JP3434113B2 - 廃酸の処理方法 - Google Patents
廃酸の処理方法Info
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Description
関し、より詳しくは、アンモニアと硫酸基および/また
は重硫酸基を含有する廃酸の処理方法に関する。本発明
の処理方法による場合は、廃酸中に含まれる有機物やア
ンモニアを完全に且つ円滑に除去することができ、しか
も廃酸から三酸化イオウを主成分とするイオウ酸化物を
効率よく生成させて回収することができ、それによって
生成したイオウ酸化物を水または硫酸に吸収させること
によって、硫酸または濃硫酸を効率よく形成することが
できる。
メチル製造工業などのような有機化合物を硫酸で処理す
る工程から排出される廃液、石油精製廃液、排煙脱硫処
理で排出される廃液などのような、通常“廃酸”と称さ
れている廃液中には、有機物、アンモニア、硫酸基、重
硫酸基などが多く含まれている。前記したような廃酸の
処理法としては、従来、廃酸をアンモニアで中和して硫
酸アンモニウム(硫安)を形成させる方法、廃酸に水酸
化ナトリウムなどのアルカリを加えて中和する方法など
が知られている。そしてその場合に、アンモニアによる
中和で生成した硫安は主に肥料として用いられている
が、近年硫安は供給過剰となっており、その取り扱いが
苦慮されている。また、水酸化ナトリウムなどのアルカ
リによる中和で得られる硫酸塩は加熱処理してイオウ酸
化物を生成させて回収することが行われているが、そこ
で生成するイオウ酸化物は二酸化イオウが主成分である
ために、生成したイオウ酸化物を更に酸化して三酸化イ
オウに変え、それを水や硫酸に吸収させて硫酸や濃硫酸
にする必要がある。このためこの方法では工程数が多く
なり、しかも設備が複雑・大型化するという問題があ
る。
を含有する廃酸が排出される工業においては、廃酸から
アンモニアと硫酸基、重硫酸基などを経済的に回収する
ことが緊急な課題である。廃酸からアンモニアおよび硫
酸基、重硫酸基などを回収する方法としては、例えば、
熱分解反応による方法があり、特開昭47−30599
号公報,特開昭50−101294号公報,特開昭56
−73619号公報などの方法が提案されている。しか
し、これらの方法ではアンモニアの回収率が低く、しか
もアンモニアと硫酸基、重硫酸基などの分離が不十分な
ため、回収されたアンモニアとイオウ酸化物の用途に制
約があった。また、アンモニアと硫酸基、重硫酸基など
を分離回収する方法としては、酸化亜鉛を用いる方法
(特公昭37−8251号公報参照)や、酸化マグネシ
ウムを用いる方法(特開昭64−72915号公報)が
提案されている。しかし、これらの処理方法は、アンモ
ニアとともにイオウ化合物が二酸化イオウとして生成す
るために硫酸を再生するには二酸化イオウの三酸化イオ
ウへの酸化反応工程を必要とし、アンモニアと硫酸基、
重硫酸基などを含有する廃酸の処理設備が大型化し、経
済的に必ずしも有利な方法であるとは言い難いものであ
った。
目的は、アセトンシアンヒドリン法メタクリル酸メチル
製造工業などのような有機化合物を硫酸で処理する工程
から排出される廃液、石油精製廃液、排煙脱硫処理で排
出される廃液、その他の有機物と硫酸基および/または
重硫酸基を含む廃液(すなわち“廃酸”と称されている
廃液)から、三酸化イオウを主成分とするイオウ酸化物
を円滑に且つ効率よく生成させて回収することができ、
それによって二酸化イオウを三酸化イオウに酸化するた
めの工程や設備の省略、装置の小型化が可能な廃酸の処
理方法を提供することにある。そして、本発明の目的
は、さらに三酸化イオウから主としてなるイオウ酸化物
の生成と同時に、廃酸に含まれるアンモニアをより完全
に且つ円滑に回収することのできる廃酸の処理方法を提
供することである。
本発明者らが種々検討を重ねたところ、アンモニアと硫
酸基および/または重硫酸基を含有する廃酸に酸化鉄と
銅化合物とを混合し、それにより得られる混合物を特定
の温度範囲の2段階の工程で加熱処理すると、三酸化イ
オウの含有率の極めて高いイオウ酸化物を効率よく生成
させて回収することができること、しかも廃酸中に含ま
れているアンモニアの除去がより完全に行えることを見
出して本発明を完成した。
存在が三酸化イオウの生成を優先させることを明らかに
したが、さらに、酸化鉄に銅化合物を混合使用すること
により3価鉄イオンの存在比率をより高めることのでき
ることが判明し、本発明を完成した。
および/または重硫酸基を含有する廃酸の処理方法であ
って、(i) アンモニアと硫酸基および/または重硫
酸基を含有する廃酸に対して、酸化鉄と銅化合物とを混
合または混合・反応させる工程;(ii) 前記の工程
(i)で得られる混合物を350〜500℃の温度で加
熱処理して硫酸鉄塩および硫酸銅塩に変換しアンモニア
を生成させる工程;および(iii) 前記の工程(ii)
で得られる硫酸鉄塩および硫酸銅塩を550〜700℃
の温度で加熱処理してイオウ酸化物を生成させる工程;
を含むことを特徴とする廃酸の処理方法である。
する。本発明は、アンモニアと硫酸基および/または重
硫酸基を含有する廃酸の処理方法であり、ここで本発明
でいう「アンモニアと硫酸基および/または重硫酸基を
含有する廃酸」(以下これを単に「廃酸」ということが
ある)とは、アンモニアと共に、硫酸基および重硫酸基
の少なくとも一方を酸成分として含有する廃棄物(排出
物)を言い、廃酸は廃液(液状物)、その濃縮物、スラ
リー、ペースト、固形物などのいずれの形態であっても
よい。また、廃酸の排出先(起源)は何ら制限されず、
化学工場、石油精製所、各種の排煙脱硫施設、その他の
施設などのいずれから排出されるものであってもよい。
特に制限されない。さらに、廃酸中に含まれる硫酸基お
よび重硫酸基は、硫酸イオン、重硫酸イオンなどのよう
なイオンの形態であっても、硫酸塩、重硫酸塩のような
塩の形態であっても、硫酸、重硫酸のような酸の形態で
あっても、或いは硫酸水素アンモニウム,硫酸アンモニ
ウムような混合物の形態であってもよく、廃酸中におけ
る硫酸基および重硫酸基の存在形態は何ら制限されな
い。また、廃酸中における硫酸基および/または重硫酸
基の含有量も特に制限されない。さらに、廃酸は、アン
モニア並びに硫酸基および/または重硫酸基以外に、他
の無機物質や不純物を含んでいてもよい。
方法が円滑に適用し得る廃酸の例としては、アセトンシ
アンヒドリン法メタクリル酸メチル製造工業などにおけ
るような有機化合物を硫酸で処理する工程から排出され
る廃液、石油精製で排出されるアンモニアと硫酸基およ
び/または重硫酸基を含有する廃液、排煙脱硫処理で排
出されるアンモニアと硫酸基および/または重硫酸基を
含有する廃液、それらの廃液の濃縮液、それらの廃液か
ら回収されたアンモニアと硫酸基および/または重硫酸
基を含むスラリー、ペースト、固形物などを挙げること
ができる。
て、アンモニアと硫酸基および/または重硫酸基を含有
する廃酸に対して酸化鉄と銅化合物とを混合または混合
・反応させる。この工程(i)では、酸化鉄と銅化合物
とを用いることが必要であるが、酸化鉄としては、2価
鉄の酸化物である酸化第一鉄、3価鉄の酸化物である酸
化第二鉄、2価鉄と3価鉄の両方を含む酸化鉄(Fe3
O4 )、前記した酸化鉄の2種以上の混合物などを用い
ることができる。そのうちでも、酸化第二鉄、または酸
化第二鉄と酸化第一鉄との混合物を用いるのが、次の工
程(ii)で三酸化イオウの含有率の高いイオウ酸化物を
円滑に生成させることができる点から好ましい。
はなく、低純度のものも使用でき、通常、純度が約60
%以上の酸化鉄であればいずれも円滑に使用できる。ま
た、酸化鉄の製法、粒径、結晶形態なども特に制限され
ない。
含まれる硫酸基や重硫酸基の含有量、廃酸の種類などに
応じて廃酸に混合する酸化鉄および銅化合物の量を調節
することができるが、酸化鉄はその鉄イオンのモル数が
廃酸中のアンモニアと硫酸イオンの合計モル数の0.2
倍以上となる量で使用されることが、回収されるアンモ
ニアの純度の観点から好ましい。
化銅、硫酸銅等が用いられる。単体の銅も工程中で酸化
銅となるため使用可能である。工程(i)で用いる酸化
鉄および銅化合物は、上記の酸化鉄の粉末と、酸化銅、
硫酸銅、単体銅の粉末を混合することにより調製するこ
とができる。その際、銅化合物は、酸化鉄に対して50
重量%以下の量用いることが好ましく、酸化鉄に対して
0.1〜15重量%の範囲の量用いることがさらに好ま
しい。
銅化合物との混合法は特に制限されず、例えば、液体、
ペースト、スラリー、固形などの状態の廃酸と、酸化鉄
および銅化合物をそのまま混合する方法;液体、ペース
ト、スラリー、固体などの状態の廃酸と水などの液体媒
体に分散させた酸化鉄および銅化合物を混合する方法な
どを挙げることができる。そのうちでも、廃酸と、酸化
鉄および銅化合物との少なくとも一方を液状またはスラ
リー状にしてこれらを混合するのが、両者の混合を均一
に行うことができる点から望ましい。
化合物の混合温度は特に制限されず、通常、室温〜25
0℃程度の温度で行うことができるが、工程(i)の混
合を加熱下に行う(好ましくは100〜150℃の温度
で行う)と、工程(i)において、廃酸中に含まれる硫
酸基および/または重硫酸基と酸化鉄および銅化合物と
の間の反応が生じて、硫酸鉄、硫酸銅、重硫酸鉄などの
塩が形成されて、次の工程(ii)でイオウ酸化物の生成
がより円滑に行われるようになる。工程(i)の混合を
加熱下に行うに当たっては、混合装置を加熱するように
してもよいが、後述の工程(iii)の加熱処理によって
残存する酸化鉄および酸化銅を熱い状態のまま工程
(i)に循環させて使用するようにすると、これらの熱
によって外部からの加熱なしでまたは外部からの加熱を
最小限に保ちながら工程(i)の処理を加熱下に行うこ
とができるので熱効率などの点からも望ましい。
る混合物を、工程(ii)において350〜500℃に加
熱処理してアンモニアと水の混合気体を発生させアンモ
ニア水として回収するとともに硫酸鉄塩および硫酸銅塩
に変換させる。この工程(ii)における加熱処理温度が
350℃未満であると、アンモニアの脱離速度が小さ
く、一方500℃を超えると硫酸鉄塩などの分解が起こ
り回収アンモニアの純度が低下する。反応時間は、条件
によって異なるが30分程度で十分である。工程(ii)
における反応温度を350℃から500℃まで15〜3
0分程度かけて昇温することにより反応時間を短縮する
ことも可能である。
は、工程(i)で得られる生成物が液体含量の少ない、
ペースト状物、スラリー状物、固体状物などの場合は、
それらを脱液せずに、そのまま工程(ii)で用いて加熱
処理を行うことができる。また、工程(i)で得られる
生成物が液体含量の多いスラリー、分散液などの場合は
脱液して液体成分の含量を減らしてから工程(ii)の加
熱処理を行うのが、熱効率、反応時間の短縮などの点か
ら好ましい。工程(i)で得られる生成物から脱液を行
う場合の脱液方法は特に制限されず、例えば濾過、デカ
ンテーション、遠心分離、沈降分離などの適当な方法を
採用することができる。
得られる硫酸鉄塩および硫酸銅塩などを、工程(iii)
において550〜700℃に加熱処理してイオウ酸化物
を発生させる。工程(iii)では、工程(ii)で得られ
た乾燥硫酸鉄塩および硫酸銅塩と過剰の酸化鉄および酸
化銅などをそのまま使用することができる。反応温度
は、好ましくは600〜650℃の範囲で行われる。工
程(iii)における反応温度を550℃から700℃ま
で15〜30分程度かけて昇温することにより、反応時
間の短縮および三酸化イオウ選択性を向上させることが
できる。
な反応としては、硫酸鉄塩および硫酸銅塩の熱分解に伴
う酸化鉄・酸化銅とイオウ酸化物の生成反応を挙げるこ
とができ、その結果、この工程(iii)でイオウ酸化物
が生成する。そして、本発明ではこの工程(iii)の加
熱処理を空気、酸素ガスなどの酸化ガスの供給下に行う
のが望ましく、それによって工程(iii)で生成するイ
オウ酸化物中の三酸化イオウの含有割合を高めることが
できる。その際に、工程(iii)の反応系内における酸
素濃度は各々の状況に応じて調節できるが、系内の酸素
濃度を10%以上にしておくと、三酸化イオウの含有割
合の高いイオウ酸化物を発生させるできるのでより望ま
しい。
いて、多量の三酸化イオウと少量の二酸化イオウを含有
する、三酸化イオウの含有割合の高いガスが生成され、
通常この工程(iii)で発生するガスに含まれるイオウ
酸化物中における三酸化イオウの含有割合は70%以上
となっている。すなわち、以下の実施例の項で説明する
SO3 選択率が通常70%以上となっている。そのため
この工程(iii)で生成される三酸化イオウの含有割合
の高いガスを水または硫酸に通して、ガス中の三酸化イ
オウの大半と所定量(溶解量)の二酸化イオウ(SO
2 )を水または硫酸、好ましくは硫酸に吸収させると硫
酸または濃硫酸が形成されて、工程(iii)で発生した
イオウ酸化物を極めて簡単に且つ効率よく回収すること
ができる。
酸化イオウは、従来既知の脱硫装置で処理して回収して
もよく、またはアンモニアを加えて硫酸アンモニウム
(硫安)として回収してもよい。またアンモニア水に吸
収させ、本発明プロセスの原料廃酸の一部として使用し
てもよい。いずれにしても、本発明の方法による場合
は、系外に排出されてくる二酸化イオウの量が少ないの
で、脱硫装置の小型化、硫安の製造装置の小型化、硫安
の製造に用いるアンモニアの使用量の低減などが達成で
きる。
て、イオウ酸化物と共に廃酸中に含まれるアンモニアに
由来する各種の分解ガスや、この工程(iii)の加熱処
理を空気や酸素ガスなどの酸化ガスを用いて行うとそれ
らの酸化ガスが同時に排出されてくることがあるが、そ
の場合には、イオウ酸化物とそれらの他のガスの水や硫
酸などに対する溶解度の差などを利用すると、イオウ酸
化物を他のガスから選択的に分離して回収することがで
きる。
ニアなどは、上記した工程(iii)で一部分解・ガス化
してイオウ酸化物のガスなどと一緒に排出されてくる場
合もあるが、工程(iii)の加熱処理後も完全には分解
せずに固形物として残留したり、炭化して残留している
場合が多い。本発明では、工程(iii)終了後、必要に
応じて800℃以上、好ましくは950℃以上の温度で
加熱処理することによって、残留部に付着している有機
化合物、アンモニアやその炭化物などを完全に分解また
は燃焼して除去することができる。加熱処理の温度は8
00℃以上であればよく、その上限温度は特に制限され
ないが、熱効率や装置の腐食防止、耐久性の向上などの
点から、1100℃以下の温度であるのが好ましい。
ガス中に含まれる成分の種類や量などに応じて、従来既
知の適当な排ガス浄化処理を施してから、または排ガス
中に有害物が含まれない場合はそのまま直接、大気中に
排出すればよい。例えば、排ガスが、炭酸ガスや水蒸気
などのような無害な物質のみを含有している場合はその
まま直接大気中に排出することができ、排出ガス中に排
出が法律などによって規制されている成分が含まれてい
る場合はそれを除く浄化処理を施してから排出するよう
にする。
留するが、この固形物は主として酸化鉄と酸化銅からな
っており、しかもその酸化鉄と酸化銅にはアンモニアや
その炭化物などの残留が殆どなく、硫酸基や重硫酸基な
どとの反応性に優れている。そのため、生成した酸化鉄
と酸化銅の一部または全量、好ましくは全量を工程
(i)に循環させて繰り返して利用するようにすると、
外部から新たに追加する酸化鉄と銅化合物の量を低減さ
せることができ、無駄な酸化鉄と銅化合物の使用を防ぎ
ながら、本発明の上記した一連の処理工程を極めて円滑
に且つ無駄なく、低コストで実施することができる。そ
の場合に、上記したように、生成された酸化鉄と酸化銅
を熱い状態のまま工程(i)に再循環すると、工程
(i)の混合系が酸化鉄と酸化銅の熱によって加熱され
て、外部からの加熱なしにまたは外部からの加熱を低減
しながら工程(i)を円滑に実施することができ、熱効
率などの点で極めて有利である。
する限りは、本発明はいずれの形式や操作で行ってもよ
く、反応形式、反応装置の種類、構造、規模などは何ら
制限されない。すなわち、本発明の方法は、バッチ式で
行ってもまたは連続式で行ってもよい。また、例えば工
程(i)を1つの装置で行いそして工程(ii)と工程
(iii)をそれとは別の加熱手段を備えた1個の装置を
用いて行っても、工程(i)〜工程(iii)をそれぞれ
別々の装置を用いて行ってもよい。また、本発明で使用
し得る装置の例としては、バッチ式または連続式の回転
炉、トンネル炉、マッフル炉、ロータリーキルンなどを
挙げることができ、大規模に行う場合はロータリーキル
ンなどが好ましく用いられる。
体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。 実施例1 攪拌器を設置した1リットル四つ口フラスコに水50m
lと酸化第2鉄80g、酸化銅8gを仕込み、80℃に
加熱した。攪拌しながらフラスコ上部より硫酸水素アン
モニウムを115g(1mol)添加し、15分間反応
させた(第1工程)。得られたスラリー状混合物を燃焼
ボートに乗せ、水を入れた気体捕集装置を連結した内径
40mmの石英管の所定位置に設置し、管内に空気を1
00ml/分の速度で流しながら電気炉で460℃に3
0分間加熱した(第2工程)。この時捕集されたアンン
モニアは0.49モル(収率49%)であった。このア
ンモニア水をイオンクロマトグラフィーにより分析した
ところ硫酸イオンは検出されなかった。次に、電気炉の
温度を640℃に昇温し、30分間加熱した(第3工
程)。この間の発生ガスを水を入れた気体捕集装置で捕
集した。捕集溶液をイオンクロマトグラフィーにより分
析したところ硫酸イオン0.89モル(収率89%)亜
硫酸イオン0.02モル(収率2%)が含有されてい
た。三酸化イオウの選択率{100×三酸化イオウ/
(三酸化イオウ+二酸化イオウ)}は97.8%であっ
た。
プロラクタム2.3gを用いる以外は実施例1と同様の
操作を行った。回収されたアンモニアは0.51モル
(収率51%)、三酸化イオウ0.90モル(収率90
%)、二酸化イオウ0.02モル(収率2%)三酸化イ
オウの選択率は97.8%であった。
lと酸化第2鉄80gを仕込む(酸化銅は使用しない)
以外は、実施例1と同様の操作を行った。回収されたア
ンモニアは0.48モル(収率48%)、三酸化イオウ
0.88モル(収率88%)、二酸化イオウ0.04モ
ル(収率4%)三酸化イオウの選択率は95.7%であ
った。
様の操作を行った。回収されたアンモニアは0.24モ
ル(収率24%)、三酸化イオウ0.18モル(収率1
8%)、二酸化イオウ0.14モル(収率14%)三酸
化イオウの選択率は56.3%であった。
3gを用いる以外は実施例1と同様の操作を行った。回
収されたアンモニアは0.18モル(収率18%)、三
酸化イオウ0.20モル(収率20%)、二酸化イオウ
0.13モル(収率13%)三酸化イオウの選択率は6
0.6%であった。
ニアと硫酸基および/または重硫酸基を含有する廃酸か
ら、イオウ酸化物を効率よく円滑に生成させて回収する
ことができ、しかも本発明の方法で生成させたイオウ酸
化物は三酸化イオウ含量が極めて高く、二酸化イオウの
含量が低いので、生成してくるイオウ酸化物を直接その
まま水や硫酸などに吸収させることによって、硫酸や濃
硫酸の形態にして極めて簡単に効率よく回収することが
できる。そして、本発明の方法による場合は、生成して
くるイオウ酸化物中の二酸化イオウの含量が低いので、
二酸化イオウを三酸化イオウに酸化するための工程や設
備を省略したり、工程の簡略化や設備の小型化を達成す
ることができる。更に、本発明の方法による場合は、ア
ンモニアと硫酸基および/または重硫酸基を含む廃酸
を、効率よく、経済的に処理することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 アンモニアと硫酸基および/または重硫
酸基を含有する廃酸の処理方法であって、(i) アン
モニアと硫酸基および/または重硫酸基を含有する廃酸
に対して、酸化鉄と銅化合物とを混合または混合・反応
させる工程;(ii) 前記の工程(i)で得られる混合
物を350〜500℃の温度で加熱処理して硫酸鉄塩お
よび硫酸銅塩に変換しアンモニアを生成させる工程;お
よび(iii) 前記の工程(ii)で得られる硫酸鉄塩お
よび硫酸銅塩を550〜700℃の温度で加熱処理して
イオウ酸化物を生成させる工程;を含むことを特徴とす
る廃酸の処理方法。 - 【請求項2】 工程(iii)で残存する酸化鉄と酸化銅
を工程(i)に循環して使用することからなる請求項1
の処理方法。 - 【請求項3】 工程(iii)で発生するイオウ酸化物中
における三酸化イオウの含有割合が70%以上である請
求項1または2の処理方法。 - 【請求項4】 工程(i)で用いる酸化鉄と銅化合物と
の混合物中の鉄元素が、廃酸中に含まれる硫酸基および
重硫酸基の合計モル数の0.2倍以上であることを特徴
とする請求項1〜3のいずれか1項の処理方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03718196A JP3434113B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 廃酸の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP03718196A JP3434113B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 廃酸の処理方法 |
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JPH09206736A JPH09206736A (ja) | 1997-08-12 |
JP3434113B2 true JP3434113B2 (ja) | 2003-08-04 |
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---|---|---|---|---|
EP1028088A1 (en) * | 1999-02-10 | 2000-08-16 | Fernando H. Garcia | Method for neutralising and/or regenerating acid baths and plant that carries out this method |
-
1996
- 1996-01-31 JP JP03718196A patent/JP3434113B2/ja not_active Expired - Fee Related
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