JP3498660B2 - 回転電機の駆動回路 - Google Patents

回転電機の駆動回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の駆動回
路に関し、特に4相以上の交流多相回転電機における断
線や回路素子故障時の補償対策に関する。
【0002】
【従来の技術】4相以上の交流多相回転電機としては、
例えば、特開平11−275826号公報に記載された
ものがある。この回転電機は、中空円筒状のステータの
内側と外側に所定のギャップをおいて中空円筒状の外側
ロータと内側ロータとが配置された構造になっている。
そして外側ロータ軸と内側ロータ軸は同一軸上に並ぶよ
うに配置され、外側ロータと内側ロータは同軸上でそれ
ぞれ独立に回転出来るようになっている(後記図10で
詳細後述)。このような多相回転電機の駆動回路として
は、回転電機の相数と同じ相数のインバータを設け、そ
のインバータの各ゲート(インバータを構成するトラン
ジスタのベース)を例えばPWM信号でオン、オフ制御
することによって回転電機の各相の巻線に電流を供給す
る回路を用いることが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき従来の多
相回転電機においては、回転電機の巻線に断線が生じた
り、インバータ等の回路素子に故障が生じた場合には、
トルク変動、ノイズ、振動等が発生するという問題があ
る。
【0004】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、断線や回路素子に故
障が生じた場合に、トルク変動、ノイズ、振動等の発生
を抑制することの出来る回転電機の駆動回路を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1に記載の発明におい
ては、回転電機の各相の巻線の中立点電位と回転電機駆
動電力を送出するインバータの中立点電位とを検出し、
これら二つの中立点電位の差に応じて、その差を小さく
する方向にインバータを駆動する信号を変化させること
により、故障した相のトルクを他の相で補償するような
電流を流すように構成している。上記のように構成した
ことにより、本発明の駆動回路は負帰還(ネガティブフ
ィードバック)制御系となり、相アンバランスを抑制す
るように電流が流れるので、断線や回路素子に故障が生
じた場合に、トルク変動、ノイズ、振動等の発生を抑制
するように動作する。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、上記イン
バータの中立点電位を検出する手段の構成例を示すもの
であり、インバータの各相の出力端子からそれぞれイン
ピーダンス素子を介して星型結線した点の電位を、中立
点電位とするように構成したものである。
【0007】また、請求項3に記載の発明は、上記イン
バータの中立点電位を検出する手段の他の構成例を示す
ものであり、各相の目標値から、ブリッジ回路を用いて
或いは算術計算によって中立点電位を求めるように構成
したものである。このように構成することにより、イン
バータの回路素子に故障が生じた場合にも相アンバラン
スを抑制するように動作することが出来る。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、インバー
タを駆動する信号を変化させる手段の他の構成例を示す
ものであり、中立点電位の差を三角波に加算することに
より、PWM信号のデューディ比を変化させるように構
成したものである。
【0009】また、請求項5に記載の発明は、インバー
タを駆動する信号を変化させる手段の構成例を示すもの
であり、中立点電位の差を目標値に加算することによ
り、PWM信号のデューディ比を変化させるように構成
したものである。この構成においては、インバータ出力
の実際の電圧値や電流値をフィードバックする回路を付
加することにより、より正確な制御を行うことが出来
る。
【0010】また、請求項6に記載の発明は、前記の検
出した二つの中立点電位の差と目標値とを加算した制御
の指令値を制限するリミッタ回路を設けたものである。
この構成によれば、制御の指令値が急激に大きくなるの
を制限するので、動作の安定性を向上させることができ
る。
【0011】
【発明の効果】本発明においては、多相回転電機(電動
機、発電機等)において、断線や回路素子に故障が生じ
た場合に、トルク変動、ノイズ、振動等の発生を抑制す
ることが出来るという効果が得られる。また、請求項3
においては、回転電機の巻線の断線時のみならず、イン
バータの回路素子に故障が生じた場合にも相アンバラン
スを抑制するように動作することが出来る。また、請求
項5においては、インバータ出力の実際の電圧値や電流
値をフィードバックする回路を付加することにより、よ
り正確な制御を行うことが出来る。
【0012】また、請求項6においては、制御の指令値
が急激に大きくなるのを制限するので、動作の安定性を
向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明を適用する回転電機
の例として、本出願人が以前に出願した特開平11−2
75826号公報記載の回転電機の構造、およびその駆
動回路について説明する。なお、本発明は上記の回転電
機に限らず、4相以上の交流多相電動機や発電機であれ
ば適用出来る。
【0014】図10は、上記公報記載の回転電機の構造
を示す図であり、(a)は回転電機全体の概略断面図、
(b)はロータとステータ部分の断面図〔(a)のA−
A’断面図、ただし軸や外枠部分は除き、ロータとステ
ータのみを示す〕である。なお、図10は外側ロータの
磁極数が4、内側ロータの磁極数が2で、その比である
磁極数比が2:1の場合を示している。
【0015】図10において、中空円筒状のステータ2
の外側と内側に所定のギャップをおいて中空円筒状の外
側ロータ3と内側ロータ4が配置され、3層構造になっ
ている。また、内側ロータ軸9と外側ロータ軸10とは
同一の軸上に並ぶように設けられ、内側ロータ4と外側
ロータ3は同軸上でそれぞれ独立に回転出来るようにな
っている。なお、軸受等は図示を省略している。
【0016】内側ロータ4は半周をS極、もう半周をN
極とした一対の永久磁石で形成され、これに対して、外
側ロータ3は内側ロータ4の一極当たり2倍の極数を持
つように永久磁石が配置される。つまり、外側ロータ3
のS極、N極は各2個であり、90度毎にS極とN極が
入れ替わるように構成されている。
【0017】このように各ロータ3、4の磁極を配置す
ると、内側ロータ4の磁石は外側ロータ3の磁石により
回転力を与えられることがなく、この逆に外側ロータ3
の磁石が内側ロータ4の磁石により回転力を与えられる
こともない。
【0018】たとえば、内側ロータ4の磁石が外側ロー
タ3に及ぼす影響を考えてみる。簡単のため内側ロータ
4は固定して考える。まず、内側ロータ4のS極とこれ
に対峙する外側ロータ3の上側磁石SNとの関係におい
て、図示の状態で仮に内側ロータ4のS極が出す磁力を
受けて、外側ロータの上側磁石SNが時計方向に回転し
ようとしたとすると、内側ロータ4のN極とこれに対峙
する外側ロータ3の下側磁石SNとの関係においては、
内側ロータ4のN極により外側ロータ3の下側磁石SN
が反時計方向に回転しようとする。つまり、内側ロータ
4のS極が外側ロータ3の上側磁石に及ぼす磁力と内側
ロータ4のN極が外側ロータ3の下側磁石に及ぼす磁力
とがちょうど相殺することになり、外側ロータ3は内側
ロータ4と関係なく、ステータ2との関係だけで制御可
能となるわけである。このことは、後述するようにステ
ータコイルに発生する回転磁場とロータとの間でも同じ
である。
【0019】ステータ2のコイルは、外側ロータ3の1
磁極当たり3個のコイル6で構成され、合計12個(=
3×4)のコイル6が同一の円周上に等分に配置されて
いる。丸で囲んだ数字はそれぞれコイルの巻線を示し、
例えば1ととが1つのコイルを形成し、それぞれ電流
の方向が逆なことを示している。すなわち、1は紙面方
向へ電流の流れる巻線であり、はその逆方向に電流の
流れる巻線である。この場合の巻線方法は集中巻であ
る。
【0020】また、7はコイルが巻回されるコアで、コ
イル6と同数のコア7が円周上に等分に所定の間隔(ギ
ャップ)8をおいて配列されている。
【0021】なお、後述するように、12個のコイルは
番号で区別しており、この場合に6番目のコイルという
意味でコイル6が出てくる。上記のコイル6という表現
と紛らわしいが、意味するところは異なっている。
【0022】これら12個のコイルには次のような複合
電流I1〜I12を流す。まず内側ロータ4に対する回転
磁場を発生させる電流(三相交流)を流すため、[1,
2]=[]、[]=[9,10]、[5,
6]=[1112]の3組のコイルに120度ずつ位
相のずれた電流Id、If、Ieを設定する。ここで、
番号の下に付けたアンダーラインは反対方向に電流を流
すことを意味させている。たとえば、1組のコイル
[1,2]=[]に電流Idを流すとは、コイル
1からコイルに向けてIdの半分の電流を、かつコイ
ル2からコイルに向けてIdのもう半分の電流を流す
ことに相当する。1と2、が円周上でそれぞれ近
い位置にあるので、この電流供給により、内側ロータ4
の磁極と同数(2極)の回転磁場を生じさせることが可
能となる。
【0023】次に、外側ロータ3に対する回転磁場を発
生させる電流(三相交流)を流すため、[1]=[
=[7]=[10]、[2]=[5]=[]=[1
1]、[3]=[]=[9]=[12]の3組のコイ
ルに120度ずつ位相がずれた電流Ia、Ic、Ibを
設定する。たとえば、1組のコイル[1]=[]=
[7]=[10]に電流Iaを流すとは、コイル1から
コイルにIaの電流をかつコイル7からコイル10
向けてもIaの電流を流すことに相当する。コイル1と
7、コイル10がそれぞれ円周上の180度ずつ離
れた位置にあるため、この電流供給により、外側ロータ
3の磁極と同数(4極)の回転磁場を生じさせることが
できる。
【0024】この結果、12個のコイルには次の各複合
電流I1〜I12を流せばよいことになる。 I1=(1/2)Id+Ia I2=(1/2)Id+Ic I3=(1/2)If+Ib I4=(1/2)IfIa I5=(1/2)Ie+Ic I6=(1/2)Ie+Ib I7=(1/2)Id+Ia I8=(1/2)IdIc I9=(1/2)If+Ib I10=(1/2)If+Ia I11=(1/2)IeIc I12=(1/2)Ie+Ib ただし、電流記号の下につけたアンダーラインは逆向き
の電流であることを表している。
【0025】さらに図11を参照して複合電流の設定を
説明すると、図11は、図10との比較のため、ステー
タ2の内周側と外周側に各ロータに対して別々の回転磁
場を発生させる専用のコイルを配置したものである。つ
まり、内周側コイルd、f、eの配列が内側ロータに対
する回転磁場を、また外周側コイルa、c、bの配列が
外側ロータに対する回転磁場を発生する。この場合に、
2つの専用コイルを共通化して、図10に示した共通の
コイルに再構成するには、内周側コイルのうち、コイル
dに流す電流の半分ずつをコイルdの近くにあるコイル
aとcに負担させ、同様にして、コイルfに流す電流の
半分ずつをコイルfの近くにあるコイルbとaに、また
コイルeに流す電流の半分ずつをコイルeの近くにある
コイルcとbに負担させればよいわけである。上記複合
電流I1〜I12の式はこのような考え方を数式に表した
ものある。なお、電流設定の方法はこれに限られるもの
でなく、前記特開平11−275826号公報に記載の
ように、他の電流設定方法でもかまわない。
【0026】このように電流設定を行うと、共通のコイ
ルでありながら、内側ロータ4に対する回転磁場と外側
ロータ3に対する回転磁場との2つの磁場が同時に発生
するが、内側ロータ4の磁石は外側ロータ3に対する回
転磁場により回転力を与えられることがなく、また外側
ロータ3の磁石が内側ロータ4に対する回転磁場により
回転力を与えられることもない。この点は前記特開平1
1−275826号公報に記載のように、理論解析で証
明されている。
【0027】上記Id、If、Ieの電流設定は内側ロ
ータ4の回転に同期して、また上記Ia、Ic、Ibの
電流設定は外側ロータ3の回転に同期してそれぞれ行
う。トルクの方向に対して位相の進み遅れを設定する
が、これは同期モータに対する場合と同じである。
【0028】図12は上記回転電機を制御するための回
路のブロック図である。上記複合電流I1〜I12をステ
ータコイルに供給するため、バッテリなどの電源11か
らの直流電流を交流電流に変換するインバータ12を備
える。瞬時電流の全ての和は0になるためこのインバー
タ12は、図13に詳細を示したように、通常の3相ブ
リッジ型インバータを12相にしたものと同じで、24
(=12×2)個のトランジスタTr1〜Tr24とこ
のトランジスタと同数のダイオードから構成される。イ
ンバータ12の各ゲート(トランジスタのベース)に与
えるON、OFF信号はPWM信号である。
【0029】各ロータ3、4を同期回転させるため、各
ロータ3、4の位相を検出する回転角センサ13、14
が設けられ、これらセンサ13、14からの信号が入力
される制御回路15では、外側ロータ3、内側ロータ4
に対する必要トルク(正負あり)のデータ(必要トルク
指令)に基づいてPWM信号を発生させる。
【0030】このように、前記特開平11−27582
6号公報に記載の回転電機においては、2つのロータ
3、4と1つのステータ2を三層構造かつ同一の軸上に
構成すると共に、ステータ2に共通のコイル6を形成
し、この共通のコイル6にロータの数と同数の回転磁場
が発生するように複合電流を流すようにしたことから、
ロータの一方をモータとして、残りをジェネレータとし
て運転する場合に、モータ駆動電力と発電電力の差の分
の電流を共通のコイルに流すだけでよいので、効率を大
幅に向上させることができる。
【0031】また、2つのロータに対してインバータが
1つでよくなり、さらにロータの一方をモータとして、
残りをジェネレータとして運転する場合には、上記のよ
うに、モータ駆動電力と発電電力の差の分の電流を共通
のコイルに流すだけでよくなることから、インバータの
電力スイッチングトランジスタのキャパシタンスを減ら
すことができ、これによってスイッチング効率が向上
し、より全体効率が向上する。
【0032】次に、図1は本発明の駆動回路の基本構成
を示す回路図であり、前記図10〜図13に示したごと
き回転電機の駆動回路に適用した場合を示す。図1にお
いて、21は直流電源(例えば自動車駆動用のバッテ
リ)、22はインバータ(図12の12に相当する部
分)、23はインバータ中立点電位検出回路、24は差
動増幅器、25はローパスフィルタ、26はPWM信号
発生回路(図12の15に相当する部分)である。ま
た、L1、L2、L3、…、は図10に示した回転電機
の各巻線(ステータ巻線)であり、それらの各一端はイ
ンバータ22の各出力端子に接続され、他の一端はモー
タ中立点Nmとして一つに纏められ(星型結線)、負荷
抵抗Rmを介して接地されている。インバータ22は実
際には前記図13に示したように12相分設けられてい
るが、本図では1相分のみを示している。また、インバ
ータ中立点電位検出回路23は相数と同数個のインピー
ダンス素子Z1、Z2、Z3、…、と抵抗Riからな
り、各インピーダンス素子は一端がそれぞれインバータ
の各出力端子(各巻線の入力端子)に接続され、他の一
端はインバータ中立点Niとして一つに纏められ(星型
結線)、負荷抵抗Riを介して接地されている。
【0033】モータ中立点Nmの電圧とインバータ中立
点Niの電圧は差動増幅器24に送られてその差が求め
られる。そしてローパスフィルタ25で高周波成分(主
としてインバータのスイッチングノイズ成分)を除いた
後、PWM信号発生回路26へ送られ、外部から与えら
れる目標値(必要トルクに対応する指令信号、具体的に
は電圧値または電流値)に応じたPWM信号演算に加味
される。PWM信号発生回路26から送出される(+)
PWM信号と(−)PWM信号は相互に逆位相の信号で
あり、インバータ22へ送られて、各相のトランジスタ
T1とT2を逆位相で開閉する。なお、PWM信号発生
回路26に与えられる目標値は各相毎に与えられ、それ
ぞれのPWM信号が対応する相のインバータに送られ
る。
【0034】以下、作用を説明する。一例として、回転
電機の多相巻線L1、L2、L3、…、のうちの1相が
断線した場合を考える。この場合、インバータ中立点電
位検出回路23の各インピーダンス素子の星型結線の方
には、インバータによる多相電圧が発生する。この星型
結線の中立点Niはインバータ発生電圧の中立点になる
から、巻線が断線した相にも電圧が発生している。そし
て断線のため電流が流れないので、電圧変化は顕著にな
る。
【0035】一方、モータ中立点Nmは、1相分の電流
が流れないので、断線相が(+)電圧であれば中立点電
位は(−)電圧となり、断線相が(−)電圧であれば中
立点電位は(+)電圧となる。すなわち、多相交流の相
電流の和は常にゼロであるから、中立点電位の変化は断
線した1相分の変化と符号は反対でスカラー量は等しく
なる。
【0036】上記のインバータ中立点Niの電圧とモー
タ中立点Nmの電圧との差を差動増幅器24で求め、そ
の差分だけPWM信号発生回路26にオフセットを与え
る。具体的には、例えば後記図2で説明するように、P
WM信号演算の三角波に上記差分に対応したオフセット
を与える。例えばモータ中立点Nm電位がインバータ中
立点Niの電位よりも低い場合には、三角波のオフセッ
ト方向を(+)PWM信号のデューティ比を増加させ、
(−)PWM信号のデューティ比を減少させる方向に上
記差分に対応して移動させる。すなわち、二つの中立点
電位の差に応じて、その差を小さくする方向にPWM信
号のデューティ比を変化させる。なお、上記の(+)P
WM信号と(−)PWM信号とは相互に逆位相の信号で
ある。
【0037】上記のように構成した回路は、負帰還(ネ
ガティブフィードバック)制御系となり、断線した相の
トルクを補償するように他の相のトルクベクトルが変化
するので相アンバランスを抑制するように動作する。そ
のためモータ巻線や接続線が断線した場合に、トルク変
動、ノイズ、振動等の発生を抑制することが出来る。
【0038】図2は、本発明の第1の実施の形態を示す
回路図である。図2においては、図1におけるPWM信
号発生回路26の構成を詳細に示している。その他の部
分の構成、作用については図1と同様である。PWM信
号発生回路26において、27はキャリアを発生する発
振器、28は発振器27の信号から三角波を発生する三
角波発生器である。ここで発生した三角波と、ローパス
フィルタ25を介して与えられる中立点の差分電圧とを
加算器29で加算し、その結果を比較器30で目標電圧
と比較することにより、PWM信号を発生する。そして
そのPWM信号をそのまま(+)PWM信号として出力
し、また、反転器31で反転した信号を(−)PWM信
号として出力する。前記図1で説明したように、三角波
と差分電圧とを加算することにより、負帰還制御系を構
成するので、断線等の故障が生じた場合に、トルク変
動、ノイズ、振動等の発生を抑制することが出来る。
【0039】なお、図2においては巻線L1の相につい
てのPWM信号発生回路26とインバータ22のみを示
しているが、実際には各相についてPWM信号発生回路
とインバータが存在し、それぞれのPWM信号に応じて
動作する。ただし、インバータ中立点電位検出回路2
3、差動増幅器24、ローパスフィルタ25は共通であ
り、また、PWM信号発生回路26内の発振器27と三
角波発生器28も共通に使用することが出来る。
【0040】図2の回路において、インバータ中立点電
位検出回路23を構成する各インピーダンス素子Z1、
Z2、Z3、…、としては、例えば抵抗またはコンデン
サを用いることが出来る。上記のインピーダンス素子と
してコンデンサを用いた場合は、直流分をカットするの
で、電圧の変化分のみが現われる。位相ずれが生じても
多相交流の和(ゼロ)は変化しないから中立点は常時ゼ
ロになる。この場合、上記インピーダンス素子として用
いたコンデンサはノイズカット用のコンデンサC1を兼
ねることが出来る。そしてこの場合には負荷抵抗Riは
比較的小さな値とし、両者で時定数RCのハイパスフィ
ルタが構成される。このハイパスフィルタと前記のロー
パスフィルタ25とでバンドパスフィルタを構成するこ
とになり、両フィルタのカットオフ周波数で定まる通過
帯域成分をフィードバックすることになる。
【0041】次に、図3は本発明の第2の実施の形態を
示す回路図である。図3の回路は、ローパスフィルタ2
5を介して与えられる中立点の差分電圧を、まず目標電
圧に加算し、その結果を三角波と比較してPWM信号を
発生するように構成したものである。その他、図2と同
じ構成の部分の作用は図2の説明と同様である。図3の
回路の動作も図2の回路と同様であるが、この回路にお
いては、図4、図5に示すように電圧フィードバックや
電流フィードバックの回路を付加することが出来る。
【0042】次に、図4は本発明の第3の実施の形態を
示す回路図である。図4の回路は、図3の回路にバッフ
ァ32と差動増幅器33とを追加し、インバータ22の
各相の出力端子(各巻線の入力端子)の電圧をバッファ
32を介して差動増幅器33に与え、加算器29の出力
との差電圧を求め、それを比較器30に与えて三角波と
比較することにより、PWM信号を作るように構成した
ものである。
【0043】この回路は、インバータ22の出力電圧を
PWM信号に加味したものであり、電圧フィードバック
を構成している。このようにインバータの実際の出力電
圧を検出してそれをフィードバックすることにより、さ
らに正確な制御を行うことが出来る。なお、図4では巻
線L1の相のフィードバック回路のみを示しているが、
他の相についてもそれぞれ同様の回路を設ける。
【0044】次に、図5は本発明の第4の実施の形態を
示す回路図である。図5の回路は、図4の回路に抵抗R
1と差動増幅器34とを追加し、インバータ22の各相
の出力端子と各巻線の入力端子との間に挿入した電流検
出用の抵抗R1の両端の電圧を差動増幅器34で検出
し、それを差動増幅器33に与えるように構成したもの
である。
【0045】この回路は、インバータ22の出力電流を
PWM信号に加味したものであり、電流フィードバック
を構成している。このように実際の電流を検出してフィ
ードバックしても図4と同様の効果が得られる。なお、
図5では巻線L1の相のフィードバック回路のみを示し
ているが、他の相についてもそれぞれ同様の回路を設け
る。
【0046】次に、図6は本発明の第5の実施の形態を
示す回路図である。この回路は、インバータ中立点電位
検出回路23として、外部から与えられる目標電圧から
ブリッジ回路を用いてインバータの中立点電位を検出す
るように構成したものである。すなわち、インバータ中
立点電位検出回路23の各インピーダンス素子Z1、Z
2、Z3、…、の一端は、各相の目標電圧入力端子に接
続され、他の一端は一つに纏められて負荷抵抗Riに接
続されている。このように各相の目標電圧からインバー
タの中立点電位を検出することも出来る。このように構
成すると、インバータの回路素子(例えばトランジス
タ)が故障してその相の出力が異常になった場合には、
モータ中立点Nmの電位には変動が現われるが、インバ
ータ中立点電位は正常値に保たれるので、両者の差電圧
を確実に検出することが出来る。したがって、この構成
ではインバータの回路素子等が故障した場合にもトルク
変動等を抑制することが出来る。なお、図6の回路は、
図4の回路(電圧フィードバックの回路)に、ブリッジ
回路を用いてインバータの中立点電位を検出する構成を
適用したものである。
【0047】また、上記のようにアナログ回路を用いる
方法の他に、各相の目標電圧から算術計算を用いてイン
バータの中立点電位を検出することも出来る。例えば、
コンピュータ等の演算装置で各相の目標電圧を単純に加
算してその時点における瞬時電圧を求め、それをアナロ
グ電圧に変換してそれをインバータ中立点電位とすれば
よい。
【0048】次に、図7は本発明の第6の実施の形態を
示す回路図である。この回路は、図6の回路において、
二つの中立点電位の差と目標電圧とを加算する加算器2
9の出力を制限するリミッタ回路35を設けたものであ
る。なお、リミッタ回路35は加算器29の出力を所定
の上限値以下に制限するか、或いは出力の変化速度(時
定数)を所定値以下に制限する。この構成によれば、加
算器29から出力される制御の指令値が急激に大きくな
るのを制限するので、動作の安定性を向上させることが
できる。このようにリミッタ回路35による制限を設け
た場合でも、制限した分は他相が補うので、性能の低下
は生じない。なお、図7では図6の回路にリミッタ回路
を付加した例を示したが、図3〜図5の回路においても
加算器29の出力を制限するリミッタ回路を設ければ同
様に動作する。
【0049】次に、図8は本発明の第7の実施の形態を
示す回路図である。この回路は、図5の回路(電流フィ
ードバックの回路)に、ブリッジ回路を用いてインバー
タの中立点電位を検出する構成を適用したものである。
この場合にも図6と同様に、各相の目標電流から算術計
算を用いてインバータの中立点電位を検出することも出
来る。なお、図2や図3のように電圧や電流のフィード
バック回路を持たない回路においても、上記と同様に、
各相の目標電圧からブリッジ回路や算術計算を用いてイ
ンバータの中立点電位を検出することも出来る。
【0050】次に、図9は本発明の第8の実施の形態を
示す回路図である。この回路は、図8の回路において、
加算器29の出力を制限するリミッタ回路35を設けた
ものである。この場合にも図7と同様の作用、効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動回路の基本構成を示す回路図。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す回路図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す回路図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す回路図。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す回路図。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す回路図。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示す回路図。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示す回路図。
【図9】本発明の第8の実施の形態を示す回路図。
【図10】本発明を適用する回転電機の一例の構造を示
す図であり、(a)は回転電機全体の概略断面図、
(b)はロータとステータ部分の断面図。
【図11】駆動システムの一例のブロック図。
【図12】回転電機を制御するための回路のブロック
図。
【図13】インバータの一例の回路図。
【符号の説明】
21…電源 22…インバ
ータ 23…インバータ中立点電位検出回路 24…差動増
幅器 25…ローパスフィルタ 26…PWM
信号発生回路 27…発振器 28…三角波
発生器 29…加算器 30…比較器 31…反転器 32…バッフ
ァ 33、34…差動増幅器 35…リミッ
タ回路 Z1〜Z3…インピーダンス L1〜L3…
モータ巻線 Nm…モータ中立点 Ni…インバ
ータ中立点 Rm、Ri…負荷抵抗 T1、T2…
トランジスタ D1、D2…ダイオード C1…コンデ
ンサ R1…抵抗

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4相以上の多相回転電機の駆動回路におい
    て、 回転電機の各相の巻線の中立点電位を検出する手段と、 回転電機駆動電力を送出するインバータの中立点電位を
    検出する手段と、 前記の検出した二つの中立点電位の差に応じて、前記差
    を小さくする方向に前記インバータを駆動する信号を変
    化させることにより、故障した相のトルクを他の相で補
    償するような電流を流すように制御する手段と、 を備えたことを特徴とする回転電機の駆動回路。
  2. 【請求項2】前記インバータの中立点電位を検出する手
    段は、インバータの各相の出力端子からそれぞれインピ
    ーダンス素子を介して星型結線した点の電位を、中立点
    電位とするものである、ことを特徴とする請求項1に記
    載の回転電機の駆動回路。
  3. 【請求項3】前記インバータの中立点電位を検出する手
    段は、各相の目標値から、ブリッジ回路を用いて或いは
    算術計算によって中立点電位を求めるものである、こと
    を特徴とする請求項1に記載の回転電機の駆動回路。
  4. 【請求項4】前記のインバータを駆動する信号を変化さ
    せる手段は、目標値と三角波とを比較することによって
    前記インバータを駆動するPWM信号を作成し、かつ、
    前記中立点電位の差を前記三角波に加算することによ
    り、前記PWM信号のデューディ比を変化させるもので
    ある、ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の駆
    動回路。
  5. 【請求項5】前記のインバータを駆動する信号を変化さ
    せる手段は、目標値と三角波とを比較することによって
    前記インバータを駆動するPWM信号を作成し、かつ、
    前記中立点電位の差を前記目標値に加算することによ
    り、前記PWM信号のデューディ比を変化させるもので
    ある、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか
    に記載の回転電機の駆動回路。
  6. 【請求項6】前記の検出した二つの中立点電位の差と目
    標値とを加算した制御の指令値を制限するリミッタ回路
    を設けたことを特徴とする請求項5に記載の回転電機の
    駆動回路。
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