JP3501040B2 - 緊急車両の誘導経路探索方法 - Google Patents

緊急車両の誘導経路探索方法

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JP3501040B2
JP3501040B2 JP29125899A JP29125899A JP3501040B2 JP 3501040 B2 JP3501040 B2 JP 3501040B2 JP 29125899 A JP29125899 A JP 29125899A JP 29125899 A JP29125899 A JP 29125899A JP 3501040 B2 JP3501040 B2 JP 3501040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 複数の緊急車両
が、1又は複数の場所に速やかに到達できるように誘導
経路を探索する緊急車両の誘導経路探索方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】火災、犯罪、交通事故、急病などの通報
があり、発生現場が特定されたとき、緊急車両をできる
だけ短時間でその現場に到着させる必要がある。このた
めには、現場に行く緊急車両を、待機中又は走行中の車
両の中から選択し、緊急車両を現場まで速やかに誘導す
る。緊急車両を速やかに誘導するには、最短の経路を走
行させるための経路情報の提供が必要である(特開平7
−306994号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、事故や災害
などの規模や性質によっては、複数の緊急車両を現場に
向かわせることがある。また向かわせる現場も単一でな
く、複数であることもある。例えば、事案発生現場と緊
急配備位置とにそれぞれ、1又は複数台の緊急車両を向
かわせることがある。複数の緊急車両が同一の道路をほ
ぼ同時に走行したり、同一の交差点にほぼ同時に進入す
ると、交通事故発生の危険性が高くなるため、このよう
な状況(以下「抵触」ということがある)を回避するこ
とが重要である。
【0004】図11を用いて概念的に説明する。図11
で、地点A〜D,J〜Nは交差点を表す。地点Xで事案
が発生した場合、2台の緊急車両2a,2bが、地点P
a,Pbに存在していたとする。すぐに経路探索を行う
が、独立に探索すると、2台の緊急車両2a,2bが交
差点Aに同時に入ってしまう可能性がある。また、同一
の道路を併走することがある。このため、緊急車両同士
が接触して交通事故をおこすおそれがある。
【0005】そこで、本発明は、複数の緊急車両を現場
に向かわせる場合に、緊急車両同士の交通事故を回避す
ることができる緊急車両の誘導方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1) 本発
明の緊急車両の誘導経路探索方法は、複数の緊急車両の
現在位置を出発地として誘導経路の経路探索を行い、こ
の経路探索過程において、最初に探索した緊急車両が道
路を走行する時刻から一定時間C1を経過するまでに、
他の緊急車両が同一の道路を探索するときはこの道路の
経路探索を禁止し、一定時間C1の経過後は、経路探索
を許容する方法である(請求項1)。前記の方法によれ
ば、複数の緊急車両を1又は複数の現場に向かわせる場
合に、しきい値C1よりも短い時間内で同一の道路を走
行しないようにすることができるので、緊急車両同士の
交通事故を回避することができる。
【0007】図11を例にとって説明すれば、緊急車両
2bに対しては、交差点Jで右折する経路(破線で示
す)を探索することにより、緊急車両2aと同時に交差
点Aに入る可能性をなくすことができる。
【0008】前記しきい値は、当該道路ごとに固定され
た値でもよく、当該道路から事案発生現場までの距離に
より決めてもよい(請求項)。前者の場合、当該道路
の種別(高速道路、一般道路等)、道路幅、道路の車線
数、規制速度などにより、当該道路ごとに固定される。
後者の場合、事案発生現場までの距離が近いほどしきい
値を小さく、事案発生現場までの距離が遠いほどしきい
値を大きくとる。本発明の緊急車両の誘導経路探索方法
は、複数の緊急車両の現在位置を出発地として誘導経路
の経路探索を行い、この経路探索過程において、最初に
探索した緊急車両が交差点を通過する時刻から一定時間
C2を経過するまでに、他の緊急車両が同一の交差点を
探索するときはこの交差点の経路探索を禁止し、一定時
間C2の経過後は、経路探索を許容する方法である(請
求項)。
【0009】前記の方法によれば、複数の緊急車両を現
場に向かわせる場合に、しきい値C2よりも短い時間内
同一の交差点に進入しないようにすることができるの
で、緊急車両同士の交通事故を回避することができる。
交差点の進入方向については、同方向の場合もあれば、
逆方向、あるいは90度の方向の場合があるが、方向に
かかわらず、しきい値C2よりも短い時間内で進入しな
いようにする。しきい値C2は、当該交差点ごとに固定
された値でもよく、当該交差点から事案発生現場までの
距離により決めてもよい(請求項)。前者の場合、当
該交差点の分岐数、当該交差点でクロスする道路の道路
幅、車線数、規制速度などにより、当該交差点ごとに固
定される。後者の場合、事案発生現場までの距離が近い
ほどしきい値を小さく、事案発生現場までの距離が遠い
ほどしきい値を大きくとる。
【0010】また、しきい値C2は、当該交差点へ進入
した後、同一の道路に出ていくか、異なる道路に出てい
くかにより異なる値としてもよい(請求項5)。同一の
道路に出ていく場合、衝突を起こすおそれは比較的大き
いので、しきい値を大きくとり、異なる道路に出ていく
場合、衝突を起こすおそれは比較的小さいので、しきい
値を小さくとる。
【0011】
【0012】
【0013】(2)本発明の緊急車両の誘導経路探索方法
は、目的地から逆方向に経路探索して、到達の早い順に
緊急車両を選定し、当該探索された経路を誘導経路とし
て決定し、選定された緊急車両のうち、2台目以後の緊
急車両が、他の緊急車両とほぼ同時に同一の道路を走行
するか、又はほぼ同時に同一の交差点に進入するどうか
判定し、他の緊急車両とほぼ同時に同一の道路を走行
し、又はほぼ同時に同一の交差点に進入する場合は、当
該緊急車両の誘導経路を再探索する方法である(請求項
6,7)。
【0014】これらの方法は、目的地から逆方向に経路
探索して、到達の早い順に緊急車両を選定し、当該探索
された経路を誘導経路として決定する。したがって、最
も早く到達した緊急車両については、誘導経路が確定す
る。2台目以後の緊急車両は、他の緊急車両とほぼ同時
に同一の道路を走行するか、又はほぼ同時に同一の交差
点に進入する可能性があるので、これを判定し、もし抵
触の可能性があれば、この抵触を避けるために、誘導経
路を再探索する。
【0015】この発明によれば、緊急車両の台数が比較
的少なく、抵触の可能性が低いときは、緊急車両と誘導
経路を、逆方向の探索で一度に決定することができる。
また、抵触の可能性がある時でも、少なくとも1台目の
緊急車両は、1回の経路探索で決まるので、現場に早く
到達させることができる。(3) 本発明の緊急車両の誘導経路探索方法は、緊急車両
の優先度を設定し、優先度の高い緊急車両の順に経路探
索を行い、当該経路探索を行うときは、より優先度の高
い緊急車両が道路を走行する時刻から一定時間C1を経
過するまでに、他の緊急車両が同一の道路を探索すると
きはこの道路の経路探索を禁止し、一定時間C1の経過
後は、経路探索を許容する方法である(請求項)。ま
た、本発明の緊急車両の誘導経路探索方法は、緊急車両
の優先度を設定し、優先度の高い緊急車両の順に経路探
索を行い、当該経路探索を行うときは、より優先度の高
い緊急車両が交差点を通過する時刻から一定時間C2を
経過するまでに、他の緊急車両が同一の交差点を探索す
るときはこの交差点の経路探索を禁止し、一定時間C2
の経過後は、経路探索を許容する方法である(請求項
)。
【0016】これらの方法は、緊急車両の優先度を初め
から固定し、優先度が下がるごとに経路探索を繰り返し
行う。そのとき、より優先度の高い緊急車両と、一定時
間C1以内に同一の道路を走行しないように、又は一定
時間C2以内に同一の交差点に進入しないように、当該
緊急車両の誘導経路を探索する。したがって、複数の緊
急車両を現場に向かわせる場合に、緊急車両同士の交通
事故を回避することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面を参照しながら詳細に説明する。 <システム構成>図1は、緊急車両の誘導方法を実施す
る交通管制センタ1の構成を概念的に示すブロック図で
ある。交通管制センタ1は、路上に設けられた双方向光
ビーコン3と通信回線5を通して結ばれている。双方向
光ビーコン3は、緊急車両2及び一般車両4と双方向通
信をするものである。また、道路に配置された信号機6
を制御するために、通信回線を通して信号機6とも結ば
れている。
【0018】交通管制センタ1は、処理装置12,経路
計算装置13、道路地図データベース14などを備えて
いる。処理装置12には、災害、事故などの通報が通信
回線7を通して入力されるようになっているとともに、
双方向光ビーコン3から通信回線5を通して緊急車両や
一般車両の車両情報(車両特定番号、車両の現在位置な
どの情報)が入力されるようになっている。また、双方
向光ビーコン3を通して誘導情報を緊急車両に提供す
る。
【0019】なお、緊急車両との通信をする手段とし
て、以下、双方向光ビーコン3を例にあげて説明する
が、これ以外に専用移動無線なども活用することが望ま
しい。専用移動無線を利用すれば、通信速度は遅くなる
が、細街路などよりきめの細かい経路誘導を行うことが
できる。処理装置12は、前記入力された情報に基づい
て、災害、事故などの現場(以下「事案現場」という)
を特定するとともに、必要ならば緊急車両を待機させる
緊急配備位置を特定し、事案現場又は緊急配備位置に配
備させる1又は複数の緊急車両を決定して、当該緊急車
両の誘導情報を出力し、さらに、当該緊急車両の走行を
円滑にするために信号機6の制御情報を出力する。
【0020】経路計算装置13は、処理装置12から緊
急車両の位置情報、事案現場及び緊急配備位置の位置情
報を得て、道路地図データベース14の地図データに基
づいて各緊急車両の誘導経路を計算して出力するもので
ある。道路地図データベース14に記憶されている道路
地図データは、道路地図(高速自動車国道、自動車専用
道路、国道、都道府県道、政令指定都市の道路、市町村
道、生活道路のような細街路、施設・エリア内の道路を
含む)をメッシュ状に分割して、各メッシュ単位でノー
ドとリンクとの組み合わせからなる道路データを記憶す
るとともに、交通規制のデータを記憶している。
【0021】前記「リンク」とは、道路区間を直線で近
似したベクトルのことをいい、「ノード」とは、リンク
の始端点、終端点、又は折れ曲がり点のことをいう。リ
ンクを通過するときの走行時間をリンクコストといい、
あるリンクから当該リンクに接続する他のリンクに移動
するときの接続コスト(信号待ちの平均時間など)も考
慮したときのリンクコストをアークコストという。本発
明では、緊急車両の走行を想定しているので、緊急車両
の緊急時の平均走行速度を前提としたリンクコストとな
っており、また、緊急時の走行では、通常信号を無視す
るので、アークコストとリンクコストの差は小さな値に
なっている。
【0022】交通規制のデータとしては、一般に、転回
禁止、右左折の禁止、一方通行などがあるが、本発明で
は、緊急車両の走行を想定しているので、一般車両に対
する交通規制を適用しないで、緊急車両に対する交通規
制のみを考慮したデータとなっている。例えば、転回禁
止の道路でも、図11に示すように、緊急車両2aの転
回を許容し(具体的には、当該リンクからつながる当該
リンクと180度方向の違うリンクへの接続コストを非
常に小さな値にする)、右左折の禁止の交差点でも右左
折を許容する。
【0023】さらに、交通管制センタ1は、常時、渋滞
情報、事故情報、工事情報などを入手しており、これら
の情報に基づいて道路地図データを更新している。した
がって、リンクコストやアークコストは、現在時点の渋
滞度、渋滞長、事故、工事などを加味した、緊急車両の
緊急時の速度を前提としたものとなっている。 <全体の流れ>以下、事案が発生してから、交通管制セ
ンタ1において緊急車両の誘導情報と信号機6の制御情
報を出力するまでの流れを簡単に説明する。
【0024】図2は、事案が発生してから緊急車両を配
備するまで流れを例示するフローチャートである。処理
装置12は、双方向光ビーコン3、専用回線を使ったデ
ータ通信、無線電話などを通して常時緊急車両の位置を
監視しており(ステップS1)、事案が発生すると(ステ
ップS2)、事案発生現場を入力する(ステップS3)。
そして対象となる緊急車両を決定する(例えば事案発生
現場から一定の距離範囲内にある緊急車両、又は管轄区
域内の緊急車両を抽出する;ステップS4)。また、必
要なときは緊急配備位置(緊急配備は主にパトカーを対
象とする)を決定する(ステップS5)。
【0025】次に対象となる緊急車両と事案発生現場の
位置、緊急配備位置とを考慮して、緊急車両が最も早く
到達できるように誘導経路の探索を行う(ステップS
7)。この探索により、各緊急車両の目的地が自動的に
決定され、各誘導経路が決定される(ステップS7)。こ
の後各緊急車両に誘導経路情報、注意情報を双方向光ビ
ーコン3を通して送信し(ステップS8)、信号機6に対
して誘導が円滑にできるように信号機制御情報を送信す
る(ステップS9)。
【0026】図3は、緊急車両が目的地に向かって走行
を始めた後に、緊急車両の位置を監視して、予定どおり
の走行ができないときの対策の流れを示すフローチャー
トである。緊急車両の現在位置を監視し(ステップT
1)、指示した誘導経路を走行しているかどうかをチェ
ックする(ステップT2)。一部の緊急車両が誘導経路を
走行していないときは(ステップT3のNO)、再度経路
探索を実施する(ステップT4)。
【0027】すべての緊急車両が誘導経路を走行してい
るときは、時々刻々の誘導経路上の予定位置と現在位置
とを表示し(ステップT5)、位置の差が大きいときは
(ステップT6のYES)、緊急車両がこれから先、誘導
経路の各地点を通過する時刻を再計算し(ステップT
7)、複数の緊急車両がほぼ同時刻に同一の道路を通っ
たり、ほぼ同時刻に同一の交差点を通ったりするおそれ
があれば、当該緊急車両に注意情報を送信する(ステッ
プT9)。
【0028】図4は、事案処理が終了した場合の、流れ
を示すフローチャートである。事案処理が終了すると、
信号機制御の解除信号を送信する(ステップU1;な
お、この解除信号の送信は、当該交差点を緊急車両が通
過し終えた時点でその交差点ごとに行ってもよい)。そ
して、指示した誘導経路を走行しない車両があった場合
(ステップU2のYES)、原因を究明し、必要に応じて
定数やロジックを変更する(ステップU3)。
【0029】リンクごとの実績旅行時間を算出し(ステ
ップU4)、そのリンクの、当該時刻の渋滞度や渋滞長
を参照して(ステップU5)、リンクコストと、渋滞度や
渋滞長との相関係数を補正する(ステップU6)。これに
より、信号待ちがほとんどなく、交通規制もある程度無
視することのできる緊急車両の緊急時の走行特性を、学
習修正して、徐々に経路のリンクコスト精度、走行予定
時刻の確度を向上させていくことができる。
【0030】<誘導経路の算出>次に、経路計算装置1
3の行う誘導経路の算出方法について詳細に説明する。
経路計算装置13は、道路地図データベース14に格納
されている道路地図データを読み出し、この道路地図デ
ータのリンク情報をリンクテーブルといわれる一時記憶
領域に格納し、ノード情報をノードテーブルといわれる
一時記憶領域に格納する。そして、リンクテーブル、ノ
ードテーブルのデータを一時記憶領域であるピボットテ
ーブルに出し入れすることにより、経路の探索を進めて
いく。探索が終わった時点では、リンクテーブルに入っ
ているデータが、探索結果である誘導経路を表すデータ
となる。
【0031】リンクテーブルには、道路地図データから
移すリンク番号、リンクコスト、リンクの始端地点、終
端地点、退出リンクなどの情報の他、経路探索の過程で
必要となる「既設定フラグ」「既設定コスト」「既設定
緊急車両」の情報などを格納する。「既設定フラグ」
は、すでにいずれかの緊急車両が探索済みのリンクに付
けられる印である。「既設定コスト」は、すでにいずれ
かの緊急車両が当該リンクを探索している場合、当該緊
急車両の出発地から足していった経路コストである。
「既設定緊急車両」は緊急車両を識別する番号である。
【0032】ノードテーブルには、道路地図データから
移すノード番号、交差点有無、交差点名称、ノード座標
などの情報の他、経路探索の過程で必要となる「既通過
フラグ」「既通過コスト」「既通過緊急車両」の情報な
どを格納する。「既通過フラグ」は、すでにいずれかの
緊急車両が通過済みのノードに付けられる印である。
「既通過コスト」は、すでにいずれかの緊急車両が当該
ノードを通過している場合、当該緊急車両の出発地から
当該ノードに入るまで足していった経路コストである。
「既通過緊急車両」は緊急車両を識別する番号である。
【0033】<誘導経路の算出方法1>図5及び図6
は、事案が発生した後、複数台の緊急車両を特定し、1
台又は複数台の緊急車両をいち早く事案現場に向かわ
せ、他の緊急車両を緊急配備位置に配置することを目的
とした誘導経路の算出方法1を説明するためのフローチ
ャートである。まず、複数の緊急車両の現在位置を特定
し、各テーブルの前処理(データのクリア)を行う(ス
テップV1)。なお、出発準備が整わず出発の遅れる緊
急車両があれば、当該遅れる緊急車両の経路コストの初
期値を、0でなく、遅れる時間分だけ予め設定してお
く。各緊急車両から同時に探索子を延ばしていく。最初
の目的地は事案発生現場とする。
【0034】ステップV2においてリンクの探索を行
う。この探索はバケット法により経路コストの小さい順
に経路を確定していく。この過程でピボットテーブルか
ら探索するリンクを取り出して、参照する。事案発生現
場を目的地とする経路が探索済みであるかどうか判定す
る(ステップV3)。探索済みでなければ、事案発生現場
に着いたかどうか判定し(ステップV4)、探索済みであ
れば、緊急配備位置に着いたかどうか判定する(ステッ
プV5)。
【0035】いずれも着いていなければ、当該探索リン
クの既設定フラグを参照し(ステップV6)、既設定フラ
グの設定があるかどうか調べる(ステップV7)。既設定
フラグの設定があるということは、他の緊急車両の探索
子が当該探索リンクをすでに通過している、ということ
である。なお、既設定フラグの設定があるかどうかは、
当該探索リンクについて調べるのが原則であるが、例え
ば道路幅が狭く対向車線のない道路がある。このような
道路で、他の緊急車両とすれ違うことを回避したいので
あれば、当該探索リンクと反対方向のリンクについて
も、既設定フラグを調べる必要がある。
【0036】設定があれば、当該緊急車両の経路コスト
を、既設定の経路コストと比較し(ステップV8)、当該
緊急車両の経路コストが既設定の経路コストよりも、し
きい値C1以上大きいかどうか判定する(ステップV
9)。ここでしきい値C1は、複数の緊急車両が、ほぼ
同時に同一の道路を走行しないように、設定されるコス
トである。しきい値C1を当該道路ごとに固定された値
としてもよく、当該道路から事案発生現場までの距離に
より決めてもよいことは、すでに説明したとおりであ
る。
【0037】既設定の経路コストよりもしきい値C1以
上大きくない場合(つまり、既設定の経路コストより大
きく、既設定の経路コスト+C1よりも小さな場合であ
る)は、探索子を延ばしていくと他の緊急車両とほぼ同
時に同一の道路を走行してしまうので、探索子を延ばし
ていくことをやめ、ステップV2に戻り、他の探索リン
クについて探索を続ける。したがって、既設定の経路コ
ストよりもしきい値C1以上大きくない探索リンクにつ
いては探索が凍結される。この凍結は、後に図6に基づ
いて説明するように、探索リンクの既設定フラグ、既設
定経路コスト、既設定緊急車両がクリアされると解除さ
れる。
【0038】ステップV7で既設定フラグの設定がない
場合、又はステップV9で既設定の経路コストよりもし
きい値C1以上大きいときは、他の緊急車両の探索子が
当該探索リンクを通過していない、又は他の緊急車両の
探索子が当該探索リンクを通過したとしても時間が経過
していると判断できるの、次のステップV10に進む。
ステップV10では、探索ノードの既通過フラグを参照
する。この既通過フラグは、他の緊急車両の探索子が当
該ノードをすでに通過していると設定されるフラグであ
る。
【0039】既通過フラグの通過があれば(ステップV
11のYES)、当該緊急車両の経路コストを、既設定
の既通過コストと比較し(ステップV12)、当該緊急車
両の経路コストが既通過の経路コストよりも、しきい値
C2以上大きいかどうか判定する(ステップV13)。こ
こでしきい値C2は、複数の緊急車両が、ほぼ同時に同
一の交差点に進入しないように、設定されるコストであ
る。しきい値C2は、当該交差点ごとに固定された値と
してもよく、当該交差点から事案発生現場までの距離に
より決めてもよい。
【0040】既設定の通過コストよりもしきい値C2以
上大きくない場合(つまり、既設定の通過コストより大
きく、既設定の通過コスト+C2よりも小さな場合であ
る)は、探索子を延ばしていくと他の緊急車両とほぼ同
時に同一の交差点に進入してしまうので、探索子を延ば
していくことをやめ、ステップV2に戻り、他の探索リ
ンクについて探索を続ける。したがって、既設定の通過
コストよりもしきい値C2以上大きくない探索リンクに
ついては探索が凍結される。この凍結は、後に図6に基
づいて説明するように、探索ノードの既通過フラグ、既
通過コスト、既通過緊急車両がクリアされると解除され
る。
【0041】ステップV11で既通過フラグの設定がな
い場合、又はステップV13で既通過のコストよりもし
きい値C2以上大きいときは、他の緊急車両の探索子が
当該探索ノードを通過していない、又は他の緊急車両の
探索子が当該探索ノードを通過したとしてもほぼ同時で
はないと判断できるので、次のステップV14に進む。
ステップV14では、当該探索リンクの既設定フラグを
オンにし、既設定コストに当該緊急車両の経路コストを
登録し、既設定緊急車両を当該緊急車両とする。これに
より当該緊急車両の探索済みの経路が既設定となり、こ
の後に探索される緊急車両が、ほぼ同時に同一の道路を
走行するのを排除できる。
【0042】ステップV15では、当該探索ノードの既
通過フラグをオンにし、既通過コストに当該緊急車両の
経路コストを登録し、既通過緊急車両を当該緊急車両と
する。これにより当該緊急車両の探索済みのノードが既
通過となり、この後に探索される緊急車両が、ほぼ同時
に同一の交差点に進入するのを排除できる。そして、ス
テップV16において、当該探索リンクに接続するリン
クをピボットテーブルに登録する。
【0043】以上のような複数の緊急車両について同時
に経路探索を続けていって、探索リンクが事案発生現場
に到達したとすると、(ステップV4のYES)、図6の
ステップV20に進む。図6のステップV20では、当
該緊急車両を事案発生現場に向かう緊急車両に決定す
る。事案発生現場への経路探索が、所要の台数の緊急車
両について完了したかどうかをチェックして(ステップ
V22)、完了していなければ、次の経路探索の目的地
は事案発生現場とする(ステップV25)。
【0044】そして、今回求めた誘導経路を確定して記
憶し(ステップV26)、既設定緊急車両が当該車両とな
っているリンクをすべて参照して(ステップV27)、そ
れらのリンクのうち、当該誘導経路上にないリンクの既
設定フラグ、既設定コスト、既設定緊急車両をすべてク
リアする(ステップV28)。これにより確定した誘導経
路以外の経路、すなわち探索子を延ばしただけで、最適
経路として採用されなかった経路については、この後、
他の緊急車両が、自由に通過できるようにしたのであ
る。なお、確定した誘導経路上のリンクについては、既
設定フラグ等をクリアしないので、この後に探索される
緊急車両が、ほぼ同時に同一の道路を走行するのを排除
できる。
【0045】また、既通過緊急車両が当該車両となって
いるノードをすべて参照して(ステップV29)、それら
のリンクのうち、今回通過しないノードの既通過フラ
グ、既通過コスト、既通過緊急車両をすべてクリアする
(ステップV30)。これにより確定した誘導経路上にな
い交差点、すなわち探索子を延ばしただけの交差点につ
いては、この後、他の緊急車両が、自由に進入すること
ができる。なお、確定した誘導経路上のノードについて
は、既通過フラグ等をクリアしないので、この後に探索
される緊急車両が、ほぼ同時に同一の交差点に進入する
のを排除できる。
【0046】以下、ステップV2に戻り、事案発生現場
を目的地とする経路探索を続ける。所要の台数の緊急車
両について、事案発生現場への経路探索が完了すると、
ステップV3において、YESが選択されるようにな
り、探索リンクが緊急配備位置に着いたかどうか判定す
る(ステップV5)。緊急配備位置に着いた場合は、ステ
ップV21に進み、当該緊急車両を緊急配備位置に向か
う緊急車両に決定する。
【0047】そして、事案発生現場への経路探索が所要
の台数の緊急車両について完了したかどうかをチェック
して(ステップV22)、完了していれば、ステップV2
2のYESを選択することになる。「所要の台数」と
は、予め入力された、事案発生現場又は緊急配備位置に
向かわせる緊急車両の台数である。すべての緊急車両が
事案発生現場又は緊急配備位置に到達したかどうかチェ
ックし(ステップV23)、まだ到達していなければ、次
の経路探索の目的地は緊急配備位置とする(ステップV
24)。
【0048】そして、今回求めた誘導経路を確定して記
憶し(ステップV26)、以下、前述したのと同様の処理
をする。ステップV23で、すべての緊急車両が事案発
生現場又は緊急配備位置に到達したと判断される場合、
ステップV31に進み、各緊急車両の誘導経路と主要時
点の通過時刻を抽出し(ステップV31)、注意情報を作
成する(ステップV32)。
【0049】ここで「注意情報」とは、ほぼ同時に同じ
道路を通過しないように、あるいはぼ同時に同じ交差点
に進入しないように経路誘導しても、緊急車両が予定速
度で走行しない場合などには抵触の危険性があるので、
その危険性を搭乗者に予め知らせるための情報である。
例えば、「次の交差点に、他の緊急車両が進入する可能
性あります」、「右折後の道路に、他の緊急車両が走行
する可能性があります」等の情報である。
【0050】以上のように、図5,図6の誘導経路の算
出方法1によれば、複数の緊急車両の現在位置から同時
に探索を開始し、事案発生現場に到達する車両を、到達
の早い順に一台ずつ決定し、その後、緊急配備位置に到
達する車両を到達の早い順に一台ずつ決定していくこと
ができる。そして、到達が遅い他の緊急車両が、先の車
両とほぼ同時に同一の道路を走行し、同一の交差点に進
入しないようにしている。ただ、複数の緊急車両につい
て同時に探索を開始するので、探索中は、最適経路上か
どうか不明である。そこで、遅い車両が、探索中の先の
車両ととほぼ同時に同一の道路を走行し、又はほぼ同時
に同一の交差点に進入する場合は、当該位置からの探索
は凍結し、先の車両の最適経路が決定された後、最適経
路上でなければ、ここからの経路探索を再開するように
している。最適経路上であった場合は、凍結は解除され
ない。
【0051】<誘導経路の算出方法2> 図7及び図8は、それぞれの緊急車両の目的地を意識し
ないで経路探索を進め、経路が交差する時点で最初に進
入した緊急車両を優先することにより、緊急車両同士が
ほぼ同時に同一道路を走行し、かつ、ほぼ同時に同一交
差点を通過することを禁止することを目的とした誘導経
路の算出方法2を説明するためのフローチャートであ
る。まず、複数の緊急車両の現在位置を特定し、各テー
ブルの前処理(データのクリア)を行う(ステップW
1)。各緊急車両から目的地を設定しないで同時に探索
子を延ばしていく。
【0052】道路地図の全探索範囲について探索が終了
したかどうかを判定し(ステップW2)、探索済みでなけ
れば、リンクの探索を行う(ステップW2a)。この探索
はバケット法により経路コストの小さい順に経路を確定
していく。この過程でピボットテーブルから探索するリ
ンクを取り出して、参照する。当該探索リンクの既設定
フラグを参照し(ステップW3)、既設定フラグの設定が
あるかどうか調べる(ステップW4)。このとき、道路幅
が狭く対向車線のない道路で、他の緊急車両とすれ違う
ことを回避したいのであれば、当該探索リンクと反対方
向のリンクについても、既設定フラグを調べる必要があ
る。
【0053】設定があれば、当該緊急車両の経路コスト
を、既設定の経路コストと比較し(ステップW5)、当該
緊急車両の経路コストが既設定の経路コストよりも、し
きい値C1以上大きいかどうか判定する(ステップW
6)。既設定の経路コストよりもしきい値C1以上大き
くない場合(つまり、既設定の経路コストより大きく、
既設定の経路コスト+C1よりも小さな場合である)
は、探索子を延ばしていくと他の緊急車両とほぼ同時に
同一の道路を走行してしまうので、当該緊急車両の経路
コスト、経路距離を最大値にし、当該探索リンク以後の
探索をうち切る(ステップW14)。そしてステップW2
に戻り、他の探索リンクについて探索を続ける。
【0054】ステップW4で既設定フラグの設定がない
場合、又はステップW6で既設定の経路コストよりもし
きい値C1以上大きいときは、他の緊急車両の探索子が
当該探索リンクを通過していない、又は他の緊急車両の
探索子が当該探索リンクを通過したとしても時間が経過
していると判断できるの、次のステップW7に進む。ス
テップW7では、探索ノードの既通過フラグを参照す
る。既通過フラグの通過があれば(ステップW8のYE
S)、当該緊急車両の経路コストを、既設定の既通過コ
ストと比較し(ステップW9)、当該緊急車両の経路コス
トが既通過の経路コストよりも、しきい値C2以上大き
いかどうか判定する(ステップW10)。
【0055】既設定の通過コストよりもしきい値C2以
上大きくない場合(つまり、既設定の通過コストより大
きく、既設定の通過コスト+C2よりも小さな場合であ
る)は、探索子を延ばしていくと他の緊急車両とほぼ同
時に同一の交差点に進入してしまうので、探索子を延ば
していくことをやめ、当該緊急車両の経路コスト、経路
距離を最大値にし、当該探索リンク以後の探索をうち切
る(ステップW14)。そしてステップW2に戻り、他の
探索リンクについて探索を続ける。
【0056】ステップW8で既通過フラグの設定がない
場合、又はステップW10で既通過のコストよりもしき
い値C2以上大きいときは、他の緊急車両の探索子が当
該探索ノードを通過していない、又は他の緊急車両の探
索子が当該探索ノードを通過したとしてもほぼ同時では
ないと判断できるので、次のステップW11に進む。ス
テップW11では、当該探索リンクの既設定フラグをオ
ンにし、既設定コストを当該緊急車両の経路コストとす
る。これにより当該緊急車両の探索済みの経路が既設定
となり、この後に探索される緊急車両が、ほぼ同時に同
一の道路を走行するのを排除できる。
【0057】ステップW12では、当該探索ノードの既
通過フラグをオンにし、既通過コストを当該緊急車両の
経路コストとする。これにより当該緊急車両の探索済み
のノードが既通過となり、この後に探索される緊急車両
が、ほぼ同時に同一の交差点に進入するのを排除でき
る。そして、ステップW13において、当該探索リンク
に接続するリンクをピボットテーブルに登録する。
【0058】道路地図の全探索範囲について探索が終了
すれば、ステップW2から図8のステップW20に移
り、リンクテーブルの事案発生現場に向かう経路コスト
を参照し、小さい順に緊急車両を決定する(事案発生現
場に一台だけ配備するのなら、経路コストの最も小さい
ものを決定する)。次に、緊急配備位置に緊急車両を配
備する必要があるかどうかを判定し(ステップW21)、
必要がなければ、ステップW28に進み、各緊急車両の
誘導経路と主要時点の通過時刻を抽出し(ステップW2
8)、注意情報を作成する(ステップW29)。
【0059】緊急配備位置に緊急車両を配備するのであ
れば(ステップW21のYES)、事案発生現場に向かわ
ない緊急車両を緊急配備位置に、1つのパターンにより
割り当てる(ステップW22)。例えば、緊急車両が5台
(41〜45とする)あり、2台41,42を事案発生
現場に向かわせ、他の3台43,44,45を緊急配備
位置P1,P2,P3に配備する場合なら、緊急車両4
3をP3に、緊急車両44をP4に、緊急車両45をP
5に配備するというのが1つのパターンとなる。
【0060】このパターンで、各緊急配備位置に到達す
る緊急車両の経路コストの総和を計算し、総和が最小に
なるまで、パターンを変えて調べていく(ステップW2
2−W26)。なお、総和が最小になるようにする方法
以外に、各緊急車両ごとの経路コストの最大値が最小に
なるように調べていく方法も考えられる。最小のパター
ンが見つかれば、その割り当てパターンに基づいて緊急
配備位置に向かう緊急車両を決定し(ステップW27)、
各緊急車両の誘導経路と主要時点の通過時刻を抽出し
(ステップW28)、注意情報を作成する(ステップW2
9)。
【0061】以上のように、この誘導経路の算出方法2
によれば、それぞれの緊急車両の目的地を意識しないで
経路探索を進めるので、すべての緊急車両、すべての目
的地に対して経路探索をする処理を一度だけすればよい
という利点がある。しかし、緊急車両が通る経路及びそ
の周辺の経路は、他の緊急車両が通ることができなくな
るので、不必要な走行制限となってしまうという可能性
がある。 <誘導経路の算出方法3>図9は、誘導経路の算出方法
3を説明するためのフローチャートである。
【0062】この誘導経路の算出方法3では、目的地か
ら逆方向の経路計算を行い、事案発生現場に最も早く到
達する緊急車両を1台決定し、事案発生現場へ向かう2
台目以後の緊急車両については、すでに決定された緊急
車両の誘導経路に抵触するかどうか調べ、抵触するなら
ば、この抵触をしないように事案発生現場への誘導経路
を順方向で再計算する。その後、緊急配備位置に向かう
緊急車両について、先に決まっている誘導経路との抵触
を避けながら改めて順方向で経路計算を行う。
【0063】まず、事案発生現場から逆方向に経路探索
をする(ステップX1)。最も早く緊急車両に到達する順
に緊急車両を選定し(ステップX2)、当該各経路を、事
案発生現場に向かう当該各緊急車両の誘導経路とする
(ステップX3)。次に、決定された緊急車両のうち、2
番目以後の緊急車両の誘導経路の経路コストを緊急車両
の位置から順方向に加算していく(ステップX4)。そし
て、すでに決定された緊急車両と、ほぼ同時に同じ道路
を通過するかどうか、あるいはぼ同時に同じ交差点に進
入するかどうか判定する(ステップX5)。この判定方法
は、すでに誘導経路の算出方法1や誘導経路の算出方法
2で説明したのと同様、しきい値(C1やC2と同等の
値)を用いて行う。
【0064】もし、同時に通過又は進入すると判定され
れば、2番目以後の緊急車両の誘導経路を、誘導経路の
算出方法1や誘導経路の算出方法2で説明したのと同じ
ような、同時通過又は同時進入を避ける方法で再計算す
る(ステップX6)。このようにして、事案発生現場に向
かう各緊急車両とその誘導経路が決定される(ステップ
X7)。事案発生現場に関しての前記処理を終えると(ス
テップX8)、残りの緊急車両に関して、緊急配備位置
への誘導経路を、誘導経路の算出方法1や誘導経路の算
出方法2で説明したのと同じような、同時通過又は同時
進入を避ける方法で方法で再計算する(ステップX9)。
【0065】そして、各緊急車両の誘導経路と主要時点
の通過時刻を抽出し(ステップX10)、注意情報を作成
する(ステップX11)。以上のように、この誘導経路の
算出方法3では、事案発生現場へ向かう2台目以後の緊
急車両については、すでに決定された緊急車両の誘導経
路に抵触するならば、この抵触をしないように誘導経路
を再計算する必要があり、その後、緊急配備位置に向か
う緊急車両についても再計算する必要がある。
【0066】したがって、経路計算の回数は多くなる
が、緊急車両の台数が少ないときには、抵触の可能性も
少ないので、少ない計算回数で済むので、効率的であ
る。 <誘導経路の算出方法4>この誘導経路の算出方法4で
は、緊急車両に優先度を付けて、優先順度の高い緊急車
両から誘導経路を決定していく。このとき、後に計算す
る経路については、誘導経路の算出方法1又は誘導経路
の算出方法2で説明したのと同じような、同時通過又は
同時進入を避ける方法で計算する。
【0067】図10は、誘導経路の算出方法4の手順を
説明するためのフローチャートである。緊急車両の優先
度を設定する(ステップY1)。一例を挙げれば、火事の
場合、消防車を優先し、次に救急車を優先し、最後にパ
トカーとする。そして優先度の高い順に緊急車両を設定
し(ステップY2)、高い順に経路探索処理をし(ステッ
プY3)、目的地に向かう緊急車両を決定していく。
【0068】1つの緊急車両の誘導経路を決定すると、
次の探索処理のため、当該経路の経路コスト情報を設定
する(ステップY6)。そして、次の緊急車両の経路探索
をするときに、誘導経路の算出方法1や誘導経路の算出
方法2で説明したのと同様、しきい値(C1やC2と同
等の値)を用いて、ほぼ同時に同じ道路を通過したり、
同時に同じ交差点に進入したりすることを避ける。すべ
ての緊急車両について、経路探索が終了すると(ステッ
プY5のYES)、各緊急車両の誘導経路と主要時点の
通過時刻を抽出し(ステップY7)、注意情報を作成する
(ステップY8)。
【0069】<その他>以上の誘導経路の算出方法1〜
4を実施した結果、2台目以後の緊急車両が、非常に大
回りの経路を余儀なくされるか、代替道路がないため2
台目以後の緊急車両の経路が算出できないことがある
(例えば、図11で、道路JK間が閉鎖されている場合
である)。この場合は、しきい値C1,C2を小さくし
て再計算し、しきい値C1,C2を小さくしていって
も、大回りな経路が残る場合は、最後には、しきい値C
1,C2を0にして再計算する。このようにしきい値と
して正規の値を用いない場合、2台以上の緊急車両が抵
触して危険な事態になることが予想されるので、より警
告的な「注意情報」を発信することが必要である。
【0070】以上で、本発明の実施の形態を説明した
が、本発明の実施は、以上に限られるものではなく、本
発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】緊急車両の誘導方法を実施する交通管制センタ
1の構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】事案が発生してから、交通管制センタ1におい
て緊急車両2の誘導情報と信号機6の制御情報を出力す
るまでの処理の流れを説明するためのフローチャートで
ある。
【図3】緊急車両が目的地に向かって走行を始めた後
に、緊急車両の位置を監視して、予定どおりの走行がで
きないときの対策を示すフローチャートである。
【図4】事案処理が終了した場合の、処理の流れを示す
フローチャートである。
【図5】事案が発生した後、複数の緊急車両を特定し、
1台の緊急車両を事案現場に向かわせ、他の緊急車両を
緊急配備位置に配置することを目的とした誘導経路の算
出方法1を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5の続きのフローチャートである。
【図7】それぞれの緊急車両の目的地を意識しないで経
路探索を進め、経路が交差する時点で最初に進入した緊
急車両を優先することにより、緊急車両同士がほぼ同時
に同一道路を走行し、かつ、ほぼ同時に同一交差点を通
過することを禁止することを目的とした誘導経路の算出
方法2を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7の続きのフローチャートである。
【図9】目的地から逆方向の経路計算を行い、事案発生
現場に最も早く到達する緊急車両を1台決定し、事案発
生現場へ向かう2台目以後の緊急車両については、すで
に決定された緊急車両の誘導経路に抵触するかどうか調
べ、抵触するならば、この抵触をしないように事案発生
現場への誘導経路を順方向で再計算する、誘導経路の算
出方法3を説明するためのフローチャートである。
【図10】緊急車両に優先度を付けて、優先順度の高い
緊急車両から誘導経路を決定していく誘導経路の算出方
法4の手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】事案が発生した場合、緊急車両2a,2bを
事案現場に向かわせる方法を説明するための概念的な地
図である。
【符号の説明】
1 交通管制センタ 2 緊急車両 3 双方向光ビーコン 4 一般車両 5 通信回線 6 信号機 12 処理装置 13 経路計算装置 14 道路地図データベース
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 G01C 21/00 G09B 29/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の緊急車両が、1又は複数の場所に速
    やかに到達できるように誘導経路を探索する緊急車両の
    誘導経路探索方法であって、 複数の緊急車両の現在位置を出発地として誘導経路の経
    路探索を行い、この経路探索過程において、最初に探索
    した緊急車両が道路を走行する時刻から一定時間C1を
    経過するまでに、他の緊急車両が同一の道路を探索する
    ときはこの道路の経路探索を禁止し、一定時間C1の経
    過後は、経路探索を許容することを特徴とする緊急車両
    の誘導経路探索方法。
  2. 【請求項2】前記「一定時間C1」は、次の(a)又は(b)
    により決定されることを特徴とする請求項1記載の緊急
    車両の誘導経路探索方法。 (a)当該道路ごとに固定された値である (b)当該道路から事案発生現場までの距離により決まる
    値である
  3. 【請求項3】複数の緊急車両が、1又は複数の場所に速
    やかに到達できるように誘導経路を探索する緊急車両の
    誘導経路探索方法であって、 複数の緊急車両の現在位置を出発地として誘導経路の経
    路探索を行い、この経路探索過程において、最初に探索
    した緊急車両が交差点を通過する時刻から一定時間C2
    を経過するまでに、他の緊急車両が同一の交差点を探索
    するときはこの交差点の経路探索を禁止し、一定時間C
    2の経過後は、経路探索を許容することを特徴とする緊
    急車両の誘導経路探索方法。
  4. 【請求項4】前記「一定時間C2」は、次の(c)又は(d)
    により決定されることを特徴とする請求項3記載の緊急
    車両の誘導経路探索方法。 (c) 当該交差点ごとに固定された値である (d) 当該交差点から事案発生現場までの距離により決ま
    る値である
  5. 【請求項5】前記「一定時間C2」は、当該交差点へ進
    入した後、同一の道路に出ていくか、異なる道路に出て
    いくかにより異なる値とする請求項3記載の緊急車両の
    誘導経路探索方法。
  6. 【請求項6】複数の緊急車両が、1又は複数の場所に速
    やかに到達できるように誘導経路を探索する緊急車両の
    誘導経路探索方法であって、 目的地から逆方向に経路探索して、到達の早い順に緊急
    車両を選定し、当該探索された経路を誘導経路として決
    定し、 選定された緊急車両のうち、2台目以後の緊急車両が、
    他の緊急車両とほぼ同時に同一の道路を走行するかどう
    か判定し、 他の緊急車両とほぼ同時に同一の道路を走行する場合
    は、当該緊急車両の誘導経路を再探索することを特徴と
    する緊急車両の誘導経路探索方法。
  7. 【請求項7】複数の緊急車両が、1又は複数の場所に速
    やかに到達できるように誘導経路を探索する緊急車両の
    誘導経路探索方法であって、 目的地から逆方向に経路探索して、到達の早い順に緊急
    車両を選定し、当該探索された経路を誘導経路として決
    定し、 選定された緊急車両のうち、2台目以後の緊急車両が、
    他の緊急車両とほぼ同時に同一の交差点に進入するかど
    うか判定し、 他の緊急車両とほぼ同時に同一の交差点に進入する場合
    は、当該緊急車両の誘導経路を再探索することを特徴と
    する緊急車両の誘導経路探索方法。
  8. 【請求項8】複数の緊急車両が、1又は複数の場所に速
    やかに到達できるように誘導経路を探索する緊急車両の
    誘導経路探索方法であって、 緊急車両の優先度を設定し、 優先度の高い緊急車両の順に経路探索を行い、 当該経路探索を行うときは、より優先度の高い緊急車両
    が道路を走行する時刻から一定時間C1を経過するまで
    に、他の緊急車両が同一の道路を探索するときはこの道
    路の経路探索を禁止し、一定時間C1の経過後は、経路
    探索を許容することを特徴とする緊急車両の誘導経路探
    索方法。
  9. 【請求項9】複数の緊急車両が、1又は複数の場所に速
    やかに到達できるように誘導経路を探索する緊急車両の
    誘導経路探索方法であって、 緊急車両の優先度を設定し、 優先度の高い緊急車両の順に経路探索を行い、 当該経路探索を行うときは、より優先度の高い緊急車両
    が交差点を通過する時刻から一定時間C2を経過するま
    でに、他の緊急車両が同一の交差点を探索するときはこ
    の交差点の経路探索を禁止し、一定時間C2の経過後
    は、経路探索を許容することを特徴とする緊急車両の誘
    導経路探索方法。
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