JP3487393B2 - ヘテロエピタキシャル半導体基板の形成方法、かかるヘテロエピタキシャル半導体基板を有する化合物半導体装置、およびその製造方法 - Google Patents

ヘテロエピタキシャル半導体基板の形成方法、かかるヘテロエピタキシャル半導体基板を有する化合物半導体装置、およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に半導体装置に
関し、特にヘテロエピタキシャル半導体基板を有する化
合物半導体装置およびその製造方法に関する。III-V 族
化合物半導体は高い電子移動度を与えるバンド構造を特
徴とし、 MESFETやHEMT、あるいはHBT等
の高速半導体装置に広く使われている。また、多くの化
合物半導体は直接遷移型のバンド構造を有するため、光
半導体装置に広く使われている。
【0002】一般に、かかる化合物半導体装置は、Ga
As等のIII-V 族化合物半導体結晶のインゴットから切
り出された化合物半導体ウェハ上に、あるいはSiウェ
ハ上にエピタキシャル成長により形成された化合物半導
体層上に形成されるが、インゴットから切り出された化
合物半導体ウェハを使う前者の方法は、大型結晶を成長
させることが困難であるため、半導体装置の製造費用が
増大してしまう問題点を有する。また、化合物半導体基
板は一般に重くて脆いためその取り扱いが困難で、特に
大口径のウェハを使用しようとした場合に歩留りが低下
し易い問題点が生じる。これに対し、後者の構成では、
確立した技術で安価に製造される大口径のSiウェハ上
を基板ベースとして使うことができ、化合物半導体装置
の製造費用を大幅に低下させることが可能であると考え
られる。
【0003】
【従来の技術】一方、SiとGaAs等の化合物半導体
結晶の間には、格子定数および熱膨張係数に大幅なくい
ちがいが存在し、その結果化合物半導体層をSiウェハ
上にエピタキシャル成長させようとすると様々な困難が
生じる。例えばSiの格子定数とGaAsの格子定数と
の間には約4%のくいちがいが存在する。同様に、Si
の熱膨張係数とGaAsの熱膨張係数との間には2倍に
達するくいちがいが存在する。このような状態では、S
i基板上に単純にGaAs層を堆積しても、所望の良質
な単結晶層は得られない。
【0004】この問題を解決し、Si基板上にIII-V 族
化合物半導体の単結晶層を成長させるため、特開昭59
−19762は、Si基板上に、通常の成長温度よりも
低い、典型的には400〜500°C程度の温度で第1
のGaAs層を堆積する工程と、次いで、前記第1のG
aAs層上に、通常の700°C程度の温度で第2のG
aAs層をエピタキシャル成長させる工程とよりなるヘ
テロエピタキシャル基板の製造方法を提案している。か
かる方法によれば、前記低温成長の際に、Si基板上
に、前記第1のGaAs層が、アモルファス状態に近い
と考えられる状態の結晶層として形成される。さらに、
かかる第1のGaAs層上に、第2のGaAs層を、通
常の700°C程度の成長温度で成長させることによ
り、前記第1のGaAs層が、基板の結晶方位に対して
所定の方位を有する単結晶層として結晶化する。その結
果、前記第1および第2のGaAs層より、全体として
単結晶のGaAs層が、Si基板上に、エピタキシャル
層として形成される。
【0005】また、特開平1−290220には、前記
第1のGaAs層の形成工程と第2のGaAs層の形成
工程との間に、550〜600°Cの範囲の温度で実行
される別のGaAs層の堆積工程を設け、エピタキシャ
ル層中の欠陥密度を減少させたヘテロエピタキシャル基
板の製造方法が開示されている。
【0006】ところで、このような従来の二段階あるい
は三段階成長工程で形成されたヘテロエピタキシャル基
板では、一般にSi基板自体のシート抵抗は、Si基板
の比抵抗が1000Ω・cm以上あれば20kΩ/□以
上にできるにもかかわらず、得られた基板のシート抵抗
は300〜400Ω/□程度の低い値になってしまい、
基板上に形成された集積回路中における素子分離が不良
になってしまう問題点が生じる。これは、従来のヘテロ
エピタキシャル基板の製造工程において、Si基板表面
の酸化膜を除去するプリベーク工程において、アルシン
(AsH3 )中で熱処理を行っているためと考えられ
る。より具体的に説明すると、従来のヘテロエピタキシ
ャル基板の製造工程では、アルシン中のAsが、典型的
には1000°C程度の温度で実行される熱処理の結
果、Si基板中へ拡散し、これをn型にドープする。か
かるSi基板の望ましくないAsドープの問題を回避す
るため、従来Si基板のプリベークの際にアルシンを使
わず、H2 中でプリベークを行うことも提案されている
が、かかる方法によってもシート抵抗はせいぜい600
〜700Ω/□程度までしか改善されない。これは、S
i基板界面付近の化合物半導体層中に非常に高い密度で
転位が含まれており、かかる転位を伝ってSi基板中の
SiがGaAs層中に拡散し、これをドーピングするた
めと考えられる。そのため、従来のヘテロエピタキシャ
ル基板は、化合物半導体装置の集積回路を高い集積密度
で形成する際に、十分な素子分離が得られない問題点を
有していた。
【0007】この問題点を解決するため、本出願人は、
先に特願平6−311019において、Si基板直上
に、Alを含む高抵抗のIII-V 族化合物半導体層を低温
で成長させることにより、Si基板表面上におけるIII-
V 族化合物半導体層の3次元成長を抑制しつつ、抵抗率
の高い半絶縁性ヘテロエピタキシャル基板を製造する方
法、およびかかるヘテロエピタキシャル基板を使った化
合物半導体装置の製造方法を提案した。前記特願平6−
311019の方法では、従来AsH3 雰囲気中で実行
されていたSi基板のプリベークをH2 雰囲気中で実行
することにより、3〜4kΩ/□のシート抵抗が実現さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特にかかるヘ
テロエピタキシャル基板上に形成された半導体装置を高
周波用途の素子として使おうとすると、上記3〜4kΩ
/□のシート抵抗値は従来のものに比べれば改善されて
いるとはいえ、まだ不十分であり、より高いシート抵抗
値が要求される。一方、Si基板自体は、先にも説明し
たように20kΩ/□程度のシート抵抗値を有するよう
に形成できるので、前記ドーピングの問題を解決できれ
ば、より高いシート抵抗を有し高周波素子に適したヘテ
ロエピタキシャル基板を形成できる可能性がある。
【0009】そこで、本発明は、これらの課題を解決し
た、新規で有用な化合物半導体装置の製造方法および装
置を提供することを概括的目的とする。本発明のより具
体的な目的は、シート抵抗の高いヘテロエピタキシャル
基板およびかかるヘテロエピタキシャル基板上に形成さ
れた化合物半導体装置、さらにかかる化合物半導体装置
の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記の課
題を、請求項に記載したように、Si基板上に、第1
III-V 族化合物半導体層を、基板温度を第1の温度に
設定して堆積する工程と;前記第1の III-V 族化合物半
導体層上に、第2の III-V 族化合物半導体層を、基板温
度を前記第1の温度よりも高い第2の温度に設定して堆
積する工程と;前記第2の III-V 族化合物半導体層上
に、第3の III-V 族化合物半導体層を、基板温度を前記
第2の温度よりも高い第3の温度に設定して堆積する工
程とを含む化合物半導体装置の製造方法において、前記
Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が、前記第1の III-
V 族化合物半導体層中のV族元素が前記Si基板に拡散
するのを防止する程度に低く、前記Si基板は、酸素誘
起積層欠陥密度が30cm−2以下であることを特徴と
る化合物半導体装置の製造方法により、または請求項
に記載したように、Si基板上に、第1の III-V 族化
合物半導体層を、基板温度を第1の温度に設定して堆積
する工程と;前記第1の III-V 族化合物半導体層上に、
第2の III-V 族化合物半導体層を、基板温度を前記第1
の温度よりも高い第2の温度に設定して堆積する工程
と;前記第2の III-V 族化合物半導体層上に、第3の II
I-V 族化合物半導体層を、基板温度を前記第2の温度よ
りも高い第3の温度に設定して堆積する工程とを含む化
合物半導体装置の製造方法において、前記Si基板は、
酸素誘起積層欠陥密度が、前記第1の III-V 族化合物半
導体層中のV族元素が前記Si基板に拡散するのを防止
する程度に低く、前記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密
度が3cm−2以下であることを特徴とする化合物半導
体装置の製造方法により、または請求項に記載したよ
うに、Si基板上に、第1の III-V 族化合物半導体層
を、基板温度を第1の温度に設定して堆積する工程と;
前記第1の III-V 族化合物半導体層上に、第2の III-V
族化合物半導体層を、基板温度を前記第1の温度よりも
高い第2の温度に設定して堆積する工程と;前記第2の
III-V 族化合物半導体層上に、第3の III-V 族化合物半
導体層を、基板温度を前記第2の温度よりも高い第3の
温度に設定して堆積する工程とを含む化合物半導体装置
の製造方法において、前記Si基板は、酸素誘起積層欠
陥密度が、前記第1の III-V 族化合物半導体層中のV族
元素が前記Si基板に拡散するのを防止する程度に低
く、前記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が1cm
−2以下であることを特徴とする化合物半導体装置の製
造方法により、または請求項に記載したように、前記
Si基板は、1000Ω・cm以上の比抵抗を有するこ
とを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載
の化合物半導体装置の製造方法により、または請求項
に記載したように、前記Si基板は、2000Ω・cm
以上の比抵抗を有することを特徴とする請求項1〜
うち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造方法
により、または請求項に記載したように、前記Si基
板は、5000Ω・cm以上の比抵抗を有することを特
徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載の化合
物半導体装置の製造方法により、または請求項に記載
したように、前記第1のIII-V 族化合物半導体層を堆積
する工程に先立って、前記Si基板の表面を、Hおよ
びNのいずれか一方の雰囲気中において、900〜1
100°Cの温度で加熱し、基板表面の酸化膜を除去す
る酸化膜除去工程を含むことを特徴とする、請求項1〜
のうち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造
方法により、または請求項に記載したように、前記第
1のIII-V 族化合物半導体層を堆積する工程に先立っ
て、前記Si基板の表面を、AsH雰囲気中におい
て、加熱し、基板表面の酸化膜を除去する酸化膜除去工
程を含み、前記酸化膜除去工程は、700°C以下の温
度で実行されることを特徴とする、請求項1〜のう
ち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造方法に
より、または請求項に記載したように、前記第1のII
I-V 族化合物半導体層を堆積する工程に先立って、前記
Si基板の酸素誘起積層欠陥密度を制御する工程を含む
ことを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項記
載の化合物半導体層の製造方法により、または請求項
に記載したように、前記酸素誘起積層欠陥密度を制御
する工程は、水素雰囲気中、1200°CにおいてSi
基板を熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項
記載の化合物半導体装置の製造方法により、または請求
11に記載したように、前記第1のIII-V 族化合物半
導体層は、V族元素としてSbを含み、As,Pは実質
的に含まないことを特徴とする請求項1〜10のうち、
いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造方法によ
り、または請求項12に記載したように、前記第1のII
I-V 族化合物半導体層は、InSb,GaSb,AlS
bよりなる群より選択される一または複数の成分よりな
る組成を有することを特徴とする請求項11記載の化合
物半導体装置の製造方法により、または請求項13に記
載したように、Si基板と、前記Si基板上に形成され
た第1のIII-V 族化合物半導体層と;前記第1のIII-V
族化合物半導体層上に形成された第2のIII-V 族化合物
半導体層と;前記第2のIII-V 族化合物半導体層上に形
成された第3のIII-V 族化合物半導体層と;前記第3の
III-V 族化合物半導体層上に形成され、活性素子を担持
する一またはそれ以上の化合物半導体層とよりなる化合
物半導体装置において、前記Si基板は、30cm−2
以下の酸素誘起積層欠陥密度を有することを特徴とする
化合物半導体装置により、または請求項14に記載した
ように、前記Si基板は、10cm−2以下の酸素誘起
積層欠陥密度を有することを特徴とする、請求項13
載の化合物半導体装置により、または請求項15に記載
したように、前記Si基板は、3cm−2以下の酸素誘
起積層欠陥密度を有することを特徴とする、請求項13
記載の化合物半導体装置により、または請求項16に記
載したように、前記Si基板は、1cm−2以下の酸素
誘起積層欠陥密度を有することを特徴とする、請求項
記載の化合物半導体装置により、または請求項17
記載したように、前記第1のIII-V 族化合物半導体層
は、SbをV族元素として含み、As,Pを実質的に含
まないことを特徴とする、請求項13〜16のうち、い
ずれか一項記載の化合物半導体装置により、または請求
18に記載したように、前記第1のIII-V 族化合物半
導体層は、InSb,GaSb,AlSbよりなる群よ
り選択される一または複数の成分よりなる組成を有する
ことを特徴とする請求項17記載の化合物半導体装置に
より、または請求項19に記載したように、Si基板
と、前記Si基板上に形成された第1のIII-V 族化合物
半導体層と;前記第1のIII-V 族化合物半導体層上に形
成された第2のIII-V 族化合物半導体層と;前記第2の
III-V 族化合物半導体層上に形成された第3のIII-V 族
化合物半導体層とよりなるヘテロエピタキシャル半導体
基板において、前記Si基板は、30cm−2以下の酸
素誘起積層欠陥密度を有することを特徴とするヘテロエ
ピタキシャル半導体基板により解決する。
【0011】以下、本発明の原理について説明する。本
出願の発明者は、前記先願(特願平6−311019)
で得られたヘテロエピタキシャル基板について、Si基
板上のIII-V 族化合物半導体層をエッチングにより除去
した後、Si基板表面のシート抵抗を測定した。その結
果、III-V 族化合物半導体を堆積する前には20kΩ/
□程度あったSi基板のシート抵抗が、堆積後には3〜
4kΩ/□程度まで減少しており、また基板表面もn型
にドープされていることが見出された。これは、化合物
半導体を成長する際、650〜750°Cの温度になる
ため、化合物半導体層中からSi基板へ、V族元素が拡
散するためと考えられる。一方、Si基板上に形成され
ていたIII-V 族化合物半導体層自体は比較的高抵抗であ
ると推測される。
【0012】以上の知見に鑑み、本発明者は、特願平6
−311091で得られたヘテロエピタキシャル基板の
シート抵抗と、使用したSi基板の酸素誘起積層欠陥密
度(OSF; oxidation-induced stacking fault)との
関係を調べた結果、興味深い関係を発見した。
【0013】図1は、かかるヘテロエピタキシャル基板
のシート抵抗と、ヘテロエピタキシャル基板に使われた
Si基板のOSF密度の関係を示す。ただし、ヘテロエ
ピタキシャル基板は、H2 中でプリベークされたSi基
板上に、第1のAlGaAs層を、300〜400°C
の温度で10〜20nmの厚さに堆積し、その上に第2
のAlGaAs層を、500〜600°Cの温度で20
0〜700nmの厚さに堆積し、さらに前記第2のAl
GaAs層上にGaAs層を、650〜750°Cの温
度で、0.5〜1.5μmの厚さに堆積することによ
り、形成した。また、ヘテロエピタキシャル基板シート
抵抗の測定は、ヘテロエピタキシャル基板に渦電流を流
すことにより行った。
【0014】図1より明らかなように、かかるヘテロエ
ピタキシャル基板のシート抵抗は、OSF密度が増大す
ると減少し、減少すると増大する。OSFそのものが、
V族元素の拡散に関与しているかどうかは不明である
が、OSF密度は、Si基板の結晶性を表す指標である
と考えられる。OSF密度の小さい基板、すなわち結晶
性の良いSi基板を使うことにより、Si基板における
結晶欠陥を伝わるV族元素の拡散が抑止され、シート抵
抗の減少が回避されることを示していると理解される。
先に説明した特願平6−311019で得られたヘテロ
エピタキシャル基板の場合、Si基板のOSF密度は約
100cm-2であったことが判明した。
【0015】図1を参照するに、Si基板としてOSF
密度が30cm-2以下のものを使うことにより、ヘテロ
エピタキシャル基板のシート抵抗を7.5kΩ/□以上
に、またOSF密度が10cm-2以下のものを使うこと
により、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵抗を10
kΩ/□以上に、OSF密度が3cm-2以下のものを使
うことにより、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵抗
を15kΩ/□以上に、さらにOSF密度が1cm-2
下のものを使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板
のシート抵抗を、Si基板のシート抵抗に等しい20k
Ω/□程度の値まで増大させることが可能である。一
方、OSF密度を1cm-2以下に減少させても、ヘテロ
エピタキシャル基板のシート抵抗は、前記20kΩ/□
以上には増大しない。これは、Si基板として、比抵抗
が1000Ω・cmのもの(厚さ500μm)を使った
ため、Si基板自身のシート抵抗に律速されているため
である。
【0016】一方、本発明者は、Si基板の直上に形成
されるIII-V 族化合物半導体層としてSbを含み、しか
もAsあるいはPを含まない組成のIII-V 半導体材料を
使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵
抗をさらに増加させることができるのを見出した。Sb
は、Si中における固溶限界が低いことを特徴とするV
族元素である。
【0017】図2は、かかるヘテロエピタキシャル基板
のシート抵抗を、図1の例と、前記図1の例において、
前記第1のAlGaAs層をAlGaSb層に代えた場
合について、比較して示す図である。図2を参照する
に、Si基板として比抵抗が1000Ω・cmのものを
使い、ヘテロエピタキシャル基板の第1層としてAlG
aAsを使った場合、前記図1に示した関係がシート抵
抗とOSF密度の間に成立する。また、同じ、ヘテロエ
ピタキシャル基板の第1層としてAlGaAsを使い、
さらにSi基板として比抵抗が2000Ω・cmのもの
を使った場合、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵抗
は、OSF密度を0.1cm-2まで減少させた場合、3
0kΩ/□程度まで増大するのがわかる。
【0018】これに対し、前記AlGaAs層の代わり
に、前記ヘテロエピタキシャル基板の第1層として、A
lGaSbを使った場合、ヘテロエピタキシャル基板の
シート抵抗は大幅に増大し、例えばOSF密度が6cm
-2程度でも、すでに40kΩ/□程度のシート抵抗が実
現されるのがわかる。Si基板の比抵抗が2000Ω・
cm程度である場合、OSF密度をさらに減少させても
これ以上のシート抵抗の増加は見られないが、Si基板
として比抵抗が5000Ω・cmのものを使った場合、
OSF密度を0.1cm-2まで減少させると、ヘテロエ
ピタキシャル基板のシート抵抗として、100kΩ/□
程度の値が実現されるのがわかる。
【0019】図2の関係は、前記ヘテロエピタキシャル
基板の第1層を構成するIII-V 族化合物半導体層のV族
元素として、Si中への固溶限界が低いSbを使うこと
により、Si表面のドーピングを最小化できることを示
すものである。なお、Si基板表面のOSF密度は、周
知の高温水素アニール処理をSi基板に施すことによ
り、激減させることができる。かかるSi基板の高温水
素アニール処理は、例えば100%のH2 ガス雰囲気中
で、1200°Cの温度で実行すればよい(例えば、鹿
島他、「高温水素アニール処理による次世代LSI用ウ
エハー」応用物理、第63巻、第11号、1994年、
1114〜1117を参照)。
【0020】図3は、図1のヘテロエピタキシャル基板
のシート抵抗を、OSFが1cm-2のSi基板上に形成
されたものについて、プリベーク温度の関数として示
す。図3を参照するに、ヘテロエピタキシャル基板のシ
ート抵抗値は、プリベークをAsH3 雰囲気中で行った
場合、700°C以上の温度では急激に降下するが、H
2 中で行った場合には、当初の20kΩ/□程度の高い
値を維持することがわかる。この値は、先に特願平6−
311019で報告した値よりもさらに大幅に改善され
ている。また、プリベークをAsH3 中で行った場合で
も、プリベーク温度が700°C以下であれば高いシー
ト抵抗値が維持されることがわかる。ただし、850°
C以下の低温でSi基板のプリベークを行う場合には、
Si基板表面の酸化膜をウェットエッチング法により除
去しておく必要がある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例について、
図面を参照しながら説明する。最初に、本発明で使うM
OCVD装置の構成を図4を参照しながら説明する。図
4を参照するに、MOCVD装置は、排気口20aを介
して減圧される横型リアクタ20を有する。リアクタ2
0中には基板22を保持しこれを加熱するカーボンサセ
プタ21が、またリアクタ20の周囲にはサセプタ21
を高周波励起することにより加熱する高周波コイル24
が設けられている。
【0022】リアクタ20にはバルブ27aを介してト
リメチルアルミニウム(TMA)が,H2 キャリアガス
と共にAlの気相原料として供給される。リアクタ20
には、さらにバルブ27gを介してアルシンが供給さ
れ、またバルブ27eを介してトリメチルガリウム(T
MG)あるいはバルブ27cを介してトリエチルガリウ
ム(TEG)が、Gaの気相原料として供給される。さ
らに、リアクタ20にはH2 がキャリアガスとして供給
される。また、バルブ27a〜27hおよび高周波コイ
ル24の励起を制御するために、コントローラ(図示せ
ず)が設けられる。さらに、N2 ガスを導入するバルブ
27b,27d,27f,27hが設けられる。
【0023】以下、本発明の第1実施例によるヘテロエ
ピタキシャル基板の製造方法を、先に説明した図4およ
び得られたヘテロエピタキシャル基板の構造を示す図5
を参照しながら説明する。本実施例においては、まず、
(100)面から[011]方向に2°傾斜した主面を
有するSi基板を、H2 またはN2 雰囲気中、1200
°において高温水素アニール処理を実行することによ
り、OSF密度が30cm-2以下になるように処理す
る。Si基板としては、比抵抗が1000Ω・cm以上
のものを使う。この処理工程は、図4の装置で行っても
よいが、Si基板の製造時に、別の装置を使って行って
もよい。
【0024】さらに、このように処理されたSi基板
を、サセプタ21上に基板22として保持し、リアクタ
20中にH2 を10〜15SLM、典型的には12SL
Mの流量で導入する。さらに、リアクタ20を排気口2
0aを介して排気することによりリアクタ20内部を7
6Torrの圧力に設定し、高周波コイル24を駆動し
てサセプタ21上の基板22を900〜1100°C、
典型的には1000°Cの温度に加熱し、プリベークを
10〜30分間実行する。かかるプリベークの結果、基
板22表面から酸化膜が除去される。このプリベーク工
程は、N2 を導入して行ってもよい。
【0025】次に、リアクタ20内の圧力を76Tor
rに保持しながら、基板22の温度を300〜400°
C、典型的には350°Cに設定し、TMA,TEG,
およびアルシンをそれぞれ2〜3SCCM,2〜4SC
CMおよび120〜160SCCMの流量で供給し、S
i基板22上に第1のAlGaAs層22a(図5)を
10〜20nm、典型的には15nmの厚さに形成す
る。TMA,TEGおよびアルシンの流量は、典型的に
はそれぞれ2.5SCCM,3SCCMおよび140S
CCMに設定される。得られたAlGaAs層22aは
典型的にAl0.2Ga0.8 Asで表される組成を有す
る。このようにして形成されたAlGaAs層22aは
非常に薄く、またAlを含有しているため、良好な平坦
性を有する表面を有する。また、層22aは、非常に薄
いため、単にGaAsにより形成しても良い。
【0026】次に、AlおよびGaの原料ガスの供給を
中断し、リアクタ内圧を前記76Torrに保持したま
ま基板温度を500〜600°C、典型的には550°
Cの温度まで上昇させる。この状態で、TMA,TEG
およびアルシンを、それぞれ0.2〜0.3SCCM,
0.8〜1.2SCCMおよび50〜70SCCMの流
量でリアクタ20内に供給し、第2のAlGaAs層2
2bを200〜700nm、典型的には500nmの厚
さに形成する。図5の構造を参照。典型的な例では、T
MAおよびTEGの流量はそれぞれ0.25SCCM,
1.0SCCMに設定される。この場合、層22bは典
型的にAl0.2 Ga0.8 Asで表される組成を有する。
従来、この工程において、ヘテロエピタキシャル基板表
面に表面荒れが生じていたが、本発明では層22bにA
lを導入することにより、表面荒れの問題が解決され
る。また、層22aが形成された後、層22bを堆積す
るに先立って基板温度を上昇させる昇温工程において原
料ガスの供給を停止することによっても、層22bの表
面荒れが抑制される。
【0027】AlGaAs層22bがこのようにして形
成された後、リアクタ内圧を前記76Torrに保持し
たまま基板温度を650〜750°C、典型的には70
0°Cの温度に昇温する。さらに、Gaの気相原料を前
記TEGからTMGに切り換え、TMGを2.0〜3.
0SCCM、典型的には2.5SCCMの流量で、また
アルシンを30〜40SCCMの流量で、それぞれリア
クタ20中に導入し、GaAs層22cを、0.5〜
1.5μm、典型的には1.0μmの厚さに堆積させ
る。図5の構造を参照。その際、図5の構造において、
層22c表面における欠陥を、半導体装置の形成に必要
な108 cm-2以下の欠陥密度まで減少させ、同時にヘ
テロエピタキシャル基板にクラックが生じるのを防ぐた
めに、層22a〜22cを含めたヘテロエピタキシャル
基板上のIII-V 族化合物半導体層全体の厚さを1〜2μ
m、典型的には1.5μm程度に設定するのが好まし
い。
【0028】このようにして形成されたヘテロエピタキ
シャル基板は、図1に関連して先に説明したように、高
いシート抵抗を特徴とする。例えば、Si基板として比
抵抗が1000Ω・cm、OSF密度が30cm-2のも
のを使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板のシー
ト抵抗を7.5kΩ/□に、またOSF密度が10cm
-2のものを使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板
のシート抵抗を10kΩ/□に、OSF密度が3cm-2
のものを使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板の
シート抵抗を15kΩ/□に、さらにOSF密度が1c
-2以下のものを使うことにより、ヘテロエピタキシャ
ル基板のシート抵抗を、Si基板のシート抵抗に等しい
20kΩ/□程度の値まで増大させることが可能であ
る。その際、OSF密度は、高温水素アニール処理の工
程において、雰囲気中のH2 の純度を向上させると減少
し、1 cm-2以下に減少させることが可能になる。
【0029】第1,第2の化合物半導体層22a,22
bを、Alを含む材料を使って低温で成長させることに
より、層22a,22b中には酸素が導入され、その結
果層22a,22bの抵抗が増大する。また、層22
a,22bを成長させるにあたり、Alの気相原料とし
て酸素を含む原料、例えばトリメトキシアルミニウムを
使うことにより、層22a,22bの抵抗を増大させる
ことができる。
【0030】本実施例において、化合物半導体層22a
および22bはAlGaAsに限定されるものではな
く、AlGaP,AlGaAsP,InGaAlP,I
nGaAlAsあるいはInGaAlAsP等のIn−
Ga−Al−As−P系の任意の組成の混晶であっても
よい。また、これに伴い、化合物半導体層22cも、前
記GaAs以外にInAs,InP,GaP,AlA
s,AlP等のIn−Ga−Al−As−P系の混晶で
あってもよい。
【0031】さらに、前記化合物半導体層22a,22
bおよび22cを堆積するに当たりV族元素の原料とし
て、アルシンのみならず、フォスフィン(PH3 )や有
機ヒ素あるいは有機リンを使うことも可能である。かか
る有機ヒ素にはターシャリーブチルアルシン(tBA
s),トリメチル砒素(TMAs),トリエチル砒素
(TEAs),ジエチルヒ素ハイドライド(DEA
s),エチルアルシン(EAs)等が含まれる。また、
有機リンにはターシャリーブチルフォスフィン(tB
P),トリメチルリン(TMP),トリエチルリン(T
EP),ジエチルリンハイドライド(DEP)が含まれ
る。また、Si基板22は、SOI基板であってもよ
い。
【0032】次に、本発明の第2実施例を、再び図5を
参照しながら説明する。本実施例では、層22aとし
て、第1実施例におけるAlGaAsのかわりに、V族
元素としてAsあるいはPを実質的に含まず、かわりに
Sbを含んだIII-V 族化合物半導体材料、例えばAlG
aSbを使う。以下の説明では、前記第1実施例と共通
な部分の説明は、省略する。
【0033】図5を参照するに、OSF密度を制御され
たSi基板22上には、層22aとしてAlGaSb層
が、TMA,TEGおよびトリメチルアンチモン(TM
Sb)の熱分解により堆積される。堆積は、400〜5
00°C、典型的には450°Cの基板温度で、TM
A,TEGおよびTMSbを、それぞれ0.2〜0.3
SCCM,0.8〜1.2SCCMおよび15〜25S
CCMの流量で供給することにより、実行される。典型
的な場合、TMA,TEGおよびTMSbは、それぞれ
0.25SCCM,1.0SCCMおよび20SCCM
の流量で供給され、層22aは10〜50nm、典型的
には25nmの厚さに形成される。
【0034】本実施例によるヘテロエピタキシャル基板
では、エピタキシャル基板のシート抵抗とSi基板22
のOSF密度の間には、先に図2で説明した関係が成立
し、Si基板22の比抵抗が2000Ω・cmである場
合、OSF密度が6cm-2程度でも、すでに40kΩ/
□程度のシート抵抗が実現されるのがわかる。Si基板
の比抵抗が2000Ω・cm程度である場合、OSF密
度をさらに減少させてもこれ以上のシート抵抗の増加は
見られないが、Si基板として比抵抗が5000Ω・c
mのものを使った場合、OSF密度を0.1cm-2まで
減少させると、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵抗
として、100kΩ/□程度の値が実現されるのがわか
る。
【0035】化合物半導体層22aは前記AlGaSb
に限定されるものではなく、SbをV族元素として含
み、As,Pを実質的に含まない他の化合物半導体材
料、例えばInSb,GaSb,AlSbおよびこれら
の混晶であってもよい。図6は、本発明の第3実施例に
よる、ヘテロエピタキシャル基板上に形成したHEMT
集積回路の構成例を示す。
【0036】図6を参照するに、集積回路は互いに直列
接続されたD型HEMTとE型HEMTとより構成さ
れ、前記OSF密度を制御されたSi基板22に対応す
るSi基板31と、基板31上に形成された、前記Al
GaAs層またはAlGaSb層22aに対応する層3
1aと、層31a上に形成された、前記AlGaAs層
22bに対応するAlGaAs層31bと、層31b上
に形成された、前記GaAs層22cに対応するGaA
s層31cとよりなるヘテロエピタキシャル基板上に構
成されている。
【0037】ヘテロエピタキシャル基板上には、非ドー
プGaAs層32が、バッファ層として、前記GaAs
層31cに接して、50nmの厚さにエピタキシャル成
長され、バッファ層32上には、非ドープAlGaAs
層33が、素子分離層として、300nmの厚さにエピ
タキシャル成長される。さらに、素子分離層33上には
非ドープGaAs層34が、活性層として100nmの
厚さにエピタキシャル成長され、活性層34上にはn型
AlGaAsよりなる電子供給層35が、50nmの厚
さに形成される。その結果、活性層34中に、活性層3
4と電子供給層35との間のヘテロ接合面に沿って、二
次元電子ガス34aが形成される。
【0038】電子供給層35上には、n型GaAsより
なる第1のコンタクト層36が、5nmの厚さにエピタ
キシャル成長され、さらにコンタクト層36上にはn型
AlGaAsよりなる第2のコンタクト層37が5nm
の厚さにエピタキシャル成長される。また、コンタクト
層37上にはn型GaAsよりなるキャップ層38が形
成される。また、層36〜38は、D型HEMTのゲー
ト領域に対応する部分が、層35表面で停止する選択エ
ッチングにより除去され、Al等よりなるショットキー
電極9が、D型HEMTのゲート電極として形成され
る。また、層38は、E型HEMTのゲート領域に対応
する部分が、その下の層37表面で停止する選択エッチ
ングにより除去され、Al等よりなるショットキー電極
10が、E型HEMTのゲート電極として形成される。
また、キャップ層38上には、電極9および10の両側
に、オーミック電極11,12および13が形成され
る。このうち、オーミック電極11はD型HEMTのソ
ース電極、オーミック電極13はE型HEMTのドレイ
ン電極として作用し、オーミック電極12はD型HEM
Tのドレイン電極として作用すると同時にEHEMTの
ソース電極として作用する。
【0039】図6に示したHEMTは、高いシート抵抗
を有するヘテロエピタキシャル基板上に形成されている
ため、高周波動作特性が著しく改善される。図7は、図
6に示したHEMTの一変形例であり、ヘテロエピタキ
シャル基板を構成するSi基板31が、絶縁体よりなる
絶縁支持基板30上に形成されている。かかる構成によ
り、いわゆるSOI構造を有する化合物半導体集積回路
を形成することが可能になる。本発明によるヘテロエピ
タキシャル基板を、SOI構造と組み合わせて採用する
ことにより、素子分離特性が優れた高密度化合物半導体
集積回路を、安い費用で製造することが可能になる。
【0040】
【発明の効果】請求項1,14記載の本発明の特徴によ
れば、酸素誘起積層欠陥密度が30cm −2 以下のSi
基板を使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板のシ
ート抵抗を、7.5kΩ/□以上に増大させることがで
きる。請求項2,15記載の本発明の特徴によれば、酸
素誘起積層欠陥密度が3cm −2 以下のSi基板を使う
ことにより、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵抗
を、15kΩ/□以上に増大させることができる。
【0041】 請求項3,16記載の本発明の特徴によ
れば、酸素誘起積層欠陥密度が1cm −2 以下のSi基
板を使うことにより、ヘテロエピタキシャル基板のシー
ト抵抗を、20kΩ/□以上に増大させることができ
る。請求項4記載の本発明の特徴によれば、比抵抗が1
000Ω・cm以上のSi基板を使うことにより、ヘテ
ロエピタキシャル基板のシート抵抗を、20kΩ/□以
上に増大させることができる。
【0042】 請求項5記載の本発明の特徴によれば、
比抵抗が2000Ω・cm以上のSi基板を使うことに
より、ヘテロエピタキシャル基板のシート抵抗を、30
〜40kΩ/□以上に増大させることができる。請求項
6記載の本発明の特徴によれば、比抵抗が5000Ω・
cm以上のSi基板を使うことにより、ヘテロエピタキ
シャル基板のシート抵抗を、100kΩ/□程度まで増
大させることができる。
【0043】 請求項7記載の本発明の特徴によれば、
Si基板のプリベークをH あるいはN 中で行うこと
により、従来生じていたSi基板表面のAsドーピング
の問題を回避することが可能になる。請求項8記載の本
発明の特徴によれば、Si基板のプリベークを、AsH
中で行う際、温度を700°C以下に設定することに
より、Si基板表面のAsドーピングの問題を回避する
ことが可能になる。
【0044】 請求項9,10,13,19記載の本発
明の特徴によれば、Si基板として酸素誘起積層欠陥密
度が制御されたSi基板を使うことにより、Si基板と
その上の化合物半導体層との間における元素の相互拡散
が抑止され、その結果Si基板表面のドーピングが抑止
される。すなわち、高いシート抵抗を有するヘテロエピ
タキシャル基板を形成することが可能になる。
【0045】 請求項11,12,17,18記載の本
発明の特徴によれば、V族元素としてAsあるいはPの
かわりにSi中における固溶限界の低いSbを含むIII-
V 族化合物半導体材料を、前記Si基板の直上に形成さ
れる第1のIII-V 族化合物半導体層に使うことにより、
Si基板へのIII-V 族化合物半導体層からのV族元素の
拡散が最小化され、Si基板のドーピングの問題が回避
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図(その一)である。
【図2】本発明の原理を説明する図(その二)である。
【図3】本発明の原理を説明する図(その三)である。
【図4】本発明で使用するMOCVD装置の構成を示す
図である。
【図5】本発明の第1実施例および第2実施例によるヘ
テロエピタキシャル基板の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例による、ヘテロエピタキシ
ャル基板上に構成したHEMTの構造を示す図である。
【図7】図6のHEMTの一変形例を示す図である。
【符号の説明】
9,10 ゲート電極 11〜13 オーミック電極 20 リアクタ 21 サセプタ 22,31 Si基板 22a,31a AlGaAs層 22b,31b AlGaAs層 22c,31c GaAs層 24 高周波コイル 27a〜27h バルブ 32 GaAsバッファ層 33 AlGaAs素子分離層 34 活性層 34a 二次元電子ガス 35 電子供給層 36,37 コンタクト層 38 キャップ層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−192320(JP,A) 特開 平4−208518(JP,A) 特開 平5−213693(JP,A) 特開 平7−321032(JP,A) 特開 平6−56588(JP,A) 特開 平6−287098(JP,A) 特開 平7−330484(JP,A) 特開 平6−305880(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/20 H01L 21/225 C30B 1/00 - 35/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si基板上に、第1の III-V 族化合物半
    導体層を、基板温度を第1の温度に設定して堆積する工
    程と; 前記第1の III-V 族化合物半導体層上に、第2の III-V
    族化合物半導体層を、基板温度を前記第1の温度よりも
    高い第2の温度に設定して堆積する工程と; 前記第2の III-V 族化合物半導体層上に、第3の III-V
    族化合物半導体層を、基板温度を前記第2の温度よりも
    高い第3の温度に設定して堆積する工程とを含む化合物
    半導体装置の製造方法において、 前記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が、前記第1の
    III-V 族化合物半導体層中のV族元素が前記Si基板に
    拡散するのを防止する程度に低く、 記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が30cm−2
    以下であることを特徴とする化合物半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 Si基板上に、第1の III-V 族化合物半
    導体層を、基板温度を第1の温度に設定して堆積する工
    程と; 前記第1の III-V 族化合物半導体層上に、第2の III-V
    族化合物半導体層を、基板温度を前記第1の温度よりも
    高い第2の温度に設定して堆積する工程と; 前記第2の III-V 族化合物半導体層上に、第3の III-V
    族化合物半導体層を、基板温度を前記第2の温度よりも
    高い第3の温度に設定して堆積する工程とを含む化合物
    半導体装置の製造方法において、 前記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が、前記第1の
    III-V 族化合物半導体層中のV族元素が前記Si基板に
    拡散するのを防止する程度に低く、 記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が3cm−2
    下であることを特徴とする化合物半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 Si基板上に、第1の III-V 族化合物半
    導体層を、基板温度を第1の温度に設定して堆積する工
    程と; 前記第1の III-V 族化合物半導体層上に、第2の III-V
    族化合物半導体層を、基板温度を前記第1の温度よりも
    高い第2の温度に設定して堆積する工程と; 前記第2の III-V 族化合物半導体層上に、第3の III-V
    族化合物半導体層を、基板温度を前記第2の温度よりも
    高い第3の温度に設定して堆積する工程とを含む化合物
    半導体装置の製造方法において、 前記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が、前記第1の
    III-V 族化合物半導体層中のV族元素が前記Si基板に
    拡散するのを防止する程度に低く、 前記Si基板は、酸素誘起積層欠陥密度が1cm−2
    下であることを特徴とする化合物半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記Si基板は、1000Ω・cm以上
    の比抵抗を有することを特徴とする請求項1〜のう
    ち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記Si基板は、2000Ω・cm以上
    の比抵抗を有することを特徴とする請求項1〜のう
    ち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記Si基板は、5000Ω・cm以上
    の比抵抗を有することを特徴とする請求項1〜のう
    ち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層を堆
    積する工程に先立って、前記Si基板の表面を、H
    よびNのいずれか一方の雰囲気中において、900〜
    1100°Cの温度で加熱し、基板表面の酸化膜を除去
    する酸化膜除去工程を含むことを特徴とする、請求項1
    のうち、いずれか一項記載の化合物半導体装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層を堆
    積する工程に先立って、前記Si基板の表面を、AsH
    雰囲気中において、加熱し、基板表面の酸化膜を除去
    する酸化膜除去工程を含み、前記酸化膜除去工程は、7
    00°C以下の温度で実行されることを特徴とする、請
    求項1〜のうち、いずれか一項記載の化合物半導体装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層を堆
    積する工程に先立って、前記Si基板の酸素誘起積層欠
    陥密度を制御する工程を含むことを特徴とする、請求項
    1〜のうちいずれか一項記載の化合物半導体層の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記酸素誘起積層欠陥密度を制御する
    工程は、水素雰囲気中、1200°CにおいてSi基板
    を熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項記載
    の化合物半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層
    は、V族元素としてSbを含み、As,Pは実質的に含
    まないことを特徴とする請求項1〜10のうち、いずれ
    か一項記載の化合物半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層
    は、InSb,GaSb,AlSbよりなる群より選択
    される一または複数の成分よりなる組成を有することを
    特徴とする請求項11記載の化合物半導体装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 Si基板と、 前記Si基板上に形成された第1のIII-V 族化合物半導
    体層と; 前記第1のIII-V 族化合物半導体層上に形成された第2
    のIII-V 族化合物半導体層と; 前記第2のIII-V 族化合物半導体層上に形成された第3
    のIII-V 族化合物半導体層と; 前記第3のIII-V 族化合物半導体層上に形成され、活性
    素子を担持する一またはそれ以上の化合物半導体層とよ
    りなる化合物半導体装置において、 前記Si基板は、30cm−2以下の酸素誘起積層欠陥
    密度を有することを特徴とする化合物半導体装置。
  14. 【請求項14】 前記Si基板は、10cm−2以下の
    酸素誘起積層欠陥密度を有することを特徴とする、請求
    13記載の化合物半導体装置。
  15. 【請求項15】 前記Si基板は、3cm−2以下の酸
    素誘起積層欠陥密度を有することを特徴とする、請求項
    13記載の化合物半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記Si基板は、1cm−2以下の酸
    素誘起積層欠陥密度を有することを特徴とする、請求項
    13記載の化合物半導体装置。
  17. 【請求項17】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層
    は、SbをV族元素として含み、As,Pを実質的に含
    まないことを特徴とする、請求項13〜16のうち、い
    ずれか一項記載の化合物半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記第1のIII-V 族化合物半導体層
    は、InSb,GaSb,AlSbよりなる群より選択
    される一または複数の成分よりなる組成を有することを
    特徴とする請求項17記載の化合物半導体装置。
  19. 【請求項19】 Si基板と、 前記Si基板上に形成された第1のIII-V 族化合物半導
    体層と; 前記第1のIII-V 族化合物半導体層上に形成された第2
    のIII-V 族化合物半導体層と; 前記第2のIII-V 族化合物半導体層上に形成された第3
    のIII-V 族化合物半導体層とよりなるヘテロエピタキシ
    ャル半導体基板において、 前記Si基板は、30cm−2以下の酸素誘起積層欠陥
    密度を有することを特徴とするヘテロエピタキシャル半
    導体基板。
JP01335596A 1994-12-14 1996-01-29 ヘテロエピタキシャル半導体基板の形成方法、かかるヘテロエピタキシャル半導体基板を有する化合物半導体装置、およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3487393B2 (ja)

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