JP2691926B2 - 厚さのプロフィール制御方法 - Google Patents

厚さのプロフィール制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、シート状の製品の幅方向の厚さのプロフ
ィールを制御する方法に関し、特に紙の坪量のプロフィ
ールを制御するのに好適な厚さのプロフィール制御方法
に関するものである。
<従来技術> 第6図に抄紙機の概念図を示す。第6図において、原
料であるパルプはスライスリップ1の間隙からワイヤパ
ート2に吐出され、シート状にされる。このシートの厚
さ(絶乾坪量)のプロフィールは絶乾坪量センサ3で検
出される。x1〜xNは測定した絶乾坪量を表わす。この絶
乾坪量x1〜xNは制御部4に入力され、別に入力される設
定値との偏差から操作量u1〜uNが演算され、この操作量
によりスライスボルト5が操作され、スライスリップ1
の間隙のプロフィールが制御される。このようにしてシ
ートの厚さのプロフィールが一定になるように制御す
る。
この様な抄紙機においては、隣接するスライスボルト
の位置におけるスライスリップの間隙開度の差に制限が
あり、むやみな値をとることは出来ない。その為、スラ
イスリップの開度にリミットチェックをかけるようにす
る。すなわち、時点nにおけるj番目のスライスボルト
の点のスライスリップの開度をMn,jとし、Lを開度の
差の制約値とすると、 |(Mn,j−1+Mn,j+1)/2−Mn,j|≦Lの条件が
満たされているかをチェックし、満たされていないとそ
のスライスボルトの位置と隣接する2つのスライスボル
トの位置におけるスライスリップの開度に対して次のよ
うな荷重平均を行って、各スライスボルトの位置におけ
るスライスリップの開度Mn,j−1、 Mn,j、M
n,j+1を求めるようにする。
αk:荷重係数 このようにすることにより、スライスリップの開度を制
限しつつ厚さのプロフィールの制御が可能になる。
<発明が解決すべき課題> しかしながら、この様な厚さの制御方法では、制御部
によって求めた最適なスライスリップの開度を荷重平均
をとることで変更する方法であるため、最適な制御を行
うことが出来ないという課題があった。
<発明の目的> この発明の目的は、ファジイルールを用いることによ
り、制御性を悪化させないでスライスリップの開度の制
限が出来る厚さのプロフィール制御方法を提供すること
にある。
<課題を解決する為の手段> 前記課題を解決するために本発明では、隣接するスラ
イスボルトの位置におけるスライスリップの間隙の差に
ファジイルールを適用し、スライスリップ間隙の大きさ
を修正するよにしたものである。
<作用> ファジイルールの適用により、制御性を害すること無
くスライスリップの開度の制限が出来る。
<実施例> 第1図に本発明に係る厚さのプロフィール制御方法を
実現する装置の構成を示す。第1図において、10は抄紙
機を構成するプロセスであり、第6図に示したスライス
ボルト5、絶乾坪量センサ3などが含まれる。11は偏差
演算ブロックであり、プロセス10の出力である絶乾坪量
測定値が入力され、別に入力される設定値との偏差が演
算される。12はPIコントローラであり、偏差演算ブロッ
ク11で演算された偏差が入力され、比例積分演算により
スライスボルト5の操作量を演算、出力する。PIコント
ローラ12はスライスボルトの数に対応して複数個設けら
れる。13は非干渉化ブロックであり、PIコントローラ12
の出力が入力される。通常、あるスライスボルトを操作
するとその位置だけでなくその周辺のスライスボルトの
位置のスライスリップ開度まで変化する干渉性が生じ
る。その為、非干渉化ブロック13によりマトリックス演
算を行って、干渉性を排するようにする。14はリミット
チェック部であり、この発明の本体をなす。このリミッ
トチェック部14には非干渉化ブロック13の出力が入力さ
れ、ファジイルールによりスライスリップの開度を制限
する操作量を演算して出力する。この操作量はプロセス
10内のスライスボルトに供給される。
次に、リミットチェック部14の動作を説明する。リミ
ックチェック部14は次の6つのファジイルールによりス
ライスリップの開度のリミットチェックを行う。
if(Mj−Mj-1)is Zero thenΔMj is zero if(Mj−Mj-1)is Positive thenΔMj is Negative if(Mj−Mj-1)is Negative thenΔMj is Positive if(Mj−Mj+1)is Zero thenΔMj is Zero if(Mj−Mj+1)is Positive thenΔMj is Negative if(Mj−Mj+1)is Negative thenΔMj is Positive 但し、Mjはi番目のスライスボルトの位置におけるスラ
イスリップの開度であり、ΔMjは開度の修正値である。
すなわち、非干渉化ブロック13の出力で規定されるスラ
イスリップの開度Mjはリミットチェック部14によってMj
+ΔMjに修正される。このファジイルールの意味を第2
図を用いて説明する。第2図において、Lmは隣接するス
ライスボルトの位置におけるスライスリップの開度の差
の制限値、Mj-1、Mj、Mj+1はそれぞれ位置j−1、j、
j+1におけるスライスリップの開度を表わす。(A)
は前述のルールに対応するものであり、開度の差が制
限値Lm以下の時は修正値ΔMjはゼロにされ、修正を行わ
ないことを表わす。(B)はルールに対応するもので
あり、Mjが制限値Lmを上方側に越えたときには、負の修
正値ΔMjを発生させてMjを下方に修正し、制限値内に収
めることを表わす。(C)はルールに対応するもので
あり、Mjが下方に制限値を越えた場合を表わす。この時
は正の修正値ΔMjを発生させてMjを上方に修正し、制限
値内に引き戻すようにする。(D)、(E)、(F)は
それぞれルール〜に対応するものであり、MjとMj+1
の関係を表わすことを除いては(A)、(B)、(C)
と同じなので、説明を省略する。
第3図にメンバーシップ関数の一例を示す。
(A)は前述のルールの前件部(ifとthenにはさまれた
部分)に適用されるメンバーシップ関数であり、横軸は
(Mj−Mj-1)または(Mj−Mj+1)を表わす。このメンバ
ーシップ関数はリミットの上限Lmu、リミット下限Lmd
交差するNegative、Zero、Positiveの3つの関数から構
成されている。(B)は結論部すなわち「then」以下の
部分に適用されるメンバーシップ関数であり、横軸は修
正値ΔMjを表わす。このメンバーシップ関数は負側で値
を持つNegative、正側で値を持つPositive、ゼロ付近で
値を持つZeroの3つの関数から構成されている。ファジ
イ演算の方法は公知の方法を用いる。なお、メンバーシ
ップ関数は第4図に示すような非線形のものであっても
よい。
次に、第5図のフローチャートに基づいてこの実施例
の動作を説明する。まず、偏差演算ブロック11の出力に
基づいてPIコントローラ12は各スライスボルトに供給す
る為の出力を演算し、非干渉化ブロック13に出力する。
非干渉化ブロック13はこの出力を非干渉化し、リミット
チェック部14に出力する。リミットチェック部14は前述
した方法でファジイ推論により修正値を推論し、スライ
スリップの間隙の差が制限値内になるように修正して、
各スライスボルトに出力する。なお、推論の状況をCRT
などの表示部に表示することにより、オペレータは推論
状況を把握することが出来る。
なお、この実施例では紙の絶乾坪量のプロフィール制
御の例を説明したが、プラスチックフィルムや鉄板など
の厚さのプロフィール制御に用いることも出来る。
また、PIコントローラ12はファジイ推論によって操作
量を演算するものであってもよい。
<発明の効果> 以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、こ
の発明ではスライスリップの間隙の制限値を満足するよ
うに、ファジイ推論によりスライスリップの間隙量を修
正するようにした。その為、制限値を満足しつつ最適な
制御を行うことが出来るという効果がある。
また、メンバーシップ関数の形を変えることにより、
非線形なリミットチェックなど種々のリミットチェック
を行うことが出来るという効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る厚さのプロフィールの制御方法を
実現する装置の構成図、第2図はファジイルールを説明
するための図、第3図及び第4図はメンバーシップ関
数、第5図は制御の手順を示すタイムチャート、第6図
は抄紙機の概念図である。 10……プロセス、11……偏差演算ブロック、12……PIコ
ントローラ、13……非干渉ブロック、14……リミットチ
ェック部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスライスボルトによりスライスリッ
    プの間隙のプロフィールを変化させ、この間隙に原料を
    通してシートにする装置における厚さのプロフィール制
    御方法において、 隣接するスライスボルトの位置におけるスライスリップ
    の間隙の差にファジイルールを適用し、スライスリップ
    の間隙量を修正するようにしたことを特徴とする厚さの
    プロフィール制御方法。
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