JP3507923B2 - 画像除去促進液及び画像支持体の再生方法 - Google Patents

画像除去促進液及び画像支持体の再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも表面近傍に
液体で膨潤する層が設けられ、かつ、その表面に皮膜を
形成する画像を有する画像支持体に付与する画像除去促
進液及び画像を有する画像支持体から画像を剥離する画
像支持体の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化により、プリンター用紙や
複写用紙が大量に使用されるようになってきた。そのた
めに、森林の伐採による地球環境の悪化の問題を引き起
こすに到っている。従来、このような問題に対しては、
一度使用した記録用紙上のインク等を除去し、次いで潰
して、再び抄いて、古紙といわれる紙に再生するしか方
法がなかった。しかし、最近、一度使用した紙の上の文
字等の画像をクリーニングなる処理によって取り去り、
複写あるいはプリンティングに再利用することができる
紙もしくは再生方法が提案されている。例えば、このよ
うな紙としては、特開平4−67043号公報に記載さ
れているように、シート状被記録材の表面、特に片面の
みに離型処理がなされ、かつ、該離型処理した被記録材
に印を付け、普通紙と区別したものが挙げられる。しか
しながら、このような複写用紙は 表面に離型処理を施した特別な用紙となり、現在大量
に使用されている一般的 な複写用紙、プリンティング
用紙とはならず、適用に難点がある。 従って、一般的な複写用紙と混合してコピーするには
困難性が伴う。 更に、資源再利用という観点からは、両面コピー、即
ち、一枚の複写用紙の表・ 裏両面コピーが重要であ
り、今後、主流になるものと考えられる。このような
状況下では、片面に離型剤を塗布した再生紙の利用には
難点が伴う。 特開平1−101576号、特開平1−101577号
に挙げられる被記録材の再生方法は、被記録材上の画像
形成トナー樹脂を溶解させる有機溶剤に、画像を形成し
た被記録材を浸漬し、超音波処理することにより画像形
成した被記録材から画像を除去するというものである。
しかしながら、これらの方法では、有機溶剤を使用する
ことにより、公害、発火性および毒性等の問題があり、
一般のオフィス、家庭での使用には難点がある。 一
方、特開平1−297294号には、被記録材として、
プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミ
ック等で形成されたものを使用し、該被記録材上に形成
された画像を熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像
を被記録材から剥ぎ取るクリーニング方法が記載されて
いるが、表面に離型処理を施した特別な用紙(イレーサ
ブルペーパー)を用いなければならず、現在、大量に使
用されている一般的な複写用紙、プリンティング用紙な
どに適用できない難点がある。さらに、最近、画像除去
促進液なる液体を画像を保持する被記録材に付与後、画
像を融着せしめるなどで、画像を被記録材より剥離する
被記録材の再生方法が提案されている。該方法は、極め
て確実に画像を剥離するため、有効な被記録材の再生方
法であるが、再生された被記録材への水性インクでの筆
記の際に、筆記された文字等が滲むという実使用上の不
都合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】少なくとも表面近傍に
液体で膨潤する層が設けられ、かつ、その表面に皮膜を
形成する画像を有する画像支持体に、画像除去促進液を
保持させた後、画像剥離体を介在させて画像支持体の画
像を加熱接着及び/又は加圧接着することにより画像支
持体から画像を剥離して画像支持体を再生使用するにあ
たり、再生された画像支持体への水性インクでの筆記の
際に、筆記された文字等が滲むことのないようにするこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】少なくとも表面近傍に液
体で膨潤する層が設けられ、かつ、その表面に皮膜を形
成する画像を有する画像支持体に、画像除去促進液を保
持させた後、画像剥離体を介在させて画像支持体の画像
を加熱接着及び/又は加圧接着することにより画像支持
体から画像を剥離して画像支持体を再生使用する場合、
再生される画像支持体のサイズ性と再生方法との関係か
ら検討を行ない、消失してしまう画像支持体のサイズ性
を、再生プロセス中で再度、付与することが可能である
ことを見出し、画像除去促進液として、サイズ剤を含む
画像除去促進液を用いることにより再生した画像支持体
に水性インクで筆記する際に、筆記された文字等の滲み
の発生を防止し得ることを見出し本発明を完成した。こ
こで言う皮膜を形成する画像としては、例えば、電子写
真の画像、あるいは、熱転写、ホットメルトタイプのイ
ンクジェット、ホットメルト印刷などによる画像があげ
られる。本発明では、サイズ性を向上させるために、紙
の抄紙の際に用いられるサイズ剤が画像除去促進液中に
添加される。サイズ剤としては、内添用、表面サイズ用
など抄紙一般に用いられるものが使用できるが、アルキ
ルケテンダイマー系の表面サイズ剤、合成サイズ系の表
面サイズ剤、スチレン系の表面サイズ剤、オレフィン系
の表面サイズ剤を使用することが好ましい。画像除去促
進液中に添加するサイズ剤の量としては、再生される画
像支持体への付着量が5.0g/m2以下、好ましくは、
0.1g/m2以上4.0g/m2以下になるように画像除
去促進液中に添加するのが良く、添加するサイズ剤の量
が多いほどサイズ性向上効果が大きくなり、5.0g/
2を越えると、サイズ性の付与が大きくなり過ぎ、に
じみは生じないが、逆に水性インクをはじく傾向が生
じ、0.1g/m2より小さい場合は、サイズ性の付与が
十分でなく、再生された画像支持体へ水性インクで筆記
を行なった場合ににじみが大きくなる。
【0005】本発明における画像支持体としては、少な
くとも一部がセルロース繊維を主成分とした紙質層で構
成された画像支持体が挙げられる。本発明に用いる画像
除去促進液としては、水、界面活性剤を含む水溶液、水
溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水溶性ポ
リマーを含む水溶液、アルコール、界面活性剤を含むア
ルコール溶液、水溶性ポリマーを含むアルコール溶液、
及び界面活性剤と水溶性ポリマーを含むアルコール溶
液、水とアルコールの混合物、アルコール、界面活性剤
を含む水溶液、アルコール、水溶性ポリマーを含む水溶
液、及びアルコール、界面活性剤と水溶性ポリマーを含
む水溶液、よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水
あるいは溶液を用いることが出来る。上記水溶性ポリマ
ーとしては、例えば、デンプン質(かんしょデンプン、
ばれいしょデンプン、タピオカデンプン、小麦デンプ
ン、コーンスターチ等)、マンナン(こんにゃく等)、
海藻類(ふのり、寒天、アルギン酸ナトリウム等)、植
物粘質物(トロロアオイ、トラガントゴム、アラビアゴ
ム等)、微生物による粘質物(デキストラン、レバン
等)、タンパク質(にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラ
ーゲン等)、の天然ポリマーやセルロース系(ビスコー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、
デンプン系(可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプ
ン、ジアルデヒドデンプン)の半合成ポリマーや、合成
ポリマー等が挙げられる。また、上記界面活性剤として
は、例えば、陰イオン系(カルボン酸塩、スルホン酸
塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホスホン酸塩
等)、陽イオン系(アミン酸、第四級アンモニウム塩、
ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム塩、ピリジニ
ウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ポリエ
チレンポリアミン等)、両性系(アミノ酸、カルボキシ
ベタイン、スルホベタイン、アミノ硫酸エステル、アミ
ノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等)、非イオン系
(エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒
素型、多価アルコール、アミノアルコール、ポリエチレ
ングリコール等)の通常の界面活性剤やフッ素系界面活
性剤等が挙げられる。本発明に用いる画像剥離部材とし
ては、種々のポリマー、ゴムあるいはアルミ、ニッケル
等の金属を直接シート、ベルト状あるいはローラーの形
状に形成して用いても良いし、他の支持体の表面上に担
持させてもよい。
【0006】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。なお、
本文中の%表示は、特に断りのない限り重量基準であ
る。 実施例1 坪量70g/m2の上質紙を用いてPPC複写機(リコ
ー社製 IMAGIO320FP1)にて画像を形成さ
せた複写画像紙を非イオン系界面活性剤ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル(日光ケミカルズ社製;BT−
7)1%、アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤(日
本PMC社製;AS−202)3%の水溶液(画像除去
促進液)に浸漬させた。浸漬後、画像除去促進液の付着
量が50g/m2になるように余分な水分を取り去り、
複写画像面に加熱したゴムローラを圧接着させゴムロー
ラから複写紙を剥ぎ取り、紙面上に形成されていた画像
を画像支持体上からゴムローラに転写し、実施例1の再
生された画像支持体を得た。ここで、サイズ剤の画像支
持体への付着量は、画像除去促進液の付着量が50g/
2の内の3%がサイズ剤であることから、50g/m2
×3%=1.5g/m2である。
【0007】実施例2 画像除去促進液に使用するサイズ剤が、合成サイズ系表
面サイズ剤(三洋化成社製;サンサイザーSA−50
8)である以外は、実施例1と同様にして実施例2の再
生された画像支持体を得た。
【0008】実施例3 画像除去促進液に使用するサイズ剤が、スチレン系表面
サイズ剤(荒川化学社製;ポリマロン360)である以
外は、実施例1と同様にして実施例3の再生された画像
支持体を得た。
【0009】実施例4 画像除去促進液に使用するサイズ剤が、オレフィン系表
面サイズ剤(荒川化学社製;ポリマロン482)である
以外は、実施例1と同様にして実施例4の再生された画
像支持体を得た。
【0010】実施例5 画像除去促進液のアルキルケテンダイマー系サイズ剤の
濃度が12%である以外は、実施例1と同様にして、実
施例5の再生された画像支持体を得た。ここで、サイズ
剤の画像支持体の付着量は、画像除去促進液の画像支持
体への付着量が50g/m2であり、その内の12%が
サイズ剤であることから、50g/m2×12%=6g
/m2である。
【0011】比較例1 画像除去促進液が非イオン系界面活性剤ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル(日光ケミカルズ社製;BT−
7)1%の水溶液で、サイズ剤を含まないこと以外は、
実施例1と同様にして比較例1の再生された画像支持体
を得た。
【0012】これらから得られた再生された画像支持体
にパイロット社筆記用赤色インクを、グラフテック社製
インクペンプランジャに充填し、0.5径のペンチップ
を用いてグラフテック社製MP4200ペンプロッタに
よりアルファベットを筆記させて、そのインクのにじみ
を評価した結果を表1に示す。インクのにじみ度合は、
5段階評価として、「1」が非常に滲む、「3」が一般
上質紙程度のにじみ、「5」は、まったく滲まず、むし
ろ水性インクをはじいてしまい不都合である程度とし
た。「2」、「4」は、それぞれの中間程度とした。
【0013】 表1 実施例 比較例 サンプル 1 2 3 4 5 1 インクのにじみ 4 3 3 3 5 1 表1に示されるように、本発明の画像除去促進液により
再生された画像支持体は、水性インクのにじみが少な
く、筆記性に優れたものである。
【0014】
【発明の効果】本発明の画像除去促進液により、また本
発明の画像支持体の再生方法により再生された画像支持
体は、水性インクのにじみが少なく、筆記性に優れたも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−101576(JP,A) 特開 平7−152290(JP,A) 特開 平3−249661(JP,A) 特開 平4−300395(JP,A) 特開 平4−89271(JP,A) 特開 昭57−125962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 7/00 G03G 21/00 B41M 5/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面近傍に液体で膨潤する層が
    設けられ、かつ、その表面に皮膜を形成する画像を有す
    る画像支持体に付与する画像除去促進液がサイズ剤を含
    むことを特徴とする画像除去促進液。
  2. 【請求項2】サイズ剤が、アルキルケテンダイマー系の
    表面サイズ剤、または、合成サイズ系の表面サイズ剤、
    スチレン系の表面サイズ剤、オレフィン系の表面サイズ
    剤であることを特徴とする請求項1記載の画像除去促進
    液。
  3. 【請求項3】再生する画像支持体へのサイズ剤の付着量
    が、5.0g/m2以下であるサイズ剤の添加量を有する
    請求項1または2記載の画像除去促進液。
  4. 【請求項4】少なくとも表面近傍に液体で膨潤する層が
    設けられ、かつ、その表面に皮膜を形成する画像を有す
    る画像支持体に、画像除去促進液を保持させた後、画像
    剥離体を介在させて画像支持体の画像を加熱接着及び/
    又は加圧接着することにより画像支持体から画像を剥離
    する画像支持体の再生方法において、該画像除去促進液
    がサイズ剤を含むことを特徴とする画像支持体の再生方
    法。
  5. 【請求項5】サイズ剤が、アルキルケテンダイマー系の
    表面サイズ剤、または、合成サイズ系の表面サイズ剤、
    スチレン系の表面サイズ剤、オレフィン系の表面サイズ
    剤であることを特徴とする請求項4記載の画像支持体の
    再生方法。
  6. 【請求項6】画像除去促進液が、再生する画像支持体へ
    のサイズ剤の付着量が、5.0g/m2以下であるサイズ
    剤の添加量を有する請求項4または5記載の画像支持体
    の再生方法。
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