JP3489636B2 - 耐熱性複合材組成物及びそれより得られる耐熱性複合材 - Google Patents

耐熱性複合材組成物及びそれより得られる耐熱性複合材

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JP3489636B2
JP3489636B2 JP11998294A JP11998294A JP3489636B2 JP 3489636 B2 JP3489636 B2 JP 3489636B2 JP 11998294 A JP11998294 A JP 11998294A JP 11998294 A JP11998294 A JP 11998294A JP 3489636 B2 JP3489636 B2 JP 3489636B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性複合材組成物及
びそれより得られる耐熱性複合材に関し、詳しくは、プ
レス成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、RIM成
形、RI成形等の成形法における樹脂型材や樹脂型を製
造するために好適に用いることができる耐熱性複合材組
成物と、そのような組成物から得られる耐熱性複合材、
特に、樹脂型やブロック材に関する。
【0002】
【従来の技術】プレス成形機や射出成形機等のような成
形機には、一般に、鋼やアルミニウム等の金属からなる
金属製の金型が用いられているが、そのような金型は、
切削加工、研磨加工等、その製作に多くの時間を要する
ので、非常に高価であり、多品種少量生産が多い近年の
プラスチック成形においては、製品価格全体に占める金
型の割合が高く、不経済である。
【0003】そこで、従来の金属製の金型に代わるもの
として、アルミニウム、鉄等の金属粉をエポキシ樹脂等
に混合し、それを硬化させてなる樹脂型の利用が提案さ
れている。しかし、そのような熱硬化性樹脂の硬化物
は、機械的強度、熱間強度、熱伝導性、線膨張係数、表
面状態、耐熱性等の特性が必ずしも十分でなく、使用に
おいて、型の表面が変形し、又は摩耗するので、樹脂型
の使用回数が限られることとなり、実用性に欠ける。
【0004】他方、ビス(2−オキサゾリン)化合物を
主たる原料として、熱硬化性樹脂組成物を得ることがで
きることは、既に知られている。例えば、ビス(2−オ
キサゾリン)化合物と脂肪族ジカルボン酸とを反応させ
ることによって、架橋樹脂を得ることができることは、
特開平2−36321号公報に記載されている。ビス
(2−オキサゾリン)化合物に芳香族ポリアミノ化合物
を反応させることによって、架橋樹脂を得ることができ
ることは、例えば、特開昭63−241029号公報に
記載されている。特開平2−32129号公報には、ビ
ス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族ポリアミノ化合
物と多価カルボン酸とから架橋樹脂を製造する方法が記
載されている。特開平1−113422号公報には、ビ
ス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族ポリアミノ化合
物とポリエポキシ化合物とから架橋樹脂を製造する方法
が記載されている。
【0005】また、高分子討論会第36回(1987
年)予稿集第3535〜3537頁に記載されているよ
うに、ビス(2−オキサゾリン)化合物は、エポキシ化
合物とも反応して、架橋樹脂を与えることが知られてい
る。しかし、この反応は、高温長時間を必要とし、実用
性に乏しい。
【0006】本発明者らは、従来の樹脂型材や樹脂型に
おける上述したような問題を解決するために、ビス(2
−オキサゾリン)化合物を主たる原料とする架橋樹脂の
製造と関連して、鋭意研究した結果、ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物を主たる原料とする熱硬化性樹脂組成物
は、これに金属粉粒物及び/又は無機充填材を多量に配
合することができ、しかも、このようにして得られる耐
熱性複合材組成物は、これを硬化させることによって、
強度、切削性、表面性等の諸特性にすぐれ、かくして、
種々のプラスチック成形において実用し得る樹脂型材や
樹脂型を容易に得ることができることを見出して、本発
明に至ったものである。
【0007】従って、本発明は、一般的には、耐熱性複
合材組成物及びそれより得られる耐熱性複合材を提供す
ることを目的とし、特に、種々のプラスチック成形にお
いて、実用し得る樹脂型材や樹脂型の製造に好適に用い
ることができる耐熱性複合材組成物と、そのような組成
物を硬化してなる樹脂型やブロック材を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による耐熱性複合
材組成物は、ビス(2−オキサゾリン)化合物を主成分
とする熱硬化性樹脂組成物100重量部に金属粉粒物及
び/又は無機充填材を100〜3000重量部の範囲に
て配合してなることを特徴とする。
【0009】特に、本発明による耐熱性複合材組成物に
おいては、上記熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは、 (A) ビス(2−オキサゾリン)化合物と (B) 芳香族多価アミノ化合物とを含み、より好ましく
は、更に、 (C) 変性剤として、(C1)ポリエポキシ化合物、(C2)多価
カルボン酸、(C3)芳香族メルカプトカルボン酸、及び(C
4)芳香族アミノカルボン酸から選ばれる少なくとも1種
を含んでなるものである。
【0010】本発明において、樹脂型材とは、樹脂型、
マスター型、ブロック材、反転型等を製作するための材
料としての組成物であって、通常、熱硬化性樹脂組成
物、硬化剤、金属粉粒物、無機充填材等からなる。樹脂
型とは、主として、マスター型や反転型を利用して、上
記樹脂型材を注入法や、又は基材に盛りつけた後、硬化
させてなる型をいう。得られた樹脂型は、試作型や少量
生産型として用いられる。ブロック(材)とは、上記樹
脂型材を一定の型枠に注入し、硬化させたものであっ
て、更に、切削加工して、金型全体又は金型の一部に用
いるためのブロック状の材料をいう。注入法以外に、盛
り付け法によっても、ブロック(材)を製作することが
できる。
【0011】本発明において用いるビス(2−オキサゾ
リン)化合物は、
【0012】
【化1】
【0013】(但し、Rは炭素間結合又は2価の炭化水
素基を示し、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素、アルキ
ル基又はアリール基を示す。)で表わされ、Rが炭化水
素基のとき、具体例としてアルキレン基、シクロアルキ
レン基又はアリーレン基等を挙げることができる。
【0014】かかるビス(2−オキサゾリン)化合物の
具体例として、Rが炭素間結合のとき、例えば、2,2'−
ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オ
キサゾリン)、2,2'−ビス(5,5'−ジメチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(4,4,4',4'−テトラメチル−2
−オキサゾリン)等を挙げることができる。
【0015】また、Rが2価の炭化水素基のうち、アル
キレン基であるとき、例えば、1,2−ビス(2−オキサ
ゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾリ
ン−2−イル)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリ
ン−2−イル)オクタン等を挙げることができ、シクロ
アルキレン基であるときは、例えば、1,4−ビス(2−
オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン等を挙げるこ
とができ、また、アリーレン基であるときは、例えば、
1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、
1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、
1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、
1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサゾ
リン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−
2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス
(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベン
ゼン等を挙げることができる。これらは単独で、又は2
種以上の混合物として用いられる。
【0016】本発明においては、これらのなかでは、芳
香族系ビス(2−オキサゾリン)化合物が好ましく、特
に、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ンが好ましく用いられる。
【0017】本発明において、熱硬化性樹脂組成物は、
上記ビス(2−オキサゾリン)化合物を主成分とする
が、好ましくはこの化合物と共に芳香族多価アミノ化合
物を含む。
【0018】上記分子内にアミノ基を少なくとも2つ有
する芳香族多価アミノ化合物は、単環式、多環式又は縮
合多環式化合物のいずれであってもよく、具体例とし
て、単環式化合物として、例えば、o−、m−又はp−
フェニレンジアミン、2,3−又は2,4−又は2,5−トル
イレンジアミン等を、多環式化合物として、例えば、4,
4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジ
アミノビフェニル、4,4'−ジアミノトリフェニルメタ
ン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、2,
2',5,5’−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、
4,4'−メチレンビスアニリン、4,4'−メチレンビス(2
−クロロアニリン)、2,2'−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフイド、4,4'−ビス
(アミノフェニル)アミン等を、また、縮合多環式化合
物として、例えば、ナフチレンジアミン等を挙げること
ができる。
【0019】上記したなかでは、多環式化合物、例え
ば、4,4'−メチレンビスアニリン、4,4'−メチレンビス
(2−クロロアニリン)、1,3−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフイド、2,2'−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等
の芳香族ジアミノ化合物が好ましく用いられる。これら
芳香族多価アミノ化合物は、単独にて、又は二種以上の
混合物として用いられる。
【0020】更に、本発明において、熱硬化性樹脂組成
物は、上記ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族多
価アミノ化合物と共に、(C1)ポリエポキシ化合物、(C2)
多価カルボン酸、(C3)芳香族メルカプトカルボン酸、及
び(C4)芳香族アミルカルボン酸から選ばれる少なくとも
1種を含む。
【0021】本発明において、ポリエポキシ化合物は、
例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールF型ジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルS型ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノ
ールA型ジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エ
ポキシ化合物、例えば、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロ
フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸
ジグリシジルエステル等のフタル酸型エポキシ化合物、
ダイマー酸ジグリシジルエステル、8,11−ジメチル−7,
11−オクタデカジエン−1,18−ジグリシジルエステル、
7−エチルオクタデカンジグリシジルエステル等の脂肪
族系エポキシ化合物、また、p−オキシ安息香酸ジグリ
シジルエステルグリシジルエステルや、更に、これら以
外にも、例えば、フェノールノボラックグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポ
キシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂も挙げることができ
る。
【0022】これらは、単独で、又は混合物として用い
られる。これらのなかでは、特に、ビスフェノールA型
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジ
ルエーテル等のビスフェノール型エポキシ化合物が好ま
しく用いられる。
【0023】本発明において用いる多価カルボン酸は、
脂肪族、脂環族、芳香族いずれであってもよく、例え
ば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
ダイマー酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、
例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルメタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等の脂肪族及
び芳香族多塩基酸を挙げることができる。これらの多塩
基酸は単独で、又は2種以上の混合物として用いること
ができる。
【0024】上記したなかでは、ジカルボン酸、特に、
脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等)や、芳香族ジカルボン酸(例えば、
テレフタル酸等)が好ましく用いられる。
【0025】本発明においては、芳香族メルカプトカル
ボン酸としては、モノメルカプト置換安息香酸が好まし
く用いられ、特に、チオサリチル酸が好ましく用いられ
る。
【0026】また、芳香族アミノカルボン酸としては、
2,4−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等の
ジアミノ置換安息香酸や、p−アミノ安息香酸、o−ア
ミノ安息香酸(アントラニル酸)、3−アミノ−4−ク
ロロ安息香酸等のモノアミノ置換安息香酸、アミノナフ
トエ酸等のモノアミノ置換ナフトエ酸を挙げることがで
きる。本発明においては、これらのなかでは、モノアミ
ノ置換安息香酸が好ましく用いられ、特に、p−アミノ
安息香酸が好ましく用いられる。
【0027】前記高分子討論会第36回(1987年)
予稿集第3535〜3537頁に記載されているよう
に、ビス(2−オキサゾリン)化合物がポリエポキシ化
合物と反応するには、例えば、150℃で30時間以上
の高温長時間を必要とし、本発明における熱硬化性樹脂
組成物を硬化させるための反応条件下では、ビス(2−
オキサゾリン)化合物とポリエポキシ化合物との反応
は、通常、これを無視することができ、ポリエポキシ化
合物は、主として、芳香族多価アミノ化合物、多価カル
ボン酸、芳香族メルカプトカルボン酸及び/又は芳香族
アミノカルボン酸と反応する。
【0028】そこで、本発明において、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物と芳香族多価アミノ化合物と共に、変
性剤として、ポリエポキシ化合物、多価カルボン酸、芳
香族メルカプトカルボン酸及び芳香族アミノカルボン酸
の少なくとも1種を用いて、熱硬化性樹脂組成物を調製
する際に、これら原料の割合は、目的とする硬化物、例
えば、樹脂型の要求物性等によつて適宜に決定される
が、通常、オキサゾリン環の数+オキシラン環の数≧ア
ミノ基の数+カルボキシル基の数+メルカプト基の数を
満足するように用いることが好ましい。オキサゾリン環
の数+オキシラン環の数<アミノ基の数+カルボキシル
基の数+メルカプト基の数となる場合は、得られる硬化
物が機械的強度等の物性において十分でないことがあ
る。
【0029】本発明による耐熱性複合材組成物は、上述
したようなビス(2−オキサゾリン)化合物を主成分と
する熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、金属粉
粒物及び/又は無機充填材を100〜3000重量部、
好ましくは、100〜1000重量部、更に好ましくは
150〜400重量部、最も好ましくは200〜300
重量部の範囲にて含有する。上記含有量は、金属粉粒物
と無機充填材を併用する場合、その合計量を意味する。
【0030】金属粉粒物としては、例えば、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル、銀、銅、ステンレス鋼、イリジウ
ム、オスミウム、白金、金、タングステン等の粉粒物を
挙げることができるが、通常、アルミニウム粉粒物が好
ましく用いられる。
【0031】このような金属粉粒物の形状は、粉状及び
粒状のほか、ビーズ状、チョップ状、ペレット状、箔
状、繊維状等であってよく、また、その大きさは、形状
にもよるが、例えば、粉状では、1μm以下の微粉末か
ら数千μm、粒状では、1〜20mm程度のものが好まし
く用いられる。例えば、アルミニウム粉粒物の場合は、
1〜4000μm、好ましくは5〜300μm、更に好
ましくは10〜100μmの範囲のものが好ましく用い
られる。チョップ状やペレット状では、直径1〜5mmの
線材を長さ1〜10mmに切断したものも用いられる。ま
た、このような金属粉粒物は、単独で配合されてもよ
く、また、必要に応じて、大きさや種類の異なるものの
混合物として用いることもできる。
【0032】本発明において、無機充填材とは、金属を
除く無機物からなる充填材であって、従来より、樹脂型
の分野にて用いられているものであれば、特に限定され
るものではない。具体例としては、例えば、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン等の酸化物、水酸化アルミニウム等
の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭
酸塩、タルク、クレー、ベントナイト等のケイ酸塩等
や、ガラズビーズ等を挙げることができる。
【0033】用いる無機充填材の形状寸法も、金属粉粒
物と同様に、粉状及び粒状のほか、ビーズ状、チョップ
状、ペレット状、箔状、繊維状等であってよく、また、
その大きさは、形状にもよるが、例えば、粉状では、0.
5〜4000μm、粒状では、1〜20mm程度のものが
好ましく用いられる。チョップ状やペレット状では、直
径1〜5mm、長さ1〜10mm程度のものも用いられる。
【0034】本発明において、耐熱性複合材組成物にお
ける金属粉粒物及び/又は無機充填材の配合量は、厳密
には、用いる金属粉粒物や無機充填材の種類や形状、大
きさ等にもよるが、一般に、熱硬化性樹脂組成物100
重量部に対して、100〜3000重量部の範囲であ
る。
【0035】例えば、アルミニウム粉粒物の場合、熱硬
化性樹脂組成物100重量部に対して、その配合量が1
00重量部よりも少ないときは、本発明による耐熱性複
合材組成物を液体混合物とし、これを例えば注型成形す
るに際して、液体混合物の粘度が低すぎるために、樹脂
組成物とアルミニウム粉粒物とが分離したり、硬化させ
て得られた耐熱性複合材が切削性、表面性、熱伝導率、
弾性率、強度等の諸物性において低下し、樹脂型やブロ
ック材の製作に用いることが困難な場合がある。他方、
アルミニウム粉粒物は、熱硬化性樹脂組成物100重量
部に対して、通常、350重量部程度まで配合すること
ができ、粘度低下剤を併用すれば、通常、400重量部
程度まで配合することができる。
【0036】しかし、鉄粉やステンレス粉の場合は、熱
硬化性樹脂組成物100重量部に対して、通常、100
0重量部程度まで配合することができ、更に、比重の大
きい金属、例えば、前記イリジウム、オスミウム、タン
グステン等では、熱硬化性樹脂組成物100重量部に対
して、3000重量部程度まで、配合することができ
る。
【0037】また、無機充填材については、例えば、炭
酸カルシウムは、熱硬化性樹脂組成物100重量部に対
して500重量部程度まで配合することができる。無機
充填材も、単独で、又は2種以上の混合物として用いる
ことができる。
【0038】このように、本発明による耐熱性複合材組
成物は、熱硬化性樹脂組成物に金属粉粒物及び/又は無
機充填材を配合してなり、これを硬化させることによっ
て、強度、切削性、表面性等にすぐれた耐熱性複合材を
得ることができ、また、金属粉粒物を用いた場合には、
耐熱性複合材は、多量の金属粉粒物を配合してなるの
で、硬化物としたときに、その表面層に多くの金属粉粒
物を露出させることができる。例えば、アルミニウム粉
粒物の場合は、熱硬化性樹脂組成物100重量部に対し
て300重量部程度を配合することができるので、硬化
物としたときに、その表面層に多くのアルミニウム粉粒
物を露出させることができる。従って、このように、多
くの金属粉粒物を露出させた表面層には、直接にめっき
を施すことができ、しかも、このように直接にめっきを
施しためっき層は、硬化物の表面との密着性及び接着性
が格段にすぐれている。また、用いる金属粉粒物の粒径
や形状を調節することによって、めっき層の表面平滑性
を向上させることができる。
【0039】また、本発明においては、金属粉粒物や無
機充填材は、樹脂との接着性の改良や充填率を高める等
を目的として、予め表面処理を施してもよい。この表面
処理に用いる表面処理剤としては、従来より、樹脂型や
成形材料の分野において用いられている任意のものでよ
く、例えば、ボラン、シラン、ガラン等を挙げることが
できる。
【0040】本発明による耐熱性複合材組成物は、好ま
しくは、触媒の存在下に硬化させて、硬化物を得る。即
ち、ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族多価アミ
ノ化合物と前記変性剤とを反応させ、硬化させるに際し
ては、オキサゾリン環開環重合触媒を用いる。
【0041】オキサゾリン環開環重合触媒としては、例
えば、Polymer J., Vol.3, No.1,p. 35-39 (1972) や、
「講座重合反応論7、開環重合II、p. 159-164、化学同
人(1973)に記載されているようなカチオン触媒が用いら
れる。このような触媒の具体例として、例えば、強酸、
スルホン酸エステル、硫酸エステル、ルイス酸、脂肪族
又は脂環族炭素、例えば、アルキル炭素やアルキレン炭
素に結合したハロゲン原子を少なくとも1つ有する有機
ハロゲン化物等を挙げることができる。
【0042】強酸としては、例えば、リン酸、硫酸、硝
酸等のオキソ酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、硫化水素等の水素酸等の鉱酸、例えば、フェニル
リン酸、メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、ナフタレン−α−スルホン酸、ナ
フタレン−β−スルホン酸等のアレーンスルホン酸、ス
ルファニル酸、フェニルホスホン酸等の有機酸を挙げる
ことができる。これら強酸は、それ自体を用いてもよい
が、また、芳香族多価アミノ化合物の塩を形成させて、
これを用いることができ、また、変性剤として、芳香族
アミノカルボン酸を用いるときは、その塩を形成させ
て、それを用いることもできる。
【0043】スルホン酸エステルとしては、例えば、p
−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸
エチル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル等のアレー
ンスルホン酸アルキルエステルを挙げることができる。
硫酸エステルとしては、例えば、ジメチル硫酸やジエチ
ル硫酸を挙げることができる。ルイス酸としては、例え
ば、塩化アルミニウム、塩化第二スズ、塩化バナジウ
ム、塩化バナジル、三フッ化ホウ素等を挙げることがで
きる。
【0044】前記した有機ハロゲン化物の好ましい例
は、モノハロアルカン及びポリハロアルカンであつて、
例えば、具体例として、ヨウ化メチル、塩化ブチル、臭
化ブチル、ヨウ化ブチル、臭化n−ヘキシル、塩化オク
チル、臭化n−オクチル、臭化ラウリル、臭化ステアリ
ル、臭化アリル、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジブロ
モプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモ
ブタン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタ
ン、2,3−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、
1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、四
臭化エタン等を挙げることができる。更に、有機ハロゲ
ン化物の他の好ましい具体例として、例えば、臭化ベン
ジル、p,p'−ジクロロメチルベンゼン等のモノハロメチ
ルベンゼンやポリハロメチルベンゼン、α−ブロモプロ
ピオン酸エチル、α−ブロモイソ酪酸エチル等のハロゲ
ン化脂肪酸エステルを挙げることができる。更に、塩化
シクロヘキシル、臭化シクロヘキシル、ヨウ化シクロヘ
キシル等のハロゲン化シクロヘキシルも用いることがで
きる。
【0045】これら有機ハロゲン化合物は、一般に、加
温によつて容易に芳香族アミノ化合物と塩を形成し、カ
チオン種として、ハロゲン化水素を発生するので、本発
明において、触媒として、有利に用いられる。これらオ
キサゾリン環開環重合触媒は、単独にて、又は2種以上
の混合物として用いられる。
【0046】また、本発明においては、必要に応じて、
触媒として、亜リン酸又は有機亜リン酸エステルを併用
することができる。特に、亜リン酸又は有機亜リン酸エ
ステルは、アミノ基をもたない変性剤を用いる場合に、
その反応を促進するのに有用である。
【0047】上記有機亜リン酸エステルとしては、モ
ノ、ジ及びトリエステルが好ましく、例えば、亜リン酸
モノフェニル、亜リン酸モノ(クロロフェニル)、亜リ
ン酸モノ(ノニルフェニル)、亜リン酸モノ(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)等の亜リン酸モノエステル、亜
リン酸ジフェニル、亜リン酸ジ(クロロフェニル)等の
亜リン酸ジエステル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸
トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリス(4−クロ
ロフェニル)、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n
−ブチル、亜リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、亜
リン酸トリステアリル、亜リン酸ジフェニルモノデシ
ル、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファ
イト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールテトラホスファイト、亜リン酸 4,4' −ブチ
リデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ
−トリデシル)、ビスフェノールAペンタエリスリトー
ルホスファイト等の亜リン酸トリエステルを挙げること
ができる。これらは単独で、又は2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0048】このような触媒は、特開平1−11342
2号公報、特開平1−221414号公報、特開平1−
132623号公報、特開平5−78479号公報等に
記載されているように、既に知られている。このような
触媒を用いることによって、反応温度を低くすることが
でき、或いは反応に要する時間を短くすることができ
る。
【0049】本発明において、これらの触媒は、樹脂原
料、即ち、前記したビス(2−オキサゾリン)化合物と
芳香族多価アミノ化合物と変性剤の合計重量に基づい
て、0.05〜5重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.
1〜3重量%の範囲で用いられる。
【0050】本発明においては、上記熱硬化性樹脂組成
物は、粉粒状金属や無機充填材以外にも、通常の熱硬化
性樹脂組成物の成形において用いられている消泡剤、安
定剤、顔料、難燃剤等の任意の添加剤を含んでいてもよ
い。
【0051】例えば、消泡剤は、鉱物油系、有機極性化
合物系、シリコーン樹脂系、変性ビニル樹脂系、変性ア
クリル樹脂系等、既に種々のものが知られており、特
に、限定されるものではないが、例えば、BYK−06
6(特殊変性ポリシロキサン系)、BYK−070(シ
リコーン樹脂と破泡剤)、BYK−A501、BYK−
A510、BYK−A515(シリコーンを含まない破
泡性物質と潤滑剤等との組合わせ)(以上、いずれも、
ビックケミー・ジャパン(株)製)等として市販されて
いるものや、或いはシリコーン系樹脂を他の成分に配合
してなるものが好ましく用いられる。
【0052】本発明において、消泡剤の添加量は、熱硬
化性樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜5重量
部、好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.
05〜0.2重量部の範囲である。消泡剤を用いることに
よって、型材の脱泡が容易となり、本発明による組成物
を樹脂型等の製造に用いた場合に、ボイドのないものを
得ることができる。
【0053】本発明による耐熱性複合材組成物は、ビス
(2−オキサゾリン)化合物と芳香族多価アミノ化合物
と変性剤とを主成分とする熱硬化性樹脂組成物に触媒と
金属粉粒物及び/又は無機充填材を配合してなり、通
常、上記熱硬化性樹脂組成物を加熱し、均一な溶融物、
即ち、樹脂液を調製し、これに触媒を加え、更に、消泡
剤やその他の添加剤と金属粉粒物及び/又は無機充填材
とを加えることによって、均一な液状混合物として得る
ことができ、このような熱硬化性樹脂組成物の硬化温
度、又は必要に応じてより高い温度に加熱し、硬化させ
れば、本発明による硬化物としての樹脂型やブロック材
を得ることができる。
【0054】特に、樹脂型を製作するには、上記熱硬化
性樹脂組成物に触媒と金属粉粒物及び/又は無機充填材
を配合してなる組成物を加熱し、均一な混合物とし、脱
泡し、他方、マスター型に離型剤を塗布し、このマスタ
ー型に上記組成物を注入し、加熱硬化させ、脱型すれば
よい。
【0055】硬化温度は、用いる樹脂原料の種類やその
組成、触媒の種類やその量等によっても異なるが、通
常、80℃以上、好ましくは、100〜300℃の範囲
の温度であり、特に好ましくは、100〜200℃の範
囲の温度である。また、硬化時間も、硬化温度、用いる
樹脂原料や触媒の種類、その量等によっても異なるが、
通常、約1分から10時間程度である。
【0056】離型剤は、特に、限定されるものではな
く、通常のプラスチック成形において用いられているも
のが適宜に用いられる。従って、そのような離型剤とし
て、例えば、ジエチレングリコールモノステアレートの
ような脂肪族エステル合成油、ステアリン酸やオレイン
酸等のような脂肪酸、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸
カルシウムのような金属石ケン、エチレンビスステアラ
ミドのような脂肪族アミド、脂肪族アルコール、動植物
油、セルロース誘導体、ポリジメチルシロキサンのよう
なシリコーン樹脂系、ポリテトラフルオロエチレンポリ
フルオロアクリレートのようなフッ素樹脂系、ポリエチ
レンのようなポリオレフィン樹脂系、ポリビニルアルコ
ール、タルク等を挙げることができる。例えば、ダイフ
リーA471(ダイキン工業(株)製)として市販され
ているフッ素樹脂系のものが好ましく用いられる。これ
ら離型剤は、マスター型、反転型、型枠等の種類にもよ
るが、型表面全体を被覆する程度に噴霧又は塗布して用
いられる。
【0057】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、得られた硬化物の熱変形温度
は、18.5kg/cm2 の荷重下での測定値である。
【0058】実施例1 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6
48g(3モル)と4,4'−メチレンビスアニリン594
g(3モル)とポリエポキシ化合物(油化シェルエポキ
シ(株)製エピコート828、主成分はビスフェノール
Aジグリシジルエーテル)372g(1モル)を秤り取
り、この混合物を120℃に保持した油浴中で攪拌下に
加熱したところ、約110℃の温度にて均一透明な液体
となった。
【0059】次いで、この液体状混合物に触媒として臭
化オクチル8.07gを加え、更に、消泡剤(BYK−0
70)0.807gを加え、攪拌混合した。更に、これに
平均粒径45μm以下のアルミニウム粉4035gを加
え、よく攪拌した後、真空脱泡し、次いで、予め130
℃の温度に加熱した金型(20×20×10cm)に注入
し、130℃の乾燥機内に1時間置いて、硬化させ、更
に、この後、150℃の温度で5時間硬化させた。
【0060】このようにして得られた硬化物の物性を表
1に示す。得られた硬化物の内部にボイドはみられず、
また、フライスにて切削したところ、切削速度に関係な
く、切削性が良好で、端部に欠けの発生がなく、切子の
飛散も少なく、作業性にすぐれるものであった。表面を
研磨紙で磨いた硬化物は、表面性にすぐれており、樹脂
型としての要求特性に十分に応えるものであった。更
に、この硬化物を用いて、SMC(シート・モールディ
ング・コンパウンド)の圧縮成形を行ない、成形温度1
30℃、成形圧力50kgf/cm2 の条件下に型表面の再現
性にすぐれた成形品を得ることができた。
【0061】実施例2 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
64g(4モル)と4,4'−メチレンビスアニリン594
g(3モル)とエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製エピコート828)372g(1モル)を秤り
取り、この混合物を130℃に保持した油浴中で攪拌下
に加熱したところ、約120℃の温度にて均一透明な液
体となった。
【0062】次いで、この液体状混合物に触媒として臭
化オクチル9.15gを加え、更に、消泡剤(BYK−0
70)0.915gを加え、攪拌混合した。更に、これに
平均粒径45μm以下のアルミニウム粉4035gを加
え、よく攪拌した後、真空脱泡し、次いで、予め130
℃の温度に加熱した金型(20×20×10cm)に注入
し、130℃の乾燥機内に1時間置いて、硬化させ、更
に、この後、160℃の温度で5時間硬化させた。
【0063】このようにして得られた硬化物の物性を表
1に示す。得られた硬化物の内部にボイドはみられず、
また、フライスによる切削作業性や研磨表面の表面性
は、実施例1と同様にすぐれており、樹脂型としての要
求特性に十分に応えるものであった。更に、実施例1と
同様の成形条件によるSMCの圧縮成形についても、型
表面の再現性にすぐれた成形品を得ることができた。
【0064】実施例3 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6
048g(28モル)と4,4'−メチレンビスアニリン4
158g(21モル)とエポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ(株)製エピコート828)2604g(7モル)
を秤り取り、この混合物を130℃に保持した熱風乾燥
機中で加熱し、溶融後、攪拌混合したところ、約120
℃の温度にて均一透明な液体となった。
【0065】次いで、この液体状混合物に触媒として臭
化オクチル64.1gを加え、更に、消泡剤(BYK−0
70)6.4gを加え、攪拌混合した。更に、これに平均
粒径45μm以下のアルミニウム粉28245gを加
え、よく攪拌した後、真空脱泡し、次いで、予め130
℃の温度に加熱した金型(40×40×15cm)に注入
し、130℃の乾燥機内に1時間置いて、硬化させ、更
に、この後、160℃の温度で5時間硬化させた。
【0066】このようにして得られた硬化物は、重量が
40kg以上の大型であるにもかかわらず、その内部にボ
イドはみられず、また、フライスによる切削作業性や研
磨表面の表面性は、実施例2と同様にすぐれており、樹
脂型としての要求特性に十分に応えるものであった。更
に、これに無電解ニッケル−リンめっきを施したもの
は、実施例2と同様の成形条件によるSMCの圧縮成形
についても、型表面の再現性にすぐれた成形品を得るこ
とができた。
【0067】実施例4 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
64g(4モル)と4,4'−メチレンビスアニリン594
g(3モル)とポリエポキシ化合物(油化シェルエポキ
シ(株)製エピコート828)372g(1モル)を秤
り取り、この混合物を130℃に保持した油浴中で攪拌
下に加熱したところ、約120℃の温度にて均一透明な
液体となった。
【0068】次いで、この液体状混合物に触媒として臭
化オクチル9.15gを加え、更に、消泡剤(BYK−0
70)0.915gを加え、攪拌混合した。更に、これに
平均粒径45μm以下のアルミニウム粉4575gを加
え、よく攪拌した後、真空脱泡し、次いで、予め130
℃の温度に加熱した金型(20×20×10cm)に注入
し、130℃の乾燥機内に1時間置いて、硬化させ、更
に、この後、160℃の温度で5時間硬化させた。
【0069】このようにして得られた硬化物の物性を表
1に示す。得られた硬化物の内部にボイドはみられず、
また、フライスによる切削作業性や研磨表面の表面性
は、実施例1と同様にすぐれており、樹脂型としての要
求特性に十分に応えるものであった。更に、実施例1と
同様の成形条件によるSMCの圧縮成形についても、型
表面の再現性にすぐれた成形品を得ることができた。
【0070】実施例5 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
64g(4モル)と4,4'−メチレンビスアニリン396
g(2モル)とチオサリチル酸77g(0.5モル)を秤
り取り、この混合物を130℃に保持した油浴中で攪拌
下に加熱したところ、約120℃の温度にて均一透明な
液体となった。次いで、この液体状混合物に触媒として
臭化オクチル13.37gを加え、更に、消泡剤(BYK
−070)1.34gを加え、攪拌混合した。
【0071】更に、これに平均粒径45μm以下のアル
ミニウム粉3342gを加え、よく攪拌した後、真空脱
泡し、次いで、予め130℃の温度に加熱した金型に注
入し、130℃の乾燥機内に1時間置いて、硬化させ、
更に、この後、160℃の温度で5時間硬化させて、硬
化物を得た。
【0072】比較例1 エポキシ樹脂系型材T−301(長瀬チバ(株)製)の
主としてアルミニウム粉が配合されている主剤T−30
1/R−4を3000gと硬化剤T−301/H−4を
420g秤りとり、よく攪拌し、次いで、これを真空脱
泡した後、予めパラフィン系離型剤QZ−11B(チバ
・ガイギー社製)を塗布し、60℃に予備加熱しておい
たアルミニウム製型枠に注入し、60℃で8時間、次
に、180℃で20時間、硬化させた。
【0073】このようにして得られた硬化物の物性を表
1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐熱性複合材組
成物によれば、強度、切削性、耐圧縮性、熱伝導性、表
面性等にすぐれた硬化物からなる耐熱性複合材を容易に
得ることができ、従って、このような硬化物は、特に、
樹脂型やブロック材として用いることができる。このよ
うな樹脂型やブロック材は、従来のものに比べて、金型
に近い耐久性を備えており、プレス成形、射出成形、真
空成形、FRP成形、RIM成形、RI成形等の種々の
プラスチック成形に有利に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 繁親 大阪市西淀川区姫里1丁目14番25号 株 式会社三木製作所内 (56)参考文献 特開 平5−78479(JP,A) 特開 平3−212451(JP,A) 特開 平2−32129(JP,A) 特開 平1−113422(JP,A) 特開 昭63−241029(JP,A) 特開 昭61−207437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/00 - 79/08 C08K 3/00 - 13/08 C08G 73/00 - 73/26

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(2−オキサゾリン)化合物を主成分
    とする熱硬化性樹脂組成物100重量部に金属粉粒物及
    び/又は無機充填材を100〜3000重量部の範囲に
    て配合してなる耐熱性複合材組成物。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂組成物が(A) ビス(2−オキ
    サゾリン)化合物と(B) 芳香族多価アミノ化合物とを含
    んでなる請求項1記載の耐熱性複合材組成物。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂組成物が更に(C) 変性剤とし
    て、 (C1)ポリエポキシ化合物、 (C2)多価カルボン酸、 (C3)芳香族メルカプトカルボン酸、及び (C4)芳香族アミノカルボン酸 から選ばれる少なくとも1種を含んでなる請求項2記載
    の耐熱性複合材組成物。
  4. 【請求項4】ビス(2−オキサゾリン)化合物が芳香族
    系ビス(2−オキサゾリン)化合物である請求項1記載
    の耐熱性複合材組成物。
  5. 【請求項5】ビス(2−オキサゾリン)化合物が1,3−
    ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンである請
    求項1記載の耐熱性複合材組成物。
  6. 【請求項6】芳香族多価アミノ化合物が芳香族ジアミノ
    化合物である請求項2記載の耐熱性複合材組成物。
  7. 【請求項7】芳香族ジアミノ化合物が4,4'−メチレンビ
    スアニリンである請求項6記載の耐熱性複合材組成物。
  8. 【請求項8】ポリエポキシ化合物がビスフェノール型エ
    ポキシ化合物である請求項3記載の耐熱性複合材組成
    物。
  9. 【請求項9】金属粉粒物がアルミニウムからなる請求項
    1記載の耐熱性複合材組成物。
  10. 【請求項10】ビス(2−オキサゾリン)化合物を主成
    分とする熱硬化性樹脂組成物100重量部に金属粉粒物
    及び/又は無機充填材を100〜1000重量部の範囲
    にて配合してなる請求項1記載の耐熱性複合材組成物。
  11. 【請求項11】消泡剤を含んでなる請求項1記載の耐熱
    性複合材組成物。
  12. 【請求項12】請求項1記載の耐熱性複合材組成物を硬
    化してなる耐熱性複合材。
  13. 【請求項13】樹脂型材を用途とする請求項1記載の耐
    熱性複合材組成物。
  14. 【請求項14】請求項13記載の樹脂型材を硬化してな
    る樹脂型。
  15. 【請求項15】請求項13記載の樹脂型材を硬化してな
    るブロック材。
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