JP2002105724A - インサイドベルト及びベルト - Google Patents

インサイドベルト及びベルト

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JP2002105724A
JP2002105724A JP2000298982A JP2000298982A JP2002105724A JP 2002105724 A JP2002105724 A JP 2002105724A JP 2000298982 A JP2000298982 A JP 2000298982A JP 2000298982 A JP2000298982 A JP 2000298982A JP 2002105724 A JP2002105724 A JP 2002105724A
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heat
cloth
shrinkable
long side
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JP2000298982A
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Inventor
Terumi Nakanishi
輝美 中西
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Japan Vilene Co Ltd
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Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ズボン、スラックス、スカート等のウエスト
部分等にフィットできるよう、扇状の湾曲が低コスト
で、容易に形成でき、ベルトに仕上げた時も風合いが良
好でアイロンかけ等で変形が生じない、インサイドベル
ト及びインサイドベルト複合材を提供することを課題と
する。 【解決手段】 帯状布の長辺部に、軟化点が130°C
以上の合成繊維からなる熱収縮性の糸が縫着されたイン
サイドベルト、または帯状布の長辺部と帯状の接着芯地
の長辺部が、熱収縮性の糸によって縫合されたインサイ
ドベルト複合材であり、加熱処理することにより熱収縮
性の糸が収縮して扇状の湾曲を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はズボン、スラック
ス、スカート等のウエスト部分等に用いられ、特に人体
の立体形状にフィットさせることのできるインサイドベ
ルト及びベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】ズボン、スラックス、スカート等のウエ
スト部分等に用いられるインサイドベルト及びベルトは
一般的には直線形状のものが用いられるが、この場合図
2に例示するように人体に装着した時、ベルト1’の上
端部に遊びが生じ、またスカート2’に縫製するとベル
ト1’の上端部が直線形状とならず、ひだが生じてしま
う問題があった。そのためベルトを扇状に湾曲させ、人
体の立体形状にフィットさせる方法が考えられている。
この方法によれば、図1に例示するように、人体に装着
した時、ベルト1の上端部に遊びが生ぜず、またスカー
ト2に縫製するとベルト1の上端部が直線状となって見
栄え良く仕上げることができる。
【0003】このように、ベルトを扇状に湾曲させる方法と
して、細巾織物の長手方向に配列された縦糸の中にその
一つの長辺に沿って塩化ビニール系合成繊維糸を混入配
設して織成し、熱処理によって湾曲を形成することので
きるインサイドベルト芯地が知られている。しかしこの
方法では、塩化ビニール系合成繊維糸を細巾織物の長手
方向に織成する必要があり、そのため細巾織物の巾や材
質等に応じて、またインサイドベルト芯地に接着される
ベルトの表地の収縮特性に応じて、多品種のインサイド
ベルト芯地を織成する必要があった。そのためには織成
条件を頻繁に変更する必要が生じ、また織成条件変更に
も手間がかかるため、生産コストが大きく上昇してしま
うという問題があった。さらに、この公報では細巾織物
に織成するため不織布のような織成されていない帯状布
には適用することができなかった。
【0004】また、実公昭57−43846号公報には、熱
溶融性の接着剤を裏面に塗布してなる不織布等の接着芯
地の表面上縁に該接着芯地の巾より狭い熱収縮型のテー
プを長手方向に縫着することにより、これを表地と一体
化して加熱処理した際長手方向の上縁が収縮し、全体と
して湾曲状に形成することを特徴とする熱収縮型の芯地
が開示されている。この方法では多様な巾、材料などの
接着芯地に対しても熱収縮テープを縫着することで対応
できるが、熱収縮テープを縫着するため、材料が増え生
産コストがかかる上、熱収縮テープの縫着による厚み増
大からくる厚み感や、風合いが硬くなる等の問題があっ
た。また、表地の材質に応じて要求される収縮率に熱収
縮テープの収縮率を自由に変化させることが難しく問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、ズ
ボン、スラックス、スカート等のウエスト部分等に用い
る、人体の立体形状にフィットできるよう、扇状の湾曲
を形成することができるインサイドベルト及びベルトで
あって、使用時に要求される収縮率に容易に対応でき、
また不織布のような織成されていない帯状布も使用で
き、しかも生産コストを低くすることができ、さらに表
地と一体的に使用した場合厚み感も無く、風合いなどの
仕上がり具合も良好で、アイロンかけ等で熱変形を生じ
ることの無い、インサイドベルト及びベルトを提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、帯状
布の1つの長辺部に、軟化点が130°C以上の合成繊
維からなる熱収縮性の糸が縫着していることを特徴とす
るインサイドベルトであり、このインサイドベルトを加
熱処理することにより、前記熱収縮性の糸が収縮して、
それに伴い帯状布の1つの長辺部が収縮して、帯状布の
1つの長辺に沿って扇状の湾曲を形成することができ
る。そして、扇状の湾曲が形成されたインサイドベルト
をベルト用の表地と合わせ、ズボン、スラックス、スカ
ート等のウエスト部分等に用いるベルトに縫製して、人
体の立体形状にフィットさせることができる。このイン
サイドベルトは表地と一体的に使用した場合厚み感も無
く、風合いなどの仕上がり具合も良好である。また、軟
化点が130°C以上の合成繊維からなる熱収縮性の糸
を用いているので、ベルトに縫製後ベルトをアイロンか
け等により加熱した時にもベルトの熱変形を生じること
は無い。また、このインサイドベルトは、ベルトに大き
な扇状の湾曲を必要とする際に伸縮性のある表地と合わ
せて縫製する場合に特に有用である。また、このインサ
イドベルトを生産するに際して、不織布のような織成さ
れていない帯状布も使用可能であり、ベルトに要求され
る湾曲に対応したインサイドベルトの収縮率に応じて、
前記熱収縮性の糸の縫着方法や縫着条件の設定、例えば
ミシンの上糸と下糸の種類の選択や帯状布上での縫着の
位置の選択などが容易であり、且つその選択を変更する
のも容易であり、ユーザーの要求に柔軟に対応すること
ができる。更に、上記のように縫着条件の設定や変更が
容易なため、縫着にかかる工程費が少なくてすむ。ま
た、材料費についても帯状布をそのままインサイドベル
トとして用いる従来タイプの材料費と比較して、前記熱
収縮性の糸の追加費用のみを考慮すればよく、大きなコ
スト増にはならないですむ。その結果、このインサイド
ベルトの生産コストは、従来の扇状の湾曲を形成するこ
とができるインサイドベルトの生産コストよりも低くす
ることができる。
【0007】請求項2の発明は、帯状布に接着樹脂が付着し
ている請求項1記載のインサイドベルトであり、接着樹
脂を帯状布に付着加工することにより、このインサイド
ベルトの接着樹脂付着面にベルトの表地を熱接着させる
と同時に、軟化点が130°C以上の合成繊維からなる
熱収縮性の糸を収縮させ、それに伴い帯状布の1つの長
辺部を収縮させ、ベルトに扇状の湾曲を形成することが
できる。そして、扇状の湾曲が形成されたベルトは、ズ
ボン、スラックス、スカート等のウエスト部分等に用い
るベルトととして、人体の立体形状にフィットさせるこ
とができる。このインサイドベルトは表地の接着と前記
熱収縮性の糸の熱収縮を同時に行うことができるので、
ベルト縫製時における表地を帯状布の湾曲形状に変形又
は裁断する手間を省くことができる。尚、大きな扇状の
湾曲が必要とされ、しかも表地がインサイドベルトの収
縮に追従できない場合は、このインサイドベルトを予め
熱収縮により扇状に湾曲させてから、その扇状に湾曲し
たインサイドベルトの接着樹脂付着面に表地を熱接着さ
せて、ベルトとすることも可能である。このインサイド
ベルトは表地と一体的に使用した場合厚み感も無く、風
合いなどの仕上がり具合も良好である。また、軟化点が
130°C以上の合成繊維からなる熱収縮性の糸を用い
ているので、ベルトとした後ベルトをアイロンかけ等に
より加熱した時にもベルトの熱変形を生じることは無
い。また、このインサイドベルトを生産するに際して、
不織布のような織成されていない帯状布も使用可能であ
り、インサイドベルトに要求される収縮率に応じて、前
記熱収縮性の糸の縫着方法や縫着条件の設定、例えばミ
シンの上糸と下糸の種類の選択や帯状布上での縫着の位
置の選択などが容易であり、且つその選択を変更するの
も容易であり、ユーザーの要求に柔軟に対応することが
できる。更に、上記のように縫着条件の設定や変更が容
易なため、縫着にかかる工程費が少なくてすむ。また、
材料費についても接着樹脂が付着した帯状布をそのまま
インサイドベルトとして用いる従来タイプのインサイド
ベルトの材料費と比較して、前記熱収縮性の糸の追加費
用のみを考慮すればよく、大きなコスト増にはならない
ですむ。このように、このインサイドベルトの生産コス
トは、従来の扇状の湾曲を形成することができるインサ
イドベルトの生産コストよりも低くすることができる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2記載のイ
ンサイドベルトの熱収縮性の糸が熱収縮しており、帯状
布の1つの長辺に沿って湾曲していることを特徴とする
インサイドベルトである。
【0009】請求項4の発明は、請求項2記載のインサイド
ベルトの接着樹脂付着面に表地が接着一体化しており、
しかも熱収縮性の糸が熱収縮しており、帯状布の1つの
長辺に沿って湾曲していることを特徴とするベルトであ
る。
【0010】請求項5の発明は、帯状布の1つの長辺部と帯
状の接着芯地の1つの長辺部が、軟化点が130°C以
上の合成繊維からなる熱収縮性の糸によって縫合されて
いることを特徴とするインサイドベルト複合材であり、
このインサイドベルト複合材を加熱処理することによ
り、接着芯地をベルトの表地に熱接着させると同時に、
前記熱収縮性の糸が収縮して帯状布の1つの長辺に扇状
の湾曲を形成することができる。そして、表地と一体と
なり扇状の湾曲が形成されたインサイドベルト複合材
は、ズボン、スラックス、スカート等のウエスト部分等
に用いるベルトとして、人体の立体形状にフィットさせ
ることができる。尚、大きな扇状の湾曲が必要とされ、
しかも表地がインサイドベルト複合材の収縮に追従でき
ない場合は、このインサイドベルト複合材を予め熱収縮
により扇状に湾曲させてから、その扇状に湾曲したイン
サイドベルト複合材の接着芯地の接着剤付着面を表地に
熱接着させて、ベルトとすることも可能である。このイ
ンサイドベルト複合材は表地と一体的に使用した場合厚
み感も無く、風合いなどの仕上がり具合も良好である。
また、軟化点が130°C以上の合成繊維からなる熱収
縮性の糸を用いているので、ベルトとした後ベルトをア
イロンかけ等により加熱した時にもベルトの熱変形を生
じることは無い。また、このインサイドベルト複合材を
生産するに際して、不織布のような織成されていない帯
状布も使用可能であり、インサイドベルト複合材に要求
される収縮率に応じて、前記熱収縮性の糸の縫着方法や
縫着条件の設定、例えばミシンの上糸と下糸の種類の選
択や帯状布上での縫着の位置の選択などが容易であり、
且つその選択を変更するのも容易であり、ユーザーの要
求に柔軟に対応することができる。また、材料費につい
ても接着芯地が帯状布と熱収縮性でない糸で縫合されて
いる従来タイプのインサイドベルト複合材の材料費と比
較して、前記熱収縮性の糸の追加費用のみを考慮すれば
よく、大きなコスト増にはならないですむ。このよう
に、このインサイドベルト複合材の生産コストは、従来
の扇状の湾曲を形成することができるインサイドベルト
複合材の生産コストよりも低くすることができる。
【0011】請求項6の発明は、請求項5記載のインサイド
ベルト複合材の熱収縮性の糸が熱収縮しており、帯状布
の1つの長辺に沿って扇状に湾曲していることを特徴と
するインサイドベルト複合材であり、この扇状に湾曲し
たインサイドベルト複合材の接着芯地の接着剤付着面を
ベルトの表地に熱接着させベルトとすることができる。
【0012】請求項7の発明は、請求項5記載のインサイド
ベルト複合材の接着芯地の接着剤付着面に表地が接着一
体化しており、しかも熱収縮性の糸が熱収縮しており、
帯状布の1つの長辺に沿って湾曲していることを特徴と
するベルトである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるインサイドベルト
は、図3及び図4に例示するように、帯状布4の1つの
長辺部5に、軟化点が130°C以上の合成繊維からな
る熱収縮性の糸6が縫着していることを特徴とし、この
インサイドベルト3を加熱処理することにより、熱収縮
性の糸6が収縮して帯状布4の1つの長辺に沿って扇状
の湾曲を形成することができる。そして、扇状の湾曲が
形成されたインサイドベルトをベルトの表地と合わせ、
ズボン、スラックス、スカート等のウエスト部分等に用
いるベルトに縫製して、人体の立体形状にフィットさせ
ることができる。また、このインサイドベルトは、予め
扇状に湾曲させてからベルトの表地と合わせて縫製する
ので、大きな扇状の湾曲が必要とされる場合には特に有
用であり、例えば編物などの伸縮性のある表地と合わせ
て縫製すると更に好ましく、人体の立体形状にフィット
したベルトとすることができる。
【0014】本発明で用いる帯状布は織物、編物や不織布等
の繊維構造物であり、その中でも長手方向に強度が高く
伸びにくい繊維構造物が好ましい。このような繊維構造
物としては、例えば市販されているベルト芯用の織物芯
をあげることができる。
【0015】また、図3及び図4に示すように、この帯状布
4にベルトの表地と接着可能な接着樹脂7を付着加工す
ることにより、接着樹脂が付着したインサイドベルトと
することができる。この接着樹脂が付着したインサイド
ベルトは、加熱処理することにより、熱収縮性の糸6が
収縮して帯状布4の1つの長辺に沿って扇状の湾曲を形
成することができる。そして、扇状の湾曲が形成された
接着樹脂が付着したインサイドベルトをベルトの表地と
合わせ、加熱処理することにより接着処理して、ズボ
ン、スラックス、スカート等のウエスト部分等に用いる
ベルトとなして、人体の立体形状にフィットさせること
ができる。また、このインサイドベルトは、大きな扇状
の湾曲が必要とされる場合にも、予め扇状に湾曲させて
からベルトの表地と合わせて接着処理すればよく、伸縮
性の大きい例えば編物などをベルトの表地に特に選ぶ必
要はなく、人体の立体形状にフィットしたベルトとする
ことができる。このように、接着樹脂が付着したインサ
イドベルトはベルトの表地との接着処理が可能であるた
め、縫製による手間を省くことができる。
【0016】また、この接着樹脂が付着したインサイドベル
ト3は、このインサイドベルト3の接着樹脂7の付着面
にベルトの表地を熱接着させると同時に熱収縮性の糸6
を収縮させ、それに伴い帯状布4の1つの長辺部5を収
縮させ、ベルトに扇状の湾曲を形成することもできる。
そして、ズボン、スラックス、スカート等のウエスト部
分等に用いるベルトとなして、人体の立体形状にフィッ
トさせることができる。このように、接着樹脂が付着し
たインサイドベルトはベルトの表地との接着処理と熱収
縮性の糸の収縮処理が同時に可能であるため、縫製によ
る手間を大きく省くことができる。
【0017】この帯状布に接着樹脂を付着加工させるには、
帯状布に粒状の接着樹脂を付着させ熱固定させるか、ペ
ースト状の接着樹脂をドット状に塗布する方法等が好ま
しい。また、この帯状布に接着樹脂を付着加工させるに
は、帯状布の原反に接着樹脂を付着加工した後、スリッ
トして接着樹脂7が付着した帯状布とする方法が生産効
率が良く好ましい。
【0018】本発明によるインサイドベルト複合材は、図5
及び図6に示すように、帯状布4の1つの長辺部5と帯
状の接着芯地11の1つの長辺部5’が、接着芯地11
の接着樹脂12の付着面が外側になるように、軟化点が
130°C以上の合成繊維からなる熱収縮性の糸6によ
って縫合されていることを特徴とし、上記帯状布の他の
長辺部10と上記帯状の接着芯地の他の長辺部10’
は、熱収縮しない糸か又は上記熱収縮性の糸6より収縮
率の小さい糸9によって縫合されている。そのため、こ
のインサイドベルト複合材8を加熱処理することによ
り、熱収縮性の糸6が収縮して帯状布の1つの長辺に扇
状の湾曲を形成することができる。そして、扇状の湾曲
が形成されたインサイドベルト複合材の接着芯地の接着
剤付着面をベルトの表地と合わせ、加熱処理することに
より接着処理して、ズボン、スラックス、スカート等の
ウエスト部分等に用いるベルトとなして、人体の立体形
状にフィットさせることができる。また、このインサイ
ドベルト複合材は、大きな扇状の湾曲が必要とされる場
合には、予め扇状に湾曲させてからベルトの表地と合わ
せて接着処理すればよく、伸縮性の大きい例えば編物な
どをベルトの表地に特に選ぶ必要はなく、人体の立体形
状にフィットしたベルトとすることができる。このよう
に、インサイドベルト複合材は接着芯地が縫合されてい
るので、ベルトの表地との接着処理が可能であり、縫製
による手間を省くことができる。
【0019】また、このインサイドベルト複合材は、インサ
イドベルト複合材の接着芯地の接着剤付着面をベルトの
表地と合わせ、加熱処理することにより、接着芯地をベ
ルトの表地に熱接着すると同時に、熱収縮性の糸が収縮
して帯状布の1つの長辺に扇状の湾曲を形成することも
できる。そして、表地と一体となり扇状の湾曲が形成さ
れたインサイドベルト複合材は、ズボン、スラックス、
スカート等のウエスト部分等に用いるベルトとして、人
体の立体形状にフィットさせることができる。このよう
に、インサイドベルト複合材は接着芯地が縫合されてい
るので、ベルトの表地との接着処理と熱収縮性の糸の収
縮処理が同時に可能であり、縫製による手間を大きく省
くことができる。また、このインサイドベルト複合材は
婦人用と比較して帯状布の短辺が大きく、すなわち帯状
布の巾が大きく、扇状の湾曲をあまり大きく要求されな
い紳士用のベルトに特に適している。
【0020】インサイドベルト複合材に用いる接着芯地は、
一般的に接着芯地として用いられるものであってよく、
不織布、織物、編物等に、接着樹脂の付着加工を行った
ものであり、接着樹脂の付着加工は粒状の接着樹脂を付
着させ熱固定させるか、接着樹脂をクモの巣状に積層し
て付着するか、ペースト状の接着樹脂をドット状に塗布
する方法等が好ましい。
【0021】本発明で用いる熱収縮性の糸は、熱収縮性の糸
を無負荷の状態で昇温した時に、100°Cで元の長さ
に対して10%以上の収縮率を示す紡績糸またはフィラ
メント糸であり、このような糸を形成する熱収縮性繊維
としては、熱可塑性樹脂からなる合成繊維を紡糸条件
(冷却条件、引取速度等)、延伸条件、熱処理条件等を
適宜選択することによって得られたものが使用できる
が、熱収縮性繊維の軟化点が130°C以上であること
が必要である。このような熱収縮性繊維としては、例え
ばポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、などの熱
可塑性樹脂からなる熱収縮性繊維が好適である。130
°C未満の軟化点をもつ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる熱収縮性繊維に
よって形成した糸を用いた場合には、ベルトとした後
に、ベルトをアイロンかけ等により加熱した時に、熱収
縮性の糸が軟化して、湾曲形状が元に戻ったり、変形す
るので本発明では用いることができない。また、このよ
うな熱収縮性の糸は、インサイドベルト又はインサイド
ベルト複合材又はベルトに扇状の湾曲を形成させた後、
実質的に熱収縮が発現しないものであれば更に好まし
い。
【0022】本発明による熱収縮性の糸を帯状布に縫着させ
る方法、又は熱収縮性の糸で帯状布と接着芯地を縫合さ
せる方法においては、ミシン等を用いて、例えば本縫い
や環縫いを行う。本縫いの場合、ベルトの表地に糸の縫
い目による凹凸が現出したり、縫い目が見えたりする場
合が少なく好ましい。ミシンを用いる場合、上糸と下糸
の材質を互いに異なるものとすることも可能である。例
えば、ベルトの表地側を下糸とすると、下糸には細番手
のフィラメント糸を、上糸には熱収縮性の糸を用いるこ
とによって、熱収縮性の糸が熱収縮した後に、縫着又は
縫合した糸の縫い目による凹凸が表地に現出するのを防
ぎ、さらに表地を通して縫い目が目立ったりすることを
防ぐことができ、好適な一例である。また、熱収縮性の
糸の縫い目は帯状布の長辺より、1.5mm〜10mm
内側に長辺に沿って形成するのが好ましい。この場合、
縫い目が長辺に接近するほど扇状の湾曲は大きくなる傾
向があるが、縫着又は縫合のし易さ等から考慮して1.
5mm〜5mm内側が最適である。また、縫い目の間隔
すなわち縫い目のピッチは1mm〜10mmが好適であ
り、縫い目の間隔が大きくなるほど扇状の湾曲はやや大
きくなる傾向があるが、均一な縫着又は縫合の必要性等
を考慮して、2mm〜5mmが最適である。
【0023】本発明では熱収縮性の糸による縫い目を長辺に
沿って2列以上配置してもよい。
【0024】本発明では、インサイドベルトの場合は帯状布
の1つの長辺部に、軟化点が130°C以上の合成繊維
からなる熱収縮性の糸を縫着した後、またインサイドベ
ルト複合材の場合は帯状布の1つの長辺部と帯状の接着
芯地の1つの長辺部が、軟化点が130°C以上の合成
繊維からなる熱収縮性の糸によって縫合した後、前記熱
収縮性の糸を収縮させるために加熱処理を行なう。加熱
処理の方法はアイロンや熱プレス、加熱後に加圧する方
法等、衣服の縫製工程で用いられる加熱装置による方法
が適している。加熱温度は70℃〜150℃が好適であ
る。なお、インサイドベルトのように接着樹脂を付着加
工された帯状布と表地を、または、インサイドベルト複
合材のように接着樹脂を有する接着芯地と表地を接着さ
せながら同時に熱収縮させる場合は、用いられている接
着樹脂による接着効果が十分に発揮されるよう、用いら
れている接着樹脂の接着温度以上の加熱温度とする必要
がある。また、本発明でインサイドベルト又はインサイ
ドベルト複合材又はベルトを生産する際に、帯状布、接
着芯地またはベルトの表地を熱収縮性の糸の収縮に伴っ
て収縮させるためには、収縮が効果的に行われるよう、
上記の加熱装置の加熱面で上記帯状布、接着芯地または
ベルトの表地に圧力をかけすぎないよう配慮する必要が
ある。
【0025】本発明では、このようにして熱収縮性の糸が収
縮すると、インサイドベルト又はインサイドベルト複合
材又はベルトは湾曲する。湾曲の度合いの評価のため、
湾曲前の図7及び湾曲後の図8に示すように、帯状布4
の湾曲前における熱収縮性の糸の縫着側の長辺の長さ
(直線A’B’)50cmと、帯状布4の湾曲後におけ
る熱収縮性の糸の縫着側の長辺の長さ(孤AB)との差
を収縮度(単位mm)と定義し、孤ABの中点Cと直線
ABの中点Dを結ぶ直線CDの長さを湾曲度(単位m
m)と定義すると、インサイドベルト又はインサイドベ
ルト複合材又はベルトの好ましい収縮度は、2〜50m
mであり、好ましい湾曲度は、5〜80mmである。
【0026】本発明では、このように帯状布の種類や、熱収
縮性の糸の種類や、熱収縮性の糸の縫着または縫合の仕
方により様々な湾曲形状が形成可能であり、インサイド
ベルト又はインサイドベルト複合材又はベルトに関し
て、ユーザの要求に合わせて人体の形状にフィットした
多品種の製品を生産することができる。また、目的とす
る湾曲の形状やベルトの表地への影響を考慮して、上記
実施の形態から最適の条件を適宜選択することが可能で
ある。そして、表地と一体的に使用した場合厚み感も無
く、風合いなどの仕上がり具合が良好で、アイロンかけ
等で熱変形を生じることも無い。さらにこれら多様な品
種のものを生産するに際し、ミシン糸の種類を変えた
り、ミシンの縫い目の間隔や縫う位置を変更する等の簡
単な条件変更のみですむため、工程費が少なく、且つ材
料費がそれほどかからないため、低コストで生産するこ
とができる。
【0027】つぎに、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【実施例】(実施例1)帯状布として、帯状布の長手方
向に経糸がポリエステル20番手(単糸)の35本/イ
ンチ、巾方向に緯糸がポリエステル10番手(双糸)の
33本/インチで織成された織布の片面に、融点が11
5°Cの接着樹脂としてポリアミド樹脂をペースト状と
してドット状に付着加工した、寸法が30mm巾×50
cm長さの市販織物芯である帯状布Aを用意した。次
に、熱収縮性の糸として、帝人株式会社製の製品名「ソ
クラテックス」の名称で販売されているポリエステルの
収縮繊維から作られた糸で、材質がポリエステルで乾熱
温度100℃で約30%の収縮率を有するフィラメント
糸(30de/3×3)を用意した。この熱収縮性の糸
をミシンの上糸と下糸にセットして、前記帯状布Aの1
つの長辺から内側へ10mmの位置で、その長辺に沿っ
て、縫い目が4mmピッチとなるようミシンを用いて本
縫いを1列行い、帯状布の1つの長辺部に熱収縮性の糸
が縫着しているインサイドベルトを得た。このインサイ
ドベルトを130°Cで加熱した後、線圧1.0kg/
cmのロールで加圧したところ、帯状布の1つの長辺部
が収縮して、湾曲状となったインサイドベルトを得た。
この湾曲状となったインサイドベルトは、収縮度が31
mmであり、湾曲度が27mmであった。
【0028】(実施例2〜5)ミシンを用いて本縫いを行う
位置が、帯状布Aの1つの長辺の端から内側へ7mm、
又は5mm、又は3mm、又は1.5mmとしたこと以
外は実施例1と同様にして、帯状布の1つの長辺部が収
縮して、湾曲状となったインサイドベルトを得た。本縫
いを行った位置7mm、5mm、3mm、1.5mmの
順に、実施例2、3、4、5とすると、この湾曲状とな
ったインサイドベルトは、実施例2では、収縮度が31
mm、湾曲度が28mmであり、実施例3では、収縮度
が31mm、湾曲度が28mmであり、実施例4では、
収縮度が32mm、湾曲度が30mmであり、実施例5
では、収縮度が33mm、湾曲度が32mmであった。
実施例2〜5によると、本縫いを行う位置が帯状布の1
つの長辺に近くなるに従い湾曲度が大きくなる傾向が見
られる。このように、本縫いを行う位置を適宜選択する
ことにより、ベルトに必要とされる湾曲度を容易に得る
ことができる。
【0029】(実施例6)帯状布として、帯状布の長手方向
に経糸がポリエステル16番手(単糸)の37本/イン
チ、巾方向に緯糸がポリエステル16番手(双糸)の3
4本/インチで織成された織布の片面に、融点が115
°Cの接着樹脂としてポリアミド樹脂をペースト状とし
てドット状に付着加工した、寸法が30mm巾×50c
m長さの市販織物芯である帯状布Bを用意したこと以外
は実施例1と同様にして、湾曲状となったインサイドベ
ルトを得た。この湾曲状となったインサイドベルトは、
収縮度が3mmであり、湾曲度が2.5mmであった。
このように、帯状布の織成を変えることにより、ベルト
に必要とされる湾曲度を容易に得ることができる。
【0030】(実施例7〜10)ミシンを用いて本縫いを行
う位置が、帯状布Bの1つの長辺の端から内側へ7m
m、又は5mm、又は3mm、又は1.5mmとしたこ
と以外は実施例6と同様にして、帯状布の1つの長辺部
が収縮して、湾曲状となったインサイドベルトを得た。
本縫いを行った位置7mm、5mm、3mm、1.5m
mの順に、実施例7、8、9、10とすると、この湾曲
状となったインサイドベルトは、実施例7では、収縮度
が3.5mm、湾曲度が3mmであり、実施例8では、
収縮度が3mm、湾曲度が3mmであり、実施例9で
は、収縮度が4mm、湾曲度が3mmであり、実施例1
0では、収縮度が4mm、湾曲度が5mmであった。実
施例6〜10によると、本縫いを行う位置が帯状布の1
つの長辺に近くなるに従い湾曲度が大きくなる傾向が見
られる。このように、帯状布の織成を変えることによ
り、また本縫いを行う位置を適宜選択することにより、
ベルトに必要とされる湾曲度を容易に得ることができ
る。
【0031】(実施例11)実施例1と同じ熱収縮性の糸を
ミシンの上糸にセットして、熱収縮性でないポリエステ
ルの60番手の糸を下糸にセットして、本縫いを行った
こと以外は実施例1と同様にして、湾曲状となったイン
サイドベルトを得た。この湾曲状となったインサイドベ
ルトは、収縮度が6mmであり、湾曲度が8.5mmで
あった。このように、熱収縮性でない糸を下糸に用いる
ことによって、熱収縮性の糸を上糸と下糸の両方に用い
た場合よりも湾曲度の少ないインサイドベルトを得るこ
とができた。また、このインサイドベルトを下糸側がベ
ルトの表地側となるようにしてベルトに縫製したとこ
ろ、糸の縫い目による凹凸が表地に現出しない、また表
地を通して縫い目が目立たない好適なベルトが得られ
た。
【0032】(実施例12〜15)ミシンを用いて本縫いを
行う位置が、帯状布Aの1つの長辺の端から内側へ7m
m、又は5mm、又は3mm、又は1.5mmとしたこ
と以外は実施例11と同様にして、帯状布の1つの長辺
部が収縮して、湾曲状となったインサイドベルトを得
た。本縫いを行った位置7mm、5mm、3mm、1.
5mmの順に、実施例12、13、14、15とする
と、この湾曲状となったインサイドベルトは、実施例1
2では、収縮度が10mm、湾曲度が16mmであり、
実施例13では、収縮度が13mm、湾曲度が16mm
であり、実施例14では、収縮度が13mm、湾曲度が
17mmであり、実施例15では、収縮度が15mm、
湾曲度が17mmであった。実施例11〜15による
と、本縫いを行う位置が帯状布の1つの長辺に近くなる
に従い湾曲度が大きくなる傾向が見られる。このよう
に、本縫いを行う位置を適宜選択することにより、ベル
トに必要とされる湾曲度を容易に得ることができる。ま
た、これら実施例のインサイドベルトを下糸側がベルト
の表地側となるようにしてベルトに縫製したところ、糸
の縫い目による凹凸が表地に現出しない、また表地を通
して縫い目が目立たない良好なベルトが得られた。
【0033】(実施例16)ミシンを用いて本縫いを行う位
置が、帯状布Aの1つの長辺の端から内側へ5mmとし
たこと以外は実施例1と同様にして、帯状布の1つの長
辺部に熱収縮性の糸が縫着しているインサイドベルトを
得た。次に、ベルトの表地である、材質がウールのトロ
ピカル織物で寸法が70mm巾×50cm長さの裁断片
とそのインサイドベルトを、そのインサイドベルトの接
着樹脂付着面が内側となるように、またそのインサイド
ベルトが裁断片の中央位置となるように重ねたまま、1
30°Cで加熱した後、線圧1.0kg/cmのロール
で加圧したところ、インサイドベルトが表地と一体とな
り、しかもインサイドベルトの1つの長辺部が収縮し
て、湾曲状となったベルトを得た。この湾曲状となった
ベルトは、収縮度が8mmであり、湾曲度が10mmで
あった。このように、接着樹脂が付着したインサイドベ
ルトはベルトの表地との接着処理と熱収縮性の糸の収縮
処理を同時に行なうことができたので、縫製による手間
を大きく省くことができた。
【0034】(実施例17〜20)ベルトの表地を、ポリエ
ステルとウール混紡のトロピカル織物、又はポリエステ
ルとコットン混紡のレインコート生地、又はポリエステ
ルのデシン織物、又はレベッカサテン織物、としたこと
以外は実施例16と同様にして、インサイドベルトが表
地と一体となり、しかもインサイドベルトの1つの長辺
部が収縮して、湾曲状となったベルトを得た。本縫いを
行った位置7mm、5mm、3mm、1.5mmの順
に、実施例17、18、19、20とすると、この湾曲
状となったベルトは、実施例17では、収縮度が9m
m、湾曲度が10mmであり、実施例18では、収縮度
が7mm、湾曲度が7mmであり、実施例19では、収
縮度が10mm、湾曲度が11mmであり、実施例20
では、収縮度が11mm、湾曲度が12mmであった。
このように、接着樹脂が付着したインサイドベルトは多
様な織物を用いて一体化しても良好な湾曲形状を得るこ
とができた。また、ベルトの表地との接着処理と熱収縮
性の糸の収縮処理を同時に行なうことができたので、縫
製による手間を大きく省くことができた。
【0035】(実施例21)実施例1と同じ熱収縮性の糸を
ミシンの上糸にセットして、熱収縮性でないポリエステ
ルのモノフィラメント50デニールの糸を下糸にセット
して本縫いを行ったことと、下糸側がベルトの表地側と
なるようにして、すなわち下糸側がインサイドベルトの
接着樹脂付着面となるようにして、インサイドベルトと
ベルトの表地を重ねたこと以外は実施例16と同様にし
て、インサイドベルトが表地と一体となり、しかもイン
サイドベルトの1つの長辺部が収縮して、湾曲状となっ
たベルトを得た。この湾曲状となったベルトは、収縮度
が8mm、湾曲度が6mmであった。このように、接着
樹脂が付着したインサイドベルトはベルトの表地との接
着処理と熱収縮性の糸の収縮処理を同時に行なうことが
できたので、縫製による手間を大きく省くことができ
た。また、この実施例のベルトは細い糸がベルトの表地
側であるため、糸の縫い目による凹凸が表地に現出しな
い、また表地を通して縫い目が特に目立たない良好なベ
ルトであった。
【0036】(実施例22〜25)ベルトの表地を、ポリエ
ステルとウール混紡のトロピカル織物、又はポリエステ
ルとコットン混紡のレインコート生地、又はポリエステ
ルのデシン織物、又はレベッカサテン織物、としたこと
以外は実施例21と同様にして、インサイドベルトが表
地と一体となり、しかもインサイドベルトの1つの長辺
部が収縮して、湾曲状となったベルトを得た。ベルトの
表地の上記記載順に、実施例22、23、24、25と
すると、この湾曲状となったベルトは、実施例22で
は、収縮度が6.5mm、湾曲度が5mmであり、実施
例18では、収縮度が7mm、湾曲度が6mmであり、
実施例19では、収縮度が10mm、湾曲度が11mm
であり、実施例20では、収縮度が8.5mm、湾曲度
が9mmであった。このように、接着樹脂が付着したイ
ンサイドベルトは数々のベルトの表地との接着処理と熱
収縮性の糸の収縮処理を同時に行なうことができたの
で、縫製による手間を大きく省くことができた。また、
これら実施例のベルトは細い糸がベルトの表地側である
ため、何れも糸の縫い目による凹凸が表地に現出しな
い、また表地を通して縫い目が特に目立たない良好なベ
ルトであった。
【0037】(実施例26)帯状布として、帯状布の長手方
向に経糸がポリエステル20番手(単糸)の35本/イ
ンチ、巾方向に緯糸がポリエステル10番手(双糸)の
33本/インチで織成された、寸法が35mm巾×50
cm長さの市販織物芯である帯状布Cを用意した。ま
た、帯状の接着芯地として、ナイロン繊維とレーヨン繊
維からなる不織布に、クモの巣状にポリアミド樹脂を積
層してなる融点が105°Cの接着樹脂が付着した、重
量が31g/m2で、寸法が55mm巾×50cm長さ
の不織布接着芯地を用意した。次に、その不織布接着芯
地とその帯状布Cを、その不織布接着芯地の接着樹脂付
着面が外側となるように、またその帯状布Cがその不織
布接着芯地の中央位置となるように重ねたまま、実施例
1と同じ熱収縮性の糸をミシンの上糸と下糸にセットし
て、その帯状布Cの1つの長辺から内側へ5mmの位置
で、その長辺に沿って、縫い目が4mmピッチとなるよ
うミシンを用いて本縫いを1列行った。次に、熱収縮性
でないポリエステルの60番手の糸をミシンの上糸と下
糸にセットして、その帯状布Cの他の長辺から内側へ5
mmの位置で、その長辺に沿って、縫い目が4mmピッ
チとなるようミシンを用いて本縫いを1列行った結果イ
ンサイドベルト複合材を得た。次に、ベルトの表地であ
る、ポリエステルとウール混紡のトロピカル織物の寸法
が巾80mm×50cmの裁断片とそのインサイドベル
ト複合材を、その不織布接着芯地の接着樹脂付着面が内
側となるように、またそのインサイドベルト複合材がそ
の裁断片の中央位置となるように重ねたまま、120°
Cで加熱した後、線圧1.0kg/cmのロールで加圧
したところ、インサイドベルト複合材が表地と一体とな
ったベルトを得た。このベルトはインサイドベルト複合
材の中の帯状布の1つの長辺部が収縮して、湾曲状とな
っており、収縮度が9mmであり、湾曲度が10mmで
あった。このように、このインサイドベルト複合材は接
着芯地が縫合されているので、ベルトの表地との接着処
理と熱収縮性の糸の収縮処理を同時に行なうことができ
たので、縫製による手間を大きく省くことができた。
【0038】上記の実施例1〜25の結果を表1〜5にまと
めた。これらの結果及び実施例26の結果から明らかな
ように、本発明のインサイドベルト又はインサイドベル
ト複合材又はベルトは、帯状布の種類や、熱収縮性の糸
の縫着または縫合の仕方により様々な湾曲形状が形成可
能であり、インサイドベルト又はインサイドベルト複合
材又はベルトに関して、ユーザの要求に合わせて人体の
形状にフィットした多品種の製品を生産することができ
る。また、目的とする湾曲の形状やベルトの表地への影
響を考慮して、前記条件から最適の条件を適宜選択する
ことが可能である。そして、表地と共に、または表地と
一体的に使用した場合厚み感も無く、風合いなどの仕上
がり具合も良好である。また、ベルトとした後もアイロ
ンかけ等で熱変形を生じる恐れが無く用いることができ
る。さらにこれら多様な品種のものを生産するに際し、
ミシン糸の種類を変えたり、ミシンの縫い目の間隔や縫
う位置を変更する等の簡単な条件変更のみですむため、
工程費が少なく、且つ材料費がそれほどかからないた
め、低コストで生産することができる。
【0039】表1.インサイドベルトの湾曲形状の評価 表2.インサイドベルトの湾曲形状の評価 表3.インサイドベルトの湾曲形状の評価 表4.ベルトの湾曲形状の評価 表5.ベルトの湾曲形状の評価
【0040】
【発明の効果】帯状布の1つの長辺部に、軟化点が13
0°C以上の合成繊維からなる熱収縮性の糸が縫着され
ているインサイドベルト、または前記熱収縮性の糸によ
って縫合されているインサイドベルト複合材の前記熱収
縮性の糸を加熱処理することにより、インサイドベルト
又はベルトに扇状の湾曲を形成することができる。そし
て、このインサイドベルト又はベルトをズボン、スラッ
クス、スカート等のウエスト部に用いることにより、人
体の形状にフィットさせることができる。そして、表地
と一体的に使用した場合厚み感も無く、風合いなどの仕
上がり具合が良好である。また、ベルトとした後もアイ
ロンかけ等で熱変形を生じる恐れが無いベルトととして
用いることができる。また、不織布などの帯状布や、織
成された帯状布など多様な帯状布を用いることができ、
帯状布を構成する糸の種類や、熱収縮性の糸の縫着また
は縫合の仕方により様々な湾曲状が形成可能であり、さ
らに生産条件の変更も容易であるため、インサイドベル
ト又はインサイドベルト複合材を生産するに際して、多
品種の製品を低コストで生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベルトを使用した図
【図2】従来のベルトを使用した図
【図3】本発明によるインサイドベルトの正面図
【図4】図3のa−aの断面図
【図5】本発明によるインサイドベルト複合材の正面図
【図6】図5のb−bの断面図
【図7】湾曲前のインサイドベルト
【図8】湾曲後のインサイドベルト
【符号の説明】
1 ベルト 1 ベルト 2 スカート 2’スカート 3 インサイドベルト 4 帯状布 5 長辺部 5’長辺部 6 熱収縮性の糸 7 接着樹脂 8 インサイドベルト複合材 9 熱収縮しない糸 10長辺部 10’長辺部 11接着芯地 12接着芯地の接着樹脂

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状布の1つの長辺部に、軟化点が13
    0°C以上の合成繊維からなる熱収縮性の糸が縫着して
    いることを特徴とするインサイドベルト。
  2. 【請求項2】 帯状布に接着樹脂が付着している請求項
    1記載のインサイドベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のインサイドベル
    トの熱収縮性の糸が熱収縮しており、帯状布の1つの長
    辺に沿って湾曲していることを特徴とするインサイドベ
    ルト。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のインサイドベルトの接着
    樹脂付着面に表地が接着一体化しており、しかも熱収縮
    性の糸が熱収縮しており、帯状布の1つの長辺に沿って
    湾曲していることを特徴とするベルト。
  5. 【請求項5】 帯状布の1つの長辺部と帯状の接着芯地
    の1つの長辺部が、軟化点が130°C以上の合成繊維
    からなる熱収縮性の糸によって縫合されていることを特
    徴とするインサイドベルト複合材。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のインサイドベルト複合材
    の熱収縮性の糸が熱収縮しており、帯状布の1つの長辺
    に沿って湾曲していることを特徴とするインサイドベル
    ト複合材。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のインサイドベルト複合材
    の接着芯地に表地が接着一体化され、しかも熱収縮性の
    糸が熱収縮しており、帯状布の1つの長辺に沿って湾曲
    していることを特徴とするベルト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042885A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Kyokuyo Sangyo Co Ltd 略円弧状のテープ芯地及びその製法
JP2013036151A (ja) * 2011-08-11 2013-02-21 Japan Vilene Co Ltd インサイドベルト用接着不織布及び複合インサイドベルト

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042885A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Kyokuyo Sangyo Co Ltd 略円弧状のテープ芯地及びその製法
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