JP3500305B2 - 二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途 - Google Patents

二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途

Info

Publication number
JP3500305B2
JP3500305B2 JP13999598A JP13999598A JP3500305B2 JP 3500305 B2 JP3500305 B2 JP 3500305B2 JP 13999598 A JP13999598 A JP 13999598A JP 13999598 A JP13999598 A JP 13999598A JP 3500305 B2 JP3500305 B2 JP 3500305B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amorphous silica
silica particles
resin
gel
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13999598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1160231A (ja
Inventor
正範 田中
雄二 鷲尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizusawa Industrial Chemicals Ltd filed Critical Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority to JP13999598A priority Critical patent/JP3500305B2/ja
Publication of JPH1160231A publication Critical patent/JPH1160231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3500305B2 publication Critical patent/JP3500305B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二重構造を有する
非晶質シリカ粒子、その製法及び用途に関するもので、
より詳細には濃密な非晶質シリカのコアと嵩高な非晶質
シリカのシェルとの二重構造を有する非晶質シリカ粒
子、その製法及び塗料用艶消し剤等の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から塗膜表面の光沢を低下させる目
的でシリカ微粉末等を艶消し剤として塗料中に配合する
ことが行われており、この艶消し剤は塗膜表面に微細な
凹凸を形成させ、これによりグロス値を低下させるもの
である。
【0003】このような艶消し剤用シリカとしては、従
来湿式法シリカ即ちケイ酸ナトリウムを酸で中和して得
られる湿式法シリカが使用されており、例えば、特公昭
55−6669号公報には、常法により湿式製造したの
ち約800℃以上の高温で高温熱処理を施して得た約
1.448より大きい屈折率と2%を超えない強熱減量
値を有する微粉シリカを含有することを特徴とする艶消
し組成物が記載されている。
【0004】また、特開平1−298014号公報に
は、湿式法により得られるシリカを平均粒径が1〜20
μmとなるまで粉砕した後400〜1000℃の温度で
30〜120分間熱処理することから成る塗料用艶消し
剤の製造法が記載されている。
【0005】特開平2−289670号公報には、少な
くとも1.0ml/gの細孔容積1〜10ミクロンの範
囲の平均粒子寸法及びコーテイング賦形剤中に分散させ
たとき特定の粒子寸法分布を有する無機ヒドロゲルから
成る艶消し剤が記載されている。
【0006】更に、特開平5−117548号公報に
は、シリカ微粉末及び正のゼータ電位をもつ平均粒子径
0.01〜5μmの樹脂粒子を含有することを特徴とす
る艶消し塗料組成物が記載されている。
【0007】更にまた、特開平7−166091号公報
には、BET法比表面積が30乃至150m/gで
あり、吸油量が120乃至280ml/100gであ
り、嵩比重が30乃至150g/lであり、2次粒子の
平均粒子径が1.0乃至5.0μmである湿式法沈殿シ
リカをポリエチレンワックスで表面処理した塗料用艶消
し剤において、前記ポリエチレンワックスの処理量が前
記湿式法沈殿シリカ100重量部に対して4乃至12重
量部であることを特徴とする塗料用艶消し剤が記載され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来艶消し剤に使用さ
れているシリカ微粉末は、一次粒径は微細であるが、こ
れら一次粒子が凝集した不定形の二次粒子から成ってお
り、その粒子形状が不定であると共に粒度分布も広くて
不均斉であり、更に塗料中に分散した状態では、その分
散粒径を制御することが困難であるという問題を有して
いる。
【0009】即ち、塗膜表面に凹凸を形成して光沢を減
少させるのに有効に作用するシリカ粒子の粒径には一定
の制限があり、この有効粒径を下回る粒子は塗膜表面の
光沢減少には有効に役立たず、またこの有効粒径を上回
る粒子は塗膜表面にブツを形成して、塗膜の外観特性や
表面特性を損うという欠点がある。しかも、公知のシリ
カ系艶消し剤では粉砕や分級等により、前記有効よりも
大きな粒子の含有量を低減させることはできても、これ
により有効粒径よりも小径の粒子の含有量が増大し、こ
れにより以下に述べる不都合が発生する。
【0010】先ず、表面光沢減少に役立つ有効粒径の粒
子の含有量が少ないため、塗料当りのシリカ系艶消し剤
の配合量を多くしなければならず、そのためのコストが
必要となり、配合操作も面倒となる。また、塗料中に有
効粒径よりも小粒径の粒子が含有されるようになると、
これにより塗料の粘度が増大して塗装作業性が低下する
という問題があり、更に塗料中に存在する小粒径粒子の
存在により、塗膜の色相がくすんだものとなったり、塗
膜の強靭性等の機械的性質が低下したりするという欠点
もある。また、小粒径の凝集した粒子等を含む塗膜では
摩擦等により表面に傷が入る傾向も大である。
【0011】更に、公知の不定形のシリカ系艶消し剤
は、配合前にはある程度満足すべき粒度構成を有してい
たとしても、塗料中に分散したとき、剪断力により崩壊
する傾向(ディスインテグレーション)があり、これに
より前述した欠点を避け得ない。
【0012】更にまた、非晶質シリカを用いる場合にお
ける一つの欠点は、磨耗性や傷付き性であり、塗料等を
取り扱う機器を磨耗したり、或いは塗膜がこすられたと
き、塗膜に傷が発生することである。勿論、前記提案に
見られるとおり、非晶質シリカ粒子の表面をポリエチレ
ンワックス等で表面処理すると、滑り性を向上させるこ
とはできるとしても、上記の問題が抜本的に解消された
わけではない。
【0013】このような非晶質シリカの欠点は、単に塗
料用艶消し剤にとどまらず、非晶質シリカを樹脂フィル
ム用のアンチブロッキング剤としての用途に適用した場
合にも同様に生じる。
【0014】従って、本発明の目的は、上記の問題点が
解消され、粉体の状態では勿論のこと、塗料或いは樹脂
中に配合した状態でも粒径が一定しており、微粒子の発
生がなく、艶消し作用やアンチブロッキング作用に優れ
ているとともに、磨耗傾向が少なく、耐傷付き性乃至耐
擦傷性にも優れた新規構造の非晶質シリカ粒子を提供す
るにある。本発明の他の目的は、上記新規構造の非晶質
シリカ粒子を優れた生産性と経済性とをもって容易に製
造しうる方法を提供するにある。本発明の更に他の目的
は、上記新規構造の非晶質シリカ粒子の用途、特に塗料
用艶消し剤及びフィルム用アンチブロッキング剤を提供
するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、コアと
シェルとの二重構造を有し、コアはシェルに比して濃密
な非晶質シリカから形成され、シェルはコアに比して嵩
高な非晶質シリカから形成されていると共に、体積基準
のメジアン径が1乃至5μmの範囲にあり且つ粒径0.
5μm以下の微粒子の含有率が10容積%以下であるこ
とを特徴とする非晶質シリカ粒子が提供される。本発明
の非晶質シリカ粒子では、 1.BET法比表面積が150乃至400m/g及び
BET法による細孔容積が0.2乃至2ml/gの範囲
にあること、 2.濃密な非晶質シリカのコアと嵩高な非晶質シリカの
シェルとが、2:8乃至7:3の重量比、特に3:7乃
至5:5の重量比で存在すること、 3.濃密な非晶質シリカのコアがゲル法非晶質シリカ粒
子であり且つ嵩高な非晶質シリカのシェルが前記コア粒
子の表面に析出した沈降法非晶質シリカ粒子から成るこ
と、 4.濃密な非晶質シリカのコアが、200乃至800m
/gのBET法比表面積を有し、細孔半径10乃至1
50オングストロームでの細孔容積が0.2乃至2.0
ml/gの範囲にあること、が好ましい。
【0016】本発明によればまた、ケイ酸アルカリ水溶
液と鉱酸水溶液とをpH2乃至10の条件下で中和して
ゲル法非晶質シリカを製造する工程と、生成するゲル法
非晶質シリカを湿式粉砕する工程と、湿式粉砕されたゲ
ル法非晶質シリカ粒子の存在下に、ケイ酸アルカリ水溶
液と鉱酸水溶液とをpH5乃至9の条件下で中和して沈
降法非晶質シリカ粒子をゲル法非晶質シリカ粒子の表面
に析出させることを特徴とする二重構造を有する非晶質
シリカ粒子の製法が提供される。本発明の製法では、 1.ゲル法非晶質シリカ粒子の製造を50℃以下の温度
で行うこと、 2.ゲル法非晶質シリカの湿式粉砕を、体積基準のメジ
アン径が0.5乃至3μmとなるように行うこと、 3.沈降法非晶質シリカ粒子の析出を60乃至100℃
の温度で行うこと、が好ましい。
【0017】本発明によれば更に、上記非晶質シリカ粒
子から成る塗料用艶消し剤並びにフィルム用アンチブロ
ッキング剤が提供される。
【0018】
【発明の実施形態】
[二重構造非晶質シリカ粒子] (1)本発明の非晶質シリカ粒子は、濃密な非晶質シリ
カのコアと嵩高な非晶質シリカのシェルとの二重構造を
有していることが特徴である。この二重構造は、非晶質
シリカ粒子を透過型電子顕微鏡で観察することにより、
確認することができる。
【0019】(2)添付図面の図1は、本発明による二
重構造の非晶質シリカ粒子の透過型電子顕微鏡写真であ
り、一方図2は、比較のためのゲル法非晶質シリカ粒子
の透過型電子顕微鏡写真であり、また図3は、比較のた
めの沈降法非晶質シリカ粒子の透過型電子顕微鏡写真で
ある。これらの比較観察から、本発明の二重構造の非晶
質シリカ粒子では、中央に濃密な非晶質シリカの核(コ
ア)が存在し、その周囲に真綿状に見える嵩高な非晶質
シリカの被覆(シェル)が存在していることが分かる。
【0020】(3)本発明において、濃密な非晶質シリ
カは、粒子の強度を高めて粒子の崩壊や粉化を防止する
成分であるとともに、粒子の屈折率を向上させることに
より透明性を向上させる成分である。一方、嵩高な非晶
質シリカは、艶消し作用やアンチブロッキング作用に寄
与するとともに、耐磨耗性、耐擦傷性を向上させる成分
である。
【0021】(4)ところが、濃密な非晶質シリカ粒子
を塗料や樹脂中に配合すると、満足すべき艶消し作用や
アンチブロッキング作用は発現されず、また磨耗傾向が
著しく、摺擦によるフィルムや塗膜の傷付き傾向が著し
い(後述する比較例2参照)。一方、嵩高な非晶質シリ
カを塗料や樹脂中に配合すると、ある程度の艶消し作用
やアンチブロッキング作用が得られるものの、塗料や樹
脂の粘度が増大する傾向があり、更に透明性にも劣る傾
向が見られる(後述する比較例3参照)。これは、嵩高
な非晶質シリカ粒子が、粒子の崩壊(ディスインテグレ
ーション)を生じ、艶消し作用やアンチブロッキング作
用に有効に作用する粒径のものの割合が低下すること、
崩壊により生じる微粒子が粘度を上昇せしめることがこ
の原因と考えられる。また、濃密な非晶質シリカと嵩高
な非晶質シリカとを単に混合して用いた場合にも、上記
と同様な傾向が認められる(比較例4参照)。
【0022】(5)これに対して、本発明に従い、濃密
な非晶質シリカをコアとし、嵩高な非晶質シリカをシェ
ルとした二重粒子構造をとる場合には、粉体の状態で
は勿論のこと、塗料或いは樹脂中に配合した状態でも粒
径が一定しており、微粒子の発生がない:艶消し作用
やアンチブロッキング作用に優れているとともに、磨耗
傾向が少なく、耐傷付き性乃至耐擦傷性にも優れてい
る:この非晶質シリカ粒子を配合した塗料或いは樹脂
組成物は透明性に優れており、深みのある外観を与え
る:等の作用効果が得られるのである(実施例1参
照)。
【0023】(6)この理由は、嵩高な非晶質シリカの
シェルが、艶消し作用やアンチブロッキング作用の向上
と、磨耗傾向の減少と耐傷付き性の向上に役立っている
と共に、濃密な非晶質シリカのコアが粒子の崩壊や粉化
を防止し、非晶質シリカ粒子の粒度を艶消し作用やアン
チブロッキング作用の発現に最も好都合の範囲に維持
し、粉化による粘度の増加を抑制し、また透明性の向上
に寄与しているためと考えられる。
【0024】(7)本発明の非晶質シリカ粒子において
は、体積基準のメジアン径が1乃至5μmの範囲にあり
且つ粒径0.5μm以下の微粒子の含有率が10容積%
以下であることも重要である。というのは、メジアン径
が上記範囲にあることにより、少ない配合量でも艶消し
作用やアンチブロッキング作用を最大限発現させること
ができ、また、微粒子含有量を上記範囲以下に抑制する
ことにより、配合塗料や樹脂の粘度上昇を抑制すること
ができる。
【0025】(8)本発明の非晶質シリカ粒子は、前記
の二重構造を有することに関連して、粉体特性として、
BET法比表面積が150乃至400m/g及び
BET法による細孔容積が0.2乃至2ml/gの範囲
にある。比表面積が上記範囲よりも小さいと、透明性が
低下する傾向があり、一方上記範囲よりも大きいと、粒
子強度が低下する傾向がある。また、細孔容積が上記範
囲よりも大きいと、やはり粒子強度が低下する傾向があ
り、一方細孔容積が上記範囲よりも小さいと、磨耗性が
増大する傾向がある。
【0026】(9)本発明の非晶質シリカ粒子において
は、濃密な非晶質シリカのコアと嵩高な非晶質シリカの
シェルとが、2:8乃至7:3の重量比、特に3:7乃
至5:5の重量比で存在するのが、前述した性能のバラ
ンスの上でよく、濃密な非晶質シリカのコアの量が上記
範囲よりも少ないと、粉化傾向が増大し、透明性が低下
する傾向にあり、一方嵩高な非晶質シリカのシェルの量
が上記範囲よりも少ないと、艶消し作用やアンチブロッ
キング作用が低下し、磨耗性等が増加する傾向がある。
【0027】(10)本発明の非晶質シリカ粒子におい
て、濃密な非晶質シリカのコアがゲル法非晶質シリカ粒
子であり且つ嵩高な非晶質シリカのシェルが前記コア粒
子の表面に析出した沈降法非晶質シリカ粒子から成るこ
とが、製造上望ましいが、勿論本発明の非晶質シリカ粒
子は、この製法によるものに限定されない。
【0028】(11)また、濃密な非晶質シリカのコア
が、200乃至800m/gのBET法比表面積
と細孔半径10乃至150オングストロームでの細孔容
積が0.2乃至2ml/gの範囲にあるのがよく、この
範囲にある場合に嵩高な非晶質シリカのシェルの形成が
最も円滑且つ確実に行われ、諸作用の組み合わせにも優
れている。
【0029】[二重構造非晶質シリカ粒子の製造] (1)本発明の二重構造非晶質シリカ粒子の製法は、ケ
イ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とをpH2乃至10の
条件下で中和してゲル法非晶質シリカを製造する工程
(A)と、生成するゲル法非晶質シリカを湿式粉砕する
工程(B)と、湿式粉砕されたゲル法非晶質シリカ粒子
の存在下に、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とをp
H5乃至9の条件下で中和して沈降法非晶質シリカ粒子
をゲル法非晶質シリカ粒子の表面に析出させる工程
(C)とから成る。
【0030】(2)工程(A)では、上記pHでの中和
反応により、均質な組成のシリカゲルを製造することが
でき、これを工程(B)の湿式粉砕処理に付することに
より、均質な粒度範囲の種(コア)粒子を製造すること
ができる。工程(C)では、この種粒子の存在下に上記
pH範囲での中和反応を行うことにより、種粒子の表面
に嵩高な非晶質シリカのシェルを確実に形成させること
ができ、遊離の嵩高な非晶質シリカ粒子の副生が極めて
少ないという利点が奏されるものである。
【0031】(3)本発明の製法において、ゲル法非晶
質シリカ粒子の製造を50℃以下の温度で行うことが、
均一な組織のゲル法シリカを形成させる点で好ましく、
この条件下で製造した種を用いた非晶質シリカ粒子は、
諸物性の点でも優れている。
【0032】(4)また、ゲル法非晶質シリカの湿式粉
砕を、体積基準のメジアン径が0.5乃至5μmとなる
ようのが好ましく、湿式粉砕を省略したゲル法非晶質シ
リカ粒子を種に用いた二重構造の非晶質シリカ粒子は、
艶消し作用やアンチブロッキング作用に劣り、磨耗傾向
も著しい。
【0033】(5)更に、沈降法非晶質シリカ粒子の析
出を60乃至100℃の温度で行うことが好ましく、こ
れにより遊離の嵩高な非晶質シリカの析出を防止しなが
ら、艶消し作用やアンチブロッキング作用及び耐磨耗性
に優れた二重構造の非晶質シリカ粒子を収率よく、且つ
再現性をもって製造できるようになる。
【0034】(ゲル法非晶質シリカの製造)シリカヒド
ロゲルのスラリーの製造にはケイ酸アルカリ水溶液と酸
水溶液とを反応させて、先ずシリカヒドロゲルを製造す
る。
【0035】原料のケイ酸アルカリは、工業製品として
JISに規格されている水ガラス等のケイ酸ソーダやケ
イ酸カリウム、さらには酸性白土等の粘土質原料より回
収した易反応性のシリカにアルカリ金属の水酸化物溶液
を反応させたケイ酸アルカリ等を使用することができ
る。ケイ酸アルカリ水溶液におけるSiO濃度は6
乃至28重量%の範囲にあるのがよく、SiO:M
O(Mはアルカリ金属である)のモル比は、一般に
2:1乃至4:1特に2.5:1乃至3:1の範囲にあ
るのがよい。
【0036】中和反応に用いる鉱酸は、塩酸や硫酸等が
一般に使用されるが、これらの混酸を使用することもで
きる。鉱酸水溶液の濃度は一般に10乃至75重量%、
特に20乃至60重量%の範囲にあるのがよい。
【0037】両原料の接触による中和反応は、両原料の
どちらか一方の原料をもう一方の溶液中に撹拌下に添加
する方法や、両原料溶液を一定条件下に同時に接触させ
る方法がある。中和温度は、特に制限はないが、一般に
50℃以下であり、中和終了時のpHは4乃至7の範囲
にあるのが適当である。
【0038】この中和により、シリカのヒドロゾルが生
成するが、このヒドロゾルを一般に30分以上放置する
ことにより、シリカのヒドロゲルに転化する。
【0039】形成するヒドロゲル中のSiO濃度は
一般に5乃至30重量%と低いものであるが、本発明で
はヒドロゲルの細孔調節の外に、水分調節(SiO
濃度増加)をも兼ねてシリカのヒドロゲルを熱処理し、
SiO濃度が5%以上のシリカヒドロゲルとする。
この熱処理の温度は100乃至170℃が適切であり、
例えばオートクレーブ中で行うことができる。
【0040】熱処理後のシリカヒドロゲルを水洗した
後、一般に径が20乃至100μmとなるように粗粉砕
し、これを前述したSiO濃度15乃至25重量%
のシリカヒドロゾルスラリーとした後、高速剪断下での
湿式粉砕を行う。湿式粉砕には、それ自体公知の摩擦内
板ミル例えば(ウィリー・A・バッコーフェン社製のダ
イノーミル)が好適に使用されるが、勿論高速剪断が可
能であれば、他の湿式粉砕機を使用することもできる。
この場合スラリーの温度が50℃を越えないようにする
ことが粒子間の凝集を少なくするために重要である。
【0041】(二重構造非晶質シリカ粒子の製造)本発
明によれば、上記のように湿式粉砕されたゲル法非晶質
シリカ粒子の存在下に、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水
溶液とをpH2乃至7の条件下で中和して沈降法非晶質
シリカ粒子をゲル法非晶質シリカ粒子の表面に析出させ
る。
【0042】沈降法非晶質シリカは、後述する例に示す
通り、濃厚なアルカリ金属塩溶液中でケイ酸ナトリウム
と塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸とを、反応させることによ
り生成する。
【0043】この場合、アルカリ金属塩溶液としては無
機酸又は有機酸のアルカリ金属塩が単独又は2種以上の
組合せで使用することが出来る。アルカリ金属塩として
非晶質シリカの沈降作用及びコストの点で好適なもので
あり、ケイ酸分原料及び酸成分として食塩を生成する組
合せを選ぶと、金属塩溶液としてリサイクル使用が容易
である。
【0044】濃厚な食塩水溶液中にケイ酸ナトリウムと
塩酸とを同時注加することにより複分解反応によりシリ
カが生成するが、この反応段階でのpHの制御が必要で
あり、同時注加の間中pHを2乃至7、特に好ましくは
3.5乃至6の範囲に維持すると共に、同時注加終了後
pHを2乃至5の範囲としながら熟成を行う。食塩水溶
液の同時注加開始時の濃度は一般に5乃至30重量%、
特に好ましくは13乃至18重量%の範囲にあるのがよ
く、一方同時注加終了時に於るシリカ濃度は1乃至20
重量%の範囲にあるのがよい。同時注加反応時の温度は
50乃至100℃の範囲にあるのがよく、同時注加反応
が3乃至20時間で終結するようにするのが好ましい。
同時注加終了後の熟成は60乃至100℃の温度で30
分乃至25時間程度行うのがよい。生成するシリカを母
液から分離し、ついで水洗し、乾燥し、必要により分級
して製品とする。
【0045】[用途]本発明の非晶質シリカ粒子は、前
述した特性を有することにより、塗料用艶消し剤として
特に有用である。
【0046】本発明の二重構造非晶質シリカ粒子は、下
記式(1) GPV=P/100Pa (1) 式中、Pは60゜グロスでの反射率50%を満足するに
必要な塗料樹脂100g当たりの艶消し顔料の添加g数
であり、Paは艶消し顔料のゆるみ見掛け密度(g/m
l)である、で定義される艶消し顔料体積濃度(ml/
g樹脂)が0.10乃至0.20の範囲にあるという特
徴を有する。
【0047】前記式(1)の艶消し顔料体積濃度(GP
V)は、形成する塗膜中の樹脂g数当たりの艶消しに有
効に作用する艶消し剤の体積を表しているが、後述する
例を参照すると、従来の嵩高な非晶質シリカ系艶消し剤
では、これが0.21乃至0.50ml/g樹脂である
のに対して、本発明では0.10乃至0.20ml/g
樹脂の範囲にあり、同じ艶消しレベルを達成するのに必
要な艶消し剤の容積が従来のシリカ系艶消し剤に比して
著しく小さな容積に減縮されていることが明らかであ
る。
【0048】本発明に用いる非晶質シリカ粒子は、その
表面を無機酸化物、例えば酸化チタン、酸化ケイ素、酸
化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、;シラン系、チタニウム系或
いはジルコニウム系のカップリング剤で被覆し或いは表
面処理しておくことができる。
【0049】また、この粒状非晶質シリカは、金属石
鹸、樹脂酸石鹸、各種樹脂乃至ワックス類等のコーティ
ング等を所望により施すことができる。特に、ポリエチ
レンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸変性ポリ
エチレンワックス等オレフィン系樹脂ワックスや、動植
物系ワックス、鉱物系ワックス等のワックスによる処理
が、艶消し効果増大や耐傷性向上に有効である。このコ
ーティング処理は、水洗上がりの非晶質シリカのケーキ
にワックスの水性エマルジョンを添加し混合することに
より、容易に行うことができる。非晶質シリカ粒子10
0重量部当たり1乃至20重量部のワックスで表面処理
されていることが好ましい。
【0050】本発明においては、前述した多孔質シリカ
を単独で艶消し剤として使用するほか、他の充填剤や顔
料と組合せて塗料の配合に使用しうる。組合せで使用す
る無機成分としては、アルミナ、アタパルガイド、カオ
リン、カーボンブラック、グラファイト、微粉ケイ酸、
ケイ酸カルシウム、ケイソウ土、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、スレート粉、
セリサイト、フリント、炭酸カルシウム、タルク、長石
粉、二硫化モリブデン、バライト、ひる石、ホワイティ
ング、マイカ、ろう石クレイ、石こう、炭化ケイ素、ジ
ルコン、ガラスビーズ、シラスバルーン、アスベスト、
ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール、スラグウー
ル、ボロンウスイカ、ステンレススチール繊維、チタン
白、亜鉛華、ベンガラ、鉄黒、黄色酸化鉄、ゼオライ
ト、ハイドロタルサイト、リチウム、アルミニウム、カ
ーボネート、チタンエロー、酸化クロムグリーン、群
青、紺青等が挙げられる。
【0051】本発明の非晶質シリカ粒子は、それ自体公
知の塗料中に配合して、艶消し塗料組成物とすることが
できる。
【0052】塗料としては、樹脂の種類からいって、油
性塗料、ニトロセルロース塗料、アルキッド樹脂塗料、
アミノアルキッド塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂
塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、塩化
ゴム系塗料等の慣用のそれ自体公知の塗料の他に、ロジ
ン、エステルガム、ペンタレジン、クマロン・インデン
レジン、フェノール系レジン、変性フェノール系レジ
ン、マレイン系レジン、アルキド系レジン、アミノ系レ
ジン、ビニル系レジン、石油レジン、エポキシ系レジ
ン、ポリエステル系レジン、スチレン系レジン、アクリ
ル系レジン、シリコーン系レジン、ゴムベース系レジ
ン、塩素化物系レジン、ウレタン系レジン、ポリアミド
系レジン、ポリイミド系レジン、フッ素系レジン、天然
或いは合成の漆等の1種或いは2種以上を含有する塗料
が挙げられる。
【0053】また、用いる塗料は、その用い方によっ
て、溶剤型塗料、水性塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗
料等の任意のものであってよいが、本発明は溶剤型塗
料、水性塗料に特に適している。
【0054】この溶液型塗料の有機溶媒としては、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘプタ
ン、n−ヘキサン、アイソパー等の脂肪族炭化水素系溶
媒;シクロヘキサン、等の脂環族炭化水素系溶媒;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール等のア
ルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ
等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶
媒等の1種または2種以上を用いることができる。原料
溶液中の樹脂分濃度は、一般に5乃至70重量%、特に
10乃至60重量%の範囲にあるのが適当である。
【0055】また、水性塗料としては、水溶液型の塗料
の他、自己乳化型或いは界面活性剤乳化型の塗料が使用
される。水性塗料の樹脂としては、水性媒体に水溶化さ
れた或いは自己乳化されたアルキド樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂或いはこれらの2種
以上の組み合わせを挙げることができる。自己乳化型樹
脂では、カルボキシル基をアンモニア或いはアミン類で
中和することにより、或いは含有されるアミンを4級化
することにより自己乳化性が付与される。また、種々の
ラテックス樹脂も使用される。樹脂分濃度は、一般に1
0乃至70重量%、特に20乃至60重量%の範囲にあ
るのが適当である。
【0056】紫外線(UV)硬化型塗料としては、ハイ
ソリッドレジン、例えばUV硬化型のアクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ビニルウレタン樹脂、アクリルウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂等が単独或いは2種以上の組み合
わせで使用される。
【0057】粉体塗料としてはポリアミド、ポリエステ
ル、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、セルロース誘導
体、ポリエーテル、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂の
他、エポキシ樹脂、エポキシ/ノボラック樹脂、イソシ
アネート或いはエポキシ硬化型ポリエステル樹脂等が挙
げられる。
【0058】本発明によれば、上記の塗料に対して、前
記艶消し剤を、式(1)で定義される艶消し顔料体積濃
度(ml/100g樹脂)が0.10乃至0.20の範
囲にあるように配合する。これにより、少量の配合で塗
膜表面に高度の艶消し効果を付与することができる。
【0059】また、本発明の非晶質シリカ粒子は、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂或いは各種ゴム配合用の充填
剤、特にアンチブロッキング剤としても有用である。即
ち、本発明の非晶質シリカ粒子は、比較的高湿度におけ
る平衡水分率が比較的低い範囲に抑制されることによ
り、低吸水性で発泡等の不都合がなく、また他の添加剤
との間にも吸着による発色や添加剤の性能低下等の不都
合がなく、優れた樹脂フィルム用の配合剤、特にアンチ
ブロッキング剤となりうるものである。また、水蒸気の
吸着速度はそれほど大きくないが、そのかわり水蒸気に
対して持続した吸着性を示し、樹脂配合用の吸湿剤とし
て、安定し且つ持続した吸湿性を発揮するものである。
即ち、水分を速やかには吸湿しないが、一旦吸湿した水
分は放出したがらないという特性を有しているので、パ
ッケージ内の湿度を吸収し、或いは容器を透過しようと
する水分を捕捉する樹脂用吸湿剤として特に有用であ
る。
【0060】アンチブロッキング剤として配合する熱可
塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂が好適なものであ
り、特に低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、ア
イソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティッ
クポリプロピレン、あるいはこれらのエチレン乃至α−
オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系重合
体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマ
ー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げ
られ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物の
形でも使用できる。本発明の非晶質シリカ粒子は、メタ
ロセン触媒を用いて製造したオレフィン系樹脂フィルム
のアンチブロッキング剤として有用であり、従来のアン
チブロッキング剤に見られた着色傾向を解消することが
できる。
【0061】勿論、本発明のアンチブロッキング剤は、
それ自体公知の他の樹脂フィルムにも配合することがで
き、例えばナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−
10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
スルフォン、塩化ビニール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
フッ化ビニル樹脂等に配合することもできる。
【0062】アンチブロッキング剤としての用途の場
合、上記非晶質シリカ粒子を、熱可塑性樹脂100重量
部当たり、0.005乃至10重量部、特に0.05乃
至3.0重量部、さらに好ましくは0.005乃至1.
0重量部の量で用いるのがよい。
【0063】勿論、本発明の非晶質シリカ粒子は、充填
剤として、上記熱可塑性樹脂や、各種ゴム、或いは熱硬
化性樹脂に配合することができる。
【0064】ゴム用のエラストマー重合体としては、例
えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(C
R)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(II
B)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴ
ム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられ
る。
【0065】熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド
樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ト
リアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、或いはこれらの2種以上の組み合わせが
挙げられる。
【0066】充填剤としての用途の場合、上記熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂或いはエラストマー100重量部当
たり、0.5乃至20重量部、特に2乃至10重量部の
量で配合することができる。
【0067】また、吸湿性充填剤としての用途の場合、
目的に応じて、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂或いは
エラストマー100重量部当たり、0.5乃至20重量
部、特に2乃至10重量部の量で配合することができ
る。
【0068】更に、本発明の非晶質シリカは、紙用コー
ト剤、クロマトグラフ担体、化粧料基剤、電子部品用塗
料、電子部品用吸湿剤、その他の非晶質シリカの用途に
用いることができる。
【0069】
【実施例】本発明は以下の例で詳細に説明する。なお本
発明に用いる艶消剤等の物性及び評価方法は以下の通り
である。
【0070】(1)粒度 コールターカウンター(コールターエレクトロニクス社
製TA−II型)法により、アパーチャーチューブ50μ
mを用いて測定した。
【0071】(2)比表面積、細孔容積 カルロエルバ社製 Sorptomatic Seri
es 1800を使用し、BET法により測定した。
【0072】(3)艶消し効果試験法 塗膜形成剤として焼付メラミン塗料(関西ペイント
(株)製アミラック#1400)を用いて、この塗料1
00重量部に艶消剤試料を5部添加し、ディスパー分散
機を用いて2500rpmで5分間分散させた後、バー
コーター#14を用いてミラーコート紙に塗布し、室温
で20分放置し、次いで140℃で20分間焼き付けを
し塗布板を調製した。次いで村上色彩技術研究所製のデ
ジタル光沢度計GM−3Dを用いて60゜グロス(光沢
率(%))を測定した。
【0073】(4)樹脂中に於ける沈降性の試験法 二液型ポリウレタン樹脂(常乾形 Retan Clear No.2
026 関西ペイント製)を専用のシンナーで希釈して、N
o.4 Ford Cupにて粘度を調整する。この希釈
した樹脂100gを200mlのビーカーに秤りとり、
艶消剤試料を3.0g(2.91wt%)添加し、ディ
スパーで2500rpm、10分間分散させる。分散終
了後、混合スラリーを100mlの目盛付き比色管に入
れ静置する。静置開始30日後の沈降状態について写真
撮影を行った。更に、比色管を振ってスラリーを再分散
させて沈降性を以下のように評価した。 沈降性:再分散性 ○:生じた沈殿物が軽く振って再分散する。 △:生じた沈殿物が強く振って再分散する。 ×:生じた沈殿物が強く振っても再分散しない。
【0074】(5)摩擦試験(耐擦傷性) (3)で得られたコート紙から試験片1(3×3cmカ
ット紙)と試験片2(20×4cmカット紙)を作り、
試験片2の塗膜を上にしてガラス板に固定し、試験片1
の塗膜が試験片2と合うように乗せる。この時、試験片
1に900gのおもりを乗せ1cm当たり100
gの荷重を掛けた。次いで試験片1を試験片2の端から
端まで移動し、摩擦した塗板の表面状態を観察した。な
お、摩擦回数(往復/回)5、15、25について下記
の目視観察により、塗膜の傷つき性を評価した。 目視観察による評価 評価順位 スジ 斑模様 1 僅かに見える 無し 2 はっきり見える 無し 3 はっきり見える 全体の30〜70% 4 はっきり見える 全体の70%以上
【0075】(実施例1) (第一工程)500Lのステンレス製容器に3号珪酸ソ
ーダ(SiO濃度22%)を86Kgと水253
Kgを加えた後、攪拌しながら35℃まで昇温した。昇
温後、硫酸をpHが2.5になるまで一方注加し、ゲル
法非晶質シリカゾルを得た。注加終了後、5時間の熟成
を行った。熟成終了後、マイコロイダーにて湿式粉砕を
行った。 (第二工程)上記第一工程で得たゲル法非晶質シリカゾ
ル60Kg(SiO分3Kg)を150Lのステ
ンレス製容器に秤取り攪拌下85℃まで昇温する。昇温
後、シリカ濃度13%に希釈した3号珪酸ソーダを1
3.6Kgを0.35L/minで注加し、7%硫酸を
同時に反応pHを7.5になるように調整しながら30
分間の同時注加を行った。同時注加終了後30分の熟成
を行った。熟成終了後、硫酸を注加しpHを3.5に調
整した。pH調整後、濾過洗浄を行いケーキを得た。そ
の後、この濾過ケーキを乾燥して粉砕、分級を行い二重
構造を有する非晶質シリカ粒子を得た。得られた粉末の
物性値及び評価結果を表1に示す。
【0076】(実施例2)実施例1の第二工程における
ゲル法非晶質シリカゾルの使用量を90Kg(SiO
分4.5Kg)とした以外は実施例1と同様にし
て行った。得られた粉末の物性値及び評価結果を表1に
示す。
【0077】(実施例3)実施例1の第二工程における
ゲル法非晶質シリカゾルの使用量を40Kg(SiO
分2Kg)とした以外は実施例1と同様にして行
った。得られた粉末の物性値及び評価結果を表1に示
す。
【0078】(実施例4)実施例1の第二工程における
沈降法非晶質シリカ粒子の析出において反応pHを6と
した以外は実施例1と同様にして行った。得られた粉末
の物性値及び評価結果を表1に示す。
【0079】(実施例5)実施例1の第二工程における
沈降法非晶質シリカ粒子の析出において反応温度を70
℃とした以外は実施例1と同様にして行った。得られた
粉末の物性値及び評価結果を表1に示す。
【0080】(実施例6)実施例1の第二工程での濾過
洗浄後のケーキに、低分子量ポリプロピレンワックスエ
マルジョン(ユーメックスEM−100:三洋化成社
製)を、シリカ100重量部に対してポリプロピレンワ
ックス純分で、10重量部となるように添加し、表面処
理された非晶質シリカを得た。得られた粉末の物性値及
び評価結果を表1に示す。
【0081】(実施例7)実施例1の第一工程における
昇温する温度を45℃とした以外は実施例1と同様にし
て行った。得られた粉末の物性値及び評価結果を表1に
示す。
【0082】(実施例8)実施例7の第二工程での濾過
洗浄後のケーキに、ポリエチレンワックスエマルジョン
(Hi−Wax 110P:三井化学社製)を、シリカ
100重量部に対してポリプロピレンワックス純分で、
15重量部となるように添加し、表面処理された非晶質
シリカを得た。得られた粉末の物性値及び評価結果を表
1に示す。
【0083】(実施例9)実施例1の第一工程における
昇温する温度を25℃とした以外は実施例1と同様にし
て行った。得られた粉末の物性値及び評価結果を表1に
示す。
【0084】(実施例10)実施例9の第二工程での濾
過洗浄後のケーキに、ポリエチレンワックスエマルジョ
ン(パーマリン:三洋化成社製)を、シリカ100重量
部に対してポリプロピレンワックス純分で、5重量部と
なるように添加し、表面処理された非晶質シリカを得
た。得られた粉末の物性値及び評価結果を表1に示す。
【0085】(比較例1)実施例1の第二工程における
沈降法非晶質シリカ粒子の析出において反応pHを4と
した以外は実施例1と同様にして行った。得られた粉末
の物性値及び評価結果を表2に示す。
【0086】(比較例2)ゲルタイプシリカである市販
品サイリシア#350(富士シリシア株式会社製)を用
いて物性値測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0087】(比較例3)沈降法シリカである市販品ミ
ズカシルP―526(水澤化学工業株式会社製)を用い
て物性値測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0088】(比較例4)比較例2と比較例3のシリカ
粉末を重量比1:1で混合し物性値測定及び評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0089】
【表1】 実 施 例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 平均粒径(μm) 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.0 2.0 3.0 3.0 比表面積(m/g) 180 200 175 210 198 170 210 195 170 160 細孔容積(ml/g) 0.6 0.7 0.6 0.8 0.7 0.6 0.7 0.7 0.6 0.6 艶消し性(%) 15 15 16 16 15 15 16 15 15 15 沈降性 △ △ △ △ △ ○ ○ ○ △ △ 耐擦傷性 5回 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 15回 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 25回 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
【0090】
【表2】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、ケイ酸アルカリ水溶液
と鉱酸水溶液とをpH2乃至10の条件下で中和してゲ
ル法非晶質シリカを製造すると共に、これを湿式粉砕
し、この湿式粉砕シリカ粒子の存在下に、ケイ酸アルカ
リ水溶液と鉱酸水溶液とをpH5乃至9の条件下で中和
することにより、濃密な非晶質シリカのコアと嵩高な非
晶質シリカのシェルとの二重構造を有し、体積基準のメ
ジアン径が1乃至10μmの範囲にあり且つ粒径0.5
μm以下の微粒子の含有率が10容積%以下である二重
壁構造の非晶質シリカの製造が可能となった。
【0092】この二重壁構造の非晶質シリカ粒子は、粉
体の状態では勿論のこと、塗料或いは樹脂中に配合した
状態でも粒径が一定しており、微粒子の発生がなく、艶
消し作用やアンチブロッキング作用に優れているととも
に、磨耗傾向が少なく、耐傷付き性乃至耐擦傷性にも優
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による二重構造の非晶質シリ
カ粒子の透過型電子顕微鏡写真(倍率:30000倍)
である。
【図2】ゲル法非晶質シリカ粒子の透過型電子顕微鏡写
真(倍率:30000倍)である。
【図3】沈降法非晶質シリカ粒子の透過型電子顕微鏡写
真(倍率:30000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/12 B01J 13/00 JSTPLUS(JOIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとシェルとの二重構造を有し、コア
    はシェルに比して濃密な非晶質シリカから形成され、シ
    ェルはコアに比して嵩高な非晶質シリカから形成されて
    いると共に、体積基準のメジアン径が1乃至5μmの範
    囲にあり且つ粒径0.5μm以下の微粒子の含有率が1
    0容積%以下であることを特徴とする非晶質シリカ粒
    子。
  2. 【請求項2】 BET法比表面積が150乃至400m
    /g及びBET法による細孔容積が0.2乃至2ml
    /gの範囲にある請求項1記載の非晶質シリカ粒子。
  3. 【請求項3】 濃密な非晶質シリカのコアと嵩高な非晶
    質シリカのシェルとが、2:8乃至7:3の重量比で存
    在する請求項1記載の非晶質シリカ粒子。
  4. 【請求項4】 濃密な非晶質シリカのコアがゲル法非晶
    質シリカ粒子であり且つ嵩高な非晶質シリカのシェルが
    前記コア粒子の表面に析出した沈降法非晶質シリカ粒子
    から成る請求項1乃至3の何れかに記載の非晶質シリカ
    粒子。
  5. 【請求項5】 濃密な非晶質シリカのコアが、200乃
    至800m/gのBET法比表面積を有し、細孔半径
    10乃至150オングストロームでの細孔容積が0.2
    乃至2.0ml/gの範囲にある請求項1乃至4の何れ
    かの非晶質シリカ粒子。
  6. 【請求項6】 ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とを
    pH2乃至10の条件で中和してゲル法非晶質シリカを
    製造する工程と、生成するゲル法非晶質シリカを湿式粉
    砕する工程と、湿式粉砕されたゲル法非晶質シリカ粒子
    の存在下に、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とをp
    H5乃至9の条件下で中和して沈降法非晶質シリカ粒子
    をゲル法非晶質シリカ粒子の表面に析出させることを特
    徴とする二重構造を有する非晶質シリカ粒子の製法。
  7. 【請求項7】 ゲル法非晶質シリカ粒子の製造を50℃
    以下の温度で行う請求項6記載の製法。
  8. 【請求項8】 ゲル法非晶質シリカの湿式粉砕を、体積
    基準のメジアン径が0.5乃至3μmとなるように行う
    請求項6または7記載の製法。
  9. 【請求項9】 沈降法非晶質シリカ粒子の析出を60乃
    至100℃の温度で行う請求項6乃至8の何れかに記載
    の製法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至5の何れかに記載の非晶
    質シリカ粒子から成る塗料用艶消し剤。
  11. 【請求項11】 前記非晶質シリカ粒子100重量部当
    たり1乃至20重量部のワックスで表面処理されて成る
    請求項10記載の塗料用艶消し剤。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至5の何れかに記載の非晶
    質シリカ粒子から成るフィルム用アンチブロッキング
    剤。
JP13999598A 1997-06-13 1998-05-21 二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途 Expired - Lifetime JP3500305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13999598A JP3500305B2 (ja) 1997-06-13 1998-05-21 二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17125197 1997-06-13
JP9-171251 1997-06-13
JP13999598A JP3500305B2 (ja) 1997-06-13 1998-05-21 二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1160231A JPH1160231A (ja) 1999-03-02
JP3500305B2 true JP3500305B2 (ja) 2004-02-23

Family

ID=26472645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13999598A Expired - Lifetime JP3500305B2 (ja) 1997-06-13 1998-05-21 二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3500305B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100934237B1 (ko) 2008-04-21 2009-12-24 금호타이어 주식회사 코어/쉘 형태의 나노실리카를 포함하는 타이어 트레드고무조성물
US7976812B2 (en) 2006-04-20 2011-07-12 Asahi Glass Company, Limited Method for producing non-porous core-porous shell silica

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3358520B2 (ja) * 1997-12-09 2002-12-24 住友化学工業株式会社 ポリオレフィン改質用微粒子
JP2000127615A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Nippon Silica Ind Co Ltd カラーインクジェット用紙用充填剤
SE9903958D0 (sv) * 1999-11-02 1999-11-02 Boerje Sellergren Porous materials for selective binding or transport of molecular guests
JP2001220471A (ja) * 1999-12-03 2001-08-14 Japan Polychem Corp プロピレン系樹脂組成物、それを用いた樹脂フィルムおよび積層樹脂フィルム
GB0127220D0 (en) * 2001-11-13 2002-01-02 Ineos Silicas Ltd Silica matting agents
JP4108340B2 (ja) * 2002-01-23 2008-06-25 宇部日東化成株式会社 導電性シリカ系粒子
JP2004292219A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 表面処理されたシリカ及びそれを含むゴム組成物
JP5072172B2 (ja) * 2004-01-07 2012-11-14 エスケー化研株式会社 水性塗料組成物及び塗膜形成方法
JP4846992B2 (ja) * 2004-06-03 2011-12-28 株式会社フジシールインターナショナル プラスチックラベル及びラベル付き容器
JP4846993B2 (ja) * 2004-06-03 2011-12-28 株式会社フジシールインターナショナル プラスチックラベル及びラベル付き容器
JP2006118103A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Mitsubishi Chemicals Corp 機能性布帛の製造方法及び機能性布帛
US7267814B2 (en) * 2004-11-24 2007-09-11 J.M. Huber Corporation High-cleaning/low abrasive silica and materials and dentifrice containing such materials
US7670593B2 (en) * 2004-11-24 2010-03-02 J.M. Huber Corporation High-cleaning silica materials and dentifrice containing such
US7803343B2 (en) * 2007-06-27 2010-09-28 J.M. Huber Corporation Silica gel manufacturing method and gels made thereby
CA3071524A1 (en) * 2017-08-03 2019-02-07 W.R. Grace & Co. Conn. Silica-based matting agents and methods of making and using the same
JP7128057B2 (ja) * 2017-09-27 2022-08-30 水澤化学工業株式会社 塗料用配合剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7976812B2 (en) 2006-04-20 2011-07-12 Asahi Glass Company, Limited Method for producing non-porous core-porous shell silica
KR100934237B1 (ko) 2008-04-21 2009-12-24 금호타이어 주식회사 코어/쉘 형태의 나노실리카를 포함하는 타이어 트레드고무조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1160231A (ja) 1999-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3500305B2 (ja) 二重構造を有する非晶質シリカ粒子、その製法及び用途
KR100495178B1 (ko) 이중구조를갖는비정질실리카입자,이를제조하는방법및용도
JP4588705B2 (ja) 高吸油性および高い構造性を有する非晶質シリカ粒子
DE69733775T2 (de) Titandioxidteilchen mit verklebenden diskreten anorganischen teilchen
EP1446447B1 (en) Silica matting agents
JP4764558B2 (ja) 吸油量の増大した非晶質シリカ粒子、その製法及び用途
JP4758896B2 (ja) 高吸油性非晶質シリカ粒子
US20040249049A1 (en) Surface-modified precipitated silicas
JP3444670B2 (ja) 粒状非晶質シリカの製造方法
JP6031175B2 (ja) 二酸化チタン顔料及びその製造方法並びに印刷インキ組成物
JPH08209029A (ja) 塗料用球状艶消し剤及び塗料組成物
JP2002356625A (ja) 有機無機複合粒子粉末及びその製造法、該有機無機複合粒子粉末からなる有機無機複合顔料並びに該有機無機複合顔料を用いた塗料及び樹脂組成物、該有機無機複合顔料を含む顔料分散体及びマスターバッチペレット
JPH06136290A (ja) 改質無機質粉粒体の製造法
JPH07166091A (ja) 塗料用艶消し剤
JP3410522B2 (ja) 粒状非晶質シリカの製造方法
JPH08170030A (ja) トップコート用艶消しシリカ
JP4407789B2 (ja) 改質カーボンブラック粒子粉末及びその製造法、当該改質カーボンブラック粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物
JP4862977B2 (ja) 微細な緑色系顔料並びに該微細な緑色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
JP5177333B2 (ja) 微細なオレンジ色系顔料並びに該微細なオレンジ色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物
TWI394714B (zh) 經表面處理之沉澱矽石
JP2004244599A (ja) 改質カーボンブラック粒子粉末及びその製造法、当該改質カーボンブラック粒子粉末を含有する塗料及び樹脂組成物
JPH06171925A (ja) 多孔質球状ケイ酸塩粒子、その製造方法及びその用途
JP2003335979A (ja) 二酸化チタン顔料の製造方法及び該二酸化チタン顔料を配合した樹脂組成物
JP2024049391A (ja) バイオマスシリカ原料から得られるバイオマスアルカリ金属ケイ酸塩及びその製造方法、並びに当該バイオマスアルカリ金属ケイ酸塩から生成されるバイオマスシリカで被覆された白色顔料用酸化チタン及びその製造方法
JPH0134931B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031111

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151205

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term