JP3488302B2 - セルロース繊維布帛の風合加工方法 - Google Patents

セルロース繊維布帛の風合加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,アミンオキシドを含有
する溶液を用いたセルロース繊維布帛の風合加工方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,アミンオキシドにセルロース
を溶解する能力があることは,D. L.Johnson の米国特
許第3108941号等に開示されている。これは,セ
ルロースをアミンオキシドによって一旦溶解し,続いて
凝固浴に導くことにより再生セルロース繊維を製造しよ
うとするものであり,アミンオキシドをセルロース繊維
布帛の風合加工に用いることは,今日に至ってもまった
く行われていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,アミンオキシドを用いて
セルロース繊維布帛に硬い風合や柔軟な風合を付与する
ことができる新規な風合加工方法を得ることを目的とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するもので、次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は「セルロース繊維布帛をアミンオキシドを含
有する溶液(ただし、反応性樹脂加工剤を含有する溶液
を除く)に浸漬し、熱処理することを特徴とするセルロ
ース繊維布帛の風合加工方法」および「アミンオキシド
を含有する溶液(ただし、反応性樹脂加工剤を含有する
溶液を除く)の溶媒がセルロースの非溶媒である非プ
ロトン有機液体であることを特徴とする前記セルロース
繊維布帛の風合加工方法」を要旨とするものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0005】 本発明でいうセルロース繊維布帛とは、
木綿、麻等の天然セルロース繊維よりなる織物、編物、
不織布等を意味するものである。上述のセルロース繊維
布帛を、本発明方法ではアミンオキシドを含有する溶液
ただし、反応性樹脂加工剤を含有する溶液を除く)に
浸漬し、熱処理する。
【0006】ここで用いるアミンオキシドとしては,第
3級アミンオキシドであって,直径5.15Å以下の環状
構造を有するもので,少なくとも4.5デバイ以上の高い
双極子モーメントを有しており,具体的にはN−メチル
モルホリン−N−オキシド,N,N−ジメチルエタノー
ルアミン−N−オキシド,N,N−ジメチルシクロヘキ
シルアミン−N−オキシド , N,N−ジメチルベンジ
ルアミン−N−オキシド,N−メチルホモピペリジン−
N−オキシド,N,N,N−トリエチルアミン−N−オ
キシド等を挙げることができる。
【0007】 アミンオキシドを含有する溶液(ただ
し、反応性樹脂加工剤を含有する溶液を除く)の溶媒と
して用いる希釈溶液は、セルロースの非溶媒である非プ
ロトン有機液体であって、アミンオキシドとは化学的に
反応せず、しかもセルロースの分解を起こさない溶媒
で、望ましくは3.5デバイより大きい双極子モーメント
を有するものである。具体的にはジメチルスルホキシ
ド,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリジノン,ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド,アセトニトリル,スルホラン
等を挙げることができる。
【0008】溶液中のアミンオキシドの含有率は,10
〜100%の範囲で有効であり,溶液中のアミンオキシ
ドの含有率が高いほどセルロース繊維布帛の風合は粗硬
となり,含有率が低いほど柔軟な風合となる。溶液中の
アミンオキシドの含有率を変化させることにより,硬い
風合から柔軟な風合に至るまで,随意に目的とする風合
を得ることができる。
【0009】 アミンオキシドを含有する溶液(ただ
し、反応性樹脂加工剤を含有する溶液を除く)に浸漬す
るには、セルロース繊維布帛を所定の幅と長さの枠に固
定して緊張し、この緊張下においてアミンオキシドを含
有する溶液に浸漬し、緊張状態で湯洗、中和、水洗する
方法で行うことができ、この場合、浸漬時間は、浸透性
が十分であれば、60秒前後で十分である。
【0010】 他の浸漬方法としては、アミンオキシド
を含有する溶液(ただし、反応性樹脂加工剤を含有する
溶液を除く)を所定温度まで昇温した後、所定時間攪拌
し、湯洗、中和、水洗を行う方法があり、このときの処
理温度は、80〜140℃が好ましい。80℃未満で
は、アミンオキシドの融点が約70℃であるため凝固し
てしまい、140℃を超えると、アミンオキシドの引火
点が約170℃であるため、自己発熱着火するおそれが
あるので注意を要する。処理時間は、30分から1時間
でよい。本発明は、以上の構成よりなるものである。
【0011】
【作用】本発明方法のごとく、セルロース繊維布帛を
アミンオキシドを含有する溶液(ただし、反応性樹脂加
工剤を含有する溶液を除く)に浸漬して熱処理すること
により、何故にセルロース繊維布帛の風合加工を行うこ
とができるのか、その理由は必ずしも明確ではないが、
本発明者は次のように推測している。
【0012】アミンオキシド溶液中のN−O双極子とセ
ルロース分子の水酸基間の相互作用により,セルロース
の水酸基の水素結合に切断部分が生じてセルロースの膨
潤,溶解が起こり,セルロースの結晶構造がセルロース
IからセルロースIIへ変化しセルロース繊維布帛中のセ
ルロースIとセルロースIIの混合比率によって様々に風
合が変化するのであろうと推測している。
【0013】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の測定は,下
記の方法で行った。 (1)結晶構造 X線解析法によりセルロース結晶構造(セルロースI,
セルロースIIの存在)を確認した。 (2)引張強さ JIS L−1096(ストリップ法)により測定し
た。 (3)剛軟度 JIS L−1096(ハンドルオメータ法)によりト
ータルハンド値を測定した。
【0014】実施例1 木綿100%の晒上がりの平織物(目付200g/
2 ,40cm×50cm)を用意し,これを金属枠にタテ
・ヨコともにたるみのないようにセットし,次に,下記
処方1の処理液に90℃で1分間浸漬した後,80℃の
温水で湯洗し,続いて,酢酸水溶液(濃度10g/リッ
トル)にて中和後,水洗を行い,100℃で2分間乾燥
して本発明の加工織物を得た。
【0015】 処方1 N−メチルモルホリン−N−オキシド(1水和物) 100% (日本乳化剤株式会社製)
【0016】本発明との比較のため,本実施例において
晒上がりの平織物を採集し,本発明との比較に供した。
【0017】本発明及び比較用の織物の性能を測定し,
その結果を合わせて表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1より明らかなごとく,本発明方法によ
れば,綿織物の強力に異常を生じることなく,硬い風合
を得ることができた。
【0020】実施例2 上記実施例1において,処方1に代えて下記処方2を用
い,50℃で1分間浸漬するほかは,実施例1と全く同
一の方法により本発明の加工織物を得た。
【0021】 処方2 N−メチルモルホリン−N−オキシド(1水和物) 50% ジメチルスルホキシド 50%
【0022】本発明との比較のため,本実施例において
晒上がりの平織物を採集し,本発明との比較に供した。
【0023】本発明及び比較用の織物の性能を測定し,
その結果を合わせて表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】表2より明らかなごとく,本発明方法によ
れば,綿織物の強力に異常を生じることなく,かなり硬
い風合を得ることができた。
【0026】実施例3 前記実施例1で用いた木綿100%の晒上がりの平織物
を用意し,金属枠を用いることなくそのままN−メチル
モルホリン−N−オキシド90%,70%の処理液中に
浴比1:30にてそれぞれ浸漬後,処理液を130℃ま
で昇温し,30分間攪拌処理した後,80℃の温水で湯
洗し,続いて,酢酸水溶液(濃度5g/リットル)にて
中和後,水洗を行い,100℃で2分間乾燥して本発明
の加工織物を得た。
【0027】本発明との比較のため,本実施例において
N−メチルモルホリン−N−オキシドによる処理を省く
ほかは,本実施例とまったく同一の方法により比較用の
織物を得た。
【0028】本発明及び比較用の織物の性能を測定し,
その結果を合わせて表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3より明らかなごとく,本発明方法によ
れば,綿織物の強力を大きく損なうことなく,かなり柔
軟な風合を得ることができた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、セルロース繊維布帛をアミ
ンオキシドを含有する溶液(ただし、反応性樹脂加工剤
を含有する溶液を除く)に浸漬して熱処理する構成を有
し、かかる構成の本発明方法によれば、セルロース単繊
維の構造を変化させることにより、硬い風合から柔軟な
風合に至るまで、セルロース繊維布帛に様々な風合加工
を行うことができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース繊維布帛をアミンオキシドを
    含有する溶液(ただし、反応性樹脂加工剤を含有する溶
    液を除く)に浸漬し、熱処理することを特徴とするセル
    ロース繊維布帛の風合加工方法。
  2. 【請求項2】アミンオキシドを含有する溶液(ただし、
    反応性樹脂加工剤を含有する溶液を除く)の溶媒が、セ
    ルロースの非溶媒である非プロトン有機液体であること
    を特徴とする請求項1記載の風合加工方法。
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