JP3502943B2 - 侵入物体検出装置 - Google Patents

侵入物体検出装置

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JP3502943B2
JP3502943B2 JP25070396A JP25070396A JP3502943B2 JP 3502943 B2 JP3502943 B2 JP 3502943B2 JP 25070396 A JP25070396 A JP 25070396A JP 25070396 A JP25070396 A JP 25070396A JP 3502943 B2 JP3502943 B2 JP 3502943B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車の盗難
防止装置などに好適な侵入物体検出装置に係り、詳しく
は、検出空間(例えば車内)への不審な人物等の侵入を
超音波を用いて検出する侵入物体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来におけるこの種の侵入物体検出装置
としては、車内の天井などの位置に設けられた超音波送
受信器から超音波の送受信を連続的に行い、超音波が、
車内で移動する物体(侵入物体)に当たって反射すると
きにこの反射波の周波数が変化するというドップラー効
果を利用して侵入物体を検出して、ホーンを鳴らす等の
警報を実行するものが知られている。
【0003】ところが、このようなドップラー方式のも
のでは、超音波の送受信を連続的に行わなければなら
ず、消費電力が多くなるという問題があった。特に、車
の盗難防止用の場合は、エンジン停止状態で駆動されて
いるためにバッテリーが短期間であがってしまう。ま
た、超音波を送受信する超音波振動子の寿命が短くなる
といった難点もある。
【0004】そこで出願人は、例えば特願平4−201
184号(特開平6−52449号)により、検出空間
へ超音波を間欠的に送信し、送信後の一定期間にわたっ
て反射波を受信し、この受信データを基準データ(例え
ば前回の受信データ)と比較して侵入物体の有無を判定
する装置を提案している。この装置は、超音波の送受信
を間欠的に行えばよいので、消費電力の低減や超音波振
動子の高寿命化が図れるという優れたものである。ま
た、前回の受信データを基準データとして毎回更新して
用いる場合には、検出空間の緩やかな温度変化による反
射波の変動により悪影響を受けずに確実な検出動作が可
能となるという利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の特願
平4−201184号により出願人が提案した装置は、
検出精度の点で以下のような改善すべき問題があった。 (1)まず、検出空間に空気の揺らぎ等の環境変化があ
る場合には、侵入物体が実際はなくても受信データが基
準データとはその分だけ異なるため、感度を高く設定し
た場合には、侵入物体が実際にはないのに検出と判定し
てしまう誤検出の恐れが高い。そして、このような誤検
出を確実に防止するには、例えば基準データとの差を異
常と判定するしきい値を大きく設定するなどにより、検
出感度を空気の揺らぎなどの分だけ低く設定せざるを得
ない。このため、この場合には検出空間に空気の揺らぎ
等が実際にはない状態においても、常に検出感度が低く
なってしまい、逆に侵入物体があるのにこれが検出でき
ないという動作が起きやすくなる。なお、このような
不具合は、従来のドップラー効果式の装置の場合にも同
様である。
【0006】(2)また、前回の受信データを基準デー
タとして毎回更新して用いる場合には、侵入物体があっ
てこれを一旦検出したときに、その反射波の受信データ
が次回の基準データとなるため、次回の判定処理におい
ては継続して侵入物体があっても侵入物体なしと判定し
てしまう。またこの場合、次回の判定処理において侵入
物体が検出空間から出ていたときには、逆に侵入物体有
りと判定してしまうという動作が発生する可能性があ
った。
【0007】そこで本発明は、超音波の送受信を間欠的
に行って侵入物体を検出する侵入物体検出装置であっ
て、環境変化による誤検出の可能性が少なく、しかも環
境変化が少ない場合には高感度な検出が可能であるとと
もに、侵入物体検出後の動作のない侵入物体検出装置
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願請求項1記載の侵入物体検出装置は、検出空間
へ超音波を間欠的に送信する送信手段と、この送信手段
による送信後の一定期間にわたって反射波を受信して、
この反射波に対応する受信データを出力する受信手段
と、この受信手段から出力された受信データを後述の基
準データ算出手段が設定した基準データと比較して、こ
れらの差が後述の誤差算出手段が設定した誤差範囲を上
回りかつこの上回る量が前記誤差範囲以外の誤差に対す
る余裕を考慮して設定されたしきい値を越えたときに侵
入物体が有ると判定する判定手段と、この判定手段によ
り侵入物体がないと判定された場合の受信データを記憶
する記憶手段と、この記憶手段に記憶された過去の受信
データのうち最新のものから順に選ばれた複数の受信デ
ータから受信データの標準偏差又は絶対平均誤差を算出
して、この標準偏差又は絶対平均誤差を前記誤差範囲と
して更新設定する動作を、少なくとも侵入物体がないと
判定された場合に毎回行う誤差算出手段と、前記記憶手
段に記憶された過去の受信データのうち最新のもの、或
いは最新のものから順に選ばれた複数の受信データか
ら、侵入物体検出判定の基準となるデータを算出して、
このデータを前記基準データとして更新設定する動作
を、少なくとも侵入物体がないと判定された場合に毎回
行う基準データ算出手段とを備えたことを特徴とする。
また、本願請求項2記載の侵入物体検出装置は、前記誤
差算出手段が算出して前記誤差範囲として更新設定する
データが、絶対平均誤差であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。第1例 まず、本発明の装置を各種演算回路等の組合せにより実
現する場合の一例である第1例について説明する。図1
は、本発明の第1例である侵入物体検出装置の構成を示
すブロック図である。この装置は、超音波発信機1(送
信手段)と、超音波受信機2(受信手段)と、間欠駆動
タイマー3と、この間欠駆動タイマー3が出力するタイ
ミング信号に基づく所定の周期で超音波発信機1を駆動
するとともに、超音波受信機2の出力から侵入物の検出
判定を行うための各種処理を実行する制御部10とを備
える。
【0010】ここで、超音波発信機1は、例えば車内の
天井やルームミラーの近傍に設置されて検出空間である
車内等に超音波を送信する超音波振動子を有するもので
ある。また、超音波受信機2は、やはり例えば車内の天
井やルームミラーの近傍に設置されて反射波を受信する
超音波振動子を有するものである。なお、これら発信機
1と受信機2は、一体品として配置されていてもよい
し、また別体として設置されていてもよい。
【0011】制御部10は、図1に示すように、発振器
11(送信手段)、標本化装置12(受信手段)、減算
器13(判定手段)、絶対値演算器14(判定手段)、
変化量決定器15(判定手段)、判定器16(判定手
段)、スイッチ17、記憶装置18(記憶手段)、基準
値算出器19(基準データ算出手段)、及び誤差範囲推
定器20(誤差算出手段)とを備える。
【0012】ここで発振器11は、超音波発信機1の超
音波振動子を駆動する高周波電力を供給する回路で、間
欠駆動タイマー3のタイミング信号に基ずき、例えば後
述の図4(A)に示すように期間T1だけ期間T2の時
間間隔で超音波発信機1を駆動し、間欠的に超音波を検
出空間に送信させる。標本化装置12は、間欠駆動タイ
マー3のタイミング信号に基ずき、送信終了後(期間T
1の終了後)から期間T3(T3<T2−T1)にわた
って、超音波受信機2により受信された受信波を毎回読
取ってこれを標本化する。ここで、標本化とは、受信波
を必要に応じて増幅しさらに検波して、所定の受信デー
タに変換する処理であり、例えば検波した波形を積分す
るなどしてその面積や重心点の座標に応じた電圧を受信
データとして出力するものである。具体的には、例え
ば、後述の図4(C)のような検波出力の面積や重心点
の座標を毎回演算するものである。
【0013】減算器13は、標本化装置12から出力さ
れた受信データから、基準値算出器19から出力される
基準データを減算し、それらの差を出力する演算器であ
る。絶対値演算器14は、減算器13の出力を絶対値に
変換する演算器である。変化量決定器15は、絶対値演
算器14から出力された絶対値のうち、誤差範囲推定器
20から出力される誤差範囲を越えるものを変化量とし
て出力するものである。判定器16は、変化量決定器1
5から出力された変化量がしきい値を上回るか否か判定
し、上回った場合には出力をオン(「1」)にし、上回
らない場合には出力をオフ(「0」)とする回路であ
る。
【0014】スイッチ17は、判定器16の出力がオン
のときに作動して、標本化装置12から出力される受信
データの記憶装置18への入力を遮断するものである。
記憶装置18は、スイッチ17の作用で、侵入物体がな
いと判定された場合(判定器16の出力がオフの場合)
に標本化装置12から出力される受信データを記憶する
メモリである。なおこの記憶装置18に記憶された受信
データのうち、基準値算出器19又は誤差範囲推定器2
0における後述の処理に使用されなくなった古い過去の
受信データは、適宜削除される構成とするのが好まし
い。
【0015】基準値算出器19は、記憶装置18に記憶
された過去の受信データのうち最新のもの、或いは最新
のものから順に選ばれた複数の受信データから、侵入物
体検出判定の基準となるデータを算出して、このデータ
を減算器13に出力する基準データとして更新設定する
動作を、少なくとも侵入物体がないと判定された場合に
毎回行う演算器である。具体的には、例えば記憶装置1
8に記憶された過去の受信データのうち毎回最新のもの
を前記基準データとして出力するか、或いは記憶装置1
8に記憶された過去の受信データのうち最新のものから
順に選ばれた複数の受信データの平均を毎回演算して、
この平均を前記基準データとして出力する。
【0016】また誤差範囲推定器20は、記憶装置18
に記憶された過去の受信データのうち最新のものから順
に選ばれた複数の受信データから、これら受信データの
誤差を算出して、この誤差を変化量決定器15に出力す
る誤差範囲として更新設定する動作を、少なくとも侵入
物体がないと判定された場合に毎回行う演算器である。
具体的には、例えば前記複数の受信データの標準偏差、
或いは前記複数の受信データの平均値に対する偏差の絶
対値の平均(絶対平均誤差)を毎回求めて、この標準偏
差又は絶対平均誤差等を誤差範囲として出力する。
【0017】以上のように構成された装置では、以下の
ように侵入物体の検出が行われて、検出空間の空気の揺
らぎ等の環境の変化への対応や、侵入検出後の動作の
防止が実現される。まず、空気の揺らぎ等の短時間での
環境の変動がほとんどない場合には、侵入物体がない限
り、標本化装置12から超音波の送受信の度に毎回出力
される受信データは、ほぼ等しいデータが連続すること
になる。このため、記憶装置18に毎回記憶される受信
データ群は、全てほぼ等しいデータとなり、基準値算出
器19から出力される基準データもこれらとほぼ等しい
データとなる。なお、温度変化等の緩やかな環境の変化
があって、これに応じて受信データが徐々に変化する場
合でも、基準データの基礎となる受信データは前述した
ように常に最新のものあるいは最新のものに近い複数が
使用されるので、やはり標本化装置12から出力される
受信データは基準値算出器19から出力される基準デー
タと毎回ほぼ等しい値となる。したがって、この場合に
は、侵入物体がない限り、絶対値演算器14に入力され
る減算器13の出力(最新の受信データと最新の基準デ
ータの差)はほぼゼロになり、判定器16の出力は確実
にオフになる。
【0018】しかもこの場合、誤差範囲推定器20によ
り算出される誤差範囲(例えば標準偏差)は、侵入物体
がない限りデータがほぼ等しいために常にゼロ又はそれ
に近い値となり、変化量決定器の入力と出力はほぼ同一
となる。このため、この状態で侵入物体が発生して受信
波が変化し、これに応じて標本化装置12から出力され
る受信データが変化すると、その変化分の絶対値がその
まま変化量決定器15の出力となり、この変化量がしき
い値を越えれば、判定器16の出力がオンとなって侵入
物体が検出判定される。したがって、このように環境の
短時間での変動がほとんどない場合、或いは変動が少な
い場合には、変化量決定器15で使用される誤差範囲が
ほとんどゼロか或いは小さな値となって実質的な感度が
その分高くなり、侵入物体の検出判定がより信頼性高く
実行される。
【0019】次に、空気の揺らぎ等の短時間での環境の
変動がある状態では、侵入物体がなくても、標本化装置
12から超音波の送受信の度に毎回出力される受信デー
タはその分変化し、減算器13の出力はその分大きな値
となる。しかしこの場合には、記憶装置18に毎回記憶
される受信データ群は、その分値がばらついたデータと
なるため、誤差範囲推定器20により算出される誤差範
囲は、その分大きな値となって、変化量決定器の出力が
その分だけ入力よりも小さくなる。したがって、このよ
うに環境の変動が大きい場合には、実質的な感度がその
分低下し、侵入物体がないのに判定器16の出力がオン
になってしまう誤検出が信頼性高く回避される。なおこ
の場合でも、侵入物体があって、上記誤差範囲を上回る
受信データの変動があれば、変化量決定器の出力がしき
い値を越えて判定器16の出力はオンになるので、少な
くとも従来と同程度の感度によって侵入物体の検出が可
能となる。
【0020】そして本例の装置では、判定器16の出力
がオンとなって侵入物体の検出が判定されると、前述の
スイッチ17の作用により、その際の受信データが記憶
装置に登録されず、基準値算出器19における基準デー
タの算出や、誤差範囲推定器20における誤差範囲の算
出のための基礎データとして使用されない。このため、
侵入物体検出後に侵入物体を検出しないという動作
や、侵入物体が検出空間から出たときに逆に侵入物体有
りと判定してしまうという誤動作が防止される。
【0021】第2例 次に、本発明の装置をマイクロコンピュータにより実現
する場合の一例である第2例について説明する。図2
は、この第2例の侵入物体検出装置の構成を示すブロッ
ク図である。この装置は、図2に示すように、例えば
0.5〜1.0秒程度の時間間隔(図4に示すT2)で
間欠的に超音波を送信する送信手段30と、送信後の一
定時間(図4に示すT3)に反射波を受信してこれに対
応する受信データを出力する受信手段40と、この受信
データに基づいて侵入物の検出判定等を行うマイクロコ
ンピュータ50とを備えている。なおマイクロコンピュ
ータ50は、本発明における、判定手段、記憶手段、誤
差算出手段、及び基準データ算出手段として機能する。
【0022】送信手段30は、例えば車内の天井やルー
ムミラーの近傍に設置されて検出空間である車内等に超
音波を送信する超音波振動子31と、この超音波振動子
31をマイクロコンピュータ50の指令により駆動する
駆動回路32とを備えており、図4(A)に示すように
間隔T2でT1の期間だけ超音波を間欠的に送信するも
のである。
【0023】受信手段40は、やはり例えば車内の天井
やルームミラーの近傍に設置されて反射波を受信する超
音波振動子41と、この超音波振動子41の出力を増幅
する増幅回路42と、この増幅回路42の出力を検波す
る検波回路43と、この検波回路43の出力をA/D変
換して受信データとして出力するA/D変換器44とを
有するものである。この受信手段40は、送信手段30
による超音波の送信後の一定期間T3にわたって図4
(B)に示すように反射波を受信して、増幅回路42で
増幅し、検波回路43で図4(C)に示すように検波
し、この検波出力を図4(D)に示すようにA/D変換
し受信データとしてマイクロコンピュータに出力する。
なお、これら発信手段30と受信手段40は、一体品と
して配置されていてもよいし、また別体として設置され
ていてもよい。
【0024】マイクロコンピュータ50は、図3のフロ
ーチャートで示す動作プログラムが格納されているRO
M51と、受信手段40からの受信データが記憶される
記憶手段としてのRAM52と、前記動作プログラムに
従って、後述のように侵入物体の有無の判定処理やその
他の制御処理を行うCPU53とを備えている。
【0025】次に、上述した侵入物体検出装置の動作
を、図3のフローチャートに基づいて説明する。まず、
マイクロコンピュータ50は、図4の期間T2が経過し
たか否かを判断し(ステップS2)、経過したときに
は、図4の期間T1にわたって送信手段30を作動させ
て超音波を送信する(ステップS4)。次いで、上記ス
テップS4の送信終了後、受信手段40を起動して反射
波の受信を開始し(ステップS6)、図4(D)に示す
如くA/D変換された受信データを読み込み(ステップ
S8)、図4の期間T3が経過したか否かを判断する
(ステップS10)。
【0026】そして、期間T3が経過したときには、受
信手段40による受信を停止し(ステップS12)、今
回の受信データと基準データ(記憶されている最新の基
準データ、即ち通常は前回の受信データ)とを比較して
それらの差を求め(ステップS14)、この差に基づい
て侵入物体の有無の判定を行う(ステップS16)。な
おこの判定は、例えば図5(C)に示すような今回の受
信データと、例えば図5(B)に示すような基準データ
と比較して、これらの差(例えば図5(D)に示す)が
後述のステップS24で設定された最新の誤差範囲より
も大きくしきい値を上回ったときに侵入物体が有るとす
る処理により行う。
【0027】具体的には、例えば受信データの図形の面
積と基準データの図形の面積の差の絶対値を求め、この
値が後述する図5の下段に示すような誤差範囲の図形の
面積(以下、面積誤差という)を上回り、さらにこの面
積誤差を上回る量が一定のしきい値を越えたときに、侵
入物体有りと判定する。或いは、例えば受信データの図
形の重心点と基準データの図形の重心点の距離の絶対値
を求め、この値が後述する図5の下段に示すような誤差
範囲内の変動があるときの基準データの図形の重心点座
標の変動量(以下、重心点誤差という)を上回り、さら
にこの重心点誤差を上回る量が一定のしきい値を越えた
ときに、侵入物体有りと判定する。さらに或いは、上記
各データの図形の面積による判定と、上記各データの図
形の重心点による判定の両者を行い、いずれか一方又は
両方の判定でしきい値を越えたときに、最終的に侵入物
体有りと判定するようにしてもよい。
【0028】次に、侵入物体があると判定したときに
は、侵入検出信号を車両のホーン駆動装置等の警報手段
に出力してステップS2に戻り(ステップS18)、一
方、侵入物体がないと判定したときには、以下のような
受信データ処理(ステップS20),基準データ更新処
理(ステップS22),誤差範囲更新処理(ステップS
24)を行った後に、ステップS2に戻る。
【0029】受信データ処理では、ステップS8で読み
込んだ今回のデータを、ROM51の過去の受信データ
を複数順番に記憶する所定のアドレスに、最新の受信デ
ータとして記憶し、既に記憶されたそれ以前の受信デー
タのなかに以後の処理で使用しない古いデータがあれば
これを必要に応じて消去する。基準データ更新処理で
は、次回のステップS16の処理において使用される基
準データを新たに決定又は算出して更新設定する。基準
データとしては、例えば、最新の受信データを設定して
もよいし、或いは記憶された受信データのうちで最新の
ものから順に選ばれた複数の受信データの例えば平均を
演算し、この平均のデータを基準データとして更新設定
するようにしてもよい。
【0030】そして誤差範囲更新処理では、図6の上段
に示すように記憶された過去の受信データのうち最新の
ものから順に選ばれた複数の受信データから、図6の下
段に示すようにこれら受信データの誤差を新たに算出し
て、この誤差を、次回のステップS16の処理において
使用される前記誤差範囲として更新設定する。なお誤差
としては、具体的には、例えば標準偏差、或いは前記複
数の受信データの平均値に対する偏差の絶対値の平均
(絶対平均誤差)などを演算により求める。
【0031】以上のステップS2〜S24の処理によれ
ば、第1例と同様に、以下のように侵入物体の検出が行
われて、検出空間の空気の揺らぎ等の環境の変化への対
応や、侵入検出後の動作の防止が実現される。まず、
空気の揺らぎ等の短時間での環境の変動がほとんどない
場合には、侵入物体がない限り、受信手段40から超音
波の送受信の度(周期T2)に毎回出力される受信デー
タは、ほぼ等しいデータが連続することになる。このた
め、ステップS20の処理でROM51に毎回記憶され
る受信データ群は、全てほぼ等しいデータが連続するこ
とになり、ステップS22で設定される基準データもこ
れらとほぼ等しいデータとなる。なお、温度変化等の緩
やかな環境の変化があって、これに応じて受信データが
徐々に変化する場合でも、基準データの基礎となる受信
データは前述したように常に最新のものあるいは最新の
ものに近い複数が使用されるので、やはり受信手段40
から出力される受信データはステップS22で設定され
た基準データと毎回ほぼ等しい値となる。したがって、
この場合には、侵入物体がない限り、ステップS16の
判定処理における判定結果は確実に侵入物体なしとな
る。
【0032】しかもこの場合、ステップS24で算出さ
れ設定される誤差範囲(例えば標準偏差)は、侵入物体
がない限りデータがほぼ等しいために常にゼロ又はそれ
に近い値となる。このため、この状態で侵入物体が発生
して受信波が変化し、これに応じて受信手段40から出
力される受信データが変化すると、その変化分がしきい
値を越えれば、ステップS16の処理により侵入物体が
検出判定される。したがって、このように環境の短時間
での変動がほとんどない場合、或いは変動が少ない場合
には、ステップS16の判定処理で使用される誤差範囲
がほとんどゼロか或いは小さな値となって実質的な感度
がその分高くなり、侵入物体の検出判定がより信頼性高
く実行される。
【0033】次に、空気の揺らぎ等の短時間での環境の
変動がある状態では、侵入物体がなくても、受信手段4
0から出力される受信データは毎回その分変化し、受信
データと基準データの差はその分大きな値となる。しか
しこの場合には、ROM51に毎回記憶される受信デー
タ群は、その分値がばらついたデータとなるため、ステ
ップS24の誤差範囲更新処理で算出される誤差範囲
は、その分大きな値となって、受信データと基準データ
の差が大きくても誤差範囲を上回る量は一定のしきい値
を越える値に到達し難くなる。したがって、このように
環境の変動が大きい場合には、実質的な感度がその分低
下し、侵入物体がないのにステップS16での処理で侵
入物体有りと判定されしまう誤検出が信頼性高く回避さ
れる。なおこの場合でも、侵入物体があって、上記誤差
範囲を上回る受信データの変動があれば、ステップS1
6の処理で誤差範囲を上回る量がしきい値を越えて侵入
物体有りと判定されるので、少なくとも従来と同程度の
感度によって侵入物体の検出が可能となる。
【0034】そして本例の装置では、ステップS16の
処理で侵入物体の検出が判定されると、ステップS16
の分岐処理により、ステップS20〜S24の処理が実
行されず、その際の受信データは、基準データの算出
や、誤差範囲の算出のための基礎データとして使用され
ない。このため、侵入物体検出後に侵入物体を検出しな
いという動作や、侵入物体が検出空間から出たときに
逆に侵入物体有りと判定してしまうという誤動作が防止
される。
【0035】
【発明の効果】本発明の侵入物体検出装置では、送信手
段により検出空間への超音波の送信が間欠的になされ、
受信手段により送信後の一定期間にわたって反射波が受
信され、この受信データに基づいて判定手段により侵入
物体の検出判定が行われるため、従来のドップラー方式
の装置と比較して、消費電力が格段に少なくなり、ま
た、超音波を送受信する超音波振動子の寿命が長くな
る。
【0036】しかも本装置では、判定手段により受信デ
ータと基準データが比較されて、これらの差が誤差範囲
を上回りかつこの上回る量がしきい値を越えたときに侵
入物体が有ると判定される。そして、誤差算出手段は、
記憶手段に記憶された過去の受信データのうち最新のも
のから順に選ばれた複数の受信データから、これら受信
データの誤差(例えば標準偏差)を算出して、この誤差
を前記誤差範囲として更新設定する動作を、少なくとも
侵入物体がないと判定された場合に毎回行う。また、基
準データ算出手段は、記憶手段に記憶された過去の受信
データのうち最新のもの、或いは最新のものから順に選
ばれた複数の受信データから、侵入物体検出判定の基準
となるデータを算出して、このデータを前記基準データ
として更新設定する動作を、少なくとも侵入物体がない
と判定された場合に毎回行う。
【0037】このため、空気の揺らぎ等の短時間での環
境の変動がある場合には、実質的な感度が従来同様に低
くなり、誤検出が信頼性高く防止され、一方、このよう
な短時間での環境の変動が少ない場合には、実質的な感
度が従来よりも高くなり、従来よりも確実に侵入物体を
検出できる。また、温度変化等の緩やかな環境の変化が
あっても誤検出することはなく、信頼性の高い侵入物体
検出が状況に応じた最高の感度で実現される。
【0038】というのは、まず、空気の揺らぎ等の短時
間での環境の変動がほとんどない場合には、侵入物体が
ない限り、受信手段から毎回出力される受信データは、
ほぼ等しいデータが連続することになる。このため、記
憶手段に記憶される受信データ群は、全てほぼ等しいデ
ータが連続することになり、基準データ算出手段により
設定される基準データもこれらとほぼ等しいデータとな
る。なお、温度変化等の緩やかな環境の変化があって、
これに応じて受信データが徐々に変化する場合でも、基
準データの基礎となる受信データは前述したように常に
最新のものあるいは最新のものに近い複数が使用される
ので、やはり受信手段から出力される受信データは基準
データ算出手段により設定された基準データと毎回ほぼ
等しい値となる。したがって、この場合には、侵入物体
がない限り、判定手段の判定結果は確実に侵入物体なし
となる。
【0039】しかもこの場合、誤差算出手段により算出
され設定される誤差範囲(例えば標準偏差)は、侵入物
体がない限りデータがほぼ等しいために常にゼロ又はそ
れに近い値となる。このため、この状態で侵入物体が発
生して受信波が変化し、これに応じて受信手段から出力
される受信データが変化すると、その変化分がしきい値
を越えれば、判定手段の処理により侵入物体が検出判定
される。したがって、このように環境の短時間での変動
がほとんどない場合、或いは変動が少ない場合には、判
定手段で使用される誤差範囲がほとんどゼロか或いは小
さな値となって実質的な感度がその分高くなり、侵入物
体の検出判定がより信頼性高く確実に実行される。
【0040】また本装置では、侵入物体の検出が判定さ
れると、その際の受信データは、少なくとも基準データ
や誤差範囲の更新のための基礎データとしては、記憶手
段に記憶されず、またそのように使用されない。このた
め、侵入物体検出後に侵入物体を検出しないという
作や、侵入物体が検出空間から出たときに逆に侵入物体
有りと判定してしまうという、従来起こり得た動作が
防止できるという優れた効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】侵入物体検出装置の第1例を示すブロック図で
ある。
【図2】侵入物体検出装置の第2例を示すブロック図で
ある。
【図3】侵入物体検出装置の第2例の動作を示すフロー
チャートである。
【図4】発信波と受信波及び受信データの一例を示す図
である。
【図5】受信データと基準データ及びその差の一例を示
す図である。
【図6】誤差範囲の算出方法を示す図である。
【符号の説明】
1 超音波発信機(送信手段) 2 超音波受信機(受信手段) 11 発振器(送信手段) 12 標本化装置(受信手段) 13 減算器(判定手段) 14 絶対値演算器(判定手段) 15 変化量決定器15(判定手段) 16 判定器(判定手段) 17 スイッチ(記憶手段) 18 記憶装置(記憶手段) 19 基準値算出器19(基準データ算出手段) 20 誤差範囲推定器20(誤差算出手段) 30 発信手段 40 受信手段 50 マイクロコンピュータ 53 CPU(判定手段、誤差算出手段、基準データ算
出手段) 51 RAM(記憶手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/00 - 15/02 B60R 25/00 - 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出空間へ超音波を間欠的に送信する送
    信手段と、 この送信手段による送信後の一定期間にわたって反射波
    を受信して、この反射波に対応する受信データを出力す
    る受信手段と、 この受信手段から出力された受信データを後述の基準デ
    ータ算出手段が設定した基準データと比較して、これら
    の差が後述の誤差算出手段が設定した誤差範囲を上回り
    かつこの上回る量が前記誤差範囲以外の誤差に対する余
    裕を考慮して設定されたしきい値を越えたときに侵入物
    体が有ると判定する判定手段と、 この判定手段により侵入物体がないと判定された場合の
    受信データを記憶する記憶手段と、 この記憶手段に記憶された過去の受信データのうち最新
    のものから順に選ばれた複数の受信データから受信デー
    タの標準偏差又は絶対平均誤差を算出して、この標準偏
    差又は絶対平均誤差を前記誤差範囲として更新設定する
    動作を、少なくとも侵入物体がないと判定された場合に
    毎回行う誤差算出手段と、 前記記憶手段に記憶された過去の受信データのうち最新
    のもの、或いは最新のものから順に選ばれた複数の受信
    データから、侵入物体検出判定の基準となるデータを算
    出して、このデータを前記基準データとして更新設定す
    る動作を、少なくとも侵入物体がないと判定された場合
    に毎回行う基準データ算出手段とを備えたことを特徴と
    する侵入物体検出装置。
  2. 【請求項2】 前記誤差算出手段が算出して前記誤差範
    囲として更新設定するデータは、絶対平均誤差であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の侵入物検出装置。
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