JP3490598B2 - 自動車のシートベルト付シート装置 - Google Patents

自動車のシートベルト付シート装置

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JP3490598B2 JP24944497A JP24944497A JP3490598B2 JP 3490598 B2 JP3490598 B2 JP 3490598B2 JP 24944497 A JP24944497 A JP 24944497A JP 24944497 A JP24944497 A JP 24944497A JP 3490598 B2 JP3490598 B2 JP 3490598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルトのシ
ートベルトバックルがシートの側部に設けられた自動車
のシートベルト付シート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記自動車のシートベルト付シート装置
には、従来、実開平5‐35517号公報で示されたも
のがある。
【0003】これによれば、車室に車幅方向で互いに近
接する左右一対のシートが設けられ、これら各シートが
車室フロアに支持されている。
【0004】上記シートに着座した着座者を上記シート
上に拘束可能とするシートベルトが設けられている。こ
のシートベルトは、一端部が車体に連結され他端部側が
シートの着座面側を通って上記両シートの各シートクッ
ションの間に向って延びるシートベルト本体と、上記車
室フロア側から突出して上記各シートクッションの間に
位置するシートベルトバックルとを備えている。そし
て、上記シートベルト本体の他端部が上記シートベルト
バックルの突出端部に係脱自在とされ、これによる係止
で、上記シートに着座した着座者の前面に上記シートベ
ルト本体の中途部が当接して、前記したように着座者が
シート上に拘束可能とされている。
【0005】また、上記構成において、従来、次のよう
に構成されたものがある。
【0006】即ち、車室フロアの下方にエンジンユニッ
トが配設されると共に、上記両シートのうち、一方のシ
ートの下側における上記車室フロアの部分に、車室側か
ら上記エンジンユニット側に連通する点検口が形成され
ている。上記一方のシートのシートクッションが上下に
回動自在となるよう上記車室フロアに枢支させられ、上
記シートクッションの回動で、上記点検口が開閉自在と
されている。
【0007】そして、上記シートクッションを上方に回
動させて点検口を開ければ、この点検口を通し、車室側
から上記エンジンユニットの保守、点検作業ができるこ
ととされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術において、点検口を開けようとして、上記シートク
ッションを上方に回動させるとき、上記両シートの間は
狭いため、これら両シートの各シートクッションの間に
位置するシートベルトアンカの突出端部に、上方に回動
する上記シートクッションが当接して、その円滑な回動
が阻害されるおそれがあり、つまり、エンジンユニット
に対する保守、点検作業が煩雑になるおそれがある。
【0009】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、互いに近接した左右両シートの各シート
クッションの間にシートベルトアンカが位置する場合で
も、一方のシートのシートクッションの上方への回動が
円滑にできるようにし、これにより、点検口を通しての
エンジンユニットに対する保守、点検作業が容易にでき
るようにすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の自動車のシートベルト付シート装置は、次の
如くである。なお、この項において各用語に付記した符
号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形
態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0011】請求項1の発明は、車室8の車室フロア5
上に車幅方向で互いに接近する左右一対のシート11,
12を設け、上記車室フロア5の下方にエンジンユニッ
ト20を配設すると共に、上記両シート11,12のう
ち、一方のシート11の下側における上記車室フロア5
の部分に、車室8側から上記エンジンユニット20側に
連通する点検口21を形成し、上記一方のシート11の
シートクッション15を上下に回動自在となるよう上記
車室フロア5に枢支させ、上記車室フロア5側から突出
して上記両シート11,12の各シートクッション15
の間の空間18に位置するシートベルトバックル30を
設けた自動車のシートベルト付シート装置において、
【0012】上記両シート11,12の各シートクッシ
ョン15,15のうち、上記シートベルトバックル30
と車幅方向で対向する他方のシート12のシートクッシ
ョン15の側面にのみ切り欠き32を形成したものであ
る。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記シートベルトバックル30を上記他方のシート
12側に折り曲げた状態で、その突出端部を係脱自在に
係止させる係止部36を上記他方のシート12に設けた
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0015】図中符号1は、キャブオーバ型自動車の車
体で、矢印Frはこの自動車の前方を示し、下記する左
右とは、上記前方に向っての車幅方向をいうものとす
る。
【0016】上記車体1は、その前部が運転台2とさ
れ、後部が荷台3とされている。上記運転台2におい
て、上記車体1は板金製の車室フロア5と、この車室フ
ロア5の後部に立設される後部壁6と、この後部壁6の
上部に設けられるリヤウィンド7とを有し、上記車室フ
ロア5の上側、かつ、上記後部壁6とリヤウィンド7の
前側の空間が運転室である車室8とされている。
【0017】上記車室8にシート装置10が設けられて
いる。このシート装置10は、上記車室8に設けられる
左右一対のシート11,12を有し、これら各シート1
1,12はそれぞれ上記車室フロア5に支持されてい
る。上記両シート11,12のうち、一方のシートであ
る右側のシート11が運転の乗員が着座可能な運転シー
トとされ、他方のシートである左側のシート12が助手
の乗員が着座可能な助手シートとされている。
【0018】上記各シート11,12は、上記車室フロ
ア5に支持されるほぼ水平姿勢のシートクッション15
と、このシートクッション15の後端部側から上方に向
って突出する起立姿勢のシートバック16と、上記シー
トクッション15の後端部に上記シートバック16を前
後に回動自在に枢支させるヒンジ17とを備えている。
上記ヒンジ17は、上記シートバック16を所望の回動
姿勢で、上記シートクッション15に係脱自在に係止さ
せてその姿勢に保持させる係止手段を備えている。
【0019】上記の場合、左右シート11,12は車幅
方向で互いに接近して配設されており、このため、各シ
ートクッション15,15の間の空間18は車幅方向で
狭いものとなっている。
【0020】上記した運転シート11の前側にはハンド
ル19が設けられ、このシート11に着座した乗員が上
記ハンドル19を把持して操向操作が可能とされてい
る。
【0021】上記車室フロア5の下方近傍、かつ、上記
運転シート11の下方には、自動車の走行駆動用のエン
ジンユニット20が配設され、このエンジンユニット2
0も上記車体1に支持されている。上記シート11のシ
ートクッション15の下側における上記車室フロア5の
部分に、上記車室8側から上記エンジンユニット20側
に連通する点検口21が形成されている。
【0022】上記運転シート11のシートクッション1
5の後端部はヒンジ24により上記車室フロア5に枢支
され、上記ヒンジ24を中心として、上記シートクッシ
ョン15の前部側が上下に回動自在とされている。この
シートクッション15の回動で、上記点検口21が開閉
自在とされている。
【0023】各図中実線で示すように、上記ヒンジ24
を中心として、上記シート11のシートクッション15
を下方に回動させて上記車室フロア5上に載置させる
と、上記シートクッション15により点検口21が閉じ
られるようになっている。この場合、上記シートクッシ
ョン15の回動端を上記車室フロア5に係脱自在に係止
させる不図示の係止具が設けられ、この係止具による係
止と、上記ヒンジ17とによって、上記シート11が上
記車室フロア5上に固定される。上記点検口21の開口
縁を構成している上記車室フロア5の部分と、上記シー
トクッション15の下面との間にシールを兼ねた緩衝体
25が介設され、この緩衝体25により、上記シート1
1にがたつきの生じることが防止されている。
【0024】上記係止手段と、係止具の各係止を解除し
て、各図中二点鎖線で示すように、上記運転シート11
のシートクッション15を上方に回動させ、更に、この
シートクッション15が起立姿勢となるまでこのシート
クッション15を十分に回動させると、上記点検口21
が開かれて、この点検口21を通し、車室8側から上記
エンジンユニット20の保守、点検作業ができることと
されている。
【0025】上記各シート11,12に着座した着座者
を上記各シート11,12上にそれぞれ拘束可能とする
シートベルト28が設けられている。これら各シートベ
ルト28はシートベルト本体29を有し、このシートベ
ルト本体29の一端部は上記各シート11,12の車幅
方向における外側方の車体1に連結され、他端部側は上
記各シート11,12の着座面側を通って上記両シート
11,12の各シートクッション15,15の間の空間
18に向って延びている。また、上記各シートベルト2
8は上記車室フロア5側から突出して上記各シートクッ
ション15,15の間の上記空間18に位置するシート
ベルトバックル30を有している。これら両シートベル
トバックル30,30は左右に互いに近接して並設さ
れ、その各突出端部側は車幅方向で弾性的に多少折れ曲
がり可能とされている。
【0026】上記各シートベルト本体29の他端部は上
記シートベルトバックル30の突出端部に係脱自在とさ
れ、これによる係止で、上記各シート11,12に着座
した着座者の前面に上記シートベルト本体29の中途部
が当接して、前記したように、着座者がシート11,1
2上に拘束可能とされている。
【0027】上記両シートベルトバックル30,30と
車幅方向で対向する助手シート12のシートクッション
15の後端部の側面に切り欠き32が形成されている。
また、シート12のシートバック16の下端部の側面に
も他の切り欠き33が形成され、これら両切り欠き3
2,33は互いに連続させられて一つの大きい切り欠き
とされている。そして、上記切り欠き32、もしくは両
切り欠き32,33に、助手シート12側の上記シート
ベルトバックル30の突出端部がその車幅方向で弾性的
に曲がることにより、嵌脱可能とされている。
【0028】上記構成において、点検口21を開けよう
として、各図中二点鎖線で示すように上記運転シート1
1のシートクッション15を上方に回動させるとき、上
記両シート11,12の間の空間18は狭いため、この
空間18に位置する上記運転シート11側のシートベル
トバックル30の突出端部に、上記した上方に回動する
シートクッション15が当接する可能性がある。そし
て、この当接が生じた場合、この当接により連鎖的に押
された上記助手シート12側のシートベルトバックル3
0が弾性的に曲げられてその突出端部が上記助手シート
12の切り欠き32,33に入り込み、このため、この
シートベルトバックル30によって、上記シートクッシ
ョン15の円滑な回動が阻害されるということは防止さ
れる。
【0029】よって、上記点検口21を開けようとする
運転シート11のシートクッション15の上方への回動
が上記両シートベルトバックル30,30に邪魔されず
に円滑にできる分、上記点検口21を通しての車室8側
からのエンジンユニット20に対する保守、点検作業が
容易にできることとなる。
【0030】また、上記他の切り欠き33の底面には、
上記少なくともいずれか一つのシートベルトバックル3
0を上記助手シート12側に弾性的に折り曲げた状態
で、その突出端部を係脱自在に係止させるフック状の係
止部36が取り付けられている。また、上記シート12
のシートバック16の下端面には、上記したと同じよう
にシートベルトバックル30の突出端部を係脱自在に係
止させる切り欠き状の他の係止部37が形成されてい
る。
【0031】前記したように、点検口21を開けようと
して、運転シート11のシートクッション15を上方に
回動させるとき、上記シートベルトバックル30の突出
端部を上記係止部36,37のいずれかに係止させれ
ば、上記シートクッション15の円滑な回動が上記シー
トベルトバックル30によって阻害されるということ
は、より確実に防止され、その分、上記エンジンユニッ
ト20に対する保守、点検作業が更に容易となる。
【0032】なお、以上は図示の例によるが、自動車は
ワンボックスカーであってもよい。また、シートベルト
バックル30はシートクッション15の後端部の側面か
ら突出させてもよい。更に、上記係止部36,37はい
ずれか一方だけを設けてもよく、上記係止部36を環状
として、この係止部36にシートベルトバックル30の
突出端部を嵌脱自在に嵌入させて係止させるようにして
もよい。
【0033】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0034】請求項1の発明は、車室の車室フロア上に
車幅方向で互いに接近する左右一対のシートを設け、上
記車室フロアの下方にエンジンユニットを配設すると共
に、上記両シートのうち、一方のシートの下側における
上記車室フロアの部分に、車室側から上記エンジンユニ
ット側に連通する点検口を形成し、上記一方のシートの
シートクッションを上下に回動自在となるよう上記車室
フロアに枢支させ、上記車室フロア側から突出して上記
両シートの各シートクッションの間の空間に位置するシ
ートベルトバックルを設けた自動車のシートベルト付シ
ート装置において、
【0035】上記両シートの各シートクッションのう
ち、上記シートベルトバックルと車幅方向で対向する他
方のシートのシートクッションの側面にのみ切り欠きを
形成してある。
【0036】このため、上記点検口を開けようとして、
上記一方のシートのシートクッションを上方に回動させ
るとき、上記両シートの間の空間は狭いため、この空間
に位置するシートベルトバックルの突出端部に、上記し
た上方に回動するシートクッションが当接する可能性が
あるが、この場合、この当接により押された上記シート
ベルトバックルは曲げられるなどして、その突出端部が
上記他のシートの切り欠きに入り込み、このため、この
シートベルトバックルによって、上記シートクッション
の円滑な回動が阻害されるということは防止される。
【0037】よって、上記点検口を開けようとするシー
トクッションの上方への回動が上記シートベルトバック
ルに邪魔されずに円滑にできる分、上記点検口を通して
の車室側からのエンジンユニットに対する保守、点検作
業が容易にできることとなる。
【0038】請求項2の発明は、上記シートベルトバッ
クルを上記他方のシート側に折り曲げた状態で、その突
出端部を係脱自在に係止させる係止部を上記他方のシー
トに設けている。
【0039】このため、上記点検口を開けようとして、
上記一方のシートのシートクッションを上方に回動させ
るとき、上記シートベルトバックルの突出端部を上記係
止部に係止させれば、上記シートクッションの円滑な回
動が上記シートベルトバックルによって阻害されるとい
うことは、より確実に防止され、その分、上記エンジン
ユニットに対する保守、点検作業が更に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート装置の斜視図である。
【図2】シート装置の側面図である。
【符号の説明】
1 車体 5 車室フロア 8 車室 10 シート装置 11,12 シート 15 シートクッション 16 シートバック 18 空間 20 エンジンユニット 21 点検口 28 シートベルト 29 シートベルト本体 30 シートベルトバックル 32 切り欠き36 係止部 37 他の係止部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室の車室フロア上に車幅方向で互いに
    接近する左右一対のシートを設け、上記車室フロアの下
    方にエンジンユニットを配設すると共に、上記両シート
    のうち、一方のシートの下側における上記車室フロアの
    部分に、車室側から上記エンジンユニット側に連通する
    点検口を形成し、上記一方のシートのシートクッション
    を上下に回動自在となるよう上記車室フロアに枢支さ
    せ、上記車室フロア側から突出して上記両シートの各シ
    ートクッションの間の空間に位置するシートベルトバッ
    クルを設けた自動車のシートベルト付シート装置におい
    て、 上記両シートの各シートクッションのうち、上記シート
    ベルトバックルと車幅方向で対向する他方のシートのシ
    ートクッションの側面にのみ切り欠きを形成した自動車
    のシートベルト付シート装置。
  2. 【請求項2】 上記シートベルトバックルを上記他方の
    シート側に折り曲げた状態で、その突出端部を係脱自在
    に係止させる係止部を上記他方のシートに設けた請求項
    1に記載の自動車のシートベルト付シート装置。
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