JP3502023B2 - 車両用シートの回転装置 - Google Patents

車両用シートの回転装置

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JP3502023B2
JP3502023B2 JP2000230357A JP2000230357A JP3502023B2 JP 3502023 B2 JP3502023 B2 JP 3502023B2 JP 2000230357 A JP2000230357 A JP 2000230357A JP 2000230357 A JP2000230357 A JP 2000230357A JP 3502023 B2 JP3502023 B2 JP 3502023B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車両進行方向に
対する前向き姿勢から、シートを、その回転操作のもと
で後向き等の特定の向きに設定変更可能とする車両用シ
ートの回転装置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえば、その向きを車両進行方向に対
する前向き姿勢から後向き等の他の向きに設定変更可能
とした、いわゆる回転シートが、バス、列車等のシート
として知られている。 【0003】一般に、この種の回転シートは、ロアベー
ス、アッパベースの組み合わせを有した回転装置によっ
てシートを支持することにより形成され、ロック機構等
のロック、およびロック解除によって、そのシートの向
きを任意に設定、変更可能に、シートの回転装置は一般
的に構成されている。 【0004】ところで、車両等のシートは、通常、窓側
の車体側壁にその一側部を近接させた位置で、進行方向
に対する前向き等に設定されていることから、通常は、
車体側壁との干渉を防ぐため、シートを車体側壁からの
離反方向にスライドさせながら回転させる構成が、この
種の回転装置に広く採用されている。 【0005】しかしながら、このようなスライド、回転
の双方を連続して行う、いわゆるワンタッチの回転装
置は、スライド機構、回転機構の双方をその機構部に併
設しなければならないため、その構成の複雑化、および
コストの増大化が避けられない。また、部品の大型化、
および部品点数の増大化も伴いやすいため、その重量化
も、ワンタッチ式の回転装置における避けられない問題
点としてあげられている。 【0006】ここで、シートのスライド、および回転を
個別に行うものの、その構成の簡素化、軽量化を可能と
する構成として、たとえば、特公昭55−026008号公報等
に開示の構成が知られている。 【0007】この特公昭55−026008号公報等に開示され
た公知の回転装置においては、シートの固定されたアッ
パベース(滑動板)が、床面に固定されたロアベース
(固定台)に対し、このロアベースに立設された支軸
(立軸)を介してスライド、回転自在に連結、支持され
ている。そして、シートの左右位置に設けられた着脱ピ
ン、回転防止ピンを、それぞれに対応する切欠きに挿
入、係合させることによって、アッパベース、つまりは
シートを対応する向きでロック可能に、この公知の回転
装置は構成されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】前出の特公昭55−0260
08号公報に開示のように、シートを、車体側壁に沿った
設定位置から車体内方に一旦スライドさせれば、車体側
壁に妨げられることのないシートの回転が容易に確保で
きる。しかし、この公知の構成は、シートの回転中心と
なる支軸をロアベースに突設したものであり、シートの
スライド後における支軸の位置は、シートの中央から対
応長だけ側方にずれるため、ロアベースに突設された回
転防止ピン等に妨げられることなくシートを回転させる
には、回転途中におけるシートのスライドが要求され
る。 【0009】つまり、この公知の構成においては、回転
途中でのシートのスライド作業が要求されるため、シー
トの回転作業が複雑化しやすく、その作業性の低下が避
けられない。 【0010】また、この公知の構成においては、支軸や
着脱ピン、および回転防止ピンによって、ロアベースに
対するアッパベースのスライド、および回転を阻止して
いるにすぎない。つまり、浮き上がり方向へのロアベー
スに対するアッパベースの安定性、保持性を十分に確保
するには、ロアベース、アッパベースの剛性、強度を十
分に高く確保し、なおかつその接触部の安定化をはから
なければならないため、ロアベースに対するアッパベー
スの安定的な支持が容易に確保できない。 【0011】この発明は、小型軽量化、およびコストの
低減を可能とするとともに、その回転作業の簡素化をは
かる車両用シートの回転装置の提供を目的としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明によれば、支軸が、下方への延出のもとで
アッパベースに突設されている。そして、この支軸の遊
挿配置されるロアベースの挿通孔を、車体側壁からの離
反方向に延びる長孔状のガイド孔とすることによって、
アッパベースが、車体側壁にシートの一部を近接させる
ロック位置と、車体側壁から所定間隔離反された回転位
置との間でスライド可能に、ロアベースに対して連結、
支持されている。また、このアッパベース、ロアベース
の対向面間に、ロアベースに対するアッパベースの摺動
を保障する所定の摺接プレートが、いずれか一方への固
着のもとで他方に面接触可能に介在されている。 【0013】そして、ロック機構が、ロック孔へのロッ
クピンの挿入、係合のもとで、アッパベースの、少なく
ともスライド、および回転を阻止する規制手段と、スト
ライカに対するラッチの係合のもとで、アッパベース
の、少なくとも浮き上がりを阻止する係合手段との組み
合わせとされ、ロアベースに対するアッパベースのロッ
ク位置、およびその特定角度でのみ各手段をロック可
能、かつ所定の解除機構によるその解除操作のもとで各
手段のロックを一括解除可能に、このロック機構は形成
されている。さらに、この解除機構が、固定のブラケッ
トと、可動の回動体との組み合わせとしてなり、この解
除機構の回動体とロック機構の規制手段、および係合手
段の各可動片とを、所定の連動手段を介して連動可能に
それぞれ連結することによって、ロック機構の規制手
段、および係合手段のロックをこの解除機構によって一
括解除可能とするとともに、この解除機構に、解除位置
からの回動体の復帰規制を行う係止手段を設け、この係
止手段を機能させることによって、回動体をその解除位
置に適宜保持可能としている。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。 【0015】図1に示すように、この発明に係る車両用
シートの回転装置10は、シートの固定されるアッパベー
ス12と、床面に固定されるロアベース14とを備えてい
る。そして、この発明においては、アッパベース12の回
転中心となる支軸16が、下方への延出のもとで、このア
ッパベースに突設されている。 【0016】たとえば、支軸16として段付ボルトが例示
でき、この段付ボルトは、アッパベース12の中央に穿設
された挿通孔18を介して、下方に向けて突設される。そ
して、この支軸(段付ボルト)16の遊挿配置の可能な挿
通孔20をロアベース14に設け、この挿通孔への挿通後に
おけるナット22の螺着によって、アッパベース12、ロア
ベース間は可動に連結されている。 【0017】ここで、図1に加えて図2を見るとわかる
ように、この発明においては、ロアベースの挿通孔20
が、車体側壁24からの離反方向、たとえばバス、列車等
の車両の進行方向に対する横方向(図中左右方向)に延
びる長孔状のガイド孔として形成されている。 【0018】この構成においては、支軸16がロアベース
のガイド孔(挿通孔)20の内部を移動可能となるため、
図2(A),(B)に示すように、この支軸の移動範囲
で、アッパベース12はロアベース14に対してスライド可
能となる。そして、図2(A)に示すように、ガイド孔
20の車体側壁側の側縁部(壁面縁部)20aに支軸16を整
列させた位置が、車体側壁24にシート26の一部、たとえ
ば側端26Rを近接させる、ロアベース14に対するアッパ
ベース12のロック位置として、また、図2(B)に示す
ように、ガイド孔の車体内方側の側縁部(内方縁部)20
bに支軸を整列させた位置が、車体側壁によってその回
転の干渉されない、車体側壁から所定間隔離反されたシ
ートの回転位置として、それぞれ規定されている。 【0019】つまり、この発明においては、アッパベー
ス12が、ロアベース14に対して回転可能、かつ車両の左
右方向にスライド可能に、支軸16を介して連結、支持さ
れている。 【0020】なお、図1を見るとわかるように、ロアベ
ースのガイド孔20の周辺には補強部材28が設けられ、こ
の補強部材をロアベース14に一体的に固着することによ
って、ガイド孔周辺でのロアベースの補強、つまりその
剛性強化がはかられている。 【0021】ここで、図1、および図2(A)を見ると
わかるように、この発明の実施の形態においては、ロア
ベース14に対する整列位置、つまりロアベースと全体的
に重なる位置が、アッパベース12のロック位置として規
定されている。そして、図1に示すように、この発明に
おいては、アッパベース12、ロアベース14の対向面間
に、ロアベースに対するアッパベースの摺動を保障する
所定の摺接プレート30が、いずれか一方への固着のもと
で他方に面接触可能に介在されている。 【0022】摺接プレート30として、たとえば、帯状の
樹脂プレートが例示でき、この樹脂プレートは、ロック
位置、回転位置を問わずアッパベース12に面接触可能
に、たとえば上部四辺、およびガイド孔20の両サイド等
で、ロアベース14にねじ止めされる。 【0023】このような構成においては、この摺接プレ
ート(樹脂プレート)30とアッパベース12との間の摩擦
力が十分に低減されるため、その摺動、つまりロアベー
ス14に対するアッパベースのスライド、および回転の円
滑化が容易にはかられる。そして、アッパベース12は、
この摺接プレート30を介してロアベース14に面接触し、
この面接触状態は、ロアベースに対するアッパベースの
ロック位置、回転位置を問わず適切に維持できるため、
ロアベースに対するアッパベースのスライド、および回
転の安定化が容易に確保される。 【0024】なお、この実施の形態においては、摺接プ
レート30をロアベース14に固定している。しかし、これ
に限定されず、たとえば、摺接プレート30をアッパベー
ス12に固定し、ロアベース14の対向面に、この摺接プレ
ートを面接触させる構成としてもよい。 【0025】ところで、図1を見るとわかるように、こ
の発明の回転装置10においては、ロック機構が、ロアベ
ース14に対するアッパベース12の、少なくともスライ
ド、および回転を阻止する規制手段32-1と、ロアベース
に対するアッパベースの、少なくとも浮き上がりを阻止
する係合手段32-2との組み合わせとして形成されてい
る。そして、このロック機構をなす規制手段32-1、およ
び係合手段32-2は、ロアベース14に対するアッパベース
12のロック位置においてのみ機能可能、つまりはロック
可能に、この発明においては構成されている。 【0026】図1に加えて図3を見るとわかるように、
このロック機構の一方をなす規制手段32-1は、たとえ
ば、挿通孔33を介してロアベース側に突出可能に、パイ
プ状ガイド34によってアッパベース12に昇降自在に配
設、支持されたロックピン36と、このロックピンの挿
通、係合を可能に、ロアベース14に形成されたロック孔
38との組み合わせを備えている。ロックピン36は、たと
えば、ブラケット40に基端の枢支された支持レバー42の
自由端に枢着、連結され、この支持レバーの係止片42a
とアッパベース12との間に架設、張設された引張コイル
ばねからなる規制ばね44の偏倚力のもとで、ロック孔38
への挿入方向に偏倚されている。 【0027】図1に示すように、この発明の実施の形態
においては、この規制手段32-1のロックピン36が、支軸
16を中心とした180°の離反位置、たとえば車両の進行
方向に対する左右の直交線上での離反位置で、アッパベ
ース12にそれぞれ設けられている。そして、このロック
ピン36の挿通されるロック孔38が、ロアベース14に対す
るアッパベース12のロック位置においてのみその挿通を
可能に、たとえば90°間隔で、ロアベースにそれぞれ穿
設されている。 【0028】なお、図1、および図3に示すように、ロ
ック孔38の周辺には、ガイド孔20の周辺と同様に補強部
材46が設けられ、この補強部材をロアベース14に一体的
に固着することによって、ガイド孔周辺でのロアベース
の補強、つまりその剛性強化がはかられている。 【0029】この構成の規制手段32-1によれば、図3
(A)に示す、ロック孔38へのロックピン36の挿入、係
合、つまりはそのロックのもとで、ロアベース14に対す
るアッパベース12のスライド方向、回転方向での位置決
め、およびそのスライド、回転の阻止が確実に行える。 【0030】そして、図3(B)に示すように、規制ば
ね44の偏倚力に抗してロックピン36を引き上げれば、ロ
ック孔38からのロックピンの離反、つまりはロック解除
のもとでロアベース14に対するアッパベース12のスライ
ド、および回転は保障される。 【0031】また、図1に加えて図4を見るとわかるよ
うに、ロック機構の他方をなす係合手段32-2は、たとえ
ば、アッパベース12に設けられたラッチ46と、ロアベー
ス14に設けられたストライカ48との組み合わせを有して
いる。 【0032】ラッチ46は、たとえば、一対のブラケット
50間に架設、軸支された架設ロッド52に一体的に固着さ
れ、この架設ロッドを中心とした回動のもとで、アッパ
ベースの挿通窓54からロアベース側に突出可能に配設、
構成されている。 【0033】図1に示すように、この発明の実施の形態
においては、ラッチ46が、1本の架設ロッド52に対し、
その軸線方向に離反した2ヵ所に配置、固着され、この
架設ロッドをアッパベース12の前後2ヵ所にそれぞれ配
設することによって、ラッチを、アッパベースの前後4
ヶ所で、その前後方向に回動可能にそれぞれ配置してい
る。 【0034】そして、たとえば略く字形状のストライカ
48が、このラッチ46に対応する箇所で、ロアベース14に
それぞれ固着、配置され、ストライカ上面に設けられた
略十字形状の挿通窓56を介してラッチ46の挿入、係合を
可能に、このストライカは構成されている。 【0035】なお、図4に示すように、たとえば、ラッ
チ46とアッパベースの係止片57とへの各端末の係止を伴
って架設ロッド52に巻装された、ねじりばねとしてなる
係合ばね58の偏倚力のもとで、ラッチはストライカ48と
の係合方向に偏倚されている。 【0036】この構成の係合手段32-2によれば、図4
(A)に示す、ストライカ48へのラッチ46の係合、つま
りはそのロックのもとで、ロアベース14に対するアッパ
ベース12の浮き上がりの阻止が確実に行える。そして、
この発明の実施の形態においては、ラッチ46、ストライ
カ48の組み合わせを、車両の進行方向を前方とする場合
の前後左右の離間4ヵ所にそれぞれ配設しているため、
ロアベース14に対するアッパベース12の傾斜を伴う浮き
上がりが、前後方向、左右方向を問わず確実に防止可能
となる。 【0037】また、図4(B)に示すように、係合ばね
58の偏倚力に抗してラッチ46を図中時計方向に回動させ
れば、ストライカ48からのラッチの離脱、つまりはロッ
ク解除のもとでロアベース14に対するアッパベース12の
係合は解除され、ひいてはアッパベースのスライド、お
よび回転は保障される。 【0038】ここで、この発明においては、このロック
機構をなす規制手段32-1、係合手段32-2のロックが、所
定の解除機構60によって一括して解除可能となっている
(図1参照)。 【0039】図5、図6を見るとわかるように、この解
除機構60は、アッパベース12に固定される固定のブラケ
ット62と、このブラケットに、枢支ピン64を介して回動
自在に連結、支持された可動の回動体66との組み合わせ
を有して形成されている。この解除機構の回動体66は、
たとえば固着のもとで、その上面に所定の係止片68を一
体的に有して形成されている。そして、図6に加えて図
1、図3に示すように、この回動体の係止片68と支持レ
バー42の係止片42bとを、所定の連動手段、たとえばケ
ーブルワイヤ70で連動可能に連結することによって、解
除機構60による規制手段32-1のロック解除が可能となっ
ている。 【0040】また、図6に加えて図1、図4に示すよう
に、回動体の係止片68と架設ロッドの係止片72とを、同
様のケーブルワイヤ70により連動可能に連結することに
よって、解除機構60による係合手段32-2のロック解除も
可能となる。 【0041】つまり、解除機構60は、ケーブルワイヤ70
によって引張られた図6(A)に示す状態で待機され、
図6に示すように、この待機位置からの回動体66の回動
操作によってケーブルワイヤを牽引すれば、規制手段32
-1は図3(B)のように、また、係合手段32-2は図4
(B)のように、それぞれ連動されて、それぞれのロッ
クは一括して解除される。 【0042】ここで、図5、図6を見るとわかるよう
に、この解除機構60は、図6(B)に示す解除位置から
の回動体66の復帰規制を行う係止手段74を有して形成さ
れている。係止手段74として、たとえば、一部を回動体
方向に部分的に凸曲させた板ばねが例示でき、回動体に
一体的に設けられた係合片76をこの板ばねの凸曲部74a
に係合させることによって、解除位置での回動体の保持
が可能となっている。 【0043】上述したこの発明の車両用シートの回転装
置10における、シート向きを変更する場合の作業手順
を、以下に説明する。 【0044】たとえば、図2に示すように、車両進行方
向に着座姿勢を一致させた、いわゆる前向きを、シート
26、ひいてはアッパベース12の初期状態として仮定す
る。 【0045】この初期状態では、アッパベース12が、ロ
アベース14との整列位置となるロック位置にあり、ロッ
ク機構の規制手段32-1、および係合手段32-2の双方のロ
ックによって、シート26を前方に向けた初期状態に固定
的に設定されている(図3(A)、および図4(A)参
照)。そして、この初期状態から、図1、図6に示すよ
うに、たとえば、回動体66の係着孔78に操作レバー80を
差し込み、この操作レバーによって回動体を、図6
(A)に示す待機位置から図中反時計方向に回動させれ
ば、ワイヤケーブル70による連動のもとで、ロック機構
の規制手段32-1、および係合手段32-2は一括してロック
解除される(図3(B)、および図4(B)参照)。 【0046】このロック機構のロック解除状態では、係
止手段74による回動体66の保持により、そのロック解除
状態が維持されるため、このロック解除状態でシート26
を車両内方(図中右方)に引き出せば、ロアベース14に
対するアッパベース12のスライド、つまり図2(A)に
示すロック位置から図2(B)に示す回転位置までのア
ッパベースのスライドが確保される。 【0047】そして、図2(B)に図7(A)の一点鎖
線を加えて見るとわかるように、この、車体側壁24から
の離反位置となる回転位置で、シート26を、たとえば図
中反時計方向に、支軸16を中心として、たとえば90°回
動させ、図7(A)に実線で示すこの90°位置で、シー
トを車体側壁方向に押し込み、ロアベース14に対するア
ッパベース12のロック位置で解除手段60を係止解除させ
れば、ロック機構の規制手段32-1、係合手段32-2の双方
の一括ロックによって、シートが、いわゆる横向きに固
定的に設定される。 【0048】また、上記と同様の手順により、シート26
を、図2(A)に示す前向きのロック位置から図2
(B)に示す回転位置まで引き出し、たとえば、図8
(A)に示すように図中反時計方向に180°回動させ、
この180°位置で、シートを、図8(B)に示すように
車体側壁24側に押し込み、ロアベース14に対するアッパ
ベース12のロック位置で解除手段60を係止解除させれ
ば、ロック機構の規制手段32-1、係合手段32-2の双方の
一括ロックによって、シートが、いわゆる後向きに固定
的に設定される。 【0049】なお、図1の参照符号82は、ロアベース14
に対するアッパベース12のロック位置においてアッパベ
ースに係合するストッパであり、このストッパをロアベ
ースに固定することによって、回転位置からロック位置
へのスライド時における、アッパベースの過剰なスライ
ドが確実に阻止される。 【0050】上記のように、この発明の車両用シートの
回転装置10においては、シート26の回転中心となる支軸
16がアッパベース12側に突設されており、この支軸の一
体的なスライドのもとで、アッパベースをロアベース14
に対してスライド可能としているため、シート、つまり
アッパベースの回転位置においても、シートに対する支
軸の位置は変わらない。つまり、シート26に対する支軸
16の位置は一定であり、シートは常に同一の回転中心に
おいて回転されるため、この発明によれば、車体側壁等
に干渉されないシートの回転が、その回転中心を移動さ
せることなく容易に確保可能となる。 【0051】従って、回転途中でのスライド作業が不要
となることから、この発明によれば、シート26の回転作
業が簡素化される。 【0052】また、この発明の回転装置10は、ロック機
構を規制手段32-1と係合手段32-2との組み合わせとして
おり、この係合手段によって、ロアベース14に対するア
ッパベース12の浮き上がりを阻止しているため、構成の
複雑化、および大型化を伴うことなく、着座姿勢の前後
方向におけるシート26の傾斜が確実に防止可能となる。 【0053】そして、この発明においては、規制手段32
-1によって、ロアベース14に対するアッパベース12のス
ライド、および回転を阻止しているため、ロック時にお
けるアッパベース、ひいてはシート26の安定性が一層向
上される。 【0054】更に、ロック機構を規制手段32-1と係合手
段32-2との組み合わせとすることによって、掛かる荷重
の分担化が確実にはかられる。つまり、規制手段32-1と
係合手段32-2とにおける分担荷重がそれぞれ低減される
ため、各手段毎での剛性緩和が可能となることから、回
転装置10自体の小型軽量化、およびコストの削減が十分
にはかられる。 【0055】また、この発明においては、アッパベース
12、ロアベース14の対向面間に、ロアベースに対するア
ッパベースの摺動を保障する摺接プレート30を、その面
接触のもとで配設している。この構成によれば、ロー
ラ、キャスター、あるいはベアリング等の大型の転動子
を介することなく、アッパベース12をロアベース14上で
スライド、回転自在に支持することが可能となるため、
この点からも、回転装置10自体の小型軽量化、およびコ
ストの削減が十分にはかられる。 【0056】なお、この発明の実施の形態においては、
摺接プレート30を帯状の樹脂プレートとして具体化して
いるが、アッパベース12、ロアベース14間の面接触を確
保可能とすれば足りるため、この摺接プレートの形状は
帯状に限定されることなく、他の形状としてもよい。 【0057】そして、この発明においては、解除機構の
回動体66を、係止手段74によってその解除位置で保持可
能としているため、ロック機構の規制手段32-1、および
係合手段32-2のロック解除状態が、解除機構に対する操
作力の解除後においても維持できる。従って、シート2
6、つまりアッパベース12の回転作業が一層容易に行え
る。 【0058】ここで、この発明の実施の形態において
は、ロック機構をなす係合手段32-2のラッチ46、および
ストライカ48を、アッパベース12の前後左右の4ヵ所に
設けているが、ロアベース14に対するアッパベースの浮
き上がりをそのロックのもとで防止可能とすれば足りる
ため、これに限定されず、たとえば前後の2ヵ所等にラ
ッチ、ストライカを配設する構成としてもよい。 【0059】しかしながら、この実施の形態のように、
ラッチ46、およびストライカ48を前後左右の4ヵ所に設
ければ、着座姿勢での前後方向に加えた左右方向への浮
き上がり、傾きも確実に防止できるため、ロアベース14
に対するアッパベース12、ひいてはシート26の安定性が
一層向上される。 【0060】そして、この発明の実施の形態において
は、ロック機構の規制手段32-1、および係合手段32-2、
ならびに解除機構60をアッパベース12に配設している
が、これとは逆に、これらをロアベース14にそれぞれ配
設してもよい。 【0061】しかしながら、特に解除機構60をアッパベ
ース12に設ければ、その位置の特定化が容易となるた
め、シート回転時等における作業性が向上される。そし
て、ロック機構の規制手段32-1、および係合手段32-2、
ならびに解除機構60をアッパベース12に配設すれば、そ
の構成の簡素化が十分にはかられる。 【0062】ここで、この発明の実施の形態において
は、回転装置10が、シート26を車両進行方向に対する前
向きから横向き、および後向きへの設定変更を可能に構
成されているが、これに限定されず、たとえば、前向
き、後向きのみでのシート向きの設定変更を可能に、回
転装置を構成してもよい。 【0063】しかしながら、前向き、後向きに加えて、
シート26の横向きを設定可能とすることによって、シー
トアレンジのバリエーションの拡張が容易に可能とな
る。 【0064】なお、ここでは、バス、列車等のシートを
回転シートとして例示しているが、これに限定されず、
船舶、飛行機等のシートの回転装置に、この発明を応用
してもよい。 【0065】上述した実施の形態は、この発明を説明す
るためのものであり、この発明を何等限定するものでな
く、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたも
のも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。 【0066】 【発明の効果】上記のように、この発明に係る車両用シ
ートの回転装置によれば、シートに対する支軸の位置は
変わらないため、車体側壁等に干渉されないシートの回
転が、その回転中心を移動させることなく容易に確保可
能となる。従って、回転途中でのスライド作業が不要と
なることから、この発明によれば、シートの回転作業が
簡素化される。 【0067】また、ロック機構を規制手段と係合手段と
の組み合わせとし、この係合手段によって、ロアベース
に対するアッパベースの浮き上がりを阻止しているた
め、構成の複雑化、および大型化を伴うことなく、着座
姿勢の前後方向におけるシートの傾斜が確実に防止可能
となる。 【0068】そして、規制手段によって、ロアベースに
対するアッパベースのスライド、および回転を阻止して
いるため、ロック時におけるアッパベースの安定性が一
層向上される。 【0069】更に、ロック機構を規制手段と係合手段と
の組み合わせとすることによって、掛かる荷重の分担化
が確実にはかられる。つまり、規制手段と係合手段とに
おける分担荷重がそれぞれ低減されるため、各手段毎で
の剛性緩和が可能となることから、回転装置自体の小型
軽量化、およびコストの削減が十分にはかられる。 【0070】また、アッパベース、ロアベースの対向面
間に、ロアベースに対するアッパベースの摺動を保障す
る摺接プレートを、その面接触のもとで配設しているた
め、この点からも、回転装置自体の小型軽量化、および
コストの削減が十分にはかられる。 【0071】そして、解除機構の回動体をその解除位置
で保持可能としているため、ロック機構の規制手段、お
よび係合手段のロック解除状態が、解除機構に対する操
作力の解除後においても維持できる。従って、ロアベー
スに対するアッパベースの回転作業が一層容易に行え
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】一部を破断、あるいは分解した、この発明に係
る車両用シートの回転装置の概略の斜視図である。 【図2】この車両用シートの回転装置のロック位置、お
よび回転位置における、回転シートの概略の各作動平面
図である。 【図3】ロック状態、およびロック解除状態を示す、ロ
ック機構の規制手段の各概略縦断面図である。 【図4】ロック状態、およびロック解除状態を示す、ロ
ック機構の係合手段の各概略縦断面図である。 【図5】解除機構を示す概略の分解斜視図である。 【図6】待機位置、および解除位置での、解除機構の各
概略縦断面図である。 【図7】横向き(90°)の回転状態、および設定状態を
示す、回転シートの概略の各作動平面図である。 【図8】後向き(180°)の回転状態、および設定状態
を示す、回転シートの概略の各作動平面図である。 【符号の説明】 10 車両用シートの回転装置 12 アッパベース 14 ロアベース 16 支軸 26 シート 30 摺接プレート 32-1 規制手段(ロック機構) 32-2 係合手段(ロック機構) 36 ロックピン 38 ロック孔 46 ラッチ 48 ストライカ 60 解除機構 66 回動体 70 ケーブルワイヤ(連動手段) 74 係止手段(板ばね)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/14 B60N 2/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シートの固定されるアッパベースと;床
    面に固定されるロアベースと;を、所定の支軸を介して
    スライド可能、かつこの支軸を支点として少なくとも回
    動可能に連結してなる車両用シートの回転装置であり、 支軸が、下方への延出のもとでアッパベースに突設さ
    れ、この支軸の遊挿配置されるロアベースの挿通孔を、
    車体側壁からの離反方向に延びる長孔状のガイド孔とす
    ることによって、アッパベースが、車体側壁にシートの
    一部を近接させるロック位置と、車体側壁から所定間隔
    離反された回転位置との間でスライド可能に、ロアベー
    スに対して連結、支持され、 このアッパベース、ロアベースの対向面間に、ロアベー
    スに対するアッパベースの摺動を保障する所定の摺接プ
    レートが、いずれか一方への固着のもとで他方に面接触
    可能に介在されるとともに、 ロック孔へのロックピンの挿入、係合のもとで、アッパ
    ベースの、少なくともスライド、および回転を阻止する
    規制手段と;ストライカに対するラッチの係合のもと
    で、アッパベースの、少なくとも浮き上がりを阻止する
    係合手段と;の組み合わせとしてなるロック機構が、ロ
    アベースに対するアッパベースのロック位置、およびそ
    の特定角度でのみ各手段をロック可能、かつ所定の解除
    機構によるその解除操作のもとで各手段のロックを一括
    解除可能に形成され、この解除機構が、固定のブラケットと;可動の回動体
    と;の組み合わせとしてなり、この解除機構の回動体と
    ロック機構の規制手段、および係合手段の各可動片と
    を、所定の連動手段を介して連動可能にそれぞれ連結す
    ることによって、ロック機構の規制手段、および係合手
    段のロックをこの解除機構によって一括解除可能とする
    とともに、 この解除機構に、解除位置からの回動体の復帰規制を行
    う係止手段を設け、この係止手段を機能させることによ
    って、回動体をその解除位置に適宜保持可能としたこと
    を特徴とする 車両用シートの回転装置。
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