JP3634747B2 - タンタルおよびニオブの分離精製方法 - Google Patents

タンタルおよびニオブの分離精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、ホスホリル系抽出剤を用いた、タンタルおよびニオブの分離精製方法に関するものであり、より詳しくは、操業コストおよび排水処理コストを低減しつつ、比較的簡便な工程で安定的に、タンタルおよびニオブを高い純度で分離精製する方法に関するものである。
【0002】
背景技術
タンタルは、その用途が広く、耐食性、耐熱性に優れているため化学工業用として蒸留塔、オートクレーブ、熱交換器、化学繊維用紡糸ノズルなど各種化学装置に用いられている。また、一般にタンタル酸化皮膜は、弁作用(電極が正極であれば誘電体に動作するが、逆に電極が負極であると誘電体として動作しないという特性、すなわち整流特性)と呼ばれる特性を有しているため電解コンデンサの電極材料として使用され、搬送機器、電子機器、電子制御機器などに用いられている。また、酸化タンタルは、電子セラミックス用、LN(LiNbO)用に用いられている。さらに炭化タンタルは超硬切削工具用材料として、酸化タンタルは光学レンズの添加剤として利用されており、タンタルの重要性は極めて大きく、その需要は増大している。
【0003】
ニオブは、鋼中の炭素を安定化し、粒間腐食を防ぐ効果があるので鉄鋼添加材として使用されており、これが最大の用途である。また、酸化ニオブは、光学用、電子セラミックス用、LN(LiNbO)用に用いられている。また、高圧ナトリウムランプのランプ発光部に付随する導電管としてニオブ合金が実用化されており、さらに超伝導材料や超合金の添加元素などに利用されている。
【0004】
ところで、タンタルおよびニオブは、通常、鉱石等の原料中に両元素が共に含まれるため、分離精製することが必要である。このような分離方法としては、以下に述べるフッ化水素酸溶解−溶媒抽出法が一般的に知られている。この方法によれば、まず、タンタライト等の鉱石や、タンタルコンデンサのスクラップ等の原料を粉砕してフッ酸で溶解した後、硫酸を加えて溶液の濃度を調整する。次に、この調整液をフィルタープレスで濾過し、清浄な溶液にしてMIBK(メチルイソブチルケトン)による溶媒抽出にかけると、タンタルおよびニオブがMIBKに抽出される。この時、原料中に含まれている不純物の鉄、マンガン、シリコン等が抽残液に残ることにより、不純物が除去される。
【0005】
こうして得たタンタルおよびニオブを含むMIBKを、希硫酸で逆抽出すると、ニオブが水溶液に移り、純粋なタンタルがMIBKに残る。MIBK中のタンタルを精製し、水で逆抽出して水溶液に移し、MIBKを回収し再使用する。一方、水溶液中のニオブはMIBKで再度抽出し、少量含まれているタンタルを抽出し、水溶液中のニオブを純粋なものに精製する。このニオブ精製時のMIBKはタンタル、ニオブ分離前の溶媒に合流される。このようにして精製されたタンタルおよびニオブの各水溶液にアンモニア水を加えて水酸化物の沈殿を析出させ、これを濾過、乾燥し最後に仮焼して、酸化タンタルおよび酸化ニオブが得られる。
【0006】
しかしながら、このようなMIBKを用いた溶媒抽出法では、MIBKの水に対する溶解度が大きいという問題がある。このため、操業中にMIBKが損失しやすく、多量のMIBKを補充する必要があり、排水処理もしにくいことから、操業コストおよび排水処理コストが高くなりがちである。
また、タンタルおよびニオブの分離能力が高くないため、非常に多くの抽出段を必要とし、しかも高純度が達成されにくいものであった。
【0007】
これに対し、特公平5−2614号公報には、MIBK溶媒ではなく、ホスホリル基を有する抽出剤を用いて、タンタルおよびニオブを抽出する方法が開示されている。この方法によれば、まず、ホスホリル基を有する抽出剤を希釈して得た有機溶媒を、タンタルおよびニオブを含有する水溶液と混合接触させて、タンタルおよびニオブを抽出する。次に、この抽出後の有機溶媒をフッ化アンモニウム溶液と混合接触して、有機溶媒中の不純物を逆抽出する(洗浄工程)。その後得られた有機溶媒をフッ化アンモニウム溶液と混合接触させて、タンタルおよびニオブの水溶液を得る(剥離工程)。
【0008】
しかしながら、この方法において、フッ化アンモニウム溶液を有機溶媒の洗浄に用いると、産出した洗浄液を原料の一部として戻した場合、フッ酸、硫酸を大量に加えないと、戻さない場合に比べて抽出率が低下してしまう。
また、フッ化アンモニウム溶液の洗浄力が強すぎるため、有機溶媒の水系溶媒に対する流量(容積)比(以下、O/A比という)を非常に大きくする必要があり、操業が安定しない。
また、フッ化アンモニウム溶液は、水または希硫酸に比べてタンタルとニオブに対する洗浄力の差が小さいため、タンタルおよび少量のニオブを含有する有機溶媒を洗浄してもタンタルを含む有機溶媒中にニオブが残りやすい。
さらに、フッ化アンモニウム溶液を用いて有機溶媒からニオブを剥離する場合には、フッ化アンモニウム溶液のタンタルとニオブに対する選択性が低いため、特に後述する同時抽出A法の場合には、ニオブ中にタンタルが混入しやすい。
【0009】
それにもかかわらず、タンタルおよびニオブの各々を高純度品位で得るための方法として、歩留まりを落とす方法が考えられる。この場合には、例えば、先ず高純度ニオブを得るためタンタル側にニオブを残した状態でニオブ剥離を実施し、次に高純度タンタルを得るためタンタル中に残留したニオブを洗浄し、最後に残ったタンタルを剥離する。なお、タンタル中のニオブを洗浄する際には、タンタルも付随的に洗浄される。しかしながら、このように分離精製工程が増え、工程が複雑化してしまう。
【0010】
【発明の概要】
本発明者らは、今般、ホスホリル系抽出剤を含有する有機溶媒を用いて、原料水溶液からタンタルおよびニオブを抽出する際に、最初にタンタルを優先的に抽出する工程を行い、かつその後のタンタル洗浄およびニオブ洗浄の各工程においてそれぞれ所定濃度に調整された硫酸を洗浄剤として用いることにより、工程を複雑化させることなく安定的に、タンタルおよびニオブを高い純度で分離精製できることを知見した。
【0011】
したがって、本発明は、操業コストおよび排水処理コストを低減しつつ、比較的簡便な工程で安定的に、タンタルおよびニオブを高い純度で分離精製することを課題とする。
【0012】
そして、本発明のタンタルおよびニオブの分離精製方法は、
(a)タンタルおよびニオブを含有する原料水溶液に、下記一般式を有するホスホリル系抽出剤;
Figure 0003634747
(ただし、Rは、水素であるか、または炭素数1〜20のアルキル基もしくはアリール基である。)
を石油系炭化水素希釈剤を用いて希釈した有機溶媒を接触させて、タンタルを該有機溶媒に優先的に抽出し、かつニオブを原料水溶液に残存させる第一工程と、
該抽出後の有機溶媒を0.1〜4mol/Lの硫酸で洗浄して該有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減する第二工程と、
該不純物が低減された有機溶媒中に含まれるタンタルを水系溶媒により逆抽出する第三工程とを有するタンタル精製工程、および、
(b)前記第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液に上記一般式を有するが(a)工程とは別個独立に添加されるホスホリル系有機溶媒を接触させて、ニオブを該有機溶媒に抽出する第四工程と、
該抽出後の有機溶媒を2.5〜10mol/Lの硫酸で洗浄して該有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減する第五工程と、
該不純物が低減された有機溶媒中に含まれるニオブを水系溶媒により逆抽出する第六工程とを有するニオブ精製工程、
を含んでなることにより、上記課題を解決するものである。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下、本発明の高純度タンタルおよびニオブの分離精製方法について具体的に説明する。
【0014】
高純度タンタルおよびニオブの分離精製方法
図1に、本発明の高純度タンタルおよびニオブの分離精製方法の一例の製造工程図を示す。図1に示されるように、タンタルおよびニオブを含有する原料水溶液に、(a)タンタル抽出工程、および(b)ニオブ抽出工程等を施すことにより、高純度タンタルおよびニオブが分離精製される。
【0015】
原料水溶液
本発明の製造方法においては、原料液として、タンタルおよびニオブを含有する水溶液(以下、原料水溶液という)を用いる。このような原料水溶液は、タンタルおよびニオブを含有する水溶液であれば特に限定されるものではないが、例えば、タンタルおよびニオブを含有する原料鉱石(例えば、タンタライト、コロンバイト、パイロクロア等)をフッ酸、あるいはフッ酸および硫酸の混酸で溶解させ、必要に応じて濾過し、適宜硫酸および/または水で濃度調整することにより得ることができる。したがって、このような原料水溶液は、フッ酸および/または硫酸を含有しているのが一般的である。
【0016】
また、原料鉱石以外に使用可能な原料としては、液中で溶解度の低いタンタル/ニオブ化合物、例えばフルオロケイ酸塩、フルオロタンタル酸塩、フルオロニオブ酸塩を含む廃さいおよびスクラップ、タンタルおよび/またはニオブのフェロ合金、タンタルおよび/またはニオブ金属のスクラップ、LiTaO(LT)および/またはLiNbO(LN)の屑等が挙げられる。より具体的には、フッ化タンタル酸カリウム、フッ化ニオブ酸カリウムからタンタルおよびニオブ粉末を製造する際のフラックス洗浄水、および表面処理液等から生じる中和廃さい、ターゲット材メーカー等から排出される廃液を中和した廃さい、タンタルおよびニオブ粉末製造に供し得ない程度の低グレードのタンタル/ニオブ製品等の廃棄物が挙げられる。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、原料水溶液の調製に先立ち、原料に含まれる不純物を低減しておくことも可能である。このような原料からの不純物除去の方法は、公知の方法に従って行えばよいが、例えば次のアルカリ疎解処理により好ましく行うことができる。すなわち、原料を強アルカリ溶液(例えば水酸化ナトリウム溶液)を用いて適宜加熱しながら攪拌混合して疎解スラリーを得た後、この疎解スラリーを濾過する。次に、濾過により得られた残留物をフッ酸以外の鉱酸(例えば硫酸)により洗浄して、鉱酸を濾別する。この濾別により得られた、不純物が低減されたケーキを、上記通常の原料と同様にフッ酸等で溶解する。
特に、このアルカリ疎解処理は、フルオロタンタル酸塩(KTaF等)、フルオロニオブ酸塩(KNbF等)、オキシフルオロニオブ酸塩(KNb11O等)は、そのままではフッ酸への溶解度が低いため、アルカリ疎解処理を行うのが有効である。また、酸化タンタルおよび酸化ニオブは100℃未満ではアルカリ疎解されないので、酸化物の原料鉱石ではアルカリ疎解を行う必要はないであろう。なお、フェロ合金では、鉄を主体とする不純物が低減されるためアルカリ疎解を行うのが有効である。
【0018】
本発明の好ましい態様によれば、上記疎解あるいはフッ酸溶解に先立って、原料の形態に応じて、適宜原料をボールミル等で粉砕しておくことができる。これにより、疎解あるいはフッ酸溶解を効率的に行うことができる。特に原料が粉末状ではなく塊状の場合にあっては、ジョークラッシャ等で粗砕し、さらにボールミル等で微粉砕するのがより好ましい。
【0019】
原料液(タンタルおよび/またはニオブの精製液)のタンタルおよび/またはニオブの濃度は特に限定されないが、濃度が高い程、排水量が減るので有利である。一般的に原料液濃度は、分離前の鉱石(原料)中のTa:Nbの組成によって変動するため、30〜300g/Lと広範囲である。通常、原料液中のTaおよびNbは、HTa(Nb)F、Ta(Nb)F・2HFまたはHNbOFのようなフッ化物の形状で水溶液中に存在しており、これ以外にもフリーで存在する余剰分のフッ酸が存在する。このフリーフッ酸濃度は、4mol/L以下であるのが好ましい。4mol/Lを超えると有機溶媒中へのフッ酸の抽出が優勢になり、タンタルの抽出が悪くなる。また、原料水溶液中の硫酸の濃度は、0.5〜2.5mol/Lであるのが好ましい。0.5mol/L未満ではタンタルの抽出が不十分となりやすく、それを防止するためにはO/A比を大きくする、すなわち有機溶媒を多く使用する必要がある。また、2.5mol/Lを超えるとタンタルおよびニオブの分離が悪くなることがある。なお、前述の鉱酸洗浄において硫酸を使用した場合には、溶解液(硫酸添加前)には予め硫酸根が含まれることになるが、原料水溶液中の硫酸には、この硫酸根由来のものも含めるものとする。すなわち、含有するSはすべて硫酸とみなすものとした(これは、後述される第四工程において供用される原料水溶液の硫酸濃度についても同様である)。
【0020】
(a)タンタル精製工程
本発明におけるタンタル精製工程は、以下に説明される第一工程、第二工程および第三工程を含んでなる。
【0021】
(i)第一工程
本発明の第一工程においては、上述した原料水溶液に、所定の有機溶媒を接触させて、タンタルを該有機溶媒に優先的に抽出し、かつニオブを原料水溶液に残存させる。ここで、「タンタルを優先的に抽出する」とは、水相に微量のタンタルおよびニオブの大部分を残すようにしながら、タンタルのほぼ全量およびニオブの一部を有機溶媒に抽出することをいう。その際、タンタルおよびニオブ以外の不純物については、アンチモンを除いてニオブよりも抽出されにくいため、有機溶媒に不可避的に抽出されるのは極めて微量である。なお、タンタルおよびニオブを同時に抽出しようとする場合、以下の2種類の方法(A法およびB法)が代表的であるが、これらの方法はそれぞれ以下のような不都合がある。
【0022】
まず、A法は、タンタルおよびニオブを同時抽出する第一工程、不純物を洗浄する第二工程、ニオブを逆抽出する第三工程、洗浄してニオブを除去する第四工程、およびタンタルを逆抽出する第五工程を含んでなるものであり、工程が1つ少なく、有機溶媒が1系列である(タンタル系とニオブ系に分かれていない)。そして、このA法の場合、第三工程の操作(すなわち、ニオブを逆抽出して、有機溶媒中に少量のニオブとタンタルのほぼ全量を残す操作)が、特に原料中のタンタルとニオブの割合が変動する場合において、本発明の第一工程に比べて安定に操業を行うのが困難である(これに対し、本発明の第一工程では、O/A比をある程度大きくしておけば、少々の変動には一定条件でもニオブの抽出率を大きく変化させずに操業することが可能である。しかしながら、同時抽出の場合には、洗浄液の流量を変化させないと、ニオブ中にタンタルが入ったり、有機溶媒中にニオブが多量に残留してしまう)。また、原料中のタンタルがニオブに比べてかなり少ない場合であっても、第四および第五工程はO/A比の制約上、水相を本来の必要量より多く流す必要があり(洗浄は硫酸濃度を高くしないと洗浄過多になる)、排水・廃さい処理を含めてコスト高になる。
【0023】
一方、B法は、タンタルおよびニオブを同時抽出する第一工程、ニオブおよび不純物を逆抽出する第二工程、洗浄してニオブを除去する第三工程、タンタルを逆抽出する第四工程、ニオブを抽出する第五工程、不純物を洗浄する第六工程、およびニオブを逆抽出する第七工程を含んでなる。このB法の場合、本発明に比べて、水または希硫酸にて逆抽出する工程(第二工程)が増えてしまう。また、フッ酸および硫酸を多量に含みタンタルおよびニオブをほとんど含まない抽残液が第一工程および第五工程にて発生する(本発明および上記A法では一つの工程のみで発生する)ため量が多くなってしまい、排水・廃さい処理またはフッ酸回収に多くのコストがかかる。
さらに、第二工程の逆抽出には、通常水または非常に希薄な硫酸を使用することが考えられる。これはフッ化アンモニウム等を使用すると第四工程で抽出しにくくなるためである。したがって、第五工程の前に、本発明の第四工程以上に多量のフッ酸および硫酸を添加する必要がある。
【0024】
さらに、A法およびB法の両方について言えることであるが、タンタルおよびニオブを同時に抽出するためには、本発明の第四工程と同様に、フッ酸濃度を高くしてニオブを抽出しやすくする必要がある。しかしながら、かかる条件においては、有機溶媒のタンタルの抽出能力がフッ酸濃度が低い場合に比べて低下してニオブとの差が小さくなる。このため、原料がタンタルを多く含む場合にあっては、ニオブに比べて高価なタンタルが抽残液中に残留しやすくなり、その残留量が無視できなくなる可能性がある。一方、タンタルではなくニオブを優先的に有機溶媒により抽出することは不可能である。したがって、タンタルを優先的に抽出することで上記不都合を解消するとともに、他の第二〜第六工程との組合せにより、比較的簡便な工程で安定的に、タンタルおよびニオブを高い純度で分離精製することができる。
【0025】
本発明における有機溶媒としては、ホスホリル系抽出剤を石油系炭化水素希釈剤で希釈させて得た溶媒を用いる。抽出剤を希釈剤で希釈するのは、抽出剤を単独で使用すると、特に抽出剤に金属を多量に抽出させる場合に、水相との比重差が非常に小さくなってしまい、分相しにくくなるという不都合があるためである。なお、本発明において用いるホスホリル系抽出剤および石油系炭化水素希釈剤は、それぞれ、1種類であってもよいし、2種以上を混合して使用してもよく、特に限定されない。
【0026】
本発明に用いるホスホリル系抽出剤としては、下記一般式;
Figure 0003634747
(ただし、Rは、水素であるか、または炭素数1〜20のアルキル基もしくはアリール基である。)
を有するものであれば特に限定されない。このようなホスホリル系抽出剤の好ましい例としては、トリ−n−ブチルホスフェート、トリイソブチルホスフェート、トリ−n−オクチルホスフェート、ジー2−エチルヘキシルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフィンオキシド、トリ−n−エチルヘキシルホスフィンオキシド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリ−n−デシルホスフィンオキシド等が挙げられる。これらの中で最も好ましいものはトリ−n−ブチルホスフェート(以下、TBPともいう)である。その理由は、比較的安価であり、かつ通常使用されているMIBKと比較して分離精製能力が同等もしくはそれ以上であり、しかも水溶液への溶解度が低いため損失が少なく補充量も少なくて済むからである。
【0027】
また、石油系炭化水素希釈剤としては、特に限定されず種々の有機溶媒が使用可能である。この石油系炭化水素希釈剤の例としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ベンゼン、ケロシン、ジエチルベンゼン、シェルゾールA(シェル化学社製)、イプゾール150(出光石油化学社製)が挙げられる。なお、ベンゼンおよびトルエンは環境上の問題があるため好ましいとは言えないが、使用可能である。
【0028】
第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液に残存するタンタルの量(酸化物換算値;Taに換算した量)が、ニオブの量(酸化物換算値;Nbに換算した量)の0.1重量%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.02重量%以下、さらに好ましくは0.001重量%以下である。0.1重量%以下であると、さらにタンタルを抽出することなく高純度の製品が得られる。また、0.02重量%以下であると、光学用、電子セラミックス用等に好適な製品が得られる。さらには、0.001重量%以下であると、LN用等に好適な製品が得られる。
【0029】
本発明の好ましい態様によれば、第一工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、原料水溶液および硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)を0.05〜3とする。O/A比が0.05未満であると、タンタルの抽出が不十分になりやすく、また、有機溶媒の単位容積当たりの抽出量が多くなり(高負荷濃度)、水相との分相が悪くなる。一方、O/A比が3を超えると、ニオブの抽出が多くなり、またタンタル負荷濃度が低くなる。したがって、O/A比を上記範囲に設定することにより、効率的な分離抽出が可能となる。
【0030】
(ii)第二工程
本発明の第二工程においては、第一工程における抽出後の有機溶媒を所定濃度の硫酸で洗浄して該有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減する。そして、本発明の第二工程において用いる硫酸の濃度は、0.1〜4mol/Lであるものとし、より好ましくは0.3〜3mol/Lであり、さらに好ましくは0.5〜2mol/Lである。硫酸濃度が0.1mol/L未満であると、ニオブ等の不純物低減効果が大きく、使用量も少なくて済むが、わずかな流量の変化により洗浄不足または洗浄過剰になりやすく、安定操作が困難になる。一方、硫酸濃度が4mol/Lを超えると、ニオブ等不純物の低減効果が低いため使用量が増大する。また、ニオブ濃度が低い水溶液が多量に産出するため、第一工程の原料として戻す構成にする場合にもその一部しか戻すことができず、結果としてニオブの損失が生じ、排水処理のコストが高くなる。
【0031】
本発明の好ましい態様によれば、第二工程に使用する有機溶媒として、第一工程において得られたタンタルを優先抽出した有機溶媒と、この有機溶媒と同種または異種の、第一工程で定義された有機溶媒である追加の有機溶媒とを併用することができる。
【0032】
本発明の好ましい態様によれば、第二工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、原料水溶液および硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)を0.5〜8とする。O/A比が0.5未満であると、ニオブ等の不純物の洗浄は十分であるが、洗浄されるタンタル量が増えてしまうため、原料を戻す構成にしたとしてもコストが増大する。一方、O/A比が8を超えると、洗浄不足となりやすく、ニオブ等の不純物がタンタル中に残りやすくなる。したがって、O/A比を上記範囲に設定することにより、効率的な分離抽出が可能となる。
【0033】
本発明の好ましい態様によれば、第二工程において得られた洗浄後の硫酸液を、第一工程における原料水溶液の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなることができる。これにより、硫酸使用量を低減することができる。
【0034】
(iii)第三工程
本発明の第三工程においては、第二工程における該不純物が低減された有機溶媒中に含まれるタンタルを水系溶媒により逆抽出する。この逆抽出により得た水溶液はタンタルを高い純度で含有する。
本発明の第三工程において用いる水系溶媒は、特に限定されず、水であってもよいが、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む水溶液であるのがタンタルが逆抽出されやすい点で好ましい。このようなアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む水溶液の例としては、希アンモニア水、フッ化アンモニウム水溶液、フッ化水素アンモニウム水溶液、後述する酸化タンタル製造工程において水酸化タンタル沈殿を濾過した際に得られた濾液等が挙げられる。
【0035】
また、水酸化タンタルの濾過により得られた濾液または希アンモニア水を使用する場合には、使用に先立って、フッ酸および/または硫酸を添加してpHを5〜8に調整するのが好ましい。この場合には、第三工程の分離装置内で水酸化物沈殿が生成するのを防止することができる。
【0036】
本発明の好ましい態様によれば、第三工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、原料水溶液および硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)が、第三工程では0.3〜6であることができる。O/A比が0.3未満であると、得られるタンタル液の濃度が低くなるため、後工程の生産効率が悪くなり、排水量も増える。一方、O/A比が6を超えると、有機溶媒中に残留するタンタルの量が多くなり、繰り返し使用すると新たに抽出する量が減少する。したがって、O/A比を上記範囲に設定することにより、効率的な分離抽出が可能となる。
【0037】
本発明の好ましい態様によれば、第三工程において得られた有機溶媒の一部または全部を、第一工程の有機溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなることができる。これにより、貴重なタンタルを無駄無く有効利用できるとともに、有機溶媒、すなわち抽出剤および希釈剤の使用量を最小限に抑えることができる。
【0038】
また、本発明の別の好ましい態様によれば、第三工程において得られた有機溶媒の一部を、前記追加の有機溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなることもできる。なお、第三工程において得られた有機溶媒の全部を、前記第一工程の有機溶媒および/または前記追加の有機溶媒として循環使用する場合には、上記第三工程において、逆抽出後の有機溶媒中にタンタルが30g/L程度以下であれば残留していても差し支えない。また、循環使用しない場合は、第三工程の段数を増加する、O/A比を小さくする、さらにタンタルを逆抽出する工程を別に設ける等により、タンタルをほぼ完全に逆抽出することが望ましい(タンタル損失防止)。
【0039】
(b)ニオブ精製工程
本発明におけるニオブ精製工程は、以下に説明される第四工程、第五工程および第六工程を含んでなる。
【0040】
(iv)第四工程
本発明における第四工程は、第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液に上記一般式を有するが(a)工程とは別個独立に添加されるホスホリル系有機溶媒を接触させて、ニオブのほぼ全量を該有機溶媒に抽出するとともに不純物の大部分を水溶液中に残す。なお、第四工程で用いるホスホリル系有機溶媒は、(a)工程で使用したものと同種であっても、異種であってもよい。
【0041】
本発明の好ましい態様によれば、第四工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、原料水溶液および硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)を0.8〜12とする。O/A比が0.8未満であると、ニオブの抽出が不十分になりやすく、また、有機溶媒の単位容積当たりの抽出量が多くなり(高負荷濃度)、水相との分相が悪くなる。一方、O/A比が12を超えると、不純物の抽出量が多くなり、また、ニオブ負荷濃度が低くなる。したがって、O/A比を上記範囲に設定することにより、効率的な分離抽出が可能となる。
【0042】
本発明の好ましい態様によれば、第四工程に先立って、第四工程に用いる原料水溶液に、フッ酸および/または硫酸をさらに添加する工程をさらに含んでなることができる。すなわち、ニオブは低フッ酸濃度であるとHNbOFの形態で存在すると考えられ、有機溶媒に抽出されにくい一方、高いフッ酸濃度であるとHNbFの形態で存在すると考えられ、有機溶媒に抽出されやすい。このため、フッ酸を添加してニオブを抽出し易い状態にすることが望まれる。その一方、フッ酸は高価であることから、コスト低減の観点から、フッ酸が十分存在する場合には、さらに抽出率を向上させることが可能な硫酸をフッ酸と共にあるいはフッ酸の代わりに添加することができる。第四工程に用いる原料水溶液の酸濃度範囲としては、フリーフッ酸濃度が2〜10mol/L、硫酸濃度が1.5〜5mol/Lであるのが好ましい。これらの濃度が低すぎるとNbの抽出が不十分になりやすい一方、これらの濃度が高すぎると、酸使用量が増えるコストのみならず、排水処理および廃さい処理のコストが増大する。
【0043】
ところで、第一工程に供用する段階で原料水溶液のフッ酸濃度を十分高くしておき(それにより第一工程にて産出する原料水溶液のフッ酸濃度も高くなる)、第四工程に移行する際に酸を一切添加しないかあるいは硫酸だけを添加することも考えられる。しかしながら、フッ酸濃度が高いと、タンタルが有機溶媒に抽出されやすいHTaFの形態で存在するとともに、ニオブも有機溶媒に抽出されやすいHNbFの形態で存在すると考えられるため、第一工程におけるタンタルとニオブの分離が悪くなってしまう。このため、第一工程の原料水溶液中のフッ酸濃度は低く保持しておき、第一工程が終了した後の工程でフッ酸をさらに添加する構成とするのが、抽出効率を高める上で好ましい。
【0044】
また、本発明の好ましい態様によれば、第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液に含まれるタンタルの量(酸化物換算値;Taに換算した量)が、ニオブの量(酸化物換算値;Nbに換算した量)の0.1重量%を超える場合(あるいはそれ以下ではあるが、目標値としての0.02重量%、あるいは0.001重量%を超える場合)には、第四工程の前に、本発明の有機溶媒(第六工程で産出した有機溶媒でもよい)と接触させて、タンタルを抽出して、水相中に残留するタンタルを低減する構成としてもよい。
【0045】
(v)第五工程
本発明の第五工程においては、第四工程における抽出後の有機溶媒を所定濃度の硫酸で洗浄して該有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減する。そして、本発明の第五工程において用いる硫酸の濃度は、2.5〜10mol/Lであるものとし、より好ましくは3〜8mol/Lであり、さらに好ましくは4〜7mol/Lである。硫酸濃度が2.5mol/L未満であると、不純物低減効果が大きく、使用量も少なくて済むが、わずかな流量の変化により洗浄不足または洗浄過剰になりやすく、安定操作が困難になる。一方、硫酸濃度が10mol/Lを超えると、不純物の低減効果が低いため使用量が増大する。また、タンタル濃度が低い水溶液が多量に産出するため、循環および/または第一工程もしくは第四工程の原料として戻す構成の場合にもその一部しか戻すことができず、結果としてニオブの損失が生じ、排水処理のコストが高くなる。
【0046】
本発明の好ましい態様によれば、第五工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、原料水溶液および硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)が、第五工程では2〜30であることができる。O/A比が2未満であると、不純物の洗浄は十分であるが、洗浄により不可避的に除去されるニオブ量が増えてしまうため、原料を戻す構成にしたとしてもコストが増大する。一方、O/A比が30を超えると、洗浄不足となりやすく、不純物がニオブ中に残りやすくなる。したがって、O/A比を上記範囲に設定することにより、効率的な分離抽出が可能となる。
【0047】
本発明の好ましい態様によれば、第五工程において得られた洗浄後の硫酸液の一部または全部を、第五工程の硫酸の一部または全部として循環させる工程および/または第一工程あるいは第四工程における原料水溶液の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなることができる。これにより、洗浄に使用する硫酸使用量を低減するとともに、発生した洗浄液を原料の液調用硫酸源として使用して、液調時の硫酸使用量も低減することができる。
【0048】
(vi)第六工程
本発明の第六工程においては、第五工程における不純物が低減された有機溶媒中に含まれるニオブを水系溶媒により逆抽出する。この逆抽出により得た水溶液はニオブを高い純度で含有する。
本発明の第五工程において用いる水系溶媒は、特に限定されないが、純水、あるいはアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む水溶液であるのがニオブを十分逆抽出可能である点で好ましい。これらの中でも、純水、特に極めて純度の高い純水、が不純物を含まない点およびタンタルが逆抽出されにくい点で最も好ましい。アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む水溶液の例としては、希アンモニア水、フッ化アンモニウム水溶液、フッ化水素アンモニウム水溶液、後述する酸化タンタル製造工程において水酸化タンタル沈殿を濾過した際に得られた濾液等が挙げられる。また、水酸化タンタルの濾別により得られた濾液または希アンモニア水を使用する場合には、使用に先立って、フッ酸および/または硫酸を添加してpHを5〜8に調整してもよい。この場合には、第三工程の分離装置内で水酸化物沈殿が生成するのを防止することができる。
【0049】
本発明の好ましい態様によれば、第六工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、原料水溶液および硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)が、第六工程では0.5〜16であることができる。O/A比が0.5未満であると、得られるニオブ液の濃度が低くなるため、後工程の生産効率が悪くなり、排水量も増える。一方、O/A比が16を超えると、有機溶媒中に残留するニオブの量が多くなり、繰り返し使用すると新たに抽出する量が減少する。したがって、O/A比を上記範囲に設定することにより、効率的な分離抽出が可能となる。
【0050】
本発明の好ましい態様によれば、第六工程において得られた有機溶媒の一部または全部を、第四工程の有機溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなることができる。これにより、貴重なタンタルおよびニオブを無駄無く有効利用できるとともに、有機溶媒、すなわち抽出剤および希釈剤の使用量を最小限に抑えることができる。有機溶媒を循環使用する場合には、ニオブをほぼ完全に逆抽出することは必ずしも要せず、逆抽出後の有機溶媒中のニオブが30g/L程度以下であれば残留していても差し支えない。しかしながら、第四工程に用いる原料水溶液中にわずかでもタンタルが含まれていると、有機溶媒を循環使用すると、次第に有機溶媒中にタンタルが蓄積されてくる。有機溶媒中のタンタル濃度が高くなるにつれて、第六工程における逆抽出の際にタンタルがニオブ液中に混入するようになる。したがって、そのような場合には、逆抽出後の有機溶媒をさらにアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを含む水溶液にて逆抽出して、有機溶媒中に蓄積されたタンタルをさらに除去することが好ましい。
【0051】
このように本発明の製造方法は、上記(a)および(b)の工程を含んでなるものであるが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲内において、任意的な工程を適宜追加することができる。
【0052】
抽出装置
本発明の分離精製方法における上記各工程における処理は、分離精製の分野において使用される種々の装置により行うことができるが、具体的には、ミキサーセトラー、カラム、遠心抽出装置等が挙げられる。これらの中でも、ミキサーセトラーが、設備費および修繕費等のコスト、ならびに操業上管理がし易い点から好ましい。また、ミキサーセトラーの場合、通常のセトラーとは別に、第一工程から第六工程までの各工程で産出する有機溶媒および水溶液を、それぞれ別個に静置する構成として、有機溶媒中の水溶液および水相中の有機溶媒をさらに分離除去してもよい。または、外部に専用の静置槽を設ける構成としてもよい(この場合にはミキサーセトラー以外の抽出装置にも適用可能である)。
【0053】
酸化タンタルおよび/または酸化ニオブの製造
本発明の好ましい態様によれば、(a)タンタル精製工程により得られたタンタル液に、アンモニアを添加して水酸化タンタルを沈殿させ、この沈殿物を濾別し、その後仮焼して、酸化タンタルを製造する工程をさらに含んでなることができる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、(b)ニオブ精製工程において得られたニオブ液に、アンモニアを添加して水酸化ニオブを沈殿させ、この沈殿物を濾別し、その後仮焼して、酸化ニオブを製造する工程をさらに含んでなることもできる。
【0054】
本態様においては、まず、上記各精製工程により得られたタンタル液またはニオブ液にアンモニアを添加して、水酸化タンタルおよび/または水酸化ニオブを沈殿させる。このアンモニアは、ガス状で添加することもできるが、アンモニア水溶液(NHOH)の形で添加するのが好ましい。また、重炭酸アンモニウムや炭酸アンモニウムを水溶液で添加することもできる。アンモニア水溶液の濃度およびその添加量は、原料液中のタンタルおよび/またはニオブ量に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。
【0055】
そして、得られた沈殿含有溶液を濾過して、水酸化タンタルおよび/または水酸化ニオブからなる沈殿物を濾別する。この濾別工程は公知の種々の方法に従って行うことができ、特に限定されない。なお、この濾別した沈殿物を、次の仮焼工程に先立って、公知の種々の方法に従い乾燥させておくのが好ましい。
【0056】
さらに、上記濾別により得られた水酸化タンタルおよび/または水酸化ニオブからなる沈殿物を仮焼して、酸化タンタルおよび/または酸化ニオブを生成させる。その際の好ましい仮焼温度は600〜1100℃であり、好ましい仮焼時間は1〜48時間であるが、これに限定されない。また、このような仮焼工程は、水酸化物沈殿を石英等の耐火物製皿に入れ、仮焼炉内で、常圧、大気雰囲気下のもと行うことができるが、これに限定されるものではない。したがって、圧力および雰囲気等の仮焼条件は、製造効率や製品品質等を考慮して、適宜選択することができる。
【0057】
本発明の好ましい態様によれば、水酸化タンタルの濾別により得られた濾液を、第三工程の水系溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなることができる。これにより、N系排水をクローズドで使用でき、排水処理(Nの曝気)コストが低減され、環境負荷も低減できる。
【0058】
このような本発明の方法により製造された酸化タンタルは、酸化タンタルから実質的になり、不純物としての酸化ニオブの含有量が10ppm以下であることができる。本発明の好ましい態様によれば、不純物としてのSi、K、Sn、SbおよびWの含有量がそれぞれ10ppm以下であり、不純物としてのNaが5ppm以下であり、さらに不純物としてのFe、Ti、Al、Ni、Ca、Cr、MnおよびPの含有量がそれぞれ1ppm以下である。また、本発明の別の好ましい態様によれば、不純物としての塩素の含有量が25ppm以下である。このように不純物含有量の少ない酸化タンタルによれば、電子材料や光学材料に応用した際に、これらの特性を向上させることができる。
【0059】
このような本発明の方法により製造された酸化ニオブは、酸化ニオブから実質的になり、不純物としての酸化タンタルの含有量が10ppm以下であることができる。本発明の好ましい態様によれば、不純物としてのSi、K、Sn、SbおよびWの含有量がそれぞれ10ppm以下であり、不純物としてのNaが5ppm以下であり、さらに不純物としてのFe、Ti、Al、Ni、Ca、Cr、MnおよびPの含有量がそれぞれ1ppm以下である。また、本発明の別の好ましい態様によれば、不純物としての塩素の含有量が25ppm以下である。このように不純物含有量の少ない酸化ニオブによれば、電子材料や光学材料に応用した際に、これらの特性を向上させることができる。
【0060】
【実施例】
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】
実施例1:酸化タンタルおよび酸化ニオブの製造
(1)原料液の調製
タンタル含有フェロニオブ合金(Fe−Ta/Nb)200kgをジョークラッシャーで粗粉砕した後、湿式ボールミルで微粉砕して、Fe−Ta/Nbスラリー(1000g/L)を得た。このスラリーと100g/L水酸化ナトリウム水溶液200Lとを反応槽に入れ、攪拌混合しながら液温75℃に加温した。次に、反応槽に735g/Lの水酸化ナトリウム水溶液210Lを12時間かけて添加した。水酸化ナトリウムの添加が終了した後も、15時間液温を75℃に保持しながら、攪拌を継続した。その後、全量をフィルタープレスで濾過分離して疎解ケーキを得た。得られた疎解ケーキに2mol/Lの硫酸2000Lを添加し、50℃の温度で1時間攪拌混合した。反応が終了した液をフィルタープレスで濾過分離して脱Feケーキ353kgを得た。この脱Feケーキを80重量%フッ酸140Lで溶解した。この溶解液をフィルタープレスにて濾過した後、96重量%硫酸と工業用水を加えて、硫酸濃度1mol/L、Nb濃度200g/L、フリーフッ酸濃度2mol/Lに調整した。こうして得られた原料液の組成を以下のようにして測定した。結果を表2に示す。
− 硫酸:ICP発光分光法にて硫黄を測定して硫酸濃度に換算
− フリーフッ酸:イオン交換分離、フッ素イオン電極法(標準添加)
− Cl:Volhard滴定
− K、Na:原子吸光光度法
− その他:ICP発光分光法
【0062】
(2)タンタルおよびニオブの分離精製
上記(1)で調製した原料液、および向流多段式ミキサーセトラーを用いて、タンタルおよびニオブの分離抽出を次のようにして行った。表1に、第一工程ないし第六工程の各工程における操業条件を、図1に、その具体的な装置構成を示す。なお、各工程における液の混合接触方法としては向流多段方式を採用するものとし、具体的には、第一段に有機溶媒を供給し、最終段には水溶液を供給することにより混合接触を行った。まず、抽出剤としてのトリ−n−ブチルホスフェート(以下、TBPという)を、希釈剤としてのイプゾール150(出光石油化学社製)で、容量比が1:1となるように希釈して、抽出用の有機溶媒(以下、単に抽出溶媒という)を調製した。第一工程として、原料水溶液に上記有機溶媒を添加して、表1に示される条件で混合接触させた。これにより、タンタルが有機溶媒に優先的に抽出され、大部分のニオブが水溶液中に残留した。次いで、第二工程として、第一工程で得られた有機溶媒に、これと同量の追加の上記有機溶媒を加えて増量した後、1mol/Lの希硫酸をさらに添加して、表1に示される条件で混合接触させた。これにより、ニオブおよびその他の不純物が希硫酸に移り、純粋なタンタルが有機溶媒に残留した。さらに、第三工程として、第二工程で得られた有機溶媒に、水酸化タンタルの濾別の際に得られた濾液(pH6〜7に調整されたもの)を剥離液として添加して、表1に示される条件で混合接触させてタンタルを剥離液に抽出した。こうして得られた剥離液が、本発明の目的とする高純度タンタル液である。なお、タンタル逆抽出後の有機溶媒は第一工程および第二工程の有機溶媒として循環させた。
【0063】
一方、第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液(Ta/Nb;10ppm(0.001%))にフッ酸および硫酸を添加して、ニオブ精製用の原料水溶液とした(なお、上記濃度比は、アンモニア水添加後の濾過および仮焼により得られた酸化物について、ICP発光分光法により得られたNb濃度と、イオン交換分離(微量時のみ)およびICP発光分光法により得られたTa濃度とを用いて算出した)。このフッ酸および硫酸添加後の原料水溶液は、硫酸濃度が3mol/Lであり、フリーフッ酸濃度が5mol/Lであった。まず、第四工程として、上記ニオブ精製用の原料水溶液に有機溶媒を新たに添加して、表1に示される条件で混合接触させた。これにより、ニオブが有機溶媒に抽出された。次いで、第五工程として、第四工程で得られた抽出後の有機溶媒に4.5mol/Lの硫酸を添加して、表1に示される条件で混合接触させた。これにより、有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減した。さらに、第六工程として、第五工程で得られた有機溶媒に純水を添加して、表1に示される条件で混合接触させてニオブを純水に抽出した。こうして得られた抽出液が、本発明の目的とする高純度ニオブ液である。なお、ニオブ逆抽出後の有機溶媒は第四工程の有機溶媒として循環させた。
【0064】
Figure 0003634747
【0065】
なお、上記表1における「段数」とは、ミキサーセトラーの段数であり、通常の、ミキサー部とセトラー部の両方を備えた筐体(ボックス)の数を意味する。また、ミキサーセトラーは、上記構成に加えて、各工程においてセトラー部から産出した有機溶媒および水溶液をそれぞれ別個に静置するためのセトラーを適宜付属している。
また、ミキサーセトラーの運転は、第一ないし第三工程を同時に48時間連続運転することにより行った。また、第四ないし第六工程についても同時に48時間連続運転することにより行った。
【0066】
(3)酸化タンタルおよび酸化ニオブの製造
上記(2)で得た高純度タンタル液にアンモニア水を加えて水酸化タンタルを沈殿させた。この沈殿を濾別した後、乾燥した。この乾燥した水酸化タンタルの沈殿を、900℃の温度で5時間かけて仮焼を行い、本発明の目的とする酸化タンタルを得た。なお、水酸化タンタルを濾別した際に得られた濾液は、上記(2)の第三工程における剥離液として循環させた。
一方、上記(2)で得られた高純度ニオブ液にアンモニア水を加えて水酸化ニオブを沈殿させた。この沈殿を濾別した後、乾燥した。この乾燥した水酸化ニオブの沈殿を、900℃の温度で5時間かけて仮焼を行い、本発明の目的とする酸化ニオブを得た。
【0067】
(4)評価
得られた酸化タンタルおよび酸化ニオブの組成を以下のようにして測定した。結果を表2に示す。
− Si:溶解・バブリング・ほう酸捕集・モリブデンブルー吸光光度法
− Cl:水蒸気蒸留・塩化銀沈殿比濁法
− K,Na:イオン交換分離、原子吸光光度法
− Sb:共沈分離・原子吸光光度法
− その他:イオン交換分離、ICP発光分光法
【0068】
Figure 0003634747
ここで、TaおよびNbについては、酸化物(それぞれTaおよびNb)に換算した含有量を示しており、それ以外の元素については、酸化物に換算しない元素自体の含有量を示している。
【0069】
表1から分かるように、本発明の分離精製方法によれば、原料液中に比較的多種多様の不純物成分が含まれているにも関わらず、不純物が大幅に低減された高純度の酸化タンタルおよび酸化ニオブをそれぞれ得ることができる。特開平11−255518号公報には、分離精製にTBP等のPを含む有機溶媒を使用した場合、活性炭等の多孔質吸着剤にて有機分を除去しないと、酸化タンタル中にPが混入してしまうことが記載されている。しかしながら、本発明者らが何回確認しても、TBPを使用した場合、活性炭処理等による有機分除去を実施しないと酸化タンタル中にPが残留する、という結果は得られなかった。すなわち、活性炭処理等を実施しなくても、酸化タンタル中のPはすべて1ppm未満であった。ただし、原料が多量のPを含有している場合、酸化ニオブ中にPが若干混入するおそれがある(原料由来のPは活性炭処理ではほとんど除去できないと考えられる)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離精製方法の一例を示す製造工程図である。

Claims (13)

  1. (a)タンタルおよびニオブを含有する原料水溶液に、下記一般式を有するホスホリル系抽出剤;
    Figure 0003634747
    (ただし、Rは、水素であるか、または炭素数1〜20のアルキル基もしくはアリール基である。)
    を石油系炭化水素希釈剤を用いて希釈した有機溶媒を接触させて、タンタルを該有機溶媒に優先的に抽出し、かつニオブを原料水溶液に残存させる第一工程と、
    該抽出後の有機溶媒を0.1〜4mol/Lの硫酸で洗浄して該有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減する第二工程と、
    該不純物が低減された有機溶媒中に含まれるタンタルを水系溶媒により逆抽出する第三工程とを有するタンタル精製工程、および、
    (b)前記第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液に、上記一般式を有するが(a)工程とは別個独立に添加されるホスホリル系有機溶媒を接触させて、ニオブを該有機溶媒に抽出する第四工程と、
    該抽出後の有機溶媒を2.5〜10mol/Lの硫酸で洗浄して該有機溶媒中に残存する不純物をさらに低減する第五工程と、
    該不純物が低減された有機溶媒中に含まれるニオブを水系溶媒により逆抽出する第六工程とを有するニオブ精製工程、
    を含んでなる、タンタルおよびニオブの分離精製方法。
  2. 前記第一工程において得られたタンタル抽出後の原料水溶液に残存するタンタルの量(酸化物換算値)が、ニオブの量(酸化物換算値)の0.1重量%以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一工程における原料水溶液が、フッ酸および/または硫酸を含有するものである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第四工程に先立って、該第四工程に用いる原料水溶液に、フッ酸および/または硫酸をさらに添加する工程をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第一工程ないし前記第六工程の各工程における、有機溶媒の水系溶媒(ここで、該水系溶媒には、前記原料水溶液および前記硫酸中の溶媒も含めるものとする)に対する流量(容積)比(O/A比)が、第一工程では0.05〜3であり、第二工程では0.5〜8であり、第三工程では0.3〜6であり、第四工程では0.8〜12であり、第五工程では2〜30であり、第六工程では0.5〜16である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第三工程において得られた有機溶媒の一部または全部を、前記第一工程の有機溶媒の一部または全部として循環させる工程、および/または前記第六工程において得られた有機溶媒の一部または全部を、前記第四工程の有機溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第二工程に使用する有機溶媒として、
    前記第一工程において得られたタンタルを優先抽出した有機溶媒と、
    該有機溶媒と同種または異種の、下記一般式を有するホスホリル系抽出剤;
    Figure 0003634747
    (ただし、Rは、水素であるか、または炭素数1〜20のアルキル基もしくはアリール基である。)を石油系炭化水素希釈剤を用いて希釈した追加の有機溶媒と
    を併用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第三工程において得られた有機溶媒の一部を、前記追加の有機溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第二工程において得られた洗浄後の硫酸液を、前記第一工程における原料水溶液の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第五工程において得られた洗浄後の硫酸液の一部または全部を、該第五工程の硫酸の一部または全部として循環させる工程および/または前記第一工程あるいは第四工程における原料水溶液の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. (a)工程により得られたタンタル液に、アンモニアを添加して水酸化タンタルを沈殿させ、この沈殿物を濾別し、その後仮焼して、酸化タンタルを製造する工程をさらに含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記水酸化タンタルの濾別により得られた濾液を、前記第三工程の水系溶媒の一部または全部として循環させる工程をさらに含んでなる、請求項11に記載の方法。
  13. (b)工程において得られたニオブ液に、アンモニアを添加して水酸化ニオブを沈殿させ、この沈殿物を濾別し、その後仮焼して、酸化ニオブを製造する工程をさらに含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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