JP3503665B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木粉等の木質繊維物質
の混入したポリオレフィン系樹脂組成物、特に耐候性の
良い成形物を形成することのできるポリオレフィン系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の熱可塑性樹脂に木粉を混入して木質感のある、建築、
家具、日用品用等の樹脂成形材料を得ようとする試みは
種々行われてきた。例えば、 特開昭58−204050には、木材粉粒に熱硬化
性樹脂素材を添加し、加熱圧着硬化した後切削破砕して
スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂に混入
して押出し成形する方法が開示されている。 特開昭60−188445および特開昭60−19
2746には、塩化ビニル系樹脂に木粉、ガラス繊維又
は無機充填剤、さらにはABS樹脂等の改質剤を配合し
て得られた、線膨張率が小さく、耐衝撃性に優れた塩化
ビニル系樹脂成形体が提案されている。 特開昭58−107314には、ポリオレフィン系
樹脂に対して、熱可塑性樹脂と紙材との複合体のチップ
を加えてペレットにし、これをポリオレフィン樹脂と共
に押出してシートを得る方法が開示されている。 しかしながら、これらのいずれの方法においても得られ
る成形品は紫外線に曝されると急速に白化して外観が損
なわれるばかりでなく、機械的強度が低下するという問
題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑み紫外線を長時間照射しても劣化しない押出成形品
を与える木質繊維物質含有ポリオレフィン系樹脂組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、木質繊維物質に吸収さ
れ難い紫外線吸収剤を添加することにより紫外線による
重合体劣化防止効果が得られることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(1)ポリオレフィン系樹脂100重量部、大き
さ1μm〜500μmの木質繊維の物質20〜200重
量部及び融点が200℃以上である紫外線吸収剤0.0
1〜10重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物
及び、(2)木質繊維物質が水分含有量0.8重量%以
下の木粉である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組
成物。を提供するものである。本発明で使用するポリオ
レフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソ
プレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、あ
るいはこれら樹脂の少なくとも2種以上の混合物が挙げ
られる。
【0005】また、本発明の組成物に用いられる木質繊
維物質は、木粉、パルプ、紙、綿、レーヨン、スフなど
木材又は植物繊維誘導物質である。木質繊維物質の大き
さとは最大長の平均を言う。、すなわち球状又は粒状物
質では平均粒径、直方体又は楕円体では平均長辺又は平
均長径を、又、円柱状では平均長さを指す。本発明で用
いられる木質繊維物質の大きさは、1μm〜500μ
m、好ましくは1μm〜200μmのものである。木質
繊維物質の大きさが1μm未満であると、細かすぎて舞
うので取扱いいが困難になる。一方、木質繊維物質の大
きさが500μmより大きいと成形品の均質性を欠き、
機械的強度が低下する。木質繊維物質の添加量がポリオ
レフィン系樹脂100重量部に対して、20〜200重
量部であれば、成形性及び耐衝撃性を悪くさせることな
く、成形品の線膨張率を小さくし、温度変化により熱変
形しにくく、木質状の外観を賦与することができる。木
質繊維物質が全く加えられていないか又はその添加量が
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して20重量部
未満の少量加えられた場合は充分な添加効果を期待する
ことができず、又200重量部を越えるような多量加え
られた場合には、成形性が悪くなり、成形品の外観が滑
らかとならず、又耐衝撃性が悪くなってしまう。
【0006】また、木質繊維物質の乾燥状態は、水分率
0.8重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.5重
量%以下である。水分率が0.8重量%を越えると、成
形時に発泡を起こし易い。すなわち、水分率が0.8重
量%以下に押さえられた木質繊維物質が樹脂中に混合、
分散された場合、ガスの発生が極めて小さく押さえら
れ、木質繊維の物質の周りに発生し易い空隙を防ぐこと
ができ、木質繊維物質と樹脂との接着性が良い。また、
この組成物は成形性が極めて良く、得られた成形品は線
膨張率が小さくて温度変化による熱変形が起こりにく
く、しかも抗張力、耐衝撃性の物性が極めて優れてい
る。また成形品の表面状態が滑らかで均一であり、かつ
内部も大きな空隙がないので木質状の外観を現出するこ
とができる。
【0007】本発明においては、前記ポリオレフィン系
樹脂および木粉に加えて、特異的な紫外線吸収効果を有
する物質として、融点が200℃以上の紫外線吸収剤を
使用することを1つの特徴とする。融点が200℃未満
であると、加熱混練時に木質繊維物質に捕捉、吸収され
て紫外線吸収剤として殆んど働かない。かかる融点20
0℃以上の紫外線吸収剤としては、2,2−チオビス
(4−t−オクチルフェノラト)−n−ブチルアミンニ
ッケル(融点258℃)、ビス(5−ベンゾイル−4−
ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン(融点22
3〜228℃)等が挙げられる。
【0008】本発明は、木質繊維物質を配合したポリオ
レフィン系樹脂組成物に、融点200℃以上の紫外線吸
収剤を配合することにより、成形品の耐紫外線性(耐候
性)を良好ならしめることができる。これはおそらく、
ポリオレフィン系樹脂が溶融状態にあっても紫外線吸収
剤は粉末状で存在するので木質繊維物質に吸蔵されるこ
となく該樹脂中に分散するためと考えられる。この融点
が200℃以上の紫外線吸収剤の量はポリオレフィン系
樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部である。0.01重量部より少い
と耐紫外線効果が不十分となり、又、10重量部より多
くしても添加量に伴うほどの耐紫外線効果は見られな
い。上記紫外線吸収剤の量が0.01重量部未満の少量
の場合や、量は上記規定量であっても融点が200℃未
満で成形加工時に木質繊維物質に吸収されてしまう紫外
線吸収剤を用いた場合、成形品は紫外線照射時間に伴っ
て白化する現象を呈する。これは紫外線により成形品表
面に微細なひび割れを起こすことが主因である。
【0009】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
前記ポリオレフィン系樹脂、木質繊維物質および紫外線
吸収剤の他に、必要に応じて炭酸カルシウム等の充填
剤、顔料、着色剤、帯電防止剤等の添加剤を添加しても
よい。また、滑剤を添加すると摩擦熱による木質繊維物
質の分解を抑える上で有効である。滑剤もステアリン酸
バリウムのように融点が200℃以上のものが木質繊維
物質に吸収されずに有効に機能する。その場合の該滑剤
の添加量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、
通常2〜20重量部である。
【0010】前記配合成分は、押出成形や圧縮成形に供
することができるが、予めミキサー、好ましくは高速ミ
キサー等で溶融混合し、充分均一化させて粒状のペレッ
トにしておくのが好ましい。溶融温度は180〜200
℃が好ましい。
【0011】以下、本発明の具体的実施態様を示す。 (1)ポリオレフィン系樹脂100重量部、大きさ1〜
500μm、好ましくは1〜200μmの木質繊維物質
20〜200重量部及び融点が200℃以上である紫外
線吸収剤0.01〜10重量部を含有するポリオレフィ
ン系樹脂組成物。 (2)木質繊維物質が水分含有量0.8重量%以下の木
粉である前記(1)のポリオレフィン系樹脂組成物。 (3)更に融点200℃以上の滑剤2〜20重量部含有
してなる前記(1)または(2)のポリオレフィン系樹
脂組成物。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもので
はない。
【0013】実施例1 ターボミルで粉砕した平均粒径100μmの木粉を棚段
式熱風乾燥機で乾燥して含水率0.5重量%とした。こ
の木粉100重量部と高密度ポリエチレン〔昭和電工
(株)製、SS−6008FD〕30重量部、ポリプロ
ピレン〔昭和電工(株)製、SK−711〕70重量部
及び炭酸カルシウム20重量部をヘンシェルミキサーで
混合しつつ180℃まで昇温して冷却後、ステアリン酸
バリウム6重量部及び紫外線吸収剤2,2−チオビス
(4−t−オクチルフェノラト)−n−ブチルアミンニ
ッケル(サイテックインダストリー社製、サイアソーブ
VD−1084;融点258℃)を加えて更に混合して
粒状のコンパウンドを得た。一軸押出機にこの粒状コン
パウンドを仕込み、バレル温度180℃、ダイス温度1
85℃にて押出し、50mm×7mm×1000mmの
板状成形品を得た。これから20mm×20mm×7m
mの試料片を切出し、サンシャインスーパーロングライ
フウェザーメーター(スガ試験機(株)WEL−SUN
−HCH型)に設置し、色調の変化を観察した。結果を
表1に示す。
【0014】実施例2 紫外線吸収剤として、サイアソーブUV−1084の代
りに、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メ
トキシフェニル)メタン(旭電化工業(株)製、アデカ
スタブLA−51;融点223〜228℃)を同重量部
用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。 比較例1 紫外線吸収剤として、サイアソーブUV−1084の代
わりに、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−
メチルフェノール(日本チバガイギー社製、TINUV
IN326;融点138〜141℃)を同重量部用いた
以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。 比較例2 紫外線吸収剤として、サイアソーブUV−1084代わ
りに、2−(2−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール(旭電化工業(株)製、アデカスタ
ブLA−32;融点130℃)を同重量用いた以外は実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。 比較例3 紫外線吸収剤を添加しなかった以外は実施例1と同様に
行った。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】注 記号の意味 ◎ 変化認めれれず ○ 僅かに白化している △ 約半分の面積が白化しでいる × 全面が白化している
【0017】融点が200℃以上の紫外線吸収剤を用い
た実施例1及び2では紫外線照射時間に伴う成形品の劣
化速度が遅いが、融点が200℃未満の紫外線吸収剤を
使用した比較例1及び2では紫外線吸収剤を添加しなか
った比較例3の場合と同程度に速く成形品が劣化した。
【0018】
【発明の効果】本発明によると、長時間の紫外線照射に
よっても劣化が抑えられる木質繊維物質配合ポリオレフ
ィン系樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−100086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部、大
    きさ1μm〜500μmの木質繊維物質20〜200重
    量部及び融点が200℃以上である紫外線吸収剤0.0
    1〜10重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 木質繊維物質が水分含有量0.8重量%
    以下の木粉である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物。
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