JP3502099B2 - 疾患の予防および治療のための酸化防止剤として有用な合成触媒のフリーラジカルスカベンジャー - Google Patents

疾患の予防および治療のための酸化防止剤として有用な合成触媒のフリーラジカルスカベンジャー

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、疾患の治療および予防のための合成触媒の
小さい分子の酸化防止剤およびフリーラジカルスカベン
ジャーの製剤組成物、病理学的状態の予防および処置に
おいて小さい分子の酸化防止剤を使用する方法、癌の化
学療法の間に組織および/または細胞の種類の標的保護
のために小さい分子の酸化防止剤を使用する方法、およ
び刺激性酸化剤または酸化的損傷の他の源、とくに酸素
誘導酸化的種、例えば、スーパーオキシド(超酸化物)
のラジカルに暴露された個体に対する毒物学的損傷を予
防するために小さい分子の酸化防止剤を使用する方法を
提供する。本発明の組成物または方法は、また、ヒト移
植器官における酸化的損傷を予防し、そして虚血組織の
再灌流後の再酸素化の障害の抑制のために使用される。
本発明の組成物および方法は、また、化学的発癌現象の
化学的予防およびエポキシドまたは遊離酸素ラジカル中
間体を包含する薬物代謝の変更のために有用である。
発明の背景 分子状酸素は、もちろん、ヒトを包含する、非条件的
好気的生物のための必須の栄養である。酸素は、多数の
重要な方法で、すなわち、酸化的リン酸化における末端
の電子受容体として、プロスタグランジンおよびビタミ
ンAの合成を包含する、多数のジオキシゲナーゼ反応に
おいて、ステロイドホルモンの形成および修飾を包含す
る、多数のヒドロキシラーゼ反応の宿主において、およ
び発癌物質を包含する、生体異物の活性化および不活性
化の両方において使用される。広範なP−450系は分子
状酸素を重要な細胞反応の宿主において使用する。同様
な物質において、自然は非常に種々の酵素反応において
フリーラジカルを使用する。
過度の濃度の種々の形態の酸素およびフリーラジカル
は、生きている系に重大な悪い作用を有することがあ
り、このような悪い作用は膜脂質の過酸化、核酸塩基の
ヒドロキシル化、およびタンパク質中のスルフヒドリル
基および他の感受性部分の酸化を包含する。コントロー
ルされない場合、突然変異および細胞の死が生ずる。
生物学的酸化防止剤は、よく定められた酵素、例え
ば、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、セレ
ニウムグルタチオンペルオキシターゼ、およびリン脂質
ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼを包
含する。非酵素の生物学酸化防止剤は、トコフェロール
類およびトコトリエノール類、カルテノイド類、キノン
類、ビリルビン、アルコルビン酸、尿酸、および金属結
合性タンパク質を包含する。種々の酸化防止剤は、脂質
および水の両方に可溶性であり、細胞および組織のすべ
ての部分の中に見出されるが、各特定の酸化防止剤はし
ばしば特徴ある分布のパターンを示す。いわゆるオボチ
オール類は、メルカプトヒスチジンの誘導体であり、ま
た、過酸化物を非酵素的に分解する。
フリーラジカル、とくに分子状酸素から誘導されたフ
リーラジカルは、広範な種類の生物学的現象において基
本的役割を演ずると信じられる。事実、危険な疾患と考
えられるものの多くは酸素のラジカル(「オキシラジカ
ル」)の病態生理学を含むことがあることが示唆された
(Zimmermen JJ(1991)Chest 100:1898)。オキシラジ
カルの障害は肺の酸素の毒性、大人の呼吸窮迫症候群
(ARDS)、気管支肺形成異常、セプシス症候群、およ
び、心筋梗塞、発作、肺バイパス、器官移植、懐死性全
腸炎、急性腎尿細管懐死、および他の疾患を包含する、
種々の虚血−再灌流症候群の病因論に関係づけられた。
オキシラジカルはタンパク質、核酸、脂質、および他の
生物学的高分子と反応して、細胞および組織に、とくに
危篤の患者において損傷を生成することがある。
フリーラジカルは、不対電子を含有する原子、イオ
ン、または分子である(Pryor,WA(1976)Free Radical
s in Biol.:1)。フリーラジカルは通常不安定であ
り、そして短い半減期を示す。元素状酸素は高度に電気
陰性であり、そしてシトクロムおよび他の還元された成
分からの単一の電子の転移を受け取る;好気的呼吸に携
わる細胞により消費されるO2の一部分は1価に還元され
てスーパーオキシドラジカル(・O2 -)になる(Cadenas
E(1989)Ann.Rev.Biochem.58.:79)。・O2 -の順次の
1価の還元は過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカ
ル(・OH)、および水を生成する。
フリーラジカルは多数の源から由来することができ、
このような源は好気的呼吸、薬物および生体異物のシト
クロムP−450触媒モノ酸化(例えば、トリクロロメチ
ルラジカル、CCl3・は四塩化炭素の酸化から形成する)
および電離放射線を包含する。例えば、組織がガンマ線
に暴露されると、細胞の中に入るエネルギーの大部分は
水により吸収され、そして水中で酸素−水素の共有結合
の切断を生じ、水素上に単一の電子および酸素上に1つ
を残し、2つのラジカルH・および・OHをつくる。ヒド
ロキシルラジカル、・OHは化学において知られている最
も反応性のラジカルである。それは生物分子と反応しそ
して連鎖反応を誘発し、そして核酸のプリンまたはピリ
ミジン塩基と相互作用することができる。事実、放射線
誘発発癌現象はフリーラジカルの損傷により開始される
ことがある(Breimer LH(1988)Brit.J.Cancer 57:
6)。また、例えば、活性化された好中球の「酸化的バ
ースト」は豊富なスーパーオキシドラジカルを生成し、
これは活性化された好中球の細胞障害作用の生成におけ
る必須の因子であると信じられる。虚血組織の再灌流
は、また、大きい濃度のオキシラジカル、典型的にはス
ーパーオキシドを生成する(Gutteride JMCおよびHalli
well B(1990)Arch.Biochem.Biophys.283:223)。その
うえ、スーパーオキシドは生理学的に内皮細胞により二
酸化窒素、生理学的レギュレーターとの反応のために生
産され、ペルオキシナイトライト、ONOO-を形成するこ
とがあり、ペルオキシナイトライトは崩壊しそしてヒド
ロキシルラジカル・OHを発生させることができる(Marl
etta MA(1989)Trends Biochem.Sci.14:488;Moncadaら
(1989)Biochem.Pharmacol.38:1709;Saranら(1990)F
ree Rad.Res.Commun.10:221;Beckmanら(1990)Proc.Na
tl.Acad.Sci.(U.S.A.)87:1620)。オキシラジカルの
追加の源は、崩壊したミトコンドリアまたは内質の細網
状電子輸送鎖、プロスタグランジンの合成、カテコール
アミンの酸化、および血小板の活性化からの電子の「漏
れ」である。
多数のフリーラジカル反応は細胞成分に対して高度に
損傷性である;それらはタンパク質を架橋し、DNAを突
然変異誘発し、そして脂質を過酸化する。いったん形成
すると、フリーラジカルは相互作用して他のフリーラジ
カルおよび非ラジカル酸化剤、例えば、一重項酸素(1O
2)および過酸化物を生成することができる。例えば、
マロンジアルデヒドは、事実上任意のアミン含有分子と
反応する過酸化脂質の反応生成物である。酸素のフリー
ラジカルは、また、タンパク質の酸化的修飾を引き起こ
す(Stadtman ER(1992)Science 257:1220)。
好気的細胞は、一般に、オキシラジカルおよびそれら
の反応生成物の有害な作用に対するある数の防御を含有
する。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD類)は、反
応: 2・O2 -+2H+→O2+H2O2 を触媒し、これはスーパーオキシドを除去しそして過酸
化水素を形成する。H2O2はラジカルではないが、細胞に
対して毒性である;それはカタラーゼおよびグルタチオ
ンペルオキシダーゼ(GSH−Px)の酵素活性により除去
される。カタラーゼ触媒は、反応 2H2O2→2H2O+O2 を触媒し、そしてGSH−Pxは次の反応式に従いそれを使
用することによって還元されたグルタチオン(GHS)を
酸化して酸化されたグルタチオン(GSSG)にすることに
よって過酸化水素を除去する: 2GSH+H2O2→GSSG+2H2O 他の酵素、例えば、リン脂質ヘドロペルオキシドグルタ
チオンペルオキシダーゼ(PLOOH−GSH−Px)は、反応性
リン脂質ヘドロペルオキシド、遊離脂肪酸ヘドロペルオ
キシド、およびコレステロールヒドロペルオキシドを対
応する無害の脂肪酸アルコールに変換する。グルタチオ
ンs−トランスフェラーゼは、また、有機過酸化物の解
毒に参加する。これらの酵素の不存在および遷移金属、
例えば、鉄または銅の存在下に、スーパーオキシドおよ
び過酸化水素は、極端に反応性のヒドロキシルラジカル
・OH-を発生する次の反応に参加することができる: ・O2 -+Fe3+→O2+Fe2+ H2O2+Fe2+→・OH+OH-+Fe3+ フリーラジカルおよび酸化剤の酵素の解毒に加えて、
種々の低分子量の酸化防止剤、例えば、グルタチオン、
アスコルベート、トコフェロール、ユビキノン、ビリル
ビン、および尿酸は天然に存在する生理学的酸化防止剤
として働く(Krinsky NI(1992)Proc.Soc.Exp.Biol.Me
d.200:248−54)。カロテノイド類は小さい分子の酸化
防止剤の他のクラスであり、そして酸化的ストレスおよ
び慢性疾患に対する保護剤として関係づけられた。Canf
ieldら(1992)Proc.Soc.Exp.Biol.Med.200:260は、カ
ロテノイド類と種々の慢性疾患、例えば、冠心臓病、白
内障および癌との間の報告された関係を要約している。
カロテノイド類は、ある患者におけるある種の前悪性の
状態、例えば、白斑症の発生を劇的に減少する。
虚血性組織の再酸素化の間のオキシラジカルの形成の
損傷作用を予防する努力において、種々の酸化防止剤が
使用されてきている。
オキシラジカル誘発損傷を予防する1つの戦略は、オ
キシラジカル、例えば、スーパーオキシドの形成を阻止
することである。鉄イオンのキレート剤、例えば、デス
フェリオキサミン(また、デフェロキサミンまたはデス
フェロール(Desferol)と呼ばれる)などは鉄イオン依
存性・OHの発生を阻止し、こうしてフリーラジカル形成
のインヒビターとして作用する(Gutteridgeら(1979)
Biochem.J.184:469;Halliwell B(1989)Free Radical
Biol.Med.:645;Van der Kraaijら(1989)Circulatio
n 80:158)。アミノ−ステロイドに基づく酸化防止
剤、例えば、「ラザロイド(lazaroids)」と呼ぶ21−
アミノステロイド(例えば、U74006F)は、また、オキ
シラジカル形成のインヒビターとして提案されてきてい
る。デフェリキサミン、アロプリノール、および他のピ
ラゾロピリミジン類、例えば、オキシプリノールは、ま
た、心筋気絶(myocardial stunning)モデル系(Bolli
ら(1989)Circ.Res.65:607)および出血および内毒素
のショック後(DeGaravillaら(1992)Drug Devel.Res.
25:139)におけるオキシラジカルの形成を防止するため
に試験された。しかしながら、これらの化合物の各々は
治療的使用のために顕著な欠点を有する。例えば、デフ
ェロキサミンは理想的なキレート剤ではなく、そしてそ
の細胞の浸透は非常に制限されている。
オキシラジカル誘発損傷を防止するための他の戦略
は、オキシラジカル、例えば、スーパーオキシドを、そ
れらがいったん形成されたとき、触媒的に除去すること
である。スーパーオキシドジスムターゼおよびカタラー
ゼは、多数の種類の実験において再灌流物に添加したと
き、あるいは虚血前に添加したとき、保護剤として、多
少の成功をもって、広範に探査されてきている(Gutter
idge JMCおよびHalliwell B(1990)前掲)。組み換え
スーパーオキシドジスムターゼの入手可能性は、脳およ
び脊髄(Uyamaら(1990)Free Radic.Biol.Med. :26
5;Limら(1986)Ann.Thorac.Surg.42:282)、内毒素症
(Schneiderら(1990)Circ.Shock 30:97;Schneiderら
(1989)Prog.Clin.Biol.Res.308:913、および心筋梗塞
(Patelら(1990)Am.J.Physiol.258:H369;Mehtaら(19
89)Am.J.Physiol.257:H1240;Nejimaら(1989)Circula
tion 79:143;Finckeら(1988)Arzneimittelforschung
38:138;Ambrosioら(1987)Circulation 75:282)の
再灌流の障害を包含する種々の医学的状態のための処置
または予防において、および新形成関節炎および腸虚血
(Vohraら(1989)J.Pediatr.Surg.24:893;Flohe L(19
88)Mol.Cell Biochm.84:123)のために、SODを投与す
る効果のいっそう広範な評価を可能とした。スーパーオ
キシドジスムターゼは、また、全身的エリテマトーデ
ス、クローン病、胃潰瘍、酸素毒性、熱傷の患者、移植
に付随する腎不全、および単純ヘルペス感染の処置にお
いて陽性の効果を有することが報告された。
オキシラジカル誘発損傷を予防するための別の戦略
は、オキシラジカル、例えば、スーパーオキシドを、こ
れらがいったん形成したならば、典型的には触媒的より
むしろ化学量論的に作用する小さい分子のスカベンジャ
ーを使用することによって、除去することである。グル
タチオンの同種のものは、種々の動物モデルにおいてオ
キシラジカルの障害を減衰するために使用されてきてい
る。例えば、N−2−メルカプトプロピオニルグリシン
は心筋虚血および再灌流のイヌのモデルにおいて保護的
作用を付与することが発見され(Mitsosら、(1986)Ci
rculation 73:1077)そしてN−アセチルシステイン
(「ムコミスト(Mucomyst)」はヒツジにおいて内毒素
の毒性の処置に使用された(Bernardら(1984)J.Clin.
Invest.73:1772)。ジメチルチオ尿素(DMTU)およびブ
チル−α−フェニルニトロン(BPN)はヒドロキシルラ
ジカル、・OH、を排除すると信じられ、そしてラットの
心筋およびウサギにおいて虚血−再灌流の障害を減少す
ることが示された(Vander Heideら(1987)J.Mol.Cel
l.Cardiol.19:615;Kennedyら(1987)J.Appl.Physiol.6
3:2426)。マンニトールは、また、フリーラジカルスカ
ベンジャーとして再酸素化の間の器官の障害を減少する
ために使用された(Fox RB(1984)J.Clin.Invest.74:1
456;Ourielら(1985)Circulation 72:254)。1つの
報告において、小さい分子のキレートはグルタチオンペ
ルオキシダーゼ模擬としての活性を有することが報告さ
れた(Spectorら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.
A.)90:7485)。
こうして、オキシラジカル形成のインヒビターおよび
/またはスーパーオキシドおよび過酸化水素を除去する
酵素および/または小さい分子のオキシラジカルスカベ
ンジャーの適用のすべては、種々の虚血の病理学的状態
において存在する再酸素化の損傷を予防するための、お
よびフリーラジカルに関連する種々の疾患の状態を処置
または予防するための保証を示した。しかしながら、こ
れらのカテゴリーの各々はいくつかの欠点を含有する。
例えば、オキシラジカル形成のインヒビターは典型的に
は正常の生理学および呼吸において必須の酵素のプロセ
スにおいて使用される遷移金属をキレート化する;その
うえ、非常に高い投与量においてさえ、これらのインヒ
ビターはオキシラジカル形成を完全には防止しない。ス
ーパーオキシドジスムターゼおよびカタラーゼは、製造
に経費がかかる大きいポリペプチドであり、細胞および
血液脳関門を浸透せず、そして一般に投与の非経口的ル
ートを必要とする。フリーラジカルスカベンジャーは化
学量論的に作用し、こうして容易に消耗され、そして有
効であるためには高い投与量で投与しなくてはならな
い。
以上に基づいて、明らかなように、危険なオキシラジ
カル、とくにスーパーオキシドおよび過酸化水素を除去
するとき効率よく、そして製造が安価であり、安定であ
り、そして有利な薬物動力学的性質、例えば、血液脳関
門を横切りかつ組織を浸透する能力を有する、酸化防止
剤が要求されている。種々の融通性のある酸化防止剤
は、製剤、化学保護剤、および可能ならば食事補助剤と
して用途を見出すであろう。本発明の1つの目的は、有
利な薬学的性質を有しそしてスーパーオキシドおよび/
または過酸化水素を触媒的および/または化学量論的に
除去する、新規な酸化防止剤のクラスを提供することで
ある。
ここにおける論考する参考文献はこの出願の提出日前
のそれらの開示のみのために提供される。前の発明によ
るこのような開示を以前のものとする権限を本発明者ら
を有するという承認として解釈すべきである。引用した
すべての刊行物をここに引用によって加える。
発明の要約 前述の目的に従い、本発明の1つの面において、効力
のある酸化防止剤および/またはフリーラジカルスカベ
ンジャーの性質を有しそして生体内の酸化防止剤として
機能する製剤組成物が提供される。本発明の製剤組成物
は、有効投与量の少なくとも1つの種のサレン−遷移金
属錯体、典型的にはサレン−マンガン錯体からなる。1
つの態様において、製剤組成物は、Mn(III)とジアミ
ン誘導体、例えば、2つの置換サリシルアルデヒドに結
合したエチレンジアミンとのキレートであるサレン−Mn
錯体からなる。これらの製剤組成物は、スーパーオキシ
ドを不均化する活性(すなわち、スーパーオキシドジス
ムターゼ活性)および、有利には、また、過酸化水素を
水に変換する活性(カタラーゼ活性)を有する。製剤組
成物は、オキシラジカル、例えば、スーパーオキシドお
よび過酸化物および他のフリーラジカル種の形成に関係
する病理学的損傷を減少するとき有効である。
本発明は、また、治療的または予防的投与量でサレン
−遷移金属錯体の組成物を適用または投与することによ
って、病理学的状態を処置および予防する方法を提供す
る。本発明の方法において使用するサレン−遷移金属錯
体は、典型的にはサレン−マンガン錯体、例えば、Mn
(III)−サレン錯体である。本発明は、重要な組織、
例えば、心筋および中枢神経系に対する虚血/再灌流の
損傷を予防または減少する方法を提供する。本発明は、
また、検出可能なSOD活性を有しそして好ましくは、ま
た、検出可能なカタラーゼ活性を有するサレン−遷移金
属錯体、好ましくはサレン−マンガン錯体の少なくとも
1つの種を治療的または予防的に有効な投与量で投与す
ることからなる、潜在的に損傷性のフリーラジカル種を
生成する種々の化合物への暴露から生ずる細胞の損傷を
予防または減少する方法を提供する。本発明の酸化防止
剤の移金属錯体は、種々のルート、例えば、非経口的、
局所的、および経口的ルートにより投与される。
本発明の1つの面において、治療的または予防的に有
効な投与量の本発明のサレン−遷移金属錯体を、単独で
投与するか、あるいは(1)1種または2種以上の酸化
防止剤の酵素、例えば、Mn−SOD,Cu,Zn−SOD、またはカ
タラーゼ、および/または(2)1種または2種以上の
フリーラジカルスカベンジャー、例えば、トコフェロー
ル、アスコルベート、グルタチオン、DMTU、N−アセチ
ルシステイン、またはN−2−メルカプトプロピオニル
グリシンおよび/または(3)1種または2種以上のオ
キシラジカルのインヒビター、例えば、デスフェリオキ
サミンまたはアロプリノール、および/または1種また
は2種以上の生物学的修飾剤、例えば、カルパインイン
ヒビターと組み合わせる。これらの組成物の配合は、処
置また予防すべき特定の病理学的状態、投与のルートお
よび形態、および患者の年令、性別、および状態に依存
する。これらの組成物は、種々の適用のために投与さ
れ、このような適用は次のものを包含する:(1)患者
における虚血/再酸素化の障害、(2)移植前の無酸
素、低酸素、または高酸素の状態における移植のための
器官の保存、(3)電離放射線および/または化学療法
(例えば、ブレオマイシンを使用するような)への暴露
に引き続いてフリーラジカル誘発損傷からの正常の組織
の保護、(4)直接に、あるいはシトクロムP−450系
を通したモノ酸素化の結果として、フリーラジカルを形
成する生体異物の化合物への暴露に引き続くフリーラジ
カル誘発障害からの細胞および組織の保護、(5)回収
された検体の生存能力を増加することによって、細胞、
組織、器官、および生物の凍結保存の増強、(6)次を
予防するための予防的投与:発癌現象、細胞の老化、白
内障の形成、マロンジアルデヒドの付加物の形成、HIV
病理学および高分子の架橋、例えば、コラーゲンの架
橋。
本発明の1つの面において、賦形剤および1μg以上
あるいは約10g以下の少なくとも1種の本発明の酸化防
止剤のサレン−遷移金属錯体からなる薬学的投与形態を
形成することによって、サレン−遷移金属錯体を経口的
ルートにより投与のために配合する。食事配合物は、フ
リーラジカル誘発疾患の治療のためにおよび/または新
形成および/または正常の好気的代謝に関連する酸化的
損傷の化学予防のために投与される。
本発明の他の面において、少なくとも1nMであるが、
約100mM以下の濃度の本発明の少なくとも1種の酸化防
止剤のサレン−遷移金属錯体からなる緩衝化水溶液を、
通常約0.1〜10mMの濃度で、典型的には静脈内投与によ
り、次の処置を行っているか、あるいは行うことが期待
された患者に投与するために配合する:(1)虚血のエ
ピソード、例えば、心筋梗塞、大脳虚血の事象、移植手
術、心臓切開手術、選択的血管形成、冠状動脈バイパス
の手術、脳の手術、腎梗塞、外傷出血、止血帯の適用、
(2)フリーラジカルを発生する化学療法剤を使用する
抗腫瘍または抗溶血化学療法、(3)内毒素のショック
またはセプシス、(4)電離放射線への暴露、(5)フ
リーラジカルであるか、あるいはフリーラジカルを生成
する外因性化合物への暴露、(6)熱的または化学的熱
傷または潰瘍、(7)高圧酸素、または(8)前もって
決定した細胞集団のアポプトーシス(例えば、リンパ球
のアポプトーシス)。本発明の緩衝化水溶液は、典型的
には他の確立された方法と組み合わせて、器官の培養、
細胞培養、移植器官の維持、および心筋梗塞のために用
途することができる。安定化エマルジョンを包含する非
水性配合物、例えば、脂質に基づく配合物が提供され
る。酸化防止剤のサレン−金属組成物は、種々のルー
ト、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、腹腔
内注射、外科的灌注、局所的適用、眼科学的適用、洗
浄、栄養、注腸、腹腔内注入、ミスト吸入、経口的すす
ぎ、および他のルートにより、意図する特定の医薬的ま
たは獣医学的用途に依存して、投与される。
本発明の他の面において、本発明の酸化防止剤のサレ
ン−遷移金属錯体は、酸化的ストレス応答要素(例え
ば、酸化防止剤応答要素、ARE)、例えば、グルタチオ
ンs−トランスフェラーゼ遺伝子またはNAD(P)H:キ
ノンレダクターゼ遺伝子の転写のコントロール下に、天
然に存在する遺伝子または他のポリヌクレオチド配列を
変調するために用途される。酸化防止剤のサレン−金属
錯体は、細胞培養(例えば、ES細胞)において、および
無傷動物、とくに導入遺伝子が転写調節配列として1ま
たは2以上のAREからなる、トランスジェニック動物に
おいて、ARE調節ポリヌクレオチド配列を変調するため
に用途することができる。
本発明は、また、酸化防止剤のサレン−マンガン錯体
の製剤組成物、このようなサレン−マンガン錯体の治療
的使用、ヒトおよび獣医学における診断、治療、および
研究の応用において酸化防止剤のサレン−マンガン錯体
を使用する方法および組成物を包含する。
本発明は、また、食物に有効量の少なくとも1種の酸
化防止剤のサレン−金属錯体種を適用することによっ
て、食物の腐敗および酸化を防止する方法を提供する。
本発明は、また、必要に応じて少なくとも1種の追加の
食物防腐剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブ
チル化ヒドロキシアニソール、硫酸塩、亜硝酸ナトリウ
ム、硝酸ナトリウム)と組み合わせて、有効量の少なく
とも1種の酸化防止剤のサレン−金属錯体からなる食物
の腐敗を防止する組成物を提供する。例えば、酸化防止
剤のサレン−金属錯体を腐敗(例えば、酸化)を受ける
食物の中に混入して、分子状酸素に暴露されたときの食
物の酸化的分解速度を減少する。
ここにおけるすべての刊行物および特許出願は、各個
々の刊行物または特許出願が特定的にまたは個々に引用
によって加えるべきであると示すのと同程度に引用によ
って加える。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明のサレン誘導体の全体的構造を示
す。
第2図は、nが0である、第1図に示す構造に従うサ
レン誘導体を示す。
第3図は、本発明の好ましい化合物の構造を示す。
第4図は、単離された脳スライスにおけるシナプス伝
達への虚血/再酸素化のエピソードの作用を示す。
第5図は、虚血/再酸素化のエピソード後のEPSPの振
幅へのサレン−Mn錯体の作用を示す。
第6図は、虚血/再酸素化のエピソード後のEPSPの初
期勾配へのサレン−Mn錯体の作用を示す。
第7図は、反復した虚血/再酸素化のエピソード後の
脳スライスの生存能力へのサレン−Mn錯体の作用を示
す。
第8図は、医原性パーキンソン病の動物モデルにおけ
るサレン−Mn錯体の保護作用を示す。
第9図は、C7が海馬スライスを乳酸誘発脂質過酸化か
ら保護することを示す。
第10図は、C7がマウス線状中のドーパミン作動性ニュ
ーロンを6−OHDA誘発変質から保護することを示す。
第11図は、C7がマウス線状中のドーパミン作動性ニュ
ーロンをMPTP誘発変質から保護することを示す。
定 義 特記しない限り、ここにおいて使用するすべての技術
および技術用語は、本発明が属する分野の当業者が普通
に理解するのと同一の意味を有する。ここに記載するの
もに類似するか、あるいは等しい方法および物質は本発
明の実施または試験において使用することができるが、
好ましい方法および物質を記載する。本発明の目的のた
めに、次の用語を下に定義する。
ここにおいて使用するとき、「酸化防止剤」は、酸化
可能な基質の生物学的分子を含有する混合物または構造
体の中に存在するとき、基質の生物学的分子の酸化を有
意に遅延または防止する物質である。酸化防止剤は、生
物学的に重要な反応性フリーラジカルまたは他の反応性
酸素種(・O2 -,H2O2・OH,HOCl、フェリル、ペルオキシ
ル、ペルオキシニトリル、およびアルコキシル)を排除
するか、あるいはそれらの形成を防止するか、あるいは
フリーラジカルまたは他の反応性酸素種を反応性が低い
種に触媒的に変換することによって作用することができ
る。本発明の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体は、一
般に検出可能なSOD活性を有する。本発明のサレン−遷
移金属錯体が、細胞培養またはアッセイの反応に添加し
たとき、錯体で処理しない平行の細胞培養またはアッセ
イの反応と比較したとき、フリーラジカル、例えば、ス
ーパーオキシド、または非ラジカルの反応性酸素種、例
えば、過酸化水素の量の検出可能な減少を生成する場
合、それは酸化防止剤の活性を有する。適当な濃度(す
なわち、有効投与量)は、種々の方法により、例えば、
実験的投与量−応答曲線を発生させ、QSAR方法または分
子のモデル化、および薬学において使用する他の方法を
使用して同種の潜在能力および効力を予測することによ
って決定することができる。酸化的損傷は一般に累積的
であるので、効力に関して最少の限界のレベル(または
投与量)は存在しないが、特定の疾患の状態について検
出可能な処置または予防の作用を生成するための投与量
を確立することができる。本発明の酸化防止剤のサレン
金属錯体はグルタチオンペルオキシダーゼ活性を有する
ことができる。
ここにおいて使用するとき、「サレン−遷移金属錯
体」は、構造I、構造II、構造III、または構造IV、構
造V、構造VI、構造VII、構造VIII、構造IX(下を参
照)に従う構造あるいは第3図および下に示すように構
造C1,C4,C6,C7,C9,C10,C11,C12,C15,C17,C20,C22,C23,C
25,C27,C28,C29、およびC30のいずれを有する化合物、
好ましくはC6,C7、およびC12から成る群より選択される
第3図に示す構造の1つに相当する構造を有する化合
物;より好ましくはスーパーオキシドの触媒的除去のた
めのC7またはC12に相当する構造を有する化合物を呼
ぶ。遷移金属は典型的にはMn,Mg,Co,Fe,V,Cr、およびNi
から成る群より選択され;そして最も便利にはMnまたは
Mgである。
ここにおいて使用するとき、「フリーラジカルに関連
する疾患」は、少なくとも一部分フリーラジカル、とく
にオキシラジカル、および他の生体内の酸素種の生成あ
るいはそれへの暴露から生ずる、個体の病理学的状態を
呼ぶ。当業者とって明らかなように、疾患の状態に寄与
する多数の因子が存在することにおいて、大部分の病理
学的状態は多因子性であり、そして個々の病理学的状態
について主要な1または2以上の原因因子の帰属または
同定はしばしば極端に困難である。これらの理由で、用
語「フリーラジカルに関連する疾患」は、フリーラジカ
ルまたは反応性酸素種からの損傷が疾患の状態の病理学
的に寄与すると信じられるか、あるいはフリーラジカル
のインヒビター(例えば、デスフェリオキサミン)、ス
カベンジャー(例えば、トコフェロール、グルタチオ
ン)、または触媒(例えば、SOD、カタラーゼ)の投与
が症候群を減少し、生存率を増加するか、あるいは病理
学的状態の処置または予防において他の検出可能な臨床
的利益を提供することによって、検出可能な利益を生成
することが示される、状態であるとして、この分野にお
いて認識された病理学的状態を包含する。例えば、限定
的ではないが、ここにおいて論考する疾患の状態は、フ
リーラジカルに関連する疾患(例えば、虚血再灌流障
害、炎症性疾患、全身的エリテマトーデス、心筋梗塞、
発作、外傷性出血、脊髄外傷、クローン病、自己免疫病
(例えば、慢性関節リウマチ、糖尿病)、白内障の形
成、ブドウ膜炎、蓄膿症、胃潰瘍、酸素毒性、新形成、
望ましくない細胞のアポプトーシス、放射線疾病、およ
び背景の節および下に論考する他の病理学的状態を考慮
する。
ここにおいて使用するとき、用語「SOD擬似(mimeti
c)、「SOD擬似(mimic)」、「スーパーオキシドジス
ムターゼ擬似」、および「スーパーオキシド触媒」は、
アッセイにより決定して、スーパーオキシドの不均化に
ついて検出可能な触媒的活性を有する化合物を呼ぶ。一
般に、SOD擬似は、標準のアッセイ法により決定して、
モル基準で、ヒトMn−SODまたはZn,Cu−SODのSOD活性の
少なくとも約0.001%を有する、および/または下にお
いて使用するSODアッセイに従い少なくとも0.01単位のS
OD活性/mM、好ましくは少なくとも1単位のSOD活性/mM
を有する。
用語「アルキル」は、炭素および水素のみを含有しそ
して、特記しない限り、1〜12個の炭素原子を含有する
環状、分枝鎖状、または直鎖状のアルキル基を呼ぶ。こ
の用語はさらに基、例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ピバリル、
ヘプチル、アダマンチル、およびシクロペンチルにより
例示される。アルキル基は置換されていないか、あるい
は1または2以上の置換基、例えば、ハロゲン、アルキ
ル、アルコキシ、アルキルチオ、トリフルオロメチル、
アシルオキシ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、
アリールオキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロ
アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミ
ノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、
ピペラジン−1−イル、または他の官能性で置換される
ことができる。
用語「低級アルキル」は1〜6個の炭素原子を有する
環状、分枝鎖状または直鎖状の1価のアルキル基を呼
ぶ。この用語はさらに基、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、
i−ブチル(または2−メチルプロピル)、シクロプロ
ピルメチル、i−アミル、n−アミル、およびヘキシル
により例示される。
用語「アリール」または「Ar]は、単一の環(例え
ば、フェニル)または多数の縮合環(例えば、ナフチル
またはアントリル)を有する1価の不飽和の芳香族炭素
環式基を呼び、これは必要に応じて置換されていない
か、あるいは、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキ
シ、アルキルチオ、トリフルオロメチル、アシルオキ
シ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、アリールオ
キシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、
アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、モルホリ
ノ、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、ピペラジン−
1−イル、または他の官能性で置換されることができ
る。
用語「置換アルコキシ」は、構造−O−Rを有する基
を呼び、ここでRは非妨害性置換基で置換されているア
ルキルである。用語「アリールアルコキシ」は構造−O
−R−Arを有する基を呼び、ここでRはアルキルであり
そしてArは芳香族置換基である。アリールアルコキシは
置換アルコキシの部分集合である。好ましい置換アルコ
キシ基の例は、ベンジルオキシ、ナフチルオキシ、およ
びクロロベンジルオキシである。
用語「アリールオキシ」は構造−O−Arを有する基を
呼び、ここでArは芳香族基である。好ましいアリールオ
キシ基はフェノキシである。
用語「複素環」は、単一の環(例えば、モルホリノ、
ピリジルまたはフリル)または多数の縮合環(例えば、
インドリジニルまたはベンゾ〔b〕チエニル)を有しそ
して少なくとも1つのN,O,P、またはSとして定義され
る異種原子を環内に有する1価の飽和、不飽和または芳
香族の炭素環式基を呼び、これは必要に応じて置換され
ていないか、あるいは、例えば、ハロゲン、アルキル、
アルコキシ、アルキルチオ、トリフルオロメチル、アシ
ルオキシ、ヒトロキシ、メルカプト、カルボキシ、アリ
ールオキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリ
ール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、モ
ルホリノ、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、ピペラ
ジン−1−イル、または他の官能性で置換されることが
できる。用語「ヘテロアリール」または「HetAr」は芳
香族複素環を呼ぶ。
「アリールアルキル」は基−R−Arおよび−R−HetA
rを呼び、ここでArはアリール基であり、HetArはヘテロ
アリールであり、そしてRは直鎖状もしくは分枝鎖状の
脂肪族基である。アリールアルキル基の例は、ベンジル
およびフルフリルを包含する。アリールアルキル基は必
要に応じて置換されていないか、あるいは、例えば、ハ
ロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、トリフ
ルオロメチル、アシルオキシ、ヒドロキシ、メルカプ
ト、カルボキシ、アリールオキシ、アリール、アリール
アルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、
ジアルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジ
ン−1−イル、ピペラジン−1−イル、または他の官能
性で置換されることができる。
ここにおいて使用するとき、用語「ハロ」または「ハ
ライド」はフルオロ、ブロモ、クロロおよびヨードの置
換基を呼ぶ。
以後の構造において使用するとき、用語「OBn」はベ
ンジルオキシを意味する。
ここにおいて使用するとき、用語「アミノ」は化学官
能性−NR'R''を呼び、ここでR'およびR''は独立に水
素、アルキル、またはアリールである。用語「第4アミ
ン」は正に帯電した基−N+R'R''R'''を呼び、ここでR',
R''、およびR'''は独立に選択されそしてアルキルまた
はアリールである。好ましいアミノ基は−NH2である。
用語「シリル」は、ここにおいて使用するとき、有機
金属の置換基を呼び、ここで少なくとも1つのケイ素原
子は少なくとも1つの炭素原子に結合している;シリル
置換基の例はトリメチルシリル置換基、(CH33Si−で
ある。
用語「製剤または薬物」は、ここにおいて使用すると
き、患者に適切に投与されたとき、所望の治療効果を誘
発することができる化合物または組成物を呼ぶ。
ここにおける他の化学用語は、The McGraw−Hill Dic
tionary of Chemical Terms(Parker,S.偏、1985)、Mc
Graw−Hill、サンフランシスコ、ここに引用によって加
える)により例示されるように、この分野において普通
の使用法に従い使用される。
詳細な説明 一般に、以後使用する名称および後述する細胞培養、
分析化学、有機合成化学、および製剤学的配合物におけ
る実験室の手順は、この分野においてよく知られそして
普通に使用されているものである。標準の技術を化学的
合成、化学分析、薬学的配合物および放出、および患者
の処置のために使用する。
本発明の基礎は、エポキシド化触媒として本来記載さ
れた化合物、いわゆるサレン−遷移金属錯体のクラスの
構成員が、また、効力のあるスーパーオキシドジスムタ
ーゼ活性および/またはカタラーゼ活性を示し、そして
生体外および生体内の両方においてフリーラジカル除去
のための触媒として機能するという予期せざる発見であ
る。サレン−遷移金属錯体は、種々の合成化学の応用の
ためにキラルエポキシド化触媒として記載された(Fuら
(1991)J.Org.Chem.56:6497;Zhang WおよびJacobsen E
N(1991)J.Org.Chem.56:2296;Jacobsenら(1991)J.A
m.Chem.Soc.113:6703;Zhangら(1990)J.Am.Chem.Soc.1
12:2801;Lee NHおよびJacobsen EN(1991)Tetrahedron
Lett.32:6533;Jacobsenら(1991)J.Am.Chem.Soc.113:
7063;Leeら(1991)Tetrahedron Lett.32:5055)。しか
しながら、サレン−遷移金属錯体は、また、フリーラジ
カルに関連する疾患の予防または処置のための製剤とし
てのそれらの使用を包含する、種々の生物学応用のため
の効力のある酸化防止剤として有用である。薬学的配合
物、食事補助剤、改良された細胞および器官の培地、改
良された凍結保存媒質、局所的軟膏、および化学的保護
および放射線保護の組成物は、有効な量または濃度の少
なくとも1種の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体種を
使用して調製することができる。
エポキシドを相互変換するためのサレン−金属錯体の
触媒活性は、また、細胞障害性および/または発癌性エ
ポキシド種、例えば、シトクロムP−450モノ酸素化系
(例えば、ベンゾ−〔a〕−ピレンジオールエポキシ
ド)により形成されることがあるもの、の生体内の形成
を排除または防止するために有利に使用することができ
る。触媒のサレン−金属錯体は、多環式炭化水素の化学
的発癌物質への暴露の危険における個体、例えば、石油
化学工業および染料の製造における作業者への食物また
は食事補助剤に有利に含める(または他の形態で投与さ
れる)ことができる。そのうえ、触媒的に活性なサレン
−金属触媒は、タバコの煙りから形成される反応性エポ
キシドの解毒を増強するために喫煙者(受動的喫煙者を
包含する)に対する投与のために配合することができ
る。
本発明の酸化防止剤のサレン金属錯体は、神経変性疾
患の進行を部分的または完全に停止させるための用途を
見出すことができる。例えば、Cu/Znスーパーオキシド
ジスムターゼにおける突然変異は、筋萎縮性測索硬化症
(ALS)に強く関連すると報告された(Rosenら(1993)
Nature 362:59;Dongら(1993)Science 261:1047)。
内因性酸化防止剤の保護の同様な欠如は、多発性硬化
症、末梢のニューロパシーなどの原因となることがあ
る。本発明の酸化防止剤のサレン金属錯体は、このよう
な神経変性疾患(例えば、ALS,MS)の処置および予防の
ために使用することができる。
サレン−遷移金属錯体 本発明の第1の面に従うと、サレン−遷移金属錯体は
次の構造を有する: ここでMは遷移金属イオン、好ましくはMnであり;Aはア
ニオン、典型的にはClであり;そしてnは0,1、または
2である。X1,X2,X3およびX4は水素、シリル、アリー
ル、アリールアルキル、第1アルキル、第2アルキル、
第3アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、
第4アミン、異種原子、および水素から成る群より独立
に選択され;典型的にはX1およびX3は同一の官能基、通
常水素、第4アミン、または第3ブチルであり、そして
X2およびX4は典型的には水素である。Y1,Y2,Y3,Y4,Y5
よびY6は水素、ハライド、アルキル、アリール、アリー
ルアルキル、シリル基、アミノ、アルキルまたは異種原
子を有するアリール;アリールオキシ、アルコキシ、お
よびハライドから成る群より独立に選択され;好ましく
は、Y1およびY4はアルコキシ、ハライド、またはアミノ
基である。典型的には、Y1およびY4は同一である。R1,R
2,R3およびR4はH,CH3,C2H5,C6H5、O−ベンジル、第1
アルキル、脂肪酸エステル、置換アルコキシアリール、
異種原子含有芳香族基、アリールアルキル、第2アルキ
ル、および第3アルキルから成る群より独立に選択され
る。
本発明の第1の面の態様の1つのクラスに従い、X1
よびX3部位の少なくとも一方、および好ましくはX1およ
びX3の両方は第2または第3アルキル基、アリール基、
シリル基、複素環、および異種原子の置換基を有するア
ルキル基、例えば、アルコキシまたはハライドから成る
ブロッキング置換基の群より選択される置換基を包含す
る。好ましくは、X1およびX3部位は同一置換基を有し、
前記置換基は最も好ましくは第3アルキル基、例えば、
第3ブチルである。好ましくは、X1およびX3がブロッキ
ング置換基を有するとき、X2およびX4は非ブロッキング
置換基、例えば、H,CH3,C2H5、および第1アルキル、最
も好ましくはHの群から選択される。あるいは、X1,X2,
X3、およびX4の3または4つはブロッキング置換基の群
から選択される。
本発明のこの第1の面に従い、典型的にはR1,R2,R3
およびR4の少なくとも1つ、一般に2以下はH,CH3,C
2H5、および第1アルキルから成る群より選択される。
便宜上、この基は非ブロッキング基と呼ぶ。R1が非ブロ
ッキング基から選択される場合、R2およびR3は好ましく
はブロッキング基から選択され、そして典型的にはR2
よびR3は同一でありそしてフェニルまたはベンジルオキ
シである。R2が非ブロッキング基から選択される場合、
R1およびR4は好ましくはブロッキング基から選択され
る。同様に、R3が非ブロッキング基から選択される場
合、R1およびR4は好ましくはブロッキング基から選択さ
れる。最後に、R4が非ブロッキング基から選択される場
合、R2およびR3は好ましくはブロッキング基から選択さ
れる。フェニルおよびベンジルオキシはR1,R2,R3、およ
びR4の任意のものにおける置換のためにとくに好ましい
ブロッキング基である。典型的には、選択されるブロッ
キング基は同一である。態様の好ましいクラスはベンジ
ルオキシまたはフェニルとしてR1およびR4を有し、そし
て水素としてR2およびR3を有する。
換言すると、本発明の第1の面の態様の1つのクラス
は、窒素に隣接する2つの炭素原子上の置換について利
用可能な4つの部位のうちで、これらの少なくとも1つ
または2つは好ましくは非ブロッキング基からの置換基
を含むであろう。
好ましくは、非ブロッキング置換基は水素またはメチ
ルであるが、最も好ましくは水素である。好ましくは、
ブロッキング置換基はフェニル基、ベンジルオキシ、ま
たは第3ブチル基、より好ましくはフェニル基またはベ
ンジルオキシ基、最も通常にはフェニル基である。
好ましくは、Y3およびY6は水素、メチル、アルキル、
またはアリールである。より好ましくは、それらは水素
またはメチルである。最も好ましくは、それらは水素で
ある。
Y1,Y2,Y4、およびY5の部位は独立に選択され、そして
好ましくは水素により占有されるが、これらの部位は、
また、水素、ハライド、アルキル、アリール、アルコキ
シ基、置換アルコキシ基、ニトロ基、およびアミノ基か
ら成る群より独立に選択される置換基により占有される
ことができる。Y1およびY4は好ましくはメトキシ、エト
キシ、クロロ、ブロモ、ヨード、第1アルキル、第3ブ
チル、第1アミン、第2アミン、または第3アミンの置
換基、最も好ましくはメトキシ、クロロ、第3ブチル、
またはメチルにより占有される。
本発明の第2の面に従うと、サレン−遷移金属錯体は
次の構造を有する。
ここでMは遷移金属のイオン、好ましくはMnであり;Aは
アニオン、典型的にはClであり;X1またはX2の少なくと
も1つはアリール、第1アルキル、第2アルキル、第3
アルキル、および異種原子から成る群より選択され、X1
またはX3の少なくとも1つはアリール、第1アルキル、
第2アルキル、第3アルキル、アリールアルキル、異種
原子、および水素、好ましくは第3ブチルまたは水素か
ら成る群より選択され、Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6,Z1,Z2,Z3,Z
4,Z5,Z6,Z7,Z8,Z9,Z10,Z11およびZ12は水素、ハライ
ド、アルキル、アリール、アミン、アルコキシ、置換ア
ルコキシ、アリールアルキル、アリールオキシ、および
異種原子を有するアルキル基から成る群より独立に選択
される。好ましくは、Y1およびY4は低級アルキル、アル
コキシ、ハライド、およびアミノ基から成る群より選択
され、好ましくはメトキシ、クロロ、および第1アミン
から成る群より選択される。第2の面に従う1つの好ま
しい態様は、Y1およびY4がメトキシであり、X1およびX3
が独立に選択され、そして水素または第3ブチルであ
り、そして残りの置換基が水素である種である。
本発明の第3の面に従うと、サレン−遷移金属錯体は
次の構造を有する: ここでMは遷移金属のイオン、典型的にはMnであり;Aは
アニオン、典型的にはClであり;nは4,5、または6であ
り;X1,X2,X3、およびX4はアリール、アリールアルキ
ル、アリールオキシ、第1アルキル、第2アルキル、第
3アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、異種原子、
アミノ、第4アミン、および水素から成る群より独立に
選択され;好ましくは、X1またはX3の少なくとも1つは
アリール、第1アルキル、第2アルキル、第3アルキ
ル、第4アミン、アリールアルキル、異種原子、および
水素から成る群より選択され;好ましくはX1およびX3
同一であり、そして水素または第3ブチルであり;Y1,
Y2,Y3,Y4,Y5、およびY6はアリール、アリールアルキ
ル、第1アルキル、第2アルキル、第3アルキル、アル
コキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、ハライド、
異種原子、アミノ、第4アミン、および水素から成る群
より選択され;好ましくはY1またはY4少なくとも1つは
アリール、第1アルキル、第2アルキル、第3アルキ
ル、置換アルコキシ、異種原子、アミン、およびハライ
ドから成る群より選択され;より好ましくはY1およびY4
は同一でありそしてメトキシ、クロロ、ブロモ、ヨー
ド、第3ブチル、またはアミンである。R1およびR4は水
素、ハライド、第1アルキル、第2アルキル、第3アル
キル、脂肪酸エステル、アルコキシ、またはアリールか
らなる群より独立に選択される。好ましくはR1およびR4
は同一である;より好ましくはR1およびR4は水素であ
る。
好ましい酸化防止剤のサレン−金属種 酸化防止剤のサレン−金属錯体の次の属は、本発明の
組成および方法における使用のために好ましく、置換基
が示されていない場合、それらは水素である。
ここでY1およびY2はメトキシ、エトキシ、メチル、エチ
ル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、第
4アミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、および
水素から成る群より独立に選択され;R1およびR2はフェ
ニル、ベンジルオキシ、クロロベンジルオキシ、水素、
アミノ、第4アミン、または脂肪酸エステルから成る群
より独立に選択される。好ましくは、Y1およびY2は同一
である。
ここでR1およびR2はフェニル、ベンジルオキシ、クロロ
ベンジルオキシ、水素、アミノ、第4アミン、または脂
肪酸エステルから成る群より独立に選択される。好まし
くは、R1およびR2は同一である。
ここでY1およびY2はメトキシ、エトキシ、メチル、エチ
ル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、第
4アミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、および
水素から成る群より独立に選択され;R1およびR2はフェ
ニル、ベンジルオキシ、クロロベンジルオキシ、水素、
アミノ、第4アミン、または脂肪酸エステルから成る群
より独立に選択される。好ましくは、Y1およびY2は同一
であり、そしてR1およびR2は同一である。
ここでXはメトキシ、エトキシ、メチル、エチル、t−
ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、第4アミ
ン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、および水素か
ら成る群より独立に選択され;Yはt−ブチル、第4アミ
ン、アミノ、および水素から成る群より選択される。
ここでR1およびR2はアリールオキシ、アルコキシ、アリ
ール、および水素から成る群より独立に選択され;R'お
よびR''はアルキル、アリール、および水素から成る群
より独立に選択される。好ましくは、アミノ基の少なく
とも1つは生理学的pH(すなわち、pH7.3〜7.8)で保護
されている。好ましいR'またはR''アルキルは、メチ
ル、エチル、およびプロピルを包含するが、これらに限
定されない。好ましいR1およびR2アリールオキシは、ベ
ンジルオキシおよびクロロベンジルオキシを包含する
が、これらに限定されない。好ましいR1およびR2アルコ
キシは、エトキシおよびメトキシを包含するが、これら
に限定されない。
構造VIIIの好ましい亜属は次のものを包含するが、こ
れらに限定されない: ここでR1およびR2はアルキルおよび水素から成る群より
選択される。好ましくは、アミノ基の少なくとも1つは
生理学的pH(すなわち、pH7.3〜7.8)で保護されてい
る。
次の種は、本発明の製剤組成物、食事補助剤、食物防
腐剤、化粧品、日焼け止め剤、および他の組成物におけ
る配合のための好ましい酸化防止剤のサレン−遷移金属
錯体であり、そして全体を通じて明瞭のために構造の番
号(例えば、C1〜C30)により参照されている。
製剤組成物 本発明の好ましい製剤組成物は、治療的または予防的
に有効な投与量の遷移金属のイオンの少なくとも1種の
サレン誘導体に基づく錯体からなる。用語「サレン」
は、ここにおいて、2分子のサリシルアルデヒド誘導体
と1分子のジアミン誘導体との縮合反応を通して典型的
には形成されたリガンドを呼ぶために使用される。サレ
ンリガンドはエチレンジアミン誘導体から形成されると
き、プロピルおよびブチルジアミンを、また、使用して
類似のサレンおよびサレン誘導体を生成することができ
る。サレン誘導体は好ましくそしてそれらの一般構造は
第1図に示されている。nが0であるサレン誘導体は第
2図に示されている。
第1図に示すように、2つの窒素および2つの酸素は
サレンリガンドの中心に向いており、こうして遷移金属
のイオンMの錯化部位を提供する。好ましくは、この金
属イオンはMn,Cr,Fe,Ni,Co,Ti,V,Ru、およびOsから成る
群より選択される。より好ましくは、遷移金属のイオン
はMn,Mg,Cr,Fe,Ni、およびCoから成る群より選択され
る。最も好ましくは、金属イオンはMnである。
好ましくは、アニオンはPF6、(アリール)、BF4
B(アリール)、ハライド、アセテート、トリフレー
ト、トシレートから成る群より選択され、ハライドまた
はPF6はより好ましく、そしてクロライドは最も好まし
い。
第1図は、また、サレンリガンド上の置換のために利
用可能な多数の部位を示す。これらの部位のうちで、
R1,R2,R3,R4、およびX1,X2,X3,X4,Y3およびY6はこの最
初のサレン−遷移金属錯体において最も重要である。
構造I,III,IV,VI,VII、およびVIIIは、R1,R2,R3、お
よびR4位置において独立に選択された脂肪酸エステル置
換基を有することができる。存在するとき、脂肪酸エス
テルは典型的には2以下の置換基の位置を占有し、そし
て通常同一である。
本発明の化合物を生成するために適当な脂肪酸の例
を、下表I,IIおよびIIIに記載する: 理解されるように、不飽和酸は1または2以上の不飽
和位置のために異性体の形態で存在する。本発明の化合
物は個々の二重結合の異性体、ならびにそれらの混合物
を包含することを意図する。本発明の脂肪酸エステルは
既知のアシル化技術により得ることができる。参照、例
えば、March,Advanced Organic Chemistry、第3版、Jo
hn Wiely&Sons、ニューヨーク(1985),pp.299,348−3
51、および353−354、ここに引用によって加える。
好ましい酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体 第3図は、本発明の好ましい酸化防止剤のサレン−遷
移金属錯体の構造を示す。酸化防止剤のサレン−遷移金
属錯体の例は第3図に示されている。化合物C1,C4,C6,C
7,C9,C10,C11、およびC12は、本発明の製剤および他の
酸化防止剤の組成物における配合のためにとくに好まし
い。C7はその円滑な製造および製剤学的使用によく適す
る比較的親水性のためにとくに好ましいとすると信じら
れる。
高いスーパーオキシドジスムターゼ活性を有する好ま
しいサレン−遷移金属錯体は、次の構造を有するC12化
合物である: C12の追加の好ましい同種のものは、次の通りであ
る: および 本発明のとくに好ましい酸化防止剤のサレン−金属錯
体はC7である: 酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体は、一般に、検出可
能なスーパーオキシドジスムターゼ活性を有しそして好
ましくは、また、カタラーゼ活性を有する。有利には、
C7は製造が簡単でありかつ比較的親水性であり、これは
製剤学的使用および水溶液中の配合にとくによく滴する
性質である。C7の比較的親水性の特質は、ヒトの体の中
に容易に吸収されかつ輸送される酸化防止剤のサレン−
金属錯体において有利に使用することができる。C7の1
つの有利な薬力学的性質は、血液脳関門を効率よくを横
切る能力であると信じられる。
酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体の製造 サレン−遷移金属錯体の製造は、次の参考文献に本質
的に記載されているように実行される:米国特許出願第
61/01915号、1991年3月21日提出、Fuら(1991)J.Org.
Chem.56:6497;Zhang WおよびJacobsen EN(1991)J.Or
g.Chem.56:2296;Jacobsenら(1991)J.Am.Chem.Soc.11
3:6703;Zhangら(1990)J.Am.Chem.Soc.112:2801;Lee N
HおよびJacobsen EN(1991)Tetrahedron Lett.32:653
3;Jacobsenら(1991)J.Am.Chem.Soc.113:7063;Leeら
(1991)Tetrahedron Lett.32:5055、それらの各々をこ
こに引用によって加える。
一般に、本発明の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体
を製造する好ましいルートは、置換サリシルアルデヒド
および置換ジアミンの縮合反応である。一般に、これら
の化合物の量は無水エタノール中で2/1のモル比で反応
させる。溶液を典型的には1時間還流させ、そしてサレ
ンリガンドは水の添加により分析的に純粋な形態で沈澱
させるか、あるいは金属をその酢酸塩、ハロゲン化物、
またはトリフレート塩の添加により金属錯体を直接発生
させる。
次の手順は次の式の酸化防止剤のサレン−Mn錯体の製
造のために一般的である: サレンリガンドを熱無水エタノールの中に再溶解して
0.1Mの溶液を調製する。固体のMn(OAC)・4H2O(2.0
当量)を一度に添加し、そしてこの溶液を1時間還流さ
せる。次いで、ほぼ3当量の固体のLiClを添加し、そし
てこの混合物をさらに0.5時間還流加熱する。この混合
物を0℃に冷却すると、Mn(III)錯体が暗褐色結晶と
して得られ、これをH2Oでよく洗浄し、そして濾過によ
りほぼ75%の収率で単離する。H2Oを母液に滴々添加す
ることによって、追加の収穫物の物質を得ることができ
る。触媒の組み合わせた収率は典型的にはこの工程につ
いて約80〜95%であり、そして光学的に純粋な1,2−ジ
フェニルエチレンジアミンから全体の少なくとも約80〜
90%である。
酸化防止剤のサレン−Mn錯体を製造する方法の他の例
は、次のように記載される:最も好ましくは、出発ジア
ミンはR,R−またはS,S−1,2−ジアミノ−1,2−ジフェニ
ルエタンであり、そして出発サリシルアルデヒドは3−
t−ブチルサリシルアルデヒドである。3mlの無水エタ
ノール中の2.0モリモルの3−t−ブチルサリシルアル
デヒドの溶液を、5mlのエタノール中の1.0ミリモルの
(R,R)−1,2−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタンの溶
液に滴々添加する。反応混合物を1時間還流加熱し、次
いで1.0ミリモルのMn(Oac)・4H2Oを熱(60℃)の溶
液に一度に添加する。この溶液の色は添加のとき黄色か
ら褐色に直ちに変化する。それをさらに30分間還流さ
せ、次いで室温に冷却する。次いで10%NaCl(5ml)の
溶液を滴々添加し、そしてこの混合物を0.5時間撹拌す
る。次いで溶媒を真空除去し、そして残留物を50mlのCH
2−Cl2および50mlのH2Oで粉砕する。有機層を分離し、
そして褐色溶液を飽和NaClで洗浄する。有機相を分離
し、そして溶媒を除去すると、粗製物質が得られ、これ
をC6H6/C6H14から再結晶化すると、(R,R)−サレン−M
n錯体を得ることができる。
本発明の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体の合成
は、引用された刊行物に従い当業者により日常的に達成
することができる。
製造されたサレン−Mn錯体のSOD活性は、この分野に
おいて知られおりそして下に例示するSOD活性について
の標準の方法により決定する。水溶液中で少なくとも0.
01単位のSOD活性/ミリモル/リットルを有するサレン
−金属錯体は酸化防止剤のサレン−金属錯体である;好
ましくは酸化防止剤のサレン−金属錯体は少なくとも約
1単位のSOD活性/ミリモル/リットルを有する;そし
てより好ましくは少なくとも約100単位のSOD活性/ミリ
モル/リットルを有する;しばしば500より大きい1000
単位までのSOD活性/mMまたはそれ以上を有する。カタラ
ーゼ活性が好ましくは補助されるある医薬的用途につい
て、SOD模倣サレン−金属錯体は、また、検出可能なカ
タラーゼ活性(例えば、C4,C7,C9,C10,C11,C12);典型
的には少なくとも10単位のカタラーゼ活性/mM、および
しばしば少なくとも100単位のカタラーゼ活性/mMを有す
ることが有利である。
製剤配合物 本発明の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体からなる
製剤組成物は、局所的および非経口的投与、すなわち、
皮下、筋肉内または静脈内の投与のために有用である。
サレン.−金属錯体が生体外でSOD活性を有し、ならび
に生体内で機能するという発見は、酸化防止剤のサレン
−金属錯体が製剤学的用途のためにSOD模倣として適当
であることを示す。酸化防止剤のサレン−金属錯体は、
ヒトの患者および獣の患者を包含する、哺乳動物に対す
る投与に適当である。
非経口的投与のための組成物は、許容されうる担体、
好ましくは水性担体の中に溶解した酸化防止剤のサレン
−遷移金属錯体またはそれらのカクテルの溶液からな
る。本発明の多数のサレン−Mn錯体は新油性であるの
で、担体の中に疎水性基剤(例えば、ポリエチレングリ
コール、ツイーン20)を含めることが好ましい。種々の
水性担体、例えば、水、緩衝化水、0.4%生理食塩水、
0.3%グリシンなどを使用することができる。これらの
溶液は安定でありそして一般に特定の物質を含まない。
これらの組成物は普通の、よく知られている滅菌技術に
より滅菌することができる。組成物は必要に応じて生理
学的状態に近似させるために製剤学的に許容されうる助
剤、例えば、pH調節剤および緩衝剤、毒性調節剤など、
例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、炭酸カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有するこ
とができる。これらの配合物中の1種または2種以上の
酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体の濃度は、広く変化
することができ、すなわち、約1nMより小から、通常少
なくとも0.1mMから100mM程度に高くまで変化することが
でき、そして主として流体の体積、粘度などに基づい
て、特定の選択した投与のモードに従い選択されるであ
ろう。最も通常には、酸化防止剤のサレン−金属錯体は
0.1mM〜10mMの濃度で存在する。例えば、静脈内注射の
ための典型的な配合物は、リンゲル溶液中の5mMの濃度
の酸化防止剤のサレン−金属錯体(例えば、C7)の無菌
の溶液からなる。好ましい酸化防止剤のサレン−金属錯
体のいくつかの一般的に疎水性の物質は、疎水性賦形剤
を使用できること、あるいは洗浄剤または他の新油性剤
(例えば、ツイーン、NP−10,PEG)からなる水性賦形剤
を使用できることを示す;あるいは酸化防止剤のサレン
錯体は水性担体中の懸濁液として、あるいはエマルジョ
ンとして投与することができる。
こうして、筋肉内注射のため典型的な製剤組成物は1m
lの無菌の緩衝化水、および約1〜100mgの1種または2
種以上の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体を含有する
ように構成することができるであろう。静脈内注入のた
めの典型的な製剤組成物は250mlの無菌のリンゲル溶
液、および約100〜1000mgの1種または2種以上の酸化
防止剤のサレン−遷移金属錯体を含有するように構成す
ることができるであろう。新油剤は新油性サレン−金属
錯体の配合物の中に含めることができる。非経口的に投
与可能な組成物を調製する実際の方法は、当業者に知ら
れているか、あるいは明らかであり、そして例えば、次
の文献にいっそう詳細に記載されている:Remington's P
harmaceutical Science,第15版、Mack Publishing Comp
any,ペンシルベニア州イーストン(1980)これをここに
引用によって加える。局所的適用のための典型的な製剤
組成物は、適当な皮膚軟膏、クリーム、ローション、眼
科学的軟膏および溶液、呼吸エーロゾル、および他の賦
形剤を使用して調製することができる。賦形剤は、調製
物の1種または2種以上の活性成分である1種または2
種以上の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体と化学的に
適合性であり、そして一般に活性成分の分解、変性、ま
たは凝集を増加すべきではない。しばしば、賦形剤は新
油性成分、例えば、油および脂質のエマルジョンを有す
るであろう。
本発明の1種または2種以上の酸化防止剤のサレン−
遷移金属錯体は、貯蔵のために凍結乾燥し、そして使用
前に適当な担体で再構成することができる。当業者は理
解するように、凍結乾燥および再構成は変化する程度の
酸化防止剤の活性の損失に導くことがあり、そして使用
レベルを調節して補償しなくてはならないことがある。
本発明の1種または2種以上の酸化防止剤のサレン−
遷移金属錯体またはそれらのカクテルを含有する組成物
は、予防および/または治療的処置のために投与するこ
とができる。治療的適用において、組成物は特定のフリ
ーラジカルに関連する疾患により既に影響を受けた患者
に、その状態およびその合併症を治癒するか、あるいは
少なくとも部分的に停止するために十分な量で投与され
る。この達成するために適切な量は、「治療的に有効な
投与量」または「有効投与量」と定義される。この使用
のために有効な量は、状態のひどさ、患者の全体的状
態、および投与のルートに依存するであろうが、一般に
約1mg〜約10gの範囲の1種または2種以上の酸化防止剤
のサレン−遷移金属錯体/投与であり、10mg〜200mg/患
者の投与量はいっそう普通に使用される。例えば、急性
心筋虚血/再酸素化のエピソードを処置するために、約
100〜1000mgの酸化防止剤のサレン−金属錯体(例え
ば、C7)を静脈内注入により全身的に投与することがで
きる;少なくとも約10gm〜500mgの1種または2種以上
の酸化防止剤のサレン−金属錯体を腹腔内注射により投
与して、心筋においてSOD活性の増加した局所的濃度を
提供することができる。
予防的適用において、1種または2種以上の酸化防止
剤のサレン−遷移金属錯体またはそれらのカクテルを含
有する組成物は、まだ病気の状態でない患者に投与し
て、患者の抵抗を増強するか、あるいは疾患の進行を遅
延することができる。このような量は「予防的に有効な
量」であると定義される。この使用において、正確な量
は、再び、健康な患者状態および免疫性の全体的レベル
に依存するが、一般に1mg〜1g/投与量、ことに10〜1000
mg/患者の範囲である。酸化防止剤のサレン−金属錯
体、例えば、C7の典型的な配合物は、単位投与形態で約
25〜250mgのサレン−金属錯体を含有するであろう。
組成物の単一または多数回の投与を実施することがで
き、投与量のレベルおよび投与のパターンは処置する医
師により選択される。いずれの場合においても、製剤配
合物は患者を効果的に処置するために十分な量の本発明
の1種または2種以上の酸化防止剤のサレン−遷移金属
錯体を提供すべきである。
フリーラジカルに関連する疾患に対する保護またはそ
ののための治療において使用するためのキットを、本発
明の1種または2種以上の酸化防止剤のサレン−遷移金
属錯体とともに使用するために、供給することができ
る。こうして、本発明の主題の組成物は、通常凍結乾燥
された形態で、あるいは容器中の水溶液として、単独
で、あるいは追加の所望の種類の1種または2種以上の
酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体と組み合わせて、提
供することができる。1種または2種以上の酸化防止剤
のサレン−遷移金属錯体は、緩衝剤、例えば、Tris、リ
ン酸塩、炭酸塩など、安定剤、殺微生物剤、不活性タン
パク質、例えば、血清アルブミンなど、および1組の使
用説明書とともに、キットの中に含められる。一般に、
これらの物質は、1種または2種以上の酸化防止剤のサ
レン−遷移金属錯体の量に基づいて、約5重量%より少
なく、そして通常再び濃度に基づいて少なくとも0.001
%の合計量で存在する。しばしば、不活性の増量剤また
は賦形剤を含めて活性成分を希釈ことが望ましいことが
あり、ここで賦形剤は合計の組成物の約1〜99.999重量
%で存在することができる。
サレン−Mn錯体、好ましくは化合物C12またはC7は、A
manoら(1982)Jpn.J.Surg.12:87、ここに引用によって
加える、に従う溶液配合物の中に少なくとも約1mMの濃
度で低体温心臓麻酔溶液配合物の中に混入することがで
きる。より好ましくは、C7は心臓麻酔溶液の中に含めら
れる。
1種または2種以上のSOD模倣サレン−金属錯体の投
与量は、各特定の適用とともに変化するであろう。典型
的には、組成物は全身的または局所的に投与される。全
身的投与は経口的および非経口的ルートを包含する;局
所的投与は原位置の適用を包含する。原位置の意味は、
例えば、内視鏡的ボーラス洗浄および/または静脈傍の
注射によるか、あるいはより低いGI処置の場合におい
て、注腸により、SOD模倣サレン−金属錯体を投与する
ことを包含する。非経口的ルートは、例えば、皮下、皮
内、筋肉内、および静脈内のルートを包含する。1種ま
たは2種以上のSOD模倣サレン−金属錯体の量は、投与
の間隔およびルートに依存して、約2〜5,000mgまたは
それ以上、典型的には10〜1000mgの範囲であり、これは
数日または5週より大きい期間にわたる、単一の経口的
投与、非経口的投与および/または局所的投与から多数
回の経口的投与、非経口的投与、および/または局所的
投与の範囲であることができる。投与量は、また、疾患
のひどさとともに変化するであろう。
生体外および研究の投与 本発明の他の面において、本発明の酸化防止剤のサレ
ン−遷移金属錯体は、酸化的ストレス応答要素(例え
ば、酸化防止剤応答性要素、ARE)、例えば、グルタチ
オンS−トランスフェラーゼ遺伝子またはNAD(P)H:
キノンレダクターゼ遺伝子の転写のコントロール下に天
然に存在する遺伝子または他のポリヌクレオチド配列の
発現を変調するために使用される(Rozenら(1992)Arc
h.Biochem.Biophys.292:589;FaverauおよびPickett(19
91)J.Biol.Chem.266:4556;RushmoreおよびPickett(19
91)Methods Enzymol.206:409;RushmoreおよびPickett
(1990)J.Biol.Chem.265:14648;Keyseら(1992)Natur
e 359:644、ここに引用によって加える)。プロモータ
ーに連鎖した1種または2種以上のAREの転写のコント
ロール下のポリヌクレオチド配列からなる、導入遺伝
子、相同的組み換え構成体、およびエピソーム発現系
(例えば、ウイルスに基づく発言ベクター)は、当業者
により、この分野において入手可能な方法およびガイダ
ンスに従い、このようなポリヌクレオチドの構成を収容
する形質転換された細胞およびトランスジェニック非ヒ
ト動物のように、つくられるであろう。酸化防止剤のサ
レン−金属錯体は、細胞培養物(例えば、ES細胞)およ
び無傷動物、とくに導入遺伝子が転写調節配列として1
種または2種以上のAREからなる、トランスジェニック
動物において、ARE調節されるポリヌクレオチド配列の
転写を変調するために使用することができる。形質転換
されたまたはトランスジェニック細胞培養物において、
1種または2種以上の酸化防止剤のサレン−金属錯体の
濃度の増加に対してAREコントロールされるポリヌクレ
オチド配列の転写速度を滴定することによって、投与量
応答曲線を発させ、ここで酸化防止剤のサレン−金属錯
体は酸化剤(例えば、過酸化ベンゾイル、グルタチオン
消耗剤)または酸化的ストレスにより誘発される転写速
度を減少するであろう。逆に、高いレベルのSOD模倣サ
レン−金属錯体は酸化的ストレスおよびフリーラジカル
の発生を生成することがある。同様な投与量応答滴定
は、AREコントロールされる導入遺伝子配列を収容する
トランスジェニック動物、例えば、トランスジェニック
マウスにおいて実行することができる。
生体内の投与 本発明に従い、フリーラジカルに関連する疾患を処置
または予防する患者に、治療的または予防的に有効な量
の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体を投与する。要求
される投与量は、フリーラジカルに関連する疾患の特
質、疾患のひどさおよび過程、前の治療、患者の健康状
態および酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体に対する応
答、および処置する医師の判定に依存するであろう。典
型的には、少なくとも1つの種の酸化防止剤のサレン−
Mn錯体を唯一の活性成分として、あるいは1種または2
種以上の他の活性成分と組み合わせて投与され、ここで
他の活性成分は典型的にはN−2−メルカプトプロピオ
ニルグリシン、N−アセチルシステイン、グルタチオ
ン、ジメチルチオ尿素、デスフェリオキサミン、マンニ
トール、α−トコフェロール、アスコルベート、アロプ
リノール、21−アミノステロイド、カルパインインヒビ
ター、グルタメートレセプター拮抗物質、組織プラスミ
ノゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、ウロキナ
ーゼ、非ステロイドの抗炎症剤、コルチゾーン、および
カロテノイドから成る群より選択される。酸化防止剤の
サレン−Mn錯体は、また、SODポリペプチドと異なり、
とくにサレン−Mn錯体の能力にかんがみて、SODおよび
/またはカタラーゼの活性を有するポリペプチドと組み
合わせて投与して、血液脳関門を横切り、これにより全
身的SOD投与を補足することができる。
本発明は、フリーラジカルに関連する疾患を有する患
者、例えば、ヒトを予防的に有効なまたは治療的に有効
な量の酸化防止剤のサレン−遷移金属錯体、典型的には
サレン−Mn錯体、好ましくはC7で処置する方法を包含す
る。この方法は、種々の段階の疾患の患者を処置するた
めに、あるいは患者におけるフリーラジカルに関連する
疾患の発生を予防するために使用することができる。さ
らに、処置は新形成を発生する年令調節される可能性お
よび/または年令調節される死亡率および/または老化
の速度を防止または減少するために、予防剤として、投
与することができる。
本発明の酸化防止剤のサレン−金属錯体は、また、ヒ
ト免疫欠損ウイルス(例えば、HIV−1)で感染した患
者あるいはヒト免疫欠損ウイルスで感染するようになる
危険にある患者に投与することができる。酸化防止剤の
サレン−金属錯体、典型的にはC7は、腫瘍懐死因子(TN
F)によりCD4+リンパ球におけるHIV−1複製の誘発を予
防または阻止しおよび/またはHIV−1感染の結果とし
てCD4+細胞への損傷またはその死亡を防止することがで
きる。いかなる特定の理論にも拘束されたくないが、酸
化防止剤のサレン−金属錯体、例えば、C7の投与は、HI
V−1に関係する病理学の発生を阻止および/または遅
延することができおよび/またはHIV感染した個体にお
けるCD4+リンパ球の集団個体数の減退速度を減少するこ
とができると信じられる。酸化防止剤のサレン−金属錯
体、例えば、C7は、また、エイズおよび他の状態(例え
ば、敗血症性ショック)の両方における、TNFの過度ま
たは不適当なレベルから生ずる病理学を阻止することが
できる。しばしば、約50〜5000mgの投与量をHIVおよび
/または過度のまたは不適当なレベルのTNFをもつ患者
に、単一にあるいは多数回の投与で、投与して、病理学
および臨床的症候群の発生を減少または遅延することが
できる。酸化防止剤のサレン−金属錯体を治療的に投与
してHIV以外のウイルスの疾患を処置することができ
る。
酸化的損傷はフリーラジカルおよび反応性酸素種の存
在量に比例して発生するので、低いレベルで酸化防止剤
のサレン−遷移金属錯体を投与してさえ、酸化的損傷に
対する保護作用が得られることが期待される;こうして
酸化防止剤のサレン−Mn錯体が無効であるレベルの下限
は存在しないことが期待される。
一般にフリーラジカルに関連する疾患の処置につい
て、酸化防止剤のサレン−Mn錯体の適当な有効投与量は
0.01〜1000ミリグラム(mg)/キログラム(kg)受容体
の体重/日、好ましくは1〜100mg/kg体重/日の範囲で
あろう。所望の投与は好ましくは1日を通じて適当な間
隔で投与される1,2,3,4またはそれ以上の回数の分割投
与量でなされる。これらの分割投与量は、例えば、5〜
10,000mg、好ましくは10〜1000mgの活性成分/単位投与
形態を含有する単位投与形態として投与することができ
る。
それらの治療において使用される組成物は種々の形態
であることができる。これらは、例えば、固体、半固体
および液体の投与状態、例えば、錠剤、丸剤、粉末、液
体の溶液または懸濁液、リポソーム調製物、注射可能な
および注入可能な溶液を包含する。好ましい形態は、意
図する投与および治療的適用のモードに依存する。典型
的には、水性溶媒(例えば、生理食塩水)中のサレン−
金属錯体の無菌の溶液を静脈内に投与する。組成物は、
また、好ましくは当業者に知られている普通の製剤学的
に許容されうる担体およびアジュバントを含む。参照、
例えば、Remington's Pharmaceutical Science,Mack Pu
blishing Co.,ペンシルベニア州イーストン、第17版(1
985)。一般に、投与は経口的または非経口的(皮下、
筋肉内、静脈内、および皮内を包含する)によるか、あ
るいは局所的適用または体腔の中への注入によるか、あ
るいは手術の間の浸漬溶液としてであろう。
もちろん、本発明の方法は、SOD活性、カタラーゼ活
性、GSH−Px活性を有するか、あるいはフリーラジカル
スカベンジャーまたはフリーラジカル形成のインヒビタ
ーである他の酸化防止剤と組み合わせて使用できること
を理解すべきである。本発明の活性成分を単独で投与す
ることができるが、それは医薬配合物の一部分として提
供することができると信じられる。本発明の配合物は、
1種または2種以上の製剤学的または治療的に許容され
うる担体および必要に応じて他の治療的成分と一緒に、
治療的または予防的に有効な投与量の本発明の少なくと
も1種の化合物を含む。種々の考察は、例えば、次の文
献に記載されている:Gilmanら(編)(1990)Goodman a
nd Gilman's:The Pharmacolgical Bases of Therapeuti
cs,第8版、Pergamon Press;およびRemington's前傾、
それらの各々ここに引用によって加える。投与方法、例
えば、経口的、静脈内、腹腔内、または筋肉内の投与な
どがその中に開示されている。製剤学的に許容されうる
担体は、水、生理食塩水、緩衝剤、および、例えば、次
の文献に記載されている他の化合物を包含するであろ
う:Merck Index,Merck&Co.,ニュージャージイ州ラーウ
ェイ、ここに引用によって加える。
医薬組成物は、予防的および/または治療的処置のた
めに、非経口的または経口的投与により投与されるであ
ろう。医薬組成物は、投与の方法に依存して種々の単位
投与形態で投与することができる。例えば、経口的投与
に適当な単位投与形態は、粉末、錠剤、丸剤、カプセル
剤、および糖剤を包含する。
医薬組成物はしばしば静脈内に投与される。こうし
て、本発明は、許容されうる担体、好ましくは水性担体
の中に溶解または分散した化合物の溶液からなる、静脈
内投与のための組成物を提供する。種々の水性担体、例
えば、水、緩衝化水、0.4%生理食塩水などを使用する
ことができる。しばしば、1種または2種以上の酸化防
止剤のサレン−金属錯体、例えば、C7またはC12有機溶
媒(例えば、ジメチルスルホキシド)中に溶解すること
ができそして直接適用するか、あるいは水性溶媒中に希
釈することができる。典型的には、比較的新油性である
酸化防止剤のサレン−金属錯体(例えば、C9,C12)を有
機溶媒、例えば、DMSO中に溶解しそして、必要に応じ
て、引き続いてより極性の溶媒、例えば、水の中に希釈
する。これらの組成物は時には普通の、よく知られてい
る滅菌技術により滅菌されるか、あるいは好ましくは滅
菌濾過することができる。生ずる水溶液はそのまま使用
するために包装するか、あるいは凍結乾燥することがで
き、凍結乾燥した調製物は投与前に無菌の水溶液と組み
合わせる。組成物は医薬学的に許容されうる補助物質、
例えば、生理学的状態に近似させるために要求される物
質、例えばpH調節剤および緩衝剤、張度調節剤、湿潤剤
など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、ソルビタ
ンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートな
どを含有することができる。
固体の組成物について、普通の無毒の固体の担体を使
用することができ、このような担体は医薬の等級のマン
ニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウ
ム、ナトリウムサッカリン、タルク、セルロース、グル
コース、スクロース、炭酸マグネシウムなどを包含す
る。経口的投与のために、医薬学的に許容されうる無毒
の組成物は、通常使用される賦形剤、例えば、前述の担
体の任意のものおよび一般に0.001〜95%、好ましくは
約20%の活性成分を混入することによって形成される。
前記化合物を含有する組成物は予防的および/または
治療的処置のために投与することができる。治療的適用
において、組成物は、前述したように、疾患を既にもつ
患者に、疾患およびその合併症の症状を治癒するか、あ
るいは少なくとも部分的に停止させるために十分な量で
投与される。これを達成するために適切な量は、「治療
的に有効な量または投与量」として定義される。この使
用に有効な量は疾患のひどさおよび患者の体重および全
体的状態に依存するであろう。
予防的適用において、本発明の化合物を含有する組成
物は特定の疾患に対して感受性であるか、あるいはそう
でなければその危険な状態にある患者に投与される。こ
のような量は「予防的に有効な量または投与量」として
定義される。この使用において、正確な量は、再び、健
康な患者の状態または体重に依存する。
固形組成物に関し、慣用の無毒の固形賦形剤には、例
えば、薬理級のマンニトール、ラクトース、デンプン、
ステアリン酸マグネシウム、タルカム、セルロース、グ
ルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等が使用され
うる。上記の活性化合物は例えばトリグリセリド、例え
ばWitepsolsを担体として使用する座薬として処方され
うる。液状薬理投与組成物は、例えば、上記の活性化合
物及び任意の薬理アジュバントを賦形剤、例えば水、食
塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール
等に溶解、分散させて溶液又は懸濁物を作ることによっ
て調製できる。所望するなら、投与すべき薬理組成物は
微量の無毒の補助物質、例えば湿潤又は乳化剤、pH緩衝
剤等、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレー
ト、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、トリエタノ
ールアミンオレエート、等も含みうる。かかる投与形態
を調製する実際の方法は当業者にとって公知であるか、
又は自明であろう;例えば、Remington's Pharmaceutic
al Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pensylv
ania,第17版、1985を参照のこと。投与すべき組成物又
は製剤は、いかなる状況においても、有効量の活性化合
物を含むであろう。
経口投与にとっては、薬理学的に許容される無毒の組
成物は通常採用される賦形剤、例えば薬理級のマンニト
ール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、
マグネシウム、炭酸塩、等の一体化により形成される。
かかる組成物は溶液、懸濁物、錠剤、カプセル、粉末、
徐放製剤、等の形態をとる。かかる組成物は0.01〜95
%、好ましくは1〜70%の活性成分を含みうる。
経口投与は一般に、皮下、筋肉内又は静脈内注射を特
徴とする。注射物は液状の溶液もしくは懸濁物として、
注射前の溶液もしくは液中の懸濁物によって適当な固形
形態、又はエマルションのいづれかの慣用の形態で調製
されうる。適当な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキ
ストロース、グリセロール、エタノール等である。更
に、所望するなら、投与すべき薬理組成物は微量の無毒
の補助物質、例えば湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝剤
等、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレー
ト、トリエタノールアミンオエレート等も含みうる。
より最近になって工夫された非経口投与にとっての手
法は、一定レベルの投与量が維持されるように遅延放出
又は徐放製剤の移植を採用する。例えば、引用すること
で本明細書に組入れる米国特許第3,710,795号を参照の
こと。酸化防止性サレン−金属錯体は局所又は全系適用
にとっての経皮パッチ(例えば、イオン導入)によって
投与されうる。
検査できるほどの患者の症状の改善が認められたら、
必要ならば一定投与量を投与する。その後、投与量もし
くは投与の頻度、又はその両方は、改善状態が維持され
るレベルにまで、その症状の関数として減らす。その症
状が所望のレベルにまで緩和されたら、処置は中止して
よい。しかしながら、患者は、疾患症状の任意の再発に
基づき長期ベースで、又は疾患症状の再発を防止する予
防手段として、断続的処置を必要としうる。
酸化防止性サレン−金属錯体は、血液細胞及び貯蔵中
の成分に対するオキシラジカル傷害を阻止するために点
滴用溢出血液に加えてもよい;同様に、酸化防止性サレ
ン−金属錯体は生体内での血液細胞に対するオキシラジ
カル傷害を低めることもできる。
酸化防止性サレン−金属錯体は、器官及び組織、例え
ば器官移植又は外科すすぎのためのすすぎ又は貯蔵溶液
に加えることもできる。例えば、切り取った器官は往々
にして、受容者への移植まで保存溶液の中に入れてお
く。保存溶液中の通常、約0.01mM〜10mMの濃度での少な
くとも一種の酸化防止性サレン−金属錯体の含有が、貯
蔵の際の虚血及び受容者における再移植後の再灌流損傷
に基づく傷害を少なくするために所望される。当業界に
述べられている様々な溶液、例えば、限定することな
く、引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,14
5,771号;Beyersdorf(1990)Chem Abst.113:84849W;米
国特許第4,879,283号;米国特許第4,873,230号及び米国
特許第4,798,824号に記載のものがサレン−金属錯体を
含ませるのに適当である。
一般に、この酸化防止性サレン−金属錯体はすすぎ又
は貯蔵溶液の中に約10μM〜約10mM、そして最も通常に
は1mMの濃度において存在している。例えば、本発明を
限定することなく、適当なすすぎ溶液はRinger溶液(10
2mMのNaCl、4mMのKCl、3mMのCaCl2、28mMの乳酸ナトリ
ウム、pH7.0)、又は0.1mMのアデノシン及び1mMの最終
濃度の酸化防止性サレン−Mn錯体C7を有するRinger溶液
を含んで成る。このすすぎ溶液は更に追加の酸化防止剤
(例えば、グルタチオン、アロプリノール)を含んで成
りうる。酸化防止性サレン−金属錯体を含む保存又はす
すぎ溶液は器官(例えば腎臓、肝臓、膵臓、肺、胎児神
経組織、心臓、血管移植片、骨、靭帯、腱、皮膚)の貯
蔵性又は洗浄性を高めるのを担い、これは組織の生存性
を高め、且つ酸化損傷(例えば、虚血/再灌流の結果と
しての)に対する耐久性を高めるものと信じられてい
る。
酸化防止剤又は触媒性オキシラジカルスキャベンジャ
ー作用の何ら特定の理論に拘束されるわけでもないが、
本発明の触媒性サレン−金属錯体の過剰投与量又は濃度
は、事実上フリーラジカル、例えばスーパーオキサイド
を、可能としては大量の循環性自由イオンの存在に類似
の状況で、生成しうる。これに基づき、過剰投与量のサ
レン−金属錯体の長期投与は好ましくは酸化防止療法に
とって回避される。しかしながら、過剰投与量の触媒活
性サレン−金属錯体の投与はフリーラジカル、例えばス
ーパーオキサイドを、局所領域(例えば、ざ瘡処置、皮
膚癌処置、パピローマのため)、もしくは細胞培養物中
で、又はAREの転写コントロール下のトランス遺伝子を
抱える遺伝子導入動物中で作り上げるのに好適に利用さ
れうる。フリーラジカル(例えばスーパーオキサイド)
の生成を高めるため、その局所部位、細胞培養物又は遺
伝子導入動物を高圧環境及び/又は高酸素雰囲気(例え
ば約21%より大の酸素分子)にかけることが好適であり
うる。
他方、反応性酸素物質の分解を触媒する酸化防止性サ
レン−金属錯体の能力は生物組織及び細胞に対する損傷
を阻害する又は遅めるのに好適に利用されうる。例え
ば、過酸化ベンゾイルはざ瘡損傷のための処置に幅広く
利用されている;過酸化ベンゾイルの過剰又は不適切な
適用(例えば、眼への事故的な適用)は酸化防止性サレ
ン−金属錯体(例えばC7)の局所(又は所望するならば
全身)投与によって処置されうる。同様に、UV光への曝
露、喫煙及び老化に伴う接続組織(例えばコラーゲン)
に対するオキシラジカル誘発型損傷は、UV光への曝露、
喫煙又はその他のオキシラジカル生成過程(例えば細胞
老化)とほぼ同時での酸化防止性サレン−金属錯体の投
与により減少しうる。
化学防御および放射線防御 酸化防止性サレン−遷移金属錯体、典型的には酸化防
止性サレン−Mn錯体、例えば化合物C7が細胞及び組織を
フリーラジカル生成因子、例えば電離線及び化学治療剤
(例えばプレオマイシン)から細胞及び組織を保護する
のに使用されている。好ましくは、少なくとも約1μg
のサレン−Mn錯体/kg体重を含んで成る保護投与量を1
又は数回のルート(例えば、経口、静脈内、腹膜腔内、
胃洗浄、浣腸、門静脈点滴、局所又は噴霧の吸入)によ
り、好ましくは酸化防止性サレン−Mn錯体の標的化導入
のためのリポソーム又はイムノリポソームの注射によ
り、正常細胞を、例えば腫瘍の化学療法又は放射線療法
に係るフリーラジカル毒性に対する保護のために投与す
る。この酸化防止性サレン−遷移金属は好ましくは化学
療法及び/又は放射線療法の開始前、通常は開始の約24
時間以内、そして好ましくはこの化学療法及び/又は放
射線療法の開始の約3〜6時間以内に事前投与する。酸
化防止性サレン−Mnは治療中にわたって患者に連続投与
してよい。
例えば、酸化防止性サレン−金属錯体の溶液はミセル
の中に封入してイムノリポソームにすることができる
(米国特許第5,043,164号、米国特許第4,957,735号、米
国特許第4,925,661号;Connor and Huang(1985)J.Cel
l.Biol.101:582;Lasic DD(1992)Nature 355:279;Nov
el Drug Delivery(編Prescott LF and Nimmo WS:Wile
y,New York,1989);Reddyら(1992)J.Immunol.148:158
5;引用することで本明細書に組入れる)。酸化防止性サ
レン−金属物質を含むイムノリポソームは、このイムノ
リポソームが放射線療法または化学療法に対して感受性
である非腫瘍性細胞を狙い定めるようにさせる標的性成
分(例えばモノクローナル抗体)を含んで成るであろ
う。例えば、個体の癌細胞の上に存在していない造血幹
細胞抗原に対して特異的に結合するモノクローナル抗体
を有するリポソームは、造血幹細胞を酸化防止性サレン
−金属錯体が狙いを定めるようにし、それ故前記幹細胞
を癌の処置に用いる放射線療法又は化学療法に対して保
護するのに利用できうる。かかる手法は好ましくは化学
治療剤がインビボでフリーラジカルを生成する場合に採
用される(例えばブレオマイシン)。
酸化防止性サレン−Mn錯体はフリーラジカル生成剤に
よる放射線障害又は化学的傷害を防ぐためにも個体に投
与する。軍人、並びに核、核医療及び/又は化学産業に
おいて働く者にサレン−Mn錯体を予防的に投与してよ
い。酸化防止性サレン−金属錯体は化学的発癌、特に反
応性エポキシド中間体(例えば、ベンゾ−〔a〕−ピレ
ン、ベンズアントラセン)による及び発癌物質又は直接
もしくは間接的にフリーラジカルを生成せしめる促進剤
(例えば、フェノバルビタール、TPA、過酸化ベンゾイ
ル、ペルオキシソーム増殖因子:シプロフィブレート、
クロフィブレート)による発癌を防ぐために化学予防剤
としても使用されうる。かかる化学的発癌物質に曝露さ
れる者を、酸化防止性サレン−金属錯体で予備処置して
おいて、腫瘍が発達する発生率又は危険率を下げる。
酸化防止性サレン−金属錯体は化粧品又は日焼け止ク
リーム及びローションにおいて局所塗布するのために新
油性塩基(又は、所望するならば水性担体)の中に配合
してもよい。典型的な化粧品又は日焼け予防クリームも
しくはローションは、1gの化粧品又は日焼け予防クリー
ムもしくはローションの当り約1mg〜50mgの酸化防止性
サレン−金属錯体を含んで成るであろう。
酸化防止性サレン−金属錯体は酸素毒性が健康の危害
をもたらすダイバー又は高圧環境にさらされる者に投与
してもよい。有効量の酸化防止性サレン−金属錯体の個
体への投与は低められた酸素毒性を伴って高圧及び/又
は高酸素ガスを呼吸することを可能にしうる。有効量の
酸化防止性サレン−金属錯体のオゾンに対する曝露にか
かわってる又はかかわるであろう者への予防的投与は、
オゾン毒性、例えば高オゾンレベルを有る地理上の地域
(例えば、ロサンゼルス)に対する高い耐久性を授ける
ものと予測される。
用途、試験及び投与 本発明の化合物、酸化防止性サレン−遷移金属錯体、
好ましくはサレン−Mn錯体は、心臓及び心臓以外での症
状、例えば心筋梗塞、うっ血性心不全、狭心症、不整
脈、循環系障害及び発作に対する予防のための有用な処
置剤である。本発明の化合物は心筋の収縮性に直接的な
抑制作用を及ぼすことなく虚血の有害な作用(心臓にお
ける血管梗塞及び再灌流;手術中の一過性の心筋又はCN
S虚血)を阻害する。従って、この化合物は心臓血管病
及びCNS病に関する動物モデルに有効であり、そして哺
乳動物、特に人間における心筋梗塞、発作、脳障害、及
び移植手術、特に梗塞領域の再灌流を伴う手術、不整
脈、変異及び運動誘引型狭心症、うっ血性心不全、発作
及びその他循環系障害によって有用であろう。サレン−
Mn錯体は、皮膚移植及び角膜移植を含む移植手術前の切
り取った器官の輸送及び貯蔵の際のその切り取った器官
(例えば、心臓、腎臓、膵臓、肝臓、肺)を浸漬するの
に用いる保存溶液の中にも含まれる。この保存溶液は一
般に少なくとも約1mMの酸化防止性サレン−金属錯、好
ましくは少なくとも約1mMの酸化防止性サレン−金属錯
体を含んで成るであろう。
本明細書記載の活性化合物及び塩の投与は治療剤の投
与に関して許容されている任意の投与モードを介してよ
い。これらの方法には、経口、非経口、経皮、皮下及び
その他の全身系モードが含まれる。好適な投与法は経口
であるが、対象者が自分自身ではどの医薬品をも消化す
ることができない場合を除く。このような場合、組成物
を非経口的に投与する必要がある。もしこの組成物が生
理学的pHにおいてプロトン化されうるアミノ置換基を有
する酸化防止性サレン−金属錯体物質を含んで成ると
き、この酸化防止性サレン−金属錯体を、そのアミノ置
換基がプロトン化するpHを有する溶液の中に溶かす又は
懸濁する。
投与する活性化合物の量はむろん、処置すべき対象
者、対象者の体重、障害の症度、投与方法及びかかりつ
けの医師の判断に依存するであろう。しかしながら、有
効投与量は0.01〜50mg/kg/日、好ましくは0.5〜25mg/kg
/日の域にある。平均的な70kgのヒト当り、これは0.7〜
3500mg/日、又は好ましくは約35〜1750mg/日で見込まれ
るであろう。
本明細書におけるサレン−Mn化合物の作用は全て似た
ようなメカニズムを介して達成されるため、投与量(及
び投与の形態)はこれらの全ての用途に関して同じ原
理、且つ好適な範囲内にある。
実施例 インビトロ触媒活性 C1,C4,C6,C7,C10,C11及びC12サレン−Mn錯体の酸化防
止性触媒活性(図3参照のこと)を決定した。スーパー
オキサイドジスムターゼ及びカタラーゼ活性は下記の方
法に従って決定した。
アッセイ 本化合物のSOD活性は酸素フリーラジカル発生系、キ
サンチンとキサンチンオキシダーゼにより生成されたチ
トクロームの還元の阻害を評価することにより決定し
た。チトクロームC還元はDarrら(1987)Arch.Bioche
m.Biophys.258:351(引用することで本明細書に組入れ
る)に従って550nmで光学的にモニターする。キサンチ
ンオキシダーゼの濃度はそれが1分当り0.025吸収単位
の550nmでのチトクロームCの還元率を示すように調整
する。これらの条件下で、チトクロームC還元率を50%
阻害する(即ち、1分当り0.0125吸収単位率に至るま
で)のに必要なSOD活性の量を1ユニット活性として定
義する。サレン−金属錯体は、それがこれらの標準アッ
セイ条件下で1mMの濃度において少なくとも0.1ユニット
活性を有するなら酸化防止剤と認められる。
カタラーゼ活性は光学的方法を利用して測定し、それ
においては過酸化水素の分解を、引用することで本明細
書に組入れるAebiら(1984)Methods Enzymol.105:121
に従って240nmでモニターする。1ユニットのカタラー
ゼ活性は、1分において1μmoleの過酸化水素を分解す
るのに必要な酵素(又はサレン−金属錯体)の量と定義
する。
各化合物を食塩水の中に配合し、そして室温での数週
間の保管後に活性の損失は認められなかった。しばし
ば、サレン−金属錯体を最初に有機溶媒(例えばDMSO)
の中に溶かし、次いでその溶液をより極性な溶媒、例え
ば水の中に希釈することが所望される。このことは比較
的疎水性であるサレン−金属物質(例えばC12)にとっ
て好ましい。
表IVは試験した様々なサレン−Mn錯体のインビトロSO
D及びカタラーゼ活性を示す。SOD及びカタラーゼ活性は
ユニット/mMとして表わす。
インビボ生物活性 脳虚血性(発作)における分子の治療的効能を決定す
るのに幅広利用されているアッセイは、生理学的条件下
に維持しておいた脳切片における無酸素状態により誘引
される不可逆的傷害を防ぐ能力により評価することより
成る。ラットの脳切片を、124mMのNaCl、3mMのKCl、1.2
5mMのKH2PO4、3mMのCaCl、1mMのMgCl2、25mMのNaHCO3
10mMのD−グルコース及び2mMのL−アスコルベートを
含む人工脳脊髄流体の中に、境界チャンバーにおいて35
℃で維持し、O2:CO2(95:5)の混合物を連続的に吹き込
んでおいた。このチャンバーの雰囲気も、N2に置き換え
るときの無酸素状態を除き、O2:CO2(95:5)の混合物を
連続的に吹き込んでおいた。軸索を電気刺激し、そして
励起した興奮性後シナプス電位(EPSP)をマイクロ電極
を用いて記録した。
図4は、正常な条件下(A)、N2によりO2を置換して
5分後(虚血状況B)、及び再酸素化して30〜40分後
(C)で記録したEPSPの図を示す。永久傷害度は、EPSP
の振幅(mV)及び初期傾き(mV/msec)の両者を測定す
ることにより定量できた。
図5及び6はラットの脳切片虚血EPSP系におけるC7と
命名する酸化防止性サレン−Mn錯体の防御作用を示す。
脳切片を50μMのC7の非存在下及び存在下でインキュベ
ートし、そして虚血/再酸素化の状況に委ねた。基底線
を記録してから5分後、O2をN2に平均して5分間変換し
た。次にO2を再導入し、そして更に50分記録を続けた。
50μMのC7によるサンプルはEPSPの振幅及び傾きの両者
が虚血前のレベルに回復することを示した。反対に、未
処置の脳切片における回復率は虚血前のレベルの約40%
にすぎなかった。
更なる効能の評価として、反復虚血状況を経た生存切
片のパーセンテージを評価した。図7は、いづれの処置
なしではこのパーセンテージは非常に低く(6%)、一
方、50μMのC7で処置した切片においては70%ほどの高
さであることを示す。切片は3mMの振幅のEPSPが刺激強
度の強化にともなって誘引されうるなら生存していると
考えた。
動物モデル試験 MPTPにより生成した医原性のヒドロキシル・ラジカル
を含むパーキンソン病の動物モデル(Chiueh et al.(1
992)Synapse 11:346,引用により本明細書中に取り込
む。)を、フリー・ラジカル誘導された損傷に対するC7
の保護的効果を評価するために使用した。神経毒、MPTP
は、脳内のドーパミン作用性ニューロンの変性を導き、
これ故に、経験的に誘導されたパーキンソン病の良好な
モデル(例えば、医原性の毒素)を提供することが示さ
れている。このモデルは、現在、本分野において広く許
容されており、そしてこの疾患のための潜在的な治療剤
を評価するために使用される。
(1)MPTP単独、(2)抗酸化剤salen−金属錯体C7
単独、(3)C7及びその後のMPTPによる前処理、又は非
処理対照、のいずれかにより処理されたマウスの脳内の
ドーパミン作用性ニューロンの数を、そのドーパミン再
取り込みリガンド、マジンドール(mazindol)の結合の
測定により評価した。トリチウム化マジンドールを、慣
用方法に従ってマウス脳の淡蒼球(globus pallidu
s)、尾状核(caudate nucleus)、及び線条(striatu
m)についての結合研究のために使用し;トリチウム化
マジンドールの特異的結合を、オートラジオグラフィー
により又は膜結合(その膜画分への特異的結合)により
測定した。この実験を7日の期間にわたり行った。MPTP
群内のマウスをMPTP単独により腹膜内処理した(1及び
2日目に40mg/kg/日)。このMPTP+C7群内のマウスを、
1及び2日目にMPTPの直前にC7(33mg/kg腹膜内)によ
り前処理した。これらの動物を7日後に殺した。図8中
に示す結果は、salen−Mn錯体、C7によりインビボにお
いて付与された有意な保護的効果を示している。図8
は、マウス脳の様々な領域内に存在するドーパミン作用
性ニューロンの数が抗酸化剤salen−金属錯体C7により
有害に影響されなかったが;ドーパミン作用性ニューロ
ンがMPTP単独により処理されたマウス内の約15パーセン
トの対照値を減少され;しかしながら、C7による前処理
がMPTPによりその後に処理されたマウス内に存在する生
存するドーパミン作用性ニューロンの数を倍加した、こ
とを示している。C7の毒性の欠如は、7日のテスト期間
にわたりC7−処理動物における有害な健康効果の非存在
により示された。
これらのデータは、salen−Mn錯体がヒト疾患のげっ
歯類モデルにおけるインビボにおける治療的効果を示し
ことを証明し、そしてまた、salen−Mn錯体が血液脳関
門を効率的に横切ることを示している。一緒になって、
これらのデータは、その脳内のフリー・ラジカル−誘導
ダメージ及び虚血(ischemia)/再酸素付加損傷(reox
ygenation injury)を防ぐためのsalen−Mn錯体の劇的
な効果を示している。
虚血及び再灌流に供される単離された鉄−過負荷ラット
心臓におけるC7の効果 ラットは、心臓組織中の有意な鉄過負荷を達成するた
めに5週間の期間の間3日毎に0.25mlの鉄−デキストラ
ン溶液(100g水酸化鉄、99gのデキストラン、11までの
水)の筋中注射を受けた。この処理の終わりに、ラット
を、ペントバルビタール・ナトリウム(40mg/kg)によ
り麻酔し、そしてヘパリン(1,000IU/kg)を大腿静脈を
介して投与した。次に心臓を取り出し、そして直ぐに、
11ml/分の一定流速においてLangendorff〔Langendorff,
O.,Pfluegers Arch.61:291,1981〕により記載された技
術に従って大動脈を通して灌流した。この灌流液は、Na
Cl 118,KCl 5.9,NaHCO3 25,MgCl2 1.2,NaH2PO4 0.6,CaC
l2 2.4、グルコース11:を含む修飾Krebs−Henseleitバ
ッファー(mmol/1)であった。pHを、その灌流媒質が37
℃においてO2−CO2(95%−5%)により飽和されたと
き、7.4±0.05において維持された。この灌流装置を、
その灌流媒質の温度がそれが上記大動脈に達するとき3
7.0±0.5℃であるように十分にサーモスタットした。超
薄嚢を、大動脈灌流の開始直後に左心室内に挿入し、5m
mHgの拡張末期圧を得るように膨張させた。15分間の安
定化期を嚢設置直後に開始させた。この期間の終わり
に、収縮期と拡張期の心室圧及び心拍数(HR)をその心
室嚢に接続した圧力変換器を通して記録した。左心室に
より作られた圧力(Left Ventricular Developed Press
ure(LVDP))を収縮期と拡張期との間の差異により計
算し、そしてその積HR x LVDPを酸素消費の指標として
採取した。次に心臓を15分間の全完全正常温度虚血に供
し、その後、15分間の最初に使用した灌流媒質による再
灌流に供した。この15分間の灌流の間に、心拍数、及び
拡張期と収縮期の圧力をモニターした。初期の心室細動
(Ventricular fibtillations)を、その灌流の開始1
分間後に分析した。
3実験群を試験した。群1(n=7)であって心臓が
上記標準灌流液により灌流されたもの(対照群);群2
(n=8)はジメチルチオウレア(DMTU,10mM)の存在
中で灌流され;群3(n=8)はC7(50μm)の存在中
で灌流された。
15分間の灌流後、各群内の3心臓を2.5%グルタルア
ルデヒドによる灌流により電子顕微鏡のために調製し
た。超薄スライス(500−600Å厚)を検査した。
結 果 以下の表Vは、上記3実験群における、灌流15分後、
虚血前(前)、再灌流1分後(1後)及び再灌流15分後
(15後)の、心拍数(HR)、収縮圧(SP)、拡張圧(D
P)、及び積HR x LVDPを示している。この表は、再灌流
1分後の心室細動(VF)の病歴を示す心臓の数も示して
いる。
表VIは、これらの心臓の電子顕微鏡評価からの結果を
要約している。ミトコンドリアは、A型(正常)、B型
(膨潤、非破壊)、及びC型(破裂膜)に分類された。
筋節は、A型(正常)及びB型(接触及び/又は懐死)
に分類された。結果をパーセンテージとして表す。分析
されたミトコンドリアの数は、それぞれ、対照、DMTU及
びC7群について1293,1632及び1595であった。分析され
た筋節(sarcomeres)の数は、それぞれ、対照、DMTU及
びC7群について1046,1173及び1143であった。
上記データは、C7が機能的及び構造的の療法におい
て、虚血/再酸素付加ダメージから心臓を有効に保護し
たことを示している。さらに、C7は、それが200倍低い
濃度において使用されたとしても、DMTU、抗酸化剤より
も有意により有効であった。
実験的自己免疫脳炎(EAE) EAEは、多発性硬化症の動物モデルである。30SJL雌マ
ウス、10週齢を、20マウス(対照)と10マウス(C7処
理)の2群に分割した。両群内のマウスを完全Freund's
アジュバント中の脳炎誘発性PLPペプチド、その後Petru
ssis Toxin(IV)により免疫感作した。Petrussis毒
は、免疫感作の3日目に反復した。
C7群内のマウスを、免疫感作前2日目から始まり免疫
感作後14日目まで、IP注射により毎日(1mg/マウス、約
40mg/kg)処理した。
動物を以下のように等級付けした: 段階I :元気のない尾(Limp tail)症候群 段階II :後ろ脚麻痺 段階III:後ろ脚麻痺−引きずる動き 段階IV :麻痺性不動、体重損失。
結 果 免疫感作後3週間の間、対象群内の20マウスの中の8
が、徴候性EAEに発展した:2段階I、4段階II/III、2
段階IV。
同一期間の間、C7処理群内の10マウス中のたった1
が、徴候性EAEに発展した(段階II)。
第5週の間、すなわち、C7による処理が終了した後3
週間、C7処理群内の6マウスが、徴候性EAEに発展し
た。4段階II及び2段階IV。
これらの結果は、C7処理が徴候性EAEの顕出を防止
し、そしてこの疾患がこの治療の中断後顕出することが
できたことを示している。
脂質過酸化 海馬(Hippocampal)スライス(400μm厚)をSpragu
e−Dawleyラット(150−200g)から得て、そしてNaCl 1
20mM、KCl 5mM,CaCl2 1.3mM,MgCl2 1.2mM、リン酸Na 16
mM(pH7.4)及びグルコース10mMを含む過酸化(95%O2/
5%CO2)Krebs−Ringerホスフェート培地(pH7.4)中に
採取した。攪拌下35℃における水浴内での15分間の前イ
ンキュベーション後、そのバッファーを同一バッファー
(対照)又はNaCl 90mM,KCl 5mM,CaCl2 1.3mM,MgCl2 1.
2mM,リン酸Na 16mM及び乳酸30mM(pH5.0)を含む修飾バ
ッファー(乳酸塩バッファー)により置き換えた。存在
するとき、C7(50μM)をその前インキュベーション及
びそのインキュベーション期間の間に添加した。100分
後、スライスを採取し、そして0.9mlのTCA5%中にホモ
ジェナイズし、一方、0.35mlのTCA5%を0.5mlの上記イ
ンキュベーション培地に添加した。脂質過酸化を、0.85
mlのTCA抽出物に0.25mlのチオバルビタール酸試薬(TBA
R)を添加することにより測定した。脂質を次に、10秒
間攪拌することにより2x 0.5ml 1−エタノールにより抽
出し、次に10分間2,000rpmにおいて遠心分離した。この
アルコール相中に過酸化脂質の吸収を532nmにおける分
光光度計内で測定した。データを、標準曲線を確立する
ために伝統的なMDAを使用してマロンジアルデヒド(MD
A)のnモルとして表した。タンパク質を、Bradfordの
方法を使用して上記TCA抽出物のアリコットから測定
し、そして最終結果を、形成nモルMDA/mgタンパク質、
として計算した。
結 果 図9は、上記スライス・ホモジェネート(細線バー)
及び上記インキュベーション培地(点バー)中の、50μ
M C7の非存在(LA)又は存在(LA+C7)中、pH7.4(対
照)、pH5.0(ラクテート)における、時刻0(切開直
後)及びインキュベーションの100分後における、脂質
過酸化を示している。データは、平均±標準偏差であ
り、そしてそのC−7実験群は、対照と比べて高く統計
的に有意であり(p<0.01)、一方、LAとLA+C7との間
の小さな差は、有意ではない。5.0の最終pHにおける30m
Mラクテートをもっての海馬スライスのインキュベーシ
ョンは、上記チオバルビタール酸テストにより測定され
るように、脂質過酸化における大きな増加をもたらし
た。C7(50μM)によるスライスのインキュベーション
は、すべて脂質過酸化における増加を廃止した。上記イ
ンキュベーション培地(点バー)及びスライス・ホモジ
ェネート(細線バー)の両方におけるマロンジアルデヒ
ド濃度におけるラクテート−誘導増加は、C7により遮断
された。C7の有無にかかわらずラクテートによらない10
0分間のインキュベーションは、脂質過酸化において妥
当な増加のいずれをももたらさなかった。
これらのデータは、C7がアシドーシスにより誘導され
る脂質過酸化を防ぐことを示している。シドーシスは、
広い酸化損傷を誘導することが知られている。脂質過酸
化は、このような酸化損傷の結果であり、そして多くの
ヒト病因に関連することが判明している。
損傷のインビトロ・モデル 海馬スライス中の無酸素症。電気生理学的実験を、50
mM C7を伴って又は伴わずに2境界チャンバー内で35℃
において飼養した成熟Sprague−Dawleyラットからの海
馬スライス(400μM)上で行った。ガラス記録マイク
ロピペットをCA1鼓膜放射状膜(stratum radiatum)内
に置いて、0.033Hzの周波数における2極刺激電極によ
るSchaffer−交連(commissural)経路の電気的刺激に
より生成された興奮性シナプス後部電位(ecitatory po
stsynaptic potential(EPSPs))を記録した。無酸素
症の間、酸素供給を、100%N2ガスにより置換した。N2
を、電気的沈黙の90秒後間供給し、その後O2を再導入し
た。EPSPsの回復(勾配及び増幅の両方)を50分間記録
し、この時、スライスの最終的な生物活性を測定し、そ
の生物活性を3mV EPSPを、生成するそのスライスの能力
として定義した。
海馬スライス中のアシドーシス。海馬スライスを振と
う水浴内で35℃において50μM C7を伴って又は伴わずに
過酸化Krebs−Ringerホスフェート・バッファー中に採
取した。15分間の前インキュベーションの後、スライス
を、同一バッファー又は30mMラクテート、pH5.0(C7を
含む又は含まず)を含むバッファー中に移した。すべて
の群からのスライスを100分間のインキュベーションの
後に採取し、そしてチオバルビタール酸とのマロンジア
ルデヒド反応により示されるような、脂質過酸化につい
てテストした。
神経損傷のインビボ・モデル マウスにおけるMPTP。成熟雄CFWマウス(25−33g)
を、24時間別々に正常生理食塩水中に溶解したMPTPの2
の注射(40mg/kg、皮下)を投与した。1群の動物が、M
PTP処理の開始1日前から始まり、24時間別々に投与さ
れた3注射(33mg/kg、皮下)においてC7をも受容し
た。動物を最初のMPTP注射の7日後に殺し、そして神経
病因を3H−マジンドール、そのドーパミン運搬体のため
のリガンドの、10mm冷凍脳切片又は線条体ホモジェネー
トへの結合により評価した。
マウスにおける6−OHDA。成熟雄CFWマウスを、ケタ
ミン(ketamine)及びランパン(rumpun)により麻酔
し、そして定位装置内に固定した。6−OHDAをその臭化
水素塩として、1%アスコルビン酸塩を含む正常生理食
塩水中に溶解し、そして50μgを、10μl Hamiltonシリ
ンジにより側心室内に投与した。C7(66mg/kg、腹膜
内)を4日間毎日投与した。動物を7日後に殺し、そし
て神経病因を線条体ホモジェネート中の3H−マジンドー
ルの結合を測定することにより評価した。
結 果 C7は無酸素−誘導損傷からの海馬スライスを保護する 海馬スライスを、C7(50μM)を含む又は含まない無
酸素条件に供した。C7は、CA1中のシネプス応答におけ
る無酸素(anoxia)−誘導疾患に対する有意な程度の保
護を提供した。EPSP勾配(A)及び増幅(B)の両方に
おける減少はC7により防止された。同一検定における精
製ウシSODは保護を全く提供しなかった。
図10は、6−OHDA(50μg)のI.c.v.注射が、その注
射部位からの同側線条(striatum ipsilateral)からの
ホモジェネート中のマジンドール結合における60−70%
減少並びに対側線条(contralateral striatum)からの
30%減少をもたらしたことを示している(図10)。C7に
よる処理(4x 66mg/kg)は、その同側中での有意な減少
並びにその対側中での完全な保護を作り出した。
MPTP投与(2x 40mg/kg、皮下)は、マジンドール結合
における75−80%減少をもたらした。C7処理(3x 33mg/
kg、腹膜内)は、淡蒼球(globus pallidus)及び尾状
核(caudate nucleus)の両方の中での3H−マジンドー
ル結合における減少に対する有意な(p<0.05)程度の
保護を引き起こした(パネルA)。C7処理単独は、3H−
マジンドール結合に対する有意な効果を全くもっていな
かった。また、同一処理は、線条ホモジェネート中で測
定された3H−マジンドール結合における減少に対する有
意な保護を作り出さなかった。
結 論 これらの結果は、ニューロン損傷の様々なモデルにお
けるSynthetic Catalytic Scavenger(SCS),C7の保護
的効果を説明している。C7は、神経損傷の急性初期発
現、例えば、脂質過酸化及びシナプス生物活性、並びに
神経損傷の長期発現、例えば、毒素注射7日後の神経損
失からのニューロンを保護することができた。
神経損傷のインビボ・モデルにおけるC7の末梢注射に
より得られた陽性効果の視点において、我々は、本錯体
がインビボにおいて安定であり、そしてニューロン膜と
同様に血液脳関門を横切ると、結論する。
ニューロン損傷の様々なモデルにおけるC7の陽性効果
は、反応性酸素種、特にスーパーオキシド・ラジカルが
虚血及びアシドーシスにより誘導される病因において、
並びに黒質線条体のドーパミン作用性ニューロンのMPTP
−及び6−OHDA−誘導損失において重要な役割を演じて
いることを示している。
最後に、酸素ラジカルの過剰生産に関連する広いレン
ジの病因学的症状の視点において、これらの結果は、抗
酸化剤salen−金属錯体、例えば、C7が広いレンジの治
療用途をもつことができるであろうというアイデアを支
持する。
本発明の好ましい態様のこれまでの記載を、例示及び
説明の目的のために提示した。それらは、網羅的であり
又は開示したそのものに本発明を限定されることを意図
されず、そして多くの修正及び変更が先の教示の視点に
おいて可能である。
当業者に自明であることができるこのような修正及び
変更が、本発明の範囲内にあることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07F 13/00 C07F 13/00 A 15/02 15/02 15/04 15/04 15/06 15/06 (56)参考文献 特開 平4−312528(JP,A) 特開 昭62−25190(JP,A) 米国特許5106841(US,A) 欧州特許出願公開378483(EP,A 1) Biochem. Soc. Tra ns., 1990, Vol.18, N o.3, p.416−41 Basic Life Sci., 1988, Vol.49, Oxygen Radical Biol Bull. Chem. Soc. Jpn., 1981, Vol.55, N o.8, pp.2663 Inorg. Chim. Act a., 1982, Vol.54, No. 12, pp.3743−8 Bull. Chem. Soc. Jpn. 1981, Vol,54, N o.12, pp.3743 J. Am. Chem. So c., 1990, Vol.112, pp. 2801−2803 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/555 A61P 9/10 A61P 39/06 C07F 9/00 C07F 11/00 C07F 13/00 C07F 15/02 C07F 15/06 C07F 15/06 BIOSIS(STN) CAPLUS(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) EMBASE(STN)

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フリーラジカル関連疾患の予防又は治療の
    ために治療的に有効な量の酸化防止性サレン−金属錯体
    を医薬的に許容できる形で含んで成る医薬組成物におい
    て、前記酸化防止性サレン−金属錯体が、下記構造式: 【化1】 〔式中、MはMn,Co,Fe,V,Cr及びNiから成る群から選択
    され;Aはアニオンであり;nは0,1又は2のいづれかであ
    り; X1,X2,X3及びX4は、水素、シリル、アリール、アリール
    アルキル、第一アルキル、第二アルキル、第三アルキ
    ル、アルコキン、アリールオキシ、アミノ、第四アミ
    ン、ヘテロ原子及び水素から成る群から独立して選択さ
    れ; Y1,Y2,Y3,Y4,Y5及びY6は、水素、ハライド、アルキル、
    アリール、アリールアルキル、シリル基、アミノ、アル
    キル又はヘテロ原子を担持するアリール及びハライドか
    ら成る群から独立して選択され;そして R1,R2,R3及びR4は、水素、アリール、脂肪酸エステル、
    置換されたアルコキシアリール、ヘテロ原子担持の芳香
    族基、アリールアルキル、第一アルキル、第二アルキル
    及び第三アルキルから成る群から独立して選択される〕
    を有する医薬組成物。
  2. 【請求項2】前記フリーラジカル関連疾病が、虚血性/
    再酸素化エピソード及び医原性フリーラジカル毒性から
    成る群から選択される請求の範囲第1項記載の医薬組成
    物。
  3. 【請求項3】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、 【化2】 (ここで、Y1およびY2はメトキシ、エトキシ、メチル、
    エチル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミ
    ノ、第4アミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
    および水素から成る群より独立に選択され;そしてR1
    よびR2はフェニル、ベンジルオキシ、クロロベンジルオ
    キシ、水素、アミノ、第4アミン、または脂肪酸エステ
    ルから成る群より独立に選択される); 【化3】 (ここで、R1およびR2はフェニル、ベンジルオキシ、ク
    ロロベンジルオキシ、水素、アミノ、第4アミン、また
    は脂肪酸エステルから成る群より独立に選択される); 【化4】 (ここで、Y1およびY2はメトキシ、エトキシ、メチル、
    エチル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミ
    ノ、第4アミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
    および水素から成る群より独立に選択され;そしてR1
    よびR2はフェニル、ベンジルオキシ、クロロベンジルオ
    キシ、水素、アミノ、第4アミン、および脂肪酸エステ
    ルから成る群より独立に選択される); 【化5】 (ここで、Xはメトキシ、エトキシ、メチル、エチル、
    t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、第4ア
    ミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、および水素
    から成る群より独立に選択され;そしてYはt−ブチ
    ル、第4アミン、アミノ、および水素から成る群より選
    択される); 【化6】 (ここで、R1およびR2はアリールオキシ、アルコキシ、
    アリール、および水素から成る群より独立に選択され;
    そしてR'およびR''はアルキル、アリールおよび水素か
    ら成る群より独立に選択される); 【化7】 (ここで、R1およびR2はアルキルおよび水素から成る群
    より選択される)から成る群から選択される請求の範囲
    第1項記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、 【化8】 【化9】 【化10】 から成る群から選択される請求の範囲第3項記載の医薬
    組成物。
  5. 【請求項5】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、下記
    構造式: 【化11】 〔式中、Mは、Mn,Co,Fe,V,Cr及びNiから成る群から選
    択された遷移金属イオンであり; Aはアニオンであり; nは4,5又は6のいづれかであり; X1,X2,X3及びX4は、アリール、アリールアルキル、アリ
    ールオキシ、第一アルキル、第二アルキル、第三アルキ
    ル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、ヘテロ原子、
    アミノ、第四アミン及び水素から成る群から独立して選
    択され; Y1,Y2,Y3,Y4,Y5及びY6は、アリール、アリールアルキ
    ル、第一アルキル、第二アルキル、第三アルキル、アル
    コキシ、置換されたアルコキシ、アリールオキシ、ハラ
    イド、へテロ原子、アミノ、第4アミン及び水素から成
    る群から選択され;そして R1及びR4は、水素、ハライド、第一アルキル、第二アル
    キル、第三アルキル、脂肪酸エステル、アルコキシ又は
    アリールから独立して選択される〕を有する請求の範囲
    第1項記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、 【化12】 【化13】 から成る群から選択される請求の範囲第3項記載の医薬
    組成物。
  7. 【請求項7】前記酸化防止性サレン−金属錯体がSOD−
    擬似C7、 【化14】 である請求の範囲第1項記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】少なくとも約10mgのC7、 【化15】 を、非経口投与のために適切な形で含んで成る請求の範
    囲第7項記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】フリーラジカル関連疾患状態を予防し、阻
    止し、又は治療するための医薬の製造方法において請求
    の範囲第1項記載の酸化防止性サレン−金属錯体を使用
    することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】前記フリーラジカル関連疾病が、虚血性
    /再酸素化エピソード及び医原性フリーラジカル毒性か
    ら成る群から選択される請求の範囲第9項記載の方法。
  11. 【請求項11】前記酸化防止性サレン−金属錯体医薬組
    成物が、 【化16】 〔式中、MはMn,Co,Fe,V,Cr及びNiから成る群から選択
    され; Aはアニオンであり; nは0,1又は2のいづれかであり; X1,X2,X3及びX4は、水素、シリル、アリール、アリール
    アルキル、第一アルキル、第二アルキル、第三アルキ
    ル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、第四アミ
    ン、ヘテロ原子及び水素から成る群から独立して選択さ
    れ; Y1,Y2,Y3,Y4,Y5及びY6は、水素、ハライド、アルキル、
    アリール、アリールアルキル、シリル基、アミノ、アル
    キル又はヘテロ原子を担持するアリール及びハライドか
    ら成る群から独立して選択され;そして R1,R2,R3及びR4は、水素、アリール、脂肪酸エステル、
    置換されたアルコキシアリール、ヘテロ原子担持の芳香
    族基、アリールアルキル、第一アルキル、第二アルキル
    及び第三アルキルから成る群から独立して選択され
    る〕; 【化17】 (ここで、MはMn,Co,Fe,V,Cr及びNiから成る群から選
    択され; Aはアニオンであり; nは0,1又は2であり; X1,X2,X3及びX4は、水素、シリル、アリール、アリール
    アルキル、第1アルキル、第2アルキル、第3アルキ
    ル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、第4アミ
    ン、ヘテロ原子及び水素から成る群から独立に選択さ
    れ; Y1,Y2,Y3,Y4,Y5及びY6は、水素、ハライド、アルキル、
    アリール、アリールアルキル、シリル基、アミノ、アル
    キル、ヘテロ原子を担持するアリール、及びハライドか
    ら成る群から選択され;そして R1,R2,R3及びR4は、水素、アリール、脂肪酸エステル、
    置換されたアルコキシアリール、ヘテロ原子担持芳香族
    基、アリールアルキル、第1アルキル、第2アルキル、
    及び第3アルキルから成る群から独立に選択される); 【化18】 (ここで、Y1およびY2はメトキシ、エトキシ、メチル、
    エチル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミ
    ノ、第4アミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
    および水素から成る群より独立に選択され;そしてR1
    よびR2はフェニル、ベンジルオキシ、クロロベンジルオ
    キシ、水素、アミノ、第4アミン、および脂肪酸エステ
    ルから成る群より独立に選択される); 【化19】 (ここで、R1およびR2はフェニル、ベンジルオキシ、ク
    ロロベンジルオキシ、水素、アミノ、第4アミン、およ
    び脂肪酸エステルから成る群より独立に選択される); 【化20】 (ここで、Y1およびY2はメトキシ、エトキシ、メチル、
    エチル、t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミ
    ノ、第4アミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
    および水素から成る群より独立に選択され;そしてR1
    よびR2はフェニル、ベンジルオキシ、クロロベンジルオ
    キシ、水素、アミノ、第4アミン、および脂肪酸エステ
    ルから成る群より独立に選択される); 【化21】 (ここで、Xはメトキシ、エトキシ、メチル、エチル、
    t−ブチル、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、第4ア
    ミン、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、および水素
    から成る群より独立に選択され;そしてYはt−ブチ
    ル、第4アミン、アミノ、および水素から成る群より選
    択される); 【化22】 (ここで、R1およびR2はアリールオキシ、アルコキシ、
    アリール、および水素から成る群より独立に選択され;
    そしてR'およびR''はアルキル、アリールおよび水素か
    ら成る群より独立に選択される);並びに 【化23】 (ここで、R1およびR2はアルキルおよび水素から成る群
    より選択される); から成る群から選択される請求の範囲第9項記載の方
    法。
  12. 【請求項12】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 から成る群から選択される請求の範囲第11項記載の方
    法。
  13. 【請求項13】前記サレン−金属錯体がC7、 【化28】 である請求の範囲第10項記載の方法。
  14. 【請求項14】医薬的に許容できる形での請求の範囲第
    1項に定義する酸化防止性サレン−金属錯体の少なくと
    も1種の予防的有効量を含んで成る、フリーラジカル関
    連放射線ダメージ及び化学的ダメージの予防のためへの
    組成物。
  15. 【請求項15】前記酸化防止性サレン−金属錯体がSOD
    擬似C7、 【化29】 を含んで成る請求の範囲第14項記載の組成物。
  16. 【請求項16】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、患
    者の皮膚への局部的適用のために配合される請求の範囲
    第14項記載の組成物。
  17. 【請求項17】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、日
    光保護クリーム、日光保護ローション又は化粧品のため
    に配合される請求の範囲第16項記載の組成物。
  18. 【請求項18】イオン化放射線による処理又はフリーラ
    ジカル発生化学療法剤に起因する患者のフリーラジカル
    ダメージを予防し又はその重症度を減じるための医薬の
    製造方法において請求の範囲第1項に定義する酸化防止
    性サレン−金属錯体を使用することを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】前記酸化防止性サレン−金属錯体がSOD
    −擬似C7、 【化30】 である請求の範囲第18項記載の方法。
  20. 【請求項20】前記フリーラジカル発生化学療法剤が抗
    腫瘍剤ブレオマイシンである請求の範囲第18項記載の方
    法。
  21. 【請求項21】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、イ
    オン化放射線又はフリーラジカル発生化学療法剤の投与
    の前、前記患者に投与される請求の範囲第18項記載の方
    法。
  22. 【請求項22】ヒト又は家畜に供給するために配合され
    た請求の範囲第1項に定義するサレン−金属錯体を含ん
    で成る組成物。
  23. 【請求項23】前記サレン−金属錯体が免疫リポソーム
    に配合される請求の範囲第22項記載の組成物。
  24. 【請求項24】治療的有効量の酸化防止性サレン−金属
    錯体を医薬的に許容できる形で含んで成る医薬組成物で
    あって、ここで前記酸化防止性サレン−金属錯体が下記
    構造式: 【化31】 〔式中、Mはマンガンであり; AはH又はハロゲンであり; nは0,4,5、又は6であり、ここでCnは、n=0である
    場合、不在であり、そしてn=4,5又は6である場合、
    飽和炭化水素鎖であり; R1及びR4は、H、フェニル、低級アルコキシ及び低級脂
    肪酸エステルから成る群から独立して選択され; X1及びX3は、H、低級アルキル、アミン、低級アルキル
    アミノ、及びハロゲンから成る群から独立して選択さ
    れ; X2及びX4はHであり; Y1及びY4は、H、低級アルキル、ハロゲン及び低級アル
    コキシから成る群から独立して選択され; Y2,Y3,Y5及びY6はHであり;そして すべての残る置換基はHである〕を有する医薬組成物。
  25. 【請求項25】前記酸化防止性サレン−金属錯体が、 【化32】 【化33】 から成る群から選択される請求の範囲第24項記載の医薬
    組成物。
  26. 【請求項26】MPTP又は酸素欠乏損傷により誘発される
    神経損傷を予防、阻止又は治療するための医薬の製造方
    法において請求の範囲第24項記載の酸化防止性サレン−
    金属錯体を使用することを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】前記酸化防止性サレン−金属錯体医薬組
    成物がC7、 【化34】 を含んで成る請求の範囲第26項記載の方法。
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