JP3492443B2 - 前身頃芯地 - Google Patents

前身頃芯地

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JP3492443B2
JP3492443B2 JP09441195A JP9441195A JP3492443B2 JP 3492443 B2 JP3492443 B2 JP 3492443B2 JP 09441195 A JP09441195 A JP 09441195A JP 9441195 A JP9441195 A JP 9441195A JP 3492443 B2 JP3492443 B2 JP 3492443B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布製の前身頃(ま
えみごろ)芯地に関する。
【0002】
【従来の技術】紳士用及び婦人用のスーツやウールコー
ト等の前身頃芯地として使用されている不織布芯地の中
には、糸縫加工が施されたものがある。糸縫加工を施し
た不織布芯地は、縫い構造により補強されるため、不織
布芯地の有する伸縮性を或る程度は維持しながら、同時
に、保形性及び寸法安定性が向上する。
【0003】しかし、縦方向(背丈方向)にのみ糸縫加
工を施した不織布前身頃芯地を用いて衣服を製作する
と、縦方向の寸法安定性が高くなるので、フロント部は
安定するが、横張りが不足し、横方向の寸法安定性が低
くなる。その結果、装着者の体型にそってなじまず、縦
じわが発生し、むしろ逆方向に曲がったり、一部分だけ
が曲がったりしてシルエットの造形がしにくいという欠
点がある。一方、横方向(背丈方向の直角方向)にのみ
糸縫加工を施した不織布前身頃芯地を用いた場合は、横
方向に張りが付与されるので、横方向の寸法安定性は高
くなるが、縦方向の寸法安定性は低くなる。その結果、
フロント部が安定せず、成型又は保形性に劣り、仕立て
映えがよくないという欠点がある。従って、従来は、仕
立て映えがよく、シルエットの美しい衣服のための前身
頃芯地を製作するためには、前身頃芯地を、例えば、フ
ロント部と脇部とに、あるいはラペル部とフロント部な
どの2〜3程度の複数の領域に分け、それらの領域毎に
要求される異なる性質を考慮して領域毎に異なる各種の
不織布片を適宜選択して組み合わせることにより、望ま
しい前身頃芯地を構成していた。しかしながら、この方
法は芯地の型入れ、裁断、接着作業などが煩雑でコスト
がかかるので、より簡便で、しかも前身頃芯地の複雑な
要求に応えることのできる手段が求められていた。
【0004】そこで、本発明者は、縦方向及び横方向の
両方に糸縫加工を施した不織布製の前身頃芯地を製作し
て、その性質を調べてみた。しかし、縦方向の糸縫加工
間隔が狭すぎると、フロント部の寸法安定性や形状保持
性は高くなるものの、前ダーツから脇部にかけての縦方
向及び/又は横方向のドレープ性が失われて角(つの;
凹凸部)が出たり、表地に接着した場合に表地の伸びを
止めて芯地の当たりが出やすくなり、逆に、縦方向の糸
縫加工間隔が広すぎると、フロント部に十分な形状保持
性を付与することができなくなり、芯地の歪み(およ
ぎ)が出やすくなることが分かった。すなわち、不織布
の縦方向及び横方向の両方に単純に糸縫加工を施すだけ
では、前記の問題点を解決することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、複数の不織布片を用いずに、一枚の不織布から簡便
な方法で前身頃芯地の複雑な要求に応えることのできる
不織布製前身頃芯地を提供することにある。特には、本
発明の目的は、フロント部、特にフロントエッジ部の保
形性を高めると同時に、脇部の伸度を維持し、更に、横
張りを持たせた不織布製前身頃芯地を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
よる、少なくとも一方が糸縫加工により、他方が糸縫加
工又は挿入加工により、縦方向及び横方向にそれぞれ実
質的に直線状に、かつ相互に間隔をあけて保持された複
数の補強糸を有し、フロント部と脇部とを含む不織布製
前身頃芯地であって、縦方向補強糸がフロント部にのみ
保持されているか、あるいはフロント部の縦方向補強糸
の平均間隔が、脇部の縦方向補強糸の平均間隔よりも狭
いことを特徴とする前身頃芯地によって達成することが
できる。
【0007】以下、本発明を添付図面に沿って詳細に説
明する。図1は、本発明の前身頃芯地の一態様を模式的
に示す説明図であるが、輪郭と領域とを説明することを
目的としており、例えば、糸縫加工及び挿入加工により
生ずる模様等は省略してある。本発明の前身頃芯地1
は、少なくとも一方が糸縫加工により、他方が糸縫加工
又は挿入加工により、縦方向及び横方向にそれぞれ実質
的に直線状に、かつ相互に間隔をあけて保持された複数
の補強糸を有する一枚(連続した)の不織布11からな
る。
【0008】本明細書において、前身頃芯地の『縦方
向』とは、芯地を表地に取り付けて製作した衣服の、装
着者に対する背丈方向を意味し、従って図1の中央境界
線34と実質的に平行な方向を意味する。また、前身頃
芯地の『横方向』とは、前記衣服において、装着者の背
丈方向に直角の方向を意味し、従って、図1の中央境界
線34に実質的に直交する方向を意味する。
【0009】本明細書において、『糸縫加工』とは、図
5に示すように、一本又は複数本の縫糸41を用いて、
不織布11の表と裏とを貫通し、連続的に直線状に縫合
することを意味する。図5は、縫い構造を露出させて示
す本発明の前身頃芯地の断面図である。不織布11に
は、紙面の左右方向に直線状に糸縫加工を施し、紙面に
垂直方向に直線状に挿入加工を施している。糸縫加工の
例としては、例えば、図5(a)に示す単糸環縫い(鎖
縫い)、図5(b)に示す二重環縫い又は図5(c)に
示す本縫い等を挙げることができるが、縫糸が2本必要
な二重環縫いや本縫いに対して、縫糸が一本ですむ単糸
環縫い(鎖縫い)が不織布の有する伸縮性を維持しやす
いので好ましい。糸縫加工は、従来使用されている方法
をそのまま使用して実施することができ、例えば、ラッ
セル編機や環縫ミシンなどによって、縫糸を不織布に鎖
編み等することにより、施すことができる。縫糸も特に
限定されず、従来使用されている糸(例えば、ポリエス
テルフィラメント、ポリエステル加工糸など)を用いる
ことができる。
【0010】本明細書において、『挿入加工』とは、図
5に示すように、前記糸縫加工の縫糸41に直交し、且
つ不織布11に平行な方向の挿入糸42を、前記糸縫加
工により生じた縫糸41と不織布11とから形成される
環43の中を、連続的に貫通させることを意味する。従
って、挿入糸42自体は、不織布11を貫通しておら
ず、縫糸41によって不織布11上に保持されているの
で、挿入加工単独で施すことはできず、糸縫加工と組合
わせて施すことが必要である。挿入糸も特に限定され
ず、通常使用されている糸(例えば、ポリエステルフィ
ラメント、ポリエステル加工糸など)を用いることがで
きる。
【0011】本発明の前身頃芯地においては、前記糸縫
加工により不織布に保持される縫糸又は前記挿入加工に
より不織布に保持される挿入糸が、『補強糸』として作
用する。本明細書において、『補強糸の間隔』とは、糸
縫加工又は挿入加工により実質的に直線状に不織布上に
保持された補強糸が形成する直線と、それに隣接する相
当する直線との間の距離を意味する。補強糸の間隔が狭
いと、単位幅当たりに含まれる前記直線の数(以下、補
強糸密度と称する)は高くなり、補強糸の間隔が広い
と、補強糸密度は低くなる。糸縫加工又は挿入加工によ
り生じる前身頃芯地の特性は、加工方法又は一本の直線
を構成する糸の太さ若しくは本数によるよりも、むしろ
補強糸の間隔に大きく左右される。
【0012】本発明の前身頃芯地1は、少なくとも一方
が糸縫加工により、他方が糸縫加工又は挿入加工によ
り、縦方向及び横方向にそれぞれ実質的に直線状に、か
つ相互に間隔をあけて保持された複数の補強糸を有する
一枚(連続した)の不織布11からなる。従って、
(1)縦方向に挿入加工による補強糸、横方向に糸縫加
工による補強糸を保持した不織布製前身頃芯地、(2)
縦方向に糸縫加工による補強糸、横方向に挿入加工によ
る補強糸を保持した不織布製前身頃芯地、又は(3)縦
方向及び横方向にそれぞれ糸縫加工による補強糸を保持
した不織布製前身頃芯地であることができる。
【0013】本発明による前身頃芯地1はフロント部2
1と脇部22とからなり、フロント部21は中央境界線
34とフロントエッジ31との間の領域であり、脇部2
2は中央境界線34と脇線32との間の領域である。図
1に示す本発明の前身頃芯地1は、前身頃芯地1の横方
向全体に実質的に一様の補強糸が保持されており、前記
フロント部21には更に実質的に一様の縦方向の補強糸
が保持されており、そして脇部22には縦方向補強糸が
保持されていない不織布から製作される。但し、この場
合、横方向補強糸は糸縫加工により保持されていること
が必要である。また、図1に示す本発明の前身頃芯地1
は、前身頃芯地1の横方向全体に実質的に一様の補強糸
が保持されており、前記フロント部21に保持された実
質的に一様の縦方向補強糸の平均間隔が、前記脇部22
に保持された実質的に一様の縦方向補強糸の平均間隔よ
りも狭い不織布から製作することもできる。
【0014】前記の横方向の補強糸間隔は、実質的に一
様であることが好ましいが、必要により、補強糸間隔を
変化させることもできる。また、縦方向の補強糸間隔
も、前記の定められた領域内で実質的に一様であること
が好ましいが、必要により、それらの領域内で補強糸間
隔を変化させることもできる。
【0015】本発明において用いることのできる不織布
は、従来から前身頃芯地用として使用されている不織布
であれば特に限定されないが、ソフトな風合いでありな
がら引張強度が強く、糸縫加工が行ないやすいものが望
まれるので、熱可塑性繊維を多数の点状の熱融着部で熱
融着させたポイントシール不織布(部分融着不織布)又
は水流絡合不織布等を用いることが好ましい。
【0016】フロント部の縦方向補強糸の平均間隔は、
目的とする前身頃芯地によって異なるが、例えば、婦人
スーツ又はジャケット用芯地の場合、好ましくは0.5
mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜3.5mm
の範囲である。5mmを越えると、フロント部、特にフ
ロントエッジ部の保形性が十分でなく、0.5mm未満
であると、芯地の風合いが硬くなり、伸度が小さくなり
すぎるからである。
【0017】脇部の縦方向補強糸の平均間隔も、目的と
する前身頃芯地によって異なるが、例えば、婦人スーツ
又はジャケット用芯地の場合、好ましくは1.5mm〜
10mm、より好ましくは2.5mm〜8mmである。
1.5mm未満では、伸度が小さくなりすぎて脇部の歪
みを十分に吸収することができず、10mmを越える
と、加工をしないものとの伸度差がなくなり、加工によ
る効果が得られなくなるからである。また、フロント部
の縦方向補強糸の平均間隔と脇部の縦方向補強糸の平均
間隔との差異は、好ましくは0.5mm〜8mm、より
好ましくは1.5mm〜7.5mmである。
【0018】一方、横方向補強糸の平均間隔は、例え
ば、婦人スーツ又はジャケット用芯地の場合、好ましく
は0.5mm〜10mm、より好ましくは1mm〜3m
mの範囲である。10mmを越えると、芯地の横張りが
不足し、横方向の寸法安定性が十分でなく、0.5mm
未満であると、横張りが強くなりすぎて、縦方向の張り
とのバランスがとりづらくなり、また風合いも硬くなる
からである。また、横方向補強糸の平均間隔は、均一で
あることが好ましい。これは、前身頃芯地では全体にわ
たって均一な横張りが求められるからである。
【0019】本発明による前身頃芯地の前記フロント部
21と前記脇部22との境界である中央境界線34の位
置は特に限定されないが、例えば、その中央境界線34
の中点35付近で中央境界線34と直交する線36が、
フロント部21(a)対脇部22(b)の比(距離)
で、好ましくは約30:70〜70:30、より好まし
くは約40:60〜65:35である。従って、例え
ば、図1に示すように、ネックポイント33付近を通る
縦方向の直線を中央境界線34として選択することがで
きる。この場合、衣服を製作する際に形成される前ダー
ツが、補強糸間隔の狭いフロント部に含まれるようにす
るのが好ましい。
【0020】縦方向に補強糸を保持させる場合、加工の
手間と作用効果との比較から、補強糸の平均間隔の異な
る領域数は、前記フロント部21及び前記脇部22の2
領域が好ましいが、更に、図2に示すように、前記フロ
ント部21を前フロント部23及び後フロント部24の
2領域に分けることによって、フロント部21に要求さ
れる性質を、より細分して満たすことができる。前フロ
ント部23と後フロント部24との境界であるフロント
部内境界線37の位置は、特に限定されないが、中央境
界線34の中点35付近で中央境界線34と直交する線
36とフロント部内境界線37との交点38で区切った
前フロント部23(c)対後フロント部24(d)の比
(距離)で、約60:40〜10:90、より好ましく
は約50:50〜30:70である。
【0021】本発明の前身頃芯地を図2に示すように3
領域に分ける場合、前フロント部23、後フロント部2
4及び脇部22の3領域のうち、前フロント部23の縦
方向補強糸の平均間隔が最も狭く、後フロント部24の
縦方向補強糸の平均間隔がそれに続き、脇部22の縦方
向補強糸の平均間隔が最も広い。この場合、脇部22に
は挿入加工を施さなくてもよい。但し、脇部22に挿入
加工を施さない場合、横方向補強糸は糸縫加工により保
持されていることが必要である。例えば、婦人スーツ又
はジャケット用芯地の場合、前フロント部の縦方向補強
糸の平均間隔は、0.5mm〜2.5mmの範囲が好ま
しく、後フロント部の縦方向補強糸の平均間隔は、1.
5mm〜5mmの範囲が好ましく、脇部の縦方向補強糸
の平均間隔は、2.5mm〜10mmの範囲が好まし
い。
【0022】本発明の前身頃芯地は、例えば、長尺状の
不織布原反に直接、挿入加工又は糸縫加工を施してから
前身頃芯地形状に裁断することによっても、或る程度の
寸法に裁断した不織布原反に挿入加工又は糸縫加工を施
してから前身頃芯地形状に裁断することによっても、あ
るいは、前身頃芯地形状に裁断してから挿入加工又は糸
縫加工を施すことによっても、製造することができる。
大量生産のためには、長尺状の不織布原反に直接、挿入
加工又は糸縫加工を施してから前身頃芯地形状に裁断す
ることが好ましい。
【0023】例えば、図3に示すとおり、長尺状の不織
布11に直接、挿入加工又は糸縫加工を施す場合、前身
頃芯地1の裁断パターンを想定して、予め定めた間隔で
方向A(不織布11の幅方向)に挿入糸を配設し、方向
B(不織布11の生産方向)に等間隔の糸縫加工を行な
うことにより、補強糸を有する不織布11を得ることが
できる。あるいは、例えば、図4に示す前身頃芯地1の
裁断パターンを想定し、方向C(不織布11の幅方向)
に等間隔に挿入糸を配設し、方向D(不織布11の生産
方向)に予め定めた間隔で糸縫加工を行なうことによっ
ても、補強糸を有する不織布11を得ることができる。
こうして得られた補強糸を保持する不織布から予め定め
た裁断パターンに基づいて裁断し、目的とする前身頃芯
地を得ることができる。
【0024】本発明の前身頃芯地の形状は特に限定され
ず、従来の前身頃芯地の形状であることができる。ま
た、本発明の前身頃芯地は、従来法の前身頃芯地と同様
に、感熱性樹脂をドット状に付与した接着芯地であるこ
とが好ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:縦方向に挿入糸、横方向に縫糸を保持する前
身頃芯地の製造 ポリアミド繊維(ナイロン繊維)65重量%及びポリエ
ステル繊維35重量%からなる繊維ウェブをエンボスロ
ールに通して、多数の点状の熱融着部を形成した目付2
5g/m2 のポイントシール不織布を得た。以下、挿入
加工又は単糸環縫い加工(以下、単に加工とも称する)
を施す位置は、図3に示す前身頃芯地の裁断パターンを
想定して設計した。このポイントシール不織布に、表1
に示す所定の間隔(表中、「なし」は加工を施さないこ
とを示す)で、不織布の原反幅方向(前身頃芯地に裁断
した際の縦方向:図3に示す方向A)に挿入糸を配設
し、ラッセル編機によって、不織布の生産方向(前身頃
芯地に裁断した際の横方向:図3に示す方向B)に等間
隔(1.5mm)の単糸環縫い加工を施した。
【0026】
【表1】 前フロント部 後フロント部 脇部 横方向 縦方向 縦方向 縦方向 前身頃芯地1 2.5mm 2.5mm なし 1.5mm 前身頃芯地2 2.5mm 2.5mm 10mm 1.5mm 前身頃芯地3 2.5mm 5.0mm なし 1.5mm 前身頃芯地4 2.5mm 5.0mm 10mm 1.5mm
【0027】加工を施した後、不織布の一方表面に目付
12g/m2 のポリアミド系接着樹脂をドット状に付着
した。次いで、図3に示すように裁断して、縦方向に挿
入加工を施し、横方向に単糸環縫い加工を施した本発明
の前身頃芯地1〜4を得た。
【0028】実施例2:縦方向に縫糸、横方向に挿入糸
を保持する前身頃芯地の製造 以下、加工を施す位置は、図4に示す前身頃芯地の裁断
パターンを想定して設計した。実施例1で得たポイント
シール不織布に、不織布の原反幅方向(前身頃芯地に裁
断した際の横方向:図4に示す方向C)に挿入糸を等間
隔(1.5mm)に配設し、ラッセル編機によって、不
織布の生産方向(前身頃芯地に裁断した際の縦方向:図
に示す方向D)に、表2に示す所定の間隔で単糸環縫
い加工を施した。
【0029】
【表2】 前フロント部 後フロント部 脇部 横方向 縦方向 縦方向 縦方向 前身頃芯地5 1.5mm 1.5mm 6.0mm 1.5mm 前身頃芯地6 1.5mm 3.0mm 6.0mm 1.5mm
【0030】加工を施した後、不織布の一方表面に目付
12g/m2 のポリアミド系接着樹脂をドット状に付着
した。次いで、図4に示すように裁断して、縦方向に単
糸環縫い加工を施し、横方向に挿入加工を施した本発明
の前身頃芯地5及び6を得た。
【0031】実施例3:縦方向及び横方向に縫糸を保持
する前身頃芯地の製造 実施例1で得たポイントシール不織布に、ラッセル編機
によって、前身頃芯地に裁断した際の横方向に等間隔
(1.5mm)に単糸環縫い加工を施した後、前身頃芯
地に裁断した際の縦方向に、表3に示す所定の間隔(表
中、「なし」は加工を施さないことを示す)で単糸環縫
い加工を施した。
【0032】
【表3】 前フロント部 後フロント部 脇部 横方向 縦方向 縦方向 縦方向 比較例1 1.5mm 1.5mm 1.5mm なし 比較例2 なし なし なし 1.5mm 前身頃芯地7 2.5mm 2.5mm なし 1.5mm 前身頃芯地8 2.5mm 2.5mm 10mm 1.5mm 前身頃芯地9 2.5mm 5.0mm なし 1.5mm 前身頃芯地10 2.5mm 5.0mm 10mm 1.5mm
【0033】加工を施した後、不織布の一方表面に目付
12g/m2 のポリアミド系接着樹脂をドット状に付着
した。次いで、所定の形状に裁断して、縦方向及び横方
向に単糸環縫い加工を施した本発明の前身頃芯地7〜1
0並びに縦方向又は横方向にのみ単糸環縫い加工を施し
た比較例1及び2の前身頃芯地を得た。
【0034】実施例4:前身頃芯地の性能試験 実施例1〜3で得られた本発明の前身頃芯地及び比較用
の前身頃芯地を用いて、縫製を行ない、それぞれの前身
頃芯地の性能試験を行なった。結果を表4に示す。な
お、表4に示す各評価の意味は以下のとおりである。 フロントのオチ感…優:フロント部にたれ下がった感じ
がなく、イメージ通りのシルエットラインが得られる。
良:フロント部にややたれ下がった感じはあるが、ほぼ
イメージ通りのシルエットラインが得られる。可:フロ
ント部がたれ下がっており、イメージ通りのシルエット
ラインが得られない。 裾まわりのケ廻し…優:裾まわりの自然な曲面形成がで
きる。良:多少の歪みはあるが、裾まわりの曲面形成が
できる。可:角ばった部分が生じて、裾まわりの曲面形
成が難しい。 ウエスト脇部のドレープ性…優:ウエストラインの自然
な曲面形成ができる。良:多少の歪みはあるが、ウエス
トラインの曲面形成ができる。可:角ばった部分が生じ
て、ウエストラインの曲面形成が難しい。 メーキング性…優:前ダーツなどの縫合や割りアイロン
などのアイロン処理が容易で、イメージ通りのシルエッ
トに成形し、保形することができる。良:縫合やアイロ
ン処理により、ほぼイメージ通りのシルエットに成形
し、保形することができる。可:縫合やアイロン処理に
より、イメージ通りのシルエットに成形することが難し
く、あるいは形くずれする。
【0035】
【表4】 フロント 裾まわり ウエスト脇部 メーキング性 のオチ感 のケ廻し のドレープ性 比較例1 可 可 可 可 比較例2 良 良 優〜良 可 前身頃芯地1 優 優 優〜良 優〜良 前身頃芯地2 優 優 良 良 前身頃芯地3 優 優 優〜良 優〜良 前身頃芯地4 優 優 良 良 前身頃芯地5 優 優 良 良 前身頃芯地6 優 優 良 良 前身頃芯地7 優 優 優〜良 優〜良 前身頃芯地8 優 優 良 良 前身頃芯地9 優 優 優〜良 優〜良 前身頃芯地10 優 優 良 良
【0036】縦方向にのみ補強糸間隔1.5mmの単糸
環縫い加工を施した比較例1の前身頃芯地を用いた場合
は、前ダーツ部分で2つに折れ曲がり、更に、横方向の
張り不足によりフロント部にオチ感(下にダランと落ち
る感じ)が認められた。また、裾まわりが円上に曲面形
成しにくく、角ばりが生じて裾まわりのケ廻しが悪く、
ウエスト脇部の縦方向又は横方向のウエストラインが曲
面形成しにくく、角ばりが生じてドレープ性に欠け、メ
ーキング性(縫製容易性)もよくなかった。このため、
イメージ通りのシルエットの衣服を縫製することが困難
であった。
【0037】次に、横方向にのみ補強糸間隔1.5mm
の単糸環縫い加工を施した比較例2の前身頃芯地を用い
た場合では、フロント部のオチ感及びウエスト脇部のド
レープ性は、比較例1に比べて優れていたが、メーキン
グ性が悪く、衣服への加工が難しかった。
【0038】比較例の前身頃芯地に対して、本発明の前
身頃芯地を用いた場合では、フロント部のオチ感、ウエ
スト脇部のドレープ性及びメーキング性が共に優れ、イ
メージに合ったシルエットを有する衣服の縫製が可能で
あった。特に、本発明の前身頃芯地1及び3を用いた場
合は、ウエスト脇部の歪みの吸収効果が高かった。
【0039】
【発明の効果】本発明の前身頃芯地は、フロント部、特
にフロントエッジ部の縦方向の伸度を抑えて、寸法を安
定させ、保形性を高めることができると同時に、脇部の
縦方向の伸度を高めて、衣服を製作する際に生じる芯地
の歪みを吸収し、角の発生等を抑えることができる。更
に、芯地に横張りを持たせることも可能である。これに
より、仕立て映えのよいシルエットの美しい衣服を製作
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前身頃芯地の一実施態様を模式的に示
す説明図である。
【図2】本発明の前身頃芯地の別の一実施態様を模式的
に示す説明図である。
【図3】本発明の前身頃芯地の一実施態様の裁断パター
ンを模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の前身頃芯地の別の一実施態様の裁断パ
ターンを模式的に示す説明図である。
【図5】縫い構造を露出させて示す本発明の前身頃芯地
の模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…前身頃芯地;11…不織布;21…フロント部;2
2…脇部;23…前フロント部;24…後フロント部;
31…フロントエッジ;32…脇線;33…ネックポイ
ント;34…中央境界線;37…フロント部内境界線;
41…縫糸;42…挿入糸;43…環

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が糸縫加工により、他方
    が糸縫加工又は挿入加工により、縦方向及び横方向にそ
    れぞれ実質的に直線状に、かつ相互に間隔をあけて保持
    された複数の補強糸を有し、フロント部と脇部とを含む
    不織布製前身頃芯地であって、縦方向補強糸がフロント
    部にのみ保持されていることを特徴とする前身頃芯地。
  2. 【請求項2】 前フロント部の縦方向補強糸の平均間隔
    が、後フロント部の縦方向補強糸の平均間隔よりも狭い
    フロント部を有する請求項1に記載の前身頃芯地。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方が糸縫加工により、他方
    が糸縫加工又は挿入加工により、縦方向及び横方向にそ
    れぞれ実質的に直線状に、かつ相互に間隔をあけて保持
    された複数の補強糸を有し、フロント部と脇部とを含む
    不織布製前身頃芯地であって、フロント部の縦方向補強
    糸の平均間隔が、脇部の縦方向補強糸の平均間隔よりも
    狭いことを特徴とする前身頃芯地。
  4. 【請求項4】 前フロント部の縦方向補強糸の平均間隔
    が、後フロント部の縦方向補強糸の平均間隔よりも狭い
    フロント部を有する請求項3に記載の前身頃芯地。
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