JP3502221B2 - 硫化鉄及びその製造方法 - Google Patents

硫化鉄及びその製造方法

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JP3502221B2 JP15287396A JP15287396A JP3502221B2 JP 3502221 B2 JP3502221 B2 JP 3502221B2 JP 15287396 A JP15287396 A JP 15287396A JP 15287396 A JP15287396 A JP 15287396A JP 3502221 B2 JP3502221 B2 JP 3502221B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な石炭液化又は重
質油水添用の触媒、さらに詳しくいえば石炭と溶剤又は
重質油を水素の存在下で軽質油に転換する場合に優れた
水素化活性を発揮する分散型触媒として用いられる硫化
鉄及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば石炭液化を例にとると、石炭を水
素化分解して液化油に変換しようとする試みは、古くは
ベルギウス法以来、研究開発が活発に行われ、これまで
新IG法、H−COAL法、SRC−II法、EDS法等
多くの石炭液化法が提案されている。触媒を使用する石
炭液化法において、触媒は液化反応塔で沸騰床法とする
方法や、石炭スラリーに添加する方法で採用され、前者
の代表としてニッケル、コバルト、モリブデン等をアル
ミナ等の担体に担採した粒状触媒が知られ、後者の代表
触媒として酸化鉄、鉄鉱石、赤泥などの粉状鉄化合物が
知られている。しかし、前者の触媒は主に触媒劣化の観
点から、後者の触媒は主に触媒活性の観点から問題が残
されている。
【0003】最近、石炭スラリーに触媒を添加する方法
において、触媒中の機能成分含有率を上げ、または触媒
を微粒化、微分散化させて石炭や溶剤との接触効率を上
げて、石炭液化を効率的に進行させる提案がなされるよ
うになった。又、鉄鉱石、水酸化鉄、赤泥、硫酸鉄など
が使われる場合、硫黄を共存させることによって液化活
性を飛躍的に増大させることが提案されている。また天
然の黄鉄鉱(パイライト)の触媒活性もよく知られてお
り、有効成分であるFeS2の含有率を高めるため化学
的合成によって製造する方法としては、例えば特開昭5
9−183831号では硫酸第一鉄七水塩と硫化ナトリ
ウム及び固体硫黄を原料として湿式法にて二硫化鉄を合
成する方法が挙げられている。この方法は水溶液から生
成物である二硫化鉄を洗浄濾過し、乾燥、粉砕の各工程
を得て製造するものである。また、工程を簡略化するた
め、特開昭61−268357号、特開昭59−155
495号及び特開平5−98266号では硫酸鉄を出発
原料とし、硫化剤として各々硫化水素及び元素硫黄を用
いて高温下で反応させる乾式法を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されているものは鉄鉱石、水酸化鉄、赤泥、硫酸鉄な
どと硫黄の共存系では液化収率が満足できるものでな
く、また液化プラントの予熱器のチューブ内面において
鉄化合物を主体とするスケールが生成し流路が詰まっ
て、連続運転障害を惹起することが知られている。ま
た、黄鉄鉱を原料とし、小口径のボールミルなどを使っ
て微粉砕することも行われているが黄鉄鉱はモース硬度
が6以上であり、ボール或いは粉砕機本体(ローターや
ステーター)の摩耗が烈しく取替え頻度が多くなるため
粒径の微小化には限度があり触媒表面積を大きく出来な
いので液化収率が低い。上記湿式法による合成品は第2
段目の反応であるFeSと硫黄との反応が固相反応であ
るので長時間を要すること及び未反応の硫黄や芒硝など
二硫化鉄以外の成分を含み水素化活性及び実用的な触媒
製造法の観点から未だ満足するものがなく、液化収率も
不充分である。
【0005】また、乾式法の特開昭59−155495
号では原料粒径を325メッシュパス(46ミクロン以
下)、特開平5−98266号では8〜15ミクロンの
粒径の硫酸鉄を用いているが、例えば20ミクロンの原
料を流動焼成炉にて反応させる場合充分な反応率を得る
ための炉内滞留時間を確保するためには空塔速度を0.
01m/秒台に落とすことが必要となる。工業的装置で
は反応熱を補給するため硫化剤の1部を空気燃焼させる
が上記流速では投入できる空気量が限られるので生産量
を下げるか或いは炉外壁からの加熱を行わざるを得なく
なる。生産性を上げるため例えば空塔速度を0.1m/
秒に上げるとこの範囲の粒子径の場合流動層密度が下が
ると共に炉頂ノズルよりの飛び出し(低滞留時間粒子)
が増えて反応率が下がり、生成粒子の解砕性も悪化する
ことが考えられる。
【0006】液化活性が高く液化プラント予熱器におけ
るスケール生成性が低い、すなわちFeS2の含有率が
高く、鉄化合物以外の成分含有率が低く、かつ石炭液化
や重質油水素化反応の場において充分な表面積をもつサ
ブミクロンレベルの粒子に分散し得る触媒物質を経済的
に製造することが強く望まれている。本発明は石炭液化
や重質油の水素化分解反応において、優れた水素化触媒
活性を発揮する硫化鉄及びその効率的な製造法を提供す
ることを目的としてなされたものである。優れた水素化
触媒活性が発揮されることによって、使い捨てできる少
量の触媒で高い石炭転化率や高い液収率、さらには高い
軽質油収率やヘテロ化合物の含有率の低いなど液化油性
状の質的向上を達成することが可能になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは微粒・高純
度硫化鉄を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、二硫化鉄
を主成分とし、一次粒子がサブミクロンよりなる化合物
を合成することによって、例えばこれを石炭液化用触媒
として用いた時、優れた水素化触媒活性が発揮されるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0008】 すなわち、本発明は、 [1]X線回折による成分が重量基準でFeS285〜
100%未満、Fe1-XS(X:0〜0.2)5〜0
%、Fe345〜0%及びFeSO410〜0%を超え
、主として粒径が10〜400ナノメートルの一次粒
子から形成される二次粒子の体積基準の累積分布の50
%粒子径(以下d50と記す)が20〜300ミクロンで
ある硫化鉄、並びに [2]d50が20〜300ミクロンの硫酸第一鉄一水塩
を主成分とする硫酸鉄と(b)粉末、溶融もしくは蒸気
状の硫黄及び/又は硫化水素とをS/Feのモル比で
3.09〜3.60の割合で流動焼成炉の流動層に送入
し、温度350℃以上630℃未満、空塔速度が0.1
m/秒以上、圧力が大気圧以上、流動用気体として、反
応温度を維持するための熱を硫黄燃焼によって与えるた
めの空気を用いて流動焼成反応させることを特徴とする
硫化鉄の製造方法である。
【0009】本発明に使用される粒状の硫酸鉄は、硫酸
第一鉄一水塩を主成分とするものであり、工業的には鉄
鋼製品の硫酸洗浄の際に発生する廃酸、または酸化チタ
ン製造において副生品液中に含まれる硫酸第一鉄、ある
いは鉄クズや鉄鉱石を硫酸に溶解して得られる硫酸第一
鉄を常温晶析して得られる七水塩を加熱して一水塩化す
るか、或いは64℃以上で晶析したものを乾燥させるこ
とによって得られる。鉄成分として純粋なものである必
要はなく、ニッケル、コバルト、モリブデン、マンガン
等の硫酸塩を含むものであってもよい。自由水分は0.
5wt%以下、望むらくは0.1wt%以下とするのが
望ましい。自由水分が多いと焼成反応における水分蒸発
のための熱負荷が増えるほか貯槽や気流移送の過程で付
着性が増し取り扱いが難しくなり好ましくない。以降の
説明において、この硫酸鉄を「硫酸第一鉄一水塩」と呼
ぶ。図1は、本発明の硫化鉄を製造する方法の一例の工
程図である。この工程について説明すると、流動焼成炉
5の内部に目皿7を設け、その上部に流動層6を形成
し、空気供給路3から供給される空気によって流動され
る。流動層6には硫酸第一鉄一塩をその供給路1から、
元素硫黄または硫化水素をその供給路2から供給する。
粉末硫黄を用いる場合は、粉末硫黄と硫酸第一鉄一塩を
混ぜて一つの供給路から供給してもよい。
【0010】この流動層6で生成した硫化鉄粒子の一部
は、溢流ノズル8から流出し、残部は炉頂ノズル9から
サイクロン10に入り、ここで分離された硫化鉄粒子は
アンダーフロー11として底部から出る。残部の粒子は
電気集塵機、バッグフィルター、セラミックあるいは粒
子充填フィルターから選択される集塵装置12で分離さ
れる。気体は硫酸製造工程20および、または硫黄回収
装置22に送られるか、排ガス加熱器13、燃焼器1
5、洗浄器16、中和器17を経て排出される。燃焼器
15の前で加熱空気14が加えられ、洗浄器16では水
によって洗浄され、中和器17ではアルカリ液がその供
給路18から供給されてガス中の酸性成分が除去された
後、ガスが排出される。集塵装置12を出たガスは、洗
浄器16を通った後、硫酸製造工程20およびまたは硫
黄回収装置22に送ることも行なわれる。硫酸製造工程
20で製造された硫酸21は、鉄くずや鉄鉱石などの鉄
塩25と共に硫酸鉄製造工程24に送られ、硫酸第一鉄
七水塩とした後、乾燥炉26へ送られる。この乾燥炉に
て、硫酸第一鉄七水塩は、脱水・乾燥され、主成分が硫
酸第一鉄一水塩となった後、粉砕機27へ送られる。硫
黄回収装置22から回収された硫黄23は硫黄または硫
化水素供給路2に送られる。
【0011】 本発明に使用される硫化剤としては元素
硫黄又は硫化水素のいずれでもよく、また元素硫黄は固
体(粉末)、液体(溶融)または蒸気状のいずれの状態
でもよい。これらは硫化剤として用いられるだけではな
く空気で燃焼させることによって反応に必要な予熱及び
反応熱供給のためにも使われる。従って、硫黄または硫
化水等は、流動焼成炉5中の目皿7上に均一に分散する
ように流動焼成炉に供給される必要がある。流動焼成炉
5としては炉底部に空気分散用目皿板7またはノズルを
有する流動層型が用いられる。流動ガスとしての空気
は、目皿孔を通すか、又は複数のノズルより吹込まれ、
硫酸第一鉄一水塩及び硫黄は目皿より上部に位置する1
ケ以上のノズルより炉内半径方向に均一に分散するよう
に供給され、反応は主として形成される流動層6内にお
いて行われる。生成物の一部は、流動層上部に設けられ
た1ケ以上の溢流ノズル8によりスクリューフィーダー
等を介して抜出される。流動層6から飛出した粒子は、
流動焼成炉5の上部のフリーボード部を経て炉上部に設
けられた炉頂ノズル9より排ガスに同伴されて炉外に出
る。また流動焼成炉5には図示は省略される温度及び圧
力計測用のノズルも適宜設置される。
【0012】流動焼成反応は、燃焼用空気量、硫酸鉄又
は硫黄量を加減することによって制御される。しかしこ
の反応は、硫酸第一鉄一水塩の脱水と硫黄による還元
(吸熱)のための熱量を硫黄の空気燃焼による酸化反応
によって与え、かつ層内で局部過熱が生じないようにす
るためには濃厚相がよく、また膨張した流動層とするこ
とが実用的である。空気中の酸素は、硫黄燃焼、次いで
生成した硫化物の燃焼に消費され、流動燃焼炉出口での
排ガス中の残存酸素はほぼ零となる。反応温度が高いほ
ど、反応速度は大きくなるが、生成物粒子同志又はその
構成一次粒子同志が焼結するので、反応温度としては純
FeS2の熔着温度である640℃未満とし、350℃
以上630℃未満、望むらくは450〜550℃の温度
とすることが望ましい。ここでいう温度は流動層に挿入
された温度計の指示値をいう。
【0013】硫酸第一鉄一水塩に対して使用される硫化
剤の量は、反応温度までの予熱量、反応熱(吸熱)量、
放熱補充量に相当する燃焼硫黄及び反応用(すなわち全
生成物中の硫黄と硫酸第一鉄一水塩中の硫黄の差)の合
計値を最小値とするが、生成物の焼結を避けるためには
硫酸第一鉄一水塩に対する反応用硫黄量、すなわちS/
Feモル比を化学的当量より0〜100%増、望ましく
は3〜20%増とすることがよい。流動焼成炉5の内部
にチャンネリングや粒子偏析やスラッギングのない健全
な流動層を形成させるためには、硫酸第一鉄一水塩の粒
径と空塔速度との選定が重要である。
【0014】すなわち、粒径を小さくすると反応表面が
増えるために流動層内での反応速度を速めることが出来
るが、粒径が小さすぎると粒子相互の付着・凝集性が増
し、チャネリングが起り易くなって安定な流動層形成が
難しくなってくる。また硫酸第一鉄一水塩はロージンラ
ミュラー型粒度分布を有しているが、健全な流動層6が
形成されるように空塔速度を適切に選ばぬと、その速度
以下の終末速度をもつ小粒子群はフリーボードを通過し
て流動ガスと共に炉頂ノズルより炉外に去ることにな
り、充分な炉内滞留時間が得られなくなって反応不足の
生成物が増えることになる。これを避けるため粒子径を
大きくすることが考えられるが、通常の知見では硫酸第
一鉄一水塩の急速加熱による脱水や硫黄との脱SO2
スを伴う反応によって粒子の解裂による小径化が起こ
り、解裂した粒子同志の付着・凝焼結又は流動造粒など
の粒径再肥大が起ることがあっても、大半の粒子は炉頂
ノズル9から出てしまい、流動焼成炉5の溢流ノズル8
からは生成物の主流は得られぬとされていた。
【0015】ところが驚くことに本発明によると、硫酸
第一鉄一水塩の乾燥条件、反応温度、S/Fe比、及び
空塔速度を前記した条件とすることによって、生成物の
粒径分布は原料の硫酸第一鉄一水塩の粒径分布がほぼそ
のまま保持され、且つその二次粒子は軽微な解砕力を与
えることによって5ミクロン以下の小粒子に破砕され
る。すなわち、本発明によって得られる生成物(二次粒
子)の粒径分布は、前述のとおり硫酸第一鉄一水塩の粒
径分布がほぼそのまま保持されるため、そのd50は20
〜300ミクロン、望ましくは50〜200ミクロン、
更に望ましくは100〜200ミクロンである。特に実
施例でも示されているとおり、溢流ノズルから採取され
る生成物の粒径分布(d50)は硫酸第一鉄一水塩の粒径
分布(d50)とほとんど同じである。また生成物の一次
粒子の粒径は、10〜400ナノメートル、そして実施
例に示されるとおり、主として25〜200ナノメート
ル程度である。
【0016】本発明においては、硫酸第一鉄一水塩のd
50を健全な流動層を形成し易い値、すなわち20〜30
0ミクロンとしこれに見合った空塔速度を選択する方法
を見出した。すなわち、平均粒径(d50)が20〜30
0ミクロンに対する空塔速度は0.1m/秒以上であ
る。望ましい平均粒径50〜200ミクロンに対する空
塔速度としては0.2〜2m/秒である。更に望ましい
平均粒径100〜200ミクロンに対する空塔速度とし
て0.3〜0.8/秒である。上記において原料となる
50が20〜300ミクロンの硫酸第一鉄一水塩粒子
は、硫酸第一鉄七水塩を脱水・乾燥してなる塊状物をハ
ンマーミル等で粉砕し、42メッシュ(タイラー篩)篩
上零、60メッシュ篩上1%のものを採取して得られ
る。また、粒度分布は、例えばレザー回折法により測定
される。
【0017】空塔速度を制御するため必要があれば燃焼
用空気に窒素等の不活性ガスまたはSO2を含む排ガス
を再循環して加えることが行われる。硫酸第一鉄一水塩
及び生成物の粒径を大きくすることによって、微粒子に
つきものの付着凝集性が減って貯槽からの排出や定量計
量並びに気流輸送が極めて容易となる。すなわち、貯槽
での粒子の圧密による粒子の排出困難や、逆にラットホ
ール形成による貯槽封入ガスの下部ノズルからの吹抜
け、及びテーブルフィダー等の定量計量器や気流輸送管
内での粒子付着による詰まり障害度が著しく低減され
る。反応時間は、流動層溢流ノズル8からの生成物につ
いては流動層6としての滞留時間(目皿7から溢流ノズ
ル8までの容積+流動層平均密度÷生成物抜出し重量速
度)、炉頂ノズル9からの生成物については粒子滞留時
間(炉内長÷空塔速度)であり、いずれも空塔速度で決
まるものである。溢流ノズル8及び炉頂ノズル9から出
てくる生成物の割合は、粒度及びその分布に依存する。
【0018】炉頂ノズル9より排ガスに同伴されて流動
焼成炉を出る粒子はサイクロン10に導かれ、捕集され
た粒子はアンダーフロー11より取り出される。取り出
された粒子の1部を流動焼成炉5へ戻すことも当該品の
FeS2純度向上のために有効である。このためサイク
ロン10を流動焼成炉5内に設置してもよい。サイクロ
ン10の温度は排ガスに含まれる硫黄が凝縮しない、ま
た酸性成分の露点以上の温度、望ましくは300℃以上
に保温等によって保持する必要がある。サイクロン10
のオーバーフローノズルを出た排ガスは、次いで電気集
塵機、バグフィルター、セラミックフィルターもしくは
粒子充填フィルターなどから選択される集塵装置12に
導かれ残存粒子が捕集される。操作温度としてはサイク
ロン10と同じく300℃以上に保持することが望まし
い。全系の操作圧を高くしないためには圧力損失の小さ
い電気集塵機が望ましいが、空気の洩れ込みによる集塵
板上の硫化物の燃焼や粉塵爆発を避けるためには、集塵
機の内圧は大気圧以上であることが望ましい。
【0019】集塵装置12を出る排ガスの中の粒子濃度
は、その後の排ガスの処理方法によって決めればよい。
排ガス中の酸性成分を酸化して硫酸または還元して元素
硫黄として回収する場合は、各々の反応器内の触媒層で
粒子が堆積して圧力上昇をきたさないレベルまでその濃
度を下げる必要がある。電気集塵機においては集塵板
数、荷電圧などによって出口粒子密度は決まる。場合に
よっては酸化あるいは還元触媒層の1つを、粒子充填層
フィルターとして粒子除去をすることも行われる。排ガ
ス中に残る未反応蒸気状硫黄は、排ガスを水などによっ
て急冷し、次いで中和処理するなど、その温度を硫黄の
凝縮温度以下に冷す場合にあっては、硫黄が急冷機器や
その後流の配管壁に付着または析出し、残留する微量の
粒子と共に流路を閉塞せしめることがある。従って事前
に未反応硫黄を除いておくために、空気による燃焼すな
わちSO2やSO3化することが有効である。燃焼温度と
しては300℃以上望ましくは500℃以上、過剰空気
率は50%以上望ましくは100%以上がよい。燃焼室
15としては空気と排ガスの接触を密にするため、空気
が多孔ノズルより高速で吹き込まれ、1秒以上望ましく
は2秒以上のガス滞留時間を有し、かつガスのショート
パスを防ぐ適当な分散板を内蔵する構造が用いられる。
必要によっては燃焼室15内にフレームホルダーを設け
ることも有効である。
【0020】酸化又は還元処理を硫黄の露点以上で行う
場合にあっては、燃焼処理は割愛することができる。排
ガス中の酸性成分は、公知の方法により酸化されて硫酸
として回収される。回収された硫酸は工業薬品として用
いられる。また、この硫酸はクズ鉄や鉄鉱石などの鉄源
とから溶解、晶析、乾燥及び粉砕工程を経て硫酸第一鉄
一水塩製造に用いられ、本発明の燃焼及び、または反応
用原料に供せられる。七水塩の脱結晶水または付着水分
の乾燥はキルン型回転乾燥機などの公知の方法が用いら
れる。排ガス中の酸性成分は還元すなわち元素硫黄とし
てクラウス法やスコット法等の公知方法を用いて回収さ
れる。当該品の製造が石炭液化や重質油の水添などと同
じ立地である場合には、これらの工場から出る硫化水素
や水素が使用出来て還元操作を容易に行うことができ
る。本発明の硫化鉄は、流動焼成炉5の溢流ノズル8、
サイクロン10及び集塵装置12により、各々d50が2
00ミクロン以下、100ミクロン以下及び25ミクロ
ン以下の二次粒子として捕集されるため、貯槽、移送又
は包装する場合に微粒子粉塵の発生や付着、凝縮などが
なく、取り扱いが容易である。最終用途、例えば本発明
の硫化鉄のスラリー輸送の場合、途中での沈殿を防ぐた
めに簡易な解砕操作によってd50を5ミクロン以下、さ
らにサブミクロンレベルにすることが可能である。
【0021】二次粒子の解砕方法としては、乾式解砕法
としての高速の不活性ガスによる粒子相互の衝突を利用
したジェットミル、湿式解砕法としてのアルコールや炭
化水素油中での超音波分散やホモミキサーなどを用いた
高剪断分散などが通常用いられる。大きなエネルギーを
必要とし摩擦の烈しい湿式ボールミルやビーズミル等の
微粉砕機を用いる必要はない。硫化鉄は、酸素に触れる
と容易に酸化し、また水に溶解するので空気や水を媒体
とするのは好ましくない。また、一次粒子は丸みを帯び
た外観形状を呈している。本発明の硫化鉄の二次粒子を
解砕してなる、上記d50が5ミクロン以下、さらにサブ
ミクロンレベルの粒子は、特に石炭液化または重質油水
素分解反応用触媒として好適である。
【0022】本発明の硫化鉄を触媒として用いて、例え
ば石炭液化反応を行う場合、石炭の種類については特に
制限はなく、無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、泥炭及
びそれらの混合物の如きすべての等級の石炭を用いるこ
とができる。石炭は通常50〜400メッシュ(タイラ
ー篩)の所望の粒径範囲に粉砕し、乾燥して使用に供す
る。溶剤は通常、石炭液化工程でつくられる液化油の一
部、例えば沸点範囲が200〜500℃などからなる中
間留分が使用される。溶剤/石炭の重量比は通常1〜4
の範囲内から選定し、流動性スラリー原料とする。これ
らの代りに、又はこれらに加えて、水素の供与と移動能
力及び再水素化が可能な、いずれの溶剤も本発明に使用
でき、例えばテトラリン、水素化或いは非水素化のクレ
オソート油やアントラセン油などが挙げられる。又、水
素供与性溶剤を石油系重質油或いはビチューメン(オイ
ルサンド油)で代替して使用することもできる。
【0023】このことは石炭の液化のみならず重質油の
水素化分解、又これらを同時に実施するいわゆるコプロ
セッシングに適用できることを意味する。重質油又はコ
プロセッシングは基本的にワンスルー反応で溶剤循環工
程を不要にすることができるため、プロセスの容積効率
が高く、装置が簡略であるなどの利点がある。スラリー
原料に加えられる該触媒の使用量は、石炭種、溶剤種や
石炭液化反応の程度、石炭液化反応装置の型式などによ
って影響されるが、通常、スラリー原料中に鉄換算量と
して0.01〜2%(重量)の範囲になるように選定す
ればよい。もちろん液化生成油への水素添加や液化生成
油からの脱ヘテロ原子などの所望の機能を促進して、液
化生成油の性状をさらに改質するために、前記の使用量
よりもさらに増量して用いてもよい。
【0024】触媒を加えたスラリー原料は水素もしくは
水素含有気体と混合され、高温、高圧下で石炭液化反応
が行われる。液化反応は回分又は連続式のどちらの反応
でも実施することができ、液化反応条件は公知の条件範
囲が採用できる。すなわち、反応温度は400〜480
℃の範囲で、反応時間はスラリー原料容量基準で30分
〜2時間の範囲で、水素圧は100〜300kg/cm
2の範囲でそれぞれ選ばれる。また、水素若しくは水素
含有気体の供給量としては、使用する反応装置に応じて
気相、液相、固相の三相の混合が十分に行われるように
配慮して供給するのが有利であり、一般にスラリー原料
に対する水素量が300〜2,000Nm3/キロリッ
トル程度の範囲から選んで供給し、消費した水素量に見
合う分だけ補給して循環使用する方法が用いられる。
【0025】ただし、これらの液化反応条件は厳密なも
のではなく、又、それぞれ単独に適正値をとるのではな
くて、相互に関連することから、好適な条件の範囲は個
々の条件の組合せによって左右される。連続式液化反応
器の型式については、スラリー反応を実施しうる型式の
ものであれば、塔型、槽型など特に制限することなく採
用でき、通常予熱領域と反応領域とから構成される。生
成物は液化反応帯域から、気相、液相、固相の三相の状
態で出てくるので、それぞれ分離、回収される。気相は
未反応水素と生成ガス(C1〜C4を含有する炭化水素ガ
スとH2S、CO、CO2、NH3のようなヘテロ原子ガ
ス)であるが、回収された未反応水素は、液化反応器に
再循環される。固相は主に未反応石炭と灰分さらには少
量の触媒を含む。液相は石炭液化生成油と溶剤とからな
る液体油であり、通常、蒸留塔で各種等級に分留されて
回収される。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、以下の実施例及び比較例中で使
用される硫酸第一鉄七水塩及び元素硫黄は市販のものを
使用した。また該硫化物も含めて成分分析はX線回折法
リガク社製(RINT1100型)、粒度測定はレザー
回折法セイシン企業製(MS−24型)を用いた。d50
とは粒度測定試料をイソプロピルアルコール中に分散さ
せて分散液として測定し、体積基準の累積分布の50%
粒子径をいう。d50’とはビーカー中に上記分散液を入
れ出力25ワットの超音波を5分間かけた後、すばやく
測定した体積基準の累積分布の50%粒子径をいう。走
査型電子顕微鏡(SEM)は日立製作所製(S−960
型)を用いた。
【0027】実施例1 硫酸第一鉄七水塩をキルン型脱水乾燥器にて付着水分
0.1wt%の硫酸第一鉄一水塩とし、その後ハンマー
ミルで粉砕し42メッシュ(タイラー篩)篩上零、60
メッシュ篩上1%のものを原料として用いた。その原料
のレザー回折法によるd50(平均径)は160ミクロン
であった。この硫酸第一鉄一水塩及び平均径30ミクロ
ンの元素硫黄粉末を各々毎時1.86kg/時間及び
1.59kg/時間の速度で500℃に保った内径10
0mm、高さ3000mm、底部に開孔率0.27%目
皿7を有する外部を保温したステンレス製流動焼成炉5
にフィーダーを介して供給した。流動ガスとして炉底よ
り500℃、1.9NM3/時間の空気と1.3NM3
時の窒素ガスを空塔速度が0.4m/秒となるように吹
き込んだ。目皿上1000mm高さの所に設けた溢流ノ
ズル8より0.7kg/時間の速度でまた、炉頂ノズル
9を通り、直径50mmのサイクロン10へ導かれる排
ガス中に含まれる粒子をサイクロンアンダーフロー11
より0.5kg/時間の速度で捕集し黒色粉末を得た。
排ガスはサイクロン10のオーバーフローを出てバグフ
ィルター12を通った後放出されるがバグフィルター1
2で9時間に捕集された粉末量は0.1kgであった。
各々生成物の成分及び粒径測定結果を表1に記載する。
SEMによる観察写真を図2、図3及び図4に示す。
【0028】
【表1】
【0029】生成物は、未反応の元素硫黄は含まず、硫
酸第一鉄の98.7%以上が硫化され、FeS2及びF
1-XSに転じている。硫化物が酸化されて生じるFe3
4は検出されなかった。サイクロンアンダーフロー品
にFeSO4及びFe1-XSが多いのはオーバーフロー品
に比べて流動層内での滞留時間が短いことや硫黄との接
触度が低いためと考えられる。d50’の値が示すよう
に、超音波処理を行うことによって容易にサブミクロン
の程度に微粒化された。図2に示す如く触媒二次粒子は
丸みをもった不定形物である。図3に二次粒子を拡大し
て典型的なものを示すが、二次粒子は丸みをおびた25
〜150ナノメートル程度の一次粒子の凝集体である。
但しこの図のように個々の構成粒子境界が明確でなく一
次粒子が埋め込まれたようなものも観られる。図4は、
超音波をかけた後の観察図であり、二次粒子が解砕され
て小粒子化した状態を示すもので、表1のd50’はその
平均的粒径を表わしている。 実施例2〜4 温度、硫黄量及び空塔速度を変える以外は実施例1と同
様に操作して表2に記載する結果を得た。空塔速度の増
加は空気量は変えずに窒素ガスを追加して行った。Fe
34及びSは検出されなかったので、この表には記載し
ていない。
【0030】
【表2】
【0031】実施例5 硫黄量を1.80kg/時間とし、またサイクロンアン
ダーフロー11を全量焼成炉5の底部へ戻す以外は実施
例1と同様に操作した。バグフィルター12から4時間
で0.1kgの粉末が回収され残る全量が溢流ノズル8
より回収され、その量は4時間で4.8kgであった。
【0032】
【表3】
【0033】実施例6 乾燥硫酸第一鉄一水塩及び元素硫黄を各々定量フィーダ
ーで計測して各々16.7kg/時間及び14.2kg
/時間の供給速度で不活性ガスを使った気流輸送により
直径300mm、高さ5000mm、底部に開孔率0.
27%の目皿7を有する耐熱レンガで内張りされた鋼製
の流動焼成炉5に供給した。流動ガスとして500℃に
加熱した空気17NM3/時間と窒素12NM3/時間を
目皿下のノズルより炉内に吹き込んだ。目皿7と目皿上
1000mmの位置に設けた溢流ノズル8の間に等間隔
に設置した3ケの温度計の指示値は3℃以内であった。
排ガスは、炉頂ノズル9を経て直径160mmのサイク
ロン10へ導き、アンダーフロー11より粒子を分離し
た後上部のオーバーフローを経て、10,000ボルト
の荷電圧をかけた30枚の集塵板を有する電気集塵機
(集塵装置)12に導いた。集塵板に捕集された粒子を
ハンマーで叩き落として電気集塵機12の底部に集め、
スクリューフィーダーにて排出した。溢流ノズル8及び
サイクロン10より得られた粒子の測定結果を表4に示
す。
【0034】
【表4】
【0035】電気集塵機での捕集粒子のFeS2含有率
が低いのは、原料の硫酸第一鉄一水塩粒子のうち小さい
ものが流動焼成炉5の流動層6に十分留ることなく未反
応のまま炉外へ出てしまうためと考えられる。又、超音
波をかけても粒子の解砕が起らないのは硫化率が低いた
め、超音波処理しても解砕されない原料の硫酸第一鉄一
水塩の性質が残るためと思われる。
【0036】比較例1 特開昭59−183831号の方法すなわち硫酸第一鉄
七水塩と硫化ナトリウム及び固体硫黄を原料として湿式
法にて二硫化鉄を合成しスラリー状の粉末を洗浄、濾
過、乾燥後ボールミルにて粉砕し次のものを得た。 FeS2 85重量% d50=8.1ミクロン FeSO4 0重量% d50=4.1ミクロン 硫黄 11重量% Na2SO4他 4重量% 硫黄除去を以下の方法で行ったが硫黄の完全除去は困難
であった。 除去方法 硫黄含有率(重量%) 除去率(%) 105℃熱水洗浄 10.2 7% CS23回洗浄(S/CS2=3) 5.7 48% CHCl33回洗浄(S/CCl3H=3) 7.5 32% 250℃窒素ガス通気 3.6 67%
【0037】比較例2 硫酸第一鉄一水塩の付着水分を0.5wt%、平均径を
18ミクロンに粉砕した他は実施例1と同じ条件で試験
した。溢流ノズルより0.25kg/時間、サイクロン
アンダーフロー11より0.75kg/時間の速度で黒
色粉末を捕集した。バクフィルター(集塵装置)12で
捕集された粉末量は8時間で0.1kgであった。溢流
ノズル8及びサイクロンアンダーフロー11より得た粉
末の測定結果を表5に記載する。
【0038】
【表5】 未反応のFeSO4が多く、d50’はサブミクロンの大
きさにはならなかった。
【0039】比較例3 岡山県花岡鉱山産天然パイライトを74ミクロンに粉
砕、乾燥後、クレオソート油で40%スラリーとし、ス
ラリーとして5kg/時間の処理能力の直径10mmの
Cr鋼球を充填し撹拌物のついた円筒とボールの入った
外筒を逆回転する横型湿式ボールミルを用いて粉砕し、
表6のものを得た。成分分析は化学分析法、また粒径は
スラリーのままレザー回折分析法にて測定した。
【表6】 50’はサブミクロンにはならなかった。
【0040】比較例4 実施例5の空気温度640℃として次の結果を得た。
【0041】
【表7】 50’は焼結のためサブミクロンの大きさにはならなか
った。
【0042】実施例7 実施例6の電気集塵機12を出た排ガスを電気ヒーター
(排ガス加熱器13)にて600℃に加熱し、また同じ
く600℃に電気ヒーターで加熱した空気8.5NM3
/時間とをガス滞留時間1秒の容積をもつ燃焼室15に
通した。空気は多孔板を通して約20m/秒の流速で排
ガスと直交する形で送入した。燃焼室15の出口に設け
た温度計は765℃を示した。燃焼室15を出た排ガス
を直径200mm、高さ3000mm円筒上部に2M3
/時間の70℃の水をスプレーする急速増湿冷却塔の上
部よりスプレー流と併行して送入した。36時間後塔を
開放点検したところ、塔内部に付着物はみられなかっ
た。燃焼室15における温度上昇計算により求めた空気
により酸化した排ガス中の硫黄量は1.2kg/時間で
ある。急速増湿冷却塔の槽底部に赤色の粉末(排ガス中
の濃度5mg/NM3に相当)が微量沈積していた。X
線回折により分析したところ、主成分はFe23であっ
た。急速増湿冷却塔を出たガスを10%の苛性ソーダ溶
液を循環する吸収塔(中和器17)に導き、酸性ガスを
Na2SO3とし、更にこれを空気酸化してNa2SO4
して除去した。吸収塔における硫黄又は鉄化合物の析出
はみられなかった。
【0043】比較例5 実施例6の電気集塵機を出た排ガスを600℃に加熱し
たが、空気を通さず、燃焼室15を経由して急速増湿冷
却塔に送入した。24時間後塔上部と塔下部との圧力差
が2mm水柱から500mm水柱に急上昇した。塔を開
放点検したところ塔上半部の排ガス流路が黒色塊によっ
て直径約10mmに挾まっていた。黒色塊を成分分析し
た結果、硫黄95重量%二硫化鉄5重量%であった。
【0044】実施例8 実施例6の電気集塵機12を出た表8に示す排ガス4N
3/時間に4.4NM3/時間の空気を加え、500m
m水柱に加圧後420℃に昇温し、外径8mm、内径5
mm、高さ5mmの円筒状の5酸化バナジウムを25リ
ットル充填した反応器に導いた。酸化反応器を出たガス
を冷却し液受槽に8時間で29kgの98%硫酸を得
た。冷却器を出た排ガスは水酸化マグネシウム溶液で残
留酸性成分を吸収除去後大気へ放出した。
【0045】
【表8】
【0046】実施例9 実施例8と同じく電気集塵機12を出た排ガス4NM3
/時間にH2S/SO2=2/1となる様に98%H2
1.5NM3/時間を加えアルミナにCo−Moを担持
した触媒を充填した円筒型の第1、第2及び第3反応器
(硫黄回収装置)22に順次通した。各反応器22は、
入り口温度が各々270℃、230℃及び230℃に保
たれ、各々の反応器を出たガスは140℃に冷却され、
10時間で合計31kgの溶融硫黄を回収した。各々回
収率(前段排出ガスに対しての率)は70、60及び4
6%であった。第3反応器22を出た排ガス中のH2
及びSO2濃度は、各々1vol%及び0.5vol%
であり、焼却筒で燃焼後放出した。
【0047】実施例10〜12及び比較例6〜8 触媒として実施例1、5及び6のものを使用して石炭液
化を行った結果を表9に、比較例1、2及び3のものを
使用して石炭液化を行った結果を表10にそれぞれ示
す。その結果は、溶剤が反応前後で変化しないと仮定
し、水分、灰分を除去した石炭に対する重量%で示す。
反応装置として外部加熱コイルヒーターを有する内容積
1リットルのSUS316ステンレス鋼製、電磁撹拌式
オートクレーブを用い、石炭液化回分実験を行った。原
料の石炭としては乾燥して100メッシュ以下(タイラ
ー篩)に微粉砕したインドネシア炭(灰分4.8wt%
含有)を使用した。溶剤は水添アントラセンを主成分と
する油を使用し、石炭と溶剤を十分に混合することによ
りスラリー原料を得た。オートクレーブ中にスラリー原
料150g(石炭60g及び溶剤90gの混合物)と石
炭に対して3重量%となる様に触媒とを仕込んだ。オー
トクレーブ内を水素で加圧して室温で100kg/cm
2、気液固接触のために回転数1,000rpmのかき
あげ式プロペラ羽根を有する撹拌機でかきまぜながら、
内温450℃で60分間反応を行った。反応時間60分
間は、反応温度450℃に到達してからその温度に保持
した時間とし、昇温(昇温速度6℃/分)及び降温(降
温15℃/分)に要した時間の補償は加味しなかった。
反応後の生成物は気体及び懸濁液とも全量回収して分析
に供した。ガス成分はガスクロマトグラフィー分析によ
り水分はカールフィッシャー分析により、また固形物質
は溶剤抽出分析により、それぞれ行った。
【0048】アスファルテンとプレアスファルテンはヘ
キサン抽出に不溶でテトラヒドロフラン抽出に溶解する
高分子物質として定義し、未反応炭はテトラヒドロフラ
ン抽出に不溶の物質のうち燃焼できる炭素質物質として
定義した。オイルは(化学的水素消費量+石炭)−(水
+ガス+アスファルテン+プレアスファルテン+未反応
炭)として求めた。
【0049】
【表9】 *実施例1と6の溢流ノズル品とサイクロンアンダーフ
ロー品の均一ブレンド(加重平均)品 **石炭中の水分及び灰分を除く対原料石炭重量%
【0050】
【表10】 *比較例2の溢流ノズル品とサイクロンアンダーフロー
品の均一ブレンド(加重平均)品 **石炭中の水分及び灰分を除く対原料石炭重量%
【0051】実施例13 各々825gの軽油をいれた2リットルのビーカーに上
記実施例1の溢流ノズル8及びサイクロン10から得た
粒子を675gづつ入れ、直径18mm歯数2ケを有す
る高速剪断分散器をセットし22000rpm(チップ
スピード20m/秒)で10分間保持した。その後この
スラリーをレザー回折法にて測定し、表11の結果を得
た。d10、d50、d90は各々体積累積値が10、50、
90%となる時の粒径値である。
【0052】
【表11】
【0053】実施例14 触媒としては実施例1のものを使い、石炭を投入しない
他は実施例10〜12及び比較例6〜8で用いたと同じ
装置及び操作条件で実験した。すなわち実施例1の溢流
ノズル8よりの捕集品(d50=157ミクロン)とサイ
クロンアンダーフロー11よりの捕集品(d50=64ミ
クロン)との均一ブレンド品(d50=110ミクロン)
を1.8g(対石炭3重量パーセントに相当する量)と
溶剤90gをオートクレーブに仕込み反応させた。反応
終了後、濾紙にて固形物を溶剤より濾別しテトラハイド
ロフランで洗浄後、風乾した。この固形物は極めて細か
い粉状物であり、レーザー回折で測定したd50は3ミク
ロンであった。またX線回折で成分を調べると殆どがF
1-XSであった。上記の濾過、洗浄、風乾の過程で固
形粒子の再凝集が生じた恐れはあるが、石炭液化や重質
油水素化分解の反応の場で硫化物は微粒子状に分散化し
ていることを示す。
【0054】実施例15及び比較例9 液化プラント予熱器として内径10mm、長さ85mの
ステンレスコイルを直径0.8mのスパイラル状に巻
き、保温ボックス内に収納した低周波誘導加熱方式の炉
を用いた。予め貯槽で石炭40重量パーセント、触媒
1.2重量パーセント及び溶剤としてクレオソート油5
8.8重量パーセントのスラリーとなる様に調合し、こ
れを加圧ポンプで170kg/cm2Gに昇圧し、毎時
100kgの速度で予熱器の下部入口より供給した。ま
た入口直前で175kg/cm2Gに加圧した純度99
容量パーセントの水素ガスを毎時60NM3の速度でス
ラリーに混じこの混合物を予熱した。予熱器出口での温
度は450℃となるように制御した。予熱器の入口部と
出口部の圧力測定しその差圧を監視した。
【0055】実施例15の結果 触媒として実施例1の溢流ノズル8からの採取品とサイ
クロンアンダーフロー11からの採取品の均一ブレンド
物を用いた。25日間運転中、差圧は15kg/cm2
で変らなかった。運転後、予熱コイルの1部を切断し内
面を調べたが付着物はなかった。 比較例9の結果 触媒として2ミクロンの鉄粉と30ミクロンの元素硫黄
の各々、45及び55重量パーセントの混合物を用い
た。運転開始後、差圧は15kg/cm2より逐次に増
加し15日後に40kg/cm2に達しポンプでの送入
が不可となった。運転後、予熱コイルを切断したところ
内面円周に約2mmの厚さで黒色の硬い付着物があっ
た。成分は灰分などの無機物が95重量パーセントで内
鉄分が50%含まれていた。
【0056】実施例16及び比較例10 反応装置として実施例10〜12及び比較例6〜8と同
じものを使用し、沸点520℃の留分が95wt%であ
るアラビアンヘビー減圧残油の水素化を行った。オート
クレーブ中に残油と触媒を合せて150g仕込み、オー
トクレーブ内を水素で加圧して室温で140kg/c
m、また反応温度を460℃とした他は実施例10〜1
2及び比較例6〜8と同じとした。なお水素化分解率は
次の式に従って求めた。沸点520℃以上の残油とは沸
点520℃以上のオイル及びヘキサン抽出不溶物であり
触媒成分は含まれない。
【0057】
【数1】 触媒として実施例1のものを使用した結果、及び比較例
として比較例3の天然パイライト粉砕品を使用した結果
を表12に示す。触媒の添加率は原料に対しいずれも重
量で3wt%とした。◇
【表12】
【発明の効果】本発明によると、生成した二硫化鉄は、
純度が高く、取扱性に優れた顆粒状であって、しかも簡
易な解砕操作によってサブミクロンレベルに微粒化しう
るものである。本発明の方法によれば、硫酸第一鉄一水
塩及び元素硫黄又は硫化水素を原料として該二硫化鉄を
効率的に製造できる。製造されたものは、例えば石炭液
化の触媒として用いると反応の場で高い水素化活性を発
揮し、石炭からオイルが高い収率で得られる。製造の際
発生する酸性ガスは酸化及び還元によって各々硫酸及び
元素硫黄として回収され、硫酸は更にクズ鉄などとから
硫酸鉄製造に用いることが出来る。すなわち副生品を再
び原料として使用する無公害、省資源製造プロセスが可
能になる。このように技術的、実用的な面を満足させ得
る微粒・高純度硫化鉄を本発明により提供できることは
資源の有効利用の点から産業上の価値が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための一具体例を示す工程
図、
【図2】本発明の硫化鉄の二次粒子の電子顕微鏡写真、
【図3】更に倍率を高めた上記二次粒子の電子顕微鏡写
真、
【図4】二次粒子を解砕した状態の上記二次粒子の電子
顕微鏡写真。
【符号の説明】
1 乾燥硫酸第1鉄塩供給路 2 元素硫黄または硫化水素供給路 3 空気供給路 4 不活性ガス供給路 5 流動焼成炉 6 流動層 7 目皿板 8 溢流ノズル 9 炉頂ノズル 10 サイクロン 11 サイクロンアンダーフロー 12 電気集塵機またはバッグフィルター 13 排ガス加熱器 14 加熱空気 15 燃焼室 16 洗浄器 17 中和器 18 アルカリ液供給路 19 放出廃ガス 20 硫酸製造工程 21 硫酸 22 硫黄回収装置 23 元素硫黄 24 硫酸鉄製造工程 25 鉄くず等の鉄源 26 乾燥機 27 粉砕機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今田 邦弘 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社君津製鐵所内 (72)発明者 井口 憲二 千葉市花見川区幕張本郷7−26−1 (56)参考文献 特開 昭61−268357(JP,A) 特開 平5−98266(JP,A) 特開 昭62−160143(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 25/00 - 47/00 C01G 49/10 - 57/00 B01J 27/043 C10G 1/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折による成分が重量基準でFeS
    2 85〜100%未満、Fe1-XS(X:0〜0.2)
    5〜0%Fe345〜0%及びFeSO410〜0%
    超える、主として粒径が10〜400ナノメートルの一
    次粒子から形成される二次粒子の体積基準の累積分布の
    50%粒子径(以下d50と記す)が20〜300ミクロ
    ンであることを特徴とする硫化鉄。
  2. 【請求項2】 該二次粒子のd50が50〜200ミクロ
    ンであることを特徴とする請求項1記載の硫化鉄。
  3. 【請求項3】 該二次粒子を超音波処理又は高剪断分散
    処理等により解砕して得られる粒子のd50が5ミクロン
    以下となることを特徴とする請求項1または2記載の硫
    化鉄。
  4. 【請求項4】 該二次粒子及び/又は該二次粒子を解砕
    してなる粒子は、石炭液化または重質油水素化分解反応
    用触媒であることを特徴とする請求項1ないし3の何れ
    かに記載の硫化鉄。
  5. 【請求項5】 (a)d50が20〜300ミクロンの硫
    酸第一鉄一水塩を主成分とする硫酸鉄と(b)粉末、溶
    融もしくは蒸気状の硫黄及び/又は硫化水素とS/F
    eのモル比で3.09〜3.60の割合で流動焼成炉の
    流動層に送入し、温度が350℃以上630℃未満、空
    塔速度が0.1m/秒以上、圧力が大気圧以上、流動用
    気体として反応温度を維持するための熱を硫黄燃焼によ
    って与えるための空気を用いて流動焼成反応させること
    を特徴とする硫化鉄の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の硫酸第一鉄一水塩を主
    成分とする硫酸鉄と硫黄及び/又は硫化水素とを流動焼
    成炉内で反応させ、更に(a)前記流動焼成炉の流動層
    上面に設けられた溢流ノズルよりd50が200ミクロン
    以下の硫化鉄の二次粒子を、また流動焼成炉の頭頂部に
    設けられた炉項ノズルを通り流動焼成炉を出る流動ガス
    の中からサイクロンによりd50が100ミクロン以下の
    二次粒子を、更に電気集塵機、バグフィルター、セラミ
    ック或いは粒子充填フィルターから選択される集塵装置
    によりd50が25ミクロン以下の硫化鉄の二次粒子を捕
    集するとともに、(b)前記集塵装置を去るガスを加熱
    器を通して300℃以上にして反応当量以上の空気と混
    ぜて未反応硫黄を燃焼室で酸化し、(c)次いでそのガ
    スを高温のまま集塵装置を通すか、水或いはアルカリ水
    を循環させた洗浄器を通すかしてガス中に残る固体粒子
    を除去し、(d)その後ガス中の酸性成分を中和器にて
    アルカリで中和して、回収し、(e)前記工程(b)に
    て集塵装置を出たガスをそのまま、或いは前記工程
    (b)及び(c)にて脱硫黄、脱塵したガスを酸化して
    硫酸製造するか、或いは前記ガスを還元して元素硫黄と
    して回収し、(f)更に前記工程(e)にて得られた硫
    酸を鉄源と反応させて硫酸第一鉄を製造し、かつ乾燥、
    粒径調整して原料硫酸第一鉄一水塩とし、同じく前記工
    程(e)にて回収した元素硫黄とともに流動焼成炉にリ
    サイクルすることを特徴とする当該硫化鉄の製造方法。
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