JP3498485B2 - 木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法 - Google Patents
木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法Info
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- JP3498485B2 JP3498485B2 JP15724096A JP15724096A JP3498485B2 JP 3498485 B2 JP3498485 B2 JP 3498485B2 JP 15724096 A JP15724096 A JP 15724096A JP 15724096 A JP15724096 A JP 15724096A JP 3498485 B2 JP3498485 B2 JP 3498485B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のドアトリム
や内装材、建物の内装材、家具の外装材などに使用す
る、木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法に関す
る。
や内装材、建物の内装材、家具の外装材などに使用す
る、木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の木目込まれた表皮を有する積層
体を製造するには、例えば、先ず表側に接着剤を吹き付
けて一旦乾燥させた基材を真空成形型上に載せ、次いで
柔軟な合成樹脂を予め薄いシート状に形成した表皮材の
周囲を保持枠により保持し、遠赤外線ヒータ等により加
熱し軟化させてから下降させて基材及び真空成形型の上
側外周部に当接させ、真空成形型に設けた多数の吸気管
路に負圧を与えて表皮材を吸引して基材の表面全面に接
着する。この吸引により表皮材の一部は基材の表面に形
成した木目込み溝内に入り込んで木目込みされる。表皮
材としてはシート状の柔軟な表面層とシート状の合成樹
脂発泡材の裏面層を積層接着したものを用いて、積層体
の表面に柔軟な感触を与えるようにしていることが多
い。
体を製造するには、例えば、先ず表側に接着剤を吹き付
けて一旦乾燥させた基材を真空成形型上に載せ、次いで
柔軟な合成樹脂を予め薄いシート状に形成した表皮材の
周囲を保持枠により保持し、遠赤外線ヒータ等により加
熱し軟化させてから下降させて基材及び真空成形型の上
側外周部に当接させ、真空成形型に設けた多数の吸気管
路に負圧を与えて表皮材を吸引して基材の表面全面に接
着する。この吸引により表皮材の一部は基材の表面に形
成した木目込み溝内に入り込んで木目込みされる。表皮
材としてはシート状の柔軟な表面層とシート状の合成樹
脂発泡材の裏面層を積層接着したものを用いて、積層体
の表面に柔軟な感触を与えるようにしていることが多
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような木目込みの
際に表皮材が木目込み溝の奥まで木目込みされるように
するには木目込み溝の幅をある程度大きくする必要があ
るが、そのようにすると接着された表皮の木目込み部の
表面側に形成される溝の幅も大きくなって溝底が見え
(図3の符号B参照)、外観品質が低下するという問題
がある。これを避けようとして木目込み溝の幅を小さく
すれば、表皮材が木目込み溝の底まで入り込みにくくな
るので、木目込み部の少なくとも一部に表皮材の浮きが
生じてやはり外観品質が低下するという問題が生じる。
際に表皮材が木目込み溝の奥まで木目込みされるように
するには木目込み溝の幅をある程度大きくする必要があ
るが、そのようにすると接着された表皮の木目込み部の
表面側に形成される溝の幅も大きくなって溝底が見え
(図3の符号B参照)、外観品質が低下するという問題
がある。これを避けようとして木目込み溝の幅を小さく
すれば、表皮材が木目込み溝の底まで入り込みにくくな
るので、木目込み部の少なくとも一部に表皮材の浮きが
生じてやはり外観品質が低下するという問題が生じる。
【0004】木目込まれた表皮を有する積層体を製造す
るには、上述のような真空成形法の他に、完成した表皮
の表面と同じ形状の成形面及び木目込み用突条を有する
上型により表皮材を押圧して木目込み及び接着を行う方
法もある。しかし、木目込み用突条はあまり薄くするこ
とはできないので、接着された表皮の木目込み部に形成
される溝幅が大きくなり、溝底が見えて外観品質が低下
するという問題はやはり避けられない。本発明はこのよ
うな問題を解決することを目的とする。
るには、上述のような真空成形法の他に、完成した表皮
の表面と同じ形状の成形面及び木目込み用突条を有する
上型により表皮材を押圧して木目込み及び接着を行う方
法もある。しかし、木目込み用突条はあまり薄くするこ
とはできないので、接着された表皮の木目込み部に形成
される溝幅が大きくなり、溝底が見えて外観品質が低下
するという問題はやはり避けられない。本発明はこのよ
うな問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による木目込まれ
た表皮を有する積層体の製造方法は、予め成形した基材
の表面に表皮となるシート状の表皮材を固着してこれを
覆うと同時に基材に形成した木目込み溝に表皮材を木目
込むようにしてなる木目込まれた表皮を有する積層体の
製造方法において、表皮材には基材側となる裏面の木目
込み溝と対応する帯状の部分に発泡剤を混入した未発泡
の合成樹脂よりなる裏打層を予め積層形成しておき、基
材の表面に表皮材を裏打層が木目込み溝の内面に当接さ
れるように木目込み固着した後に裏打層を加熱して発泡
させるものである。
た表皮を有する積層体の製造方法は、予め成形した基材
の表面に表皮となるシート状の表皮材を固着してこれを
覆うと同時に基材に形成した木目込み溝に表皮材を木目
込むようにしてなる木目込まれた表皮を有する積層体の
製造方法において、表皮材には基材側となる裏面の木目
込み溝と対応する帯状の部分に発泡剤を混入した未発泡
の合成樹脂よりなる裏打層を予め積層形成しておき、基
材の表面に表皮材を裏打層が木目込み溝の内面に当接さ
れるように木目込み固着した後に裏打層を加熱して発泡
させるものである。
【0006】基材に形成する木目込み溝の幅は、木目込
みの際に表皮材及び裏打層が木目込み溝の奥まで木目込
みされるのに必要かつ充分な程度の値とする。これによ
り、基材の表面に表皮材を木目込み固着した直後は、木
目込み部に沿って表皮の表面側に形成される溝の幅は大
きい。しかし木目込み溝の内面に当接された裏打層を加
熱して発泡させることにより、裏打層は厚さが増大する
ので、表皮の表面側に形成される溝の幅は狭くなりある
いは密着される。
みの際に表皮材及び裏打層が木目込み溝の奥まで木目込
みされるのに必要かつ充分な程度の値とする。これによ
り、基材の表面に表皮材を木目込み固着した直後は、木
目込み部に沿って表皮の表面側に形成される溝の幅は大
きい。しかし木目込み溝の内面に当接された裏打層を加
熱して発泡させることにより、裏打層は厚さが増大する
ので、表皮の表面側に形成される溝の幅は狭くなりある
いは密着される。
【0007】また本発明は、予め成形した基材の表面に
表皮となるシート状の表皮材を固着してこれを覆うと同
時に基材に形成した木目込み溝に表皮材を木目込むよう
にしてなる木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法
において、基材には木目込み溝の内面に発泡剤を混入し
た未発泡の合成樹脂よりなる裏打層を予め積層形成して
おき、基材の表面に表皮材をその裏面が木目込み溝内面
の裏打層に当接されるように木目込み固着した後に裏打
層を加熱して発泡させるようにしてもよい。
表皮となるシート状の表皮材を固着してこれを覆うと同
時に基材に形成した木目込み溝に表皮材を木目込むよう
にしてなる木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法
において、基材には木目込み溝の内面に発泡剤を混入し
た未発泡の合成樹脂よりなる裏打層を予め積層形成して
おき、基材の表面に表皮材をその裏面が木目込み溝内面
の裏打層に当接されるように木目込み固着した後に裏打
層を加熱して発泡させるようにしてもよい。
【0008】この場合には、基材に形成する木目込み溝
の幅は、木目込みの際に表皮材が木目込み溝の内面に前
記層形成された裏打層の奥まで木目込みされるのに必要
かつ充分な程度の値とする。前述の場合と同様、基材の
表面に表皮材を木目込み固着した直後は、木目込み部に
沿って表皮の表面側に形成される溝の幅は大きいが、裏
打層を加熱発泡してその厚さを増大させることにより、
表皮の表面側に形成される溝の幅は狭くなりあるいは密
着される。
の幅は、木目込みの際に表皮材が木目込み溝の内面に前
記層形成された裏打層の奥まで木目込みされるのに必要
かつ充分な程度の値とする。前述の場合と同様、基材の
表面に表皮材を木目込み固着した直後は、木目込み部に
沿って表皮の表面側に形成される溝の幅は大きいが、裏
打層を加熱発泡してその厚さを増大させることにより、
表皮の表面側に形成される溝の幅は狭くなりあるいは密
着される。
【0009】裏打層は、発泡剤を混入した未発泡の合成
樹脂を予め薄い帯状としたものを積層接着することによ
り形成してもよいし、あるいは、発泡剤を混入した未発
泡の合成樹脂を塗布することにより形成してもよい。
樹脂を予め薄い帯状としたものを積層接着することによ
り形成してもよいし、あるいは、発泡剤を混入した未発
泡の合成樹脂を塗布することにより形成してもよい。
【0010】表皮材は、柔軟な表面層の裏面に発泡層を
積層接着したものとすることが好ましい。
積層接着したものとすることが好ましい。
【0011】また、裏打層の加熱は、基材基材の裏面を
支持する支持型の木目込み溝付近に設けたヒータにより
行うことが好ましい。
支持する支持型の木目込み溝付近に設けたヒータにより
行うことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を自動車用ドアトリ
ムに適用した場合の2つの実施の形態を、添付図面によ
り説明する。これらの実施の形態により成形されるドア
トリムは肉厚がほゞ一定であり、剛性のある基材20の
表面を薄い柔軟な表皮25により覆ったものである。例
えば縦横の寸法が約600mm×900mmのドアトリムの
場合、各部の肉厚は基材20が2.5〜3.0mm、表皮
25が3.35mm以下、従ってドアトリム全体で5.8
5〜6.35mm以下である。
ムに適用した場合の2つの実施の形態を、添付図面によ
り説明する。これらの実施の形態により成形されるドア
トリムは肉厚がほゞ一定であり、剛性のある基材20の
表面を薄い柔軟な表皮25により覆ったものである。例
えば縦横の寸法が約600mm×900mmのドアトリムの
場合、各部の肉厚は基材20が2.5〜3.0mm、表皮
25が3.35mm以下、従ってドアトリム全体で5.8
5〜6.35mm以下である。
【0013】先ず図1により、この2つの実施の形態に
おいて共通に使用する部分である、真空成形型(支持
型)10、基材20及び表皮材25Aの説明をする。ド
アトリムの基材20は通気性のある多孔性のもので、木
材を細かく砕いた繊維に結着剤として7パーセント程度
のフェノール樹脂を混入してホットプレス成形したもの
であり、その表面を2つの部分に仕切る例えば直線状の
木目込み溝21が形成されている。この木目込み溝21
は、例えば表皮25の厚さを2.35〜2.4mmとした
場合、幅が6mm、深さが8mmであって、後述する木目込
みの際に後述する表皮材25Aが木目込み溝21の奥ま
で木目込み接着されるのに必要かつ充分な程度の幅及び
深さである。なお表皮25の溝21内に入る部分は、木
目込みの際に伸ばされるので、表皮25はもっと厚くて
も差し支えない。また基材20は、通気性を与えるため
に多数の小孔を設け、あるいは表面に多数の凹凸を設け
た合成樹脂製としてもよい。
おいて共通に使用する部分である、真空成形型(支持
型)10、基材20及び表皮材25Aの説明をする。ド
アトリムの基材20は通気性のある多孔性のもので、木
材を細かく砕いた繊維に結着剤として7パーセント程度
のフェノール樹脂を混入してホットプレス成形したもの
であり、その表面を2つの部分に仕切る例えば直線状の
木目込み溝21が形成されている。この木目込み溝21
は、例えば表皮25の厚さを2.35〜2.4mmとした
場合、幅が6mm、深さが8mmであって、後述する木目込
みの際に後述する表皮材25Aが木目込み溝21の奥ま
で木目込み接着されるのに必要かつ充分な程度の幅及び
深さである。なお表皮25の溝21内に入る部分は、木
目込みの際に伸ばされるので、表皮25はもっと厚くて
も差し支えない。また基材20は、通気性を与えるため
に多数の小孔を設け、あるいは表面に多数の凹凸を設け
た合成樹脂製としてもよい。
【0014】基材20の表面に接着されて表皮25とな
る表皮材25Aは、柔軟な熱可塑性樹脂のソリッド層よ
りなる薄いシート状の表面層25a(例えば厚さ0.3
5mmのポリプロピレン樹脂シート、塩化ビニル樹脂シー
ト等)の裏面に、弾性に富んだシート状の合成樹脂発泡
体(例えば厚さ2〜3mmのポリウレタン樹脂発泡体シー
ト)よりなる発泡層25bを予め積層接着してシート状
としたものである。表皮材25Aの表面層25aの表面
には、意匠的効果を高めるために、皮革模様などのしぼ
が形成されている。
る表皮材25Aは、柔軟な熱可塑性樹脂のソリッド層よ
りなる薄いシート状の表面層25a(例えば厚さ0.3
5mmのポリプロピレン樹脂シート、塩化ビニル樹脂シー
ト等)の裏面に、弾性に富んだシート状の合成樹脂発泡
体(例えば厚さ2〜3mmのポリウレタン樹脂発泡体シー
ト)よりなる発泡層25bを予め積層接着してシート状
としたものである。表皮材25Aの表面層25aの表面
には、意匠的効果を高めるために、皮革模様などのしぼ
が形成されている。
【0015】真空成形型10は成形装置の下部支持部材
(図示省略)に取り付けられ、真空成形型10の上面に
は基材20の裏面と一致する形状の支持面11とその外
側に延びる外周面11aが形成されている。真空成形型
10の支持面11には木目込み溝21に対応して基材2
0の裏側に突出する突条を受け入れる溝部12が形成さ
れ、この支持面11全体で基材20を支持するようにな
っている。また真空成形型10に設けた多数の吸気管路
16(図では一部のみを示す)は支持面11の全面にほ
ゞ一様に分布されて開口しており、各吸気管路16は集
合管路15を介して、真空ポンプと真空タンクと開閉弁
からなる真空源17に接続されている。真空成形型10
には溝部12のほゞ全長に沿ってヒータ13が設けられ
ている。図示の実施の形態では、このヒータ13はセラ
ミック発熱体を使用した電気ヒータであるが、溝部12
に沿って真空成形型10内に形成されて加熱蒸気を通す
配管等でもよい。なお後述するように、このヒータ13
は必ずしも真空成形型10に設ける必要はない。
(図示省略)に取り付けられ、真空成形型10の上面に
は基材20の裏面と一致する形状の支持面11とその外
側に延びる外周面11aが形成されている。真空成形型
10の支持面11には木目込み溝21に対応して基材2
0の裏側に突出する突条を受け入れる溝部12が形成さ
れ、この支持面11全体で基材20を支持するようにな
っている。また真空成形型10に設けた多数の吸気管路
16(図では一部のみを示す)は支持面11の全面にほ
ゞ一様に分布されて開口しており、各吸気管路16は集
合管路15を介して、真空ポンプと真空タンクと開閉弁
からなる真空源17に接続されている。真空成形型10
には溝部12のほゞ全長に沿ってヒータ13が設けられ
ている。図示の実施の形態では、このヒータ13はセラ
ミック発熱体を使用した電気ヒータであるが、溝部12
に沿って真空成形型10内に形成されて加熱蒸気を通す
配管等でもよい。なお後述するように、このヒータ13
は必ずしも真空成形型10に設ける必要はない。
【0016】本発明の第1の実施の形態では、図2に示
すように、表皮材25Aの基材20側すなわち発泡層2
5b側となる裏面の木目込み溝21と対応する帯状の部
分には、発泡剤(例えばアゾジカルボンアミド系のも
の)を混入してあるが未発泡の柔軟な薄い帯状の合成樹
脂(例えば厚さ1mm、幅10mmのポリウレタン樹脂シー
ト)よりなる裏打層26が予め積層接着されている。
すように、表皮材25Aの基材20側すなわち発泡層2
5b側となる裏面の木目込み溝21と対応する帯状の部
分には、発泡剤(例えばアゾジカルボンアミド系のも
の)を混入してあるが未発泡の柔軟な薄い帯状の合成樹
脂(例えば厚さ1mm、幅10mmのポリウレタン樹脂シー
ト)よりなる裏打層26が予め積層接着されている。
【0017】次にこの第1の実施の形態による製造方法
を、図1〜図4により説明する。先ず基材20の全表面
に吹き付けなどにより接着剤を塗布し、ある程度乾燥さ
せてから基材20の裏面全体を真空成形型10の支持面
11に当接させて真空成形型10上にセットする。次い
で前述のように木目込み溝21と対応する帯状の部分に
裏打層26を積層接着した表皮材25Aの周囲を保持枠
29により保持し、遠赤外線ヒータ等により加熱(例え
ば120℃)して軟化させる。この状態では裏打層26
の発泡はまだ実質的に行われていない。
を、図1〜図4により説明する。先ず基材20の全表面
に吹き付けなどにより接着剤を塗布し、ある程度乾燥さ
せてから基材20の裏面全体を真空成形型10の支持面
11に当接させて真空成形型10上にセットする。次い
で前述のように木目込み溝21と対応する帯状の部分に
裏打層26を積層接着した表皮材25Aの周囲を保持枠
29により保持し、遠赤外線ヒータ等により加熱(例え
ば120℃)して軟化させる。この状態では裏打層26
の発泡はまだ実質的に行われていない。
【0018】そして保持枠29を下降させて支持面11
の外周面11aに当接させてから、真空源17からの負
圧を集合管路15、吸気管路16及び通気性のある基材
20を通して表皮材25Aの下側に与えて、図1の二点
鎖線及び図3に示すように、表皮材25Aを基材20の
表面に沿った形状に成形すると同時に接着し、これによ
り表皮材25Aは裏打層26が木目込み溝21の内面に
当接接着されるように木目込まれる。前述のように、基
材20に形成した木目込み溝21は表皮材25A及び裏
打層26がその奥まで木目込み接着されるのに必要かつ
充分な程度の幅を有しているので、表皮材25Aの木目
込み溝21内に木目込み接着された部分の表面側には、
図3の符号Bに示すように、相当な幅の溝が形成され
る。
の外周面11aに当接させてから、真空源17からの負
圧を集合管路15、吸気管路16及び通気性のある基材
20を通して表皮材25Aの下側に与えて、図1の二点
鎖線及び図3に示すように、表皮材25Aを基材20の
表面に沿った形状に成形すると同時に接着し、これによ
り表皮材25Aは裏打層26が木目込み溝21の内面に
当接接着されるように木目込まれる。前述のように、基
材20に形成した木目込み溝21は表皮材25A及び裏
打層26がその奥まで木目込み接着されるのに必要かつ
充分な程度の幅を有しているので、表皮材25Aの木目
込み溝21内に木目込み接着された部分の表面側には、
図3の符号Bに示すように、相当な幅の溝が形成され
る。
【0019】次いで短時間(例えば15秒間)ヒータ1
3に通電し、木目込み溝21内に木目込み接着された裏
打層26を加熱(例えば140℃)して、これを発泡さ
せる。これにより裏打層26は厚さ及び容積が増大する
ので、図4に示すように、木目込み部の表皮25表面側
に形成される溝は密着される。基材10上に接着された
表皮材25Aがある程度冷却してから真空源17から吸
気管路16への負圧を除去し、基材20を真空成形型1
0から取り外せば、基材20の表面に表皮25が接着さ
れ、表皮側から見た木目込み部の溝が密着されたドアト
リムが得られる。
3に通電し、木目込み溝21内に木目込み接着された裏
打層26を加熱(例えば140℃)して、これを発泡さ
せる。これにより裏打層26は厚さ及び容積が増大する
ので、図4に示すように、木目込み部の表皮25表面側
に形成される溝は密着される。基材10上に接着された
表皮材25Aがある程度冷却してから真空源17から吸
気管路16への負圧を除去し、基材20を真空成形型1
0から取り外せば、基材20の表面に表皮25が接着さ
れ、表皮側から見た木目込み部の溝が密着されたドアト
リムが得られる。
【0020】本発明の第2の実施の形態では、図5に示
すように、裏打層26は基材20の木目込み溝21の内
面に予め積層形成されている。この裏打層26は、第1
の実施の形態の場合と同様の発泡剤を混入してあるが未
発泡の熱可塑性樹脂を基材20の木目込み溝21の内面
に塗布することにより形成する。
すように、裏打層26は基材20の木目込み溝21の内
面に予め積層形成されている。この裏打層26は、第1
の実施の形態の場合と同様の発泡剤を混入してあるが未
発泡の熱可塑性樹脂を基材20の木目込み溝21の内面
に塗布することにより形成する。
【0021】この第2の実施の形態による製造方法で
は、このように裏打層26を予め形成した基材20の全
表面に接着剤を塗布してある程度乾燥させてから、第1
の実施の形態の場合と同様、真空成形型10上にセット
し、保持枠29により保持した表皮材25A(裏打層2
6は設けていない)を加熱軟化させ下降させて支持面1
1の外周面11aに当接させ、真空源17からの負圧を
表皮材25Aの下側に与える。これにより表皮材25A
は基材20の表面に沿った形状に成形されて接着され、
同時に表皮材25Aはその裏面が木目込み溝21内面の
裏打層26に当接されるように木目込まれる。その状態
は図3に示すものと実質的に同じであり、表皮材25A
の木目込み溝21内に木目込み接着された部分の表面側
には、符号Bに示すように相当な幅の溝が形成される。
は、このように裏打層26を予め形成した基材20の全
表面に接着剤を塗布してある程度乾燥させてから、第1
の実施の形態の場合と同様、真空成形型10上にセット
し、保持枠29により保持した表皮材25A(裏打層2
6は設けていない)を加熱軟化させ下降させて支持面1
1の外周面11aに当接させ、真空源17からの負圧を
表皮材25Aの下側に与える。これにより表皮材25A
は基材20の表面に沿った形状に成形されて接着され、
同時に表皮材25Aはその裏面が木目込み溝21内面の
裏打層26に当接されるように木目込まれる。その状態
は図3に示すものと実質的に同じであり、表皮材25A
の木目込み溝21内に木目込み接着された部分の表面側
には、符号Bに示すように相当な幅の溝が形成される。
【0022】次いで、第1の実施の形態の場合と同様、
短時間ヒータ13に通電し、木目込み溝21内の裏打層
26を加熱してこれを発泡させれば、図4に示すよう
に、木目込み部の表皮25表面側に形成される溝は密着
される。これにより、基材20の表面に表皮25が接着
され、表皮側から見た木目込み部の溝が密着されたドア
トリムが得られる。
短時間ヒータ13に通電し、木目込み溝21内の裏打層
26を加熱してこれを発泡させれば、図4に示すよう
に、木目込み部の表皮25表面側に形成される溝は密着
される。これにより、基材20の表面に表皮25が接着
され、表皮側から見た木目込み部の溝が密着されたドア
トリムが得られる。
【0023】上述した各実施の形態では、木目込み溝2
1内の裏打層26を発泡させるための加熱を真空成形型
10に設けたヒータ13により行っているが、このよう
なヒータ13を真空成形型10に設けることなく、図3
の符号Bで示す部分に沿って加熱蒸気あるいは加熱空気
を吹き付けてそのような発泡をさせるようにしてもよ
い。
1内の裏打層26を発泡させるための加熱を真空成形型
10に設けたヒータ13により行っているが、このよう
なヒータ13を真空成形型10に設けることなく、図3
の符号Bで示す部分に沿って加熱蒸気あるいは加熱空気
を吹き付けてそのような発泡をさせるようにしてもよ
い。
【0024】また上述した各実施の形態では、基材20
に対する表皮材25Aの接着及び木目込みは真空成形に
より行っているが、完成した表皮25の表面と同じ形状
の成形面及び木目込み用突条を有する上型により表皮材
25Aを押圧して木目込み及び接着を行ってもよい。こ
の場合には、木目込み溝21内の裏打層26の加熱発泡
は、上型を上昇させてから行う。
に対する表皮材25Aの接着及び木目込みは真空成形に
より行っているが、完成した表皮25の表面と同じ形状
の成形面及び木目込み用突条を有する上型により表皮材
25Aを押圧して木目込み及び接着を行ってもよい。こ
の場合には、木目込み溝21内の裏打層26の加熱発泡
は、上型を上昇させてから行う。
【0025】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、木目込
み溝の幅を表皮材が木目込み溝の奥まで木目込みされる
のに必要かつ充分な程度の値としても、その後に行われ
る裏打層の発泡により、木目込み部に沿って表皮の表面
側に形成される溝の幅は狭くなりあるいは密着されるの
で、木目込みは完全に行われしかも木目込み部の外観品
質は向上する。
み溝の幅を表皮材が木目込み溝の奥まで木目込みされる
のに必要かつ充分な程度の値としても、その後に行われ
る裏打層の発泡により、木目込み部に沿って表皮の表面
側に形成される溝の幅は狭くなりあるいは密着されるの
で、木目込みは完全に行われしかも木目込み部の外観品
質は向上する。
【0026】表皮材を柔軟な表面層の裏面に発泡層を積
層接着したものとすれば、表皮の表面は全面的に柔軟な
ものとなる。また、裏打層の加熱を、基材の裏面を支持
する支持型の木目込み溝付近に設けたヒータにより行う
ようにすれば、そのような加熱を容易に行うことができ
る。
層接着したものとすれば、表皮の表面は全面的に柔軟な
ものとなる。また、裏打層の加熱を、基材の裏面を支持
する支持型の木目込み溝付近に設けたヒータにより行う
ようにすれば、そのような加熱を容易に行うことができ
る。
【図1】 本発明による木目込まれた表皮を有する積層
体の製造方法を説明する全体断面図である。
体の製造方法を説明する全体断面図である。
【図2】 本発明による木目込まれた表皮を有する積層
体の製造方法の第1の実施形態で使用する表皮材の部分
拡大断面図である。
体の製造方法の第1の実施形態で使用する表皮材の部分
拡大断面図である。
【図3】 第1の実施形態の工程途中における部分拡大
断面図である。
断面図である。
【図4】 第1の実施形態の工程完了時における部分拡
大断面図である。
大断面図である。
【図5】 本発明による木目込まれた表皮を有する積層
体の製造方法の第2の実施形態で使用する基材の部分拡
大断面図である。
体の製造方法の第2の実施形態で使用する基材の部分拡
大断面図である。
10…支持型(真空成形型)、13…ヒータ、20…基
材、21…木目込み溝、25…表皮、25A…表皮材、
25a…表面層、25b…発泡層、26…裏打層。
材、21…木目込み溝、25…表皮、25A…表皮材、
25a…表面層、25b…発泡層、26…裏打層。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B29C 43/00 - 43/58
B29C 51/00 - 51/46
B29C 63/00 - 63/48
B29C 65/00 - 65/82
B32B 1/00 - 35/00
Claims (6)
- 【請求項1】 予め成形した基材の表面に表皮となるシ
ート状の表皮材を固着してこれを覆うと同時に前記基材
に形成した木目込み溝に前記表皮材を木目込むようにし
てなる木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法にお
いて、前記表皮材には前記基材側となる裏面の前記木目
込み溝と対応する帯状の部分に発泡剤を混入した未発泡
の合成樹脂よりなる裏打層を予め積層形成しておき、前
記基材の表面に前記表皮材を前記裏打層が前記木目込み
溝内面に当接されるように木目込み固着した後に前記裏
打層を加熱して発泡させることを特徴とする木目込まれ
た表皮を有する積層体の製造方法。 - 【請求項2】 予め成形した基材の表面に表皮となるシ
ート状の表皮材を固着してこれを覆うと同時に前記基材
に形成した木目込み溝に前記表皮材を木目込むようにし
てなる木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法にお
いて、前記基材には前記木目込み溝の内面に発泡剤を混
入した未発泡の合成樹脂よりなる裏打層を予め積層形成
しておき、前記基材の表面に前記表皮材をその裏面が前
記木目込み溝内面の前記裏打層に当接されるように木目
込み固着した後に前記裏打層を加熱して発泡させること
を特徴とする木目込まれた表皮を有する積層体の製造方
法。 - 【請求項3】 前記裏打層は、発泡剤を混入した未発泡
の前記合成樹脂を予め薄い帯状としたものを積層接着す
ることにより形成してなる請求項1または請求項2に記
載の木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法。 - 【請求項4】 前記裏打層は、発泡剤を混入した未発泡
の前記合成樹脂を塗布することにより形成してなる請求
項4に記載の木目込まれた表皮を有する積層体の製造方
法。 - 【請求項5】 前記表皮材は、柔軟な表面層の裏面に発
泡層を積層接着したものである請求項1〜請求項4の何
れか1つに記載の木目込まれた表皮を有する積層体の製
造方法。 - 【請求項6】 前記裏打層の加熱は、前記基材基材の裏
面を支持する支持型の前記木目込み溝付近に設けたヒー
タにより行うことを特徴とする請求項1〜請求項5の何
れか1つに記載の木目込まれた表皮を有する積層体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15724096A JP3498485B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15724096A JP3498485B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10639A JPH10639A (ja) | 1998-01-06 |
JP3498485B2 true JP3498485B2 (ja) | 2004-02-16 |
Family
ID=15645318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15724096A Expired - Fee Related JP3498485B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 木目込まれた表皮を有する積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3498485B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4854175A (en) * | 1988-02-29 | 1989-08-08 | The Research Foundation Of State University Of New York | Simple shear device for testing earthen materials and powders |
JP5409849B2 (ja) * | 2012-06-27 | 2014-02-05 | 株式会社イノアックコーポレーション | 表皮一体発泡品 |
-
1996
- 1996-06-18 JP JP15724096A patent/JP3498485B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10639A (ja) | 1998-01-06 |
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