、同時に受波
し、加算器8−1,8−2で、各チャンネルの受波信号を
交互に符号を反転しながら加算し、周波数分析器11で求
めた周波数スペクトラムから、速度演算回路12で生体内
運動部分における超音波ビームの進行方向と直交する方
向の運動速度成分を求めることができる。また、従来の
生体内運動部分の超音波ビームの進行方向の運動速度成
分を求めるドップラ血流測定方式と組み合わせることに
より、生体内運動をベクトル量として表示することがで
きる。
発明の効果 以上述べたように本発明によれば、複数のチャンネルで
同時に受波整相する並列受波装置と、各チャンネルの受
波信号の重み付けをする重み付け手段と、重み付けされ
た各チャンネル間の隣り合う2つの受波信号を単位とし
て交互に符号を反転させながら加算し、複素信号に変換
する1対の加算手段と、複素信号に変換された受波信号
の周波数スペクトラムを演算する周波数分析手段と、周
波数スペクトラムより生体内の運動部分における超音波
パルスビームの進行方向に対して直交する方向の運動速
度成分を演算する速度演算手段と、求められた運動速度
成分を用いて生体内運動をベクトル量として表示する手
段とを備えている。このように生体内の運動部分におけ
る超音波の進行方向に対して直交する方向の運動速度成
分を測定し、ベクトル情報として表示することができる
ので、生体内の運動部分の状態が分かりやすく、正確な
診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の一実施例における超音波
診断装置を示し、第1図は全体の概略ブロック図、第2
図は並列受波回路の一例の詳細なブロック図、第3図は
並列受波回路の他の詳細なブロック図、第4図(a)は
加算器の特性を表わした線図、第4図(b)は加算器の
特性を周波数領域で表わした線図、第5図は従来の超音
波診断装置における表示例を示す図である。 1……超音波探触子、2……切替回路、3……送波回
路、4……受波増幅器、5−1〜j……受波整相回路、
6−1〜j……検波器、7−1−1〜j,7−2−1〜j
……重み付け器、8−1,2……加算器、9−1,2……A/D
変換器、10−1,2……キャンセラ、11……周波数分析
器、12……速度演算回路、13……画像メモリ、14……D/
A変換器、15……切換回路、16……表示装置、17……受
波整相回路、18……検波器、19……A/D変換器、20……
画像メモリ、21……D/A変換器、22……切換回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波パルスビームを一定の繰り返し周期
    で生体内に送波し、生体内からの反射波を受波し、この
    受波信号を増幅し、この増幅された受波信号を複数のチ
    ャンネルで同時に受波整相する並列受波装置と、この並
    列受波装置の各チャンネル受波信号を重み付けする重み
    付け手段と、重み付けされた受波信号の隣り合う少なく
    とも2つのチャンネル信号を単位として交互に符号を反
    転させて加算し、互いに空間的に90度位相の異なる複素
    信号に変換する1対の加算手段と、複素信号に変換され
    た受波信号の周波数スペクトラムを演算する周波数分析
    手段と、周波数スペクトラムから生体内の運動部分にお
    ける超音波ビームの進行方向に対して直交する方向の運
    動速度成分を演算する速度演算手段と、求められた運動
    速度成分を用いて生体内運動をベクトル量として表示す
    る手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
JP14745288A 1987-10-14 1988-06-15 超音波診断装置 Expired - Fee Related JPH0681615B2 (ja)

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