JP3494487B2 - 筒状編地の編成方法 - Google Patents

筒状編地の編成方法

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    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B1/00Weft knitting processes for the production of fabrics or articles not dependent on the use of particular machines; Fabrics or articles defined by such processes
    • D04B1/10Patterned fabrics or articles
    • D04B1/102Patterned fabrics or articles with stitch pattern
    • D04B1/106Patterned fabrics or articles with stitch pattern at a selvedge, e.g. hems or turned welts

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環状のパイピングが形成
された筒状編地の編成方法および2層構造の筒状編地を
編成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セーター等の編物製品は前身頃、
後身頃等の各パーツを別個の編地として編成する方法が
一般的である。この方法では前身頃および後身頃等の各
パーツを縫製作業により接続するとともに、衿首部等の
編地端縁に別途編成した衿用編地を縫いつけることによ
り完成品としている。しかし、この方法では編機での編
成以外にパーツ同士を縫着する作業や別途衿用編地を編
成する作業等が必要となり、生産性が悪いという問題が
あった。したがって、これまで横編機で編地の編成完了
後に編地端部の補強等の後処理を必要としない状態に編
成を行うインテグラルガーメントと呼ばれる編成方法が
種々考えられている。
【0003】インテグラルガーメントと呼ばれる編成方
法の一つに編地の編始めおよび編終わりの編地端部を管
状に形成するパイピングと呼ばれる編地端縁の処理方法
がある。また、更に進んで前後両針床を使用して編成さ
れる筒状編地の前側部分および後側部分のそれぞれの編
地端縁にパイピングを形成することにより、パイピング
が前後に重ねられた4重構造の編地を編成する方法が既
に考案されている。従来の編成方法を利用することによ
り編成されたサポーター101を図17に示す。図18
−1は図17のU−U線における断面図、図18−2は
図17のV−V線における断面図、図18−3は図17
のW−W線における断面図、図19は図17のX−X線
における断面図である。図17に示すサポーター101
の筒状編地部102は図18−2に示すように前側編地
102aおよび後側編地102bが両端部で接続された
2重構造となっている。一方、図18−1および図18
−3に示すように、編始めおよび編終わりのパイピング
が形成される部分では、前パイピング103と後パイピ
ング104、および前パイピング105と後パイピング
106が前後に重ねられた4重構造となっている。
【0004】次に上記のパイピングの編成方法を図20
および図21を使用して説明する。まず、図20のコー
ス20−1に示すように、前後両針床の一本おきの針に
交互に給糸口500を使用して編糸を供給して前パイピ
ング103の編成開始箇所Yとなる編目を形成する。次
にコース20−2とコース20−3に示すように前ベッ
ドおよび後ベッドの針に周回状に編糸を供給し前ベッド
の針で前パイピング103の外側編地103aとなる部
分を、後ベッドの針で内側編地103bとなる部分を編
成する。この編成を適宜回数繰り返して所望の丈の前パ
イピング103を得る。次にコース20−4では後ベッ
ドの針に係止されている内側編地103bの編目を前ベ
ッドの針に係止されている外側編地103aの編目と重
ねる。次にコース20−5に示すように前ベッドの編目
を係止していない一本おきの針および後ベッドの一本お
きの針に交互に給糸口600により編糸を供給して後パ
イピング104の編成開始箇所Yとなる編目を形成し、
次にコース21−1からコース21−2では前ベッドお
よび後ベッドの針に周回状に編糸を供給し、後ベッドの
針で後パイピング104の外側編地104aを、前ベッ
ドの針で内側編地104bとなる部分を編成する。これ
らの編成を適宜回数繰り返して前パイピング103と同
じ丈の後パイピング104を得る。次にコース21−3
では前ベッドの一本おきの針に係止されている内側編地
104bの編目を後ベッドの針に係止されている外側編
地104aの編目と重ねる。
【0005】続いて、前パイピング103および後パイ
ピング104が前後に重ねられた状態のままで続くコー
ス21−4からコース21−5において、前ベッドおよ
び後ベッドの編目を係止している針に編糸を供給して編
目を形成する編成を繰り返すことにより、サポーター1
01の筒状編地部102を形成する。
【0006】次に筒状編地部102の編終わり側の編地
端縁にパイピングを形成する方法を説明する。まずコー
ス22−1に示すように、筒状編地部102の前側編地
102aの編目を係止している前ベッドの一本おきの
針、および後ベッドの編目を係止していない一本おきの
針に給糸口500により交互に編糸を供給し、前パイピ
ング105の編成開始箇所の編目を形成する。次にコー
ス22−2とコース22−3に示すように前ベッドおよ
び後ベッドの針に周回状に編糸を供給し、前ベッドの針
で前パイピング105の外側編地となる部分を、後ベッ
ドの針で内側編地となる部分を編成する。この編成を適
宜回数繰り返して所望の丈の前パイピング105を得
る。次にコース22−4では後ベッドの針に係止されて
いる内側編地105bの編目を前ベッドの針に係止され
ている外側編地103aの編目と重ねる。次にコース2
2−5に示すように、前ベッドの編目を係止していない
一本おきの針および筒状編地部102の後側編地102
bの編目を係止している後ベッドの一本おきの針に交互
に編糸を供給して後パイピング106の編成開始箇所Y
の編目を形成し、次にコース23−1とコース23−2
では前ベッドの針および後ベッドの針に周回状に編糸を
供給し、後ベッドの針で後パイピング106の外側編地
106aを、前ベッドの針で内側編地106bとなる部
分を編成する。これらの編成を適宜回数繰り返すことに
より後パイピング106を得る。次にコース23−3で
は前ベッドの針に係止されている後パイピング106の
内側編地106bの編目を後ベッドの針に係止されてい
る外側編地106aの編目と重ねる。続いてコース23
−4およびコース23−5で編目を係止している前後両
針床の一本おきの針に給糸口600により熱溶融着性の
編糸を供給して編目を形成することによりサポーター1
01の編成が完了する。該サポーター101に編成完了
後、編終わりの部分に熱処理を施すことで最終コースの
解れが防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した方法でパイピ
ングを形成した場合、パイピング103と104は図1
8−1に示すように編幅端にて分断されており、両端部
で接続された環状のパイピング編地とはなっていないた
め、編成完了後に前パイピング103と後パイピング1
04の両端部を縫合しなければならなかった。
【0008】また上記した編成方法では、前パイピング
103を編成した後に後パイピング104が編成され
る。そのため編始め側および編終わり側のそれぞれにパ
イピングを形成したサポーター101では、その編成開
始箇所Yおよび編成終了箇所Zが編地端縁に現れる。そ
のため着用した場合に、編成開始箇所Yおよび編成終了
箇所Zが表面に現れ見栄えが悪くなる虞があった。
【0009】上記した問題に鑑み、本発明の第1の目的
は、前ベッドの針で編成される前パイピングおよび後ベ
ッドの針で編成される後パイピングがその両端部におい
てそれぞれのパイピングを形成する外側編地同士および
内側編地同士が接続された状態とすることで、連続した
中空部分を有する環状パイピングが形成された筒状編地
の編成方法を開示しようとするものである。
【0010】また、本発明の第2の目的は、環状パイピ
ングにゴム紐等を挿通するための開口部を形成すること
である。
【0011】また、本発明の第3の目的は、外側筒状編
地と内側筒状編地からなる2層構造の筒状編地の編成方
法を開示することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ため、本発明の筒状編地の編成方法は、少なくとも前後
一対に設けられ、その何れか一方または双方が左右摺動
可能に構成された横編機で環状のパイピングを形成する
際に、前記各針床の針を、環状に形成されるパイピング
の前側となる前パイピングと後側となる後パイピングを
形成するためのパイピング形成用編針と、前記前パイピ
ングが形成される間、前パイピングの編成開始箇所で形
成した係止編目を保持する前後一対の係止編目保持用編
針と、前記後パイピングが形成される間、後パイピング
の編成開始箇所で形成された係止編目を保持する前後一
対の係止編目保持用編針に区分けし、前パイピングおよ
び後パイピングとなる編目は、前後それぞれの針床の一
本おきの針に形成し、前パイピングおよび後パイピング
の係止編目は3本おきの針に形成するとともに、前パイ
ピングの係止編目と後パイピングの係止編目は位相の異
なる針を使用して環状のパイピングが形成された筒状編
地の編成方法であって、 (1)前パイピングを形成する編目および、前パイピン
グの係止編目を形成する工程、 (2)後パイピングを形成する編目および、後パイピン
グの係止編目を形成する工程、 (3)前ベッドにおける前パイピングの編成に先だっ
て、後パイピングの係止編目を後ベッドの針に移し戻す
るとともに、前パイピングの係止編目を後ベッドの針に
目移しし、しかる後、前ベッド上の前パイピング形成用
編針に編糸を供給して前パイピングとなる部分を編成す
る工程、 (4)後ベッドにおける後パイピングの編成に先だっ
て、前パイピングの係止編目を前ベッドの針に移し戻す
とともに、後パイピングの係止編目を前ベッドの針に目
移しし、しかる後、後ベッド上の後パイピング形成用編
針に編糸を供給して後パイピングとなる部分を編成する
工程、 (5)上記(3)から(4)に示される工程を適宜回数
繰り返す工程、 (6)前パイピングの係止編目を前パイピングを形成す
る編目と重ねる工程、 (7)後パイピングの係止編目を後パイピングを形成す
る編目と重ねる工程、からなることを特徴とする。
【0013】
【0014】また、環状パイピングを編成した後、筒状
編地を編成することにより、筒状編地の編始め側の編地
端縁に環状パイピングを形成することも特徴の一つであ
る。
【0015】また、筒状編地を編成した後、筒状編地の
編終わり側の編地端縁に環状パイピングを形成すること
も特徴の一つである。
【0016】また、筒状編地の編始め側及び編終わり側
のそれぞれの編地端縁に環状パイピングを形成したこと
も特徴の一つである。
【0017】また、係止編目をトランスファーニットに
より形成することも特徴の一つである。
【0018】また、弾性糸を使用した伏目処理により環
状パイピングの解れ止めを施すことも特徴の一つであ
る。
【0019】また、パイピングとなる部分を編成する際
に、特定箇所で給糸口を反転させC字状に編糸を供給す
ることにより、パイピングの適宜箇所に開口を形成する
ことも特徴の一つである。
【0020】 また、少なくとも前後一対に設けられ、
その何れか一方または双方が左右摺動可能に構成された
横編機で、外側筒状編地と内側筒状編地からなる2層構
造の筒状編地を編成する方法であって、筒状編地の前側
部分および後側部分となる編目は、前後それぞれの針床
の一本おきの針に形成し、筒状編地の前側部分および後
側部の係止編目は3本おきの針に形成するとともに、前
側部分の係止編目と後側部分の係止編目は位相の異なる
針を使用し、更に (1)前ベッドにおける2層構造の筒状編地の前側部分
の編成に先だって、後側部分の編成開始箇所を保持する
ための係止編目を後ベッドの針に移し戻すとともに、前
側部分の編成開始箇所を保持するための係止編目を後ベ
ッドの針に目移しし、しかる後、前ベッド上の前側部分
を編成する針に編糸を供給して編目を形成する工程、 (2)後ベッドにおける2層構造の筒状編地の後側部分
の編成に先だって、前側部分の係止編目を前ベッドの針
に移し戻すとともに、後側部分の係止編目を前ベッドの
針に目移しし、しかる後、後ベッド上の後側部分を編成
する針に編糸を供給して編目を形成する工程、 (3)上記(1)から(2)に示される工程を適宜回数
繰り返すことを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明の編成方法では、パイピングの編成開始
箇所において、前または後のパイピングとなる編目と、
パイピングなる部分を編成する間、編始め箇所を保持す
る係止編目を形成し、該係止編目を編成に使用しない側
の針床の針に目移しを行いつつ前後の針床の針に編糸を
供給することにより、前パイピングとなる部分と後パイ
ピングとなる部分がその両端部で接続された状態に編成
される。また、パイピングの編始め箇所が編成に使用さ
れない針床の針に保持された状態で前パイピングおよび
後パイピングとなる部分を編成しているため、前後の針
床に周回状に編糸を供給する編成を適宜回数繰り返すこ
とにより、編成された部分はU字状に垂れ下がった状態
となる。次に編始め箇所を保持していた係止編目を前お
よび後パイピングを形成する編目と重ねることにより、
U字状に垂れ下がった状態で編成されてきた部分がその
上端部で閉じられることによりパイピングが形成され
る。
【0022】また、パイピングとなる部分を編成する際
に特定箇所で給糸口を反転させC字状に編糸を供給する
編成を繰り返すことにより開口が形成される。
【0023】また、2層構造の筒状編地の前側部分を前
ベッドの針で、後側部分を後ベッドの針で編成する工程
を繰り返すことにより、内側筒状編地と外側筒状編地か
らなる2層構造の筒状編地が編成される。
【0024】
【実施例】本発明の環状パイピングの編成方法を図面と
共に詳細に説明する。図1は本発明の編成方法を筒状編
地の上端および下端に施したたサポーター1を示す。図
2−1は図1のM−M線における断面図、図2−2はN
−N線における断面図、図2−3はO−O線における断
面図である。図3は図1のP−P線における断面図であ
る。
【0025】図1に示すサポーター1は筒状編地部2お
よび筒状編地部2の編始め側および編終わり側に形成さ
れる編始め側環状パイピング3および編終わり側環状パ
イピング4からなる。筒状編地部2は前ベッドで編成さ
れる前編地2aおよび後ベッドで編成される後編地2b
からなり2重構造となっている。一方、編始め側環状パ
イピング3(編終わり側環状パイピング4も同様)は、
前ベッドで編成される前パイピング部5と後ベッドで編
成される後パイピング部6からなる。前パイピング部5
はパイピング完成時に外側に現れる外側編地5aおよ
び、パイピング完成時に内側となる内側編地5bからな
るが、後述するように外側編地5aおよび内側編地5b
は連続して編成される。同様に後パイピング部6は外側
編地6aおよび内側編地6bからなり、外側編地6aお
よび内側編地6bは連続して編成される。このようにサ
ポーター1に形成される編始め側環状パイピング3およ
び編終わり側環状パイピング4が形成される部分では前
パイピングおよび後パイピングが前後に重ねられた状態
で4重構造となっている。サポーター1の編成は図3に
おいて矢印で示される方向に行われ、編成開始箇所Q、
Rおよび編成終了箇所S、Tは編成完了時にはサポータ
ー1の裏側に位置する。
【0026】次に本発明の環状パイピングの編成方法を
編成コース図に従って説明する。なお本実施例において
は前ベッドの針はアルファベットの大文字を、後ベッド
の針はアルファベットの小文字を使用して表す。また、
説明の便宜上、実際の編成に使用される針本数より少な
い針本数で編成を行うとともに、編機は後方の針床がラ
ッキング可能な横編機を使用して編成を行う場合を例に
説明する。また、以下の実施例おいては、前ベッドの針
を、前パイピングの編成に使用する針(1)と前側パイ
ピングの編成を行う間、前パイピングの編成開始箇所
S、Uを保持するための針(3)および後側パイピング
の編成に使用する針(2)と、後パイピングの編成開始
箇所T、Vを保持するための針(4)に区分けして編成
を行う。以下本実施例においては説明の便宜を図るため
編成コース図4〜図13において、針を示すアルファベ
ットの上または下に番号(1〜4)を付すことによりい
かなる編成に使用される針であるかを示す。
【0027】(編始め側環状パイピング) 以下図4から図6の編成コース図を使用し、編始め側環
状パイピング3を編成する場合を説明する。先ず、図4
のコース4−1においては、前後両針床の針A・a・C
・E・e・G・I・i・Kに順次弾性糸を給糸口100
により供給し編始め側環状パイピング3の前パイピング
5の編成開始箇所Qとなる編目を形成する。この時、前
ベッドの針A・C・E・G・I・Kに形成した編目が前
パイピング5を形成する編目であり、一方、後ベッドの
針a・e・iに形成した編目が前ベッドで前パイピング
5を編成する間、前パイピング5の編成開始箇所Qを保
持するための編目である。該編成開始箇所Qを保持する
編目は、前ベッドで前パイピングとなる部分が編成され
る間、後ベッドの針に係止された状態で前パイピングの
編成開始箇所を係止した状態となるため、本実施例にお
いては以下係止編目と表現する。同様に後パイピングと
なる部分が編成される間、前ベッドの針で後パイピング
の編成開始箇所を保持するための編目も係止編目と表現
する。係止編目は後述するように、前パイピング5の係
止編目は前ベッドで前パイピング5となる部分が編成さ
れる間は後ベッドの針に係止された状態で前パイピング
5の編成開始箇所Qを保持する一方、後ベッドで後パイ
ピング6となる部分が編成される時には前ベッドの針に
目移しされる。同様に後パイピング6の係止編目も前後
ベッド間で目移しが行われる。この後ベッドの針a・e
・iの編目は後述するように、前ベッドの針を使用して
前パイピングとなる部分を適宜コース編成した後、前パ
イピング6の編目と重ねられることでパイピングが形成
される。
【0028】また上記したように、係止編目を形成する
コース4−1で弾性糸を使用することにより、所望丈の
パイピング編地を編成する間、係止編目を前後の針床間
で複数回目移ししても、編目が伸ばされたりすることが
ない。また、後述するように係止編目とパイピングを形
成する編目と重ねた時に弾性糸の収縮力により編成開始
箇所が引き寄せられるため、パイピングの上端が確実に
閉じられた綺麗なパイピングを形成することができる。
【0029】次にコース4−2ではサポーター1の編成
に使用する給糸口200により前ベッドの針C・G・K
に編糸を供給して編目を形成する。これは一般に止め編
みと呼ばれるコースであり、このコースを編成すること
により編地の編成完了後、コース4−1で編成された編
目が解け出すことなく保持される。なお本実施例におい
ては、前ベッドの針C・G・Kに対して止め編みを行っ
ているが、止め編みを行う針はコース4−1においてど
の針に係止編目を形成するかにより適宜変更される。
【0030】次にコース4−3では後パイピング6の
成開始箇所Rの編目を形成するため、後ベッドの針a・
e・iに係止されている前パイピング5の係止編目をそ
れぞれ前ベッドの針B・F・Jに目移しする。そしてコ
ース4−4においては前後両針床の針l・L・j・h・
H・f・d・D・bに順次給糸口100により編糸を供
給して後パイピング6の編成開始箇所Rとなる編目を形
成する。この時、後ベッドの針l・j・h・f・d・b
に形成したのは後パイピング6を形成する編目であり、
前ベッドの針L・H・Dに形成したのは、後パイピング
6の係止編目である。
【0031】次にコース4−5では後ベッドの針j・f
・bに編糸を供給して編目を形成し、後パイピング6の
編出し部の止め編みを行う。次にコース5−1では前ベ
ッドの針D・H・Lに係止されている後パイピング6の
係止編目をそれぞれ後ベッドの針c・g・kに、前ベッ
ドの針B・F・Jに係止されている前パイピング5の係
止編目をそれぞれ後ベッドの針a・e・iに目移しした
後、コース5−2では前ベッドの一本おきの針A・C・
E・G・I・Kに給糸口200により編糸を供給し前パ
イピング5となる部分を編成する。
【0032】次にコース5−3では後ベッドの針a・e
・iに係止されている前パイピング5の係止編目をそれ
ぞれ前ベッドの針B・F・Jに移し戻すとともに、後ベ
ッドの針c・g・kに係止されている後パイピング6の
係止編目をそれぞれ前ベッドの針D・H・Lに目移しす
る。そしてコース5−4で後ベッドの一本おきの針l・
j・h・f・d・bに給糸口200により編糸を供給し
て編目を形成し、後パイピング6となる部分を編成す
る。
【0033】以後、コース5−1からコース5−4に示
される編成を給糸口200を使用して前後の針床に周回
状に編糸を供給し、形成するパイピングの長さに応じて
適宜回数繰り返すことにより、前パイピング5と後パイ
ピング6が両端部で接続された状態で、前ベッドの針で
前パイピング5の内側編地5aとなる部分から外側編地
5bとなる部分へと順次編成され、後ベッドの針では後
パイピング6の内側編地6bとなる部分から外側編地6
aとなる部分へと順次編成される。この時、前パイピン
グ5および後パイピング6となる部分は、パイピングの
編成開始箇所Q、Rの編目が保持された状態であるた
め、編成された編地はU字状に垂れ下がった状態とな
る。
【0034】次にコース5−5において前ベッドの針D
・H・Lに係止されている後パイピングの係止編目をそ
れぞれ後ベッドの針c・g・kに移し戻すとともに、前
ベッドの針B・F・Jに係止されている前パイピングの
係止編目を後ベッドの針a・e・iに目移しする。次に
コース6−1では、後ベッドの針a・e・iに係止され
ている前パイピング5の係止編目をそれぞれ前ベッドの
針A・E・Iに目移しする。これにより前パイピング5
の編成開始箇所Qを保持していた係止編目が前パイピン
グ5を形成する編目と重ねられ、それまでU字状に垂れ
下がった状態となっていた編地の上端が閉じられた状態
となり前パイピング5の編成が完了する。次にコース6
−2においては、後ベッドの針c・g・kに係止されて
いる後パイピング6の係止編目をそれぞれ前ベッドの針
B・F・Jに目移しした後、コース6−3においては前
ベッドの針B・F・Jに係止されている後パイピング6
の係止編目をそれぞれ後ベッドの針b・f・jに目移す
る。これにより後パイピング6の編成開始箇所Rを保持
していた係止編目が後パイピング6を形成する編目と重
ねられ、それまでU字状に垂れ下がった状態となってい
た編地の上端部が閉じられた状態となり後パイピング6
の編成が完了する。
【0035】以後コース6−4からコース6−5に示さ
れるように前ベッドの一本おきの針A・C・E・G・I
・Kおよび後ベッドの一本おきの針l・j・h・f・d
・bに対し前後の針床の針に給糸口200により周回状
に編糸を供給して編目を形成する編成を適宜回数繰り返
すことにより、サポーター1の筒状編地部2が編成され
る。
【0036】(編終わり側環状パイピング)次にサポー
ター1の筒状編地部2の編成に続いて、編終わり側の環
状パイピング4の編成について説明を行う。まず、図7
のコース7−1では筒状編地部2の最終コースの編目を
係止している前ベッドの一本おきの針A・C・E・G・
I・Lに給糸口200により編糸を供給して編目を形成
する。次にコース7−2においては同様に後ベッドの一
本おきの針b・d・f・h・j・lに給糸口200によ
り編糸を供給して編目を形成する。
【0037】次にコース7−3では、前ベッドの一本お
きの針A・C・E・G・I・Kに給糸口300により弾
性糸を供給し編目を形成するのであるが、この時、前ベ
ッドの針A・E・Iは目移し位置まで進出させた状態
で、後ベッドの針a・e・iを前ベッドの針A・E・I
の目移し用編目拡開部材(図示せず)により広げられた
編目内に進出させ、後ベッドの針a・e・iに編目を保
持した状態で、前ベッドの針A・E・Iに編糸を供給す
ることにより、前ベッドの針A・E・Iから後ベッドの
針a・e・iに目移しされる編目が前ベッドの針A・E
・Iに新たに供給された編糸を乗り越えて後ベッドの針
a・e・iに目移しされるトランスファーニットを行
う。これにより、後ベッドの針a・e・iに前パイピン
グ7の編成開始箇所Sを保持する係止編目が形成され
る。
【0038】このように係止編目となる編目をトランス
ファーニットにより形成した場合、他の方法により後ベ
ッドの針a・e・iに編目を形成する場合に比べ隣接す
る編目までの渡り糸が短くなるため、後述するようにU
字状に編成される編地の上端部において係止編目とパイ
ピングを形成する編目を重ねた部分が隙間なく閉じられ
綺麗なパイピングが形成できる。
【0039】次にコース7−4では後ベッドの針a・f
・jに係止されている前パイピング7の係止編目をそれ
ぞれ前ベッドの針B・F・Jに目移しする。そしてコー
ス7−5ではコース7−3と同様に、トランスファーニ
ットを行うことにより前ベッドの針D・H・Lに後パイ
ピング8の編成開始箇所Tを保持する係止編目が形成さ
れる。
【0040】次にコース8−1では前ベッドの針D・H
・Lに係止されている後パイピング8の係止編目をそれ
ぞれ後ベッドの針c・g・kに目移しするとともに、前
ベッドの針B・F・Jに係止されている前パイピング7
の係止編目をそれぞれ後ベッドの針a・e・iに目移し
する。次にコース8−2では前ベッドの一本おきの針A
・C・E・G・I・Kに編糸を筒状編地部2の編成に使
用した給糸口200により供給して編目を形成し前パイ
ピング7となる部分を編成する。次にコース8−3では
後ベッドの針a・e・iに係止されている前パイピング
7の係止編目をそれぞれ前ベッドの針B・F・Jに移し
戻すとともに、後ベッドの針c・g・kに係止されてい
る後パイピング8の係止編目をそれぞれ前ベッドの針D
・H・Lに目移しする。そしてコース8−4では後ベッ
ドの一本おきの針b・d・f・h・j・lに給糸口20
0により編糸を供給して編目を形成し、後パイピング8
となる部分を編成する。
【0041】以後、コース8−1からコース8−4に示
される編成を給糸口200を使用して前後の針床に周回
状に編糸を供給し、形成するパイピングの長さに応じて
適宜回数繰り返すことにより、前パイピング7と後パイ
ピング8が両端部で接続された状態で、前ベッドの針で
前パイピング7の内側編地7bとなる部分から外側編地
7bとなる部分へと順次編成され、後ベッドの針では後
パイピング8の内側編地8bとなる部分から外側編地8
aとなる部分へと順次編成される。この時、前パイピン
グ7および後パイピング8となる部分は、パイピングの
編成開始箇所S、Tの編目が保持された状態であるた
め、編成された編地はU字状に垂れ下がった状態とな
る。
【0042】次にコース8−5においては、前ベッドの
針D・H・Lに係止されている後パイピング7の係止編
目を後ベッドの針c・g・kに目移しするとともに、前
ベッドの針B・F・Jに係止されている前パイピングの
係止編目を後ベッドの針a・e・iに目移しする。次に
コース9−1においては、後ベッドの針a・e・iに係
止されている前パイピング7の係止編目をそれぞれ前ベ
ッドの針A・E・Iに目移しする。これにより前パイピ
ング7の編成開始箇所Sを保持していた係止編目が前パ
イピング7を形成する編目と重ねられ、それまでU字状
に垂れ下がった状態となっていた編地の上端部が閉じら
れた状態となり、前パイピング7の編成が完了する。次
にコース9−2においては、後ベッドの針c・g・kに
係止されている後パイピング8の係止編目をそれぞれ前
ベッドの針D・H・Lに目移しした後、コース9−3に
おいては前ベッドの針D・H・Lに係止されている後パ
イピング8の係止編目をそれぞれ後ベッドの針d・h・
lに目移しする。これにより後パイピングの編成開始箇
所Tを保持していた係止編目が後パイピング8を形成す
る編目と重ねられ、それまでU字状に垂れ下がった状態
となっていた編地の上端部が閉じられた状態となり後パ
イピング8の編成が完了する。
【0043】続いて、コース9−4において前ベッドの
一本おきの針A・C・E・G・I・Kに給糸口200に
より編糸を供給して編目を形成することにより、前パイ
ピング7の係止編目と前パイピングを形成する編目が重
ねられた状態で保持している針に次コースの編目が形成
される。同様にコース9−5においては後ベッドの一本
おきの針l・j・h・f・d・bに給糸口200により
編糸を供給して編目を形成することにより、後パイピン
グの係止編目と後パイピングを形成する編目が重ねられ
た状態で保持している針に次コースの編目が形成され
る。
【0044】次にパイピングの終端部の解れ止めを行う
ため、コース10−1において前ベッドの針Aの編目を
後ベッドの針aに目移しし、コース10−2においては
後ベッドを右に針2本分移動させた後、後ベッドの針a
に係止されている編目を前ベッドの針Cに目移しするこ
とにより、針aに係止されていた編目と針Cに係止され
ていた編目が重ねる。次に後ベッドを左に針2本分移動
させた後、コース10−3からコース10−4において
は給糸口300により前ベッドの針Cに弾性糸を供給し
て編目を形成する。これにより、前ベッドの針Aに係止
されていた編目は針Cに新たに形成された編目により保
持された状態となる。このように、編目を目移しにより
隣接する針に係止されている編目と重ね、該編目が重ね
られた状態で保持している針に編糸を供給して編目を形
成する伏目処理を繰り返し行うことにより、針に係止さ
れている編目を順次針から外していく。
【0045】コース10−5では新たに形成した前ベッ
ドの針Cの編目を後ベッドの針cに目移しし、コース1
1−1においては後ベッドを右に針2本分移動させた
後、後ベッドの針cに係止されている編目を前ベッドの
針Eに目移しする。そしてコース11−2からコース1
1−3において前ベッドの針Eに給糸口300により弾
性糸を供給して編目を形成する。以下、コース10−1
からコース11−3に示される編成を適宜回数繰り返す
ことにより、前ベッドの針に係止されている編目が順次
針から外されコース11−4に示す状態となる。コース
11−4に示す状態から、コース11−5においては前
ベッドの針Kに係止されている編目を後ベッドの針lに
目移し、前ベッドに引き続いて後ベッドの針に係止され
ている編目に伏目処理を施す。そしてコース12−1か
らコース12−2で後ベッドの針lに給糸口300によ
り編糸を供給し、以下、後ベッドの針lからbに向かっ
て順次伏目処理を繰り返すことによりコース12−3に
示すように後ベッドの針bにのみ編目が係止された状態
となる。この状態からコース12−4からコース12−
5に示すように後ベッドの針bに給糸口300により編
糸を供給して編目を形成した後、後ベッドの針bから編
目が払われサポーター1の編成が完了する。
【0046】 上記した最終コースに解れ止めを施すた
めの伏目処理方法については特開昭59−21758号
公報等により公知であるため詳細な説明は省略する。な
お、最終コースに解れ止めを施す方法に関しては、上記
した伏目処理方法に限られるものではなく、例えばコー
ス9−4からコース9−5で示される編成を特開平5−
263331号または実開平6−30179号等に開示
される熱溶融着性の編糸を使用して行い、編成完了後、
熱処理を施すようにしてもよい。
【0047】上記したように本発明の編成方法では、編
終わり側環状パイピング4の前パイピング7および後パ
イピング8のそれぞれの編成開始箇所となる部分を、パ
イピングを形成する編目および係止編目により形成し、
編成開始箇所S、Tを保持する係止編目を編目の形成に
使用しない針に保持した状態で前パイピングおよび後パ
イピングとなる部分を前後両針床の一本おきの針に編糸
を供給して編成した後、前記係止編目をパイピングを形
成する編目と重ねるようにしたので、編地はU字状に垂
れ下がった状態で編成が行われ、係止編目をパイピング
を形成する編目に重ねることによりU字状に編成される
編地の上端部が閉じられパイピングが形成される。ま
た、前パイピング7と後パイピング8は係止編目を前後
の空針間で目移しを行いつつ前後の針床に周回状に編糸
を供給して編成を行うため、前パイピング7と後パイピ
ング8がその外側編地同士および内側編地同士が両端部
で接続された状態となる。
【0048】なお上記においてはコース7−3およびコ
ース7−5において空針に係止編目を形成する方法とし
てトランスファーニットを使用したが、係止編目を形成
する方法は上記したトランスファーニットによる方法に
限られず、例えば空針ニットと呼ばれる方法によりこれ
を実施することもできる。この場合には図7のコース7
−2に引き続き、図13のコース13−1に示すよう
に、係止編目を形成する後ベッドの針a・e・iを含め
前後両針床の針A・a・C・E・e・G・I・i・Kに
順次編糸を供給して編目を形成する。この時、後ベッド
の針a・e・iには前コースの編目が存在しないため、
供給された編糸は編目を形成することができず、空針ニ
ットの編目と呼ばれる編糸が針のフックに係止された状
態となる。そしてコース13−2では空針ニットの編目
を係止している後ベッドの針a・e・iに編糸を供給し
て編目を形成する。これにより後ベッドの針a・e・i
にはコース13−1で形成した空針ニットの編目が係止
された状態にあるため、コース13−2で供給された編
糸は通常の編目を形成する。
【0049】次にコース13−3では後ベッドの針a・
e・iに新たに形成した前パイピング7の係止編目をそ
れぞれ前ベッドの針B・F・Jに目移しする。そしてコ
ース13−4ではコース13−1と同様に、係止編目を
形成する前ベッドの針D・H・Lを含め前後両針床の針
b・D・d・f・H・h・j・L・lに順次編糸を供給
し、コース13−5では空針ニットの編目を係止してい
る前ベッドの針D・H・Lに編糸を供給することによ
り、針D・H・Lに新たに係止編目が形成される。以後
図8のコース8−1以降に示される編成を行うことによ
り環状のパイピングが形成される。
【0050】上記した実施例においては、図14−1に
示すように前後両針床の針に対し終始周回状に編糸を供
給して周回編成する場合を例に説明したが、例えば図3
の編終わり側パイピング4の前パイピング7の内側編地
7aおよび後パイピング8の内側編地8aとなる部分を
編成する際に、図14−2に示すように、開口を形成す
る箇所において給糸口をC字状に反転走行させて編成す
ることにより、図15に示すような開口9を形成するこ
ともできる。この開口9をゴム紐挿通口として利用する
と、パイピング内に容易にゴム紐を挿通することができ
る。
【0051】なお、上記した実施例では図4のコース4
−1およびコース4−4と、図7のコース7−3および
コース7−5等において、係止編目を3本おきの針に形
成したが、これは例えば前パイピングの係止編目を形成
する場合、係止編目間に後パイピングを編成する針2本
および後パイピングの係止編目を目移しするための針1
本が存在するため、前パイピングの係止編目は少なくと
も針3本おきでないと配置することができないからであ
る。したがって係止編目間の針本数は上記実施例に示し
た3本おきに限られず、3本以上の奇数本数であれば適
宜の数とすることができる。また、上記した実施例にお
いては前パイピングの係止編目は後ベッドの針で、後パ
イピングの係止編目は前ベッドの針で形成しているが、
例えば図4のコース4−1において前ベッドの針B・F
・Jに係止編目を形成し、形成した編目を後ベッドの針
a・e・iに目移しした後、コース4−2以下の編成を
行うことも可能である。
【0052】また、上記した実施例においては、筒状に
編成される編地の編始め側または編終わり側の編地端縁
に環状パイピングを形成する場合を例に説明したが、例
えば図4のコース4−1から図6のコース6−5に示さ
れる編成を行った後、筒状編地部2を編成することな
く、引き続いて図10のコース10−1から図12のコ
ース12−5に示される解れ止め処理を行うことも可能
である。このようにして編成された編地は編地全体が1
つの環状パイピングとなった編地となり、例えばリスト
バンド等として使用することが可能である。
【0053】また、上記した実施例においては、係止編
目を前パイピングおよび後パイピングを形成する編目と
重ね、U字状に垂れ下がった編地の上端部を閉じる場合
を例に説明を行ったが、例えば、図4のコース4−1か
らコース4−5に示される編成に続き、コース5−1か
らコース5−4に示される編成を繰り返し行なった後、
係止編目を前パイピングおよび後パイピングを形成する
編目と重ねることなく編成を終えることも可能である。
【0054】上記のようにして編成された編地は、図1
6−1に示すように、下端が閉じられた2層構造の筒状
編地10となり、外側に位置する外側筒状編地11と内
側に位置する内側筒状編地12が重ねられた状態で編成
されるため、例えば従来二つの筒状編地を別々に編成
し、編成完了後に一方の筒状編地を他方の筒状編地の筒
内へと嵌入することで2層構造の筒状編地を得るように
していたものが、編機上で編成することができるため生
産効率を挙げることが可能となる。なお編成に関して
は、前記パイピングを形成する場合と同様に、図16−
2に示す内側編地12a、12bに引き続いて外側編地
11a、11bが編成される。
【0055】また上記した実施例においては説明を分か
りやすくするためサポーター1の編始め側および編終わ
り側の編地端縁に環状パイピングを形成する場合を例に
説明したが、本発明は上記したようなサポーターを編成
する場合に限られず、例えば前後両身頃部および左右両
袖部が接続された状態で編成を行うインテグラルガーメ
ントによりセーターを編成する場合に、衿部や裾部およ
び袖口部等に本発明の環状パイピングを形成することも
可能である。このような編成を行うことにより編機での
編成完了後に解れ止め等の後処理を必要としない完全無
縫製の編製品を編成することが可能となる。
【0056】なお、上記した実施例においては一つの給
糸口を前ベッドおよび後ベッドの両方の針床に周回状に
移動させて編成を行ったが、例えば前ベッドと後ベッド
を異なる給糸口を使用し、編幅端で給糸口から編地に延
びる編糸が交錯するように給糸口を移動させて編成を行
うようにしてもよい。
【0057】また上記した実施例においては、前後一対
の針床を備えた横編機で編成を行う場合を例に説明を行
ったが、本発明は前後一対の針床上にそれぞれ上部ベッ
ドを備えた4枚ベッド横編機等においても編成可能であ
ることはいうまでもない。
【0058】
【発明の効果】上記したように本発明の筒状編地の編成
方法では、前パイピングおよび後パイピングがその両端
部で接続された環状のパイピングとして形成されるた
め、従来のパイピング編成方法のように編地の編成完了
後、接続されていない前パイピングと後パイピングの両
端部を接続する等の後処理を施す必要なく筒状に編成さ
れる編地の端縁にパイピングを形成することができる。
【0059】また、本発明の環状パイピング編成方法に
より筒状に編成される編地の編始め側および編終わり側
のそれぞれの編地端縁に環状パイピングを形成すること
により、編地の編成完了後に一切の後処理を必要としな
い完全無縫製の編地を編成することができる。したがっ
て、従来の編成方法では必要であった縫製作業等の後処
理工程を必要としないため、製品の生産コストを下げる
ことが可能となる。
【0060】さらに、編終わり側パイピングの編成終了
箇所の解れ止めを弾性糸を使用した伏目処理により行っ
た場合、解れ止め処理を行った部分が硬化することがな
く伸縮性のある編地とすることができるので、例えばサ
ポーター等の伸縮性を必要とする製品にパイピングを形
成する場合には着心地のよい編製品とすることができる
という効果がある。
【0061】また、パイピングの適宜箇所において給糸
口をC字状に反転走行させて編成を行うことにより開口
を形成した場合には、該開口を挿通口として利用するこ
とによりパイピング内に容易にゴム紐等を挿通すること
ができる。
【0062】また、本発明の筒状編地の編成方法では、
内側筒状編地と外側筒状編地が2層に重ねられた筒状編
地となるため、別途編成した2つの筒状編地を重ねると
いう手間を必要とせず2層構造の筒状編地を編成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒状編地の編成方法により環状パイピ
ングを形成したサポーターを示す斜視図である。
【図2】図2−1は図1のM−M線における断面図、図
2−2は図1のN−N線における断面図、図2−3は図
1のO−O線における断面図である。
【図3】図1のP−P線における断面図である。
【図4】編始め側パイピングを形成する場合を示す編成
コース図である。
【図5】編始め側パイピングを形成する場合を示す編成
コース図である。
【図6】編始め側パイピングを形成する場合を示す編成
コース図である。
【図7】編終わり側パイピングを形成する場合を示す編
成コース図である。
【図8】編終わり側パイピングを形成する場合を示す編
成コース図である。
【図9】編終わり側パイピングを形成する場合を示す編
成コース図である。
【図10】編終わり側パイピングを形成する場合を示す
編成コース図である。
【図11】編終わり側パイピングを形成する場合を示す
編成コース図である。
【図12】編終わり側パイピングを形成する場合を示す
編成コース図である。
【図13】編終わり側パイピング形成する場合の変形例
を示す編成コース図である。
【図14】パイピングに開口を形成する場合の給糸口の
軌跡を示す図である。
【図15】開口を形成したサポーターを示す斜視図であ
る。
【図16】本発明の筒状編地の編成方法により編成され
る2層構造の筒状編地を示す斜視図である。
【図17】従来の編成方法によりパイピングを形成した
サポーターを示す斜視図である。
【図18】図18−1は図17のU−U線における断面
図、図18−2は図17のV−V線における断面図、図
18−3は図17のW−W線における断面図である。
【図19】図18のX−X線における断面図である。
【図20】従来のパイピングの編成方法を示す編成コー
ス図である。
【図21】従来のパイピングの編成方法を示す編成コー
ス図である。
【図22】従来のパイピングの編成方法を示す編成コー
ス図である。
【図23】従来のパイピングの編成方法を示す編成コー
ス図である。
【符号の説明】
1・・・サポーター 2・・・筒状編地部 3・・・編始め側環状パイピング 4・・・編終わり側環状パイピング 5・・・前パイピング 6・・・後パイピング 7・・・前パイピング 8・・・後パイピング 9・・・開口 10・・・2層構造の筒状編地 11・・・外側筒状編地 12・・・内側筒状編地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−302246(JP,A) 特開 平6−128848(JP,A) 特開 平2−264049(JP,A) 特開 平5−247799(JP,A) 特開 平5−263331(JP,A) 特開 平1−213445(JP,A) 特開 昭58−8165(JP,A) 特開 昭59−21758(JP,A) 特開 昭62−268853(JP,A) 実開 平6−30179(JP,U) 特公 平1−12843(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04B 1/00 - 1/28 D04B 7/00 - 7/34

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも前後一対に設けられ、その何れ
    か一方または双方が左右摺動可能に構成された横編機で
    環状のパイピングを形成する際に、前記各針床の針を、
    環状に形成されるパイピングの前側となる前パイピング
    と後側となる後パイピングを形成するためのパイピング
    形成用編針と、前記前パイピングが形成される間、前パ
    イピングの編成開始箇所で形成した係止編目を保持する
    前後一対の係止編目保持用編針と、前記後パイピングが
    形成される間、後パイピングの編成開始箇所で形成され
    た係止編目を保持する前後一対の係止編目保持用編針に
    区分けし、前パイピングおよび後パイピングとなる編目
    は、前後それぞれの針床の一本おきの針に形成し、前パ
    イピングおよび後パイピングの係止編目は3本おきの針
    に形成するとともに、前パイピングの係止編目と後パイ
    ピングの係止編目は位相の異なる針を使用して環状のパ
    イピングが形成された筒状編地の編成方法であって、 (1)前パイピングを形成する編目および、前パイピン
    グの係止編目を形成する工程、 (2)後パイピングを形成する編目および、後パイピン
    グの係止編目を形成する工程、 (3)前ベッドにおける前パイピングの編成に先だっ
    て、後パイピングの係止編目を後ベッドの針に移し戻す
    るとともに、前パイピングの係止編目を後ベッドの針に
    目移しし、しかる後、前ベッド上の前パイピング形成用
    編針に編糸を供給して前パイピングとなる部分を編成す
    る工程、 (4)後ベッドにおける後パイピングの編成に先だっ
    て、前パイピングの係止編目を前ベッドの針に移し戻す
    とともに、後パイピングの係止編目を前ベッドの針に目
    移しし、しかる後、後ベッド上の後パイピング形成用編
    針に編糸を供給して後パイピングとなる部分を編成する
    工程、 (5)上記(3)から(4)に示される工程を適宜回数
    繰り返す工程、 (6)前パイピングの係止編目を前パイピングを形成す
    る編目と重ねる工程、 (7)後パイピングの係止編目を後パイピングを形成す
    る編目と重ねる工程、 からなることを特徴とする筒状編地の編成方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の編成方法により環状パイ
    ピングを編成した後、筒状編地を編成することにより、
    筒状編地の編始め側の編地端縁に環状パイピングを形成
    することを特徴とする筒状編地の編成方法。
  3. 【請求項3】筒状編地を編成した後、請求項1に記載の
    編成方法により筒状編地の編終わり側の編地端縁に環状
    パイピングを形成することを特徴とする筒状編地の編成
    方法。
  4. 【請求項4】筒状編地の編始め側及び編終わり側のそれ
    ぞれの編地端縁に環状パイピングを形成したことを特徴
    とする請求項1に記載の筒状編地の編成方法。
  5. 【請求項5】係止編目をトランスファーニットにより形
    成することを特徴とする請求項3または請求項4の何れ
    か一つの項に記載の筒状編地の編成方法。
  6. 【請求項6】弾性糸を使用した伏目処理により環状パイ
    ピングの解れ止めを施すことを特徴とする請求項1、請
    求項3乃至請求項5の何れか一つの項に記載の筒状編地
    の編成方法。
  7. 【請求項7】パイピングとなる部分を編成する際に、特
    定箇所で給糸口を反転させC字状に編糸を供給すること
    により、パイピングの適宜箇所に開口を形成することを
    特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一つの項に記
    載の筒状編地の編成方法。
  8. 【請求項8】少なくとも前後一対に設けられ、その何れ
    か一方または双方が左右摺動可能に構成された横編機
    で、外側筒状編地と内側筒状編地からなる2層構造の筒
    状編地を編成する方法であって、筒状編地の前側部分お
    よび後側部分となる編目は、前後それぞれの針床の一本
    きの針に形成し、筒状編地の前側部分および後側部の
    係止編目は3本おきの針に形成するとともに、前側部分
    の係止編目と後側部分の係止編目は位相の異なる針を使
    用し、更に (1)前ベッドにおける2層構造の筒状編地の前側部分
    の編成に先だって、後側部分の編成開始箇所を保持する
    ための係止編目を後ベッドの針に移し戻すとともに、前
    側部分の編成開始箇所を保持するための係止編目を後ベ
    ッドの針に目移しし、しかる後、前ベッド上の前側部分
    を編成する針に編糸を供給して編目を形成する工程、 (2)後ベッドにおける2層構造の筒状編地の後側部分
    の編成に先だって、前側部分の係止編目を前ベッドの針
    に移し戻すとともに、後側部分の係止編目を前ベッドの
    針に目移しし、しかる後、後ベッド上の後側部分を編成
    する針に編糸を供給して編目を形成する工程、 (3)上記(1)から(2)に示される工程を適宜回数
    繰り返すことを特徴とする筒状編地の編成方法。
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