JPH01301821A - 長軸材の表面熱処理方法 - Google Patents

長軸材の表面熱処理方法

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JPH01301821A
JPH01301821A JP63133210A JP13321088A JPH01301821A JP H01301821 A JPH01301821 A JP H01301821A JP 63133210 A JP63133210 A JP 63133210A JP 13321088 A JP13321088 A JP 13321088A JP H01301821 A JPH01301821 A JP H01301821A
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heating coil
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倉知 康彦
Nobuyuki Kondo
信行 近藤
Yuji Ishizaka
石坂 雄二
Osamu Masuda
修 増田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 A、産業上の利用分野 本発明は長軸材の熱処理方法に係り、特に種々の加熱条
件の組み合わせ制御によって軸方向の伸縮変形量の調整
を行う長軸材の表面熱処理方法に関する。
B9発明の概要 本発明は長軸材の表面熱処理によって生じる軸″方向の
伸縮変形4を一定に制御して、熱処理後の仕上げ加工を
容易とする熱処理方法の提供を図ったもので、表面熱処
理における熱処理深さの要因となる3つの加熱条件、即
ち誘導加熱コイルに供給する周波数およびその電力礒、
移送する長軸材または誘導加熱コイルの移送速度および
誘導加熱コイルに供給する電力量、長軸材に施す予熱温
度および誘導加熱コイルに供給する電力量と長軸材また
は誘導加熱コイルの移動速度の内のいずれかの条件また
は複数の組み合わせ条件を用いて長軸材の熱処理深さを
調整して軸方向の伸縮変形量を制御するもので、あるい
は上記のいずれかの条件または複数の組み合わせ条件に
よる熱処理条件と熱処理深さおよび軸方向の伸縮変形量
との関係を予め算出して基準熱処理条件を設定し、熱処
理の実施に当たって軸方向の伸縮変形量を連続的に検出
し、基準値と比較した値を制御量として3つの加熱条件
の内のいずれかまたは複数の組み合わせから成る熱処理
条件を補正して熱処理深さを自動制御することにより、
軸方向の伸縮変形量は長軸材の素材の違いや前工程迄の
加工内容の違いに対しても一定量に制御され、熱処理後
の仕上げ加工は容易に且つ短縮することができる。
C0従来の技術 所定の硬度と寸法精度とが要求される軸材やねじ袖など
の表面には、熱処理(焼入れ及び焼戻し)を施すことに
よって表面硬化を生成し、軸の強度や耐摩耗性を向上さ
せている。軸材やねシ軸等への焼入れ処理を高周波焼入
れ、即ち誘導加熱によって実施する場合、軸材やねじ軸
(以下被処理材と記す)の表面の加熱昇温した部分のみ
に熱膨張が生じて、次に焼入れのために水冷を施した際
には同じく表面層たけに急激な収縮が生じる。
更に被処理材が綱材の場合には、焼入れに伴う表面の相
変態による体積膨張が生じるので、表面の焼入層におい
て膨張が生じる。
そしてこれらの表面層の膨張または収縮に伴う応力が内
部の応力と釣り合うまで被処理材に変形が生じる。鋼材
の表面焼入れにおいては一般に表面層の相変態による膨
張に伴って軸方向については第8図の被処理材の断面に
示す応力図で明らかなように表面層に圧縮応力が発生し
、内部に生じる引弓長応力と全断面で釣り合いがとれる
まで長さ方向に伸びが生じて被処理材の全長が増加する
場合が多い。なお、焼戻し処理の場合の変形は一般的に
少ない。
また被処理材としての長軸材の外周にねじの冷間転造な
との冷間成形加工が施されている場合には、冷間転造に
よって被処理材の外周層は圧縮延伸され、外周部には軸
方向に圧縮応力が残留し、内部には引張応力が残留して
いる。この状態で被処理材の外周表面を高周波加熱する
と外周層の圧縮残留応力が消失し、且つ表面層は変形し
易くなるので全体は軸方向に縮む。なお熱間転造や切削
加工によって成形された被処理材の場合にはこのような
変形は生じない。また被処理材が冷間成形加工を施され
た綱材の場合には、表面焼入れのための外周層の加熱昇
温によりまづ上記の軸方向の縮みが起こり、次に表面に
水冷による焼入れを行うと熱処理によって変態して表面
層が膨張するので軸方向に伸長する。そして最終的に熱
処理完了時の被処理材の変形量は高周波加熱による縮み
量と焼入れによる伸長量とのどちらが大きいかによって
決まるのである。
D1発明が解決しようとする課題 上記のように被処理材の表面に熱処理を施すことによっ
て軸方向に伸縮変形が生じるので一般に被処理材に対す
る加工寸法は、予め熱処理によって生じる変形量を見込
んだ成形加工寸法値で実施されているが、熱処理による
変形量は熱処理条件の他に、被処理材の材質や成分、前
工程での熱処理状態、成形加工方法と加工量などによっ
ても大きく左右されるので、熱処理条件を一定にしても
、なかなか一定の値に安定させることが困難であった。
従って熱処理後の被処理材の寸法を精度良く揃えること
が難しいという問題点があった。特に被処理材がねじ軸
の場合には、熱処理による変形量はピッチ誤差として生
じるため、この変形を修正するための後加工として研削
加工が必要となっていた。
上記のように被処理材に熱処理を施す場合に生じる軸方
向の伸縮変形に対しては、要求される高精度の仕上げ寸
法とするために熱処理後の工程で研磨加工を加えること
により、製品の精度仕様の確保が行われていた。特にね
じ軸において発生する軸方向の伸縮変形を修正する仕上
げ加工は、研磨加工装置の加工量が1回の送り当たり数
μm程度で、ねじ溝深さが数mmであれば、加工量は数
品/数μmとなって1000ステツプ程度の送り量が必
要で、1本当たり数mの軸材の仕上げ加工時間は1日の
単位を費やす。
また上記のように被処理材の寸法変化は、熱処理工程の
前工程における処理や加工条件が異なる場合や、被処理
材の製造ロフトやメーカーが異なる場合等では熱処理条
件を一定にしても安定することが困難であり、熱処理後
の寸法精度を一定の値で安定に維持すると共に後工程の
仕上げ加工を容易に且つ短縮することができる熱処理方
法が望まれていた。
本発明は上記の課題に鑑み成されたもので、被処理材の
表面熱処理によって生じる変形量を一定に制御して、熱
処理後の仕上げ加工を省略または容易とする熱処理方法
の提供を目的とする。
81課題を解決ずろための手段と作用 本発明は誘導加熱装置の電力制御のみでなく、熱処理条
件に関係する種々の要因の調整を行うことで被処理材の
表面からの熱処理深さを制御することにより、被処理材
の変形量を制御しようとするもので、具体的手段は、 誘導加熱コイルに供給する周波数およびその電力量と、
移送する長軸材または誘導加熱コイルの移送速度と、長
軸材に施す予熱の温度の内のいずれかまたは複数の組み
合わせ条件を用いて長軸材の熱処理深さを設定して、発
生する軸方向の伸縮変形量を制御することを特徴とする
熱処理方法。
あるいは、上記の組み合わせ条件と、長軸材の熱処理深
さおよび軸方向の伸縮変形量との関係を予め算出して基
準伸縮変形単に対する基準熱処理条件を設定し、熱処理
を実施するに当たって軸方向の伸縮変形量を連続的に検
出して、この検出倹と基準伸縮変形量の比較値を制御量
として算出し、0τj記の熱処理条件の内のいずれかま
たは複数の組み合わせにもとづいた熱処理条件を補正し
て熱処理深さを自動制御することにより軸方向の伸縮変
形量を調整することを特徴とする熱処理方法である。
上記手段を用いることにより、熱処理条件を種々に組み
合わせて実施する熱処理方法は、基準として設定した伸
縮変形量を設定値としてフィートバッタ制御が行われ、
熱処理する長軸材の伸縮変形量は安定した設定範囲に制
御することができる。
F、実施例 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する
。最初に本発明の熱処理方法に関係する熱処理条件につ
いて説明する。
前記、従来の技術において説明したように軸材やねじ軸
等のような長軸材から成る被処理材の外周面を表面熱処
理した場合、長さ方向の伸縮は表面層に生じた応力が内
部の応力と断面全体にわたって平衡することにより発生
するものである。
従って熱処理層の深さが浅ければ表面層に生じる応力が
断面全体におよぼす影響力は小さく、長さ方向の伸縮量
は少なくなり、逆に熱処理層の深さが深ければ、長さ方
向の伸縮量は大きなものとなる。
本発明は被処理材の長さ方向の変形量δ(mm/m)と
、熱処理深度γ(mm)の関係を求めて、熱処理深度γ
を制御することによって長さ方向の変形量δの値を所定
の範囲に収めようとするものである。なお被処理材の強
度や耐久性、寿命等から必要とする熱処理深度γの仕様
が決められろ場合には、その仕様を満足する範囲内で熱
処理深度γを調整して長さ方向の伸縮変形量を制御する
ものである。
従って誘導加熱による熱処理方法では、熱処理深さγを
制御するための加熱条件として次の3つの条件が考えら
れる。第1には、誘導加熱コイルに供給する電力の周波
数fの値、第2には被処理材あるいは誘導加熱コイルの
移送速度Vの値、第3には被処理材に対して熱処理の前
に施す予備加熱の値である。上記の3条件について順に
詳細に説明する。
第1の条件としての誘導加熱コイルに供給する電力の周
波数fの制御については、供給電力の周波数fと被処理
材の表面における電流の浸透深さDとの間には次の関係
式が知られている。即ち、D=5.03FTZT下(c
m) (但しρ:彼処理材の固有抵抗値(μΩ・cm)
 、μ・被処理材の透磁率)で表される関係式で、加熱
コイルに流れる交番電流の磁束の交鎖によって被処理材
の表面に誘起された電流は表面から深さD(cm)まで
の表面部分を流れて抵抗損による発熱を生じる。具体例
として被処理材が常温を含む磁気変態点以下の温度では
磁性を示す鉄鋼材の場合について示すと、周波rlif
(Hz)と誘導電流の深さD(am)と表面層の温度θ
(°C)の関係は次のように表される。
(但し約780°Cの磁気変態点以上では非磁性となる
) 一般的には上記の関係は縦軸に焼入深度をとり、横軸に
周波数をとった第3図に示すような関係となる。即ち、
熱処理深度である焼入深度γを、第一義的に誘導加熱コ
イルに供給する電力の周波数fの値によって大きく変え
ることが可能で、焼入深度γを制御することができる。
また、周波数fを低くすると加熱層が深くなるfこめ、
第3図に示すように加熱温度を維持ずろための供給電力
は増大させる必要がある。なお周波数を可変とするため
には電源の設備費は増加することとなる。
第2の条件としての焼入れ部分を連続的に移送する移送
速度Vの制御については、誘導加熱コイルを流れる交番
電流によって誘起されて被処理材の表面から深さD(c
+++)迄の表面部分を流れる誘導電流による直接的な
ジュール加熱によって表面層が昇温するが、同時にまた
内部に対して熱の伝導が生じて時間と共に内部への熱の
拡散浸透が行われて内部の温度も上昇する。従って被処
理物の移送速度Vか小さい程内部への熱の伝導量が増加
して、被処理材内部の温度も上昇するので焼入深度γが
大となり、逆に移送速度Vが大きい場合には、焼入深度
rは浅くなる。なお、移送速度Vを速くした場合には単
位時間当たりの被処理材の加熱長が増加するので、誘導
加熱コイルに供給する電力量を増加させて設定した加熱
温度を維持する必要がある。上記の関係を示したものが
第4図(a)で、縦軸に焼入深度γをとり横軸に移送速
度Vをとって、移送速度VをVlからv3に増加して、
これに見合って供給電力ff1PをPlからP3に増加
することにより、焼入深度γはγ3からγ1に浅くなる
。移送速度Vを制御する方法として、被処理材を移送す
るのではなく、誘導加熱コイルを移送してもよい。
第3の条件として、被処理材に施す予備加熱の制御につ
いては、例えば第7図に示す誘導加熱による焼入装置要
部に備えたように、焼入れを施す誘導加熱コイルの手前
に予熱用の誘導加熱コイルを設けて被処理材に施す予備
加熱項を調整することにより焼入深度γを制御するもの
である。
即ち、予備加熱を行うことにより焼入深度γは大となり
、予備加熱温度か高い程焼入深度γを大きくすることが
できる。上記の関係を示したものが第4図(b)で、縦
軸に一定温度での予備加熱を施した被処理材の焼入深度
γを表し、横軸に被処理材の移送速度Vを表している。
第4図(b)と予備加熱のない第4図(a)とを比較す
ると、移送速度Vが同じ速度の場合でも、焼入深度γは
予備加熱有りの被処理材の方がγ1〈γ1′、γ3〈γ
3′で示されるように深くなることが明らかである。な
お第4図(b)は1f!類の予熱温度で予備加熱を行っ
た場合についての代表例を示したものであるが、予熱温
度を変えた場合についても同様の関係を求めることによ
り熱処理(焼入)深さγと予熱温度および供給電力iI
P等との関係を求めておくことができる。
次に被処理材に加えた焼入れ処理における被処理材の表
面から内部に向かっての硬度分布(焼入深度)と加熱条
件との関係を示したものが第1図(a)、(b)であり
、焼入深度と被処理材の伸縮変形量との関係を示したし
のか第2図(a)。
(b)である。第1図(a)、(b)は縦軸に被処理材
の焼入れ後の硬度H1横軸に被処理材の表面からの距離
(深さ)γをとって、被処理材断面における硬度分布を
表したしので、硬度Hoが焼入層としての限界硬度値を
示す。
第1図(a)は上記の加熱条件の移送速度Vの調整によ
る焼入深度γの制御方法で、被処理材の移送速度Vをv
l、v之、v3に変化させた場合に相当し、移送速度V
が小さい程(vl)焼入深度γは大となり硬度Hの分布
の傾斜が変化する。第2図(a)は縦軸に被処理材の伸
縮変形量δ、横軸に焼入深度γをとって、第1図(a)
の場合の被処理材の焼入深度γと伸縮変形量δの関係を
示したもので、焼入深度γが増加する程伸縮変形量δが
増大することがわかる。従って、第2図(a)は移送速
度V、供給電力量P、伸縮変形量δとの関係に置き換え
ることもできる。
一方、第1図(b)は上記の加熱条件の供給電力の周波
数fの調整による焼入深度γの制御方法で、誘導加熱コ
イルに供給する電力Pの周波数fをft、ft、f3に
変化させた場合に相当し、周波数fが高くなる程(r*
)、焼入深度γは小さくなる。そしてこの場合には第1
図(a)に示す場合と異なり、硬度分布の傾斜は変わら
ずにほぼ平行移動することが特徴である。第2図(b)
は第1図(b)の場合の焼入深度γと被処理材の伸縮変
形量δの関係を示すもので、第2図(2L)と同様に焼
入深度γが大きくなる程伸縮変形量δが増大する。従っ
て第2図(b)は供給する電力の周波数fとその電力f
f1Pと伸縮変形量δとの関係に置き換えることができ
る。
上記のように第1の条件としての熱処理深さγと誘導加
熱コイルに供給する周波数Fおよび電力IPとの関係、
第2の条件としての熱処理深さγと移送速度Vおよび電
力ff1Pとの関係、第3の条件としての熱処理深さγ
と予熱温度および電力量P、移送速度Vとの関係のうち
のいずれかまたは複数の関係について予め求めておくこ
とができる。
また熱処理後の軸方向の伸縮変形量δと熱処理深さγと
の関係ら予め求めておくことができる。この関係式を利
用して後述する伸縮変形量δを一定の範囲内に収める制
御を行うものである。
第6図(a)に第1実施例の熱処理装置の要部を示し、
第6図(b)には第1実施例における制御信号の流れ図
を示す。最初に第6図(2L)を参照して第1実施例の
熱処理装置の要部の構成を説明する。
第1実施例は被処理材をねじ軸として、その表面に焼入
れの熱処理を施す場合について説明する。
熱処理を行う焼入装置lはねじ軸2の一端を着脱自在に
保持するチャック3と、他端を円錐状のセンターバー4
を備えて、ねじ軸2を水平に支持する。ねじ軸2に加え
る誘導加熱を円周方向に均一なものとするために、チャ
ック3は減速機構を直結したモータ5によって回転駆動
される。
また焼入装置lにはねじ軸2を、その軸方向(図におい
ては左右方向)に移送するための移送手段か、焼入装置
lの移動ヘッド6の一端部(チャック3を固設したチャ
ック台座)と螺合する送りねじ軸7と、この送りねじ軸
7を回転駆動する減速機構を直結した移送用モータ8に
よって形成される。この移送用モータ8にはパルスエン
コーダ9が設けられ、移送用モータ8の回転数はパルス
列に変換されて出力され、パルス数のカウントにより被
処理材のねじ軸2の移送距離が検出される。またねじ軸
2を支持するセンターバー4の他端には、ねじ軸2の伸
縮変形量を計測するための検出センサ10か設けられる
。検出センサとしてはダイヤルゲーノや圧力検知式のも
のやその他変位全を測定できるものであればよい。
ねじ軸2の外周には誘導加熱コイル!lと、その後方に
焼入れ用の冷却液を放出する冷却リング12が配設され
、誘導加熱コイルは可変電圧の機能を備えた電源装置1
3に接続される。また誘導加熱コイルによる加熱部には
温度検出センサ14を設けて、ねじ軸2の表面温度の検
出を連続的に実施する。そして前記の移動手段によって
ねじ軸2を図中に矢印で示すように左から右方向に移動
せしめながら軸方向に順次表面焼入れを施す。本実施例
の焼入装置には演算処理部を備えた制御装置20が設け
られている。
上記のように構成された焼入装置lにおける前記の第2
の条件を用いた焼入れ熱処理方法を説明する。
被処理材であるねじ軸2には、焼入れ処理によって軸方
向に生じる伸縮変形mを予め基準変形量として見込んだ
うえで成形加工、即ち冷間転造加工等が施されている。
次に成形加工されたねじ軸2はロット毎に試し焼入れが
、上記の構成から成る焼入装置1によって実施される。
その際のねじ軸の伸縮変形量、供給電力値1表面温度、
移送速度等を計測することによって、予め求めておいた
、第2図(a)および第4図(a)に図示される関係式
から焼入れ後の伸縮変形量を基準変形型とするための焼
入深度γおよびそのための移送速度V。
供給電力値Pを知ることができる。
上記のようにして求められた各データ値がそのロットに
対する基準熱処理条件となる。この場合周波Ifは一定
である。このようにしてロットに対する代表値としての
基準熱処理条件は決められるが、同一ロット内にあって
も1本づつのねじ軸2の伸縮変形量に差異が生じるので
、さらにねじ軸2の夫々の個体別に熱処理条件の補正を
行いながら焼入れ処理を行う。この焼入れ処理方法は、
まず予め設定した上記の基準変形量および加熱温度(省
略しても可)と、予め求めたねじM2の第2図(a)お
よび第4図(a)の関係式を制御装置20に設けた記憶
部に記憶させる。次に試し焼入れによって求めである基
準熱処理条件の移送速度V、供給電力ff1Pの値によ
り1本毎の焼入れ処理を開始する。この場合にねじ軸2
の移送量はパルスエンコーダ9により連続的に検出され
、伸縮変形量は検出センサ10により検出され、加熱表
面温度は温度検出センサ14によっていずれも連続的に
計測検出されて制御装置20に入力される。
制御装置20内では計測検出された移送量(加熱位置)
毎のねじ軸2の伸縮変形量を、設定された基準変形量に
おける移送量毎の伸縮変形量と比較演算し、その差を演
算処理部によって算出する。
差が生じた場合には、その差値を補正するための焼入深
度の補正値Δγか第2図(a)に示す関係により算出さ
れる。続いて焼入深度をΔγだけ変化させるための移送
速度Vの補正値ΔVおよび電力量の補正値ΔPが第4図
(a)の関係から算出される。この場合温度センサ14
の検出するねじ軸2の加熱表面温度が、設定した温度と
一定以上の差が有るときは、温度差を補正するために電
力量の補正値ΔPはΔP′に再浦正される。この設定温
度は一義的にはねじ軸2の材質により決定されるもので
あるが、材質以外に更に焼入深度γに対応して設定温度
を変化することにより、より精度の高い制御をすること
ができる。次に移送速度の補正値ΔVから移送用モータ
8の回転数が求められて、移送速度の補正制御が行われ
ると共に、誘導加熱コイルへの供給電力量は補正値ΔP
またはΔP′による補正制御が行われる。
以上の繰り返しによるフィードバック制御が加えられる
中で、表面燐入れ処理が実施されるので、設定した基準
変形量の範囲内でねじ軸1本1本の焼入れを実施するこ
とができるのである。
従って、焼入れ後のねじ軸のねしピッチを一定の設定値
の範囲内の変動幅とすることができるので、焼入れ処理
後の研磨仕上げ加工に要する工数と費用を大きく低減す
ることができろ。また精度ランクの低い製品としてのね
し軸には、焼入れ処理後の仕上げ加工は省略することも
可能である。
次に本発明の第2実施例について説明する。第7図は第
2実施例の焼、入れ方法を実施する焼入装置1aの要部
の構成を示した図である。以下第2実施例の説明にあた
って、上記第1実施例と重複する部材、方法については
説明を省略する。従って第7図の焼入装置の図において
、第6図と同一部分は図示を省略する。
第2実施例では焼入れ用の誘導加熱コイルIIの手前側
にもう1個の予熱用の誘導加熱コイル15と、仕上げ転
造a−ル17を配設している点が、第1実施例の焼入装
置lの構成と異なる点である。
誘導加熱コイル15に電源16より電力を供給して、わ
し軸2を所定温度に加熱し、ねじ軸2と同期して回転し
ている一対の仕上げ転造ロール17により、ねじ軸2の
ねじ部に仕上げ温間転造加工を施す。続いて誘導加熱コ
イル11によって加熱昇温した後、冷却リング12から
放出される冷却液により急冷して表面焼入れを施す。上
記誘導加熱コイル15による加熱部にも表面温度を検出
する温度センサ18が設けられ、温度センサの検出温度
は制御装置20に制御データとして入力される。
上記のように構成された焼入装置1aにおける前記の第
3の条件を用いた焼入れ熱処理方法について説明する。
第1実施例の場合と同様に、ロット毎の試し加工および
焼入れを実施して、その場合の伸縮変形量、電力値、温
度センサ18の検出する予備加熱温度、温度センサI4
の検出する焼入れ加熱温度、および移送速度を計測検出
することによって、第2図(a)の関係から、焼入れ処
理後の伸縮変形量を語学変形量に制御するための焼入深
度γか算出される。
更に予め求めておいた夫々の予備加熱温度における第4
図(b)の関係により焼入深度をγとするための予備加
熱温度および移送速度V、電力値Pが算出され、基準熱
処理条件として設定される。
この場合周波数fは一定である。次に実際に各個別にね
じ軸を1本づつ焼入れ処理するに当たっては、予め設定
した基準変形量および焼入れ加S温度と、予め求めた第
2図(2L)および予熱温度の変化を含めた第4図(b
)の関係式を制御装置内に記憶させる。
以下第1実施例と同様にねじ軸を1本毎に基準熱処理条
件の移送速度V、電力量Pおよび予熱温度にて予備加熱
、仕上げ転造加工および表面焼入れ処理を施すと共に伸
縮変形量を連続的に計測し、計測結果を設定値と比較演
算して、その結果をフィードバックして焼入深度γの補
正を行う。この場合には予熱温度および移動速度Vと電
力量Pを変化させて焼入深度を補正してもよく、または
予熱温度と移送速度V、または予熱温度と電力量Pを変
化させて焼入深度を補正してもよく、あるいは予熱温度
だけ(焼入れ時の加熱温度が多少変動するが)または移
動速度Vと電力量Pだけを変化させて焼入深度の補正を
行って、伸縮変形量の安定化を図ってもよい。
上記の焼入れ熱処理方法を用いることにより、ねじ軸各
1本毎に伸縮変形量を設定範囲内に制御することができ
て、仕上げ研磨加工の低減あるいは省略か可能となる。
次に第3実施例について説明する。第5図は第3実施例
の焼入れ方法を実施する焼入装置の要部の構成を示した
図である。第1実施例と第2実施例と重複する説明は省
略して説明する。第3実施例に用いる焼入装置1bは前
記の第1実施例の焼入装置I(第6図(a)、(b))
または第2実施例の焼入装置1a(第7図)における伸
縮変形量や移送用などの検出センサおよび熱処理中に熱
処理条件の補正を行う制御装置を省略した構成に相当し
、被処理材のねじ軸2を保持する移動ベゾド6aおよび
ねじ軸2を加熱する誘導加熱コイル11と電源13と焼
入れ用冷却リング12と、移動ヘッド6aを移送するね
じ軸7を備えた移送手段から成る簡易な構成である。な
お図中に一点鎖線で示した予熱用の誘導加熱コイル15
および電源16を誘導加熱コイル11の平曲に配設して
しよく、更に前記の第2実施例(第7図)にて説明した
仕−Lげ転造ロール17を誘導加熱コイル15と11と
の間に配設してもよい。
第3実施例の焼入れ方法は被処理材のねじ軸が個々の間
に大きな材質等の差異がなく、従って熱処理による変形
量の差宥ら大きくない場合や、熱処理後の寸法精度の許
容値が大きい場合の熱処理方法として用いられる。即ち
、求めた焼入深度と移送速度、供給電力量2周波数、予
熱温度等の要因と伸縮変形量との関係から、ロフト別で
はなく共通の基準熱処理条件を設定するか、または前工
程でのロフト毎に行った試し熱処理における伸縮変形量
と、上記の要因の間に予め算出されている関係から導き
出された伸縮変形量からロソ)・毎の基q熱処理条件を
設定して、これらの設定条件で熱処理を実施するしので
ある。この場合には熱処理中のねじ軸2の伸縮変形量や
移送量などの検出や、それらの検出結果にらとづく熱処
理条件の補正は行わないので、焼入装置1bには各種検
出センサや演算処理部を有する制御装置は不要となり、
第5図に示した焼入装置の構成で実施することができる
本発明の実施にあたっては、−に記実施例に限定される
らのではなく例えば被処理材の移送速度Vや加熱位置の
検出は、前記以外の別の検出センサを用いても良く、ま
た時間のカウントにより移送量(加熱位置)を算出して
もよい。また焼入れ加熱温度や予熱温度を設定値の範囲
に維持するために、これらの温度の検出結果による供給
電力量の制御を、焼入深度の制御系と切り離して別系統
にて設定して、焼入深度の制御系の出力値に加算したり
、またフィードバック制御により供給電力量の制御を行
ってもよい。更に予め被処理材のロット間に材質その他
の差異か少なかったり、熱処理迄のnτI工程の加工経
歴か同じであることが明らかであったーリして熱処理に
よる伸縮変形量のロット間での差違が少ない場合や、製
品の寸法精度の許容値の大きい被処理材の場合には、ロ
フト毎の試し熱処理によるロットごとの、1熱処理条件
の算出手順は省略して、予め求めた焼入深度と移送速度
、供給電力量1周波数や予熱温度等の要因と伸縮変形量
との関係から語学伸縮変形量を得るための熱処理条件を
求め、それを共通の基準熱処理条件として前記の各実施
例にて示した熱処理方法による熱処理を実施するように
してもよい。
また前記の第1実施例、第2実施例および第3実施例に
て説明した第6図(a)、第7図および第5図における
電源13を可変周波数および可変電圧の機能を備えた電
源設備として、前記の第1の条件を用いて誘導加熱コイ
ルに供給する周波数と電力量を調整することによって、
または周波数と電力令、移動速度および予熱温度のうち
のいずれかまたは複数の組み合わせ条件を調整すること
によって熱処理深さを制御して被処理材の軸方向の伸縮
変形量を制御するようにしてもよい。
G 発明の効果 以上説明したように、本発明は表面熱処理における熱処
理深さの要因となる3つの加熱条件、即ち誘導加熱コイ
ルに供給する周波数およびその電力量、移送する被処理
材または誘導加熱コイルの移送速度および誘導加熱コイ
ルに供給する電力量。
長軸材に施す予熱温度および誘導加熱コイルに供給する
電力量と被処理材または誘導加熱コイルの移動速度の内
のいずれかの条件または複数の組み合わせ条件を用いて
長軸材の熱処理深さを調整して、被処理材の軸方向の伸
縮変形量を制御するもので、あるいは上記のいずれかの
条件または複数の組み合わせ条件による熱処理条件と熱
処理深さおよび軸方向の伸縮変形量との関係を予め算出
して基準熱処理条件を設定し、熱処理の実施に当たって
軸方向の伸縮変形量を連続的に検出し、基学内のいずれ
かまたは複数の組み合わせから成る熱処理条件を?il
i正して熱処理深さを自動制御するこ □とにより、第
1には熱処理を施した部(オの寸法精度のバラツキが少
なくなり、品質の安定が得られると共に、熱処理a11
の経歴に応じて処理条件を試し熱処理において対応でき
るので、安定的な熱処理が実施できてロフト不良等は生
じない。
第2には熱処理後の仕上げ加工を完全省略できるか、仕
上げ加工代を軽減することができる。これに伴って仕上
げ加工工数は不要となるかまたは大幅に削減されて加工
人件費ら低減されると共に、仕上げ加工機械を削減また
は台数を低減することができて機械のための設備費用や
償却費を大幅に低減することができる。
第3には上記によるコストの低減と合わせて受注から納
品までの納期を大幅に短縮することができる。
以上のような大きな効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は被処理材の移動速度と焼入れ後の表面か
らの硬度分布(焼入深度)との関係を示し、第1図(b
)は加熱電力の周波数と被処理材の表面からの硬度分布
(焼入深度)との関係を示し、第2図(a)、(b)は
被処理材の伸縮変形量と焼入深度との関係を示し、第3
図は焼入深度と誘導加熱コイルに供給する周波数および
電力量との関係を示し、第4図(a)、(b)は予熱な
しおよび予熱ありの夫々の場合の焼入深度と被処理材の
移送速度および誘導加熱コイルに供給する電力量との関
係を示し、第5図は第3実施例に用いた焼入装置の構成
を示し、第6図(a)は第1実施例に用いた焼入装置の
構成を示し、第6図(b)は第1実施例の焼入れ処理方
法の制御信号1、la、Ib・・焼入装置、2・・・ね
じ軸(被処理材)、3・・・チャック、4 ・センター
バー、8・・移送用モータ、9・・・パルスエンコーダ
、10・・・伸縮量検出センサ、11.15・・・誘導
加熱コイル、12・・・焼入れ用冷却リング、13.1
6・・・電源、14.18・・・温度センサ、17・・
・仕上げ転造ロール。 第1図(a) 第1図(b) 第2図(a) 第2図(b) 1+ 013   焼入深度(mm) 第4図(a)         第4図(b)vl  
 V3  移送速度   予熱あり   V、   v
3  移送速度第5図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)長軸材の軸方向に長軸材または誘導加熱コイルを
    移送して表面に熱処理を施す長軸材の表面熱処理方法に
    おいて、 第1の条件としての誘導加熱コイルに供給する周波数お
    よびその電力量、第2の条件としての移送する長軸材ま
    たは誘導加熱コイルの移送速度および誘導加熱コイルに
    供給する電力量、第3の条件としての長軸材に施す予熱
    の温度および誘導加熱コイルに供給する電力量と長軸材
    または誘導加熱コイルの移動速度の内のいずれかの条件
    または複数の組み合わせ条件を用いて長軸材の熱処理深
    さを調整して、熱処理によって発生する軸方向の伸縮変
    形量を制御することを特徴とした長軸材の表面熱処理方
    法。
  2. (2)長軸材の軸方向に長軸材または誘導加熱コイルを
    移送して表面に熱処理を施す長軸材の表面熱処理方法に
    おいて、 第1の条件としての誘導加熱コイルに供給する周波数お
    よびその電力量、第2の条件としての移送する長軸材ま
    たは誘導加熱コイルの移送速度および誘導加熱コイルに
    供給する電力量、第3の条件としての長軸材に施す予熱
    の温度および誘導加熱コイルに供給する電力量と長軸材
    または誘導加熱コイルの移動速度の3条件の内のいずれ
    かまたは複数の組み合わせからなる熱処理条件と、長軸
    材の熱処理深さおよび軸方向の伸縮変形量との関係を予
    め算出して基準伸縮変形量に対する基準熱処理条件を設
    定し、熱処理を実施するに当たって軸方向の伸縮変形量
    を連続的に検出して、この検出量と基準伸縮変形量の比
    較値を制御量として算出し、前記3条件の熱処理条件の
    内のいずれかまたは複数の組み合わせから成る熱処理条
    件を補正して熱処理深さを自動制御することにより軸方
    向の伸縮変形量を調整することを特徴とした長軸材の表
    面熱処理方法。
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