JP3501546B2 - 有価金属の回収方法 - Google Patents

有価金属の回収方法

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JP3501546B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化石燃料類、例えば重
油、タール、アスファルト、石灰等、並びにこれらをエ
マルジョン化した燃料の燃焼の際に得られる集塵機灰の
内、カーボン並びに、硫酸アンモニウム又は硫酸アンモ
ニウム及び硫酸マグネシウムを含有する集塵機灰を硫酸
アンモニウムを熱分解する乾式法とその熱分解残渣を水
に懸濁・濾過する湿式法を組み合わせて、合理的にバナ
ジウム化合物、ニッケル化合物を回収すると共に、窒素
分を含有せず、他方に環境に無害で放流可能な廃水を得
るものである。この廃水は集塵機灰が硫酸マグネシウム
をも含有している場合にはマグネシウム化合物の原料と
しても使用可能な硫酸マグネシウム水溶液として得られ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から重油灰などをまず水に懸濁して
水溶性物質に分離して処理するいわゆる、湿式処理方法
は公知である(特開昭50−8796号公報、特開昭5
0−10799号公報等)。また、この湿式処理におい
ては、重油灰が一般に相当量の硫酸アンモニウムを含有
しているため、その硫酸アンモニウムがバナジウム分な
どの析出・回収後の廃水中に含有されることも知られて
いる。
【0003】この廃水中の硫酸アンモニウムは、最近の
閉鎖性海域への放流廃水についての窒素分の規制強化に
伴って、急速に問題視されるようになり、前記の湿式処
理方法で生じる廃水の処理方法が種々検討されるように
なった。例えば、前記の廃水に水酸化カルシウムを加え
て、アンモニウムを遊離させて気化・分離し、液中に生
じる硫酸カルシウム(石膏)を濾過した後、濾液を放流
する方法が提案されている(特開昭53−9050号公
報)。また、このいわゆるアンモニアストリッピングの
前又は後に鉄、ニッケルなどの分離除去工程を加えた方
法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法では多量に生じる硫酸カルシウムの濾過設備に多大の
費用を必要とするばかりでなく、アンモニアストリッピ
ングと、そこで得られるアンモニアの有効利用にも相当
の設備とエネルギーが必要であり、集塵機灰の処理コス
トの増大が悩みの種となっている。
【0005】さらに、最近は燃料の多様化に伴って燃焼
時に腐食性物質を生成するものも多く、腐食防止のため
にマグネシウム化合物を添加する方法がしばしば採用さ
れている。このため、集塵機灰に硫酸アンモニウムのみ
ならず硫酸マグネシウムが共に含有される場合も多く、
上記のような方法での解決をより困難にしている。
【0006】従って、上記のような問題点が解決できる
集塵機灰の画期的な処理方法が求められている。また、
その処理方法は集塵機灰の硫酸マグネシウム含有の有無
にかかわらず、広く適用できることが望まれている。
【0007】本発明の目的は、上記のような従来の技術
的な欠点を解決する斬新な方法により、集塵機灰からバ
ナジウム化合物、ニッケル化合物などが簡単に回収でき
ると共に、最近の廃水放流に関する規制にも対応でき、
しかも経済的な集塵機灰の処理が可能な有価金属の回収
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、集塵機灰に含有され
ている硫酸アンモニウムを熱分解させると共にカーボン
を燃焼させることにより、前記課題が解決できることを
見いだし、本発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明の要旨は、 (1) 化石燃料の燃焼の際に得られる硫酸アンモニウ
ム並びにカーボンを含有する集塵機灰に下記(a)〜
(c)の処理工程を施すことを特徴とする有価金属の回
収方法、(a) 該集塵機灰を520〜800℃に加熱
し、含有されている硫酸アンモニウムを熱分解させると
共にカーボンを燃焼させて、気体成分として除去する処
理工程、(b) 上記(a)の処理工程で得られる残渣
を水に懸濁、攪拌した後、濾過してバナジウム酸化物の
含有率の高い不溶性残渣と、硫酸ニッケルを含有する濾
液とを得る処理工程、(c) 上記(b)の処理工程で
得られる濾液にアルカリを加えて、ニッケル水酸化物を
析出させ、濾過してニッケル水酸化物を得る処理工程、 (2) 化石燃料の燃焼の際に得られる硫酸アンモニウ
ム及び硫酸マグネシウム並びにカーボンを含有する集塵
機灰に下記(a)〜(c)の処理工程を施すことを特徴
とする有価金属の回収方法、(a) 該集塵機灰を52
0〜680℃に加熱し、含有されている硫酸アンモニウ
ムを熱分解させると共にカーボンを燃焼させて、気体成
分として除去する処理工程、(b) 上記(a)の処理
工程で得られる残渣を水に懸濁、攪拌した後、濾過して
バナジウム酸化物の含有率の高い不溶性残渣と、硫酸マ
グネシウム及び硫酸ニッケルを含有する濾液とを得る処
理工程、(c) 上記(b)の処理工程で得られる濾液
にアルカリを加えて、ニッケル水酸化物を析出させ、濾
過してニッケル水酸化物と、濾液である硫酸マグネシウ
ム水溶液とを得る処理工程、 (3) 処理工程(a)の集塵機灰の加熱の際に、集塵
機灰1gあたり1〜100ml/分の空気を供給する上
記(1)又は(2)記載の有価金属の回収方法、に関す
る。
【0010】まず、本発明の処理方法の対象となる集塵
機灰について説明する。化石燃料の燃焼の際には発生す
る排ガス中のダストを除去するために、電気集塵機を使
用するのが一般的である。その場合、集塵効率を保つた
めには、ダストの電気抵抗値を制御する必要があり、そ
の目的でアンモニア水が散布される。排ガスはSOXと
2 を含有しているので電気集塵機で捕集される灰には
硫酸アンモニウムが多量に含有されている。
【0011】また、最近、使用が開始された化石燃料の
中には、燃焼時に腐食性物質を生成するものがあり、こ
れらの使用に当たっては、腐食防止のためにマグネシウ
ム化合物を添加する方法が、しばしば採用されている。
このマグネシウム化合物は電気集塵機で硫酸マグネシウ
ムとして捕集されるので、集塵機灰は硫酸マグネシウム
をも含有することになる。
【0012】従って、集塵機灰は未燃焼カーボン、金属
酸化物などの水不溶性の灰分の外に多量の硫酸アンモニ
ウム、又は硫酸アンモニウムと硫酸マグネシウムを含有
しており、これから有価金属を回収する一方、他の成分
を環境に問題のないように処理することが必要である。
集塵機灰の組成の例を表1に示す。ここでは、電気集塵
機灰について説明したが、本発明は同様の成分を有する
他の集塵機灰にも適用されることは勿論である。
【0013】
【表1】
【0014】次に、本発明の処理方法を順次説明する。
本発明の有価金属の回収方法は、上記のような集塵機灰
に以下で述べる3つの処理工程を施すことを特徴とする
ものであるが、集塵機灰が硫酸アンモニウム並びにカー
ボンを含有する第1の態様と、集塵機灰が更に硫酸マグ
ネシウムを含有する第2の態様がある。
【0015】第1の態様における処理工程(a)は、集
塵機灰を520〜800℃に加熱し、含有されている硫
酸アンモニウムを熱分解させると共にカーボンを燃焼さ
せて、気体成分として除去する処理工程である。硫酸ア
ンモニウムを熱分解すると、アンモニアとSO2 及び/
又はSO3 が得られることは公知であるが、それを集塵
機灰の処理に有効に生かす方法はこれまで知られていな
かった。本発明では、集塵機灰中に多量に含有されてい
る硫酸アンモニウムを熱分解して、NH3 とSO2 、S
3 などからなるガスを発生させると共に、カーボン分
を燃焼・除去することを第1工程とし、その残渣をその
後の有価金属の回収工程に供するものである。
【0016】カーボンが存在しない場合の硫酸アンモニ
ウムの熱分解は、まず次の式に従う分解から始まるが、
その後、種々の段階を経て進行し、その機構は複雑であ
るが、最終的な生成物としてNH3 とSO2 、SO3
なる。 (NH4)2 SO4 → NH4 HSO4 +NH3 また、この分解の際にカーボンが存在すると、次の式に
従う還元が起こり、分解が促進されることが明らかにさ
れている。 1/2C+(NH4)2 SO4 =2NH3 +H2 O+SO
2 +1/2CO2
【0017】他方、熱分解生成物であるNH3 は酸素の
存在で高温度において、次の式に従う酸化を受けること
も当然である。 2NH3 +3O2 =N2 +3H2
【0018】また、集塵機灰中に含有されているニッケ
ル酸化物は硫酸アンモニウムと反応して、アンモニアを
発生すると共に、硫酸ニッケルとなる。 (NH4)2 SO4 +NiO → NiSO4 +2NH3
+H2 O 一方、同時に含有されているカーボンは、上記の硫酸ア
ンモニウムの熱分解で消費される他、単独でも燃焼し、
ほぼ完全に除去される。
【0019】本発明では硫酸アンモニウムの熱分解の際
にカーボンが存在するため、硫酸アンモニウムの熱分解
が促進されるが、その一方、カーボンの存在量が微量で
あると硫酸アンモニウム単独での分解も起こり得、逆に
カーボンの存在量が多いと、カーボン単独での燃焼も起
こり得る。従って、本発明の処理工程(a)は、上記の
全ての反応を同時に起こさせることを意図しているので
はなく、上記の反応により硫酸アンモニウムとカーボン
をより多く除去して、その残渣を次の処理工程に供する
ことを意図するものである。
【0020】このようにカーボンの存在量によって、反
応の起こり方が異なる結果、分解速度、および分解ガス
中のSO2 /SO3 比率は変化する現像が見られ、ま
た、燃焼装置の構造による分解生成ガスの滞留時間の変
動、燃焼条件による雰囲気中の酸素濃度の変動によっ
て、NH3 のN2 とH2 Oへの酸化に大きな変化が認め
られるが、本発明の目的には支障来すことなく、これら
の変化に対応して処理することができる。
【0021】硫酸アンモニウムの熱分解は550〜65
0℃で2時間行うことで実質上、完全に行われる。これ
以上の温度でも実施可能であるが、高温になる程、熱経
済上、不利となり、800℃以上の温度ではそれが特に
著しい。より低温でも加熱時間を長くすることによっ
て、目的を達成することは可能であるが、滞留時間を大
きくするには加熱装置が著しく大型化するため、設備費
的に不利となる。そのため、第1の態様では処理工程
(a)の加熱温度は、通常520〜800℃であり、好
ましくは550〜650℃である。
【0022】一方、硫酸マグネシウムの熱分解は700
℃で始まるので、その温度以下の条件では集塵機灰に硫
酸マグネシウムが同時に含有されている場合において
も、それが分解して、難溶性の酸化マグネシウムを生じ
ることはない。そのため、第2の態様における処理工程
(a)は、該集塵機灰を520〜680℃、好ましくは
550〜650℃に加熱し、含有されている硫酸アンモ
ニウムを熱分解させると共にカーボンを燃焼させて、気
体成分として除去する処理工程である。
【0023】以上における加熱操作としては、上記の温
度で集塵機灰が加熱され気体成分が排出されるものであ
れば、特に限定されることなく、いずれの公知の操作も
適用できる。但し、カーボンの燃焼等を考慮すると空気
等の酸素含有ガスを適宜供給する必要がある。具体的に
は、集塵機灰をガス流通型の容器に入れ、加熱の際に集
塵機灰1gあたり、好ましくは1〜100ml/分、よ
り好ましくは5〜30ml/分の空気を供給することが
できる。
【0024】第1の態様における処理工程(b)は、上
記(a)の処理工程で得られる残渣を水に懸濁、攪拌し
た後、濾過してバナジウム酸化物の含有率の高い不溶性
残渣と、硫酸ニッケルを含有する濾液とを得る処理工程
である。即ち、処理工程(a)で得られる残渣は硫酸ニ
ッケル、及びバナジウムなどの金属の酸化物を含有して
いるので、これを水に懸濁、攪拌した後、濾過して不溶
性残渣としてバナジウム酸化物等を含有する残渣、濾液
として硫酸ニッケルを含有する水溶液を得るものであ
る。ここで得られる不溶性残渣は、バナジウムの含有率
が比較的高く、品位の高いバナジウム原料として利用す
ることができる。
【0025】第2の態様における処理工程(b)は、処
理工程(a)で得られる残渣が硫酸マグネシウム、硫酸
ニッケル、及びバナジウムなどの酸化物を含有している
ので、これを水に懸濁、攪拌した後、濾過して不溶性残
渣としてバナジウム酸化物を含有する残渣、濾液として
硫酸マグネシウムと硫酸ニッケルとを含有する水溶液を
得ることを目的とする。即ち、処理工程(b)は、上記
(a)の処理工程で得られる残渣を水に懸濁、攪拌した
後、濾過してバナジウム酸化物の含有率の高い不溶性残
渣と、硫酸マグネシウム及び硫酸ニッケルを含有する濾
液とを得る処理工程である。ここで得られる不溶性残渣
は第1の態様と同様に、品位の高いバナジウム原料とし
て利用することができる。
【0026】なお、処理工程(b)における懸濁、攪
拌、濾過等の操作も特に限定されることなく、公知の操
作がいずれも適用できる。
【0027】第1の態様における処理工程(c)は、上
記(b)の処理工程で得られる濾液にアルカリを加え
て、ニッケル水酸化物を析出させ、濾過してニッケル水
酸化物を得る処理工程である。即ち、処理工程(b)で
得られた濾液は硫酸ニッケルを含有するものであり、こ
の濾液にアルカリを加えて、ニッケル水酸化物を析出さ
せ、濾過してこれを回収すると共に、濾液として環境に
無害で放流可能な廃水を得る工程である。
【0028】用いられるアルカリとしては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等アリカリ金属水酸化物が挙げ
られるが、廃水を硫酸マグネシウムの原料として利用す
るためには酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムを使
用することも出来る。
【0029】第2の態様における処理工程(c)は、処
理工程(b)で得られた濾液が硫酸マグネシウムと硫酸
ニッケルとを含有するため、この濾液にアルカリを加え
て、ニッケル水酸化物を析出させ、濾過してこれを回収
し、ニッケル原料に供すると共に、濾液に硫酸マグネシ
ウムを含有する水溶液を得、これをマグネシウム化合物
の原料に供するか、または中和後、環境に無害な廃水と
して放流可能とすることを目的とする。即ち、処理工程
(c)は、上記(b)の処理工程で得られる濾液にアル
カリを加えて、ニッケル水酸化物を析出させ、濾過して
ニッケル水酸化物と、濾液である硫酸マグネシウム水溶
液とを得る処理工程である。
【0030】用いられるアルカリとしては、第1の態様
と同様のものが挙げられるが、濾液へのNa,Kの夾雑
を避けるため、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム
が好ましい。
【0031】なお、処理工程(c)におけるアルカリの
添加、濾過等の操作も特に限定されることなく、公知の
操作がいずれも適用できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0033】実施例1 表2のa行の集塵機灰20gを内径30mmの石英管中
に200mmの長さに装填し、この石英管を管状電気炉
に入れ、電気炉中で600±10℃に2時間加熱した。
この間、石英管中には2リットル/min.の空気を通
じた。石英管の出口にはNaOH水溶液を仕込んだ吸収
瓶をおき、発生するガスを吸収させた。上記の加熱・焼
成後、石英管中の内容物を取り出し、水100ml中に
懸濁し、60〜70℃で1時間攪拌した後、濾過して、
残渣と濾液を得た。この処理の各段階の分析値を表2の
b、c、dの各行に示した。
【0034】
【表2】
【0035】この結果によれば、加熱・焼成での硫酸ア
ンモニウムの熱分解、カーボンの燃焼・除去は十分達成
されており、焼成物を水に懸濁した後、濾過すれば残渣
として、バナジウム濃縮物、濾液に硫酸ニッケル含有水
溶液が得られたことが明らかである。引き続き、得られ
た濾液にアルカリ(NaOH等)を添加した後、濾過す
れば残渣としてニッケル水酸化物、濾液に環境に有害な
物質を含まない廃水が得られる。
【0036】比較例1 実施例1において、加熱・焼成温度を500±10℃と
した場合の焼成物の分析値を表3のe行に記した。硫酸
アンモニウムの分解、カーボンの燃焼が共に、不十分で
あることを示している。
【0037】
【表3】
【0038】実施例2 実施例1において、加熱・焼成時間を1時間とした場合
の焼成物の分析値を表3のf行に記した。硫酸アンモニ
ウムの分解、カーボンの燃焼がやや不十分であるが、実
用上それ程問題とならないレベルであることを示してい
る。
【0039】実施例3 実施例1において、加熱・焼成温度を700±10℃と
した場合の焼成物の分析値を表3のg行に記した。この
場合は焼成の目的は達成され、焼成物の側には問題はな
く、分解ガスの吸収液の分析値からは生成したアンモニ
アの酸化・分解が顕著となっていることがわかる。
【0040】実施例4 実施例1において、表2のa行の集塵機灰の代わりに、
表4のa’行の集塵機灰(硫酸マグネシウムを含有する
もの)を使用し、石英管中には20ml/min.の空
気を通じた。その結果を表4に記した。
【0041】
【表4】
【0042】この結果によれば、加熱・焼成での硫酸ア
ンモニウムの熱分解、カーボンの燃焼・除去は十分達成
されており、しかも、硫酸マグネシウムの含有量は不変
化であり、焼成物を水に懸濁した後、濾過すれば残渣と
して、バナジウム濃縮物、濾液として硫酸マグネシウム
及び硫酸ニッケルを含有する水溶液が得られる。後者の
分析値などは表4のd’行に記した。この水溶液にNa
OH水溶液を添加してpH10±0.3とし、濾過すれ
ば残渣としてニッケル水酸化物、濾液として硫酸マグネ
シウムを含有する廃水が得られる。ニッケル水酸化物の
分析値などは表4のe’行に記した。
【0043】比較例2 実施例4において、加熱・焼成温度を500±10℃と
した場合の焼成物の分析値を表5のe’行に記した。硫
酸アンモニウムの分解、カーボンの燃焼が不十分である
ことを示している。
【0044】
【表5】
【0045】比較例3 実施例4において、加熱・焼成温度を700±10℃と
した場合の焼成物の分析値を表5のg’行に、この焼成
物を水に懸濁した後、濾過し、その残渣及び濾液の分析
値をh’行及びi’行に記した。この場合は硫酸アンモ
ニウムの焼成及びカーボンの燃焼・除去の目的は達成さ
れるが、硫酸マグネシウムの熱分解も顕著になり、それ
に相応した量のSOXが発生すると共に、水に難溶性の
酸化マグネシウムが生成する難点が生じる。
【0046】
【発明の効果】本発明の有価金属の回収方法によれば、
化石燃料類の燃焼の際に生じる集塵機灰からバナジウム
化合物、ニッケル化合物などを簡単に回収することがで
きる。そして、この際に生じる廃水はアンモニア性窒素
を含有せず、環境に無害である。さらには、集塵機灰が
硫酸マグネシウムを含有している場合には、マグネシウ
ム化合物の原料として利用可能な硫酸マグネシウム水溶
液が得られる。これらの結果、本発明の方法は集塵機灰
からの有価金属の優れた回収方法であると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−65319(JP,A) 特開 昭50−10799(JP,A) 特開 昭50−53201(JP,A) 特開 昭53−52290(JP,A) 特開 昭55−18600(JP,A) 特公 昭48−42325(JP,B1) 特公 昭49−45987(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化石燃料の燃焼の際に得られる硫酸アン
    モニウム並びにカーボンを含有する集塵機灰に下記
    (a)〜(c)の処理工程を施すことを特徴とする有価
    金属の回収方法。 (a) 該集塵機灰を520〜800℃に加熱し、含有
    されている硫酸アンモニウムを熱分解させると共にカー
    ボンを燃焼させて、気体成分として除去する処理工程。 (b) 上記(a)の処理工程で得られる残渣を水に懸
    濁、攪拌した後、濾過してバナジウム酸化物の含有率の
    高い不溶性残渣と、硫酸ニッケルを含有する濾液とを得
    る処理工程。 (c) 上記(b)の処理工程で得られる濾液にアルカ
    リを加えて、ニッケル水酸化物を析出させ、濾過してニ
    ッケル水酸化物を得る処理工程。
  2. 【請求項2】 化石燃料の燃焼の際に得られる硫酸アン
    モニウム及び硫酸マグネシウム並びにカーボンを含有す
    る集塵機灰に下記(a)〜(c)の処理工程を施すこと
    を特徴とする有価金属の回収方法。 (a) 該集塵機灰を520〜680℃に加熱し、含有
    されている硫酸アンモニウムを熱分解させると共にカー
    ボンを燃焼させて、気体成分として除去する処理工程。 (b) 上記(a)の処理工程で得られる残渣を水に懸
    濁、攪拌した後、濾過してバナジウム酸化物の含有率の
    高い不溶性残渣と、硫酸マグネシウム及び硫酸ニッケル
    を含有する濾液とを得る処理工程。 (c) 上記(b)の処理工程で得られる濾液にアルカ
    リを加えて、ニッケル水酸化物を析出させ、濾過してニ
    ッケル水酸化物と、濾液である硫酸マグネシウム水溶液
    とを得る処理工程。
  3. 【請求項3】 処理工程(a)の集塵機灰の加熱の際
    に、集塵機灰1gあたり1〜100ml/分の空気を供
    給する請求項1又は2記載の有価金属の回収方法。
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