JP3498321B2 - 高分子固体電解質型燃料電池 - Google Patents

高分子固体電解質型燃料電池

Info

Publication number
JP3498321B2
JP3498321B2 JP25680592A JP25680592A JP3498321B2 JP 3498321 B2 JP3498321 B2 JP 3498321B2 JP 25680592 A JP25680592 A JP 25680592A JP 25680592 A JP25680592 A JP 25680592A JP 3498321 B2 JP3498321 B2 JP 3498321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
catalyst layer
ion exchange
exchange membrane
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25680592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06111827A (ja
Inventor
ポール・ストンハルト
政廣 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
STONEHART ASSOCIATES INCORPORATED
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Original Assignee
STONEHART ASSOCIATES INCORPORATED
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by STONEHART ASSOCIATES INCORPORATED, Tanaka Kikinzoku Kogyo KK filed Critical STONEHART ASSOCIATES INCORPORATED
Priority to JP25680592A priority Critical patent/JP3498321B2/ja
Priority to US08/126,337 priority patent/US5523181A/en
Publication of JPH06111827A publication Critical patent/JPH06111827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3498321B2 publication Critical patent/JP3498321B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/1007Fuel cells with solid electrolytes with both reactants being gaseous or vaporised
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換膜を有する
高分子固体電解質型燃料電池の電池性能の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は天然ガス等の化学エネルギー
を化学反応によって直接に電気エネルギーに変換するも
ので、他の発電機(ガスエンジン、ガスタービン、ディ
ーゼルエンジン等)に比べてクリーン且つ発電効率が高
いという大きな特徴を有している。
【0003】燃料電池の種類にはリン酸型、アルカリ水
溶液型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、高分子固体電解
質型等があるが、本発明に関する高分子固体電解質型燃
料電池は他の燃料電池と比べてコンパクトで高い電流密
度を取り出せることから、電気自動車、宇宙船用の電源
として注目されている。そして、この高分子固体電解質
型燃料電池の電池性能は以下に示す要因により大きく支
配される。 (1)イオン交換膜はイオン伝導性が良いこと。即ち、
イオン交換膜自体の比抵抗が小さいほどイオン伝導性は
良くなり、高い電流密度を得ることができる。このこと
から、イオン交換膜のイオン伝導性の改良方法として、
イオン交換膜の膜材である炭化水素系イオン交換樹脂、
又はナフィオン(商品名…米国デュポン社が開発したパ
ーフルオロカーボンスルホン酸)等のフッ素化樹脂等の
高分子固体電解質中のイオン交換基の濃度を増すことが
提案されている。あるいは、膜を機械加工することによ
りイオン交換膜のイオン伝導性を改良する試みもなされ
ている。 (2)イオン交換膜、アノード、及びカソードの水分管
理が適正であること。即ち、イオン交換膜が乾燥する
と、そのイオン伝導性が著しく低下し、電池の内部抵抗
が増大して電池性能が低下する。また、アノード、カソ
ードの水分状態について見ると、イオン交換膜中をアノ
ードからカソードに向かってH+ イオンが水分子を同伴
する為、アノード側の水分が欠乏して乾燥しやすくH+
イオンの移動を低下させる。一方、カソード側では電極
反応により生成される水が過剰になると、反応ガスの流
入を妨げスムーズな電極反応を阻害する。この為、アノ
ード側では加湿を行い、カソード側では除湿を行って水
分を適正に維持することが必要である。即ち、イオン交
換膜、アノード、及びカソードの水分管理を適正に行う
ことより、電池性能を向上させることができる。このこ
とから水分管理対策の1つとして、イオン交換膜に縒糸
状の繊維を挟んでサンドイッチ構造にすることにより、
繊維を介してイオン交換膜を加湿する方法が提案されて
いる。また別の対策として、アノード側の反応ガスを水
蒸気で加湿することにより間接的にイオン交換膜を加湿
する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
固体電解質のイオン交換基の濃度を増すと、炭化水素系
イオン交換樹脂は高分子の特徴である柔らかさが失わ
れ、イオン交換膜とアノード又はイオン交換膜とカソー
ドの接合が困難となり、燃料電池の製作が困難になると
いう問題がある。また、ナフィオン等のフッ素化樹脂の
場合は、膜が流動化してしまう為、多くのイオン交換基
の導入が技術的に困難であるという問題がある。
【0005】また、イオン交換膜の膜厚を薄くすると膜
自体の機械的強度が小さくなり、イオン交換膜が損傷し
やすいという問題がある。従って、現在、用い得るイオ
ン交換膜のイオン伝導性は満足すべきものではなく、イ
オン伝導性の良いイオン交換膜が要望されている。一
方、水分管理対策において、縒糸状の繊維をサンドイッ
チした構造にする方法は、イオン交換膜への加湿はでき
るものの、繊維を挟んでサンドイッチにする分だけ膜厚
が厚くなりイオン伝導性の低下を招く為、根本的な解決
にはなりにくい。また、反応ガスを水蒸気で加湿する方
法は、水蒸気分だけ反応ガスが希釈される為、反応ガス
の分圧低下を招くと共に、電極触媒層中の反応ガスの拡
散も阻害される為、電池性能が低下する要因になる。更
には、変動する負荷に追従して加湿する水蒸気の量を変
動させることが難しい為、水分を充分供給できずに膜が
乾燥したり、逆に触媒層を濡らし過ぎたりして、電池性
能を低下させるという問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、イオン交換膜の比抵抗を小さくしてイオン伝導
性を改良することができると共に、無加湿運転が可能な
水分管理のできる高分子固体電解質型燃料電池を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明を概説すれば、本発
明は高分子固体電解質型燃料電池の電池性能を改良する
発明であって、カソード用集電体、カソード用触媒層、
イオン交換膜、アノード用触媒層、及びアノード用集電
体が積層され、前記カソード用触媒層に酸化性ガスが、
前記アノード用触媒層に燃料ガスが供給される固体電解
質燃料電池に於いて、前記イオン交換膜、カソード用触
媒層、及びアノード用触媒層のうち少なくともその1つ
に微細粒子のシリカ及び/又は繊維状のシリカファイバ
ーが含有されており、前記シリカは平均一次粒度が0.
1μm以下であり、前記シリカファイバーは太さがμ
m以下であると共に前記シリカ及び/又はシリカファイ
バーの含有率は、前記イオン交換膜の高分子固体電解質
重量、カソード用触媒層の高分子固体電解質重量、又は
アノード用触媒層の高分子固体電解質重量に対して0.
01〜50重量%であることを特徴とする。
【0008】本発明者らは表1に示すように、シリカ及
び/又はシリカファイバーが含有された高分子固体電解
質(ナフィオンを使用)は比抵抗が小さくなりイオン伝
導性が改良されると共に含水率を高めることを見いだし
た。そして、これに基づいてイオン交換膜、カソード触
媒層、及びアノード触媒層のうち、少なくともその1つ
に微細粒子のシリカ及び/又は繊維状のシリカファイバ
ーが含有されていることにより、高分子固体電解質型燃
料電池の電池性能を向上させたものである。 表1 高分子固体電解質の含水率及び比抵抗 シリカ含有率(%含水率(%比抵抗(Ωcm)80°C 0.00 2.5 10.5 0.01 20.0 10.0 0.10 28.0 7.4 1.00 31.0 5.5 3.00 − 5.4 10.00 34.0 6.0 20.00 − 6.8 30.00 − 7.5 50.00 − 9.8 (備考)表1では微細粒子のシリカを用いたが繊維状の
シリカファイバーでも同様の結果が得られた。
【0009】即ち、本発明の高分子固体電解質型燃料電
池によれば、イオン交換膜には、微細粒子のシリカ及び
/又は繊維状のシリカファイバーが含有されている。こ
れにより、イオン交換膜自体の比抵抗を小さくすること
ができるので、イオン交換膜のイオン伝導性が改良され
電池性能を向上させることができる。そして、前記シリ
カ及び/又はシリカファイバーの含有によりイオン交換
膜自体のイオン伝導性が改良される理由は、膜を構成す
る高分子固体電解質のクラスター構造モデルにより説明
することができる。即ち、高分子固体電解質のイオン伝
導機構はイオン交換基同志が集まって4nm程度の空間
を形成し、この空間同志が1nm程度の連通管で接続さ
れている。そして、前記空間に水が存在することにより
イオンの移動が起こるとされている。一方、微粒子すな
わち高比表面積のシリカは高い吸湿性を示す。このこと
から、イオン交換膜にシリカ及び/又はシリカファイバ
ーが含有されることにより、前記空間における水の存在
率が高まり、イオン交換膜のイオン伝導性が改良される
ものと考えられる。
【0010】また、シリカ及び/又はシリカファイバー
が含有されることにより、イオン交換膜全体が保持でき
る保水量を大きくすることができるので、イオン交換膜
の乾燥を防止することができる。更には、シリカファイ
バーが含有された場合には、イオン交換膜の機械的強度
を大きくすることができる。これにより、イオン交換膜
の膜厚を薄くしても膜の損傷が起きにくいので、膜厚を
薄くすることによりイオン伝導性を改良することができ
る。
【0011】本発明において、含有される微細粒子のシ
リカは無定形の結晶構造を有し、平均一次粒度が0.1
μm以下、好ましくは0.01μm以下が望ましい。ま
た、シリカファイバーは太さが5μm以下であることが
望ましい。なぜなら、平均一次粒度が0.1μmを越え
シリカ及び太さが5μmを越えるシリカファイバーの
場合は、イオン交換膜の比抵抗を低下させる効果が小さ
く実用的でない。また、含有量としては、高分子固体電
解質の重量に対して0.01〜50重量%であり、好ま
しくは0.1〜20重量%であることが望ましい。なぜ
なら、前記表1に示すように、高分子固体電解質に含有
されるシリカの含有率が0.01重量%以下又は50重
量%以上では、比抵抗の改良効果が認められなくなる。
また、シリカ及び/又はシリカファイバーをイオン交換
膜に含有させる場合は、シリカ及び/又はシリカファイ
バー及びイオン交換樹脂を夫々メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等の親水性の溶剤に
懸濁又溶解させた状態で混合すると、イオン交換膜の比
抵抗が小さくなるので望ましい。この理由としては、親
水性の溶剤を用いることにより、含有されるシリカが高
分子固体電解質のイオン交換基(親水性)で形成される
前記クラスター構造に近接した状態で含有され易くなる
ことが推定される。
【0012】また、イオン交換膜の膜材である高分子固
体電解質としては、種々の電気化学装置にイオン交換膜
として用いられるパーフルオロカーボンスルホン酸、ポ
リサルフォン、パーフルオロカルボン酸、スチレン─ビ
ニルベンゼンスルフォン酸のカチオン交換樹脂、またス
チレン−ブタジエン系アニオン交換樹脂等を用いること
ができる。特に、パーフルオロカーボンスルホン酸(ナ
フィオン)は、耐薬品性、耐熱性に優れており好適であ
る。
【0013】次に、カソード触媒層、アノード触媒層に
おけるシリカ及び/又はシリカファイバーの含有につい
て説明する。本発明によれば、カソード触媒層にはシリ
カ及び/又はシリカファイバーが含有されている。これ
により、カソード触媒層での電極反応で生成される水が
ガス気相に揮散するの防止することができるので、電池
の作動の停止時又は低負荷時のようにカソードでの水の
生成量が少ない時には、電池系内に一定の水分を保持す
ることができる。また、高負荷時のようにカソードでの
水の生成量が多い時(アノードやイオン交換膜の乾燥が
発生し易い時)には、カソードの過剰水分がアノード側
に逆拡散して、イオン交換膜及びアノードの水源として
の役目を行うことができる。また、アノード触媒層にシ
リカ及び/又はシリカファイバーが含有されていること
により、アノードの乾燥を防止すると共に、カソード側
からアノード側への水分の逆拡散を助長する役目を行う
ことができる。
【0014】また、カソード触媒層、アノード触媒層に
含有されるシリカ及び/又はシリカファイバーは、イオ
ン交換膜に含有されたものと同じである。また、触媒層
において電極反応を円滑に進行させる為には、触媒粒子
(又は炭素粒子表面に白金を還元法で析出させた触媒)
/高分子固体電解質を1/9〜5/5の重量比率になる
ようにすることが望ましい。ところで表1に示した如く
高分子固体電解質の重量に対してシリカが0.01〜5
0重量%の範囲で含有されることが触媒層の比抵抗及び
含水率を改良できるので、触媒層に対して0.0006
〜31重量%に相当するシリカを含有させることが望ま
しい。また、高分子固体電解質はイオン交換膜に用いた
のと同じものを用いることが好ましい。また、シリカを
触媒層に含有させる場合は、イオン交換膜で記載したと
同様に、触媒粒子(又は炭素粒子表面に白金を還元法で
析出させた触媒)、高分子固体電解質、シリカ及び/又
はシリカファイバーを夫々メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノール等の親水性の溶剤に懸濁又
溶解させた状態で混合すると、触媒層の比抵抗が小さく
なるので望ましい。
【0015】以上説明したように、本発明の高分子固体
電解質型燃料電池では、イオン交換膜、カソード触媒
層、アノード触媒層のうち、その1つにシリカ及び/又
はシリカファイバーが含有される場合にも、夫々の効果
により電池性能を高めることができるが、少なくとも、
イオン交換膜には含有されていることが望ましい。しか
し、本発明の高分子固体電解質型燃料電池の大きな特徴
は、イオン交換膜、カソード触媒層、アノード触媒層の
全てにシリカ及び/又はシリカファイバーが含有される
ことにより電池性能を顕著に向上させることができると
共に、無加湿で運転を行うことができることである。即
ち、このシリカ含有により、カソード触媒層での電極反
応により水が生成されると、カソード触媒層では生成水
の反応ガス中への揮散を防止し、また、カソード触媒層
の余剰水のイオン交換膜及びアノード触媒層側への逆拡
散を助ける。これにより、本発明の高分子固体電解質燃
料電池は、電池系内の水分がクローズドシステムで移
動、逆拡散が行われるので、電池系外からの加湿を必要
とせずに運転することができる。
【0016】尚、イオン交換膜、カソード用触媒層、ア
ノード用触媒層に含有されるシリカ及び/又はシリカフ
ァイバーの各含有率は、電池系内の水分の移動、逆拡散
のバランスから上記した含有率の範囲内で変えることが
望ましい。例えば乾燥し易いアノード用触媒層側にシリ
カ及び/又はシリカファイバーを多く含有させ、水が生
成されるカソード用触媒層にシリカ及び/又はシリカフ
ァイバーを少なめに含有させることができる。この場
合、アノード触媒層とイオン交換膜の接合面の少なくと
も一面に塗布したシリカ及び/又はシリカファイバーを
ホットプレス等の加熱圧着処理等により表面層に埋め込
んだ構造にすることも可能である。同様に、アノード用
触媒層とアノード集電体の接合面、イオン交換膜とカソ
ード用触媒層の接合面、カソード用触媒層とカソード集
電多体の接合面においてもシリカ及び/又はシリカファ
イバーを埋め込んだ構造にすることが可能である。
【0017】以上の如く本発明の高分子固体電解質型燃
料電池によれば、イオン交換膜自体のイオン伝導性を改
良することができると共に、高分子固体電解質燃料電池
の無加湿運転を可能にすることができる。
【0018】
【作用】本発明の高分子固体電解質型燃料電池を構成す
るイオン交換膜、カソード触媒層、アノード触媒層に夫
々シリカ及び/又はシリカファイバーが含有されている
ので、電池のイオン伝導性が改良され、電池性能を向上
させることができる。また、含水率が高くなることによ
り、カソード用触媒層で生成された水分はアノード用触
媒層側に拡散され、イオン交換膜及びアノード用触媒層
に水分を供給する。これにより、電池内の水分がクロー
ズドシステムで移動、拡散するので、無加湿運転を行う
ことができる。
【0019】
【実施例1】次に、本発明に係わる高分子固体電解質型
燃料電池の好ましい実施例を記載するが、本実施例は本
発明を限定するものではない。本発明の高分子固体電解
質型燃料電池に用いたイオン交換膜は次の製法によって
作った。
【0020】先ず、ナフィオンの5重量%イソプロパノ
ール溶液(アルドリッチ社製)と、前記ナフィオン重量
に対して5重量%相当のシリカ(商品名…アエロジル3
80、日本アエロジル社製、平均一次粒度0.007μ
m)のイソプロピルアルコール分散液(濃度…5g/
l)とを混合して超音波ホモジナイザーで良く攪拌し
た。次に、この溶液を膜成型容器に流し込み、60°C
で減圧乾燥してイソプロパノールを除去して成膜し、シ
リカ含有率5重量%及び膜厚0.1mmのイオン交換膜
を作成した。尚、押出し成型又はスクリーン印刷による
成膜も可能である。
【0021】また、本発明の高分子固体電解質型燃料電
池に用いたカソード触媒層、アノード触媒層は次の製法
で作った。先ず、炭素粒子の表面に白金を還元法で析出
させた触媒と、ナフィオンと、シリカとが1:1:0.
05の重量比率になる各エタノール溶液を混合して超音
波ホモジナイザーで良く攪拌した。次に、この液を60
°Cで減圧乾燥してエタノールを除去した後、乾燥物を
破砕し、濾過転写法で集電極のカーボンペーパに転写
し、130°C、5kg/cm2 で3秒間ホットプレス
して薄板状に成形した。使用したシリカは前記イオン交
換膜で使用したものと同じである。この時の触媒層のシ
リカ含有率は、触媒層の重量に対して2.4重量%であ
り、カソード触媒層、アノード触媒層ともに同じ含有率
とした。
【0022】そして、上記の如く作成した2枚の触媒電
極間に上記の如く作成したイオン交換膜を挟み、図1及
び図2に示す高分子固体電解質燃料電池を組み立てた。
図1及び図2において、1はイオン交換膜、2はカソー
ド触媒層、3はアノード触媒層、4は酸素の供給通路5
を有するカソード集電体、6は水素の供給通路7を有す
るアノード集電体、8はシール材を示している。
【0023】また、比較例として、シリカを含有しない
以外は、上記と同様にイオン交換膜、カソード触媒層、
及びアノード触媒層を作製して、図2と同様に高分子固
体電解質燃料電池を組み立てた。そして、本発明の高分
子固体電解質燃料電池と従来の高分子固体電解質燃料電
池との電池性能の評価方法として、以下に示す比較テス
トを実施した。 (1)本発明の高分子固体電解質型燃料電池は無加湿で
運転して比抵抗を測定した。一方、比較例として作成し
た高分子固体電解質型燃料電池は、水素ガスに加湿した
場合及び無加湿の場合について比抵抗を測定した。電池
の作動条件は以下の通りであり、比較結果を図3に示
す。
【0024】 反応ガス…水素(アノード側)、酸素(カソード側) セル運転温度…80°C 加湿温度…80°C(加湿した場合) セル運転圧力…大気圧 図3の結果から明らかなように、本発明の高分子固体電
解質型燃料電池は無加湿にも係わらず、その比抵抗は比
較例の高分子固体電解質型燃料電池の加湿した時の比抵
抗より小さくイオン伝導性が良いことを示した。また、
比較例の高分子固体電解質型燃料電池の無加湿した時の
比抵抗は、明らかに高い値を示した。
【0025】このことから、本発明の高分子固体電解質
型燃料電池は無加湿でも、比較例の高分子固体電解質型
燃料電池の加湿した時と比べ同等以上の電池性能を有す
ることが分かった。 (2)また、前記両者の高分子固体電解質型燃料電池と
もに無加湿の条件の下に、電流密度350mA/cm2
で運転した場合の電池寿命を比較した結果を図4示す。
【0026】図4の結果から明らかなように、本発明の
高分子固体電解質燃料電池は、比較例の高分子固体電解
質燃料電池と比べ明らかに電池性能が高いことが分か
る。また、本発明の高分子固体電解質燃料電池は、無加
湿運転にも係わらず500時間後でも安定した電池性能
を維持していた。以上の結果から、本発明の高分子固体
電解質燃料電池は無加湿運転が可能なことを確認するこ
とができた。
【0027】
【実施例2】前記ナフィオンの重量に対して太さ3μm
のシリカ短繊維を5重量%含有させたイオン交換膜を実
施例1と同様の成膜方法で成膜し、高分子固体電解質型
燃料電池を作った。尚、イオン交換膜以外は実施例1の
高分子固体電解質型燃料電池と同じ構成とした。そし
て、この高分子固体電解質型燃料電池について、無加湿
運転又は加湿運転での比抵抗を測定した。その結果、無
加湿運転での比抵抗は7Ωcmとなり、シリカ繊維を含
有させた場合も実施例1と同様の結果を得た。また、加
湿運転での比抵抗は5.5Ωcmとなり、更に小さな比
抵抗を得ることができた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高分
子固体電解質燃料電池によれば、イオン交換膜、カソー
ド用触媒層、及びアノード用触媒層のうち少なくともそ
の1つに微細粒子のシリカ及び/又は繊維状のシリカフ
ァイバーが含有されており、シリカは平均一次粒度が
0.1μm以下であり、シリカファイバーは太さが5μ
m以下であると共にシリカ及び/又はシリカファイバー
の含有率は、イオン交換膜の高分子固体電解質重量、カ
ソード用触媒層の高分子固体電解質重量、又はアノード
用触媒層の高分子固体電解質重量に対して0.01〜5
0重量%であるようにしたことで良好な水分管理ができ
るので、電池内抵抗を小さくでき、電池の高性能化が図
れる。
【0029】イオン交換膜、カソード用触媒層、及びア
ノード用触媒層の全てに微細粒子のシリカ及び/又は繊
維状のシリカファイバーが含有されることにより、無加
湿で運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高分子固体電解質型燃料電池の構
成を示す斜視図
【図2】シール構造を持つ単セルに組立てた本発明に係
る高分子固体電解質型燃料電池の断面図
【図3】本発明の実施例における本発明の高分子固体電
解質型燃料電池と比較例の高分子固体電解質型燃料電池
との比抵抗を比較したグラフ
【図4】本発明の実施例における本発明の高分子固体電
解質型燃料電池と比較例の高分子固体電解質型燃料電池
の電池寿命を比較したグラフ
【符号の説明】
1…イオン交換膜 2…カソード触媒層 3…アノード触媒層 4…カソード集電体 5…酸素供給通路 6…アノード集電体 7…水素供給通路 8…シール材
フロントページの続き (73)特許権者 000218166 渡辺 政廣 山梨県甲府市和田町2421番地の8 (72)発明者 ポール・ストンハルト アメリカ合衆国 06443 コネチカット 州 マジソン コテッジ・ロード 17、 ピー・オー・ ボックス 1220 (72)発明者 渡辺 政廣 山梨県甲府市和田町2412番地8 (56)参考文献 特開 平5−283094(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/86 H01M 8/02 H01M 8/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カソード用集電体、カソード用触媒層、イ
    オン交換膜、アノード用触媒層、及びアノード用集電体
    が積層され、前記カソード用触媒層に酸化性ガスが、前
    記アノード用触媒層に燃料ガスが供給される固体電解質
    燃料電池に於いて、 前記イオン交換膜、カソード用触媒層、及びアノード用
    触媒層のうち少なくともその1つに微細粒子のシリカ及
    び/又は繊維状のシリカファイバーが含有されており、
    前記シリカは平均一次粒度が0.1μm以下であり、
    記シリカファイバーは太さがμm以下であると共に前
    記シリカ及び/又はシリカファイバーの含有率は、前記
    イオン交換膜の高分子固体電解質重量、カソード用触媒
    層の高分子固体電解質重量、又はアノード用触媒層の高
    分子固体電解質重量に対して0.01〜50重量%であ
    ることを特徴とする高分子固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】前記イオン交換膜中のシリカ及び/又はシ
    リカファイバーの含有率はイオン交換膜の重量に対して
    0.01〜50重量%であることを特徴とする請求項1
    の高分子固体電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】前記カソード用触媒層、及びアノード用触
    媒層のシリカ及び/又はシリカファイバーの含有率は触
    媒層の重量に対して0.0006〜31重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1の高分子固体電解質型燃料電
    池。
JP25680592A 1992-09-25 1992-09-25 高分子固体電解質型燃料電池 Expired - Fee Related JP3498321B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25680592A JP3498321B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 高分子固体電解質型燃料電池
US08/126,337 US5523181A (en) 1992-09-25 1993-09-24 Polymer solid-electrolyte composition and electrochemical cell using the composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25680592A JP3498321B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 高分子固体電解質型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06111827A JPH06111827A (ja) 1994-04-22
JP3498321B2 true JP3498321B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=17297687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25680592A Expired - Fee Related JP3498321B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 高分子固体電解質型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3498321B2 (ja)

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3577402B2 (ja) * 1997-07-28 2004-10-13 株式会社東芝 固体高分子型燃料電池
KR100442827B1 (ko) * 1997-08-30 2004-09-18 삼성전자주식회사 촉매층 형성용 조성물 및 이를 이용하여 형성된 촉매층을 갖는 연료 전지
AU2636999A (en) * 1998-02-24 1999-09-15 Ramot University Authority For Applied Research And Industrial Development Ltd. Ion conductive matrixes and their use
GB9914499D0 (en) * 1999-06-22 1999-08-25 Johnson Matthey Plc Non-woven fibre webs
US6713207B2 (en) 2000-05-18 2004-03-30 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Membrane electrode assembly, and solid polymer fuel cell using the assembly
IT1319649B1 (it) * 2000-11-14 2003-10-23 Nuvera Fuel Cells Europ Srl Assieme membrana-elettrodo per cella a combustibile a membranapolimerica.
US7160926B2 (en) 2001-05-31 2007-01-09 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Ion exchange fluorocarbon resin membrane
JP2003059494A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池の運転方法及び燃料電池装置
DE10297187B4 (de) 2001-09-10 2009-08-20 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Elektrodenkatalysatorschicht, ein Verfahren zur Herstellung derselben sowie eine Gasdiffusionselektrode, umfassend eine Elektrodenkatalysatorschicht, eine Membran/Elektroden-Anordnung, umfassend eine Elektrodenkatalysatorschicht, und eine Brennstoffzelle vom festen Polymertyp, umfassend eine Elektrodenkatalysatorschicht
JP2004071502A (ja) 2002-08-09 2004-03-04 Araco Corp 燃料電池用セパレータおよびそれを備えた燃料電池
US7569302B2 (en) * 2002-11-05 2009-08-04 Panasonic Corporation Fuel cell for generating electric power
US20040137297A1 (en) 2002-12-26 2004-07-15 Hitoshi Matsuoka Ion exchange membrane and production process therefor
CA2527871C (en) 2003-06-27 2010-08-17 Asahi Kasei Chemicals Corporation Polymer electrolyte membrane having high durability and method for producing the same
JP4506164B2 (ja) * 2003-12-11 2010-07-21 株式会社エクォス・リサーチ 膜電極接合体及びその使用方法
US7736782B2 (en) 2004-10-20 2010-06-15 Samsung Sdi Co., Ltd. Proton conductive solid polymer electrolyte and fuel cell
US7879506B2 (en) 2004-11-16 2011-02-01 Samsung Sdi Co., Ltd. Solid polymer electrolyte membrane, method for manufacturing the same, and fuel cell using the solid polymer electrolyte membrane
JP4836804B2 (ja) 2004-12-24 2011-12-14 旭化成イーマテリアルズ株式会社 高耐久性電極触媒層
KR100670284B1 (ko) 2005-02-04 2007-01-16 삼성에스디아이 주식회사 연료전지
KR100684787B1 (ko) * 2005-03-31 2007-02-20 삼성에스디아이 주식회사 연료전지용 고분자 전해질막, 이의 제조 방법 및 이를포함하는 연료전지용 스택 및 연료전지 시스템
JP4682358B2 (ja) 2005-04-05 2011-05-11 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 機能性無機/グラフト高分子ハイブリッドイオン交換膜の製造方法および燃料電池用電解質膜
JP5164569B2 (ja) * 2005-07-01 2013-03-21 日本板硝子株式会社 プロトン伝導性膜用補強材およびそれを用いたプロトン伝導性膜、並びに燃料電池
JP5011567B2 (ja) 2005-11-17 2012-08-29 独立行政法人日本原子力研究開発機構 ナノ無機粒子複合橋架け高分子電解質膜及びその製造方法、ならびにそれを用いた膜・電極接合体
JP5110348B2 (ja) * 2006-08-14 2012-12-26 日産自動車株式会社 固体高分子電解質膜及びその製造方法並びに固体高分子型燃料電池
EP2078715A4 (en) 2006-10-30 2010-04-14 Nippon Steel Chemical Co PROTON-CONNECTING CONNECTION AND PROTON-CONDUCTIVE POLYMER
JP5548445B2 (ja) 2007-02-21 2014-07-16 旭化成イーマテリアルズ株式会社 高分子電解質組成物、高分子電解質膜、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池
JP5135949B2 (ja) * 2007-08-23 2013-02-06 トヨタ自動車株式会社 積層多孔質電解質膜及び燃料電池用電極
JP5094295B2 (ja) 2007-09-10 2012-12-12 富士フイルム株式会社 膜電極接合体および燃料電池
JP4600500B2 (ja) * 2007-11-26 2010-12-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の製造方法
WO2009068949A2 (en) 2007-11-26 2009-06-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Composite electrolyte membrane, membrane-electrode assembly, fuel cell, and methods for manufacturing same
JP2010129397A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用電極
JP5317654B2 (ja) * 2008-12-02 2013-10-16 東芝燃料電池システム株式会社 燃料電池用電極とその製造方法、及び燃料電池
JP5942338B2 (ja) * 2011-04-28 2016-06-29 デクセリアルズ株式会社 駆動装置、レンズモジュールおよび撮像装置
JP6121839B2 (ja) * 2013-08-06 2017-04-26 東芝ライフスタイル株式会社 減酸素装置
GB201405204D0 (en) * 2014-03-24 2014-05-07 Enocell Ltd Proton conducting membrane and fuel cell comprising the same
JP2014160671A (ja) * 2014-04-18 2014-09-04 Nissan Motor Co Ltd 膜電極接合体
JP2016004658A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 学校法人早稲田大学 電解質膜、膜電極接合体、燃料電池、および電解質膜の製造方法
JP2022090254A (ja) * 2020-12-07 2022-06-17 日清紡ホールディングス株式会社 ゲル電解質

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06111827A (ja) 1994-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3498321B2 (ja) 高分子固体電解質型燃料電池
US7183017B2 (en) Composite polymer electrolytes for proton exchange membrane fuel cells
JP3375200B2 (ja) 高分子固体電解質組成物
US5399184A (en) Method for fabricating gas diffusion electrode assembly for fuel cells
US5523181A (en) Polymer solid-electrolyte composition and electrochemical cell using the composition
JP4233208B2 (ja) 燃料電池
JP3427003B2 (ja) 燃料電池
KR101135479B1 (ko) 연료전지용 고분자 전해질막, 이의 제조방법, 및 이를포함하는 연료전지 시스템
JP4979243B2 (ja) ポリマー電解質膜とその製造方法および燃料電池
JP3385554B2 (ja) 高分子固体電解質組成物及びその組成物を用いた電気化学セル
JP2000106202A (ja) 燃料電池
JP3459615B2 (ja) 燃料電池用電極及び燃料電池
JP2002164057A (ja) 固体高分子型燃料電池とその製造方法
JP3433169B2 (ja) 固体高分子型燃料電池
JP3962548B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP2000195527A (ja) 燃料電池
JP4438283B2 (ja) 膜電極接合体
JP3382655B2 (ja) 改良されてなる固体高分子電解質型燃料電池
JP2002319411A (ja) ガス拡散電極およびこれを用いた燃料電池
JP3495668B2 (ja) 燃料電池の製造方法
JP4892776B2 (ja) 燃料電池
JP2004349180A (ja) 膜電極接合体
JP2000277130A (ja) 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法
JP2002216780A (ja) 電極部材及び電極部材を用いた電池並びに電極部材の製造方法
JPH11135135A (ja) 電気化学素子

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees