JP3501539B2 - 不織布製造プロセスにおける目付分布制御方法 - Google Patents
不織布製造プロセスにおける目付分布制御方法Info
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Description
の運転操作中において、製品の品質を決定する目付分布
状態を判断し、自動的に制御する不織布製造プロセスの
目付分布制御方法に関するものである。
端部付近を幅方向に少しづつずらして重ねて長幅の不織
布シートを製造する不織布製造プロセスにおいて、目付
分布状態の測定は、β線による厚み測定器などによって
行われているが、その厚みを表す信号には繊維密度の局
所斑などの多くのノイズが含まれており、シートの目付
状態を、定性的に把握することは割合に容易であるが、
定量的に把握することは困難である。また、目付状態を
通常の制御方式によって制御することは、操作因子が非
常に多く存在するために、操作方法を簡単に決定するこ
とができず、多くのケースを伴うために非常に難しい。
更に、プラント自体の外乱因子などにより目付分布状態
がダイナミックに変化し、正確な操作量を算出できな
い。このように種々の要因が相互に関係しあって、実際
のプロセスでは正確な数式モデルによって目付分布状態
を表現することが困難である。従って、通常の制御方式
であるPID制御などの制御アルゴリズムでは達成困難
である。
れていることが多い。オペレータによる目付分布制御
は、目付分布状態の測定量を経験的に判断し、異常とな
っている箇所を単数個または複数個判別する。ここで判
別した異常部箇所に対し、知識と経験によって操作因子
の選択、操作量の決定を行い、単数個または複数個の異
常部箇所を同時に制御する。
セスの目付分布制御方法は、目付分布状態の測定量に多
くのノイズが含まれていたり、操作因子が多く存在しか
つそれらの操作によって制御の効果が相互に干渉し合う
ために、数式モデルによって操作因子や操作量を求める
方法は予測精度の点において不適当で、人が勘と経験に
より所定の目付分布状態になるように操作因子を変えて
いかなければならない。この手動制御の方法では、オペ
レータがつききりで監視および制御を行わなければなら
ず、多大な負荷がオペレータに掛かることになる。また
オペレータによって操作方法が異なるため個人差があら
われ、常に品位として安定な製品を得ることができな
い。しかも人が目付分布状態の測定量から操作を決定す
る方法は、ノイズを多く含んだ信号データを知覚的に判
断し異常となっている箇所を判別した後、異常部箇所と
操作因子を関連付けるためにサンプリングを行わなけれ
ばならず、目付分布状態の測定から操作までに多くの時
間を必要とする。
対象となる不織布製造プロセスを数式モデルによって表
現することが不可能であり、連続運転中の不織布シート
の目付分布状態を正確な数式で表現できない。例えば、
不織布シートの目付分布状態を表す測定量はシートの幅
方向の信号として得ることができるが、これには多くの
ノイズが含まれているために数式モデルによって表現す
ることができず、そのため、運転中の目付分布状態の推
定が困難であり、それを制御するための操作因子および
操作量を算出できない。従って、所定の目付分布状態に
制御するためには、正確に目付分布状態量を把握し、操
作量を決定することが必要であるが、以上の理由から数
式による定量化が不可能である。
おいては、測定された目付分布状態からある一つの異常
部箇所に着目して制御を行った場合、操作因子が異常部
箇所以外の部分に対しても影響してしまうために、所定
の目付分布状態を得ることができない。これは、不織布
シートの全体が幅方向に対して、いくつかの狭いシート
が重ね合わされて製造されていることが原因となって起
こる。このように不織布シートの目付分布状態の制御を
行うには、制御の効果として異常部箇所以外の部分に対
しても影響が出るので、異常部箇所だけでなくシート全
体の目付分布状態への影響を考慮し、操作因子の選択お
よび操作量の決定を行うべきである。
態を数式から定量的に表現することは不可能であり、ま
た、制御の効果が異常部箇所以外に対しても表れてしま
うという点において、数式モデルを作成し、従来のPID
制御のような制御アルゴリズムで制御することはできな
い。そのために、所定の目付分布状態を有する不織布シ
ートを製造するために、オペレータが監視および制御し
なければならなかった。そこで、本発明の目的は、不織
布製造プロセスの目付分布を自動制御することの可能な
不織布製造プロセスにおける目付分布の制御方法を提供
することにある。
せて不織布を製造するに当たり、その不織布において全
体平均目付に対して許容される基準閾値を設定してお
き、不織布製造プロセスにおける不織布シートの幅方向
の目付分布を測定し、それを移動平均によってスムージ
ング処理し、それを微分して微係数が零である点を中心
として所定の左右幅の範囲の局所平均目付を算出し、そ
れを基準閾値と比較してその差値に対応して操作因子と
操作量を制御することを特徴とする不織布製造プロセス
の目付分布制御方法である。請求項2の発明は、操作因
子と操作量の決定基準を不織布製造プロセスの運転方法
に応じて複数作成しておき、それらの運転条件に適した
決定基準を選択し、異常部箇所を同時に制御することを
特徴とする請求項1に記載の不織布製造プロセスの目付
け分布制御方法である。
量に対して、スムージング処理しておくことによってノ
イズを除去するので、より安定に制御される。請求項2
の発明では、不織布製造プロセスの生産速度や製品幅な
ど運転条件の違いによってプロセスの伝達関数が異なる
ことを検知し、各運転条件に最も適した制御方法を選択
することによって、すばやく異常を解消し、更により安
定に制御される。
幅方向に隣接させて重ね合わせ、広幅の不織布シートを
形成する不織布製造プロセスにおける目付分布制御方法
について、実施例を説明する。目付分布状態の制御を行
うためには、先ず、β線による厚み測定器などに依っ
て、製造中の不織布シートの目付分布状態を測定する。
図1に、目付分布状態量を示すデータの一例を示す。こ
のデータの上下の変動が小さいものほど、目付分布状態
量が均一になっていて、製品の品質が良い。このデータ
には細かいノイズが多く含まれていることがあり、目付
分布状態をより良く判別するためには、それらのノイズ
を除去する方が良い。そのためにはスムージング処理を
行う。スムージング処理としては、一般的に知られてい
る移動平均の手法が利用できる。
付分布状態の凹凸になっている箇所を検出するために、
一次微分処理を行う。一次微分処理の方法としては、差
分にて算出する。そして微係数が0になった位置を凹部
または凸部として検出するが、一次微分処理のデータが
負から正になり0点を通った場合には凹部、逆に正から
負になり0点を通った場合には凸部として検出する。図
2に、目付分布データに対してスムージング処理および
一次微分処理を行った例を示す。ここで検出された凹凸
部は、目付分布のすべての凹凸を示しており、これらを
すべて同等に制御する必要はない。実際にオペレータが
制御する場合でも、所定の品質の基準を満足するよう
に、或る程度以上に大きく凸または凹になっている部分
を異常部と見なして、所要の制御を行う。凹凸部の局所
的な目付が全体の平均目付からどの程度ずれているかを
算出し、それが或る範囲を超えていれば異常部箇所とし
て、制御の対象箇所とする。
る。凹部の中心位置から左右均等に或る幅で局所の目付
の平均を算出して、すなわち、幅AB間の平均目付を算
出し、それを凹部の局所平均目付とする。そして、その
凹部の局所平均目付と不織布シート全体の平均目付との
差の絶対値が設定した所定の或る基準値すなわち基準閾
値以上の場合に、異常部箇所であると判別する。この例
では、局所平均目付と全体平均目付の差の絶対値が基準
閾値以上であるので、この凹部は異常部であると判別
し、制御の対象にする。逆に、差の絶対値が基準閾値未
満であれば、異常部でないと判別し、制御の対象にしな
い。異常部箇所を判別した後に、凹凸の異常部箇所を均
一に制御し、不織布シート全体としてできる限り均一な
目付分布状態にするために、操作因子および操作量を決
定する。
と幅方向の位置を調節することによって、全体の不織布
シートの目付を制御する。或る単錘ウエブの目付を変化
させれば、不織布シート全体の中で、その単錘ウエブが
存在する位置の目付が変化する。或る単錘ウエブの幅方
向の位置を変化させれば、左右の隣接する単錘ウエブの
重なり方が変化し、その重なり位置の目付が変化する。
つまり不織布シート全体の中でその位置の目付が変化す
ることになる。このように各単錘ウェブについて、操作
因子は単錘ウェブの目付量と単錘ウェブの幅方向の位置
の二つある。それらが幾層か重なって全体の不織布シー
トを形成しているので、不織布シート全体の目付分布を
制御するための操作因子が非常に多く存在する。そのた
めに、異常部箇所を判別しても、どの単錘ウェブのどの
操作因子を制御すべきかを決定することが、非常に困難
である。
位置が、どの単錘ウェブの対応位置であるかを判別する
ために、単錘ウェブ存在基準位置を決定する。これは各
単錘ウェブが存在している幅方向の位置は基本的に変化
しないものとして決めたものである。実際の生産中に単
錘ウェブの存在位置は変化するが、その量は微小であっ
て目付制御を行う際の操作因子の決定には影響しない。
次に実際に異常部箇所と判定した位置と単錘ウェブ存在
基準位置を比較し、どの単錘ウェブにその異常部箇所が
存在するかを判定する。異常部箇所は一つとは限らず複
数現れる場合もあり、そのような場合には全てについて
単錘ウェブ存在位置との対応を判定する。
在位置に対する異常部箇所の現れ方の場合分けを行う。
具体的には、単錘ウェブ存在位置が5箇所あればそこに
異常部があるかないかという場合は、32通り(25 )
に分けることができる。このように異常部箇所の現れ方
は、必ず有限個の場合分けができる。そして、ある単錘
ウェブの存在位置に異常部があるかないかということが
わかっているので、どの場合になるかという判定はでき
る。それぞれの場合に対して、どの錘のどの操作因子を
操作するかという操作方法を一対一で関係付けた。操作
方法は異常部箇所の現れ方に対して必ずしも一つとは限
らないが、ここでは各異常部箇所の現れ方に対して、操
作因子の数が最小になるように且つ製造プロセス装置上
の制約を考慮した操作方法を一つに決める。各異常部箇
所の現れ方の場合を異常部箇所パターン、異常部箇所パ
ターンと操作方法の関係付けを操作ルールと呼ぶ。一連
の流れとして、判別した異常部箇所の位置と単錘ウェブ
存在基準位置を比較し、異常部箇所パターンを判別す
る。判別した異常部箇所パターンから操作ルールに従っ
て操作方法を決定する。以上のように操作因子は決定で
きる。
変化量に対する全体シートの目付変化量への影響、単錘
ウェブの幅方向位置の変化量に対する全体シートの目付
変化量への影響は定量的に把握できる。これら関係は簡
単な比例関係で表すことができ、次式のようになる。 (全体目付変化量)=α×(単錘ウェブ目付変化量)+
β×(単錘ウェブ幅方向位置変化量) α、β:各係数 従って、異常部箇所に対する各操作量は次式で計算でき
る。 (単錘ウェブ目付の操作量)=(目付偏差量)/α (単錘ウェブ幅方向位置の操作量)=(目付偏差量)/
β 目付偏差量:(前記異常部箇所の局所平均目付量)−
(前記不織布シート全体平均目付量) このように異常部箇所として判別した位置の目付量に応
じて、それぞれの操作量を決定する。
態、図5に制御後の目付分布状態を示す。このように異
常部箇所が複数存在した状態であっても、互いに干渉す
ることなく制御することができる。以上のように、この
制御方法により不織布シートの目付分布状態の制御を自
動的に且つ短時間で行うことが可能である。これによっ
て、制御方式を統一することができ、品質のばらつきを
最小にすることができるとともに、規格外製品を大幅に
減少することができた。
のシステム構成図を図6に示す。図6において、目付分
布制御を行うために操作因子や操作量を決定する制御装
置100としてはワークステーションなどの演算処理装
置を用いることができる。制御装置100は少なくとも
中央演算処理装置(CPUと略されることあり)10
1、メモリー102、入力装置103、インターフェイ
ス104等から構成される。CPU101は前記の制御
方法を適用した図7の制御手順に従って、測定した目付
分布状態量に基づき、不織布製造プロセスを監視し、異
常部箇所が存在していることを検知した場合には、その
異常を解消すべく、操作因子および操作量の決定する。
付分布状態データ、単錘ウェブ存在基準位置および操作
ルールを記憶する。入力装置103にはキーボードなど
を用いることができる。一次微分処理して得られた凹凸
部分の中から、異常部箇所として判別するために、凹凸
部分の局所平均目付と全体の平均目付との差の絶対値の
基準値を入力装置103から入力し、CPU101によ
ってメモリー102に書き込む。インターフェイス10
4は、不織布製造プロセス200において目付分布測定
器300によって測定した目付分布状態についてのデー
タを、CPU101の指示で、メモリー102に転送す
る。また、CPU101によって決定された操作因子お
よび操作量を示すデータを不織布製造プロセス200に
転送する。不織布製造プロセス200は、この操作因子
および操作量に従って進行中のプロセスを自動制御す
る。目付分布測定器300は、CPU101の指示で生
産中の不織布シートの幅方向の目付分布を測定し、イン
ターフェイス104に目付分布データを転送する。
ステム構成において、オペレータは制御に先立って、異
常部箇所を判別するための基準値を入力装置103から
入力し、メモリー102に登録する。(ステップS1
0) 次に、オペレータは不織布製造プロセスの目付分布制御
開始時に、入力装置1103から図7の制御手順の起動
を指示すると、CPU101は目付分布データの測定値
を読み出す。(ステップS20) CPU101は、この目付分布データに対してスムージ
ング処理および一次微分処理を行い、不織布シート幅全
体の平均目付量および一次微分処理から凹凸部分として
判別した異常部箇所候補である位置の局所的な平均目付
を算出する。(ステップS30→S40)
いて算出したシート幅全体の平均目付量と異常部箇所候
補の局所平均目付量の差の絶対値と、ステップS10に
おいてメモリー102に登録した異常部箇所を判別する
ための基準値を比較する。(ステップS50) この判別で、すべての異常部箇所候補の位置で全体平均
目付量と局所平均目付量の差が基準値範囲内にあるこ
と、すなわち目付分布が正常であることが確認される
と、CPU101は制御することなく手順を終了する。
何らかの原因で、少なくとも一箇所でも基準値範囲を越
えている場合、この異常がCPU101においてステッ
プS50の異常部箇所有無判別処理で検出される。
した位置と単錘ウェブ存在基準位置を比較し、操作する
べき錘を決定する。(ステップS60) 次に、実際に異常部箇所が現れた錘のパターンと操作方
法を一義的に関連付けた操作ルールによって、操作因子
を決定する。また、操作量は、ステップS40において
算出したシート幅全体の平均目付量と異常部箇所候補の
局所平均目付量の差から決定する。(ステップS70) 以上の手順から決定した、不織布製造プロセスの目付分
布制御を行うための操作因子、操作量を不織布製造プロ
セスに設定するために、CPU101はインターフェイ
ス104を介して不織布製造プロセス200へ送信す
る。(ステップS80)
不織布製造プロセス200に送信すると、不織布製造プ
ロセス200は正常な目付分布状態に戻すべく単錘ウェ
ブの目付量または幅方向の位置を変更する。何等かの原
因で不織布製造プロセスに目付分布状態の異常が生じた
場合でも、このようにして単錘ウェブの目付量と幅方向
位置を変更することにより、目付分布異常を解消するこ
とができる。CPU101は、不織布製造プロセスへ操
作因子、操作量データが正常に送信されたことを検出す
ると、図7の制御手順を終了する。(ステップS80→
終了)
ば、連続的に不織布が製造するに際し、不織布製造プロ
セスの自動制御を行うことができ、常に均一な目付を有
する極めて安定な不織布を得ることができる。そして、
本発明による不織布製造プロセスの目付分布状態の自動
制御によって、オペレータの経験や知識が統一された操
作方法によって、すばやく良品質の製品へ制御すること
ができ、規格外の製品をできる限り少なくすることがで
きる。
に一次微分処理した例を示すグラフである。
から異常部箇所であるか否かをの判定する方法を示す説
明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 単錘ウェブを隣接させて不織布を製造す
るに当たり、その不織布において全体平均目付に対して
許容される基準閾値を設定しておき、不織布製造プロセ
スにおける不織布シートの幅方向の目付分布を測定し、
それを移動平均によってスムージング処理し、それを微
分して微係数が零である点を中心として所定の左右幅の
範囲の局所平均目付を算出し、それを基準閾値と比較し
てその差値に対応して操作因子と操作量を制御すること
を特徴とする不織布製造プロセスの目付分布制御方法。 - 【請求項2】 操作因子と操作量の決定基準を不織布製
造プロセスの運転方法に応じて複数作成しておき、それ
らの運転条件に適した決定基準を選択し、異常部箇所を
同時に制御することを特徴とする請求項1に記載の不織
布製造プロセスの目付け分布制御方法。
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JP05867095A JP3501539B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 不織布製造プロセスにおける目付分布制御方法 |
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JP05867095A JP3501539B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 不織布製造プロセスにおける目付分布制御方法 |
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JPH08260309A JPH08260309A (ja) | 1996-10-08 |
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Country Status (1)
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---|---|---|---|---|
WO2018066108A1 (ja) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | 三菱電機株式会社 | 時系列データ処理装置 |
-
1995
- 1995-03-17 JP JP05867095A patent/JP3501539B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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