JP3490535B2 - 溶射装置の溶射バーナ、ランスの挿入方法 - Google Patents

溶射装置の溶射バーナ、ランスの挿入方法

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JP3490535B2 JP08797095A JP8797095A JP3490535B2 JP 3490535 B2 JP3490535 B2 JP 3490535B2 JP 08797095 A JP08797095 A JP 08797095A JP 8797095 A JP8797095 A JP 8797095A JP 3490535 B2 JP3490535 B2 JP 3490535B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属容器の内張耐
火物の補修に使用される溶射装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の溶射装置は、酸化物、カーボ
ン、炭化物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化
物、金属等の粉末材料を単体或は混合して火炎とともに
バーナから噴射するものであるが、このような溶射装置
を用いて窯炉内張耐火物の損傷部を効果的に補修する。 【0003】かゝる窯炉には、溶銑や溶鋼を溶製或は搬
送する混銑車、転炉、取鍋、脱ガス炉等がある。前記窯
炉の一部には溶銑や溶鋼の装入、搬出、原料の装入等、
操業に必要な開口部が設けられている。しかし、このよ
うな窯炉開口部は狭隘で、かつ該開口部の内周には操業
において一般にスラグ、地金等が付着しており、開口部
の開口面積を更に狭いものとしている。また、前記付着
物の付着状態は一般に不均一で、開口部内周の輪郭は複
雑な形状となっている。一方、窯炉内張耐火物の損傷部
の補修に際しては、例えば混銑車の受銑口、転炉出孔
口、脱ガス炉の浸漬管等の窯炉開口部を通じて溶射バー
ナ、ランスを窯炉内に挿入し、溶射バーナが損傷部に対
して向き合うように適正位置に移動させた後、溶射補修
を行なっている。 【0004】溶射バーナ、ランスの外形寸法は溶射能力
に律速されるが、操業を阻害しないよう短時間に溶射補
修を完了するためには溶射能力を増大する必要があり、
溶射バーナ、ランスの外径寸法は大きくなる傾向とな
る。このような状況から溶射バーナ、ランスのコンパク
ト化が要求されるが、機械的に小さくする事には限界が
あり、付着物の付着した状況をこれまでの測定、外観観
察結果から想定して、窯炉開口部の内周形状を決定し
て、それに見合った溶射能力、即ち、溶射バーナ、ラン
スの最大外形寸法を決定している。 【0005】しかし、前記付着物の付着厚さ、付着位置
等が操業条件、窯炉開口部の損傷状態等により当初の想
定と異なる場合、溶射バーナ、ランスの挿入に際して窯
炉開口部の内周に付着するスラグ、地金等と干渉して窯
炉内への挿入が困難となり、その結果、溶射補修作業の
できない状況となる。溶射バーナ、ランスの挿入可否の
判断は、オペレーターの目視観察に基づいて行なわれる
が、目視観察によると窯炉開口部の内周に溶射バーナ、
ランスが近接した状態でなければ干渉の有無の判断は困
難である。そのため、オペレーターは窯炉開口部の内周
を目視観察した状態で溶射バーナ、ランスを挿入して、
干渉を確認しながら徐々に溶射バーナ、ランスを挿入し
ていき、干渉すると判断される場合はランス駆動装置を
作動させて溶射バーナ、ランス位置を変更して干渉を回
避する。しかし、オペレーターが目視観察するための視
界を確保する上で、窯炉開口部に対向して設置している
ランス駆動装置或は窯炉付帯設備等が障害となり、ま
た、窯炉開口部からの輻射熱或は高温かつ重量物の落下
等の危険がある。さらに、このような労力と危険性を伴
う目視観察には多大な時間を要するため所定時間内での
効果的な溶射補修ができない場合が生じる。 【0006】例えば、特公平06−048137号公報
記載の発明では、RH脱ガス炉下部槽の溶射補修に際し
て、溶射バーナ、ランスを狭隘な浸漬管を通じて下部槽
内に挿入でき、かつ、下部槽の内張耐火物を効果的に溶
射補修できるコンパクトな溶射バーナ、ランスについて
記載されている。しかし、浸漬管内周面にはスラグ、地
金等が不均一に付着して、浸漬管の開口面積を狭くする
と共に内周形状は複雑なものとなり、溶射バーナ、ラン
スをコンパクトなものにしても挿入に際しての付着物と
の干渉問題は解決せず、オペレーターは干渉状況を目視
観察より把握しつつ、溶射バーナ、ランスを干渉しない
姿勢となるようにランス駆動装置を適宜作動させて挿入
し、また、溶射補修完了後の下部槽からの脱出において
も挿入時と逆の手順でオペレーターの目視観察に基づい
て行なわざるを得ない。このように付着物の量、付着位
置等の付着状況により溶射バーナ、ランスの挿入作業は
異なり、また、煩雑な作業となるため、作業時間も長く
なることから、決められた時間内に効果的な溶射補修を
完了する事に対して大きな障害となっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、スラグ、地
金等が不均一に付着して、窯炉開口部の開口面積が狭
く、また開口内周形状が複雑となっている窯炉開口部を
通じて、溶射バーナ、ランスを窯炉内に挿入する機能を
現状の溶射バーナ、ランスの構造を変更することなく実
現でき、溶射バーナ、ランスをオペレーターの目視観察
に頼らず短時間に溶射補修位置まで挿入する方法を提供
することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべく提供されたもので、その要旨とするところは、
(1)可燃性ガスと支燃性ガスをプレミックスして噴射
する火炎孔と粉体材料を噴射する粉体孔を溶射バーナと
ランス及びランス駆動装置から構成される溶射装置を狭
隘な窯炉開口部を通じて窯炉内に挿入する方法であっ
て、窯炉開口部の内周輪郭の形状を測定し、測定結果に
基づいて溶射バーナ、ランスの窯炉内への挿入可否を判
定し、障害箇所に対して可燃性ガス及び支燃性ガスを噴
射して溶射バーナに火炎を形成し、該火炎により窯炉開
口部内周の付着物を除去した後に、窯炉開口部と干渉し
ないように溶射バーナ、ランスを挿入する溶射装置の溶
射バーナ、ランスの挿入方法である。 【0009】 【作用】本発明の一実施例でる装置の図面に従って本発
明を詳細に説明する。図1は、溶射装置の概略正面図を
示す。図2は、センサー駆動部の概略図を示す。また、
図3は、溶射バーナ、ランスと付着物の関係の概略図を
示す。図1には、RH脱ガス炉の下部槽8内にこの下部
槽の開口部、即ち浸漬管6を通じて溶射装置を挿入し、
この下部槽8を溶射補修する場合を例に示している。溶
射装置は、溶射バーナ1、ランス2、このランス2を任
意の位置に移動させるためランス2を把持するとともに
ランス2をランス軸12を中心に連続して回転させる回
転駆動装置31と溶射バーナ1、ランス2をランス軸1
2方向に上昇、下降させる昇降駆動装置32を有する駆
動装置3、挿入制御装置4及びこれらを搭載する溶射台
車5とから構成される。回転駆動装置31、昇降駆動装
置32の昇降駆動部分32−1は、溶射台車5上に設け
られた架台33に支持されている。 【0010】溶射バーナに供給される可燃性ガス、支燃
性ガス、冷却水等のユーティリティは、ガス制御装置
(図示せず)で所定の供給圧力、流量に制御され、ユー
ティリティ配管(図示せず)、ランス2を通じて溶射バ
ーナ1に供給される。さらに、溶射バーナ1から搬送ガ
スと共に噴射される粉体材料は、給粉機(図示せず)で
所定量切り出され、圧力、流量を調整した搬送ガスでユ
ーティリティ配管(図示せず)、ランス2を通じて溶射
バーナ1に供給される。 【0011】溶射補修しない場合、溶射台車5はRH設
備の操業に支障のない位置に待機させておいて、溶射時
にRH設備の下方まで、例えば軌条(図示せず)上を自
走して移動し、溶射バーナ1、ランス2を挿入するRH
の浸漬管6、即ち窯炉開口部の中心線CL1 と溶射バー
ナ1、ランス2の最大外周の中心線CL2 が一致する位
置で停止する駆動機構(図示せず)を有するものであ
る。 【0012】なお、溶射台車5の浸漬管6下方の停止
は、RH設備が常に定位置にある場合、例えば溶射台車
5にリミットスイッチ(図示せず)を設置し、軌条(図
示せず)にリミットスイッチ(図示せず)のストライカ
ー(図示せず)を設けて電気的な信号に基づいて停止さ
せる事も可能である。また、浸漬管6の取付状況によっ
て浸漬管6の中心線CL1 が鉛直方向とならない場合、
駆動装置3を溶射台車5の進行方向に前後、左右或は傾
動駆動できるように溶射台車5上に駆動機構(図示せ
ず)を介して設置しておけば、浸漬管6の中心線CL1
と溶射バーナ1、ランス2の最大外周の中心線CL2
一致するようにすることも可能である。 【0013】本発明においては、このような溶射装置に
浸漬管6、即ち窯炉開口部の内周輪郭L1 を測定するセ
ンサー7が図2に示すように、架台33の上端で、駆動
装置3によって上昇・下降或はランス軸12を中心に回
転する溶射バーナ1、ランス2の駆動に際して干渉しな
い位置に、ランス軸12を中心とした円周上に浸漬管6
に対向するよう設置されている。センサー7は、ランス
軸12を中心とした同心円状に、かつ、径方向に水平に
複数個配列してセンサーケース71に固定して設置さ
れ、ランス軸12を中心に駆動装置3の架台33上端に
円周上に設けたケースレール73上を、センサー駆動装
置72によりランス軸12を中心に任意の速度で周回す
るように設けられている。 【0014】センサー7は、超音波、赤外線等を用いた
距離センサー、光電管或はテレビカメラ等の一つ或は二
つ以上を組み合わせて設置しても良い。前記センサー7
の設置位置は、溶射バーナ1、ランス2を作動させる駆
動装置3上、窯炉付帯設備上或は専用の架台上等特に限
定するものではなく、センサー7からの信号を処理して
窯炉開口部の内周輪郭L1 が明確にできれば分割して設
置しても良い。このセンサー7の設置数は、把握すべき
浸漬管6の内周全体の輪郭の範囲及び浸漬管6内周の輪
郭L1 を再現するに必要な精度によって決定される。実
施例では、測定の必要な範囲を適当数に分割して、その
分割した範囲に所定数のセンサー7を固定し、回転等の
駆動によって測定必要範囲の全体が測定できるようにし
ているが、各センサー7の配置を測定の必要な範囲全体
に所定数のセンサー7を固定して設置しても良い。ま
た、センサー7を分割配置して回転等の駆動によって測
定を行なうようにすることにより設置するセンサー7の
数を減少することも可能となる。 【0015】測定されたデータは信号として送信され、
挿入制御装置4で座標データに変換され浸漬管6の内周
輪郭L1 (図3参照)を曲線として認識する。溶射バー
ナ1、ランス2の外周輪郭L2 は形状が変化しない事か
ら挿入制御装置4に予め曲線として入力しておき、駆動
装置3で溶射バーナ1、ランス2を駆動させた場合の溶
射バーナ1、ランス2の移動量の信号を挿入制御装置4
に伝達して座標データに変換することで溶射バーナ1、
ランス2の駆動による外周輪郭の座標上の変化を補正で
きるようにしている。 【0016】センサー7からの信号或は溶射バーナ1、
ランス2の外周輪郭L2 を曲線として処理したのは、後
述するように両者を輪郭曲線として捉える事によって干
渉する部分と干渉しない部分の範囲、面積或は空間を同
時に知ることができるので干渉を回避するための溶射バ
ーナ1、ランス2の移動量を把握して回避の運動を効率
的に行う点で好ましいためである。 【0017】挿入制御装置4への溶射バーナ1、ランス
2の外周輪郭L2 の信号は、その都度キーボード等によ
って入力して設定しても良いが、溶射バーナ1、ランス
2の外周輪郭L2 が挿入毎に変化することはなく、ま
た、溶射バーナ1、ランス2の駆動装置3の据え付け精
度、駆動系の寸法公差或は駆動装置3の溶射台車5への
据え付け精度及び停止精度等は予め定量的に把握できる
ので、一度上記の外周輪郭L2 信号を挿入制御装置4に
設定しておけば、溶射バーナ1、ランス2を回転駆動装
置31によって回転させた場合にも、溶射バーナ1、ラ
ンス2の外周輪郭L2 は挿入制御装置4内でシュミレー
トする事で輪郭形状を正確に把握することも可能であ
る。 【0018】なお、溶射バーナ1、ランス2の外周輪郭
2 と窯炉開口部、浸漬管6の内周輪郭L1 とは挿入制
御装置4内では同一座標軸に表示されるよう信号入力、
或は信号処理を選択する事は言うまでもない。挿入制御
装置4の設置位置は、センサー7からの信号の伝達に支
障がなければ特に限定するものでなく溶射台車5上或は
それ以外の適切な場所で良い。信号の伝達方法も、有
線、無線の一つ或はそれらを組み合わせても良い。 【0019】窯炉開口部の内周と溶射バーナ1、ランス
2の外周との干渉は、浸漬管6の内周輪郭L1 の曲線と
溶射バーナ1、ランス2の外周輪郭L2 の曲線とを比較
することで判定する。図4は、挿入制御装置4での制御
方法をブロック図で示したものである。上記のように浸
漬管6の内周輪郭L1 の曲線と溶射バーナ1、ランス2
の外周輪郭L2 の両曲線が交差した場合、挿入制御装置
4は干渉すると判定し、挿入制御装置4は溶射バーナ
1、ランス2を回転させるシュミレーションを行ない、
両曲線が交差しない位置の回転方向と回転量を求める。
次いで、挿入制御装置4は上記のようにして求めた回転
方向と回転量を信号として回転駆動装置31に伝達し、
回転駆動装置31で所定の駆動を行なわせる。これによ
って溶射バーナ1、ランス2を浸漬管6の内周に付着し
ているスラグ、地金等の付着物10と干渉しない位置に
移動させる。移動完了後、挿入制御装置4からの信号で
昇降駆動装置32を上昇駆動させて溶射バーナ1、ラン
ス2を下部槽8内に浸漬管6を通じて挿入する事が可能
となる。この時、溶射バーナ1、ランス2の回転駆動
中、或は上昇駆動中も、浸漬管6の内周輪郭L1 を測定
するようにしておけば連続した干渉の判定が可能とな
る。なお、両曲線が交差しない、即ち干渉しないと判定
された場合は、回転駆動をせずに昇降駆動装置32で上
昇駆動させて、溶射バーナ1、ランス2を下部槽8内に
浸漬管6を通じて挿入させる。 【0020】以下に本発明の装置を用いてRHの下部槽
8の損傷部9を溶射補修する例を説明する。溶射台車5
は待機位置から浸漬管6の直下に、浸漬管6の中心線C
1と溶射バーナ1、ランス2の最大外周の中心線CL
2 が一致するように軌条(図示せず)上を自走して移
動、停止する。溶射台車5が設置されるとセンサーケー
ス71がセンサー駆動装置72によりケースレール73
上を周回駆動して、浸漬管6の内周輪郭L1 を測定す
る。 【0021】測定されたデータは、挿入制御装置4で座
標データに変換され浸漬管6の内周輪郭L1 を曲線とし
て認識し、予めキーボード等により挿入制御装置4に入
力した溶射バーナ1、ランス2の外周輪郭L2 の曲線と
比較する。両曲線の比較に於て、両曲線が交差しない場
合、挿入制御装置4は昇降駆動装置32へ信号を伝達
し、溶射バーナ1、ランス2を下部槽8内に浸漬管6を
通じて挿入させる。 【0022】両曲線の比較に於て、両曲線が交差する場
合、挿入制御装置4は干渉すると判定するとともに、溶
射バーナ1、ランス2を回転するシュミレーションを行
ない、両曲線が交差しない、即ち干渉しない位置への回
転方向と回転量を求める。求めた回転方向と回転量は挿
入制御装置4によって回転駆動装置31に信号伝達され
て、干渉を回避するよう溶射バーナ1、ランス2を回転
駆動させ、次いで昇降駆動装置32への信号伝達して、
溶射バーナ1、ランス2を下部槽8内に浸漬管6を通じ
て挿入させる。 【0023】ところで、浸漬管6の内周輪郭L1 を測定
し、挿入制御装置4で干渉すると判定され、前述のシュ
ミレーションによっても干渉が避けられない場合、挿入
制御装置4はガス制御装置(図示せず)へ信号を伝達
し、可燃性ガスと支燃性ガスの供給を開始し、溶射バー
ナ1に火炎を形成し、火炎を窯炉開口部の内周面に付着
したスラグ、地金に照射して付着物を溶融除去する。火
炎の照射は、浸漬管6の溶射バーナ1、ランス2挿入の
入り口部から開始し、付着物の溶融除去が完了すると回
転駆動装置31により溶射バーナ1、ランス2を回転駆
動して火炎の照射部位を変更して付着物を溶融除去す
る。このように溶融除去とともに順次火炎の照射部位を
変更することで付着物を円周状に溶融除去し、その後、
昇降駆動装置32により溶射バーナ1、ランス2を上昇
駆動して火炎の照射部位を変更し、前述のように付着物
を円周状に溶融除去する。溶射バーナ1、ランス2の回
転駆動、上昇駆動による火炎の照射部位変更を繰り返す
ことで、浸漬管6の内周に付着した付着物を全域にわた
り全量溶融除去できる。この場合、溶射バーナ1、ラン
ス2を連続して回転駆動させて付着物を円周状に溶融除
去しても良い。また、挿入制御装置4における前述のシ
ュミレーションにおいて干渉範囲が最小となる範囲のみ
を溶融除去することで溶融除去時間の短縮も可能であ
る。なお、付着物への火炎照射に際しては、溶射バーナ
1の溶射面を除去すべき付着物に対向させねばならない
が、溶射バーナ1、ランス2の外周輪郭線L2 と同様に
予め溶射バーナ1の溶射面の位置を座標入力して設定し
ておけば良く、溶射バーナ1、ランス2の移動に追従し
て座標位置を変更することで制御可能である。また、溶
射バーナ1からの火炎噴射方向は干渉物を除去するた
め、概ね斜め上方に向くように溶射バーナ1を取付ける
ことが好ましい。 【0024】このように付着物10に対して所定時間火
炎を照射した後、浸漬管6の内周輪郭L1 を測定し、挿
入制御装置4で干渉の判定を行なう。必要に応じて照射
と干渉判定を繰り返す事により溶射バーナ1、ランス2
と窯炉開口部との干渉をなくし、これらを浸漬管6を通
じて下部槽8に挿入する事ができる。RHの浸漬管6に
付着する付着物10の溶融温度は概ね1600℃から1
700℃程度で、可燃性ガスにプロパン、支燃性ガスに
酸素を使用した場合の火炎温度は概ね2300℃である
ことから溶融除去は容易である。しかし、除去作業を迅
速に行なう必要がある場合、或は付着物の性状によって
さらに高温度の火炎が必要な場合は適宜可燃性ガス、支
燃性ガスを選定して使用すれば良い。 【0025】除去に際しては可燃性ガス、支燃性ガスを
変更する場合、ガス制御装置(図示せず)を別に設ける
か、組み込むようにすれば良い。また、溶射補修時に使
用する可燃性ガスと支燃性ガスを変更できない場合、或
は除去の必要な付着物量が大量で、かつ短時間に除去作
業を完了する事が必要な場合には、火炎温度で着火し、
発熱反応により高温度の得られるように選定した鉄、ア
ルミニュウム、マグネシュウム等の金属粉末、混合粉末
の助燃用粉体材料を溶射バーナの粉体孔(図示せず)か
ら火炎と共に噴射して除去を促進しても良い。この助燃
用粉体材料を使用する場合、給粉機(図示せず)を別に
設けるか、或は一つのホッパーを除去に用いる助燃用粉
体材料部と溶射補修時に用いる補修用粉体材料部の二つ
に区分し、必要に応じてホッパーを切り換えて使用すれ
ば良い。 【0026】また、溶射バーナから上記助燃用粉体材料
を噴射する粉体孔は、溶射補修用粉体材料の粉体孔と同
一とし、供給する粉体材料を切り換えて用いても良い
し、補修用粉体材料の粉体孔の他に助燃用粉体材料の粉
体孔を設けても良い。粉体孔の孔数についても特に限定
するものではない。また、助燃用粉体材料を火炎内で効
率良く反応させるために助燃用粉体材料の搬送ガスと異
なるガス体、例えば酸素、空気等を噴射する場合は、粉
体孔と別に噴射孔を設けても良い。さらに、除去に使用
する粉体材料として、前記の助燃用粉体材料の他に付着
物と反応して付着物の溶融温度を下げる材料、例えば蛍
石(CaF2 )、石灰石(CaO)を溶融促進材料と
し、混合或は単独で用いても良い。 【0027】付着物の除去に際して使用する溶射バーナ
は、窯炉内損傷部を溶射補修するものと共用としても良
いが、除去用に別に溶射バーナを設けても良い。この場
合、該溶射バーナの駆動系についても挿入制御装置4と
駆動装置3の信号伝達が相互に行なえるようにして同様
に共用或は専用としても差し支えない。本発明では、溶
射台車5のRH設備への移動から溶射バーナ1、ランス
2の浸漬管6を通じて下部槽8内への挿入、溶射バーナ
1、ランス2の浸漬管6からの脱出、溶射台車5の待機
位置への移動の一連の操作を自動的に行なうことで溶射
補修時間の短縮及びオペレーターの労力の軽減が図れる
が、測定結果をディスプレー上に表示して、それに基づ
いてオペレーターが判断して挿入作業を行なっても良
い。また、挿入制御装置4、駆動装置3、ガス制御盤
(図示せず)及び給粉機(図示せず)間の信号の伝達
は、無線、有線のいずれか一つ或はそれらを組み合わせ
て使用しても良い。 【0028】また付着物は浸漬管の内周のほか、外周或
は下端にも付着していることもあり、特に下端に付着し
ている場合、溶射台車の待機位置からRH設備への移動
に際して溶射バーナと干渉して、これを浸漬管の直下に
移動、設置する事が困難となる場合があるが、他のセン
サーを溶射台車の進行方向で、該付着物に対向した位置
の例えば駆動装置3の架台33側面等に設置して、該付
着物の浸漬管下端からの垂れ下がり範囲をセンサーで測
定し、予め挿入制御装置に設定している溶射バーナの位
置高さ及び外形輪郭と比較して干渉の判定と干渉範囲を
把握できる。干渉する場合は、前述の浸漬管内周の付着
物を除去したと同様にして除去することが可能である。 【0029】本発明は、上記で説明したRHの内張耐火
物の補修の他、高炉出銑口、転炉出鋼口、転炉・溶鋼鍋
・タンディッシュの羽口等、狭隘でかつ付着物等で内周
輪郭が複雑となる開口部を通じて溶射バーナ、ランスを
挿入して溶射補修する場合に適用できる。 【0030】 【実施例】図1に示した本発明の溶射装置を用いてRH
下部槽8の損傷部9の溶射補修に当たって、溶射台車5
をRH設備直下に移動して設置した。浸漬管6の内径は
450mm、溶射バーナ1、ランス2の最大外径は350
mmであった。溶射バーナ1、ランス2の外周輪郭は予め
挿入制御装置4に入力しておき、浸漬管6の内周輪郭を
レーザー方式のセンサー7をランス軸12を中心とした
同心円上に、径方向に水平に4個配列してセンサーケー
ス71に固定して設置し、センサー駆動装置72により
ケースレール73上を60rpm 速度で周回させた。溶射
台車5を設置した時点で測定した結果、干渉すると判定
され、挿入制御装置4により干渉を回避すべく溶射バー
ナ1、ランス2を回転した場合をシュミレーションした
が、干渉を回避できないと判定した。次いで、干渉を回
避するために必要な付着物除去範囲をシュミレーション
により決定すると共に、これに必要な溶射バーナ1、ラ
ンス2の回転方向、回転量及び上昇量を求め、それに従
って回転駆動装置31、昇降駆動装置32を駆動させ、
溶射バーナ1を除去すべき位置に移動させた。次にガス
制御装置(図示せず)に可燃性ガスとしてプロパン、支
燃性ガスとして酸素を溶射バーナ1に供給開始する信号
を送り、浸漬管6内の輻射熱により溶射バーナ1に着火
し、干渉する付着物10を照射して溶融除去した。所定
の溶融、溶流除去の終わった時点でセンサー7で浸漬管
6の内周輪郭の形状を測定した結果、干渉しないと判定
され、溶射バーナ1、ランス2を昇降駆動装置32を上
昇して浸漬管6を通じて下部槽8内に挿入し、溶射バー
ナ1の姿勢を補修時の状態11にして損傷部9の溶射補
修を開始した。所定の溶射補修を完了して、溶射バーナ
1、ランス2を浸漬管6から脱出する場合は、挿入制御
装置4に挿入時の溶射バーナ1、ランス2の移動経緯を
記憶させておいたので、それに従って溶射バーナ1、ラ
ンス2を回転駆動装置31、昇降駆動装置32により移
動して脱出した。 【0031】表1に本発明の溶射装置を使用して溶射補
修した場合の溶射作業への影響を従来法と比較して示
す。また、溶射条件を表1の下方に示す。従来法の条件
3では、溶射バーナ、ランスの挿入に際して、オペレー
ターが目視観察により干渉を判断し、溶射バーナ、ラン
スを徐々に挿入していたため、目視観察するオペレータ
ーと溶射バーナ、ランスを操作するオペレーターの2名
作業が不可欠であり、干渉を確認しながらの作業となる
ため挿入に多大の時間を要していた。従来法の条件3で
は、付着物の付着状態から溶射バーナ、ランスの回転駆
動だけで干渉を回避できず、挿入作業だけで溶射補修時
間の所定時間に達するため、操業を阻害しないように中
断する事となった。本発明の条件1では、干渉の状態を
定量的に把握すると共に、必要な回避駆動を装置が判
断、実施するため、損傷部を溶射補修するに必要な1名
のオペレーターを配置するだけでよく、挿入までの一連
の作業は自動的に行なえるため作業時間は操業を阻害し
ない短時間で行なえる。本発明の条件2では、溶射バー
ナ、ランスの駆動だけで回避できなかったが、溶射バー
ナの火炎により干渉する付着物を溶融、溶流除去した。
溶融、溶流除去に時間を要したが干渉を回避するに必要
な範囲だけの除去であったので操業を阻害しない時間内
で溶射補修を完了する事ができた。 【0032】 【表1】 【0033】燃焼ガス量:プロパン/酸素=40/20
0(Nm3 /hr) 材料供給量:200kg/hr 溶射補修時間(操業を阻害しない時間):50分 評価:溶射補修時間内での補修完了、◎;非常に良好、
○;良好、×;悪い 【0034】 【発明の効果】本発明により、スラグ、地金等が付着し
て、窯炉開口部の開口面積を小さくすると共に開口内周
面に不均一に付着することで、開口内周形状が複雑とな
っている窯炉開口部を通じて、溶射バーナ、ランスを窯
炉内に挿入する機能を現状の溶射バーナ、ランスを変更
する事なく実現できる。また、オペレーターの目視観察
に頼らず短時間に、かつ、確実に溶射バーナ、ランスの
挿入が可能となる事から、溶射作業の中断等、操業に影
響を及ぼす事なく効率的な溶射作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の溶射装置の作業状態を示す概略正面図
で、(a)は溶射装置を溶射補修待機位置に位置せしめ
た状態を示し、(b)は窯炉開口部の直下に位置せしめ
た状態を示し、(c)は溶射バーナ、ランスを窯炉開口
部に挿入した状態を示す。 【図2】本発明のセンサー駆動部を示す概略図で、
(a)は平面図、(b)は(a)図A−A線断面図であ
る。 【図3】溶射バーナ、ランスと浸漬管内周付着物との関
係を示す概略平面図である。 【図4】本発明の制御方法を示すブロック図である。 【符号の説明】 1…溶射バーナ 2…ランス 3…駆動装置 31…回転駆動装置 32…昇降駆動装置 33…架台 4…挿入制御装置 5…溶射台車 6…浸漬管 7…センサー 71…センサーケース 72…センサー駆動装置 73…ケースレール 8…下部槽 9…損傷部 10…付着物 11…補修時の状態 12…ランス軸 13…火炎 CL1 …浸漬管6の中心線 CL2 …溶射バーナ1、ランス2の最大外周の中心線 L1 …浸漬管6の内周輪郭 L2 …溶射バーナ1、ランス2の外周輪郭

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 可燃性ガスと支燃性ガスをプレミックス
    して噴射する火炎孔と粉体材料を噴射する粉体孔をバー
    ナ面に配置した溶射バーナとランス及びランス駆動装置
    から構成される溶射装置を狭隘な窯炉開口部を通じて窯
    炉内に挿入する方法であって、窯炉開口部の内周輪郭の
    形状を測定し、測定結果に基づいて溶射バーナ、ランス
    の窯炉内への挿入可否を判定し、障害箇所に対して可燃
    性ガス及び支燃性ガスを噴射して溶射バーナに火炎を形
    成し、該火炎により窯炉開口部内周の付着物を除去した
    後に、窯炉開口部と干渉しないように溶射バーナ、ラン
    スを挿入することを特徴とする溶射装置の溶射バーナ、
    ランスの挿入方法。
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