JP3490331B2 - 高周波焼入装置およびこれに用いられる焼入制御方法 - Google Patents
高周波焼入装置およびこれに用いられる焼入制御方法Info
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Description
クとする高周波焼入装置およびこれに用いられる焼入制
御方法に関する。
S B1191,1192によると、C0、C1、C
3、C5の4等級からなる精密ボールネジと、C7、C
10の2等級からなる一般用ボールネジとの2つに分け
られる。
誤差としては累積実リード誤差・累積代表リード誤差・
変動の3項目について規定されている。前記変動につい
ては、例えば、ネジ軸のネジ部有効長さの間に任意にと
った300mmに対応する累積実リードの最大幅が規定
されており、C0、C1、C3、C5のそれぞれの許容
値は、3.5μm、5μm、8μm、18μmとなって
いる。
効長さの間に任意にとった300mmのネジ溝間の合計
リードに対するリード誤差だけが規定されている。C
7、C10の累積リード誤差の許容値はC7で50μ
m、C10で210μmとなっている。
と、ネジ部を転造または切削加工する一般用ボールネジ
相当品と、ネジ部を精密ネジ研削加工(切削・研磨加
工)する精密ボールネジ相当品とに分けられる。更に、
加工方法によって分類すると、切削加工による切削ネジ
と、転造加工による転造ネジとに分けられる。なお、一
般的に、一般用ボールネジは比較的ロットが大きい場合
等には転造によって製造され、多品種少量のロットの場
合には切削によって製造されている。
造段階の途中で、ネジ部に焼入を施している。
従来の高周波焼入装置900としては、図3に示される
ように、焼入機構910と、この焼入機構910をワー
クWに沿って移動させる移動機構930と、ワークWを
回動させると共にワークWの伸びを検出する回動・伸び
検出機構950と、これらを制御する図示しない制御部
とを備えている。
加熱コイル体911と、この高周波加熱コイル体911
の電源回路であるカレントトランス912および高周波
発振器913と、焼入用の冷却液を噴射する冷却ジャケ
ット914とを有している。焼入機構910は、移動機
構930の後述するボールネジ931に移動可能に取り
付けられている。
されたボールネジ931と、これを回動させるモータ9
32とを有している。
回動させるためにワークWの一端側を保持するチャック
951と、このチャック951を回動させるモータ95
2と、チャック951と対をなしてワークWの他端の中
心を押さえ且つワークWの伸びを検出する測長ユニット
953とを有している。
置900においては、次のようにしてワークWに焼入を
施していた。まず、事前準備として、焼入する本番用の
ワークWと同様のワークを1本準備し、これに対して、
焼入仕様を満足する標準条件で焼入を施して、ひな型
(テンプレート)となるデータを作成する。ここでの標
準条件は、例えば、高周波加熱コイル体911に与える
電力が150kW、焼入機構910を移動させる送り速
度vが10mm/sec(一定)である。これらの条件
は前記制御部に設定されて、前記ワークに焼入が施され
る。なお、このひな型用のワークであれ、後述の本番用
のワークWであれ、焼入(移動焼入)前には、普通、停
止加熱がおこなわれる(図5参照)。
にて、前記ワークの全長が何mm伸びたかを、ワークが
完全に冷えてから測定する。この測定値により、伸び率
を計算する。例えば、前記ワークの全長が1mで、焼入
後に1mm伸びたとすると、前記ワークの伸び率は1パ
ーミル(per mill)となる。この伸び率が基準
の伸び率となり、前記制御部に設定される。
予め、全長で1mm短めに補正して作る。
ークWに対して焼入を施す。なお、この際、ワークWが
切削ネジである場合には、図4(A)および図4(C)
に示されるように、焼入深さxが所定の深さ(例えばx
=3.2mm)なら伸びは零であるが、焼入深さxが所
定の深さよりも深くなるにつれ伸び、逆に焼入深さxが
所定の深さよりも浅くなるにつれ縮むという傾向があ
る。
ニット953による伸びの測定値とを利用して、移動焼
入期間中に前記制御部は次のようなフィードバック制御
をかけてワークWに対する焼入を自動制御している。
加熱コイル体911に与える電力が150kW、焼入機
構910を移動させる送り速度vが10mm/secで
ある。この基本条件でワークWに対する焼入を開始した
後、一定のスパン(時間間隔)で測長ユニット953に
てワークWの伸びを測定することによって、制御部がワ
ークWの伸び率を計算する。
伸び率(1パーミル)とを比較し、未達の場合は、送り
速度vを遅くし、超えた場合は送り速度vを早くし、限
りなく前記基準の伸び率に近くなるようにフィードバッ
ク制御する。なお、送り速度vを遅くすると、ワークW
の加熱量(単位面積当たりの加熱量)が大となり、これ
によって焼入深さが深くなり、図4(A)の傾向を示す
ワークWが伸び(場合によっては縮み量が減り)、伸び
率が大となる。一方、送り速度vを早くすると、ワーク
Wの加熱量が少となり、これによって焼入深さが浅くな
り、図4(A)の傾向を示すワークWが伸びる量が減り
(場合によっては縮み)、伸び率が小となる。即ち、送
り速度vを調節することで、伸び率が調節できるので、
このことを利用して前記フィードバック制御を行ってい
る。
次の理由による。ワークWは、同じロット内では材質が
略同じであるものの、やはり材質のばらつきが多少あ
る。また、同じロット内でも、例えば、切削加工に用い
られる切削工具の切れ味が劣化した場合や、1回の削り
しろが変わった場合等には、ワークWの加工後における
残留応力が多少とも異なる。もし前記フィードバック制
御しない場合は、送り速度vを10mm/secで一定
とすることになり、前記ばらつき、残留応力の相違の影
響がそのまま出て、各ワークWの焼入後寸法(即ち焼入
後のピッチ)が、ばらついてしまうからである。
入する際には、ロット間の材質のばらつきはロット内の
ばらつきよりも大きいことが多いため、もし前記フィー
ドバック制御をしない場合は、各ワークWの焼入後寸法
のばらつきが更に大きくなるからである。なお、ロット
が変更された際に、前記ひな型を再度作り直すことも可
能であり、そのようにする場合もある。その場合、余計
な費用と時間とを費やす必要がある一方で、ロット内の
材質のばらつきの影響は回避できない。
転造ネジである場合には、図4(B)に示されるよう
に、焼入すると必ず縮み、焼入深さxが深くなるにつれ
て更に縮むという傾向がある。そのため、もし高周波焼
入装置900で上述のように事前準備し且つフィードバ
ック制御をかけながら焼入を施すと次のような問題があ
った。
するため、焼入深さが深くなり、ワークWの伸びは更に
マイナスの方向に進む。すると益々送り速度vが遅くな
るようにフィードバック制御がかかるため、究極的には
ワークWへの加熱が過剰となり、ワークWが溶けてしま
うまでになる。つまり、前記フィードバック制御は、ワ
ークWが切削ネジであって、後述するように炭素鋼製で
あった場合には有効に機能させることも可能であるが、
転造ネジである場合には適用できない(ただし、上述の
ような事前準備をした場合である。)。そのため、ワー
クWが転造ネジである場合には、焼入後寸法のばらつき
を抑える自動制御がされないため焼入後寸法のばらつき
が大きくなっていた。
金鋼製であった場合には、焼入時の伸びの状況が図5に
示されるようになり、次のような問題があった。移動焼
入期間中の焼入中の伸び率は、(Δd/d)×1000
である。ここで、dは測定の間隔寸法、Δdは前記dの
測定の間隔寸法において測長ユニット953で検出され
た伸び寸法である。この焼入中の伸び率を測定し、送り
速度vを制御しているが、このΔdの成分が問題であ
る。
膨張による伸びの成分」+「ワークWの残温による伸び
の成分」であり、且つ、ワークWの残温による伸びの方
が、ワークWのマルテンサイト膨張による伸びの成分よ
りも大きい。このため、ワークWの残温をほぼ零とする
ことのできる場合、即ち、ワークWの焼入前の温度と焼
入後の温度とが殆ど等しくなるまで、冷却ジャケット9
14からの冷却液の噴射により冷却できる炭素鋼製であ
る場合は比較的問題はない。
は、残温を80℃程度残さないと割れが発生する。よっ
て、ワークWが合金鋼製である場合には、ワークWの残
温による伸びの成分がワークWのマルテンサイト膨張に
よる伸びの成分よりも大きくなり、誤差が非常に大きく
なるため、実際上、前記フィードバック制御は不可能で
あった。したがって、ワークWが合金鋼製である場合に
は、ワークWが切削ネジであっても前記フィードバック
制御が不可能なため、焼入後寸法のばらつきを抑える自
動制御がされないため焼入後寸法のばらつきが大きくな
っていた。
炭素鋼製である場合のみ、従来の自動制御が有効に働く
ものの、ワークWが切削ネジであって合金鋼製であった
り、転造ネジである場合(この場合は炭素鋼製でも合金
鋼製でも)、従来の自動制御は有効でない。よって、ワ
ークWが切削ネジであって炭素鋼製である場合のみ、焼
入後寸法のばらつきを小さくできたが、それ以外では焼
入後寸法のばらつきが大きくなっていた。ただし、ワー
クWが切削ネジであって炭素鋼製である場合であって
も、高周波焼入装置900は、ワークWの残温を検出す
る機能を有していないので、「ワークWの残温による伸
びの成分」の影響は残り、焼入後寸法の調整の精度を十
分高くするまでには至っておらず、ばらつきが発生して
いた。
製であった場合には、ワークWであるボールネジは精密
ボールネジである場合と、一般用ボールネジである場合
の2つの可能性がある。精密ボールネジである場合に
は、焼入後の後工程でも研磨して、ピッチ誤差を補正す
る必要があるが、焼入後寸法のばらつきが精密ボールネ
ジに要求されるレベルからかけ離れているため、研磨時
間が長くかかる上、砥石の磨耗が激しく、これが製造コ
ストの削減の障害になっていた。一方、一般用ボールネ
ジである場合には、切削加工自体で、一般用ボールネジ
に要求される精度以上の精度が出せるので、焼入時のば
らつきを加えても、焼入後のばらつきが一般用ボールネ
ジに要求されるレベル内となっているのが普通であり問
題はない。
は、ワークWは一般用ボールネジである。したがって、
精度が要求されないので、焼入後の後工程で研磨するこ
とも殆どない。しかしながら、市場からの声としては、
低コスト化の可能な転造ネジで、精密ボールネジ並の精
度(ピッチ精度)を出して欲しいとの要望が強い。この
要望に応えるためには、焼入時のフィードバック制御が
不可欠となるが、上述のような理由でなされていなかっ
た。
ールネジが炭素鋼製でも合金鋼製でも、また、切削ネジ
でも転造ネジでも、焼入後のピッチ誤差を低減すること
のできる高周波焼入装置およびこれに用いられる焼入制
御方法を提供することにある。
に、本発明の請求項1に係る高周波焼入装置は、移動焼
入中にボールネジであるワークの全長を測定する測長装
置と、移動焼入中にワークの焼入前の部分の温度と当該
ワークの焼入直後の部分の温度とを測定する温度測定装
置と、ワークの基準の伸び率が予め記憶された制御部と
を具備しており、前記制御部は、移動焼入中に、前記温
度測定装置の出力データに基づいてワークの焼入前の部
分の温度と焼入直後の部分の温度との差を求め、前記測
長装置の出力データ及び前記温度差のデータに基づいて
ワークの伸び率を求め、当該ワークの伸び率と前記基準
の伸び率との偏差を求め、この偏差がゼロになるように
当該ワークに対する加熱量を制御することを特徴とす
る。
は、移動焼入中にボールネジであるワークの全長を測定
する測長装置と、移動焼入中にワークの焼入前の部分の
温度と当該ワークの焼入直後の部分の温度とを測定する
温度測定装置と、ワークの基準の伸び率が予め記憶され
た制御部とを具備しており、前記制御部は、移動焼入中
に、前記測長装置の出力データに基づいてワークの伸び
率を求め、当該ワークの伸び率と前記基準の伸び率との
偏差を求め、この偏差がゼロになるように当該ワークに
対する加熱量を制御する一方、前記温度測定装置の出力
データに基づいてワークの焼入前の部分の温度と焼入直
後の部分の温度との差を求め、この温度差がゼロになる
ように冷却ジャケットの冷却液の噴射量を制御すること
を特徴とする。
して予備加熱を行う加熱機構を備えており、前記予備加
熱により所定の温度を保った状態の前記ワークに対して
焼入を行うことが望ましい。
は、ワークとしてのボールネジを移動焼入する高周波焼
入装置において、前記ワークに高周波焼入を施す焼入機
構と、この焼入機構の下流側に設けられ、前記ワークの
焼入前の温度を測定する第1の温度測定装置と、この第
1の温度測定装置によって温度が測定されている部分の
所定のピッチ間の長さを測定する第1の測長装置と、前
記焼入機構の上流側に設けられ、前記ワークの焼入後の
温度を測定する第2の温度測定装置と、この第2の温度
測定装置によって温度が測定されている部分の所定のピ
ッチ間の長さを測定する第2の測長装置と、前記焼入機
構を前記ワークに沿って移動させる移動機構と、これら
を制御する制御部とを備えており、且つ、前記第1の測
長装置と前記第2の測長装置との間は所定の距離sに設
定されており、前記移動機構による前記焼入機構の送り
速度がvとすると、前記第1の温度測定装置と前記第1
の測長装置とによって測定された温度と長さの測定のデ
ータと、前記測定のs/v後に前記第2の温度測定装置
と前記第2の測長装置とによって測定された温度と長さ
の測定のデータとを利用して、これから焼入する前記ワ
ークの部分の加熱量を、ピッチ誤差を低減させるように
前記制御部が補正する構成となっていることを特徴とす
る。
は、移動焼入中にボールネジであるワークの全長を測定
する一方、移動焼入中にワークの焼入前の部分の温度と
当該ワークの焼入直後の部分の温度とを測定し、ワーク
の焼入前の部分の温度と焼入直後の部分の温度との差を
求め、その後、ワークの全長データ及び温度差のデータ
に基づいて当該ワークの伸び率を求め、このワークの伸
び率と予め用意されたワークの基準の伸び率との偏差を
求め、この偏差がゼロになるようにワークに対する加熱
量を調整するようにしたことを特徴としている。
は、移動焼入中にボールネジであるワークの全長を測定
する一方、移動焼入中にワークの焼入前の部分の温度と
当該ワークの焼入直後の部分の温度とを測定し、ワーク
の全長のデータに基づいて当該ワークの伸び率を求め、
このワークの伸び率及びワークの基準の伸び率の偏差を
求め、この偏差がゼロになるようにワークに対する加熱
量を調整する一方、ワークの焼入前の部分の温度と焼入
直後の部分の温度との差を求め、この温度差がゼロにな
るように冷却ジャケットの冷却液の噴射量を調整するよ
うにしたことを特徴とする。
して予備加熱を行い、この予備加熱により所定の温度を
保った状態の前記ワークに対して焼入行う一方、焼入後
に前記ワークの温度を環境温度下で徐々に低下させるこ
とが望ましい。
ワークとしてのボールネジの焼入前の部分の長さおよび
温度と、前記部分の焼入後の長さおよび残温とを測定
し、その測定結果を利用して、これから焼入する前記ワ
ークの部分の加熱量を、ピッチ誤差を低減させるように
補正することを特徴とする。
入制御方法を実現する本発明の第1の実施の形態に係る
高周波焼入装置を図1を参照しつつ説明する。なお、本
発明の第1の実施の形態に係る高周波焼入装置は本発明
の請求項1に係る高周波焼入装置の実施の形態である。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る高周波焼入装置
を示す概略的説明図である。
入装置100は、ボールネジをワークWとして移動焼入
する装置である。高周波焼入装置100は、焼入機構1
10と、この焼入機構110に取り付けられた温度測定
装置180と、焼入機構110をワークWに沿って移動
させる移動機構130と、ワークWを回動させると共に
ワークWの伸びを検出する回動・伸び検出機構150
と、これらを制御する図示しない制御部とを備えてい
る。
加熱コイル体111と、この高周波加熱コイル体111
の電源回路であるカレントトランス112および高周波
発振器113と、焼入用の冷却液を噴射する冷却ジャケ
ット114とを有している。焼入機構110は、移動機
構130の後述するボールネジ131に移動可能に取り
付けられている。
されたボールネジ131と、これを回動させるモータ1
32とを有している。
回動させるためにワークWの一端側を保持するチャック
151と、このチャック151を回動させるモータ15
2と、チャック151と対をなしてワークWの他端の中
心を押さえ且つワークWの伸びを検出する測長装置とし
ての測長ユニット153とを有している。
るものであって、例えば、放射温度計である。この温度
測定装置180は、カレントトランス112に物理的に
取り付けられている。温度測定装置180が測定するた
めに狙う方向は、回動・伸び検出機構150に保持され
ているワークWの部分であって、冷却ジャケット114
のやや下流側の部分である。
0は、次のように、移動焼入期間中に、制御部によって
フィードバック制御されて焼入後のピッチ誤差を低減し
ている。
である場合。まず、事前準備として従来同様、焼入する
本番用のワークWと同様のワークを1本準備し、これに
対して、焼入仕様を満足する標準条件で焼入を施して、
ひな型(テンプレート)となるデータを作成する。ここ
での標準条件は、例えば、高周波加熱コイル体111に
与える電力が150kW、焼入機構110を移動させる
送り速度vが10mm/sec(移動焼入期間中は一
定)であり、前記制御部に設定される。
にて、前記ワークの全長が何mm伸びたかを、ワークが
完全に冷えてから測定する。この測定値により、伸び率
を計算する。例えば、前記ワークの全長が1mで、焼入
後に1mm伸びたとすると、前記ワークの伸び率は1パ
ーミルとなる。この伸び率が基準の伸び率となり、前記
制御部に設定される。
短めに機械加工する際に補正して作る。次に、このよう
に前補正された本番用のワークWに対して、温度測定装
置180で残温等を測定し、測長ユニット153にて伸
びを測定しつつ、焼入を施す。この残温の測定のタイミ
ングは、測長ユニット153にて伸びを測定するタイミ
ングと同じでよい。ただし、焼入開始前には、その状態
をそれぞれ測定しておく。
について前記図4(A)の傾向を示すので、この傾向
と、測長ユニット153による伸びの測定値と、前記基
準の伸び率と、前記温度測定装置180の測定値とを利
用して、前記制御部は次のようなフィードバック制御を
かけてワークWに対する焼入を自動制御している。
加熱コイル体111に与える電力が150kW、焼入機
構110を移動させる送り速度vが10mm/sec
(一定)である。この基本条件でワークWに対する焼入
を開始した後、一定のスパンで測長ユニット153にて
ワークWの伸びを測定することによって、制御部がワー
クWの伸び率を計算する。
うな補正がされている。測定の間隔がd、測長ユニット
153にて測定された伸びがΔd、焼入前のワークWの
温度がT1℃、ワークWの焼入直後の部分の温度(残
温)がT2℃、線膨張係数が1.1×10-5とする。 「焼入だけによる伸び」=Δd−1.1×10-5×d
(T2−T1) であるから、 「焼入だけによる伸び率」=〔Δd−1.1×10-5×
d(T2−T1)〕×1000/d =〔Δd/d−1.1×10-5(T2−T1)〕×10
00 である。よって、従来と異なり1.1×10-5(T2−
T1)×1000という補正、即ち、1.1×10
-2(T2−T1)という補正が加わっている。
率と前記基準の伸び率(1パーミル)とを比較し、未達
の場合は高周波加熱コイル体111に与える電力量を大
きくし、超えた場合は高周波加熱コイル体111に与え
る電力量を小さくして、ワークWに与える加熱量を調節
し、限りなく前記基準の伸び率に近くなるようにフィー
ドバック制御する。なお、前記加熱量を調節すると、焼
入深さが変わり、この焼入深さが変わることによって前
記図4(A)の傾向を示すから、伸び量が変更され、前
記伸び率が調整されるわけである。
て、合金鋼製であっても、前記補正をすることによっ
て、焼入後のピッチ誤差を低減する自動制御が可能にな
る。
である場合。
金鋼製である前記の場合と同様である。ワークWが炭
素鋼製であると、ワークWの焼入直後の部分の残温を、
焼入前のワークWの温度(環境温度)まで一気に下げら
れる点のみ異なる。即ち、前記T2とT1との関係をT
2=T1とすることもできるが、その点については後述
する。
ある場合には、本発明の第1の実施の形態に係る焼入制
御方法による前記補正を加えれば、T2とT1とが異な
る値になっていても、焼入後のピッチ誤差を従来よりも
低減する自動制御が可能である。なお、このようにT2
=T1としないときは、冷却ジャケット114による冷
却制御は、後述するように厳密に制御する必要がないの
で、簡単にできる。
である場合。この場合にも前記の場合と同様にする
が、ワークWが転造ネジであると、焼入深さを深くする
ほど縮む一方であることから、事前準備は次のように異
なる。焼入する本番用のワークWと同様の新たに準備さ
れるひな型用のワークは、前記標準条件で焼入を施さ
れ、ワークが完全に冷えてから測定されると縮んでい
る。この測定値により、伸び率(マイナスの伸び率)を
計算する。例えば、前記ワークの全長が1mで、焼入後
に−1mm伸びた(即ち1mm縮んだ)とすると、前記
ワークの伸び率は−1パーミルとなる。この伸び率が基
準の伸び率となり、前記制御部に設定される。
予め、全長で−1mm短め(即ち1mm長め)に補正し
て作ることになる。また、「焼入だけによる伸び率」=
〔Δd/d−1.1×10-5(T2−T1)〕×100
0は、Δdがマイナスの値となるだけなので、このまま
使用できる。前記制御部では、この焼入だけによる伸び
率(マイナスの伸び率)と前記基準の伸び率(−1パー
ミル)とを比較し、未達の場合は高周波加熱コイル体1
11に与える電力量を大きくし、超えた場合は高周波加
熱コイル体111に与える電力量を小さくして、ワーク
Wに与える加熱量を調節し、限りなく前記基準の伸び率
に近くなるようにフィードバック制御する。なお、前記
加熱量を調節すると、焼入深さが変わり、この焼入深さ
が変わることによって前記図4(B)の傾向を示すか
ら、伸び量(マイナスの伸び量)が変更され、前記伸び
率(マイナスの伸び率)が調整されるわけである。
て、合金鋼製であっても、前記補正をすることによっ
て、焼入後のピッチ誤差を低減する自動制御が可能にな
る。
である場合。前記の内容を前記の内容に当てはめた
状態となるだけであり、その説明は省略するが、ワーク
Wが転造ネジであって、炭素鋼製であっても、前記補正
をすることによって、焼入後のピッチ誤差を低減する自
動制御が可能になる。
入制御方法において、加熱量の調節(即ち、焼入深さの
調節をしていることになる。)は、送り速度vを一定と
しつつ、高周波加熱コイル体111に与える電力量の調
節で行ったが、その代わりに、例えば、高周波加熱コイ
ル体111に与える電力量を一定としつつ、送り速度v
の調節で行ってもよい。
係る焼入制御方法を実現する本発明の第2〜第4の実施
の形態に係る高周波焼入装置(本発明の請求項2および
請求項3の実施の形態に係る高周波焼入装置)を説明す
る。この本発明の第2〜第4の実施の形態に係る高周波
焼入装置は、前記本発明の第1の実施の形態に係る高周
波焼入装置100の一部を変更したものであるので、前
記図1の高周波焼入装置100を参照しつつ説明する。
なお、本発明の第2〜第4の実施の形態に係る高周波焼
入装置の共通事項は次のようになっている。
は、ワークWの残温の影響を、前記T2=T1(または
T2≒T1)即ちT2−T1=0(またはT2−T1≒
0)とすることでなくす(または殆どなくす)ことで焼
入後のピッチ誤差を低減する。
ネジであっても転造ネジであっても、ワークWの焼入直
後の部分の温度(残温)T2を、焼入前のワークWの温
度T1(通常、環境温度となっている。)まで一気に冷
却ジャケット114の冷却液の噴射で下げられる。よっ
て、ワークWが炭素鋼製の場合は、前記制御部が、冷却
ジャケット114の冷却液の噴射量を、温度測定装置1
80の測定値T1、T2をもとにT1=T2とすべく制
御する。
ネジであっても転造ネジであっても、ワークWの焼入直
後の部分の温度(残温)T2を、焼入前のワークWの温
度T1(通常、環境温度となっている。)まで一気に冷
却ジャケット114の冷却液の噴射で下げるとワークW
が割れるおそれがある。そこで、T1=T2とするに
は、焼入前のワークWの温度T1の方を、次の(1)〜
(3)のようにして、予めT1′(=T2+α)まで上
げ、ワークWの焼入開始時にT1″(=T2)となるよ
うにする。なお、ここでのT1は環境温度、T1′は事
前加熱温度、T1″はワークWが合金鋼製である場合の
冷却目標温度(ここでは、例えば80℃)である。
を、予め事前加熱温度T1′(=T2+α=80℃+
α)まで上げるための構成を有する本発明の第2の実施
の形態に係る高周波焼入装置は次のようになっている。
本発明の第2の実施の形態に係る高周波焼入装置は、高
周波焼入装置100に対して、別体の炉(図示省略)を
付加したものである。この炉は、ワークWを高周波焼入
装置100の部分に装着する前に、前記T1′(=T2
+α=80℃+α)まで事前加熱するものである。
前加熱し、取り出して高周波焼入装置100にセットす
る。前記αは、このセット後、移動焼入開始までの間に
ワークWの温度が下がることを見越したものである。よ
って、移動焼入開始は、ワークWの温度が、冷却目標温
度T1″=80℃にほぼなったことを温度測定装置18
0によって確認できてから開始することになる。
を、予め事前加熱温度T1′(=T2+α=80℃+
α)まで上げるための別の構成を有する本発明の第3の
実施の形態に係る高周波焼入装置は次のようになってい
る。本発明の第3の実施の形態に係る高周波焼入装置
は、高周波焼入装置100の制御部の制御プログラムが
次のように若干変更されて、焼入機構110が事前加熱
に直接寄与するようにしている。即ち、焼入機構110
によって、焼入前にワークWを事前加熱するのである。
もちろん、その際冷却ジャケット114は機能させな
い。
入機構110をワークWに沿って、ワークWの基端から
先端まで移動機構130で一定速度で移動させ、そのと
きに、焼入の際よりも低い所定の電力を高周波加熱コイ
ル体111に与えて、ワークWを事前加熱温度T1′に
する。焼入機構110を前記基端側へリターンさせて、
停止加熱以降の所定の焼入動作をする。移動焼入開始
は、ワークWの焼入開始位置付近が冷却目標温度T1″
=80℃となってから始めることとなる。
入の際よりも低い所定の電力を高周波加熱コイル体11
1に与えるとしたが、その代わりに焼入の際と同じ電力
を高周波加熱コイル体111に与え且つ焼入機構110
の移動速度を上げるのでもよい。また、焼入機構110
を前記基端側へリターンさせるのはやめて、停止加熱以
降の所定の焼入動作を、ワークWの先端側から基端側に
行うようにしてもよい。
を、予め事前加熱温度T1′(=T2+α=80℃+
α)まで上げるための更に別の構成を有する本発明の第
4の実施の形態に係る高周波焼入装置は次のようになっ
ている。高周波焼入装置100の焼入機構110の部分
であって、高周波加熱コイル体111の前方(ワークW
の先端方向)に事前加熱用の高周波加熱コイル体を新た
に設け、これに伴い、この高周波加熱コイル体用のカレ
ントトランスも新たに設ける。これによって、高周波加
熱コイル体111を使用して焼入するときに事前加熱用
の高周波加熱コイル体も働かせる。この場合には、+α
の大きさは零に近いもでよい。
施の形態に係る高周波焼入装置は、ワークWが炭素鋼製
でも合金鋼製でも、また、切削ネジでも転造ネジでも、
焼入後のピッチ誤差を低減することができる。
係る高周波焼入装置の場合、予め、事前加熱温度T1′
(=T2+α=80℃+α)にするとしたが、その代わ
りに、事前加熱温度をT2(=80℃)とし、その温度
が低下しないように熱源を追加してもよい。前記熱源
は、ヒータや温風装置等であって、これをワークWをセ
ットする位置に沿って設けるとよい。これにより、誤差
の原因となる温度変化を防ぐことができるので、焼入後
のピッチ誤差を低減することができる。
係る高周波焼入装置の場合、焼入中に高周波加熱コイル
体に与える電力量または送り速度を制御しているので、
ワークWに与えられる加熱量が変化するが、冷却ジャケ
ットからの冷却液の噴射による冷却量も一定であれば残
温が変わってしまうので、冷却量は、電力量または送り
速度の変化に伴って、多くまたは少なくと制御するとよ
い。
係る高周波焼入装置の場合には、残温の影響をなくすべ
く、T2−T1=0としようとしているが、温度変化が
多少あることを考慮すると、焼入後のピッチ誤差を低減
するために、本発明の第1の実施の形態で説明した補正
を制御に加えるようにしてももちろんよい。
7に係る焼入制御方法は、従来の高周波焼入装置900
にも適用可能である。ただし、従来の高周波焼入装置9
00は温度測定装置180に相当するものを有していな
いので、正確な温度管理ができず、本発明の第2〜第4
の実施の形態に係る高周波焼入装置ほどの精度は出せな
い。
法を実現する本発明の第5の実施の形態に係る高周波焼
入装置を図2を参照しつつ説明する。なお、本発明の第
5の実施の形態に係る高周波焼入装置は本発明の請求項
4に係る高周波焼入装置の実施の形態である。図2は本
発明の第5の実施の形態に係る高周波焼入装置を示す概
略的説明図である。
入装置200も、ボールネジをワークWとして移動焼入
する装置である。高周波焼入装置200は、焼入機構1
10と同様の焼入機構と、この焼入機構に取り付けられ
た第1の温度測定装置281および第2の温度測定装置
282と、前記焼入機構の前後にワークWに載置するよ
うにそれぞれ設けられる第1の測長装置291、第2の
測長装置292と、前記焼入機構をワークWに沿って移
動させる移動機構130と同様の移動機構(図示省略)
と、ワークWを回動させると共にワークWの伸びを検出
する回動・伸び検出機構150と同様の回動・伸び検出
機構(図示省略)と、これらを制御する制御部(図示省
略)とを備えている。
熱コイル体211と、この高周波加熱コイル体211の
電源回路であるカレントトランス(図示省略)および高
周波発振器(図示省略)と、焼入用の冷却液を噴射する
冷却ジャケット214とを有している。このように構成
された焼入機構は、前記移動機構のボールネジ131と
同様のボールネジに移動可能に取り付けられている。
度測定装置282は、温度測定装置180と同じもので
あり、前記カレントトランスに物理的に取り付けられて
いる。第1の温度測定装置281が測定するために狙う
方向は、前記回動・伸び検出機構に保持されているワー
クWの部分であって、高周波加熱コイル体211のやや
下流側(即ち焼入前の部分)である。第2の温度測定装
置282が測定するために狙う方向は、前記回動・伸び
検出機構に保持されているワークWの部分であって、冷
却ジャケット214のやや上流側の部分(即ち焼入後の
部分)である。
92は、それぞれワークWの溝WMに係合する一対の球
部295と、この一対の球部295にそれぞれ設けられ
た軸体296と、一対の軸体296間に設けられた変位
センサー部297とを有している。一対の球部295は
ワークWのピッチに合わせて設けられている。変位セン
サー部297は、マグネスケール等のリニアセンサーで
ある。
92とは、所定の距離を開けて設けられている。第1の
測長装置291が設けられる位置は、第1の温度測定装
置281が測定するために狙っている部分(即ち焼入前
の部分)である。また、第2の測長装置292が設けら
れる位置は、第2の温度測定装置282が測定するため
に狙っている部分(即ち焼入後の部分)である。
たのは次の理由による。本発明の第1〜第4の実施の形
態に係る高周波焼入装置においては、測長ユニット15
3にてワークWの全長を測定し、伸び率を算出し、フィ
ードバックしているので、ワークWの全長にわたって温
度(特にワークWの残温)が一定でないと誤差が出る。
この誤差を極力小さくするために、本発明の第5の実施
の形態に係る高周波焼入装置200では、測長する箇所
を高周波加熱コイル体211の前後1カ所ずつ(つま
り、焼入前の部分と焼入後の部分)としている。
測定されたデータにより、焼入だけによる伸び率は次の
ようにして算出される。なお、焼入前の部分のワークW
の温度がT1℃、ワークWの焼入後の部分の温度(残
温)がT2℃、焼入前の部分の測定長さがd1、焼入後
の部分の測定長さがd2であるとする。
1)−1.1×10-5×d1(T2−T1)〕×100
0/d1=〔d2/d1−1−1.1×10-5(T2−
T1)〕×1000である。
温度測定装置281と第2の温度測定装置282とによ
る測温と、第1の測長装置291と第2の測長装置29
2とによる測長とを、後述のような方法を用いて、ある
一定の期間をかけて同一の部分について行い、それらの
測定データを制御部に送る。制御部では、前記焼入だけ
による伸び率の式に前記測定データを代入して演算し、
この演算結果と予め設定された伸び率とを比較する。こ
の比較結果に基づき、制御部は、上述同様に、電力量ま
たは送り速度にフィードバック制御をかけることにな
る。この自動制御により、ワークWが炭素鋼製でも合金
鋼製でも、また、切削ネジでも転造ネジでも、焼入後の
ピッチ誤差を低減することができる。
としては、第1の測長装置291と第2の測長装置29
2との各先端側の球部295中心間の距離sを例えば1
00mm、送り速度vが20mm/secであるとする
と、第1の温度測定装置281および第1の測長装置2
91による測定の5秒後に、第2の温度測定装置282
および第2の測長装置292による測定を行えばよい。
このようにすることで、同一の部分について、焼入前の
状態と焼入後の状態とを測定しているので、長いワーク
Wの全長にわたって、たとえ温度差があったとしても、
この温度差による誤差を解消することができるのであ
る。
法によると、ロット内の材質のばらつきやロット間のば
らつきがあっても、ピッチ誤差を低減させる自動制御が
なされる。ただし、前記各ひな型と極端に異なる材質の
ものには対応不可能となる場合もあり、その場合には、
それに見合ったひな型を作り直せばよい。
に係る高周波焼入装置は、移動焼入中にボールネジであ
るワークの全長を測定する測長装置と、移動焼入中にワ
ークの焼入前の部分の温度と当該ワークの焼入直後の部
分の温度とを測定する温度測定装置と、ワークの基準の
伸び率が予め記憶された制御部とを具備しており、前記
制御部は、移動焼入中に、前記温度測定装置の出力デー
タに基づいてワークの焼入前の部分の温度と焼入直後の
部分の温度との差を求め、前記測長装置の出力データ及
び前記温度差のデータに基づいてワークの伸び率を求
め、当該ワークの伸び率と前記基準の伸び率との偏差を
求め、この偏差がゼロになるように当該ワークに対する
加熱量を制御することを特徴とする。
焼入装置の場合には、前記測長装置の出力データ及び前
記温度差のデータに基づいてワークの伸び率を求め、当
該ワークの伸び率と前記基準の伸び率との偏差を求め、
この偏差がゼロになるように当該ワークに対する加熱量
を制御するようになっているので、ワークとしてのボー
ルネジが炭素鋼製でも合金鋼製でも、また、切削ネジで
も転造ネジであっても、焼入後のピッチ誤差を低減する
ことが可能になる。従って、低コスト化を図ることがで
きる。
は、移動焼入中にボールネジであるワークの全長を測定
する測長装置と、移動焼入中にワークの焼入前の部分の
温度と当該ワークの焼入直後の部分の温度とを測定する
温度測定装置と、ワークの基準の伸び率が予め記憶され
た制御部とを具備しており、前記制御部は、移動焼入中
に、前記測長装置の出力データに基づいてワークの伸び
率を求め、当該ワークの伸び率と前記基準の伸び率との
偏差を求め、この偏差がゼロになるように当該ワークに
対する加熱量を制御する一方、前記温度測定装置の出力
データに基づいてワークの焼入前の部分の温度と焼入直
後の部分の温度との差を求め、この温度差がゼロになる
ように冷却ジャケットの冷却液の噴射量を制御すること
を特徴とする。
焼入装置の場合には、前記測長装置の出力データに基づ
いてワークの伸び率を求め、当該ワークの伸び率と前記
基準の伸び率との偏差を求め、この偏差がゼロになるよ
うに当該ワークに対する加熱量を制御する一方、前記温
度測定装置の出力データに基づいてワークの焼入前の部
分の温度と焼入直後の部分の温度との差を求め、この温
度差がゼロになるように冷却ジャケットの冷却液の噴射
量を制御するようにしているので、ワークとしてのボー
ルネジが炭素鋼製でも、また、切削ネジでも転造ネジで
あっても、焼入後のピッチ誤差を低減することが可能に
なる。従って、低コスト化を図ることができる。
は、請求項2記載の高周波焼入装置において、焼入前に
前記ワークに対して予備加熱を行う加熱機構を備えてお
り、前記予備加熱により所定の温度を保った状態の前記
ワークに対して焼入を行うことを特徴とする。
入装置の場合には、材質上、ワークの焼入直後の部分の
冷却目標温度を一旦、所定の高めの温度に維持した後
に、ワークを環境温度になじませる必要がある合金鋼製
の場合でも、的確に、焼入後のピッチ誤差を低減するこ
とができる。したがって、ボールネジの低コスト化が図
られる。
は、ワークとしてのボールネジを移動焼入する高周波焼
入装置において、前記ワークに高周波焼入を施す焼入機
構と、この焼入機構の下流側に設けられ、前記ワークの
焼入前の温度を測定する第1の温度測定装置と、この第
1の温度測定装置によって温度が測定されている部分の
所定のピッチ間の長さを測定する第1の測長装置と、前
記焼入機構の上流側に設けられ、前記ワークの焼入後の
温度を測定する第2の温度測定装置と、この第2の温度
測定装置によって温度が測定されている部分の所定のピ
ッチ間の長さを測定する第2の測長装置と、前記焼入機
構を前記ワークに沿って移動させる移動機構と、これら
を制御する制御部とを備えており、且つ、前記第1の測
長装置と前記第2の測長装置との間は所定の距離sに設
定されており、前記移動機構による前記焼入機構の送り
速度がvとすると、前記第1の温度測定装置と前記第1
の測長装置とによって測定された温度と長さの測定のデ
ータと、前記測定のs/v後に前記第2の温度測定装置
と前記第2の測長装置とによって測定された温度と長さ
の測定のデータとを利用して、これから焼入する前記ワ
ークの部分の加熱量を、ピッチ誤差を低減させるように
前記制御部が補正する構成となっていることを特徴とす
る。
入装置の場合には、ワークの同じ部分について、ワーク
の焼入前の温度および長さと、ワークの焼入後の温度お
よび長さとを測定することによって、ワークとしてのボ
ールネジが炭素鋼製でも合金鋼製でも、また、切削ネジ
でも転造ネジでも、更に、ワークの全長にわたって温度
誤差があったとしても、焼入後のピッチ誤差を低減する
補正の制御が的確に行えるので、焼入後のピッチ誤差を
低減することができる。したがって、ボールネジの低コ
スト化が図られる。
御方法は、前記本発明の請求項1〜4に係る高周波焼入
装置で実現される。よって、本発明の請求項5〜請求項
8に係る焼入制御方法は、前記本発明の請求項1〜4に
係る高周波焼入装置と同じ効果を有する。
置を示す概略的説明図である。
置を示す概略的説明図である。
る。
であって、同図(A)はワークが切削ネジの場合の焼入
深さと伸びとの関係図、同図(B)はワークが転造ネジ
の場合の焼入深さと伸びとの関係図、同図(C)は焼入
深さを説明する図である。
のワークの伸びの変化を示す概略的説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 移動焼入中にボールネジであるワークの
全長を測定する測長装置と、移動焼入中にワークの焼入
前の部分の温度と当該ワークの焼入直後の部分の温度と
を測定する温度測定装置と、ワークの基準の伸び率が予
め記憶された制御部とを具備しており、前記制御部は、
移動焼入中に、前記温度測定装置の出力データに基づい
てワークの焼入前の部分の温度と焼入直後の部分の温度
との差を求め、前記測長装置の出力データ及び前記温度
差のデータに基づいてワークの伸び率を求め、当該ワー
クの伸び率と前記基準の伸び率との偏差を求め、この偏
差がゼロになるように当該ワークに対する加熱量を制御
することを特徴とする高周波焼入装置。 - 【請求項2】 移動焼入中にボールネジであるワークの
全長を測定する測長装置と、移動焼入中にワークの焼入
前の部分の温度と当該ワークの焼入直後の部分の温度と
を測定する温度測定装置と、ワークの基準の伸び率が予
め記憶された制御部とを具備しており、前記制御部は、
移動焼入中に、前記測長装置の出力データに基づいてワ
ークの伸び率を求め、当該ワークの伸び率と前記基準の
伸び率との偏差を求め、この偏差がゼロになるように当
該ワークに対する加熱量を制御する一方、前記温度測定
装置の出力データに基づいてワークの焼入前の部分の温
度と焼入直後の部分の温度との差を求め、この温度差が
ゼロになるように冷却ジャケットの冷却液の噴射量を制
御することを特徴とする高周波焼入装置。 - 【請求項3】 焼入前に前記ワークに対して予備加熱を
行う加熱機構を備えており、前記予備加熱により所定の
温度を保った状態の前記ワークに対して焼入を行うこと
を特徴とする請求項2記載の高周波焼入装置。 - 【請求項4】 ワークとしてのボールネジを移動焼入す
る高周波焼入装置において、前記ワークに高周波焼入を
施す焼入機構と、この焼入機構の下流側に設けられ、前
記ワークの焼入前の部分の温度を測定する第1の温度測
定装置と、この第1の温度測定装置によって温度が測定
されている部分の所定のピッチ間の長さを測定する第1
の測長装置と、前記焼入機構の上流側に設けられ、前記
ワークの焼入後の温度を測定する第2の温度測定装置
と、この第2の温度測定装置によって温度が測定されて
いる部分の所定のピッチ間の長さを測定する第2の測長
装置と、前記焼入機構を前記ワークに沿って移動させる
移動機構と、これらを制御する制御部とを具備してお
り、且つ、前記第1の測長装置と第2の測長装置との間
は所定の距離sに設定されており、前記移動機構による
前記焼入機構の送り速度がvとすると、前記第1の温度
測定装置と前記第1の測長装置とによって測定れた温度
と長さの測定のデータと、前記測定のs/v後に前記第
2の温度測定装置と前記第2の測長装置とによって測定
された温度と長さの測定のデータとを利用して、これか
ら焼入する前記ワークの部分の加熱量を、ピッチ誤差を
低減させるように前記制御部が補正する構成となってい
ることを特徴とする高周波焼入装置。 - 【請求項5】 移動焼入中にボールネジであるワークの
全長を測定する一方、移動焼入中にワークの焼入前の部
分の温度と当該ワークの焼入直後の部分の温度とを測定
し、ワークの焼入前の部分の温度と焼入直後の部分の温
度との差を求め、その後、ワークの全長のデータ及び温
度差のデータに基づいて当該ワークの伸び率を求め、こ
のワークの伸び率と予め用意されたワークの基準の伸び
率との偏差を求め、この偏差がゼロになるようにワーク
に対する加熱量を調整するようにしたことを特徴とする
焼入制御方法。 - 【請求項6】 移動焼入中にボールネジであるワークの
全長を測定する一方、移動焼入中にワークの焼入前の部
分の温度と当該ワークの焼入直後の部分の温度とを測定
し、ワークの全長のデータに基づいて当該ワークの伸び
率を求め、このワークの伸び率及びワークの基準の伸び
率の偏差を求め、この偏差がゼロになるようにワークに
対する加熱量を調整する一方、ワークの焼入前の部分の
温度と焼入直後の部分の温度との差を求め、この温度差
がゼロになるように冷却ジャケットの冷却液の噴射量を
調整するようにしたことを特徴とする焼入制御方法。 - 【請求項7】 焼入前に前記ワークに対して予備加熱を
行い、この予備加熱により所定の温度を保った状態の前
記ワークに対して焼入行う一方、焼入後に前記ワークの
温度を環境温度下で徐々に低下させることを特徴とする
請求項6記載の焼入制御方法。 - 【請求項8】 ワークとしてのボールネジの焼入前の部
分の長さおよび温度と、前記部分の焼入後の長さおよび
残温とを測定し、その測定結果を利用して、 これから焼入する前記ワークの部分の加熱量を、ピッチ
誤差を低減させるように補正することを特徴とする焼入
制御方法。
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