JP3492416B2 - 樹脂含浸ダイおよびそれを用いた長繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

樹脂含浸ダイおよびそれを用いた長繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法

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JP3492416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長繊維で強化された熱
可塑性樹脂を製造する上で有用な含浸ダイ、射出成形な
どの成形法により成形品を得る上で有用な長繊維強化熱
可塑性樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形などによる成形品の力学的強度
を向上させるため、短繊維又は長繊維で強化した繊維強
化樹脂が広く利用されている。繊維強化樹脂成形体にお
いては、繊維長が大きい程、高剛性、高強度となるた
め、前記繊維強化樹脂として長繊維強化樹脂組成物を用
いるのが有用である。
【0003】長繊維強化樹脂組成物においては、マトリ
ックス樹脂として粘度の低い熱硬化性樹脂を用い、樹脂
の含浸効率を高める場合が多い。しかし、熱硬化性樹脂
をマトリックス樹脂として用いると、反応、硬化させる
工程が必要となり、成形加工効率(生産性)が低下する
だけでなく、成形品の形状も限定され、汎用性に欠け
る。また、一旦硬化した熱硬化性樹脂はリサイクルが困
難である。そのため、熱硬化性樹脂に代えて、マトリッ
クス樹脂として熱可塑性樹脂を用いた長繊維強化熱可塑
性樹脂が利用されている。
【0004】一方、熱可塑性樹脂の溶融粘度が高いた
め、繊維に対する樹脂の含浸効率が低下し、繊維と樹脂
が容易に分離したり、成形加工性を損ねる場合が多く、
繊維による高い補強性を樹脂に付与できない。特に繊維
含有率が大きくなるにつれて、樹脂の含浸効率を高める
のが困難となる。
【0005】長繊維強化熱可塑性樹脂は、連続繊維を用
いた引き抜き成形法により製造する場合が多い。この成
形法において、熱可塑性樹脂は、例えば、溶融状態、エ
マルジョン、粉末状の形態で含浸したり、強化繊維と樹
脂繊維との混繊などの方法で含浸している。また、溶融
状態の熱可塑性樹脂を含浸させる方法として、押出し機
で溶融し、押出された溶融樹脂を含浸させる方法、樹脂
の溶融層に繊維を通過させる方法、ベルト上に樹脂を供
給して繊維に含浸させる方法(例えば、特開平1−21
4408号公報)などが知られている。
【0006】強化繊維への溶融樹脂の含浸性、性能/価
格比などの点から、これらの方法のうち、連続した強化
繊維ロービング(強化繊維束)を引取り、張力を作用さ
せながらクロスヘッドダイ(含浸ダイ)内で強化繊維に
溶融樹脂を含浸させ、賦形ダイにより賦形する引抜き成
形法(プルトルージョン法)により製造する場合が多い
(米国特許第2877501号明細書、米国特許第44
39487号明細書、米国特許第3022210号明細
書、特開昭57−181852号公報など)。この引き
抜き成形法において、強化繊維への樹脂の含浸効率を高
めるため、繊維束の引取り方向と交差する方向に交互に
突出する複数の凸条を設けた含浸ダイが利用されている
(例えば、特開平3−272830号公報)。
【0007】しかし、引き抜き成形法により、溶融樹脂
を連続的に含浸させると、含浸ダイ内で徐々にケバが発
生するとともに、樹脂含浸後のロービング(ストラン
ド)に強化繊維のケバが付着する。前記繊維の毛羽立ち
は、強化繊維の含有量が多くなるにつれて発生し易くな
る。特に、ケバの発生が著しい場合にはロービングが切
れる場合がある。ロービングの切断が生じると、運転を
停止し、強化繊維ロービングと含浸ダイ内の溶融樹脂と
を取り除いた後、再度強化繊維ロービングを含浸ダイ内
に通すなどの作業が必要となるので、材料の無駄が生じ
るだけでなく、生産効率を著しく低下させる。なお、
「ケバ」とは、強化繊維を構成するフィラメントの切断
により生成した糸状の繊維を意味する。
【0008】そして、樹脂含浸した強化繊維ストランド
から得られるペレットにケバなどが付着したり、ペレッ
トの強化繊維がケバ立っていると、ペレットの外観及び
商品価値を損うだけでなく、製品中にペレットから遊離
又は脱落した強化繊維が混入する。また、遊離又は脱落
した強化繊維は、作業環境を悪化させるだけでなく、ペ
レットの運送、成形などに利用される機械にトラブルを
発生させる原因にもなる。例えば、毛羽立ったペレット
を用いると、ホッパ内でブリッジング現象が生じ易く、
成形機へ円滑に供給できなくなる。さらに、折損した繊
維が賦形ダイを閉塞し、長繊維強化熱可塑性樹脂を連続
的に得ることが困難となる場合がある。さらに、ケバ立
った強化繊維を含むペレットを用いて成形すると、強化
繊維が有効に利用されず、成形品の機械的特性が低下す
るとともに、各種の機械的特性の最大値と最小値の差
(レンジ)が大きくなる。そのため、機械的強度のばら
つきが大きく、高い補強性を樹脂に安定に付与できなく
なる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、強化繊維のケバの発生および繊維切れを抑制できる
含浸ダイを提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、溶融した熱可塑性樹
脂を強化繊維に連続的に含浸させる上で有用な含浸ダイ
を提供することにある。
【0011】本発明のさらに目的は、強化繊維の含有量
が多くても、繊維の毛羽立ちや繊維切れを抑制し、均質
な長繊維強化熱可塑性樹脂を効率よく得る上で有用な含
浸ダイを提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、強化繊維のケバが生
成したとしても、迅速かつ簡便に対処でき、繊維強化熱
可塑性樹脂を効率よく製造する上で有用な含浸ダイを提
供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、長期間に亘り
連続的に安定に、熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸でき、
長繊維強化熱可塑性樹脂を効率よく製造できる方法を提
供することにある。
【0014】本発明の別の目的は、高い補強性を安定か
つ効率よく熱可塑性樹脂に付与する上で有用な長繊維強
化熱可塑性樹脂の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、(a)含浸ダイ内で強
化繊維のケバが一旦発生すると、ケバが次第に発達して
隣接する強化繊維のケバと絡まり、強化繊維を引取るこ
とができなくなること、(b)含浸ダイのうち強化繊維
と接触する接触部には、繊維との長時間に亘る摺動によ
り傷が生成すること、(c)前記接触部に傷が多いほど
強化繊維の繊維切れが発生し易いことなどを見いだし
た。本発明は、これらの知見に基づくものである。
【0016】すなわち、本発明の樹脂含浸ダイは、強化
長繊維に熱可塑性樹脂を含浸させるための含浸ダイであ
って、この含浸ダイは強化繊維との接触部を有する凸部
を備えている。そして、少なくとも前記接触部は次のよ
うに構成されている。
【0017】(1)少なくとも接触部が非接触部よりも
強化繊維に対して耐摩耗性が高い、(2)少なくとも前
記接触部が交換可能である、または(3)少なくとも前
記接触部が耐摩耗性の高い材料で形成され、かつ交換可
能である。
【0018】少なくとも前記接触部の表面は、耐摩耗性
などに優れる材料、例えば、セラミックスなどで構成で
きる。繊維束の引取り方向に対して横切る方向に凸部が
形成されている場合、凸部の延出方向に形成された少な
くとも前記接触部は、蟻溝構造などの取付け手段によ
り、凸部に対して交換可能に取付けられていてもよい。
また、含浸ダイは、繊維束が引取り可能な流路を有する
ダイ本体、このダイ本体の流路に溶融した熱可塑性樹脂
を供給するための溶融押出し手段、繊維束の引取り方向
に対して横断する方向に延出し、かつ上下流路壁から互
い違いに突出して繊維束と接触可能な複数の凸部、およ
び繊維束に付着した過剰量の溶融樹脂を絞るための絞り
手段とを備えていてもよい。
【0019】このような含浸ダイを用いる方法では、連
続した繊維束を引取りながら、含浸ダイの前記凸部と接
触させるとともに、溶融した熱可塑性樹脂を含浸させる
ことにより、長繊維強化熱可塑性樹脂を製造できる。
【0020】以下に、必要に応じて添付図面を参照しつ
つ、本発明をより詳細に説明する。
【0021】強化繊維(補強繊維)としては、熱可塑性
樹脂よりも高い弾性率を有する繊維が使用される。この
ような繊維としては、熱可塑性樹脂の種類に応じて、例
えば、E−ガラス、S−ガラスなどのガラス繊維、ポリ
アクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素
繊維、セラミック繊維、鉱物繊維などの無機繊維;ステ
ンレス、黄銅などの金属繊維;超高分子量ポリエチレ
ン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、液晶
性芳香族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ
−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニ
レンイソフタルアミドなどの芳香族ポリアミド(アラミ
ド)、ポリフェニレンベンゾチアゾール、ポリアクリロ
ニトリルなどの高分子繊維、ジュートなどのセルロース
繊維などの有機繊維などから適当に選択できる。強化繊
維は一種又は二種以上組合せて使用できる。
【0022】これらの強化繊維のうち、ガラス繊維、炭
素繊維、セラミック繊維などの無機繊維、金属繊維、芳
香族ポリエステルや芳香族ポリアミド繊維などの高融点
又は高軟化点の繊維を使用する場合が多い。
【0023】強化繊維の繊維径は、適当に選択でき、例
えば、5〜30μm程度である。強化繊維は、長繊維
(フィラメント)、ロービング、ヤーンであってもよ
い。強化繊維は、通常、ロービングやヤーンなどの繊維
束として使用する場合が多い。ロービングにおけるフィ
ラメント数は、例えば、1000〜50000本、好ま
しくは2000〜30000本程度である。また、繊維
束の1000m当りの重量は、例えば、50〜4400
g(50〜4400TEX)、好ましくは100〜40
00TEX、さらに好ましくは150〜3500TEX
程度である。
【0024】前記強化繊維束としては、ブッシングから
の多数の単繊維を処理剤、例えばサイジング剤、水性エ
マルジョンなどで処理した後、集束した繊維束が使用で
きる。このような繊維束としては、集束して円筒状に巻
き取って乾燥させた繊維束の捲体(ダイレクトロービン
グのパッケージ)、実質的に端面のない形状に巻き取っ
て乾燥した繊維束の捲体(ケーキ巻き捲体)などが挙げ
られる。なお、繊維束の本数は特に制限されないが、通
常、複数の繊維束を用いる場合が多い。
【0025】なお、前記繊維は、例えば、シランカップ
リング剤、アルキルチタネートなどの慣用の表面処理剤
により表面処理されていてもよい。
【0026】前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体などのオレフィン系ポリマー;ポリスチレン、ゴム
強化ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体
(ABS樹脂)などのスチレン系ポリマー;ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナ
イロン612などのポリアミド;熱可塑性ポリウレタ
ン;ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンオ
キサイドなどのポリエーテル樹脂、ポリアセタール、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリス
ルホン、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルアミド、ポリエー
テルイミドなどの耐熱性樹脂やエンジニアリングプラス
チックなどが例示される。これらの熱可塑性樹脂は一種
又は二種以上使用することができる。
【0027】これらの熱可塑性樹脂のなかで、オレフィ
ン系ポリマーや、ポリエステル、ポリアミド、ポリエー
テル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド
などの耐熱性の高い熱可塑性樹脂を使用する場合が多
い。
【0028】前記熱可塑性樹脂は、成形加工性、機械的
特性などを損わない範囲で、必要に応じて種々の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣化防止
剤、充填剤、帯電防止剤、潤滑剤、湿潤剤、可塑剤、離
型剤、難燃剤、難燃助剤、結晶化促進剤、染料や顔料な
どの着色剤などを含んでいてもよい。
【0029】本発明は、強化繊維に対する含浸ダイの耐
久性を恒久的に向上させるための第1の発明と、ダイに
傷が生成したとしても生産効率の低下を抑制するための
第2の発明とを含んでいる。
【0030】すなわち、第1の発明の特色は、含浸ダイ
の凸部のうち強化繊維と接触する接触部の耐摩耗性を高
めることにより、強化繊維が長時間に亘り摺動しても、
接触部に傷が生成するのを抑制する点にある。このよう
な接触部を有する含浸ダイを用いると、強化繊維のフィ
ラメントの切断とケバの発生を抑制できる。なお、ケバ
は、前記接触部の傷や損傷部に、強化繊維が引掛ってミ
クロ単位の強化繊維が切断するため発生する場合が多
い。
【0031】前記強化繊維と接触可能な凸部において、
少なくとも接触部は非接触部に比べて強化繊維よりも耐
摩耗性が高ければよい。なお、耐摩耗性を高めるために
は、少なくとも接触部を強化繊維よりも硬度の高い材料
で形成すればよいが、高硬度の材料で接触部を形成して
も、長時間に亘り応力が集中すると、筋状の傷が生成す
る。例えば、含浸ダイを含めて凸部を、炭素鋼、ステン
レス鋼などの鉄鋼材料で形成すると、含浸ダイの硬度は
強化繊維のロービングよりも高いものの、長時間の使用
により、強化繊維と接触する接触部に傷が生成する。ま
た、ワイヤブラシなどを用いて含浸ダイを掃除する際、
前記接触部を損傷させる場合がある。そのため、前記凸
部のうち少なくとも接触部は、硬度のみならず、強化繊
維に対して滑り性の高い材料、例えば、耐傷性の高い高
炭素鋼、マンガン鋼、クロム鋼やステンレススチールな
どの特殊鋼、セラミックスなどで構成するのが好まし
い。なお、凸部も含めて含浸ダイを構成する材料は、可
使温度及び条件に耐えうる耐熱性及び耐蝕性の高い材料
が使用される。
【0032】耐摩耗性の高い好ましい材料には、セラミ
ックス、例えば、ホウロウのしたぐすり、うわぐすりな
どのくすり;アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジ
ルコニア、ベリリア、マグネシア、イットリア、トリア
などの酸化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭
化ホウ素なとの炭化物、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化
ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物などの非酸化物
系セラミックスなどが含まれる。これらのセラミックス
は、一種又は二種以上使用できる。これらのセラミック
スで前記接触部を形成すると、長時間に亘って強化繊維
を走行させても接触部を損傷させることがない。
【0033】図1は本発明の含浸ダイの一例を示す概略
断面図、図2は図1に示す含浸ダイの凸部を示す概略斜
視図である。
【0034】前記熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させる
ため含浸ダイは、繊維束3が走行可能な流路2を有する
ダイ本体1、このダイ本体1の前記流路2に溶融した熱
可塑性樹脂を供給するためのスクリュ4を備えた溶融押
出し機5、前記繊維束3の引取り方向に対して横断する
方向に延出しているとともに、前記繊維束3と接触可能
な複数の凸部(凸条)6、および繊維束3に付着した過
剰量の溶融樹脂を絞るための絞り手段としての賦形ダイ
8とを備えている。
【0035】なお、この例では、溶融押出し手段として
の押出し機は、含浸ダイ本体1の一方の端部に装着され
ている。押出し機としては、例えば、一軸又は二軸押出
し機などが使用できる。また、賦形ダイ8はダイ本体1
の他方の端部に装着され、賦形ダイ8の開口部は狭まっ
ている。
【0036】前記複数の凸部6は、表面が平滑であり、
流路3の上下壁から互い違いに突出している。また、繊
維束3を凸部6により効率よくしごいて、溶融した熱可
塑性樹脂の含浸効率を高めるため、一方の壁面に形成さ
れた凸部6の頂点は、対向する他方の壁面に形成された
凸部6の頂点よりも高く形成されている。そのため、前
記凸部6が形成された摺接領域には、ジグザグ状の流路
が形成され、強化繊維束3は、前記ジクザグ状流路にお
いて対向して隣設する凸部6の頂部により開繊しながら
引取られる。なお、含浸ダイのうち凸部内又は凸部の下
部には、温度コントロールのためヒーターなどの加熱手
段が収容されている場合が多い。
【0037】そして、前記凸部6のうち強化繊維束3と
接触する領域(接触部)の表面は、強化繊維との摺動に
より損傷するのを抑制するため、非接触部に比べて硬度
が大きく滑り性の高いセラミックス7で形成されてい
る。セラミックスは高い耐熱性と耐蝕性をも備えてい
る。
【0038】このような含浸ダイを用いると、ダイ本体
1内の流路2を通じて、連続した強化繊維束3を、含浸
ダイの凸部6と接触させて引取りながら、押出し機5か
ら供給される溶融した熱可塑性樹脂を含浸させることが
できる。その際、凸部6のうち繊維束3との接触部がセ
ラミックス7で形成されているため、強化繊維との摺動
により接触部(摺接領域)に傷が発生するのを抑制でき
る。そのため、強化繊維の切断とケバ立ちを抑制でき、
長繊維強化熱可塑性樹脂を円滑に製造することができ
る。
【0039】なお、凸部のうち、少なくとも繊維束との
接触部が非接触部よりも耐摩耗性の高い材料で形成され
ていればよい。好ましくは、繊維束との接触領域の少な
くとも表面が、非接触部よりも耐摩耗性の高い材料で形
成されている。耐摩耗性の高い材料は、高価である場合
が多いので、少なくとも接触部を含む凸部の領域に、耐
摩耗性の高い被膜を形成するのが経済的に有利である。
【0040】耐摩耗性の高い接触部は、耐摩耗性の高い
部材を嵌合などの手段により前記凸部の頂部に一体に取
付けたり、接触部の表面に耐摩耗性の高い被膜を形成す
ることにより構成することができる。前記耐摩耗性の高
い部材は、前記耐摩耗性の高い材料を用い慣用の方法で
形成できる。例えば、セラミックスを用いる場合、ホッ
トプレス法、ホットアイソスタティックプレス(HI
P)法などの加圧焼結法、雰囲気ガスを代えて焼結する
雰囲気焼結法などにより形成できる。また、焼結助剤、
易焼結性粉末などを用いて低温で焼結させてもよい。
【0041】また、耐摩耗性の高い表面は、前記耐摩耗
性の高い材料を用いて慣用の方法で形成できる。例え
ば、セラミックスを用いる場合、種々のセラミックコー
ティング法、例えば、耐熱ホウロウの焼付けによるコー
ティング、酸素−アセチレン炎やプラズマなどによるセ
ラミックスの溶射、化学蒸着法によるコーティング、焼
結などにより耐摩耗性の高い表面を形成できる。
【0042】第2の発明の特色は、含浸ダイの凸部のう
ち、強化繊維との接触部が損傷したとしても、少なくと
も前記損傷部を交換可能とすることにより、生産効率を
さほど低下させることなく、長繊維強化熱可塑性樹脂を
製造する点にある。すなわち、凸部の頂部などが損傷し
た場合、含浸ダイを交換することも考えられるが、含浸
ダイの構築には長時間を要するとともに高価となる。こ
れに対して、少なくとも前記接触部が交換可能な含浸ダ
イを用いると、損傷した接触部を新たな交換部材に交換
するという簡単な操作で、ケバ立ちなどによる障害を簡
便かつ容易に復旧でき、生産効率がさほど低下しない。
また、ダイ全体を交換するよりも極めて安価である。そ
のため、コストパフォーマンスを高めることができる。
【0043】このような含浸ダイにおいて、ダイ本体
は、耐熱性及び耐蝕性の高い材料、例えば、ステンレス
鋼や炭素鋼などの鉄鋼材料で形成できる。また、前記接
触部が交換可能であるため、ダイのうち強化繊維と接触
する波形凸部の頂部も、ダイ本体と同じく、鉄鋼材料で
形成できる。
【0044】前記接触部の交換の回数を低減するために
は、耐傷性の高い材料、例えば、前記くすりや酸化物系
又は非酸化物系セラミックス、高炭素鋼、マンガン鋼、
クロム鋼やステンレススチールなどの特殊鋼などで交換
部材を形成するのが好ましい。このような耐傷性材料で
交換可能な接触部を構成すると、強化繊維の摺動などに
よる傷およびケバの発生を抑制でき、長期間に亘り連続
的に長繊維強化熱可塑性樹脂を製造でき、生産効率を高
めることができる。
【0045】図3は本発明の含浸ダイにおける他の凸部
を示す概略斜視図である。この含浸ダイの凸部16は、
前記と同様に、強化繊維束の走行方向(引取り方向)に
対して直交する方向に、突出して延在し、強化繊維と接
触可能な接触部を有している。前記凸部16のうち頂部
領域、すなわち強化繊維との接触部を含む平滑な湾曲領
域には、山状の湾曲面を有する交換部材17が、蟻溝1
8により、前記凸部16の基部に対して交換又は着脱可
能に装着されている。
【0046】このような含浸ダイを用いると、前記交換
部材17の接触部が損傷したとしても、交換可能な取付
け手段としての蟻溝18を利用したスライド機構によ
り、新たな交換部材を簡単に装着できる。しかも、前記
凸部16が繊維束の引取り方向に対して直交しているの
で、前記交換部材18に繊維束による摺動力が作用して
も、蟻溝構造により、前記交換部材17を凸部16に安
定かつ確実に保持できる。さらに、ダイ全体ではなく前
記交換部材17だけを交換すればよいため、安価であ
る。
【0047】なお、前記繊維束との接触部を凸部に対し
て交換可能に取付けるための取付け手段は特に制限され
ない。例えば、着脱可能な嵌合機構により取付け手段を
構成してもよい。強化繊維束に張力を作用させて引取り
ながら前記凸部の頂部と接触させると、頂部の両側に位
置する裾部には、強化繊維束が接触しない。そのため、
強化繊維束との非接触部において、ビスなどの交換可能
な取付け手段により、交換部材を取付けてもよい。
【0048】本発明では、前記第1の発明と第2の発明
とを組合せることにより、前記耐摩耗性を高めた接触部
を交換可能としてもよい。すなわち、少なくとも強化繊
維との接触部を、耐摩耗性の高い材料で形成し、交換可
能としてもよい。
【0049】なお、前記凸部のうち少なくとも接触部の
表面が耐摩耗性の高い材料で形成されていればよく、少
なくとも接触部を含む交換部材全体を耐摩耗性の高い材
料で形成してもよい。さらに、少なくとも接触部が、耐
摩耗性が高く交換可能である限り、非接触部も含めて凸
部の表面全体が耐摩耗性の高い材料で形成されていても
よい。耐摩耗性の高い材料としては、前記第1の発明の
項で記載した特殊鋼やセラミックスなどが使用できる。
また、交換可能な機構や手段としては、第2の発明の項
で説明した蟻溝構造などが採用できる。
【0050】このような含浸ダイを用いると、耐摩耗性
の高い接触部は強化繊維により損傷し難い。そのため、
強化繊維の切断及びケバの発生を抑制できるとともに、
強化繊維束に溶融樹脂を連続的に含浸させても、繊維束
の切断などのトラブルの発生を防止でき、生産効率を高
めることができる。また、高い耐摩耗性が必要とされる
接触部を含む交換部材だけを交換可能とすればよいた
め、全体を耐摩耗性材料で形成する必要がなく、高い耐
摩耗性材料の使用量を低減でき、安価であり、性能/価
格比を高めることができる。
【0051】図4は本発明の含浸ダイにおける他の凸部
を示す概略斜視図である。この含浸ダイの湾曲凸部26
は、前記と同様に、強化繊維束の引取り方向に対して直
交する方向に、突出して延在している。前記凸部26の
うち、強化繊維との接触部を含む頂部領域には、耐摩耗
性の高い材料で形成された交換部材27が、蟻溝構造2
8により、着脱可能に装着されている。この例では、前
記交換部材27は、耐摩耗性の高いセラミックスで形成
され、山形に湾曲した湾曲面を有している。なお、交換
部材の少なくとも表面、特に少なくとも接触部の表面
に、耐摩耗性の高い被膜が形成されていればよい。
【0052】このような含浸ダイを用いると、前記交換
部材27の接触部に傷が生成するのを抑制でき、強化繊
維の切断およびケバの発生を長期間に亘り防止でき、均
一性及び表面平滑性の高い長繊維強化熱可塑性樹脂(複
合体)を得ることができる。また、交換部材27の接触
部が損傷したとしても、新たな交換部材をスライド機構
により簡単に装着できる。そのため、長繊維強化熱可塑
性樹脂の生産効率が低下するのを防止できる。
【0053】なお、含浸ダイの構造は、図示する構造に
限定されるものではなく、種々の構造のダイが採用でき
る。例えば、溶融押出し手段は、ダイ本体の適所に接続
でき、強化繊維と接触可能な凸部の数は、例えば、2〜
50程度の範囲で適当に選択できる。また、上下の流路
壁から突出する凸部の高さは、含浸効率を損わない範囲
で選択できる。なお、下部流路壁から上方へ突出する凸
部は、上部流路壁から下方へ突出する凸部間の凹部に位
置する場合が多い。一方の流路壁から突出する凸部と、
他方の壁面に形成された凸部間の凹部とが対向する含浸
ダイにおいて、凹部に対する凸部の侵入度を大きくする
ことにより、溶融樹脂の含浸効率を高めることができる
ので、対向する凹部への凸部の侵入度により、溶融樹脂
の含浸効率を調整することができる。繊維束の引取り方
向に対して凸部は横断又は交差する方向に延出していれ
ばよいが、直交する方向に延出する場合が多い。
【0054】また、前記凸部のうち強化繊維との接触部
は、凸部の延出方向に沿って形成される。接触部を交換
可能とする場合、前記の例では凸部の頂部を交換可能と
しているが、前記蟻溝構造などを利用して凸部全体を交
換可能としてもよい。
【0055】熱可塑性樹脂を溶融し強化繊維に含浸させ
る場合、ダイには熱が作用し、熱膨脹係数の差が大きな
部材で凸部を構成すると、剥離や脱落などが生じる虞が
ある。そのため、熱膨脹率の異なる複数の部材で凸部を
構成する場合には、隣設する部材間に、熱膨張率が近似
する部材を介在させてもよい。
【0056】本発明の方法では、連続した繊維束を引取
りながら、含浸ダイの前記凸部と接触させるとともに、
溶融した熱可塑性樹脂を含浸させる引抜き成形法により
長繊維強化熱可塑性樹脂を製造する。この方法におい
て、連続した複数の繊維束を開繊ローラやバーなどの複
数の開繊手段により開繊する開繊工程と、溶融した熱可
塑性樹脂の含浸効率を高めるため、繊維束及び/又は開
繊した繊維束を予熱する予熱工程と、溶融押出し機など
により溶融した熱可塑性樹脂を含浸ダイに供給し、繊維
束を前記凸部と接触させながら含浸させる含浸工程と、
樹脂を均一に含浸させるため、上記含浸工程の後、絞り
手段により過剰量の樹脂を、賦形ダイなどにより絞りな
がら連続的に引取る絞り工程とを含む場合が多い。ま
た、樹脂を含浸した繊維束を、引取りベルト、プラーな
どの引取り手段により繊維束に張力を作用させながら引
取り、ペレタイザなどのカッティングマシンにより所定
の大きさに切断し、ペレット化する場合が多い。前記含
浸工程において、前記含浸ダイの凸部の構造は前記のい
ずれであってもよい。
【0057】このような方法では、長繊維を多量に含ん
でいても、強化繊維を高度に分散し、表面平滑性が高
く、毛羽立ちおよび繊維の折損を抑制できる。
【0058】前記開繊工程において、開繊手段は、繊維
束を開繊する種々の手段、例えば、繊維束の進行方向に
対して交差する方向に並設された複数のテンションロー
ラ又はバーなどで構成された開繊ローラ(又はバー)で
あってもよい。開繊ローラは、通常、回転が規制されて
いるか回転不能である。そのため、複数の開繊ローラに
繊維束を掛渡し、張力を作用させながら繊維束を引取る
と、繊維束の進行に伴なって繊維束が順次側方へ拡がっ
て開繊され、最終的には帯状となる。
【0059】予熱工程における予熱温度は、繊維の種類
および熱可塑性樹脂の溶融温度などに応じて適当に選択
でき、例えば、75〜350℃、好ましくは100〜3
00℃程度である。予熱工程においては、少なくとも開
繊した繊維束を予熱するのが好ましい。なお、含浸工程
への移行過程で開繊した繊維束が冷却されるのを抑制す
るため、例えば、前記開繊ロールとしてヒータが埋設さ
れたロールを用いてもよい。
【0060】開繊された繊維束は、含浸ダイ内部の流路
に導かれ、前記凸部に接触しながら溶融押出し機からの
供給される溶融樹脂が含浸される。その際、繊維束を構
成する強化繊維が凸部によりさらに開繊するので樹脂の
含浸効率を高めることができるとともに、強化繊維の切
断及びケバ立ちを抑制できる。
【0061】樹脂が含浸した繊維束は、絞り工程におい
て、賦形ダイにより過剰量の樹脂を絞りながら連続的に
引取られ賦形される。賦形ダイを用いると、樹脂含浸量
を調整することができる。前記絞り工程において、樹脂
が含浸された繊維束は、前記帯状に開繊した繊維束の見
掛け断面積よりも小さな、賦形ダイのノズルから引取っ
てもよい。このようなノズルから繊維束を引取ると、ノ
ズルを通過する過程で繊維束及び含浸樹脂に剪断力が作
用し、樹脂の含浸効率が高まる場合がある。
【0062】前記賦形ダイのノズルの形状は、賦形され
た繊維束の形状の応じて適当に選択でき、例えば、断面
円形状、断面楕円状、断面多角形状、断面異形状、スリ
ット状などであってもよい。なお、スリット状ノズルを
用いると、繊維の損傷を抑制しつつ、円滑にノズルから
から繊維束を引取ることができる。絞り工程により賦形
された繊維束の形状は、例えば、リボン状、テープ状、
シート状などの面状、ストランド状、角柱状、円柱状な
どの棒状であってもよい。
【0063】賦形ダイにおいても、強化繊維との接触部
が損傷し易い。そのため、前記含浸ダイと同様に、賦形
ダイのうち、(1)少なくとも強化繊維との接触部を、
非接触部よりも強化繊維に対して耐摩耗性の高い材料で
形成した賦形ダイ、(2)少なくとも前記接触部が交換
可能である賦形ダイ、又は(3)少なくとも前記接触部
が耐摩耗性の高い材料で形成され、かつ交換可能である
賦形ダイを利用するのが好ましい。
【0064】このようにして得られた長繊維強化熱可塑
性樹脂からなる複合体において、強化繊維と熱可塑性樹
脂との割合は、例えば、強化繊維/熱可塑性樹脂=10
〜80/90〜20(重量%)、好ましくは20〜70
/80〜30(重量%)、さらに好ましくは30〜70
/70〜30(重量%)程度である。強化繊維の割合が
10重量%未満では、高い補強性を付与できない場合が
あり、80重量%を越えると、繊維の分散性が低下し、
繊維同士が集合し易くなる場合がある。なお、本発明の
方法では、繊維の切断及びケバの発生を抑制できるの
で、長繊維強化熱可塑性樹脂の全体に対して40〜80
重量%、好ましくは50〜80重量%程度の強化繊維を
含んでいても、複合体の均一性及び平滑性が高い。
【0065】前記複合体がペレット状である場合、複合
体の長さは、通常、3〜100mm、好ましくは5〜5
0mm程度であり、5〜30mm程度である場合が多
い。このような複合体において、強化繊維は複合体の長
手方向に実質的に平行に、かつ前記複合体と実質的に同
じ長さで配列している。なお、複合体において繊維の配
列は略平行であればよく、繊維は部分的に湾曲していて
もよく絡み合っていてもよい。また、ペレット状複合体
は、通常、角柱状や円柱状である場合が多い。
【0066】本発明の方法により得られる長繊維強化熱
可塑性樹脂(複合体)は、種々の成形品、例えば、一般
雑貨、自動車、電気・電子部品のハウジングやケーシン
グなどの広い用途の成形品を製造する上で有用である。
【0067】
【発明の効果】本発明の含浸ダイを用いると、強化繊維
のケバの発生および繊維切れを抑制でき、均一で表面平
滑性の高い繊維強化複合体を得ることができる。また、
含浸ダイの凸部のうち強化繊維との接触部の耐摩耗性を
高める場合には、接触部の損傷を抑制できるので、溶融
樹脂を強化繊維に連続的に含浸させることができるとと
もに、強化繊維の含有量が多くても、繊維の毛羽立ちや
繊維切れを抑制し、均質な長繊維強化熱可塑性樹脂を効
率よく得ることができる。さらに、前記接触部を交換可
能とする場合は、強化繊維のケバが生成したとしても、
迅速かつ簡便に対処でき、繊維強化熱可塑性樹脂の生産
効率が低下するのを抑制できる。
【0068】本発明の方法では、前記含浸ダイを用いる
ので、長時間に亘り連続的に安定に熱可塑性樹脂を強化
繊維に含浸することができ、長繊維強化熱可塑性樹脂を
高い効率で製造できる。また、長繊維強化熱可塑性樹脂
は、繊維の切断及びケバ立ちが抑制されているので、高
い補強性を安定かつ効率よく熱可塑性樹脂に付与でき
る。
【0069】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0070】実施例1 含浸ダイの凸部のうち強化繊維との接触部を含めて、ア
ルミナの溶射被膜を形成した含浸ダイを用いた。ガラス
繊維のロービング(2200TEX)を、円柱状の開繊
ローラに掛け渡して、1つのロービング当り約1.8k
gの張力を作用させ、毎分約4mの速度でガラス繊維ロ
ービングを引き取りながら、前記含浸ダイに導き、26
5℃で溶融したポリプロピレンを含浸させ、賦形ダイを
通過させてストランドとして引取ることにより、ガラス
繊維濃度40重量%、長さ12mmのペレット状複合体
を得た。このような含浸操作を480時間に亘り連続運
転したところ、繊維切れが認められなかった。また、ペ
レットにはケバが認められず表面が平滑であった。
【0071】さらに、前記ペレットを引っ張り試験に供
したところ、平均引張り強度は1300kgf/c
2 、レンジ(最大値と最小値との差)は60kgf/
cm2 であった。
【0072】比較例1 強化繊維との接触部も含めて炭素鋼(S−45C)で形
成した含浸ダイを用い、実施例1と同様にして、ペレッ
ト状複合体を得た。このような操作において、運転開始
から約240時間経過後にケバの発生が認められ、ペレ
ット形状が不均一化した。ケバを除去することなくその
まま含浸操作を継続したところ、1時間以内に含浸ダイ
内にガラス繊維が詰まり、ロービングが切断した。
【0073】また、ケバ発生から30分後に得たペレッ
トを引っ張り試験に供したところ、平均引張り強度は1
130kgf/cm2 、レンジ(最大値と最小値との
差)は230kgf/cm2 であった。なお、含浸ダイ
の凸部を調べたところ、ガラス繊維との接触部に筋状の
傷が生成していた。
【0074】比較例2 比較例1で用いた含浸ダイを掃除し、傷の付いた接触部
を交換することなく、実施例1と同様にしてペレット状
複合体を得た。運転開始から約70時間経過後にケバの
発生が顕著となり、その後1時間以内に含浸ダイ内にガ
ラス繊維が詰まり、ロービングが切断した。
【0075】実施例2 図3に示すように、凸部のうちガラス繊維との接触部を
含む頂部を、炭素鋼(S−45C)製の交換部材で構成
し、蟻溝構造により凸部に交換可能に取付けた炭素鋼
(S−45C)製の含浸ダイを用い、実施例1と同様に
して、ペレット状複合体を得た。このような操作におい
て、運転開始から約200時間経過後に含浸ダイを清掃
し、交換部材を新たな交換部材に交換する操作を3回繰
返したところ、各操作において、繊維切れは認められ
ず、ペレットはケバがなく表面が平滑であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の含浸ダイの一例を示す概略断面
図である。
【図2】図2は図1に示す含浸ダイの凸部を示す概略斜
視図である。
【図3】図3は本発明の含浸ダイにおける他の凸部を示
す概略斜視図である。
【図4】図4は本発明の含浸ダイにおける他の凸部を示
す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…ダイ本体 2…流路 3…繊維束 5…押出し機 6,16,26…凸部 7…セラミックス 8…賦形ダイ 17,27…交換部材 18,28…蟻溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化長繊維に熱可塑性樹脂を含浸させる
    ための含浸ダイであって、含浸ダイが強化繊維との接触
    部を有する凸部を備えており、少なくとも前記接触部が
    非接触部よりも強化繊維に対して耐摩耗性が高い樹脂含
    浸ダイ。
  2. 【請求項2】 強化長繊維に熱可塑性樹脂を含浸させる
    ための含浸ダイであって、含浸ダイが強化繊維との接触
    部を有する凸部を備えており、少なくとも前記接触部が
    交換可能である樹脂含浸ダイ。
  3. 【請求項3】 強化長繊維との接触部を有する凸部を備
    え、熱可塑性樹脂を含浸させるためのダイであって、少
    なくとも前記接触部が耐摩耗性の高い材料で形成され、
    かつ交換可能である樹脂含浸ダイ。
  4. 【請求項4】 少なくとも接触部の表面がセラミックス
    で構成されている請求項1〜3のいずれかの項に記載の
    樹脂含浸ダイ。
  5. 【請求項5】 強化繊維の引取り方向に対して横切る方
    向に形成された凸部と、前記凸部の延出方向に形成さ
    れ、強化繊維と接触可能な接触部と、この接触部を凸部
    に交換可能に取付けるための取付け手段とを備えている
    請求項2又は3記載の含浸ダイ。
  6. 【請求項6】 繊維束が引取り可能な流路を有するダイ
    本体、このダイ本体の流路に溶融した熱可塑性樹脂を供
    給するための溶融押出し手段、繊維束の引取り方向に対
    して横断する方向に延出し、かつ上下流路壁から互い違
    いに突出して繊維束と接触可能な複数の凸部、および繊
    維束に付着した過剰量の溶融樹脂を絞るための絞り手段
    とを備えている含浸ダイであって、前記凸部が下記
    (1)〜(3)のいずれかである樹脂含浸ダイ。 (1)少なくとも繊維束との接触部が、非接触部よりも
    強化繊維に対して高い耐摩耗性を有する凸部、 (2)少なくとも接触部が交換可能な凸部、または (3)少なくとも接触部が耐摩耗性が高く、交換可能な
    凸部。
  7. 【請求項7】 連続した繊維束を引取りながら、含浸ダ
    イの凸部と接触させるとともに、溶融した熱可塑性樹脂
    を含浸させる方法であって、前記繊維束を(1)少なく
    とも繊維束との接触部が、非接触部よりも強化繊維に対
    して高い耐摩耗性を有する凸部、(2)少なくとも接触
    部が交換可能な凸部、または(3)少なくとも接触部が
    耐摩耗性が高く、交換可能な凸部と接触させる長繊維強
    化熱可塑性樹脂の製造方法。
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