JP3497239B2 - 摩擦式無段変速機 - Google Patents

摩擦式無段変速機

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JP3497239B2 JP11874194A JP11874194A JP3497239B2 JP 3497239 B2 JP3497239 B2 JP 3497239B2 JP 11874194 A JP11874194 A JP 11874194A JP 11874194 A JP11874194 A JP 11874194A JP 3497239 B2 JP3497239 B2 JP 3497239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、遠心送風機や遠心圧
縮機、ラジアルタービンの羽根車などの駆動軸を無段変
速するための摩擦式無段変速機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の羽根車のような高速回転体を駆
動する軸を無段変速し、入力軸の回転数が変動しても回
転体が装着されている出力軸が一定の速度で回転できる
ように変速する摩擦式無段変速機の従来技術として、実
開平3−55948号により提案されたものがある。 【0003】この従来の変速機は、図9に示すように、
入力軸1と対向配置する出力軸2の外側に、複数のダブ
ルコーン3を支持するキャリア4を取付け、このキャリ
ア4にラックとピニオンから成る軸方向の移動手段5を
設け、ダブルコーン3をキャリア4によって入力軸1の
軸方向に移動させることにより入力軸1の回転を変速し
て出力軸2に伝達するようになっている。 【0004】また、入力軸1にダブルコーン3と接触す
る環状部材6を一体に設けると共に、入力軸1の軸受7
にホルダー8を取付け、このホルダー8を変速機ケース
9の間に組込んだばね10の弾性により入力軸1を軸方
向に引張り、ダブルコーン3の各々の摩擦接触面3a、
3bに一定の圧接力を加えるようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記の摩擦式無段変速
機においては、入力軸1より動力が入り、環状部材6が
ばね10の力で圧接することでダブルコーン3へとトル
クが伝達され、そのダブルコーン3から出力軸2へ伝わ
る間にトルクが無段変速されるようになっているが、ダ
ブルコーン3を支持するキャリア4と、その内側にある
キャリアガイド11とは、無段変速を行なうという役目
のため滑らかに軸方向へ移動できる構造が求められる。 【0006】ところが、従来の変速機では、キャリア4
の移動手段5はラックとピニオンを組合せた構造とさ
れ、ラックとピニオンの歯が噛み合うことによりキャリ
ア4が軸方向に移動するが、このラックとピニオンの歯
はキャリア4の回転を止める機能をもっていない。この
ため、入力軸1に動力が伝わると、キャリアガイド11
を軸としてダブルコーン3が自転をしながら公転運動を
行なう場合があった。このようなダブルコーン3の公転
は、変速比を変化させたり、移動手段5とキャリア4の
連結部の外れを生じさせる不具合がある。 【0007】また、キャリア4が軸方向の移動許容量を
越えて移動すると、ダブルコーン3が出力軸2の先端に
設けたドライブコーン12や環状部材6との係合位置か
ら外れ、変速動作が不可能になる不具合がある。 【0008】また、ダブルコーン3は、キャリア4から
突出した支持軸26に回転自在に取付けられるが、変速
機を急速に回転させた場合、ダブルコーン3が高速で回
転移動し、その慣性のためにダブルコーン3が支持軸2
6を抜け出してドライブコーン12と環状部材6との係
合位置から外れる、という不具合もある。 【0009】そこでこの発明は、上記の問題を解決し、
キャリアの動きを円滑にすると同時に、ダブルコーンや
キャリアの動きを適正な範囲に規制し、安定した無段変
速機能を維持できる摩擦式無段変速機を提供することを
目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、入力軸と出力軸の間に、その両
軸と接触して入力軸の回転を出力軸に伝達するダブルコ
ーンを設け、出力軸の外側にダブルコーンを軸方向に移
動させるキャリアをスライド可能に設け、上記ダブルコ
ーンを入力軸の軸方向に移動させることにより出力軸の
回転を変速させる摩擦式無段変速機において、上記キャ
リアと変速機ケースの間に、キャリアの軸方向の移動の
みを許容する回り止め手段を設け、この回り止め手段
が、変速機ケースに取り付けられ、ガイド孔が出力軸の
軸線に沿って前後方向に長く、端部にキャリアの軸方向
の移動量を規制するストッパを備えたガイドと、キャリ
アに取り付けられ、上記ガイドのガイド孔に収まって転
がり接触するガイドローラ軸受とで形成され、上記ガイ
ド孔の幅寸法が、ガイドローラ軸受が軸方向に滑らかに
転がり移動できる大きさになっているのである。 【0011】 【0012】 【0013】 【実施例】以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例
を説明する。なお、この発明に係る摩擦式無段変速機の
基本的な構造や作用は前に説明した従来構造のものと同
じであり、同一部品には同一の符号を付して説明を省略
する。 【0014】図1及び図2は第1の実施例を示してい
る。キャリア4は、変速機ケース9に取付けたキャリア
ガイド11を軸にして前後方向にスライドするようにな
っており、その前側の外周に設けた傾斜面13に、ダブ
ルコーン3を支持する3本の支持軸14が取付けられて
いる。 【0015】キャリア4の後側の外周面には、各支持軸
14と干渉しない位置に外側に向けて放射状に延びる1
個のステー15が取付けられ、そのステー15の先端
に、転がり軸受を用いたガイドローラ軸受16が取付け
られている。 【0016】また、変速機ケース9の端面には、前後方
向に延びるガイド17がボルト締めにより取付けられ、
そのガイド17に、上記ガイドローラ軸受16が嵌合す
る長孔状のガイド孔18が形成されている。このガイド
孔18は、出力軸2の軸線に沿って前後方向に長く形成
され、その幅寸法は、ガイドローラ軸受16が軸方向に
滑らかに転がり移動できる大きさに形成されている。 【0017】また、ガイド孔18の先端には、ダブルコ
ーン3がドライブコーン12又は環状部材6と接触する
範囲を越えて図1の右方向へ軸方向に移動しようとした
とき、ガイドローラ軸受16と当接してその動きを止め
るストッパ面19が設けられている。 【0018】上記の構造で成る実施例の変速機において
は、入力軸1に駆動力が加わり、ダブルコーン3が自転
をすることによりキャリア4に回転力が作用しても、ガ
イドローラ軸受16とガイド孔18との嵌合によりキャ
リア4が回り止めされる。このため、移動手段5の駆動
によりキャリア4とダブルコーン3は前後方向にのみス
ライド運動する。 【0019】また、ダブルコーン3がドライブコーン1
2又は環状部材6との接触範囲を越えて移動しようとす
ると、ガイドローラ軸受16とストッパ面19とが当接
して動きが止められ、許容される移動範囲内にキャリア
4が保持される。 【0020】なお、上記第1の実施例において、ステー
15をキャリア4の外周面に2カ所以上設けるようにし
てもよい。 【0021】また、ガイド17は、変速機ケース9の内
周面に取付けてもよく、又変速機ケース9に固定される
キャリアガイド11に取付けることもできる。 【0022】 【0023】図3及び図4は、第2の実施例を示してい
る。この例においては、キャリア4の先端に取付けた支
持軸26に、ダブルコーン3の内部孔27を嵌合させ、
この支持軸26と内部孔27の間に組込んだニードル軸
受28によりダブルコーン3を回転自在に支持してい
る。 【0024】また、支持軸26の先端に抜け止め部材2
9を取付け、その抜け止め部材29に、ダブルコーン3
の内部孔27の開口部よりも大きな大径部30を設けて
いる。 【0025】上記の構造では、急速な変速操作により高
速回転するダブルコーン3が慣性力によって支持軸26
を抜け出そうとしても、抜け止め部材29の大径部30
が干渉してその抜け出しが止められ、ダブルコーン3は
ドライブコーン12と環境部材6との適切な係合位置に
保持される。 【0026】一方、図5は第3の実施例を示す。この例
では、変速機ケース9の端面にL字形ステー21を固定
し、そのL字形ステー21の先端に、キャリア4に向か
って延びる軸受用ステー22を取付けている。 【0027】また、キャリア4の外周面にはガイド23
を固定し、そのガイド23に設けたガイド溝24に、軸
受用ステー22の先端に取付けたガイドローラ軸受25
を嵌合している。 【0028】上記ガイド溝24は、前後方向に長く形成
され、ガイドローラ軸受25の動きを拘束してキャリア
4の前後方向のスライド運動のみを許容するようになっ
ており、そのガイド溝24の端部に、図1の構造と同じ
ようにキャリア4の軸方向の移動範囲を制限するストッ
パ面を設けてある。 【0029】図6は第4の実施例を示している。この例
においては、固定のキャリアガイド11にガイド31を
設け、そのキャリアガイド11の外側をスライド運動す
るキャリア4に、前後方向に長いガイド溝32を設け、
このガイド溝32とガイド31の嵌合によりキャリア4
の回転を防止している。なお、ガイド溝32の端部に、
ガイドの軸方向の移動範囲を規制するストッパ面を設け
るようにしてもよい。 【0030】図7は第5の実施例を示し、この例におい
ては、キャリア4の移動手段5を構成するラックホルダ
45の形状を変えてキャリア4の回転を防止している。 【0031】移動手段5は、駆動手段41と連結する軸
42にピニオン43を取付け、そのピニオン43と噛み
合うラック44をラックホルダ45を介してキャリア4
に固定する構造となっており、ラックホルダ45の底面
に前後方向に延びるガイド溝46を設けている。また、
キャリアガイド11にはガイド47を取付け、このガイ
ド47とガイド溝46の嵌合により、キャリア4の回転
を防止し、軸方向の移動のみを許容している。 【0032】図8に示す第6の実施例は、上述した第3
又は第4の実施例のように回り止め手段のガイドやガイ
ド溝をキャリア4とキャリアガイド11の間に設けるの
ではなく、キャリア4の外側に設けたものである。 【0033】すなわち、キャリアガイド11の大径部に
固定した部材51に、前後方向に延びるガイド溝52を
設け、そのガイド溝52に嵌合するガイド53をキャリ
ア4の外周面に取付け、その両者の嵌合によりキャリア
4の前後方向のスライド運動を案内している。 【0034】 【効果】以上のように、この発明は、回り止め手段によ
りダブルコーンを支持するキャリアの回転を止め、軸方
向の移動のみを許容するようにしたので、変速作動中の
ダブルコーンの公転運動を防止でき、安定した作動を維
持することができる。 【0035】また、キャリアの軸方向の移動のみを許容
するこの回り止め手段を、ガイド孔が出力軸の軸線に沿
って前後方向に長く、端部にキャリアの軸方向の移動量
を規制するストッパを備えたガイドと、キャリアに取り
付けられ、上記ガイドのガイド孔に収まって転がり接触
するガイドローラ軸受とで形成され、このガイド孔の幅
寸法が、ガイドローラ軸受が軸方向に滑らかに転がり移
動できる大きさになっているので、キャリアの軸方向の
移動をガイド孔に転がり接触するガイドローラ軸受の回
転により円滑に誘導することができ、出力軸の回転の変
速が容易に行える。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1の実施例を示す縦断正面図 【図2】同上の縦断側面図 【図3】第2の実施例を示す縦断側面図 【図4】同上の要部を拡大して示す断面図 【図5】第3の実施例を示す縦断側面図 【図6】第4の実施例を示す縦断側面図 【図7】第5の実施例を示す縦断側面図 【図8】第6の実施例を示す縦断側面図 【図9】従来例を示す縦断正面図 【符号の説明】 1 入力軸 2 出力軸 3 ダブルコーン 4 キャリア 5 移動手段 9 変速機ケース 11 キャリアガイド 14 支持軸 15、22 ステー 16、25 ガイドローラ軸受 17、23、31、47、53 ガイド 18 ガイド孔 19 ストッパ面 24、32、46、52 ガイド溝 26 支持軸 27 内部孔 29 抜け止め部材 30 大径部 41 駆動手段 42 軸 43 ピニオン 44 ラック 45 ラックホルダ
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−55948(JP,U) 実開 平1−173552(JP,U) 実開 平3−7566(JP,U) 特公 昭38−26813(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/00 - 15/56

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 入力軸と出力軸の間に、その両軸と接触
    して入力軸の回転を出力軸に伝達するダブルコーンを設
    け、出力軸の外側にダブルコーンを軸方向に移動させる
    キャリアをスライド可能に設け、上記ダブルコーンを入
    力軸の軸方向に移動させることにより出力軸の回転を変
    速させる摩擦式無段変速機において、上記キャリアと変
    速機ケースの間に、キャリアの軸方向の移動のみを許容
    する回り止め手段を設け、この回り止め手段が、変速機
    ケースに取り付けられ、ガイド孔が出力軸の軸線に沿っ
    て前後方向に長く、端部にキャリアの軸方向の移動量を
    規制するストッパを備えたガイドと、キャリアに取り付
    けられ、上記ガイドのガイド孔に収まって転がり接触す
    るガイドローラ軸受とで形成され、上記ガイド孔の幅寸
    法が、ガイドローラ軸受が軸方向に滑らかに転がり移動
    できる大きさになっていることを特徴とする摩擦式無段
    変速機。
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DE19580740T DE19580740T1 (de) 1994-05-31 1995-04-27 Stufenlos variables Getriebe vom Reibungstyp
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