JP4051071B2 - 集塵機灰の処理方法 - Google Patents
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Description
従って、上記のような問題点が解決できる画期的な処理方法が求められている。
(1) 化石燃料の燃焼の際に得られる少なくとも硫酸アンモニウム類を含有する集塵機灰に、下記(A)〜(F)の工程を施すことを特徴とする集塵機灰の処理方法、
(A) 集塵機灰を水に懸濁・攪拌する工程、
(B) 上記の懸濁液にアルカリを加えて中和し、pH6〜9とする工程、
(C) 上記の中和された懸濁液から水溶液の部分の40〜80%を分離する工程、
(D) 工程(C)で得られた濃縮懸濁液にアルカリを加えpHを7〜10とした後、酸化剤により酸化を行う工程、
(E) 工程(D)で得られた懸濁液をpH4〜8とした後、60〜90℃で濾過する工程、
(F) 工程(E)で得られた濾液を15〜35℃に冷却した後、濾過して析出したメタバナジン酸アンモニウム及び/又はバナジン酸ナトリウム・アンモニウムを得る工程、
(2) 工程(B)の中和に際し、pHを7〜8とする前記(1)記載の処理方法、
(3) 工程(B)において、さらに還元剤として亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸ガスを添加する前記(1)記載の処理方法、
(4) 工程(C)において、水溶液の分離工程が沈降濃縮工程である前記(1)記載の処理方法、
(5) 工程(C)において、水溶液の分離工程が濾過工程である前記(1)記載の処理方法、
(6) 工程(D)の酸化剤による酸化を懸濁液と0〜10kg/cm2Gの空気又は酸素含有ガスとの接触により行う前記(1)記載の処理方法、並びに
(7) 工程(D)の酸化剤による酸化を過酸化水素水又は次亜塩素酸塩水溶液の添加により行う前記(1)記載の処理方法
に関する。
化石燃料の燃焼の際には発生する排ガスの中のダストを除去するために、電気集塵機を使用するのが一般的である。その場合、集塵効率を保つためには、ダストの電気抵抗値を制御する必要があり、その目的でアンモニア水が散布される。排ガスはSOXとO2を含有しているので電気集塵機で捕集される灰には硫酸アンモニウム塩類が多量に含有されている。
本発明は二つの実施態様に分けることができる。第1の態様は工程(a)〜(h)からなり、第2の態様は工程(A)〜(F)からなるものである。
まず、本発明の第1の態様について説明する。
工程(a)は、集塵機灰を水に懸濁する工程である。集塵機灰の懸濁の際には、適当な装置で攪拌等することが好ましい。
この工程により、集塵機灰を水に懸濁し40〜60℃で攪拌するとpHは2〜4、通常約3を示し、硫酸アンモニウム塩類、硫酸マグネシウム塩類及びニッケル、鉄等の金属の塩類は溶解する。また、バナジウム化合物の一部は溶解し、他の部分は溶解せずに残る。
なお、濾過の操作等は特に限定されることなく、通常公知の操作等がいずれも適用できる(以下の工程についても同様)。
ここで、苛性アルカリとしては、NaOH、KOH等が好ましく用いられる。また、酸化剤による酸化は、酸素含有ガス、好ましくは大気圧以上の圧力の空気と懸濁液との接触や、過酸化水素又は次亜塩素酸塩水溶液等の液体酸化剤の添加などにより、好適に行うことができ、最も経済的なのは空気と接触させる方法である。
4VO(OH)2+4NaOH+O2→4NaVO3+6H2O (I)
ここで、苛性アルカリは存在する4価のバナジウムと等モルが理論量であるが、反応速度には苛性アルカリの存在量が関係し、特に3倍量までは反応速度の増大が著しい。従って、苛性アルカリは、濾過残渣中の全バナジウムに対して3〜4倍モル使用すれば十分である。
この場合、大気圧以上の圧力を適用すると必要な反応時間は圧力にほぼ反比例し、圧力5kg/cm2では反応時間を20分以下にすることが可能である。従って、連続攪拌槽式の反応形式を採用することが経済的に成り立ち得る。
ここで、冷却はメタバナジン酸アンモニウムの回収率の点から、25℃以下まで徐々に行うことが好ましいが、それ以上の温度でも回収は可能である。また、アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等が好ましく用いられる。特に、工程(g)で発生するアンモニアを硫酸で中和して得られる硫酸アンモニウムを利用すると、工業上有利に本発明の処理方法を実施することができる。
酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムは、硫酸アンモニウムの分解における次の反応式(酸化マグネシウムの場合)から計算される化学量論量の約1.5倍使用することが必要である。
(NH4)2SO4+MgO → MgSO4+2NH3+H2O
上記のように工程(g)では過剰量のマグネシウム化合物を使用するため、析出するニッケル水酸化物はマグネシウム化合物が夾雑されるが、そのままニッケル原料とすることが出来る。
一方、硫酸マグネシウムを含有する水溶液は、アンモニア性窒素濃度が低いため廃水の放流規制の問題がなく、あるいはマグネシウム化合物原料としての利用することが出来る。
工程(A)は、集塵機灰を水に懸濁する工程である。集塵機灰の懸濁の際には、灰中の塊状固化物を分散させるため適当な装置で攪拌することが必要である。通常、集塵機灰1kgを水3〜5リットルに懸濁する。
この工程において、集塵機灰を水に懸濁し40〜60℃で攪拌するとpHは2〜4、通常約3を示し、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム及びニッケル、鉄等の金属の塩は溶解する。しかし、バナジウム化合物の一部は溶解し、他の部分は溶解せずに残る。
ここで、アルカリとしては、NaOH、KOH、NH3等が好ましく用いられる。また、酸化剤による酸化は、大気圧以上の圧力の空気又は酸素含有ガスと懸濁液との接触により、又は過酸化水素水又は次亜塩素酸塩水溶液等の液体酸化剤の添加などにより、好適に行うことができる。
4VO(OH)2+4NaOH+O2→4NaVO3+6H2O (I)
ここで、アルカリは存在する4価のバナジウムと等モルが理論量であるが、反応速度にはアルカリの存在量が関係し、特に3倍量までは反応速度の増大が著しい。従って、アルカリは、濃縮懸濁液中の全バナジウムに対して2〜6倍モル、好ましくは3〜4倍モル使用する。
この場合、連続攪拌槽列の反応形式を採用することが反応槽の総容量を小さくすることに有効である(大竹伝雄「反応装置の設計−工業反応速度論とその適用−」158〜175頁、ワラス著(大竹伝雄ら訳)「化学技術者のための反応工学」80〜97頁)。
ここで、冷却はメタバナジン酸アンモニウムの回収率の点から、35℃以下、好ましくは30〜10℃まで徐々に行う。
表1のA−1の組成を有する集塵機灰1217g(乾燥分換算1000g)を水5000mL中に懸濁し、40〜45℃で48%NaOH126mLを加えて、pH8.0とし、1時間攪拌した後、濾過した。
濾液及び濾過残渣について分析した結果、表2の行1及び行2のような値を得た。このようにバナジウム成分の91%が濾過残渣中に含有されていることが分かった。
実施例1において、懸濁液に更に亜硫酸ナトリウム12gを添加したところ、表2の行3及び行4のような値を得た。このように亜硫酸ナトリウムによるバナジウムの還元により、濾液中のバナジウム成分の含有量が、著しく減少していることが分かった。
実施例1において、表1.Bの組成を有する集塵機灰を使用したところ、表2の行5及び行6のような結果を得た。このように、異なる集塵機灰を使用しても、実施例1と同様の結果が得られた。
実施例2において、表1.Bの組成を有する集塵機灰を使用したところ、表2の行7及び行8のような結果を得た。このように、異なる集塵機灰を使用しても、実施例2と同様の結果が得られた。
実施例1で得られた濾過残渣20.44g(全V(バナジウム総量)=5.09g、内V4+が90.5%) を水250mLに懸濁し、48%NaOH26.3gを加えてpH10.0とし、50〜55℃で3時間タービン型攪拌翼で攪拌しながら50mL/min.の空気を吹き込んで酸化した。その後、H2SO4:H2O(1:1)の硫酸7.5gを加えてpH8.0とし、濾過した。濾過残渣は乾燥後、分析した。その値は表3の第3列に示した通りであり、溶解しなかったバナジウムは全Vとして、0.026/5.09=0.5%であった。
濾液を70℃に昇温した後、更に硫安20gと微量のメタバナジン酸アンモニウム種結晶を添加し、放冷して、20℃とした。これを濾過し、乾燥してメタバナジン酸アンモニウム11.09gを得た。一方、濾液は分析した。それらの分析値などは表3の第4列及び第5列に示した。
実施例1で得られた濾過残渣20.44g(全V=5.09g、内V4+が90.5%)を内容積1Lのガラス製のオートクレーブ内で水250mLに懸濁し、48%NaOH26.3gを加え、50〜55℃でタービン型攪拌翼(45mmφ,600rpm)で攪拌しながら、オートクレーブの空間部分に空気圧をかけた。酸化の進行速度を測定するため、適宜サンプルを採取し、その度毎に空気は入れ替えた。
その結果、十分な酸化・抽出を達成するに要する時間は常圧の場合の2時間に対して、2kg/cm2では40分、5kg/cm2では20分であった。
実施例1で得られた濾過残渣20.44g(全V= 5.09g、内V4+が90.5%)を水120mLに懸濁し、48%NaOH25.0gを加え、70〜80℃で30%H2O2水5.8gを2時間の間に4回に分割して添加して酸化した。70〜80℃に1時間保持した後、H2SO4:H2O(1:1)の硫酸7.5gを加えてpH8.0とし、濾過した。濾過残渣は乾燥後、分析した。その値は表4の第3列に示した通りであり、溶解しなかったバナジウムは全Vとして、0.216/5.09=4.2%であった。
濾液を70℃に昇温した後、更に硫安20gと微量のメタバナジン酸アンモニウム種結晶を添加し、放冷して、20℃とした。これを濾過し、乾燥してメタバナジン酸アンモニウム10.80gを得た。一方、濾液は分析した。それらの分析値などは表4の第4列及び第5列に示した。
実施例1で得られた濾過残渣20.44g(全V= 5.09g、内V4+が90.5%)を水120mLに懸濁し、48%NaOH26.6gを加えてpH10とし、80〜85℃で有効塩素10%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液20mLを添加し30分間保持して酸化した。その後、H2SO4:H2O(1:1)の硫酸7.5gを加えてpH8.0とし、濾過した。濾過残渣は乾燥後、分析した。その値は表5の第3列に示した通りであり、溶解しなかったバナジウムは全Vとして、0.05/5.09=1.0%であった。
濾液を70℃に昇温した後、更に硫安20gと微量のメタバナジン酸アンモニウム種結晶を添加し、放冷して、20℃とした。これを濾過し、乾燥してメタバナジン酸アンモニウム10.95gを得た。一方、濾液は分析した。それらの分析値などは表5の第4列及び第5列に示した。
実施例1で得られた濾液の1248mL及び実施例5で得られたメタバナジン酸アンモニウム濾過の濾液160mLを合体した水溶液(窒素分=2.74%、38.6gを含有)に4つ口フラスコ中で酸化マグネシウム84gを加えて攪拌し、この懸濁液を沸点に保ち、2時間で水800mLを滴下しながら熱空気を吹き込み、出口に凝縮器を取り付け、溜出物を捕集した。得られたアンモニア水は950mL、アンモニア濃度4.0重量%、アンモニア質量38.0gであった。一方、フラスコ中に残存した水は1245mL、アンモニア濃度150ppmであった。
また、残留液中には過剰のマグネシアとニッケル水酸化物が懸濁しているので、これを濾過した。得られたケーキは31.1gでニッケル含有量は4.2%=1.30gであった。
表1のA−1の組成を有する集塵機灰1217g(乾燥分換算1000g)を水5000mL中に懸濁し、40〜45℃でNa2SO3を所定量添加した後、48%NaOH126mLを加えてpH8.0とし、1時間攪拌した後静置した。
3時間後、上澄み液と沈降部分の比は、ほぼ80:20となった。ここで、上澄み液約4000mLを分液した。上澄み液及び沈降部分を分析してNa2SO3の添加量と溶解しているバナジウム分及び沈降部分に含有されているバナジウム分との関係を表6に示す。
また、Na2SO3の代わりにこれに相当する量のSO2ガスを吹き込んでも同等の結果を得ることを表6の円で囲まれた6に示す。
一方、上澄み液を分液除去した沈降部分(容積約1200mL)を邪魔板、温度計、円板付きタービン攪拌機及び空気吹き込み管を備えた2L容のビーカーに仕込み、25%アンモニア水94mLを添加し、45〜55℃で攪拌下に空気1.5L/分を3時間吹き込んだ。この間、pHが7.5以下とならないように、25%アンモニア水50mLを追加滴下した。液量を水で3800mLに調整し、70℃に昇温した後、濾過して濾液と不溶解残渣とを得て、これらを分析した結果を表7に示す。表7の円で囲まれた1〜5の行は表6の円で囲まれた1〜5の行に続くものである。
実施例10の表6の円で囲まれた3における沈降分離の代わりに次のように操作した。懸濁液をいったん濾過し湿状ケーキ715gと濾液4420mLを得た。この湿状ケーキ715gを濾液の一部500mLに再度懸濁した後、次の空気酸化・濾過の操作を実施した。
濾液は水で3800mLとし、不溶解残渣は乾燥してそれぞれ分析した。その結果は表7の円で囲まれた6行に示すとおりで、沈降分離法によった場合と同等の結果を得た。
実施例10において、空気酸化に使用したアンモニア水の代わりに同モルの48%NaOHを使用した。その結果、表7の円で囲まれた3行と同等の酸化状態に達するのに必要とした時間は2時間であった。
実施例10の表6の円で囲まれた3と同一の操作で得られた懸濁液沈降部分1190mLを内容量2Lのオートクレーブに仕込み、48%NaOHを115g加え、50〜55℃でタービン型攪拌翼(65mmφ、500rpm)で攪拌しながら、オートクレーブの空間部に空気圧をかけた。
酸化の進行速度を測定するために、5分毎にサンプルを採取し、その度ごとに空気圧をいったん抜くことで空気の補充をした。その結果、表7の円で囲まれた3行に匹敵する酸化状態に達するのに必要とした時間は空気圧2kg/cm2・Gでは40分、5kg/cm2・Gでは20分であった。
実施例10の表6の円で囲まれた3と同一の操作で得られた懸濁液沈降部分1190mLを2Lのビーカーに仕込み、48%NaOHの115gを加え、50〜60℃で30%H2O2水52.5gを2時間かけて添加して酸化した。50〜60℃に2時間保持した後、H2SO4:H2O=1:1の硫酸21gを加えてpH8.0とした後、濾過した。濾液は水で3800mLとし、不溶解残渣は乾燥し、それぞれ分析に供した。その値は表7の円で囲まれた7行のとおりで、溶解しなかったバナジウムは全V(バナジウム総量)として1.12/22.32=5.0%であった。
実施例10の表6の円で囲まれた3と同一の操作で得られた懸濁液沈降部分1190mLを2Lのビーカーに仕込み、48%NaOHの115gを加え、60〜70℃で有効塩素8%のNaOCl水溶液103gを2時間かけて添加して酸化した。60〜70℃に2時間保持した後、H2SO4:H20=1:1の硫酸23gを加えて、pH8.0とした後、濾過した。濾液は水で3800mLとし、不溶解残渣は乾燥してそれぞれ分析した。その値は表7の円で囲まれた8行のとおりで、溶解しなかったバナジウムは全Vとして1.22/22.27=5.5%であった。
実施例10において、表1のA−1の高粘度重油灰の代わりにA−2の高粘度重油灰1310g(乾燥分換算1000g)(A−1の灰と比較すると、Crの含有量が明らかに高い)を使用した。表6の円で囲まれた3と同様Na2SO310gを添加し、以下実施例10と同様に沈降分離及び沈降部分の空気酸化の操作をした後、酸を加えてpH5.0に調整し、濾過して濾液と不溶解残渣を得た結果を表9及び表10に記載した。さらに、表10の濾液を徐冷し、バナジン酸アンモニウム塩類を析出させ、20℃で濾過した。その結果を表11に示す。原料灰に由来するCrは濾液側に行き、得られたバナジン酸アンモニウム塩類には微量しか含有されない。このバナジン酸アンモニウム塩類は水に再度溶解し、pH7〜8でアンモニウム塩類で塩析し、濾過することによって極めて高純度(V=43.53%)のメタバナジン酸アンモニウムを得ることができた。
これに対して空気酸化後の濾過・析出の操作をpH7〜8で実施すると表11の円で囲まれた6の欄のようにCrはメタバナジン酸アンモニウム中に著しく夾雑し、再度溶解・析出して精製を試みてもCrは充分には除去されず、V=43.48%の製品しか得られなかった。
表1・Bの重油灰1340g(乾燥分換算1000g)を水5000mLに懸濁し、40〜45℃で10gのNa2SO3を添加した後、48%NaOHの120mLを加えてpH8.0とし、1時間攪拌した後静置した。3時間後、上澄み液と沈降部分の比はほぼ75:25となった。ここで上澄み液3700mLを分離し、上澄み液及び沈降部分を分析した結果を表12に示す。
実施例10の表6の円で囲まれた3の上澄み液の1/4と表8の円で囲まれた3の濾過洗液の1/4を合わせ、水で液量を2000mLとした。N含有率=19.25g/L、N含有量=38.5gであった。これを四つ口フラスコに仕込み、酸化マグネシウム84gを加え、90〜95℃に保持しつつ、液量が減少しないように水を滴下しながら、熱空気を吹き込み、出口に凝縮器を取りつけ、留出物を捕集した。得られたアンモニア水は980mL、アンモニア濃度は39.1g/L、アンモニア量は38.3gであった。一方、フラスコ中に残存した水は1950mL、アンモニア濃度は130ppmであった。
また、残留液中には過剰の酸化マグネシウムとニッケル水酸化物が懸濁しているので、これを濾過・乾燥した。得られたケーキは35.0gでニッケル含有量は3.9%=1.37gであった。
第2回目の仕込みにおいては、第1回目と同一のN含有廃水に新たな酸化マグネシウム84gの代わりに、新しい酸化マグネシウム60gとこのケーキ30gを使用して同様にアンモニアを発生させることができる。この際、得られた懸濁液をろ過・乾燥して取得されたケーキは34.5gで、ニッケル含有量は7.25%=2.50gであった。このような操作は、少なくとも取得ケーキのニッケル含有量が15%となるまでは順調に繰り返し実施できた。
Claims (7)
- 化石燃料の燃焼の際に得られる少なくとも硫酸アンモニウムを含有する集塵機灰に、下記(A)〜(F)の工程を施すことを特徴とする集塵機灰の処理方法。
(A) 集塵機灰を水に懸濁・攪拌する工程。
(B) 上記の懸濁液にアルカリを加えて中和し、pH6〜9とする工程。
(C) 上記の中和された懸濁液から水溶液の部分の40〜80%を分離する工程。
(D) 工程(C)で得られた濃縮懸濁液にアルカリを加えpHを7〜10とした後、酸化剤により酸化を行う工程。
(E) 工程(D)で得られた懸濁液をpH4〜8とした後、60〜90℃で濾過する工程。
(F) 工程(E)で得られた濾液を15〜35℃に冷却した後、濾過して析出したメタバナジン酸アンモニウム及び/又はバナジン酸ナトリウム・アンモニウムを得る工程。 - 工程(B)の中和に際し、pHを7〜8とする請求項1記載の処理方法。
- 工程(B)において、さらに還元剤として亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸ガスを添加する請求項1記載の処理方法。
- 工程(C)において、水溶液の分離工程が沈降濃縮工程である請求項1記載の処理方法。
- 工程(C)において、水溶液の分離工程が濾過工程である請求項1記載の処理方法。
- 工程(D)の酸化剤による酸化を懸濁液と0〜10kg/cm2Gの空気又は酸素含有ガスとの接触により行う請求項1記載の処理方法。
- 工程(D)の酸化剤による酸化を過酸化水素水又は次亜塩素酸塩水溶液の添加により行う請求項1記載の処理方法。
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