JP3492411B2 - 液体封入ブッシュ - Google Patents

液体封入ブッシュ

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JP3492411B2
JP3492411B2 JP2918694A JP2918694A JP3492411B2 JP 3492411 B2 JP3492411 B2 JP 3492411B2 JP 2918694 A JP2918694 A JP 2918694A JP 2918694 A JP2918694 A JP 2918694A JP 3492411 B2 JP3492411 B2 JP 3492411B2
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cylinder
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liquid
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洋一 河本
慶一 金森
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Kurashiki Kako Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエンジンマウ
ント用もしくはサスペンションマウント用などに用いら
れる液体封入ブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の液体封入ブッシュと
して、内筒体と、この内筒体を囲む外筒体と、この外筒
体と内筒体との間であって内筒体の筒軸に沿った長手方
向の範囲に介装されて両者を互いに連結するゴム弾性体
と、このゴム弾性体内の上記内筒体を挟む振動入力方向
両側位置に画成されて非圧縮性の液体が封入された一対
の液室と、この一対の液室を互いに連通する制限通路と
を備えたものが知られている(例えば、特開昭64−4
0734号公報参照)。このものにおいては、内筒体の
筒軸に直交する方向(以下、軸直方向と略称する)に振
動が入力すると、ゴム弾性体が変形して両液室の一方が
拡大され他方が縮小されるため両液室間で制限通路を介
した液体の流動が生じ、上記制限通路を介した液柱共振
により上記入力振動の減衰が図られる。そして、このも
のの製造方法は、上記ゴム弾性体と接合される内筒体の
筒軸方向全領域の外周面に接着剤が塗布され、この状態
の内筒体とともに、ゴム弾性体を一体加硫成形し、この
ゴム弾性体を外筒体の内周面に圧入することにより行わ
れる。従って、内筒体の外周面とゴム弾性体の内周面と
は、上記内筒体の筒軸方向全長にわたって互いに一体加
硫接着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
液体封入ブッシュにおいては、上記軸直方向の振動の他
に、その軸直方向に対して傾きを有する方向であって、
内筒体の筒軸を傾ける方向への振動もしくは衝撃力(以
下、こじり外力という)が入力する場合がある。この場
合、内筒体がその筒軸方向中央点を中心として外筒体に
対して相対回転と復元動作を繰り返すことになる。そし
て、上記内筒体が上記の如き相対回転をすると、ゴム弾
性体の筒軸方向両側端部の一方が軸直方向に圧縮され他
方が軸直方向に引張られてゴム弾性体内に引張り歪みを
生じる。
【0004】しかし、上記ゴム弾性体に引張り歪みを与
えると、それだけ耐久性の低下を招くことになり、こじ
り外力を比較的頻繁に受けるサスペンションマウント用
の液体封入ブッシュにおいて、特に問題となる。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、こじり外力を
受けても、ゴム弾性体内に生じる引張り歪みの発生を可
及的に排除することにより、耐久性の向上を図ることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内筒体と、この内筒体を囲
む外筒体と、この外筒体と内筒体との間であって内筒体
の筒軸に沿った長手方向の範囲に介装されて両者を互い
に連結するゴム弾性体と、このゴム弾性体内の上記内筒
体を挟む振動入力方向両側位置に画成されて非圧縮性の
液体が封入された複数の液室と、この複数の液室を互い
に連通する制限通路とを備えたものを前提とする。この
ものにおいて、上記内筒体の外周面とゴム弾性体の内周
面との接合面の内、上記内筒体の筒軸方向の両側端部側
の各領域が非接着状態で、上記筒軸方向中間領域が互い
に結合された状態で、上記内筒体とゴム弾性体とを互い
に接合する構成とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、筒軸方向中間領域にのみ接着剤が塗布され
た状態の内筒体とともに行うゴム弾性体の一体加硫成形
により、上記内筒体とゴム弾性体とを互いに接合する構
成とするものである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の筒軸方向中間領域に両側端部側各
領域より大径の大径部を形成する構成とするものであ
る。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の筒軸方向中間領域に両側端部側各
領域より小径の小径部を形成する構成とするものであ
る。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、内筒体を、ゴム弾性体に形成された内筒体
配設用中心孔内に互いに異なる側から圧入されて筒軸方
向中間領域の位置で互いに接合された2分割の内筒部材
によって構成する。そして、上記中間領域の内筒体を構
成する上記各内筒部材の先端部側部分を小径に、筒軸方
向両側端部側各領域の内筒体を構成する上記各内筒部材
の基端部側部分を大径にそれぞれ形成する構成とするも
のである。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明と同様に、内筒体と、この内筒体を囲む外筒体と、こ
の外筒体と内筒体との間であって内筒体の筒軸に沿った
長手方向の範囲に介装されて両者を互いに接合するゴム
弾性体と、このゴム弾性体内の上記内筒体を挟む振動入
力方向両側位置に画成されて非圧縮性の液体が封入され
た複数の液室と、この複数の液室を互いに連通する制限
通路とを備えたものを前提とする。そして、このものに
おいて、内筒体配設用の中心孔が形成されたゴム弾性体
のその中心孔内への上記内筒体の圧入により、上記ゴム
弾性体と内筒体とを互いに接合する構成とし、上記内筒
体の筒軸方向中間領域に両側端部側各領域より小径の小
径部を形成し、上記内筒体の筒軸方向両側端部側各領域
と中間領域との境界位置に段差部を形成し、上記両段差
部に挟まれたゴム弾性体内に筒軸方向に延びる抵抗板を
埋め込む構成とするものである。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発
明と同様に、内筒体と、この内筒体を囲む外筒体と、こ
の外筒体と内筒体との間であって内筒体の筒軸に沿った
長手方向の領域に介装されて両者を互いに結合するゴム
弾性体と、このゴム弾性体内の上記内筒体を挟む振動入
力方向両側位置に画成されて非圧縮性の液体が封入され
た複数の液室と、この複数の液室を互いに連通する制限
通路とを備えたものを前提とする。このものにおいて、
上記内筒体の筒軸方向の両側端部側のゴム弾性体に対し
て上記筒軸方向の外方から内嵌されて、上記内筒体と外
筒体との間で上記筒軸を中心とする周方向に拡がるよう
介在した少なくとも一対のスペーサ部材を備える。そし
て、上記各スペーサ部材の上記筒軸を中心とする周方向
に拡がる内外周面の内、少なくとも一方の面を非接着状
態にする構成とするものである。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、各スペーサ部材を、筒軸を中心とする無端
の環状に形成する構成とするものである。
【0014】請求項9記載の発明は、請求項7記載の発
明において、各スペーサ部材を、ゴム弾性体より小さい
ばね定数を有するように形成する構成とするものであ
る。
【0015】請求項10記載の発明は、請求項7記載の
発明において、各スペーサ部材の内側端を、内筒体の筒
軸方向に対して内筒体の筒軸方向中央点位置の近傍まで
延びて配設する構成とするものである。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
内筒体の外周面とゴム弾性体の内周面との接合面の内、
内筒体の筒軸方向両側端部側の各領域が非接着状態とさ
れているため、内筒体に対してこじり外力が作用して
も、従来、ゴム弾性体に引張り歪みを与えていた側の領
域の内筒体の外周面がゴム弾性体の内周面から離れ、こ
じり外力による内筒体の相対変位がゴム弾性体に引張り
力を作用させることはない。
【0017】請求項2記載の発明では、内筒体とゴム弾
性体とが、筒軸方向中間領域にのみ接着剤が塗布された
状態の内筒体とともに行うゴム弾性体の一体加硫成形に
より、互いに接合されているため、上記請求項1記載の
発明による作用が容易にかつ確実に得られる。
【0018】請求項3記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体とゴム弾性体とが
互いに結合される内筒体の筒軸方向中間領域に、両側端
部側各領域より大径の大径部が形成されているため、外
筒体もしくは内筒体の一方に筒軸方向の入力があっても
上記大径部とこの筒軸方向両側のゴム弾性体との間での
移動抵抗により上記筒軸方向入力に対して抵抗する。こ
のため、筒軸方向両側端部側各領域の内筒体外周面とゴ
ム弾性体の内周面とが非接着状態であっても、上記筒軸
方向入力に対して十分な抵抗が図られる。
【0019】請求項4記載の発明では、上記請求項1
載の発明による作用に加えて、内筒体とゴム弾性体とが
互いに結合される内筒体の筒軸方向中間領域に、両側端
部側各領域より小径の小径部が形成されているため、外
筒体もしくは内筒体の一方に筒軸方向の入力があっても
上記小径部内に配設されたゴム弾性体部分と上記小径部
より大径の筒軸方向両側の内筒体との間での移動抵抗に
より上記筒軸方向入力に対して抵抗する。このため、筒
軸方向両側端部側各領域の内筒体外周面とゴム弾性体の
内周面とが非接着状態であっても、上記筒軸方向入力に
対して十分な抵抗が生じる。
【0020】請求項5記載の発明では、上記請求項4
載の発明による作用に加えて、内筒体が、ゴム弾性体に
形成された内筒体配設用中心孔内に互いに異なる側から
圧入されて筒軸方向中間領域の位置で互いに接合された
2分割の内筒部材によって構成されて、小径にされた各
内筒部材の先端部側部分によって内筒体の中間領域の小
径部が形成され、大径にされた各内筒部材の基端部側部
分によって内筒体の筒軸方向両側端部側の各部分が形成
される。このため、請求項4記載の発明による作用が得
られる液体封入ブッシュが容易かつ確実に形成される。
【0021】請求項6記載の発明では、ゴム弾性体と内
筒体とが、ゴム弾性体に形成された内筒体配設用の中心
孔に内筒体を圧入した状態で互いに接合されているた
め、内筒体に対してこじり外力が作用しても、従来、ゴ
ム弾性体に引張り歪みを与えていた側の領域の内筒体の
外周面がゴム弾性体の内周面から離れて、こじり外力に
よる内筒体の相対変位がゴム弾性体に引張り力を作用さ
せることはない。
【0022】また、請求項6記載の発明では、上記請求
項4記載の発明による作用に加えて、内筒体の筒軸方向
両側端部側各領域と中間領域との境界位置に段差部が形
成され、その両段差部に挟まれたゴム弾性体内に筒軸方
向に延びる抵抗板が埋め込まれて、そのゴム弾性体部分
の筒軸方向に対する剛性が強化されているため、筒軸方
向入力に対する抵抗がより確実に得られる。
【0023】請求項7記載の発明では、上記内筒体の筒
軸方向の両側端部側のゴム弾性体における内筒体と外筒
体との間に上記筒軸方向の外方から内嵌されて上記筒軸
を中心とする周方向に拡がるよう少なくとも一対のスペ
ーサ部材が介在され、その各スペーサ部材の上記筒軸を
中心とする周方向に拡がる内外周面の少なくとも一方が
非接着状態にされているため、内筒体に対してこじり外
力が作用しても、従来、ゴム弾性体に引張り歪みを与え
ていた側である筒軸方向端部側のスペーサ部材の上記周
面がゴム弾性体から離れて、こじり外力による内筒体の
相対変位がゴム弾性体に引張り力を作用させることはな
い。
【0024】請求項8記載の発明では、上記請求項7
載の発明による作用に加えて、スペーサ部材が無端の環
状に形成されているため、筒軸を中心とするいずれの放
射方向からこじり外力が作用しても、そのこじり方向に
対応する側のスペーサ部材の面がゴム弾性体と離れて、
そのゴム弾性体に引張り歪みの発生が防止される。
【0025】請求項9記載の発明では、上記請求項7
載の発明による作用に加えて、スペーサ部材がゴム弾性
体より小さいばね定数を有するように形成されているた
め、こじり入力の繰り返しによりゴム弾性体とスペーサ
部材との離反,当接が繰り返されても、ゴム弾性体の損
傷発生のおそれが回避される。
【0026】請求項10記載の発明では、上記請求項7
記載の発明による作用に加えて、ゴム弾性体と非接着状
態とされる各スペーサ部材の内側端が内筒体の筒軸方向
中央点位置の近傍まで上記筒軸方向に延びて配設されて
いるため、こじり入力により内筒体がこじられて回転す
る中心となる上記中央点から各スペーサ部材までの距
離、すなわち、上記こじり入力によりゴム弾性体に引張
り力の作用する領域が上記回転中心から極めて短いもの
とされるため、こじり入力の際にゴム弾性体に作用する
引張り歪みが可及的に小さいものとなる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0028】<第1実施例> 図1および図2は、本発明の第1実施例に係る液体封入
ブッシュを示し、請求項1もしくは請求項2記載の発明
の最も基本的な実施例に係るものである。
【0029】同図において、1は内筒体、2はこの内筒
体1の外周側に所定間隔を隔てて上記内筒体1の筒軸X
と同軸に配置された外筒体、3はこの外筒体2と上記内
筒体1との間に介装されて両者1,2を互いに接合させ
て連結する弾性体、4a,4bは上記内筒体1を挟み上
記筒軸Xに直交する方向である振動入力方向(図1の上
下方向)両側各位置に形成されて非圧縮性の液体Lが封
入された一対の液室、また、5,5はこの一対の液室4
a,4bを互いに連通する一対のオリフィスである。
【0030】上記内筒体1の筒軸X方向中央位置の外周
面には振動入力方向両側に突出するストッパ部材6が一
体的に固定されており、このストッパ部材6の両突出端
は上記外筒体2の内周面から所定間隔を隔てた位置まで
上記各液室4a,4b側に突出されている。そして、こ
のストッパ部材6は上下方向に過度の衝撃力が作用した
場合に上記両突出端が外筒体2の内周面と当ることによ
りそれ以上の内筒体1および外筒体2の相対変位の発生
を阻止するようになっている。
【0031】上記弾性体3は、外周側位置に窓付き補強
筒7を備えており、この補強筒7を外周側位置に埋め込
んだ状態でゴムの加硫成形により形成されている。そし
て、上記弾性体3は、上記補強筒7の外周面に加硫接着
されたゴム層31を介して上記外筒体2内に圧入するこ
とにより外筒体2と一体的に連結されている。上記補強
筒7の上記振動入力方向両側にはそれぞれ窓部7a,7
bが形成されており、この各窓部7aに対応する位置の
弾性体3にはそれぞれ液室用空間としての凹部32が形
成されている。そして、この両凹部32,32と上記外
筒体2の内周面とに画成されて上記両液室4a,4bが
形成され、また、これら両液室4a,4bを結ぶ方向に
直交する方向(図1の左右方向)に上記内筒体1と外筒
体2を連結する弾性体部33,33が形成されている。
【0032】上記一対のオリフィス5,5は、上記両弾
性体部33,33の外周面のゴム層31に形成された凹
溝34,34と外筒体2の内周面とにより画成されたも
のであり、各オリフィス5,5は所定の周波数の振動に
より液柱共振を生じるようにチューニングされている。
【0033】このような構造の液体封入ブッシュにおい
て、上記内筒体1の外周面11とゴム弾性体3の内周面
35との接合面の内、上記内筒体1の筒軸X方向の両側
端部側の各領域(図2にb,bで示す領域)が非接着状
態で、上記筒軸X方向中間領域(同図にaで示す領域)
が互いに接着結合された状態でそれぞれ接合されてい
る。
【0034】つぎに、上記第1実施例の製造方法を説明
するに、このような構成の液体封入ブッシュは、内筒体
1とゴム弾性体3との一体加硫成形工程と、この一体加
硫成形工程の後のゴム弾性体3を外筒体2に圧入する圧
入工程と、各液室4a,4bに液体Lを封入する液体封
入工程とにより製造される。
【0035】上記一体加硫成形工程では、内筒体1に予
めストッパー部材6を固定し、この内筒体1の外周面1
1の内、筒軸X方向両側端部側の各領域bを除き筒軸X
方向中間領域aにのみ接着剤を塗布し、この状態の内筒
体1とともに上記各凹部32および各凹溝34を有する
ゴム弾性体3を一体加硫する。これにより、上記内筒体
1の筒軸X方向の両側端部側の各領域bの外周面11が
ゴム弾性体3の内周面35と非接着状態で、上記筒軸X
方向中間領域aの外周面11が上記内周面35と互いに
接着結合された状態でゴム弾性体3と内筒体1とが互い
に連結されて一体的に形成される。
【0036】そして、上記圧入工程により上記ゴム弾性
体3と外筒体2とが一体化されて、内筒体1と外筒体2
とがゴム弾性体を介して互いに連結される。この圧入工
程を液体Lを満たした液槽中で行うことにより、もしく
は、圧入工程後に各液室4a,4a内に液体Lを注入す
ることにより上記液体封入工程を行い、液体封入ブッシ
ュの組付けが終了する。
【0037】次に、上記構成の第1実施例による作用・
効果ついて説明するに、上記液体封入ブッシュは、その
外筒体2が例えば自動車の車体側に連結され、内筒体1
が例えば自動車のタイヤ側に連結される。そして、上記
内筒体1に図1の上下方向の振動が入力して上記内筒体
1が下方への力を受けた場合、両弾性体部33,33が
撓ませられて上記内筒体1が下側液室4bの側に変位す
る。この変位により上記下側液室4bが縮小される一
方、上側液室4aが膨張されるため、上記下側液室4b
から両オリフィス5,5を通して上側液室4aへの液体
Lの流動が生じる。この流動の結果、上記両オリフィス
5,5のチューニング周波数である所定の周波数域で液
柱共振が生じ、この液柱共振により上記振動の減衰を図
ることができる。
【0038】そして、上記タイヤ側から内筒体1にその
筒軸Xをこじる方向(図2の一点鎖線の筒軸Xを二点鎖
線に回転させる方向)にこじり外力が入力すると、図3
に示すように、内筒体1の中央点を回転中心(以下、こ
じり中心という)cとして内筒体1およびストッパ部材
6が回転し、これに伴い、筒軸X方向両側端部側各領域
bのこじり方向一側(図3の右上側および左下側)のゴ
ム弾性体3が圧縮される。この際、上記各領域bのこじ
り方向他側(同図の右下側および左上側)のゴム弾性体
3の内周面35と内筒体1の外周面11とが非接着状態
にされているため、両者35,11が互いに離れて両者
35,11間に隙間Sが生じる。この結果、こじり外力
が入力しても、ゴム弾性体3に引張り力が作用する領域
を筒軸X方向中間領域aの内、こじり中心を挟む一側の
領域のみに制限することができ、従来、特に大きい引張
り歪みの生じていた筒軸X方向両側端部側各領域bにお
ける引張り歪みの発生をほぼ排除することができる。こ
れにより、こじり外力が特に頻繁に作用するサスペンシ
ョンマウントとして本液体封入ブッシュを用いても、上
記の引張り歪みの発生に起因する耐久性の低下を確実に
防止することができ、その耐久性の向上を図ることがで
きる。
【0039】しかも、このような作用,効果が得られる
液体封入ブッシュを、内筒体1とのゴム弾性体3の一体
加硫成形の際に、その内筒体1の外周面11に接着剤を
塗布する領域を所定の領域aに限定することにより、容
易かつ確実に製造することができる。
【0040】図4には、上記の如き作用,効果の得られ
る液体封入ブッシュを得るための他の製造方法が示され
ている。すなわち、ゴム弾性体3を単体で成形するゴム
弾性体成形工程と、このゴム弾性体3に内筒体を連結す
る内筒体圧入工程と、この内筒体1を連結した状態のゴ
ム弾性体3を外筒体2に連結する前出のゴム弾性体圧入
工程および液体封入工程とを含む各工程により液体封入
ブッシュの製造が行われる。
【0041】上記ゴム弾性体成形工程では、内筒体配設
用の中心孔36、液室用空間32および制限通路用凹溝
34が形成される成形型の内部にストッパ部材6および
補強筒7をインサートしてゴムの加硫成形を行うことに
より、上記のストッパ部材6および補強筒7が埋め込ま
れた状態のゴム弾性体3を形成する。内筒体圧入工程で
は、上記のゴム弾性体3の中心孔36内に例えば潤滑剤
を塗布した内筒体1を圧入することにより内筒体1とゴ
ム弾性体3とを互いに連結する。
【0042】このような各工程により製造された液体封
入ブッシュにおいて、上述のこじり外力が入力して内筒
体1がこじり中心cを中心として回転した場合、筒軸X
方向両側端部側各領域bにおいて、内筒体1の外周面1
1とゴム弾性体3の内周面35とは圧入により圧着して
いるだけで非接着状態となっているため、上記の一体加
硫成形工程による場合と同様に隙間S,S(図3参照)
を生じる。このため、こじり外力の入力に伴う引張り歪
みの発生を可及的に防止することができ、液体封入ブッ
シュの耐久性の向上を図ることができる。
【0043】<第2実施例> 図5および図6は第2実施例に係る液体封入ブッシュを
示し、本第2実施例は請求項3記載の発明に係るもので
ある。同図において、1aは内筒体であって、この内筒
体1aの筒軸X方向中間領域aには両側端部側各領域b
より大径の大径部12が形成されており、この大径部1
2の外周面にストッパ部材6aが固定されている。
【0044】そして、上記大径部12の外周面12aが
ゴム弾性体3aと互いに接着されている一方、上記大径
部12を除く筒軸X方向両側端部側各領域bの外周面1
3が上記ゴム弾性体3の内周面35と非接着状態にされ
ている。
【0045】この液体封入ブッシュは、まず、内筒体1
aに上記大径部12を形成してこの大径部12に上記ス
トッパ部材6aを固定した後、第1実施例で説明した一
体加硫成形工程と同様に上記大径部12の外周面12a
にのみ接着剤の塗布を行った内筒体1aとともにゴム弾
性体3aの一体加硫成形を行い、以後、ゴム弾性体圧入
工程および液体封入工程を第1実施例と同様に行う。こ
れにより、上記中間領域aに形成された大径部12の外
周面12aのみがゴム弾性体3aと互いに接着され、他
の各領域bの外周面13が上記ゴム弾性体3の内周面3
5と非接着状態にされている液体封入ブッシュが得られ
る。
【0046】なお、上記液体封入ブッシュのその他の構
成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0047】そして、上記第2実施例の場合、こじり外
力が入力すると内筒体1aおよびストッパ部材6aが図
6に二点鎖線で示すようにこじり中心cを中心として回
転変位し、これにより、筒軸X方向両側端部側各領域b
のこじり方向一側(図6の右上側および左下側)のゴム
弾性体3aが圧縮される。この際、上記各領域bのこじ
り方向他側(同図の右下側および左上側)のゴム弾性体
3aの内周面35と内筒体1の外周面13とが非接着状
態にされているため、両者35,13が互いに離れて両
者35,13間に隙間Sが生じる。この結果、第1実施
例と同様に、従来、特に大きい引張り歪みの生じていた
筒軸方向両側端部側各領域bにおける引張り歪みの発生
をほぼ排除することができ、これにより、上記の引張り
歪みの発生に起因する耐久性の低下を確実に防止するこ
とができ、その耐久性の向上を図ることができる。
【0048】加えて、本第2実施例の場合、内筒体1a
の筒軸X方向中間領域aに大径部12が形成されている
ため、内筒体1aもしくは外筒体2の側に筒軸X方向に
振動が入力して内筒体1aと外筒体2とが筒軸X方向に
互いに異なる側に相対変位するようゴム弾性体3aが変
形しても、上記大径部12の筒軸X方向両側のゴム弾性
体3aの部分であって上記大径部12と他の筒軸X方向
両側部分との段差量に対応するゴム弾性体部分が上記大
径部12の筒軸X方向への相対移動を食い止めるよう作
用する。このため、上記の大径部12のない第1実施例
のごとき内筒体1と比べ、筒軸X方向の入力振動に対す
る抵抗力を増大させることができ、筒軸X方向両側端部
側各領域bが非接着状態であることに起因する筒軸X方
向に対する内筒体1aとゴム弾性体3aとの接合強度不
足を補うことができる。
【0049】<第3実施例> 図7および図8は第3実施例に係る液体封入ブッシュを
示し、本第3実施例は請求項4もしくは請求項5記載の
発明に係るものである。同図において、1bは内筒体で
あって、この内筒体1bは筒軸X方向中間領域aの中央
位置で互いに先端面が接合された2分割の内筒部材1
4,14により構成されている。
【0050】この両内筒部材14,14の各先端側の所
定範囲にはそれぞれ小径部14aが形成される一方、他
の各基端側には大径部14bが形成されており、各小径
部14aの外周面15aと大径部14bの外周面15b
との境界には段差部15cが形成されている。そして、
この両小径部14a,14aの各外周面15aにより上
記内筒体1bの中間領域aが小径に、上記の両大径部1
4bの各外周面15bにより上記内筒体1bの両側端部
側各領域bが大径にされており、少なくともこの大径の
各端部側領域bを構成する両大径部14b,14bの各
外周面15bがゴム弾性体3bの内周面35bと非接着
状態とされている。
【0051】このような液体封入ブッシュの製造は、図
9に示すように、まず、上記内筒体1bの各外周面15
a〜15cの形状に対応した内筒体配設用の中心孔36
bを有するゴム弾性体3bが単体でゴムの加硫成形によ
り成形され、次に、この中心孔36b内に上記各内筒部
材14が互いに異なる側から圧入して各先端面を互いに
接合する。この際、各小径部14aの外周面15aに接
着剤を塗布せずに上記中心孔36bの内周面35bと圧
着状態にしてゴム弾性体3bと結合させてもよいし、上
記外周面15aに接着剤を塗布してより強固に結合させ
てもよい。そして、このゴム弾性体3bの外筒体2への
圧入工程および液体封入工程を第1実施例と同様にして
行えばよい。
【0052】なお、上記液体封入ブッシュのその他の構
成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0053】そして、上記第3実施例の場合、内筒体1
bの筒軸X方向両側端部側各領域bの外周面15bとゴ
ム弾性体3bの内周面35bとが非接着状態にされてい
るため、第1実施例などと同様に、こじり外力の入力に
より両者15b,35bが互いに離れて上記各領域bに
対応する範囲のゴム弾性体3bにおける引張り歪みの発
生をほぼ排除することができ、引張り歪みの発生に起因
する耐久性の低下を確実に防止することができ、耐久性
の向上を図ることができる。
【0054】また、内筒体1bの筒軸X方向端部側各領
域bが大径に中間領域aが小径にされているため、内筒
体1bもしくは外筒体2の側に筒軸X方向に振動が入力
しても、上記両大径部14b,14bに挟まれたゴム弾
性体部分が内筒体1bの筒軸X方向への相対移動を食い
止めるよう作用する。このため、第1実施例のごとき内
筒体1と比べ、筒軸X方向の入力振動に対する抵抗力を
増大させることができ、筒軸X方向両側端部側各領域b
が非接着状態であることに起因する筒軸X方向に対する
内筒体1bとゴム弾性体3bとの接合強度不足を補うこ
とができる。しかも、この第3実施例の場合、内筒体1
bを構成する一対の内筒部材14,14の各小径部14
aと各大径部14bとの境界に段差部15cが形成され
て、上記の弾性体部分がこれら両段差部15c,15c
により挟まれているため、上記の筒軸X方向入力振動に
対する抵抗力をより増大させることができる。
【0055】図10は、上記の第3実施例の他の態様を
示し、請求項6記載の発明に係る実施例に相当するもの
である。同図において、21は上記両段差部15c,1
5cの間のゴム弾性体部分に埋め込まれた抵抗板として
の抵抗筒部材であり、この抵抗部材21が上記第3実施
例のものに付加されている。
【0056】この抵抗筒部材21は、内筒体1bの両小
径部14a,14aを囲み上記両段差部15c,15c
に挟まれるようよう筒軸Xと同軸に配置されており、ス
トッパ部材6bの内周面に固定された状態で上記ゴム弾
性体3bの加硫成形時に予め埋め込まれている。
【0057】この図10の構成の場合、上記両段差部1
5c,15c間のゴム弾性体部分の筒軸X方向に対する
剛性が上記抵抗筒部材21によって強化されるため、上
記の第3実施例において説明した内筒体1bとゴム弾性
体3bとの間での筒軸X方向への相対移動を阻止する抵
抗力をより一層増大させることができ、筒軸X方向入力
振動に対する抵抗力のより一層の増大を図ることができ
る。
【0058】なお、この図10の構成の場合、抵抗板と
して上記抵抗筒部材21のごとく筒状にしなくても、板
片を周方向に所定間隔で配置したもので上記抵抗板を構
成してもよく、また、上記ストッパ部材6bを省略して
抵抗筒部材21を単独でゴム弾性体3b中に埋め込むよ
うにしてもよい。
【0059】<第4実施例> 図11は第4実施例に係る液体封入ブッシュを示し、
求項7請求項10に記載の発明に係る実施例に相当す
るものである。同図において、37,37は内筒体1の
筒軸X方向両側端部側各領域bの外周面11の周囲を囲
み筒軸X方向両側方に開口するようゴム弾性体3cに形
成された環状の凹部であり、22,22はこの凹部37
にそれぞれ内嵌された無端環状のスペーサ部材である。
【0060】上記各スペーサ部材22は、上記ゴム弾性
体3cより小さいばね定数を有するように上記ゴム弾性
体3cと同様の材料によって形成されており、少なくと
もその外周面22aが上記凹部37と非接着状態にされ
ている。また、内筒体1の筒軸X方向中間領域aの外周
面11はゴム弾性体3cの内周面35cと接着された状
態で結合されている。
【0061】このような液体封入ブッシュの製造は、内
筒体1の筒軸X方向中間領域aの外周面11に接着剤を
塗布し、この状態の内筒体1とともにゴム弾性体3cの
一体加硫成形を行う。この際、適当なインサート材を成
形型内に配設することにより、上記ゴム弾性体3cの筒
軸X方向両側位置にそれぞれ上記凹部37を形成してお
く。そして、上記一体加硫成形後の内筒体1に筒軸X方
向外側からスペーサ部材22をそれぞれ外嵌して上記各
凹部37に内嵌させる。この際、このスペーサ部材22
に対して上記内筒体1を圧入するようにして内筒体1の
外周面11とスペーサ部材の内周面22bとを互いに圧
着させる一方、上記スペーサ部材22の外周面22aへ
の接着剤の塗布を行うことなく各凹部37に内嵌させる
ことによりその外周面22aと凹部37の内周面とを非
接着状態にする。この後、一対のスペーサ部材22を配
設した上記のゴム弾性体3cの外筒体への圧入工程と、
液体封入工程とを行う。
【0062】なお、上記液体封入ブッシュのその他の構
成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0063】そして、上記第4実施例の場合、内筒体1
の筒軸X方向両側端部側各領域bの外周面11と対応す
る各位置に配設されたスペーサ部材22の外周面22a
が凹部37の内周面37a、つまりゴム弾性体3cの内
周面と非接着状態にされているため、こじり外力の入力
により、図12に示すように、両者22a,37aが互
いに離れ両者22a,37a間に隙間Sが形成され、上
記各領域bに対応する範囲のゴム弾性体3cにおける引
張り歪みの発生をほぼ排除することができる。これによ
り、第1実施例などと同様に、引張り歪みの発生に起因
する耐久性の低下を確実に防止することができ、耐久性
の向上を図ることができる。
【0064】この場合、上記各スペーサ部材22の筒軸
X方向内側端の位置をこじり中心cの側に近付ける程、
こじり外力の入力の際の上記中間領域aにおけるゴム弾
性体3cに作用する引張り歪みが小さくなる。従って、
ゴム弾性体3cに作用する引張り歪みを可及的に小さく
する上で、上記各スペーサ部材22の内側端位置をこじ
り中心c側に近付けるように位置付ければよい。
【0065】また、上記スペーサ部材22は無端の環状
に形成されているため、こじり外力が筒軸Xに対してい
ずれの方向から入力しても、その方向に対応する引張り
側位置に上記の隙間Sが形成され、上記の引張り歪みの
発生の防止を図ることができる。
【0066】さらに、上記スペーサ部材22のばね定数
がゴム弾性体3cのそれよりも小さくなるように設定さ
れて、そのスペーサ部材22がゴム弾性体3cよりも軟
らかいものになっているため、こじり外力が繰り返し入
力してスペーサ部材22の外周面22aと凹部37の内
周面37aとが離反,当接を繰り返しても、ゴム弾性体
3c側の内周面37aが損傷するおそれはなく、上記ス
ペーサ部材22をゴム弾性体3cに対して相対的に硬く
形成した場合に生じるおそれのあるゴム弾性体3c自体
の損傷の発生を防止することができる。
【0067】なお、上記のスペーサ部材22を無端の環
状に形成しているが、これに限らず、例えば内筒体11
を所定方向から挟む両位置にのみ配設されるような形状
にしてもよい。この場合、その所定方向に入力するこじ
り外力に対して引張り歪みの軽減、排除を図ることがで
きる。
【0068】図13〜図15は上記の第4実施例の他の
態様例をそれぞれ示している。
【0069】図13のものでは、環状のスペーサ部材2
3を内筒体1と外筒体2との間の主要部を占める程度の
比較的厚肉のものにするとともに、このスペーサ部材2
3が配設される凹部38を弾性体3d中に形成してい
る。
【0070】図14のものでは、ゴム弾性体3eの凹部
39内に配設する環状のスペーサ部材24の内周側位置
に補強筒25を埋め込み、これにより、スペーサ部材2
4のばね定数をゴム弾性体3eのそれより小さく維持し
つつ内筒体1の外周面11との圧着による結合度合いを
より高めるようにしている。
【0071】図15のものでは、ゴム弾性体3fの筒軸
X方向両側端部のそれぞれに2つの環状の凹部40,4
1を筒軸Xについて同軸に形成し、各端部の両凹部4
0,41に環状のスペーサ部材26,27を個別に配設
している。
【0072】なお、本発明は上記第1〜第4実施例など
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における液体封入ブッシュによれば、内筒体の外周面
とゴム弾性体の内周面との接合面の内、内筒体の筒軸方
向両側端部側の各領域を非接着状態としているため、内
筒体に対してこじり外力が作用しても、従来、ゴム弾性
体に引張り歪みを与えていた側の領域の内筒体の外周面
がゴム弾性体の内周面から離れ、ゴム弾性体に引張り力
を作用させることを防止することができ、従来、特に大
きい引張り歪みの生じていた筒軸方向両側端部側のゴム
弾性体部分における引張り歪みの発生をほぼ排除するこ
とができる。これにより、こじり外力が特に頻繁に作用
するサスペンションマウントなどとして本液体封入ブッ
シュを用いても、上記の引張り歪みの発生に起因する耐
久性の低下を確実に防止することができ、その耐久性の
向上を図ることができる。
【0074】請求項2記載の発明によれば、筒軸方向中
間領域にのみ接着剤が塗布された状態の内筒体とともに
行うゴム弾性体の一体加硫成形により、内筒体とゴム弾
性体とを互いに接合しているため、上記請求項1記載の
発明による効果を容易にかつ確実に得ることができる。
【0075】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体とゴム弾性体
とが互いに結合される内筒体の筒軸方向中間領域に、両
側端部側各領域より大径の大径部を形成しているため、
外筒体もしくは内筒体の一方に筒軸方向の入力があって
も上記大径部とこの筒軸方向両側のゴム弾性体との間で
の移動抵抗により上記筒軸方向入力に対して抵抗するこ
とができ、筒軸方向両側端部側各領域の内筒体外周面と
ゴム弾性体の内周面とが非接着状態であっても、上記筒
軸方向入力に対しての十分な抵抗力の発揮を図ることが
できる。
【0076】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
記載の発明による効果に加えて、内筒体とゴム弾性体
とが互いに結合される内筒体の筒軸方向中間領域に、両
側端部側各領域より小径の小径部を形成しているため、
外筒体もしくは内筒体の一方に筒軸方向の入力があって
も、上記小径部内に配設されたゴム弾性体部分と内筒体
との間での移動抵抗により、筒軸方向両側端部側各領域
の内筒体外周面とゴム弾性体の内周面とが非接着状態で
あっても、上記筒軸方向入力に対しての十分な抵抗力を
発揮させることができる。
【0077】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
記載の発明による効果に加えて、内筒体を、ゴム弾性
体に形成された内筒体配設用中心孔内に互いに異なる側
から圧入されて筒軸方向中間領域の位置で互いに接合さ
れた2分割の内筒部材によって構成し、小径にした各内
筒部材の先端部側部分によって内筒体の中間領域の小径
部を形成する一方、大径にした各内筒部材の基端部側部
分によって内筒体の筒軸方向両側端部側の各部分を形成
しているため、請求項4記載の発明による効果を得る液
体封入ブッシュを容易かつ確実に形成することができ
る。
【0078】請求項6記載の発明によれば、ゴム弾性体
に形成された内筒体配設用の中心孔への内筒体の圧入に
よってゴム弾性体と内筒体とを互いに接合しているた
め、内筒体に対してこじり方向にこじり入力が作用して
も、従来、ゴム弾性体に引張り歪みを与えていた側の領
域の内筒体の外周面がゴム弾性体の内周面から離れ、こ
じり入力による内筒体の相対変位がゴム弾性体に引張り
力を作用させることを防止することができ、請求項1記
載の発明と同様に、従来、特に大きい引張り歪みの生じ
ていた筒軸方向両側端部側のゴム弾性体部分における引
張り歪みの発生をほぼ排除することができる。これによ
り、こじり外力が特に頻繁に作用するサスペンションマ
ウントなどとして本液体封入ブッシュを用いても、上記
の引張り歪みの発生に起因する耐久性の低下を確実に防
止することができ、その耐久性の向上を図ることができ
る。
【0079】また、請求項6記載の発明によれば、上記
請求項4記載の発明による効果に加えて、内筒体の筒軸
方向両側端部側各領域と中間領域との境界位置に段差部
を形成し、その両段差部に挟まれたゴム弾性体内に筒軸
方向に延びる抵抗板を埋め込んでいるため、上記両段差
部と抵抗板とにより内筒体のゴム弾性体に対する筒軸方
向への相対移動抵抗を発揮させることができ、筒軸方向
入力に対する抵抗力をより確実に得ることができる。
【0080】請求項7記載の発明によれば、上記内筒体
の筒軸方向の両側端部側のゴム弾性体における内筒体と
外筒体との間に上記筒軸方向の外方から内嵌されて上記
筒軸を中心とする周方向に拡がる少なくとも一対のスペ
ーサ部材を介在させ、その各スペーサ部材の上記筒軸を
中心とする周方向に拡がる内外周面の少なくとも一方を
非接着状態にしているため、内筒体に対してこじり方向
にこじり入力が作用しても、従来、ゴム弾性体に引張り
歪みを与えていた側である筒軸方向端部側のスペーサ部
材の上記周面がゴム弾性体から離れ、こじり入力による
内筒体の相対変位がゴム弾性体に引張り力を作用させる
ことを防止することができ、請求項1記載の発明と同様
に、従来、特に大きい引張り歪みの生じていた筒軸方向
両側端部側のゴム弾性体部分における引張り歪みの発生
をほぼ排除することができる。これにより、こじり外力
が特に頻繁に作用するサスペンションマウントなどとし
て本液体封入ブッシュを用いても、上記の引張り歪みの
発生に起因する耐久性の低下を確実に防止することがで
き、その耐久性の向上を図ることができる。
【0081】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
記載の発明による効果に加えて、スペーサ部材を無端
の環状に形成しているため、筒軸を中心とするいずれの
放射方向からのこじり入力があっても、そのこじり方向
に対応する側のスペーサ部材の面がゴム弾性体と離れ、
そのゴム弾性体中に引張り歪みの発生を確実に防止する
ことができる。
【0082】請求項9記載の発明によれば、上記請求項
記載の発明による効果に加えて、スペーサ部材をゴム
弾性体より小さいばね定数を有するように形成している
ため、こじり入力の繰り返しによりゴム弾性体とスペー
サ部材との離反,当接が繰り返されても、ゴム弾性体の
損傷発生のおそれを回避することができ、より一層の耐
久性の向上を図ることができる。
【0083】請求項10記載の発明によれば、上記請求
項7記載の発明による効果に加えて、各スペーサ部材を
その内側端が内筒体の筒軸方向中央点位置の近傍まで上
記筒軸方向に延びるよう配設しているため、こじり入力
により内筒体がこじられて回転する中心となる上記中央
点から各スペーサ部材までの距離、すなわち、上記こじ
り入力によりゴム弾性体に引張り力の作用する領域を上
記回転中心から極めて短いものにすることができ、こじ
り入力の際にゴム弾性体に作用する引張り歪みを可及的
に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す横断面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のB−B線におけるこじり外力の入力時の
断面図である。
【図4】他の製造方法を説明する図2相当図である。
【図5】第2実施例を示す横断面図である。
【図6】図5のC−C線における断面図である。
【図7】第3実施例を示す横断面図である。
【図8】図7のD−D線における断面図である。
【図9】製造方法を説明する分解断面図である。
【図10】第3実施例の他の態様を示す図8相当図であ
る。
【図11】第4実施例を示す図2相当図である。
【図12】第4実施例のこじり外力の入力時を示す図3
相当図である。
【図13】第4実施例の他の態様を示す図11相当図で
ある。
【図14】第4実施例の図13とは異なる他の態様を示
す図11相当図である。
【図15】第4実施例の図13および図14とは異なる
他の態様を示す図11相当図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 内筒体 2 外筒体 3,3a〜3f ゴム弾性体 4a,4b 液室 5 オリフィス(制限通
路) 11,13,15a,15b 内筒体の外周面 12 大径部 14a 小径部(先端部側部
分) 14b 大径部(基端部側部
分) 15c 段差部 21 抵抗筒部材(抵抗板) 22〜24,26,27 スペーサ部材 22a スペーサ部材の外周面
(周方向に拡がる面) 35,35a,35b,35c ゴム弾性体の内周面 36,36b 中心孔 37〜41 凹部 L 液体 X 筒軸 a 筒軸方向中間領域 b 筒軸方向両側端部側領
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/00 - 13/30

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒体と、この内筒体を囲む外筒体と、
    この外筒体と内筒体との間であって内筒体の筒軸に沿っ
    た長手方向の範囲に介装されて両者を互いに連結するゴ
    ム弾性体と、このゴム弾性体内の上記内筒体を挟む振動
    入力方向両側位置に画成されて非圧縮性の液体が封入さ
    れた複数の液室と、この複数の液室を互いに連通する制
    限通路とを備えた液体封入ブッシュにおいて、 上記内筒体の外周面とゴム弾性体の内周面との接合面の
    内、上記内筒体の筒軸方向の両側端部側の各領域が非接
    着状態で、上記筒軸方向中間領域が互いに結合された状
    態で、上記内筒体とゴム弾性体とが互いに接合されてい
    ることを特徴とする液体封入ブッシュ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 筒軸方向中間領域にのみ接着剤が塗布された状態の内筒
    体とともに行うゴム弾性体の一体加硫成形により、上記
    内筒体とゴム弾性体とが互いに接合されている液体封入
    ブッシュ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 内筒体の筒軸方向中間領域に両側端部側各領域より大径
    の大径部が形成されている液体封入式ブッシュ。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 内筒体の筒軸方向中間領域に両側端部側各領域より小径
    の小径部が形成されている液体封入式ブッシュ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 内筒体が、ゴム弾性体に形成された内筒体配設用中心孔
    内に互いに異なる側から圧入されて筒軸方向中間領域の
    位置で互いに接合された2分割の内筒部材によって構成
    されており、 上記中間領域の内筒体を構成する上記各内筒部材の先端
    部側部分が小径に、筒軸方向両側端部側各領域の内筒体
    を構成する上記各内筒部材の基端部側部分が大径にそれ
    ぞれ形成されている液体封入ブッシュ。
  6. 【請求項6】 内筒体と、この内筒体を囲む外筒体と、
    この外筒体と内筒体との間であって内筒体の筒軸に沿っ
    た長手方向の範囲に介装されて両者を互いに接合するゴ
    ム弾性体と、このゴム弾性体内の上記内筒体を挟む振動
    入力方向両側位置に画成されて非圧縮性の液体が封入さ
    れた複数の液室と、この複数の液室を互いに連通する制
    限通路とを備えた液体封入ブッシュにおいて、 内筒体配設用の中心孔が形成されたゴム弾性体のその中
    心孔内への上記内筒体の圧入により、上記ゴム弾性体と
    内筒体とが互いに接合され、上記内筒体の筒軸方向中間領域に両側端部側各領域より
    小径の小径部が形成され、 上記内筒体の筒軸方向両側端部側各領域と中間領域との
    境界位置に段差部が形成されており、 上記両段差部に挟まれたゴム弾性体内に筒軸方向に延び
    る抵抗板が埋め込まれている ことを特徴とする液体封入
    ブッシュ。
  7. 【請求項7】 内筒体と、この内筒体を囲む外筒体と、
    この外筒体と内筒体との間であって内筒体の筒軸に沿っ
    た長手方向の領域に介装されて両者を互いに結合するゴ
    ム弾性体と、このゴム弾性体内の上記内筒体を挟む振動
    入力方向両側位置に画成されて非圧縮性の液体が封入さ
    れた複数の液室と、この複数の液室を互いに連通する制
    限通路とを備えた液体封入ブッシュにおいて、 上記内筒体の筒軸方向の両側端部側のゴム弾性体に対し
    て上記筒軸方向の外方から内嵌されて、上記内筒体と外
    筒体との間で上記筒軸を中心とする周方向に拡がるよう
    介在された少なくとも一対のスペーサ部材を備えてお
    り、 上記各スペーサ部材の上記筒軸を中心とする周方向に拡
    がる内外周面の内、少なくとも一方の面が非接着状態に
    されている液体封入ブッシュ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 各スペーサ部材が、筒軸を中心とする無端の環状に形成
    されている液体封入ブッシュ。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 各スペーサ部材が、ゴム弾性体より小さいばね定数を有
    するように形成されている液体封入ブッシュ。
  10. 【請求項10】 請求項7において、 各スペーサ部材は、内筒体の筒軸方向に対して内側端が
    内筒体の筒軸方向中央点位置の近傍まで延びて配設され
    ている液体封入ブッシュ。
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