JP3498226B2 - 熱電池 - Google Patents

熱電池

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JP3498226B2
JP3498226B2 JP25963294A JP25963294A JP3498226B2 JP 3498226 B2 JP3498226 B2 JP 3498226B2 JP 25963294 A JP25963294 A JP 25963294A JP 25963294 A JP25963294 A JP 25963294A JP 3498226 B2 JP3498226 B2 JP 3498226B2
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イヴァノヴィッチ アナティチュク ルキャン
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ターヴァリシシイエースチ エス アグラニーチン アドヴィエーツト ヴィンナチス アルテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は熱電池、より詳細に述
べると種類の異なる二つの熱電素子を用いてそのゼーベ
ック効果によって電気エネルギーを発生し、冷却あるい
は加熱等に使用することができる熱電池に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電池は日常生活、貿易、計測器の製
造、エレクトロニクス、コンピュータその他の分野にお
ける各種の物の冷却、空気調和装置や温度制御装置の熱
電加熱、あるいは種々の機能を行わせる熱電エネルギー
の発生源として利用することができるものである。
【0003】一般に、代表的な周知の熱電池には2つの
型式がある。第一の型式のものは図7に示すように、少
なくとも2種類の熱電材料製の熱電素子4と、熱電池を
外部回路に接続する導線1と、熱電素子4を電気回路に
接続する導電性の接合板5と、接合板5と熱電素子4と
の間に配した半田層2とから成っている。この型式の熱
電池はウエスチングハウス・サーモエレクトリック・コ
ンパニー(Westinghouse Thermoe
lectric Co.)が1962年に発行したW.
B.グリーン(Green)著「ウエスチングハウス・
サーモエレクトリック・ハンドブック」の第5.2部6
0−isに記載されている。
【0004】周知の第二の型式の熱電池は図8に示すよ
うに、前述した基本的構成要素の他に、熱を吸収し分散
するための熱伝導製のセラミック板7を備え、セラミッ
ク板7の間に熱電素子4が配置してある。この第二の型
式の熱電池は、たとえば、米国特許第5064476
号、欧州特許出願公開第0455051A2号、米国特
許第5171372号および米国のマーロウ(Marl
ow)社とメルカー(Melcor)社のカタログにも
示されている。
【0005】この発明の熱電池に類似するものには、前
記メルカー社のカタログに記載のFS−seriaの小
型のセラミックモジュールがある。同社の熱電池では、
図9に示すような平坦な接合板5によって熱電素子の電
気的接続を行っている。なお、この形状の接合板は前記
周知のそれぞれの型式の熱電池にも使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7お
よび図8に示すような従来周知の熱電池は熱電素子4の
端面と接合板5との接触が充分に信頼できるものでな
く、また接合板5と熱伝導性のセラミック板7との接触
にも十二分な信頼が置けないという不利益がある。
【0007】その主たる理由は、接合板5と、熱電素子
4と、熱伝導性のセラミック板7のそれぞれの材料の熱
膨張係数が根本的に異なることにある。通常、接合板5
は銅製であって、その線膨張係数は約17.10-6-1
であり、熱電素子4はBi,Te,Sb,Seの化合物
を基礎とする熱電材料製であって、その線膨張係数は1
2〜19.10-6-1であり、熱伝導性のセラミック板
7の熱膨張係数は5〜7.10-6-1である。したがっ
て、熱電池の作動時に前記接触にストレスが生じて、熱
電池に故障を招くのである。
【0008】接合板5、熱電素子4、熱伝導性板7との
相互間におけるストレスを軽減するために、鉛、スズ、
インジウム製の塑性の半田層2を配して、その塑性体の
変形によってストレスを抑えていた。通常、この半田層
2によるストレス軽減の効果は半田層2の厚み如何によ
るものである。半田層2の厚みが極めて薄いとストレス
の軽減に効果を示さず、半田2の層が厚いと電気的およ
び熱的な抵抗が大きくなって、熱電池の品質や、効率お
よび信頼性を低下することになる。
【0009】以上に述べた問題点を考慮して、この発明
の主目的は、極めて一定した厚みの半田層を用いて、高
品質で信頼性の高い熱電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の熱電池は、 a) 少なくとも2種類の熱電材料製の熱電素子と、 b) 熱電池を外部回路に接続する電気導線と、 c) 熱電素子を電気回路に接続する導電性の接合板
と、 d) 熱電池の各導線を熱電素子の内の一方の素子に接
続する接合板と、 e) 前記接合板を外面と内面とを有するものとし、こ
の接合板を2本の熱電素子の端面に接触することと、 f) 接合板と熱電素子との間に半田層を配置すること
とから成り、前記接合板の内面に接合板と一体になる取
付け要素を設け、この取付け要素によって接合板と熱電
素子の表面との間に一定の間隙を形成させ、取付け要素
と接合板の内面と2本の熱電素子の端面との間に半田層
を配して、この半田層を前記間隙の部分の容積の形状と
して成るものである。
【0011】この発明の一実施態様によれば、接合板の
外面に接触するセラミック板と、接合板とセラミック板
との間の半田層と、接合板の外面に接合板と一体になる
取付け要素を設け、この取付け要素によって接合板とセ
ラミック板との間に一定の間隙を形成させ、接合板とセ
ラミック板との間において取付け要素の間に配した半田
層を取付け要素と、セラミック板の表面と接合板の外面
との間における前記間隙の部分の容積の形状として成る
ものである。
【0012】この発明の他の実施態様によれば、2本の
熱電素子の端面に接触する接合板の外面の両端縁にそれ
ぞれに1個の取付け要素を備え、また接合板の内面の両
端縁にもそれぞれ1個の取付け要素が設けてあって、接
合板の内面と外面の取付け要素の形状は角柱で、相互に
平行でしかも接合板に接続される2本の熱電素子の端面
の幾何学的中心を通る直線に対しても平行をなしてい
る。したがって、前記直線に対して横方向の接合板の各
セクションはフランジビーム型、すなわちH字状のビー
ムをなしている。
【0013】同時に、この発明の特別な実施態様におい
ては、熱電池の強度を増強するために、接合板の取付け
要素の形状をフランジビームの形状にするものである。
【0014】
【実施例】次にこの発明の熱電池を、図面について説明
する。図1に示すように、熱電池は、たとえばBiTe
合金系の少なくとも種類の異なる熱電材料製の二つの熱
電素子4と、熱電池を外部回路に接続する電気導線1と
から成っている。熱電池の熱電素子4は、たとえば銅な
どの高電導性の材料で製した接合板5によって電気回路
中に配置されている。接合板5は2本の熱電素子の端面
に接触している。半田層2が接合板5と熱電素子4との
間に配してある。この実施態様においては、熱電素子の
端面4は、たとえばニッケル製の不拡散層3でカバーし
てある。
【0015】接合板5の内面には、取付け要素8が接合
板5と一体に構成してあり、接合板5と熱電要素4の端
面との間に、取付け要素8と、接合板5の内面と、2本
の熱電素子4の端面とから成る一定の間隙を形成し、半
田層2を前記間隙の部分の容積の形状としている。
【0016】図5に示すこの発明の実施態様において
は、図3について説明したものの他に接合板5の外面に
接触するセラミック板7と、接合板5とセラミック板7
との間の半田層2とから成っている。セラミック板7に
は金属被覆面6が形成してあって、この被覆面に接合板
5が半田で固定してある。金属被覆面6はたとえばニッ
ケルの被覆面とする。
【0017】接合板の外面に接合板と一体に取り付け要
素8が構成してあり、接合板5とセラミック板7との間
に一定の間隙を形成し、接合板5とセラミック板7との
間の半田層2はこれら取付け要素とセラミック板7の表
面と接合板5の外面との間の前記間隙の部分の容積の形
状と一致する。
【0018】この発明によれば、取付け要素の形状は色
々な形にすることができる。その一例として、図6に示
すように、2本の熱電素子の端面を接続する接合板5に
は、その接合板5の外面の両端縁に1個づつの取付け要
素8aを設け、さらに接合板5の内面の両端縁に1個づ
つの取り付け要素8bが設けてあって、接合板5の外面
と内面の取付け要素の形状は長方形の棒状にしてあり、
その面は互いに平行で接合板5と熱電素子4とによって
接続される端面の幾何学的中心を通る直線ABに平行に
してある。したがって、直線ABに対して直角方向の接
合板の横断面Sはフランジビーム形をなしている。
【0019】
【発明の作用と効果】この発明の熱電池の冷却モードに
おける作動は、熱電池を流れる電流の移動時の熱の放出
と吸収とによるものであって、いわゆる周知の熱電池の
作動である。
【0020】この発明の熱電池のエネルギー発生モード
は周知のゼーベック効果に基づくものであって、このモ
ードにおける周知の熱電池の作動である。この場合、熱
電素子を流れる熱の移動時に熱電池の導線1に電圧が生
ずるのである。
【0021】電池の作動時に生ずる電池の構成材料の線
膨張係数の相違によって生ずるストレスは接合板5の表
面の取付け要素8の間に配した塑性半田層2の塑性によ
って減衰される。それと同時に、取付け要素8の高さが
一定であるために、半田層2の厚さが適切なものとな
り、その熱抵抗および電気抵抗を大きなものとすること
がない。
【0022】接合板5の表面の取付け要素8に熱電池が
設けてあることにより、熱電池の熱電素子4と接合板5
との幾何学的なサイズの誤差を相殺し、両者の接触によ
る電導性および熱伝導性を良好にし、電池の信頼性を一
段と高めるものである。
【0023】また、取付け要素が設けてあるために、熱
電池の製造に当たって、頗る融通性が増加している。す
なわち、図9に示すような、平坦な接合板5を使用して
いる周知の熱電池においては、その熱電池の製造時に半
田層2の厚みが一定しないので、半田層の厚みを詳細に
測定することができない。通常、熱電池の製造には、熱
電素子4の両端面の半田層の厚みの和を所定の寸度にす
ることが最も好ましいことである。この半田層の厚みの
和は熱電素子4の長さと前もってセラミック板7に取り
付けた両接合板5間の距離とによって決まる。
【0024】熱電素子4の端面の一層の半田層2の厚み
は、時によって一層の半田層2として予定される最小の
厚みからその2倍の厚みまで種々である。この半田層2
の厚みは熱電池の組立作業の時の温度、使用する材料、
接合板の表面の状態、(各熱電素子4に使用する半田の
量は決め兼ねるものであるが)その半田の量、その他に
左右される。
【0025】接合板に取付け要素が存在しないときに
は、熱電素子4の長さと接合板の厚さとが一定の幾何学
的サイズから外れることが重大な影響をもたらすもので
ある。これに反して、接合板に取付け要素が設けてある
と、熱電池の製造時において寸法上の不一致を最小限度
のものとすることができ、熱電池の信頼性を一段と高め
るのである。
【0026】この発明は信頼性の高い熱電池の製造に利
用するものであって、セラミック板の面積が廣い、とく
に高冷却能力の熱電池の製造に有効である。とくにこの
発明によれば、セラミック板7の面積が48×48mm
2 で熱電素子の端面の面積が43×3mm2 の信頼度の
高い熱電池を製造することができた。
【0027】厚さ3mmで長さ7mmのフランジビーム
型の銅製の接合板を使用した。取り付け要素の高さを
0.15mmとし、その幅を0.2mmとした。半田層
の厚みを0.15mmとしたところ、ストレス減衰性が
極めて確実であった。この熱電池は次のような性質を有
するものである。すなわち、最大温度差は+20℃から
の冷却時において70Kであり、+50℃からの冷却に
おいて82Kであった。また、最大冷却能力は+50℃
からの冷却において120Wであり、その比冷却能力は
5.2〜5.3W/cm2 であった。これまで周知のこ
の種の熱電池の比冷却能力は凡そ3W/cm2 であるこ
とからして、それらと比べてこの発明の熱電池は最大温
度低下および比冷却能力において遥かに優れているもの
であり、50000オン/オフサイクルで作動し続ける
ので、極めて信頼性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施態様の熱電池を示す略図
である。
【図2】この発明の第一の実施態様の熱電池の接合板を
示す斜視図である。
【図3】この発明の第二の実施態様の熱電池を示す略図
である。
【図4】この発明の第二の実施態様の熱電池の接合板を
示す斜視図である。
【図5】この発明の第三の実施態様の熱電池を示す略図
である。
【図6】この発明の第三の実施態様の熱電池の接合板を
示す斜視図である。
【図7】従来技術の熱電池の第一の型式を示す略図であ
る。
【図8】従来技術の熱電池の第二の型式を示す略図であ
る。
【図9】従来技術の熱電池に使用されている接合板を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 導線 2 半田層 3 不拡散層 4 熱電素子 5 接合板 6 金属被覆面 7 セラミック板 8 取付け要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a) 少なくとも2種類の熱電材料製の熱
    電素子と、 b) 熱電池を外部回路に接続する電気導線と、 c) 熱電素子を電気回路に接続する導電性の接合板
    と、 d) 熱電池の各導線を熱電素子の内の一方の素子に接
    続する接合板と、 e) 前記接合板を外面と内面とを有するものとし、こ
    の接合板を2本の熱電素子の端面に隣接することと、 f) 接合板と熱電素子との間に半田層を配置すること
    とから成り、 前記接合板の内面に接合板と一体になる取付け要素を設
    け、この取付け要素によって接合板と熱電素子の表面と
    の間に一定の間隙を形成させ、取付け要素と接合板の内
    面と2本の熱電素子の端面との間に半田層を配して、こ
    の半田層を前記間隙の部分の容積の形状として成る熱電
    池。
  2. 【請求項2】前記接合板の外面に隣接するセラミック板
    と、前記接合板と前記セラミック板との間の半田層と、
    前記接合板の外面に接合板とは異なる取付け要素を前記
    接合板と一体に構成し、前記取り付け要素によって前記
    接合板と前記セラミック板との間に一定の間隙を形成さ
    せ、前記取り付け要素と前記セラミック板の表面と前記
    接合板の外面との間に配される前記接合板と前記セラミ
    ック板との間の半田層の形状を前記間隙の部分の容量の
    形状としたことから成る請求項1に記載の熱電池。
  3. 【請求項3】 前記2本の熱電素子の端面に接続する前
    記接合板の外面の対向端縁に2個の取付け要素を設け、
    前記接合板の内面の対向端縁にも2個の取付け要素を設
    け、前記内外両面の前記取付け要素を相互に平行で、し
    かも前記2本の熱電素子の端面の幾何学的中心を通る直
    線に対しても平行にし、前記接合板のそれぞれの前記直
    線に対して直角方向の横断面をフランジビーム状にして
    成る請求項2に記載の熱電池。
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