JP3502021B2 - 薄膜磁気ヘッド用セラミックバー固定装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用セラミックバー固定装置

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JP3502021B2
JP3502021B2 JP2000218445A JP2000218445A JP3502021B2 JP 3502021 B2 JP3502021 B2 JP 3502021B2 JP 2000218445 A JP2000218445 A JP 2000218445A JP 2000218445 A JP2000218445 A JP 2000218445A JP 3502021 B2 JP3502021 B2 JP 3502021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドを構成
する磁気−電気変換素子等が複数配列されたセラミック
バー等の被加工物を加工するための磁気ヘッド製造装置
に関し、特にセラミックバーにおける特定面に対して露
光処理を行う際に用いられる保持治具に対して当該セラ
ミックバーを高精度に接着する際に用いられる固定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等を用いる磁気記録装置
においては、記録媒体である磁気ディスクに対しての情
報の記録、あるいは当該ディスクに記録された情報の読
み出しは、情報の記録面と対向する位置に配置される磁
気ヘッドと呼ばれる部材によって行われる。
【0003】この磁気ヘッドは、誘導型磁気変換素子あ
るいは磁気抵抗素子等からなる多数個の素子部が表面上
に一列に形成された棒状のセラミック(以下セラミック
バーと述べる。)を加工して得られる部品より構成され
ている。これら素子部は、半導体製造技術に代表される
薄膜の形成および加工技術を用いて多数個同時にウエハ
状のセラミック基板上に作り込まれ、このセラミック基
板を所定方向に棒状(直方体状)に切断することで、上
述のセラミックバーが得られる。
【0004】素子部形成後のセラミックバーに対して
は、記録媒体に対する記録、再生特性に関連する磁気ヘ
ッドの形状上のパラメータとして、各素子部におけるス
ロートハイトあるいはMRハイト等を適切な値とする研
磨等の加工が施される。セラミックバーは、その研磨等
の加工後、各素子毎に切断され、磁気ヘッドとして装置
に組み込まれる。
【0005】なお、磁気ヘッドは、磁気ディスクに対す
る情報の記録時等において、ディスクの高速回転に伴っ
て生じる空気流によってディスク表面から微少間隔浮上
することを要する。その際、記録再生特性を安定させる
ために浮上高さおよび姿勢が安定することも要してい
る。この浮上高さ等の安定性を得るために、セラミック
バー切断後の、いわゆるスライダにおける磁気ディスク
との対向面には凸面部あるいは溝部等を形成することが
望ましい。このため、一般に、セラミックバー切断前
に、スロ−トハイト等を所定とするための研磨を行った
面に対して、R加工、溝加工等が施される。
【0006】なお、近年は、磁気ヘッド浮上時における
素子端部と記録媒体表面との距離を極力小さくすると同
時に磁気ヘッドの浮上高さを安定させるため、スライダ
ーに対する溝加工が行われている。この溝加工を被加工
面に対して行う場合、加工精度、製造コスト、及び製造
に要する時間を勘案し、一般的には、例えば特開平6−
236508に開示されるように、複数のセラミックバ
ーに対して同時に溝パターンの露光、エッチング等の加
工処理が為される。具体的には、複数のセラミックバー
を保持治具における所定位置に各々固定し、保持状態の
ままで上記加工処理を行うこととしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】所定のスロートハイト
得るために研磨される面すなわち溝パターンが加工され
る被加工面は、ダイシングソーによる切断工程によって
形成された面である。切断によって除去される部分のセ
ラミック基板に対する位置的な精度は、ダイシングソー
のぶれ等の影響もあって、スロートハイト等に要求され
る精度に対して大きく劣っている。このため、切断、研
磨等の各工程を経たセラミックバーの被加工面とその反
対面との距離、すなわち厚みは、セラミックバーに応じ
て各々異なる。
【0008】従って、被加工面を上面に向けた状態で、
単純に保持治具に対して固定保持しようとしても、保持
治具表面から見た場合の被加工面の高さはセラミックバ
ー各々によって異なる場合が生じ得た。この場合には、
そのまま露光処理を行うと、焦点からはずれて露光され
るセラミックバーが発生し、形成された溝幅等が他のセ
ラミックバー上の溝幅等と異なってしまうという問題が
あった。また、この問題は、磁気記録の高記録密度化に
伴って、磁気ヘッド各々の浮上高さに求められる精度が
高くなるにつれて顕著になっている。
【0009】この問題の解決手段として、セラミックバ
ーの被加工面各々の高さを、保持治具等の基準面に対し
て均一なものとするセラミックバーの固定方法が特開平
8−315341に開示されている。具体的には、当該
方法においては、被加工面をガラス板に対面させて複数
のセラミックバーを配置し、その状態で溶融状態の低融
点金属をセラミックバー各々の周囲に流し込むことによ
って各々のセラミックバーを一体とし、これらを保持し
ている。この一体化工程を鋳型内で行うことによって、
ガラス板と平行な基準面を低融点金属により得、この基
準面と各セラミックバーの被加工面との距離の均一化を
図っている。
【0010】しかしながら、当該方法においては、ガラ
ス板に対して各セラミックバーを精度良く配置すること
は困難であり、仮に満足な位置精度が得られたとして
も、低融点金属の流し込み時にセラミックバーがずれて
しまう恐れもあった。この場合、セラミックバーは所定
の露光位置からずれて位置することとなり、溝形状ある
いはその形成位置が各セラミックバーごとに不均一とな
る問題が生じる。さらに、低融点金属の完全な除去が難
しく、残留した低融点金属が存在する場合には、次の切
断工程において、切断用のダイシングソーに対してこれ
らが付着してダイシングソーの寿命を縮めるという問題
も生じ得た。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、低融点金属等の固定材を各セラミック
バー間に満たすことなく、保持治具に対してセラミック
バーを精度良く配置するとともに、保持治具上の基準面
とセラミックバー各々の被加工面との距離を均一とする
ことを可能とする装置を提供することを目的とするもの
である。また、上記従来技術においては、対象とするセ
ラミックバーの長さは均一であったが、近年のセラミッ
ク基板の大径化と、製造コスト削減の要求により、基板
外周近傍より長さの異なるセラミックバーも切り出して
基板をより有効に活用することが行われつつある。本発
明は、この状況に鑑み、長さの異なるセラミックバーに
対しても対応可能な装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る装置は、電気−磁気変換素子および磁
気−電気変換素子の少なくとも一方からなる素子が所定
面上に長さ方向に複数個形成された直方体状の被加工物
を、所定面とのなす角が略90゜となる第一の面におい
て、保持治具に対して複数個接着固定する装置であっ
て、基準面において複数個の被加工物における第一の面
とは反対の第二の面を密着状態で吸着保持可能な吸着プ
レートと、第一の吸着面で被加工物を吸着保持し、被加
工物の第二の面を吸着プレートの基準面に対して接近さ
せかつ第二の面において被加工物が吸着プレートに保持
されるように被加工物を前記吸着プレートに対して移載
する吸着ヘッドと、被加工物を吸着プレートに移載する
際に被加工物上の所定位置に形成された素子を撮像する
カメラと、吸着ヘッドから吸着プレートに対して被加工
物を移載する際に撮像の結果に基づいて吸着ヘッドを駆
動しかつ吸着ヘッドによって吸着保持された被加工物の
吸着プレート上の移載位置を制御する位置制御系と、保
持治具の表面に対して接着剤を塗布するとディスペンサ
と、保持治具を支持し、ディスペンサによる接着剤塗布
位置から、吸着プレートの基準面に対して相対する位置
に移動させる保持治具支持機構とを有し、表面上に接着
剤が塗布された保持治具を移動し、接着剤を吸着プレー
トに吸着保持された複数の被加工物の第一の面に対して
接触させ、複数の被加工物の基準面への吸着保持状態を
維持したまま、接着剤を介して保持治具に対して同時に
接着固定することを特徴としている。
【0013】さらに、本発明に係る装置は、カメラによ
る素子の撮像は、吸着プレートの基準面からその反対の
面に貫通する穴を介して、反対の面側からなされること
が好ましい。また、この場合、カメラは、離間した位置
に形成された少なくとも二つの素子の撮像を行い、貫通
する穴は被加工物上の少なくとも二つの素子に応じた位
置に形成されることが好ましい。
【0014】
【実施の形態】本発明に係る装置は、吸着プレートと、
各セラミックバーの被研磨面を当該吸着プレートの表面
に密着させるセラミックバーの吸着固定部と、吸着プレ
ート上のセラミックバーを保持治具(露光治具)の表面
上に移し替える接着固定部と、画像処理装置とから構成
される。図1Aに吸着固定部の概略側面図、図1Bにそ
の要部拡大図を、図2Aに吸着プレートの平面図、図2
Bにその断面図を、図3に接着固定部の概略側面図、図
4にその概略平面図を示し、以下これらの図面を用いて
本発明に係る装置について詳述する。
【0015】図1において、矢印Xにより装置上のX方
向を、矢印Zにより装置上のZ方向(実際上の略鉛直上
下方向)を示し、X方向、Z方向それぞれに対して垂直
となる紙面方向をY方向とする。吸着固定部20は、実
際にセラミックバー1を吸着支持する吸着ヘッド21
と、吸着ヘッド21をXY平面上に回転可能に支持する
回転テーブル27と、回転テーブル27をX方向に駆動
可能に支持するXテーブル25と、Xテーブル25をY
方向に駆動可能に支持するYテーブル26と、Yテーブ
ル26をZ方向に支持するスライダ30及び当該スライ
ダ30をZ方向に駆動するZ軸モータ31とからなる。
【0016】回転テーブル27、Xテーブル25、Yテ
ーブル26は各々不図示の、例えばステッピングモータ
等の駆動装置によって駆動制御される。また、吸着ヘッ
ド21上の吸着面21bには、Y方向に複数の吸着口2
1aが同一平面上に略均等間隔で並設されている。当該
吸着口21aには吸着ヘッド21内部に形成された吸着
ライン23を介して、不図示の排気管、バルブ装置、及
び排気装置が接続されており、当該バルブ装置の開閉操
作によって吸着口21aによるセラミックバー1の吸着
保持及びその解除とを行う。
【0017】セラミックバー1は、X方向に延在し、か
つ被加工面1aとは反対側となる面1b(第一の面)を
当該吸着面21bと接触させた状態で、Z方向上方に向
かって吸着面21b上に保持される。なお、セラミック
バー1の吸着ヘッド21に対する載置は載置専用の装置
が用いられるが、当該装置は本発明に係る装置とは直接
の関係はないため、本明細書における説明は省略する。
【0018】図2Aにその平面および2Bにその2B−
2Bにおける断面を示す吸着プレート40は、図1に示
すようにセラミックバー1の被加工面1aと当該吸着プ
レート40の吸着面40aが相対するように、すなわち
X方向下方に吸着面40aを向けて、Y軸モータ35に
よってY方向に駆動可能な吸着プレート支持台41によ
り支持される。図2AおよびBに示すように、吸着プレ
ート40には、吸着面40a(プレート表面)からプレ
ート裏面に貫通するX方向に延在する長穴42が2つ、
互いに平行に形成されており、当該長穴42はプレート
裏面に近づくにつれてその開口を大きくするように傾斜
面42aが形成されている。
【0019】この長穴42における中心線間の距離は、
後述する一対の画像処理用カメラ10の焦点間の距離に
等しく、かつ吸着プレート40に保持されるセラミック
バー1の最も短いものの長さより小さい値となってい
る。また、上述の傾斜面42aの傾斜角度は、画像処理
用カメラ10のレンズ外周と当該レンズの許容錯乱円と
を結んだ外挿線と当該レンズの光軸とのなす角より大き
く設定されている。
【0020】さらに、本実施の形態においては、一対の
長穴42を挟むように一対の吸着ポート44が形成され
ており、セラミックバー1はY方向に延在するように、
この一対の吸着ポート44により吸着プレート40上で
吸着保持される。この一対となる吸着ポート44は、複
数のセラミックバー1を、長穴42の延在方向に並べて
各々所定位置で吸着保持することが可能となるように、
吸着すべきセラミックバー1の長さに応じ、複数対が長
穴42の延在方向に並設される。なお、吸着ポート44
各々は、吸着プレート40内部に形成された吸着ライン
43を介して独立した排気ポート45に接続されてい
る。さらに、この排気ポート45各々には、不図示の排
気管、バルブ装置、及び排気装置が接続されており、当
該バルブ装置の開閉操作によって個々の吸着ポート44
によるセラミックバー1の吸着保持及びその解除を行
う。
【0021】次に、実際に、セラミックバー1を吸着ヘ
ッド21から吸着プレート40に移し替える際の工程
を、順を追って説明する。吸着ヘッド21は、セラミッ
クバー1の被加工面とは反対の面1bを吸着面21b上
で吸着保持し、Z軸モータ31によるスライダ30の上
方向への駆動により吸着プレート40の吸着面40aに
近づけられる。なお、セラミックバー1の被加工面1a
と吸着プレート40の吸着面40aとを直接接触させた
場合には、接触時に各々の面にかかる圧力によるセラミ
ックバー1の破損あるいは吸着位置の滑り等を生ずる恐
れがあり、これらを防止する措置を施すことを要する。
【0022】具体的には、この接触時の圧力を充分に小
さくすることが考えられるが、一般的にこのような接触
状態を得るためには、非常に精密な駆動機構を要し、装
置構成が複雑となる恐れがある。本実施の形態において
は、Z軸モータ31によるスライダ30の駆動は、吸着
ヘッド21により保持されるセラミックバー1の被研磨
面1aが吸着プレート40の吸着面40aに対しておよ
そ5〜10μmの距離となったところで停止され、この
間隔を空けた状態でその後のセラミックバー1の移載が
行われることとしている。
【0023】なお、上述のスライダ30の駆動に際して
は、吸着ヘッド21は、セラミックバー1が吸着プレー
ト40上の所定の吸着ポート44に対応して配置される
ように、Xテーブル25を予め所定量駆動させている。
セラミックバー1が吸着ポート44に近接後、さらに
X、Y、回転の各テーブル25、26、27を駆動して
吸着ポート21とセラミックバー1との位置関係を精密
に制御する。
【0024】その際、画像処理用カメラ10によって、
吸着プレート40上に設けられた2つの長穴42を介し
て、セラミックバー1の側面上の所定位置に形成された
素子部を撮影する。得られた映像と、セラミックバー1
を所定位置まで駆動した場合の素子の仮想映像との位置
関係の相違を、不図示の画像処理開路により数値的に処
理することにより、セラミックバー1の所定位置に対す
るずれを求める。さらに、各テーブルの駆動量を制御す
る位置制御系にその結果をフィードバックし、吸着ヘッ
ド21およびセラミックバー1の移載位置の制御を行
う。
【0025】画像処理によって、吸着プレート40に対
するセラミックバー1および吸着ヘッド21の位置が決
定され、各テーブルの駆動が終了した後、吸着プレート
40上の所定の吸着ポート44に連通するバルブを解放
し、その後、若しくは同時に吸着ヘッド21上の吸着口
21aに連通するバルブを閉鎖する。この操作により、
セラミックバー1は吸着ヘッド21から解放され、被研
磨面1aにおいて吸着プレート40上の所定位置に吸着
保持される。
【0026】このため、本実施例においては、セラミッ
クバー1は吸着ポート40に吸い寄せられて、セラミッ
クバー1の被加工面1aと吸着プレート40の吸着面4
0aとの直接の接触をさけるために形成された5〜10
μmの間隔を瞬間的に移動することになる。この場合、
セラミックバー1が所定位置に対してずれることが懸念
されるが、この移動に伴う位置ずれはほとんど生じてい
ないことが確認されている。また、本実施例において
は、画像処理用カメラ10を用いることによりこの位置
ずれを確認し、位置ずれが生じていた場合には、一旦セ
ラミックバー1を吸着ヘッド21上に戻し、再度移動を
行うことも可能である。さらに、セラミックバー1が曲
がり等を有しているために、吸着プレート40上に正し
く移動し得ない場合も考えられるが、この場合には吸着
ヘッド21によりセラミックバー1を交換することも可
能である。
【0027】以上の、吸着プレート40に対してのセラ
ミックバー1の吸着保持操作を、セラミックバーごとに
所定の本数のセラミックバー全てに対して行う。なお、
吸着プレート40上におけるセラミックバーを保持すべ
き予定位置は、セラミックバー1の移載が行われるごと
に順次変わってゆく。そのため、画像処理用カメラ10
には、予定位置の変化に応じてその撮像位置が順次移動
可能となるように、不図示の駆動機構が備えられてい
る。全てのセラミックバー1が吸着保持された後、吸着
ヘッド21はZ軸モータ31によりスライダ30ごと降
下されて吸着プレート40下方から外される。その後、
接着固定部50において接着剤が塗布された保持治具7
0が、セラミックバー1を保持した吸着プレート40の
下方に搬送され、保持治具70の上昇によって吸着プレ
ート40から保持治具70へのセラミックバー1の移し
替えが行われる。
【0028】次に、接着固定部50について、その概略
側面を示す図3、および概略平面を示す図4とを用いて
詳述する。接着固定部50においては、まず図4におい
て破線で示される保持治具70の表面に対する接着剤の
塗布が行われる。接着剤はモータ駆動型直動タイプのデ
ィスペンサ53を介して、接着剤供給ノズル54先端よ
り保持治具70上に塗布される。接着剤塗布時における
ノズル54と保持治具70表面との接近、および塗布後
の離間は、保持治具70をZ方向(鉛直上下方向)およ
びX方向に駆動可能に支持する支持機構51によって為
される。
【0029】なお、本実施例においては、接着剤の特性
等により接近時の距離の微調整を要する場合のために、
ノズル高さの調整つまみ57が設けられている。また、
ノズル54は、保持治具70上に接着剤を短時間で効率
良く塗布するために、公知のX軸駆動機構55およびY
軸駆動機構56とにより、XY方向への駆動が可能とな
っている。さらに、接着剤塗布時における接着剤表面等
の大気への暴露を防止し、塗布後等の接着剤の急激な硬
化を防止するために、接着税表面等を窒素によりパージ
する窒素パージ装置60が付加されている。
【0030】保持治具70は、所定の、例えば図4に示
すパターン形状71に接着剤を塗布した後、支持機構5
1によってZ方向下方への駆動がなされる。さらに支持
機構51によって複数のセラミックバー1を保持した吸
着プレート40の下方(X方向)に移動される。次に、
保持治具70が再度上方に駆動され、接着剤のみがセラ
ミックバー1各々の第一の面1bと接触する位置でその
駆動が停止される。
【0031】硬化前の接着剤は、各々のセラミックバー
1の被加工面(第二の面)とその反対の面1b(第一の
面)との距離(厚さ)と関係なく、吸着プレート40の
基準面と保持治具70表面との距離が一定となるように
変形し、その後硬化する。この結果、吸着プレート40
から各セラミックバー1の第二の面1aまでの距離、す
なわち被加工面までの距離が、一定の誤差範囲内に保た
れる。
【0032】なお、イオンミリング等のセラミックバー
1の加工が為される際、保持治具70の表面は基本的に
はフォトリソグラフに用いられる有機系の被膜に覆われ
ており、保持治具70の表面が接着剤あるいはセラミッ
クバ1ーに覆われていなくとも何ら問題とはならないは
ずである。しかし、イオンミリングの条件によっては、
保持治具70の表面部の有機系被膜の一部が除去されて
しまい、保持治具70自体がミリングされる、あるいは
そのミリングされた一部がセラミックバー1に再度付着
する等の問題も生じうる。
【0033】このため、保持治具70表面上に予め有機
系被膜を形成しておくことが望ましい。また、当該保持
治具70は、セラミックバー1の加工に複数回用いられ
ることが望ましく、従って、フォトリソグラフ工程で用
いられるアセトン等の有機溶剤に難溶性のものであるこ
とが望ましい。本実施の形態においては、保持治具70
をセラミックスから形成することとし、その表面にポリ
イミド等からなる被膜が予め形成されている。
【0034】上述の如く、本発明の実施により、複数の
セラミックバーの被加工面各々とセラミックバーを保持
する保持治具70(露光治具)表面との距離を一定に保
ちながら、複数のセラミックバーを単一の保持治具70
上に固定することが可能となる。従って、複数のセラミ
ックバーに対して一括で露光を行うことが可能となり、
かつイオンミリングあるいは研削等の加工についても同
様に一括で行うことが可能となる。さらにこれら固定を
種々の接着剤を用いて行うことが可能となり、複数のセ
ラミックバーに対して一括で露光および加工等の処理を
行った後、これらセラミックバーを保持治具70から容
易に分離することが可能となり、工程数の削減、工程管
理の容易化等が可能となる。
【0035】なお、本実施の形態においては、吸着ヘッ
ド21に対して一列に吸着口21aを設けることとして
いるが、本発明はこれに限定されず、複数列とするある
いは単一の吸着口21aとする等の変形が可能である。
また、セラミックバー1の保持形式は真空吸着に限られ
ず、例えば、メカニカルなクランプによる、あるいは静
電吸着によるもの等としても良い。また、吸着ヘッド2
1の駆動は、X、Y、回転の各テーブル25、26、2
7の駆動によってなされ、本実施の形態においてはこれ
らテーブルの駆動方式は特に規定していない。しかし、
本発明に係る固定装置の駆動時間を短縮させるために、
当該駆動方式は、通常駆動時は高速で駆動し、セラミッ
クバー移載時の精密駆動時は低速で駆動する多段階の駆
動方式とすることが望ましい。
【0036】画像処理に関しても、画像処理用カメラ1
0を2機用い、所定位置の素子を撮像することとしてい
るが、画像処置用カメラ10の数はこれに限定されず、
撮影対象も同様に素子に限定されない。例えば、前工程
において所定のパターンをセラミックバー1に付加し、
実際のパターンとセラミックバー1が所定位置に位置す
る際のパターンの仮想映像とのずれを単一のカメラによ
り求め、吸着ヘッド21の位置制御を行うこととしても
良い。あるいは、単一のカメラ10を用いて前記パター
ンとパターンの仮想映像とのずれを求め、さらに前工程
における研磨面が撮影画面に示す直線と当該線の仮想映
像との傾きとを求め、これら結果に基づいて制御するこ
ととしても良い。
【0037】また、Y軸モータ35による吸着プレート
40の位置決め精度が例えば±1μm以内であれば、吸
着プレート40とは異なった位置で画像処理用カメラ1
0による吸着ヘッド21上のセラミックバー1の保持位
置(姿勢)の修正を行い、その後吸着プレート40への
移載を行っても良い。この場合、長穴42を設ける必要
はなくなり、かつ画像処理用カメラ10によるセラミッ
クバー1全体の撮像も可能となる。吸着プレート40に
設けられた長穴42に関しても、上記の如き画像処理カ
メラ10の構成の変更に応じ、穴形状を変更することが
可能である。さらに、セラミックバー1の吸着ヘッド2
1に対する載置の位置精度が高く、かつ吸着ヘッド21
が予め所定位置に駆動される際の位置精度も高い場合に
は、上記長穴42を独立した個々の穴とすることも可能
である。
【0038】また、本実施の形態においては、吸着プレ
ート40上の一対の長穴42の両外側の適当な位置に吸
着ポート44をそれぞれ配置することにより、セラミッ
クバー1の幅、長さ等の形状の相違に影響されることな
く、種々のセラミックバーを単一の吸着プレート40に
保持することを可能としている。しかし、上述の如く、
長穴42の形状あるいは個数が変更された場合には、吸
着ポート44の位置は穴の両側部に限定されない。ま
た、長穴42の傾斜角度は画像処理用カメラ40の解像
度あるいは許容錯乱円に応じて変更されることが望まし
い。
【0039】また、吸着ヘッド21の吸着面21bの平
坦度は、セラミックバー1上の被加工面1aが吸着プレ
ート40における吸着面40aに密着するように、±1
μmに維持されていることが望ましい。吸着ヘッド21
から吸着プレート40への移載時におけるセラミックバ
ー1の被加工面1a(第一の面)と吸着プレート表面4
0aとの距離は、5〜10μmとしているが、移載時の
位置精度が確保しうる条件であれば、この間隔は当該範
囲に限定されない。
【0040】さらに、本実施の形態においては、低粘度
の瞬間接着剤の使用を可能とするために、モータ駆動型
直動タイプのディスペンサを用いている。しかしなが
ら、本発明はこれに限定されるものではなく、接着剤の
特性、例えば粘度等に応じたディスペンサ53が適宜選
択されることが望ましい。また、接着剤は図4に示され
るパターン71に塗布されるが、例えば保持治具の表面
全面に塗布する等、接着剤あるいはセラミックバーの長
さ等に応じて塗布様式も適宜変更されることが望まし
い。
【0041】さらに、本実施の形態においては、保持治
具70は接着固定部50でZ方向において上下駆動する
だけであり、吸着プレート40のみがY方向において吸
着固定部20から接着固定部50に駆動される構成とし
ている。しかし、装置自体の大きさあるいはメンテナン
ス等を考慮して、たとえば、接着固定部50のY方向で
の駆動を可能としても良く、吸着プレー40をZ方向に
上下駆動可能としても良い。
【0042】
【本発明の効果】本発明に係る装置により、低融点金属
等の固定材を各セラミックバー間に満たすことなく、保
持治具に対してセラミックバーを精度良く配置するとと
もに、保持治具上の基準面とセラミックバー各々の被加
工面との距離を均一とすることが可能となる。また、基
板外周より切り出された長さの異なるセラミックバーに
対しても、これらを同一保持治具上において精度良く保
持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明に係る装置における吸着固定部の概
略側面を示す図である。
【図1B】 図1Aに示す側面図の要部拡大図である。
【図2】 (A)本発明に係る吸着プレートの平面図で
ある。(B)図2Aにおける線2B−2Bにおける断面
を示す図である。
【図3】 本発明に係る装置における接着固定部の概略
側面を示す図である。
【図4】 本発明に係る装置における接着固定部の概略
平面を示す図である。
【符号の説明】
1: セラミックバー 1a: 被加工面(第二の面) 1b: 第一の面 10: 画像処理用カメラ 20: 吸着固定部 21: 吸着ヘッド 21a: 吸着口 21b: 吸着面 25: Xテーブル 26: Yテーブル 27: 回転テーブル 30: スライダ 31: Z軸モータ 35: Y軸モータ 40: 吸着プレート 40a: 吸着面 41: 吸着プレート支持台 42: 長穴 42a: 傾斜面 43: 吸着ライン 44: 吸着ポート 45: 排気ポート 50: 接着固定部 51: 支持機構 53: ディスペンサ 54: 接着剤供給ノズル 55: X軸駆動機構 56: Y軸駆動機構 57: ノズル高さ調整つまみ 60: 窒素パージ装置 70: 保持治具(露光治具) 71: 接着剤塗布パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 啓己 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31 G03F 7/20 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気−磁気変換素子および磁気−電気変
    換素子の少なくとも一方からなる素子が所定面上に長さ
    方向に複数個形成された直方体状の被加工物を、前記所
    定面とのなす角が略90゜となる第一の面において、保
    持治具に対して複数個接着固定する装置であって、 基準面において、複数個の前記被加工物における前記第
    一の面とは反対の第二の面を密着状態で吸着保持可能な
    吸着プレートと、前記第一の面にて 前記被加工物を吸着保持し、前記被加
    工物の第二の面を前記吸着プレートの基準面に対して接
    近させ、かつ前記第二の面において前記被加工物が前記
    吸着プレートに保持されるように、前記被加工物を前記
    吸着プレートに対して移載する吸着ヘッドと、 前記被加工物を前記吸着プレートに移載する際に前記被
    加工物上の所定位置に形成された前記素子を撮像するカ
    メラと、 前記吸着ヘッドから前記吸着プレートに対して前記被加
    工物を移載する際に、前記撮像の結果に基づいて前記吸
    着ヘッドを駆動し、前記吸着ヘッドによって吸着保持さ
    れた前記被加工物の、前記吸着プレート上の移載位置を
    制御する位置制御系と、 前記保持治具の表面に対して接着剤を塗布するとディス
    ペンサと前記保持治具を支持し、前記ディスペンサによ
    る接着剤塗布位置から、前記吸着プレートの基準面に対
    して相対する位置に移動させる保持治具支持機構とを有
    し、 表面上に接着剤が塗布された前記保持治具を移動し、前
    記接着剤を前記吸着プレートに吸着保持された複数の被
    加工物の前記第一の面に対して接触させ、前記複数の被
    加工物の前記基準面への吸着保持状態を維持したまま、
    前記接着剤を介して前記保持治具に対して同時に接着固
    定する装置。
  2. 【請求項2】 前記カメラによる前記素子の撮像は、前
    記吸着プレートの前記基準面からその反対の面に貫通す
    る穴を介して、前記反対の面側からなされることを特徴
    とする請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記カメラは、離間した位置に形成され
    た少なくとも二つの素子の撮像を行い、前記貫通する穴
    は前記被加工物上の前記少なくとも二つの素子に応じた
    位置に形成されたことを特徴とする請求項2記載の装
    置。
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