JP3487301B2 - 自動車車体の塗装方法および塗装装置 - Google Patents

自動車車体の塗装方法および塗装装置

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JP3487301B2
JP3487301B2 JP2001237702A JP2001237702A JP3487301B2 JP 3487301 B2 JP3487301 B2 JP 3487301B2 JP 2001237702 A JP2001237702 A JP 2001237702A JP 2001237702 A JP2001237702 A JP 2001237702A JP 3487301 B2 JP3487301 B2 JP 3487301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車車体の塗装方
法および塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車車体への塗装、特に耐久性および
見栄えが要求される外板への塗装は、通常、下塗り、中
塗りおよび上塗りの少なくとも3工程が行われる。下塗
りは、下塗り塗料を電着塗装することによって行われる
ことが多く、下塗り塗料は焼き付け乾燥される。この
後、焼き乾燥された後の下塗り塗料の上から、中塗り塗
料が塗布されて、この中塗り塗料も焼き付け乾燥され
る。そして、焼き付け乾燥された後の中塗り塗料の上か
ら、上塗り塗料が塗布されて、上塗り塗料が焼き付け乾
燥されることになる。
【0003】上塗り塗装を行う場合の塗料塗布の回数
は、塗料の種類や仕上げレベルの相違等から、同一箇所
について、1回のみの塗布にとどまらず、2回の塗布と
されたり、さらには3回以上の塗布が行われる場合もあ
る。例えば1回のみの塗布としては、例えばソリッド系
塗料を塗布する場合がある。また、2回の塗料塗布の場
合としては、例えば、メタリック系塗料を用いる場合
は、まずアルミニウム粉等の金属粉が混入されたカラー
ベース塗料が塗布され、このカラーベース塗料の上から
クリア塗料が塗布される。1回目にソリッド系塗料を塗
布し、その後クリア塗料を塗布する場合もある。
【0004】さらに、上塗り塗装を、塗料の3回の塗布
で行う場合として、例えばパールマイカ塗装を行う場合
がある。すなわち、1回目にカラーベース塗料を塗布
し、2回目にマイカベース塗料を塗布し、最後にクリア
塗料が塗布される。前述した上塗り塗料を複数回塗布す
る場合、前の塗料が乾燥される前の濡れた状態で次の塗
料が塗布されるいわゆるウエットオンウエットの状態で
行われ、その後、複数回に分けて塗布された塗料が焼き
付け乾燥炉によって同時に焼き付け乾燥されることにな
る。
【0005】特開平10−277478号公報には、マ
イカ等の光輝材を含む上塗り塗装を行う場合に、光輝材
を含まないカラーベース塗料を塗布した後、カラーベー
ス塗料が濡れている状態でマイカ等の光輝材を含む光輝
材含有ベース塗料を塗布し、この光輝材含有ベース塗料
が濡れている状態でクリア塗料を塗布し、その後、カラ
ーベース塗料と光輝材含有ベース塗料とクリア塗料とを
同時に焼き付け乾燥させることが開示されている(3コ
ート1ベークの塗装方法の開示)。
【0006】特開平10−296178号公報には、上
述した光輝材を含む上塗り塗装を、自動車車体の外板に
対して3コート1ベークで行う場合に、ドアインナへの
塗装との関係で、次のような工程で塗料の塗布を行うこ
とが開示されている。すなわち、ドアインナへのカラー
ベース塗料の塗布、外板へのカラーベース塗料の塗布、
外板へのマイカベース塗料の塗布、ドアインナへのクリ
ア塗料の塗布、外板へのクリア塗料の塗布をそれぞれウ
エットオンウエットの状態で行って、最終的に各塗料を
同時に焼き付け乾燥させることが開示されている。ただ
し、この公報記載のものでは、通常の自動車車体に対す
る塗装と同じように、あらかじめ中塗り塗料が塗布され
て、この中塗り塗料が焼き付け乾燥されたものとなって
いて、この焼き付け乾燥された中塗り塗料の上から上述
の上塗り塗装が行われるものとなっている。
【0007】特開平10−216617号公報には、中
塗り塗料の塗布と、中塗り塗料が濡れている状態でこの
上から上塗り塗装用のカラーベース塗料を塗布し、この
カラーベース塗料が濡れている状態で上塗り用のクリア
塗料を塗布して、最後に中塗り塗料とカラーベース塗料
とクリア塗料とを同時に焼き付け乾燥乾燥させることが
開示されている。
【0008】ところで、自動車車体の塗装においては、
常に外部へ露出している外板への塗装が、見栄えの観点
からおよび耐久性の観点からもっとも重要となるが、外
板への塗装以外に、ドアインナ(ドア外側より内側に位
置する車室内側部分)や、エンジンルーム、トランクル
ームへの塗装も要求されることになる。
【0009】ドアインナへの塗装は、ドアを開いたとき
や車室内の乗員から目視されることから見栄えが要求さ
れ、外板への塗装色と同色でかつ外板と同程度の仕上が
りレベルが要求され、このため、ドアインナへの塗装
は、外板塗装に用いる上塗り塗装と同じ上塗り塗装を用
いることが一般的である。ただし、外部に常に露出され
ているのではないために、外板塗装に比して、耐チッピ
ング性や耐光性等の耐久性はさほど要求されないものと
なる。
【0010】エンジンルームやトランクルームへの塗装
は、常時は外部へ露出しておらず、しかも乗員からも目
視されないことから、耐久性および見栄えの両方につい
てさほど要求されないことから、外板への塗装色と同じ
あるいは近似した色が塗装される程度で十分なものとな
る。
【0011】上述のように、自動車車体の塗装について
は、外板塗装と、ドアインナ塗装と、エンジンルーム/
トランクルームの塗装というものを、考慮する必要があ
り、この場合、オーバスプレーの問題をも考慮する必要
がある。すなわち、外板を塗装するとき、外板用塗料が
少なからずドアインナやエンジンルーム/トランクルー
ムに吹き付けられることになる。同様に、ドアインナに
塗料を塗布するときは、外板やエンジンルーム/トラン
クルームへのオーバスプレーが問題となり、エンジンル
ーム/トランクルームに塗料を塗布するときは、外板や
ドアインナへのオーバスプレーが問題となる。
【0012】上述のオーバスプレーの問題の1つとし
て、色の混合、つまりオーバスプレーによって元の色と
混ざり合ってしまい、オーバスプレーされた部分の色が
それ以外の部分の色と異なってしまう問題がある。ま
た、オーバスプレーの別の問題として、オーバスプレー
された部分の肌不良(塗膜の平滑性が悪化)という問題
がある。この肌不良は、一旦焼き付け乾燥された塗料の
上にオーバスプレーされた場合に顕著になり、濡れた塗
料の上にオーバスプレーされた場合は、オーバスプレー
される塗料とオーバスプレーした塗料とがやがてなじむ
ために、肌不良は事実上問題とならないものとなる。
【0013】上述のオーバスプレーの問題のうち、色の
混合の問題を解消するために、カラー中塗り(上塗り塗
料と同色または近似色の中塗り塗料を用いた中塗り塗
装)が行われることも多い。すなわち、中塗り塗装にお
いては、コストの観点からは安価なグレー中塗り塗料を
用いるのが好ましいが、オーバスプレーによる色の混合
防止のために、外板の中塗りとエンジンルーム/トラン
クルームの中塗りとの両方をカラー中塗りとすること、
エンジンルーム/トランクルームの中塗りのみカラー中
塗りとすることも行われている。さらには、エンジンル
ーム/トランクルームを、中塗りすることなく、さらに
高価となるが、上塗り塗料用のカラーベース塗料で塗布
することも行われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車車体への
塗装においては、中塗り塗料を焼き付け乾燥させること
が必須となっていたが、この中塗り塗料の焼き付け乾燥
を不要にすることができれば、設備の設置コストの面か
らしてもランニングコストの面からしても多大なる利点
をもたらすことになる。また、中塗り塗料の焼き付け乾
燥を廃止することにより塗装工程を集約化させることが
可能となって、マニュアルまたはロボット等による塗装
作業編成の自由度を高めることができ、コストをさらに
効果的に低減することが可能となる。このような利点
は、ドアインナへの中塗りを廃止した場合にはなお一層
促進されることになる。
【0015】本発明は、前述したような自動車車体への
塗装に関する要求と問題とを考慮してなされたもので、
その目的は、オーバスプレーの問題を解消しつつ、中塗
り塗料専用の焼き付け乾燥を廃止できるようにして、よ
り安価かつ効率的に塗装することができるようにした自
動車車体の塗装方法および塗装装置を提供することにあ
る。
【0016】本発明にあっては、基本的に、中塗り塗料
の焼き付け乾燥は、上塗り塗料の焼き付け乾燥と同時に
行うようにしてある。すなわち、中塗り塗料に対してウ
エットオンウエットの状態で全ての上塗り塗料を塗布す
るようにして、上塗り塗料の塗布終了後に、中塗り塗料
と上塗り塗料とを同時に焼き付け乾燥させるようにして
ある。
【0017】前記目的を達成するため、本発明における
塗装方法にあっては、その第1の解決手法として、次の
ようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請
求項1に記載のように、自動車車体の外板に対して、中
塗り塗装と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用
のクリア塗装とを順次行うようにした自動車車体の塗装
方法であって、外板に対して中塗り塗料を塗布する第1
ステップと、前記第1ステップの後に、自動車車体のエ
ンジンルームおよび/またはトランクルームに対して、
外板に対する上塗り用のカラーベース塗料と同色または
近似色となるカラー中塗り塗料またはカラーベース塗料
を塗布する第2ステップと、前記第1ステップの後で、
かつ前記第2ステップの前または後で、自動車車体のド
アインナに対してカラーベース塗料を塗布する第3ステ
ップと、前記第2ステップおよび第3ステップの後に、
外板に対して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第
4ステップと、前記第4ステップの後に、ドアインナに
対して上塗り用のクリア塗料を塗布する第5ステップ
と、第4ステップの後で、かつ前記第5ステップの前ま
たは後に、外板に対して上塗り用のクリア塗料を塗布す
る第6ステップと、前記第5ステップおよび第6ステッ
プの後に、前記第1ステップから第6ステップまでの間
に塗布された塗料を焼き付け乾燥させる第7ステップ
と、を備え、前記第2ステップから第6ステップでの塗
料の塗布がそれぞれ、前のステップで塗布された塗料が
乾燥される前に行われるウエットオンウエットの状態で
行われる、ようにしてある。
【0018】上記解決手法によれば、中塗り塗料専用の
焼き付け乾燥を行う必要がないので、つまり中塗り塗料
専用の焼き付け乾燥炉が不用になるので、設置コスト削
減の点で、またランニングコスト削減の点で有利とな
る。また、ドアインナに対して中塗り塗装する必要がな
いので、この分さらにコスト的に有利となる。また、中
塗り塗料を塗布してから、その後の全ての塗料の塗布ま
でがウエットオンウエットの状態で行われるので、オー
バスプレーによる肌不良の問題も生じないものとなる。
さらに、中塗り塗料の焼き付け乾燥廃止やドアインナへ
の中塗り塗装の廃止等に起因して塗装工程を集約化させ
ることが可能となり、マニュアルまたはロボット等によ
る塗装作業編成の自由度が高められることになり、コス
トをより一層低減することが可能になる。
【0019】一方、ドアインナの塗装やエンジンルー
ム、トランクルームの塗装は、通常、左右両方向から塗
料の吹付を行うことにより行われるが、左右各方向から
の塗料が向かい側の塗装作業者などにオーバスプレーさ
れてしまうのを防止するために、自動車車体の搬送方向
において若干ずれた位置関係で、左方向からの塗料吹付
と右方向からの塗料吹付とを行うのが一般的である。こ
のように、左右の吹付位置を搬送方向においてずらすこ
とにより、搬送方向においてデッドスペースが生じてし
まうが、このデッドスペースが、上記解決手法によれ
ば、合計で搬送方向において4カ所と極力少なくですむ
ものとなる。
【0020】前記目的を達成するため、本発明における
塗装方法にあっては、その第2の解決手法として、次の
ようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請
求項2に記載のように、自動車車体の外板に対して、中
塗り塗装と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用
の光輝材含有ベース塗装と、上塗り用のクリア塗装とを
順次行うようにした自動車車体の塗装方法であって、外
板に対して中塗り塗料を塗布する第1ステップと、前記
第1ステップの後に、自動車車体のエンジンルームおよ
び/またはトランクルームに対して、外板に対する上塗
り用のカラーベース塗料と同色または近似色となるカラ
ー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布する第2ス
テップと、前記第1ステップの後で、かつ前記第2ステ
ップの前または後で、自動車車体のドアインナに対して
カラーベース塗料を塗布する第3ステップと、前記第2
ステップおよび第3ステップの後に、外板に対して上塗
り用のカラーベース塗料を塗布する第4ステップと、前
記第4ステップの後に、外板に対して上塗り用となる光
輝材が含有された光輝材含有ベース塗料を塗布する第5
ステップと、前記第4ステップの後で、かつ前記第5ス
テップの前または後に、ドアインナに対して上塗り用と
なる光輝材含有のベース塗料を塗布する第6ステップ
と、前記第5ステップおよび第6ステップの後に、ドア
インナに対して上塗り用のクリア塗料を塗布する第7ス
テップと、前記第5ステップおよび第6ステップの後
で、かつ前記第7ステップの前または後に、外板に対し
て上塗り用のクリア塗料を塗布する第8ステップと、前
記第7ステップおよび前記第8ステップの後に、前記第
1ステップから第8ステップまでの間に塗布された塗料
を焼き付け乾燥させる第9ステップと、を備え、前記第
2ステップから第8ステップでの塗料の塗布がそれぞ
れ、前のステップで塗布された塗料が乾燥される前に行
われるウエットオンウエットの状態で行われる、ように
してある。
【0021】上記解決手法によれば、中塗り塗料専用の
焼き付け乾燥を行う必要がないので、つまり中塗り塗料
専用の焼き付け乾燥炉が不用になるので、設置コスト削
減の点で、またランニングコスト削減の点で有利とな
る。また、ドアインナに対して中塗り塗装する必要がな
いので、この分さらにコスト的に有利となる。また、中
塗り塗料を塗布してから、その後の全ての塗料の塗布ま
でがウエットオンウエットの状態で行われるので、オー
バスプレーによる肌不良の問題も生じないものとなる。
さらに、中塗り塗料の焼き付け乾燥廃止やドアインナへ
の中塗り塗装の廃止等に起因して塗装工程を集約化させ
ることが可能となり、マニュアルまたはロボット等によ
る塗装作業編成の自由度が高められることになり、コス
トをより一層低減することが可能になる。
【0022】前記目的を達成するため、本発明における
塗装方法にあっては、その第3の解決手法として、次の
ようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請
求項3に記載のように、自動車車体の外板に対して、中
塗り塗装と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用
のクリア塗装とを順次行うようにした自動車車体の塗装
方法であって、外板に対して中塗り塗料を塗布する第1
ステップと、前記第1ステップの後に、自動車車体のエ
ンジンルームおよび/またはトランクルームに対して、
外板に対する上塗り用のカラーベース塗料と同色または
近似色となるカラー中塗り塗料またはカラーベース塗料
を塗布する第2ステップと、前記第1ステップの後で、
かつ前記第2ステップの前または後で、自動車車体のド
アインナに対して中塗り塗料を塗布する第3ステップ
と、前記第2ステップおよび第3ステップの後に、外板
に対して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第4ス
テップと、前記第2ステップおよび第3ステップの後
で、かつ前記第4ステップの前または後に、ドアインナ
に対して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第5ス
テップと、前記第4ステップおよび第5ステップの後
に、前記ドアインナに対して上塗り用のクリア塗料を塗
布する第6ステップと、第4ステップおよび第5ステッ
プの後で、かつ前記第6ステップの前または後に、外板
に対して上塗り用のクリア塗料を塗布する第7ステップ
と、前記第6ステップおよび第7ステップの後に、前記
第1ステップから第7ステップまでの間に塗布された塗
料を焼き付け乾燥させる第8ステップと、を備え、前記
第2ステップから第7ステップでの塗料の塗布がそれぞ
れ、前のステップで塗布された塗料が乾燥される前に行
われるウエットオンウエットの状態で行われる、ように
してある。
【0023】上記解決手法によれば、中塗り塗料専用の
焼き付け乾燥を行う必要がないので、つまり中塗り塗料
専用の焼き付け乾燥炉が不用になるので、設置コスト削
減の点で、またランニングコスト削減の点で有利とな
る。また、外板への中塗り塗料を塗布してから、その後
の全ての塗料の塗布までがウエットオンウエットの状態
で行われるので、オーバスプレーによる肌不良の問題も
生じないものとなる。さらに、中塗り塗料の焼き付け乾
燥廃止廃止等に起因して塗装工程を集約化させることが
可能となり、マニュアルまたはロボット等による塗装作
業編成の自由度が高められることになり、コストをより
一層低減することが可能になる。
【0024】本発明にあっては、つぎのような手法を合
わせて採択することができる。すなわち、前記第1の解
決手法ないし第3の解決手法を前提として、前記第2ス
テップの後に、前記第3ステップが行われる、ようにす
ることができる。この場合、エンジンルームやトランク
ルームへの塗料塗布の際に、ドアインナへのオーバスプ
レーの問題が生じないものとなり、ドアインナの塗装面
をより良好に仕上げる上で好ましいものとなる。
【0025】前記第2の解決手法を前提として、前記第
5ステップの後に、前記第6ステップが行われる、よう
にすることができる。この場合、自動車車体の搬送方向
に必要なデッドスペースを極力少なくする上で好ましい
ものとなる(合計4カ所ですむことになる)。逆に、前
記第6ステップの後に、前記第5ステップが行われる、
ようにすることもできる。この場合は、同じ塗料につい
ては外板への塗料塗布の方をドアインナへの塗料塗布よ
りも後にして、外板の塗装面をより良好に仕上げる上で
好ましいものとなる。さらに、光輝材として、マイカと
することができる。
【0026】前記第3の解決手法を前提として、次のよ
うにすることができる。すなわち、前記第4ステップの
後に、前記第5ステップが行われる、ようにすることが
できる。この場合、車体搬送方向へのデッドスペースを
極力少なくする上で好ましいものとなる。
【0027】前記第2ステップの後に、前記第3ステッ
プが行われ、前記第3ステップの後に、前記第4ステッ
プが行われ、前記第4ステップの後に、前記第5ステッ
プが行われる、ようにすることができる。これにより、
ドアインナの塗装面をより良好に仕上げつつ、車体搬送
方向へのデッドスペースを極力するなくする上で好まし
いものとなる。前記第5ステップの後に、前記第4ステ
ップが行われる、ようにすることができる。この場合、
外板の塗装面をより良好に仕上げる上で好ましいものと
なる。
【0028】前記第1の解決手法あるいは第3の解決手
法を前提として、次のような各手法を合わせて採択する
ことができる。前記カラーベース塗料が、光輝材含有系
塗料またはソリッド系塗料とされている、ようにするこ
とができる。
【0029】前記第1の解決手法ないし第3の解決手法
を前提として、次のような各手法を合わせて採択するこ
とができる。前記第1ステップで用いられる中塗り塗料
が、グレー中塗り塗料とされる、ようにすることができ
る。これにより、中塗り塗料として安価なものとして、
コスト的により有利となる。また、前記第2ステップで
用いられる塗料が、カラー中塗り塗料とされる、ように
することができる。これにより、エンジンルームやトラ
ンクルームへの塗装色を、もっとも安価に外板の塗装色
に対応させた色とすることができる。
【0030】前記目的を達成するため、本発明における
塗装方法にあっては、その第4の解決手法として、次の
ようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請
求項15に記載のように、自動車車体の外板に対して、
中塗り塗装と、上塗り用となるソリッド系塗料を用いた
カラーベース塗装とを順次行うようにした自動車車体の
塗装方法であって、外板に対して中塗り塗料を塗布する
第1ステップと、前記第1ステップの後に、自動車車体
のエンジンルームおよび/またはトランクルームに対し
て、外板に対する上塗り用のカラーベース塗料と同色ま
たは近似色となるカラー中塗り塗料またはカラーベース
塗料を塗布する第2ステップと、前記第1ステップの後
で、かつ前記第2ステップの前または後で、自動車車体
のドアインナに対してカラーベース塗料を塗布する第3
ステップと、前記第2ステップおよび第3ステップの後
に、外板に対して上塗り用のカラーベース塗料を塗布す
る第4ステップと、前記第4ステップの後に、前記第1
ステップから第4ステップまでの間に塗布された塗料を
焼き付け乾燥させる第5ステップと、を備え、前記第2
ステップから第4ステップでの塗料の塗布がそれぞれ、
前のステップで塗布された塗料が乾燥される前に行われ
るウエットオンウエットの状態で行われる、ようにして
ある。
【0031】上記解決手法によれば、中塗り塗料専用の
焼き付け乾燥を行う必要がないので、つまり中塗り塗料
専用の焼き付け乾燥炉が不用になるので、設置コスト削
減の点で、またランニングコスト削減の点で有利とな
る。また、ドアインナに対して中塗り塗装する必要がな
いので、この分さらにコスト的に有利となる。また、中
塗り塗料を塗布してから、その後の全ての塗料の塗布ま
でがウエットオンウエットの状態で行われるので、オー
バスプレーによる肌不良の問題も生じないものとなる。
さらに、中塗り塗料の焼き付け乾燥廃止やドアインナへ
の中塗り塗装の廃止等に起因して塗装工程を集約化させ
ることが可能となり、マニュアルまたはロボット等によ
る塗装作業編成の自由度が高められることになり、コス
トをより一層低減することが可能になる。
【0032】本発明における塗装装置にあっては、その
第1の解決手法として、次のようにしてある。すなわ
ち、請求項1に記載の塗装方法に対応するもので、特許
請求の範囲における請求項16に記載のように、自動車
車体の外板に対して、中塗り塗装と、上塗り用のカラー
ベース塗装と、上塗り用のクリア塗装とを順次行うため
の自動車車体の塗装装置であって、自動車車体が、搬送
手段によって搬送されつつ順次、第1ステーション、第
2ステーション、第3ステーション、第4ステーショ
ン、第5ステーション、第6ステーション、第7ステー
ションを通過するように設定され、前記第1ステーショ
ンが、外板に対して中塗り塗料を塗布するように設定さ
れ、前記第2ステーションと第3ステーションとのいず
れか一方のステーションが、自動車車体のエンジンルー
ムおよび/またはトランクルームに対して、外板に対す
る上塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色とな
るカラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布する
ように設定されると共に、他方のステーションが、自動
車車体のドアインナに対してカラーベース塗料を塗布す
るように設定され、前記第4ステーションが、外板に対
して上塗り用のカラーベース塗料を塗布するように設定
され、前記第5ステーションと第6ステーションとのい
ずれか一方のステーションがドアインナに対して上塗り
用のクリア塗料を塗布するように設定されると共に、他
方のステーションが外板に対して上塗り用のクリア塗料
を塗布するように設定され、前記第7ステーションが、
前記第1ステーションから第6ステーションまでの間に
塗布された塗料を焼き付け乾燥させるように設定され、
前記搬送手段によって自動車車体を前記第1ステーショ
ンから第6ステーションを通過させるまでの搬送を行っ
ている間、前記第2ステーションから第6ステーション
での塗料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布さ
れた塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエッ
トの状態で行われる、ようにされている。
【0033】本発明における塗装装置にあっては、その
第2の解決手法として、次のようにしてある。すなわ
ち、請求項2に記載の塗装方法に対応するもので、特許
請求の範囲における請求項17に記載のように、自動車
車体の外板に対して、中塗り塗装と、上塗り用のカラー
ベース塗装と、上塗り用となる光輝材を含有した光輝材
含有ベース塗装と、上塗り用のクリア塗装とを順次行う
ための自動車車体の塗装装置であって、自動車車体が、
搬送手段によって搬送されつつ順次、第1ステーショ
ン、第2ステーション、第3ステーション、第4ステー
ション、第5ステーション、第6ステーション、第7ス
テーション、第8ステーション、第9ステーションを通
過するように設定され、前記第1ステーションが、外板
に対して中塗り塗料を塗布するように設定され、前記2
ステーションと第3ステーションとのいずれか一方のス
テーションが、自動車車体のエンジンルームおよび/ま
たはトランクルームに対して、外板に対する上塗り用の
カラーベース塗料と同色または近似色となるカラー中塗
り塗料またはカラーベース塗料を塗布するように設定さ
れると共に、他方のステーションが、自動車車体のドア
インナに対してカラーベース塗料を塗布するように設定
され、前記第4ステーションが、外板に対して上塗り用
のカラーベース塗料を塗布するように設定され、前記第
5ステーションと第6ステーションとのいずれか一方の
ステーションが外板に対して上塗り用の光輝材含有ベー
ス塗料を塗布するように設定されると共に、他方のステ
ーションがドアインナに対して上塗り用の光輝材含有ベ
ース塗料を塗布するように設定され、前記第7ステーシ
ョンと第8ステーションとのいずれか一方のステーショ
ンがドアインナに対して上塗り用のクリア塗料を塗布す
るように設定されると共に他方のステーションが外板に
対して上塗り用のクリア塗料を塗布するように設定さ
れ、前記第9ステーションが、前記第1ステーションか
ら第8ステーションにおいて塗布された塗料を焼き付け
乾燥させるように設定され、前記搬送手段によって自動
車車体を前記第1ステーションから第8ステーションを
通過させるまでの搬送を行っている間、前記第2ステー
ションから第8ステーションでの塗料の塗布がそれぞ
れ、前のステーションで塗布された塗料が乾燥される前
に行われるウエットオンウエットの状態で行われる、よ
うにしてある。
【0034】本発明における塗装装置にあっては、その
第3の解決手法として、次のようにしてある。すなわ
ち、請求項3に記載の塗装方法に対応するもので、特許
請求の範囲における請求項18に記載のように、自動車
車体の外板に対して、中塗り塗装と、上塗り用のカラー
ベース塗装と、上塗り用のクリア塗装とを順次行うため
の自動車車体の塗装装置であって、自動車車体が、搬送
手段によって搬送されつつ順次、第1ステーション、第
2ステーション、第3ステーション、第4ステーショ
ン、第5ステーション、第6ステーション、第7ステー
ション、第8ステーションを通過するように設定され、
前記第1ステーションが、外板に対して中塗り塗料を塗
布するように設定され、前記第2ステーションと第3ス
テーションとのいずれか一方のステーションが、自動車
車体のエンジンルームおよび/またはトランクルームに
対して、外板に対する上塗り用のカラーベース塗料と同
色または近似色となるカラー中塗り塗料またはカラーベ
ース塗料を塗布するように設定されると共に、他方のス
テーションが、自動車車体のドアインナに対して中塗り
塗料を塗布するように設定され、前記第4ステーション
と第5ステーションとのいずれか一方のステーションが
外板に対して上塗り用のカラーベース塗料を塗布するよ
うに設定されると共に、他方のステーションがドアイン
ナに対してカラーベース塗料を塗布するように設定さ
れ、前記第6ステーションと第7ステーションとのいず
れか一方のステーションが、外板に対して上塗り用のク
リア塗料を塗布するように設定されると共に、他方のス
テーションが外板に対して上塗り用のクリア塗料を塗布
するように設定され、前記第8ステーションが、前記第
1ステーションから第7ステーションまでの間に塗布さ
れた塗料を焼き付け乾燥させるように設定され、前記搬
送手段によって自動車車体を前記第1ステーションから
第7ステーションを通過させるまでの搬送を行っている
間、前記第2ステーションから第7ステーションでの塗
料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布された塗
料が乾燥される前に行われるウエットオンウエットの状
態で行われる、ようにしてある。
【0035】本発明における塗装装置にあっては、その
第4の解決手法として、次のようにしてある。すなわ
ち、請求項15に記載の塗装方法に対応するもので、特
許請求の範囲における請求項19に記載のように、自動
車車体の外板に対して、中塗り塗装と、上塗り用となる
ソリッド系塗料を用いたカラーベース塗装とを順次行う
ための自動車車体の塗装装置であって、自動車車体が、
搬送手段によって搬送されつつ順次、第1ステーショ
ン、第2ステーション、第3ステーション、第4ステー
ション、第5ステーションを通過するように設定され、
第第1ステーションが、外板に対して中塗り塗料を塗布
するように設定され、前記第2ステーションと第3ステ
ーションとのいずれか一方のステーションが、自動車車
体のエンジンルームおよび/またはトランクルームに対
して、外板に対する上塗り用のカラーベース塗料と同色
または近似色となるカラー中塗り塗料またはカラーベー
ス塗料を塗布するように設定されると共に、他方のステ
ーションが、自動車車体のドアインナに対してカラーベ
ース塗料を塗布するように設定され、前記第4ステーシ
ョンが、外板に対して上塗り用のカラーベース塗料を塗
布するように設定され、前記第5ステーションが、前記
第1ステーションから第4ステーションまでの間に塗布
された塗料を焼き付け乾燥させるように設定され、前記
搬送手段によって自動車車体を前記第1ステーションか
ら第4ステーションを通過させるまでの搬送を行ってい
る間、前記第2ステーションから第4ステーションでの
塗料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布された
塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエットの
状態で行われる、ようにしてある。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
を示すものであり、上塗り塗装が、カラーベース塗料の
塗布とクリア塗料の塗布との2コートのものを対象とし
ている。なお、以下の説明において、車体外板は、ドア
を閉めた状態で外側に位置している部分であり(外部か
ら常時目視可能な部分)、ボンネットフード、ルーフ、
トランクリッド、フェンダ、バンパ、ドア外側などが含
まれる。また、ドアインナは、ドア外側よりより内側に
位置する部分(車室内側から常時目視可能な部分や、ド
アが開いたときに目視可能となる部分)で、車室内側に
位置するドアインナ部分、ホイールアーチ部分、ステッ
プ部分等が含まれる。
【0037】図1において、自動車車体Vは、実施形態
では、その前部においてエンジンルームを有し、その後
部においてトランクルームを有し、その側部においてサ
イドドアによって開閉される乗降用の開口部を有するも
のとなっている。このような車体Vは、既に下塗り塗装
が完了されたものとなっている。すなわち、既知のよう
に、車体Vが全体的に下塗り塗料中に浸漬されて電着塗
装が行われて、下塗り塗料は焼き付け乾燥された状態と
される。
【0038】下塗り塗装が完了された車体Vは、搬送手
段としての搬送台車D上に搭載されて、搬送台車Dによ
って、各ステーションS1〜S7を順次通過するように
搬送される。なお、図1中1は、搬送台車Dを牽引する
ためのワイヤ、チェーン等の牽引手段であるが、搬送台
車Dを自走式のものとすることもできる。各ステーショ
ンにおいて行われる塗装内容について、以下に順次説明
する。まず、下塗りが完了された車体Vは、第1ステッ
プとなる第1ステーションS1に搬送されて、ここで、
車体Vの外板に対して、自動機またはロボットを利用し
て、中塗りが行われる。用いられる中塗り塗料は、中塗
り塗料としてはもっとも安価なグレー中塗り塗料とされ
る。
【0039】第1ステーションS1の次に、車体Vは、
第2ステップとなる第2ステーションS2へ搬送され
る。この第2ステーションS2では、エンジンルームと
トランクルームとに対して、マニュアルまたはロボット
を利用して、カラー中塗りが行われる。すなわち、用い
られる中塗り塗料の色が、外板に対して行われる上塗り
塗料の色(後述するカラーベース塗料の色)と同色ある
いは近似色のものが用いられる。この第2ステーション
でのカラー中塗りは、第1ステーションでの外板への中
塗り塗料が濡れている状態で行われる。
【0040】上記第2ステーションS2では、左右両方
向から同時にカラー中塗り塗料を吹き付けるようになっ
ている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側の
塗装作業者などにオーバスプレーしないように、左方向
からの吹付ステーション(符号11L)と、右方向から
の吹付ステーション(符号11R)とが、車体Vの搬送
方向に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0041】第2ステーションの次に、車体Vは、第3
ステップとなる第3ステーションS3へ搬送される。こ
の第3ステーションS3では、ドアインナに対して、マ
ニュアルまたはロボットを利用して、上塗り塗料用のカ
ラーベース塗料が塗布される。このカラーベース塗料
は、外板の最終的な色を実質的に決定するもので、例え
ば、金属粉(例えばアルミニウム粉等)等の光輝材を含
有する塗料(例えばメタリック系塗料)、あるいは光輝
材を含有しないソリッド系塗料を用いることができる。
このカラーベース塗料の塗布は、第1ステーションS
1、第2ステーションS2で塗布された塗料が濡れてい
る状態で行われる。
【0042】上記第3ステーションS3では、左右両方
向から同時にカラーベース塗料を吹き付けるようになっ
ている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側の
塗装作業者などにオーバスプレーしないように、左方向
からの吹付ステーション(符号12L)と、右方向から
の吹付ステーション(符号12R)とが、車体Vの搬送
方向に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0043】第3ステーションS3の次に、車体Vは、
第4ステップとなる第4ステーションS4に搬送され
る。この第4ステーションS4は、さらに車体Vの搬送
方向に、ステーションS4Aとその下流側のS4Bとの
2つのステーションに分かれている。ステーションS4
Aでは、外板に対して、塗装機を利用して、上塗り塗料
としてのカラーベース塗料が塗布される(1回目)。次
いで、車体VはステーションS4Bに搬送されて、この
ステーションS4Bにおいて、塗装機を利用して、外板
に対してカラーベース塗料が塗布される(2回目)。
【0044】ステーションS4Aでのカラーベース塗料
の塗布は、第1ステーションS1〜第3ステーションS
3で塗布された塗料がそれぞれ濡れている状態で行われ
る。同様に、ステーションS4Bでのカラーベースの塗
料の塗布も、各ステーションS1、S2、S3、S4A
での塗布された塗料が濡れている状態で行われる。
【0045】第4ステーションS4(ステーションS4
B)の次に、車体Vは、第5ステップとなる第5ステー
ションS5に搬送される。この第5ステーションS5で
は、ドアインナに対して、マニュアルまたはロボットに
よって、上塗り塗装用のクリア塗料が塗布される。この
第5ステーションでのクリア塗料塗布は、各ステーショ
ンS1〜S4で塗布された塗料が濡れている状態で行わ
れる。
【0046】上記第5ステーションS5では、左右両方
向から同時にクリア塗料を吹き付けるようになってい
る。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側の塗装
作業者などにオーバスプレーしないように、左方向から
の吹付ステーション(符号13L)と、右方向からの吹
付ステーション(符号13R)とが、車体Vの搬送方向
に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0047】第5ステーションS5の次に、車体Vは、
第6ステップとなる第6ステーションS6に搬送され
る。この第6ステーションS6では、外板に対して、塗
装機によって、上塗り塗装用のクリア塗料が塗布され
る。この第6ステーションでのクリア塗料塗布は、各ス
テーションS1〜S5で塗布された塗料が濡れている状
態で行われる。
【0048】第6ステーションS6の次に、車体Vは、
第7ステップとなる第7ステーションS7に搬送され
る。この第7ステーションS7には、焼き付け乾燥炉が
設置されていて、いままでに通過してきた全てのステー
ションS1〜S6までの間に塗布された全ての塗料が同
時に焼き付け乾燥される。焼き付け乾燥が終了された車
体Vは、塗装が全て完了となり、車両組付ラインへと搬
送されることになる。
【0049】ここで、図1において、ステーションS
2、S3において左右の吹付ステーション11L、12
Lと11R、12Rとが車体搬送方向に若干ずれている
ことにより形成されるデッドスペース、およびステーシ
ョンS5において左右の吹付ステーション13Lと13
Rとが車体搬送方向に若干ずれていることにより形成さ
れるデッドスペースが、それぞれ符号DSで示される。
図1の実施形態では、デッドスペースDSは、合計4つ
というように少ない数であり、塗装経路の長さを極力短
くする上で好ましいものとなる。
【0050】図2は、前述した図1の実施形態におい
て、外板、ドアインナ、エンジンルーム/トランクルー
ムについての塗装状態を示すものである。この図2から
明らかなように、上記3つの部位において、車体Vを構
成する鋼板と下塗り塗装は共通である。外板について
は、中塗り塗料をもっとも安価なグレー中塗り塗料とす
ることができる。ドアインナについては、中塗りが不用
となっている。エンジンルーム、トランクルームにつて
は、外板色と同色あるいは近似色とするのに、もっとも
安価なカラー中塗りとなっている。このように、極めて
安価に塗装することができるようになっている。勿論、
以上に加えて、中塗り塗料を焼き付け乾燥させる専用の
焼き付け乾燥工程(焼き付け乾燥炉)を必要としないこ
とから、この中塗り専用の焼き付け乾燥炉の設置コスト
が削減されるばかりでなく、中塗り塗料のみを焼き付け
乾燥させるためのエネルギの節約にもなり、さらに塗装
時間を全体的に短縮する上でも好ましいものとなる。さ
らに、塗装工程を有効に集約化することや、塗装作業編
成の自由度を高める上でも好ましいものとなる。
【0051】オーバスプレーに関連した塗装品質につい
て考察すると、本発明では、オーバスプレーされる塗料
が濡れている状態でオーバスプレーが行われるので、肌
不良の問題は生じないものとなる。また、所望の色とは
異なる色がオーバスプレーされることが無いので、オー
バスプレーによる色の混合という問題も生じない。ちな
みに、第2ステーションの後に第1ステーションでの外
板の中塗りを行うようにした場合は、外板の中塗りをカ
ラー中塗りとせざるを得ないものとなる。
【0052】次に、図3を参照しつつ、本発明の別の実
施形態について説明する。この図3に示す実施形態で
は、上塗り塗装を、光輝材を含有しないカラーベース塗
料の塗布と、パールマイカ等の光輝材を含有した光輝材
含有ベース塗料の塗布と、クリア塗料の塗布との3コー
トで行う場合となっている。
【0053】図3の実施形態では、車体Vは、牽引手段
1によって牽引される搬送台車Dに搭載されて、ステー
ションS11、S12、S13、S14、S15、S1
6、S17、S18、S19を順次通過するように設定
される。まず、下塗りが完了された車体Vは、第1ステ
ップとなる第1ステーションS11に搬送されて、ここ
で、車体Vの外板に対して、自動機またはロボットを利
用して、中塗りが行われる。用いられる中塗り塗料は、
中塗り塗料としてはもっとも安価なグレー中塗り塗料と
される。
【0054】第1ステーションS11の次に、車体V
は、第2ステップとなる第2ステーションS12へ搬送
される。この第2ステーションS12では、エンジンル
ームとトランクルームとに対して、マニュアルまたはロ
ボットを利用して、上塗り塗装用のカラーベース塗料が
塗布されて、外板に対して行われる上塗り塗料の色(後
述するカラーベース塗料の色)と同色のものが用いられ
る。この第2ステーションS12での塗料塗布は、第1
ステーションS11での外板への中塗り塗料が濡れてい
る状態で行われる。
【0055】上記第2ステーションS12では、左右両
方向から同時にカラー中塗り塗料を吹き付けるようにな
っている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側
の塗装作業者などにオーバスプレーしないように、左方
向からの吹付ステーション(符号21L)と、右方向か
らの吹付ステーション(符号21R)とが、車体Vの搬
送方向に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0056】第2ステーションS12の次に、車体V
は、第3ステップとなる第3ステーションS13へ搬送
される。この第3ステーションS13では、ドアインナ
に対して、マニュアルまたはロボットを利用して、上塗
り塗料用のカラーベース塗料が塗布される(光輝材の含
有なし)。このカラーベース塗料は、外板の最終的な色
を実質的に決定するものである。このカラーベース塗料
の塗布は、第1ステーションS11、第2ステーション
S12で塗布された塗料が濡れている状態で行われる。
【0057】上記第3ステーションS13では、左右両
方向から同時にカラーベース塗料を吹き付けるようにな
っている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側
の塗装作業者などにオーバスプレーしないように、左方
向からの吹付ステーション(符号22L)と、右方向か
らの吹付ステーション(符号22R)とが、車体Vの搬
送方向に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0058】第3ステーションS13の次に、車体V
は、第4ステップとなる第4ステーションS14に搬送
される。この第4ステーションS14では、外板に対し
て、塗装機を利用して、上塗り塗料としてのカラーベー
ス塗料が塗布される。このカラーベース塗料の塗布は、
各ステーションS11〜S13で塗布された塗料が濡れ
ている状態で行われる。
【0059】第4ステーションS14の次に、車体V
は、第5ステップとなる第5ステーションS15に搬送
される。この第5ステーションS15では、外板に対し
て、塗装機によって、光輝材を含有した光輝材含有ベー
ス塗料が塗布される。この光輝材含有ベース塗料塗料の
塗布は、各ステーションS11〜S14で塗布された塗
料が濡れている状態で行われる。
【0060】第5ステーションS15の次に、車体V
は、第6ステップとしての第6ステーションS16に搬
送される。この第6ステーションS16では、ドアイン
ナに対して、マニュアルまたはロボットによって、光輝
材含有ベース塗料塗料が塗布される。この光輝材含有ベ
ース塗料塗料の塗布は、各ステーションS11〜S15
で塗布された塗料が濡れた状態で行われる。
【0061】上記第6ステーションS16では、左右両
方向から同時に光輝材含有ベース塗料塗料を吹き付ける
ようになっている。このため、各左右からの吹付塗料が
向かい側の塗装作業者などにオーバスプレーしないよう
に、左方向からの吹付ステーション(符号23L)と、
右方向からの吹付ステーション(符号23R)とが、車
体Vの搬送方向に若干ずれた位置となるように設定され
ている。
【0062】第6ステーションS16の次に、車体V
は、第7ステップとしての第7ステーションS17に搬
送される。この第7ステーションS17では、ドアイン
ナに対して、マニュアルまたはロボットによって、クリ
ア塗料が塗布される。このクリア塗料の塗布は、各ステ
ーションS11〜S16で塗布された塗料が濡れた状態
で行われる。
【0063】上記第7ステーションS17では、左右両
方向から同時にクリア塗料を吹き付けるようになってい
る。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側の塗装
作業者などにオーバスプレーしないように、左方向から
の吹付ステーション(符号24L)と、右方向からの吹
付ステーション(符号24R)とが、車体Vの搬送方向
に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0064】第7ステーションS17の次に、車体V
は、第8ステップとなる第8ステーションS18に搬送
される。この第8ステーションS18では、外板に対し
て、塗装機によって、クリア塗料が塗布される。この第
8ステーションでのクリア塗料塗布は、各ステーション
S11〜S17で塗布された塗料が濡れている状態で行
われる。
【0065】第8ステーションS18の次に、車体V
は、第9ステップとなる第9ステーションS19に搬送
される。この第9ステーションS19には、焼き付け乾
燥炉が設置されていて、いままでに通過してきた全ての
ステーションS11〜S18までの間に塗布された全て
の塗料が同時に焼き付け乾燥される。焼き付け乾燥が終
了された車体Vは、塗装が全て完了となり、車両組付ラ
インへと搬送されることになる。
【0066】ここで、図3において、ステーションS1
2、S13において左右の吹付ステーション21L、2
2Lと21R、22Rとが車体搬送方向に若干ずれてい
ることにより形成されるデッドスペース、およびステー
ションS16、S17において左右の吹付ステーション
23L、24Lと23R、24Rとが車体搬送方向に若
干ずれていることにより形成されるデッドスペースが、
それぞれ符号DSで示される。図3の実施形態では、デ
ッドスペースDSは、合計4つというように少ない数で
あり、塗装経路の長さを極力短くする上で好ましいもの
となる。
【0067】図4は、前述した図3の実施形態におい
て、外板、ドアインナ、エンジンルーム/トランクルー
ムについての塗装状態を示すものである。この図4から
明らかなように、上記3つの部位において車体Vを構成
する鋼板と下塗り塗装は共通である。外板については、
中塗り塗料をもっとも安価なグレー中塗り塗料とするこ
とができる。ドアインナについては、中塗りが不用とな
っている。エンジンルーム、トランクルームにつては、
外板色と同色あるいは近似色とするのに、カラーベース
塗料を用いているが、カラー中塗り塗料とすることも可
能である。勿論、以上に加えて、中塗り塗料を焼き付け
乾燥させる専用の焼き付け乾燥工程(焼き付け乾燥炉)
を必要としないことから、この中塗り専用の焼き付け乾
燥炉の設置コストが削減されるばかりでなく、中塗り塗
料のみを焼き付け乾燥させるためのエネルギの節約にも
なり、さらに塗装時間を全体的に短縮する上でも好まし
いものとなる。さらに、塗装工程を有効に集約化するこ
とや、塗装作業編成の自由度を高める上でも好ましいも
のとなる。
【0068】図5は、本発明のさらに別の実施形態を示
すもので、図1と同様に、上塗り塗装が、カラーベース
塗料の塗布とクリア塗料の塗布との2コートのものを対
象としている。本実施形態においては、ドアインナに対
しても中塗りを行うことを特徴としている。
【0069】図5において、下塗り塗装が完了された車
体Vは、搬送手段としての搬送台車D上に搭載されて、
搬送台車Dによって、各ステーションS21〜S28を
順次通過するように搬送される。各ステーションおいて
行われる塗装内容について、以下に順次説明する。ま
ず、下塗りが完了された車体Vは、第1ステップとなる
第1ステーションS21に搬送されて、ここで、車体V
の外板に対して、自動機またはロボットを利用して、中
塗りが行われる。用いられる中塗り塗料は、中塗り塗料
としてはもっとも安価なグレー中塗り塗料とされる。
【0070】第1ステーションS21の次に、車体V
は、第2ステップとなる第2ステーションS22へ搬送
される。この第2ステーションS22では、エンジンル
ームとトランクルームとに対して、マニュアルまたはロ
ボットを利用して、カラーベース塗料が塗布される。用
いられるカラーベース塗料の色は、外板において得られ
る最終的な色と同色あるいは近似色のものが用いられ
る。この第2ステーション22でのカラーベース塗料の
塗布は、第1ステーションS21での外板への中塗り塗
料が濡れている状態で行われる。
【0071】上記第2ステーションS22では、左右両
方向から同時にカラーベース塗料を吹き付けるようにな
っている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側
の塗装作業者にオーバスプレーしないように、左方向か
らの吹付ステーション(符号31L)と、右方向からの
吹付ステーション(符号31R)とが、車体Vの搬送方
向に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0072】第2ステーションS22の次に、車体V
は、第3ステップとなる第3ステーションS23へ搬送
される。この第3ステーションS23では、ドアインナ
に対して、マニュアルまたはロボットを利用して、カラ
ー中塗り塗料が塗布される。このカラー中塗り塗料は、
第2ステーションS22で塗布されるカラーベース塗料
と近似色あるいは同色のものが用いられる。このカラー
中塗り塗料の塗布は、第1ステーションS21、第2ス
テーションS22で塗布された塗料が濡れている状態で
行われる。
【0073】上記第3ステーションS23では、左右両
方向から同時にカラー中塗り塗料を吹き付けるようにな
っている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側
の塗装作業者にオーバスプレーしないように、左方向か
らの吹付ステーション(符号32L)と、右方向からの
吹付ステーション(符号32R)とが、車体Vの搬送方
向に若干ずれた位置となるように設定されている。
【0074】第3ステーションS23の次に、車体V
は、第4ステップとなる第4ステーションS24に搬送
される。この第4ステーションS24は、さらに車体V
の搬送方向に、ステーションS24Aとその下流側のS
24Bとの2つのステーションに分かれている。ステー
ションS24Aでは、外板に対して、塗装機を利用し
て、上塗り塗料としてのカラーベース塗料が塗布される
(1回目)。次いで、車体VはステーションS24Bに
搬送されて、このステーションS24Bにおいて、塗装
機を利用して、外板に対してカラーベース塗料が塗布さ
れる(2回目)。
【0075】ステーションS24Aでのカラーベース塗
料の塗布は、第1ステーションS21〜第3ステーショ
ンS23で塗布された塗料がそれぞれ濡れている状態で
行われる。同様に、ステーションS24Bでのカラーベ
ースの塗料の塗布も、各ステーションS21、S22、
S23、S24Aでの塗布された塗料が濡れている状態
で行われる。
【0076】第4ステーションS24(ステーションS
24B)の次に、車体Vは、第5ステップとなる第5ス
テーションS25に搬送される。この第5ステーション
S25では、ドアインナに対して、マニュアルまたはロ
ボットによって、カラーベース塗料が塗布される。この
第5ステーションS25では、左右両方向から同時にカ
ラーベース塗料を吹き付けるようになっている。このた
め、各左右からの吹付塗料が向かい側の塗装作業者にオ
ーバスプレーしないように、左方向からの吹付ステーシ
ョン(符号33L)と、右方向からの吹付ステーション
(符号33R)とが、車体Vの搬送方向に若干ずれた位
置となるように設定されている。第5ステーション25
でのカラーベース塗料塗布は、各ステーションS21〜
S24で塗布された塗料が濡れている状態で行われる。
【0077】第5ステーションS25の次に、車体V
は、第6ステップとなる第6ステーションS26に搬送
される。この第6ステーションS26では、ドアインナ
に対して、マニュアルまたはロボットによって、クリア
塗料が塗布される。この第6ステーションS26では、
左右両方向から同時にクリア塗料を吹き付けるようにな
っている。このため、各左右からの吹付塗料が向かい側
の塗装作業者にオーバスプレーしないように、左方向か
らの吹付ステーション(符号34L)と、右方向からの
吹付ステーション(符号34R)とが、車体Vの搬送方
向に若干ずれた位置となるように設定されている。第6
ステーション26でのクリア塗料塗布は、各ステーショ
ンS21〜S25で塗布された塗料が濡れている状態で
行われる。
【0078】第6ステーションS26の次に、車体V
は、第7ステップとなる第7ステーションS27に搬送
される。この第7ステーションS27では、外板に対し
て、塗装機によって、上塗り塗装用のクリア塗料が塗布
される。この第7ステーションでのクリア塗料塗布は、
各ステーションS21〜S26で塗布された塗料が濡れ
ている状態で行われる。
【0079】第7ステーションS27の次に、車体V
は、第8ステップとなる第8ステーションS28に搬送
される。この第8ステーションS28には、焼き付け乾
燥炉が設置されていて、いままでに通過してきた全ての
ステーションS21〜S27までの間に塗布された全て
の塗料が同時に焼き付け乾燥される。焼き付け乾燥が終
了された車体Vは、塗装が全て完了となり、車両組付ラ
インへと搬送されることになる。
【0080】ここで、図5において、ステーションS2
2、S23において左右の吹付ステーション31L、3
2Lと31R、32Rとが車体搬送方向に若干ずれてい
ることにより形成されるデッドスペース、およびステー
ションS25、S26において左右の吹付ステーション
33L、34Lと33R、34Rとが車体搬送方向に若
干ずれていることにより形成されるデッドスペースが、
それぞれ符号DSで示される。図5の実施形態では、デ
ッドスペースDSは、合計4つというように少ない数で
あり、塗装経路の長さを極力短くする上で好ましいもの
となる。
【0081】図6は、前述した図5の実施形態におい
て、外板、ドアインナ、エンジンルーム/トランクルー
ムについての塗装状態を示すものである。この図6から
明らかなように、車体Vを構成する鋼板と下塗り塗装は
共通である。外板については、中塗り塗料をもっとも安
価なグレー中塗り塗料とすることができる。ドアインナ
については、中塗りが行われるために、外板と同様に極
めて高品質の塗装面を得る上で好ましいものとなる。エ
ンジンルーム、トランクルームにつては、外板色と同色
あるいは近似色とするのにカラーベースを用いている
が、外板用よりも安価なカラーベース塗料を用いること
ができる。勿論、以上に加えて、中塗り塗料を焼き付け
乾燥させる専用の焼き付け乾燥工程(焼き付け乾燥炉)
を必要としないことから、この中塗り専用の焼き付け乾
燥炉の設置コストが削減されるばかりでなく、中塗り塗
料のみを焼き付け乾燥させるためのエネルギの節約にも
なり、さらに塗装時間を全体的に短縮する上でも好まし
いものとなる。さらに、塗装工程を有効に集約化するこ
とや、塗装作業編成の自由度を高める上でも好ましいも
のとなる。
【0082】オーバスプレーに関連した塗装品質につい
て考察すると、本発明では、オーバスプレーされる塗料
が濡れている状態でオーバスプレーが行われるので、肌
不良の問題は生じないものとなる。また、所望の色とは
異なる色がオーバスプレーされることが無いので、オー
バスプレーによる色の混合という問題も生じない。ちな
みに、第2ステーションS22の後に第1ステーション
S21での外板の中塗りを行うようにした場合は、外板
の中塗りをカラー中塗りとせざるを得ないものとなる。
【0083】オーバスプレーに関連した塗装品質につい
て考察すると、本発明では、オーバスプレーされる塗料
が濡れている状態でオーバスプレーが行われるので、肌
不良の問題は生じないものとなる。また、所望の色とは
異なる色がオーバスプレーされることが無いので、オー
バスプレーによる色の混合という問題も生じない。ちな
みに、第2ステーションの後に第1ステーションでの外
板の中塗りを行うようにした場合は、外板の中塗りをカ
ラー中塗りとせざるを得ないものとなる。
【0084】次に、図1、図3あるいは図5の変形例に
ついて説明する。まず、図1の変形例として、第2ステ
ーションS2と第3ステーションS3とを前後逆にする
ようにしてもよい。すなわち、第1ステーションS1で
の外板への中塗り塗装が行われた後に、ドアインナに対
してカラーベース塗料を塗布し(図1の第3ステーショ
ンS3の機能)、その後、エンジンルーム/トランクル
ームに対してカラー中塗り(図1の第2ステーションS
2の機能)を行うようにしてもよい(ただし、エンジン
ルーム/トランクルームに対しては、ドアインナへのオ
ーバスプレーを考慮して、カラー中塗りではなくて、カ
ラーベース塗料の塗布が好ましい)。
【0085】図1の変形例として、第5ステーション、
第6ステーションを廃止した塗装を行うこともできる。
すなわち、上塗り塗料として、ソリッド系のベース塗料
のみを用いて、上塗り用のクリア塗料を用いないように
することもできる。特に、ソリッド系の上塗り塗料とし
て白色系の場合に好適である(ステーションS2とS3
とを前後逆にしてもよいことは図1の場合と同じ)。
【0086】図3の実施形態において、図1の場合と同
様に、第2ステーションS2と第3ステーションS3と
を前後逆にしてもよい。すなわち、第1ステーションS
11での外板への中塗り塗装が行われた後に、ドアイン
ナに対してカラーベース塗料を塗布し(図3の第3ステ
ーションS13の機能)、その後、エンジンルーム/ト
ランクルームに対してカラーベース塗料の塗布を行う
(図3の第2ステーションS12の機能)ようにしても
よい。
【0087】図3の実施形態において、第5ステーショ
ンS15と第6ステーションS16とを前後逆にしても
よい。すなわち、第4ステーションS14での外板への
カラーベース塗料の塗布が行われた後に、ドアインナに
対して光輝材含有ベース塗料を塗布し(図3の第6ステ
ーションS16の機能)、その後、外板に対して光輝材
含有ベース塗料の塗布を行う(図3の第5ステーション
S15の機能)ようにしてもよい。この場合は、外板の
塗装品質をより一層向上させる面では好ましいものとな
るが、デッドスペースDSが図3の場合に比して2つ増
加されることになる。
【0088】図5の変形例として、次のようにしてもよ
い。まず、図1の場合と同様に、第1ステーションS2
1と第2ステーションS22とを前後逆にしてもよい。
この場合、S23でのドアインナに対して塗布される中
塗り塗料は、グレー中塗り塗料とすることもできる。第
4ステーションS24と第5ステーションS25とを前
後逆にしてもよい。さらに、第6ステーションS26と
第7ステーションS27とを前後逆にしてもよい。第2
ステーションS22では、カラーベース塗料を用いる代
わりに、カラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0089】以上実施形態について説明したが、本発明
はこれに限らず例えば次のような場合をも含むものであ
る。外板への中塗りは、図1、図3、図5の場合共に、
カラー中塗りとすることもできる。エンジンルーム/ト
ランクルームへの塗料塗布は、図1の場合にカラーベー
ス塗料を用い、図3、図5の場合にカラー中塗り塗料を
用いることもできる。ドアインナ、エンジンルーム、ト
ランクルームに対してカラーベース塗料を用いるとき
は、外板用のカラーベース塗料よりも安価な内板用のカ
ラーベース塗料を用いることもできる。図1、図3、図
5の第2ステーションS2、S12、S22において
は、車体構造等に応じて、エンジンルームとトランクル
ームとの両方への塗料塗布、エンジンルームのみへの塗
料塗布、トランクルームのみへの塗料塗布のいずかを選
択することができる。エンジンルーム、トランクルーム
に対しては、塗装品質向上のために、最上層にクリア塗
料を塗布するようにしてもよい。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、オーバスプレーによる
問題を解消しつつ、安価に塗装することができる。ま
た、塗装工程を有効に集約化することや、塗装作業編成
の自由度を高める上でも好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す工程図。
【図2】図1の実施形態における車体各部位での塗膜形
成状態を示す図。
【図3】本発明の別の実施形態を示す工程図。
【図4】図3の実施形態における車体各部位での塗膜形
成状態を示す図。
【図5】本発明のさらに別の実施形態を示す工程図。
【図6】図5の実施形態における車体各部位での塗膜形
成状態を示す図。
【符号の説明】
V:車体 D:搬送台車(搬送手段) DS:デッドスペース S1、S11、S21:第1ステーション S2、S12、S22:第2ステーション S3、S13、S23:第3ステーション S4、S14、S24:第4ステーション S5、S15、S25:第5ステーション S6、S16、S26:第6ステーション S7、S17、S27:第7ステーション S18、28:第8ステーション S19:第9ステーション
フロントページの続き (72)発明者 迫田 俊之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開2001−104879(JP,A) 特開 平10−277478(JP,A) 特開 平10−296178(JP,A) 特開 平10−216617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 13/02 B05D 1/36 B05D 7/14

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用のクリア
    塗装とを順次行うようにした自動車車体の塗装方法であ
    って、 外板に対して中塗り塗料を塗布する第1ステップと、 前記第1ステップの後に、自動車車体のエンジンルーム
    および/またはトランクルームに対して、外板に対する
    上塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となる
    カラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布する第
    2ステップと、 前記第1ステップの後で、かつ前記第2ステップの前ま
    たは後で、自動車車体のドアインナに対してカラーベー
    ス塗料を塗布する第3ステップと、 前記第2ステップおよび第3ステップの後に、外板に対
    して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第4ステッ
    プと、 前記第4ステップの後に、ドアインナに対して上塗り用
    のクリア塗料を塗布する第5ステップと、 第4ステップの後で、かつ前記第5ステップの前または
    後に、外板に対して上塗り用のクリア塗料を塗布する第
    6ステップと、 前記第5ステップおよび第6ステップの後に、前記第1
    ステップから第6ステップまでの間に塗布された塗料を
    焼き付け乾燥させる第7ステップと、を備え、前記第2
    ステップから第6ステップでの塗料の塗布がそれぞれ、
    前のステップで塗布された塗料が乾燥される前に行われ
    るウエットオンウエットの状態で行われる、ことを特徴
    とする自動車車体の塗装方法。
  2. 【請求項2】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用の光輝材
    含有ベース塗装と、上塗り用のクリア塗装とを順次行う
    ようにした自動車車体の塗装方法であって、 外板に対して中塗り塗料を塗布する第1ステップと、 前記第1ステップの後に、自動車車体のエンジンルーム
    および/またはトランクルームに対して、外板に対する
    上塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となる
    カラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布する第
    2ステップと、 前記第1ステップの後で、かつ前記第2ステップの前ま
    たは後で、自動車車体のドアインナに対してカラーベー
    ス塗料を塗布する第3ステップと、 前記第2ステップおよび第3ステップの後に、外板に対
    して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第4ステッ
    プと、 前記第4ステップの後に、外板に対して上塗り用となる
    光輝材が含有された光輝材含有ベース塗料を塗布する第
    5ステップと、 前記第4ステップの後で、かつ前記第5ステップの前ま
    たは後に、ドアインナに対して上塗り用となる光輝材含
    有のベース塗料を塗布する第6ステップと、 前記第5ステップおよび第6ステップの後に、ドアイン
    ナに対して上塗り用のクリア塗料を塗布する第7ステッ
    プと、 前記第5ステップおよび第6ステップの後で、かつ前記
    第7ステップの前または後に、外板に対して上塗り用の
    クリア塗料を塗布する第8ステップと、 前記第7ステップおよび前記第8ステップの後に、前記
    第1ステップから第8ステップまでの間に塗布された塗
    料を焼き付け乾燥させる第9ステップと、を備え、前記
    第2ステップから第8ステップでの塗料の塗布がそれぞ
    れ、前のステップで塗布された塗料が乾燥される前に行
    われるウエットオンウエットの状態で行われる、ことを
    特徴とする自動車車体の塗装方法。
  3. 【請求項3】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用のクリア
    塗装とを順次行うようにした自動車車体の塗装方法であ
    って、 外板に対して中塗り塗料を塗布する第1ステップと、 前記第1ステップの後に、自動車車体のエンジンルーム
    および/またはトランクルームに対して、外板に対する
    上塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となる
    カラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布する第
    2ステップと、 前記第1ステップの後で、かつ前記第2ステップの前ま
    たは後で、自動車車体のドアインナに対して中塗り塗料
    を塗布する第3ステップと、 前記第2ステップおよび第3ステップの後に、外板に対
    して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第4ステッ
    プと、 前記第2ステップおよび第3ステップの後で、かつ前記
    第4ステップの前または後に、ドアインナに対して上塗
    り用のカラーベース塗料を塗布する第5ステップと、 前記第4ステップおよび第5ステップの後に、前記ドア
    インナに対して上塗り用のクリア塗料を塗布する第6ス
    テップと、 第4ステップおよび第5ステップの後で、かつ前記第6
    ステップの前または後に、外板に対して上塗り用のクリ
    ア塗料を塗布する第7ステップと、 前記第6ステップおよび第7ステップの後に、前記第1
    ステップから第7ステップまでの間に塗布された塗料を
    焼き付け乾燥させる第8ステップと、を備え、前記第2
    ステップから第7ステップでの塗料の塗布がそれぞれ、
    前のステップで塗布された塗料が乾燥される前に行われ
    るウエットオンウエットの状態で行われる、ことを特徴
    とする自動車車体の塗装方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    おいて、 前記第2ステップの後に、前記第3ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  5. 【請求項5】請求項2において、 前記第5ステップの後に、前記第6ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  6. 【請求項6】請求項2において、 前記第2ステップの後に、前記第3ステップが行われ、 前記第5ステップの後に、前記第6ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  7. 【請求項7】請求項2において、 前記第6ステップの後に、前記第5ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  8. 【請求項8】請求項3において、 前記第4ステップの後に、前記第5ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  9. 【請求項9】請求項3において、 前記第2ステップの後に、前記第3ステップが行われ、 前記第3ステップの後に、前記第4ステップが行われ、 前記第4ステップの後に、前記第5ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  10. 【請求項10】請求項3において、 前記第5ステップの後に、前記第4ステップが行われ
    る、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  11. 【請求項11】請求項2において、 前記光輝材が、パールマイカとされている、ことを特徴
    とする自動車車体の塗装方法。
  12. 【請求項12】請求項1または請求項3において、 前記カラーベース塗料が、光輝材含有系塗料またはソリ
    ッド系塗料とされている、ことを特徴とする自動車車体
    の塗装方法。
  13. 【請求項13】請求項1、請求項2、請求項5、請求項
    6、請求項7、請求項11のいずれか1項において、 前記第1ステップで用いられる中塗り塗料が、グレー中
    塗り塗料とされる、ことを特徴とする自動車車体の塗装
    方法。
  14. 【請求項14】請求項1ないし請求項13のいずれか1
    項において、 前記第2ステップで用いられる塗料が、カラー中塗り塗
    料とされる、ことを特徴とする自動車車体の塗装方法。
  15. 【請求項15】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用となるソリッド系塗料を用いたカラーベー
    ス塗装とを順次行うようにした自動車車体の塗装方法で
    あって、 外板に対して中塗り塗料を塗布する第1ステップと、 前記第1ステップの後に、自動車車体のエンジンルーム
    および/またはトランクルームに対して、外板に対する
    上塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となる
    カラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布する第
    2ステップと、 前記第1ステップの後で、かつ前記第2ステップの前ま
    たは後で、自動車車体のドアインナに対してカラーベー
    ス塗料を塗布する第3ステップと、 前記第2ステップおよび第3ステップの後に、外板に対
    して上塗り用のカラーベース塗料を塗布する第4ステッ
    プと、 前記第4ステップの後に、前記第1ステップから第4ス
    テップまでの間に塗布された塗料を焼き付け乾燥させる
    第5ステップと、を備え、前記第2ステップから第4ス
    テップでの塗料の塗布がそれぞれ、前のステップで塗布
    された塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエ
    ットの状態で行われる、ことを特徴とする自動車車体の
    塗装方法。
  16. 【請求項16】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用のクリア
    塗装とを順次行うための自動車車体の塗装装置であっ
    て、 自動車車体が、搬送手段によって搬送されつつ順次、第
    1ステーション、第2ステーション、第3ステーショ
    ン、第4ステーション、第5ステーション、第6ステー
    ション、第7ステーションを通過するように設定され、 前記第1ステーションが、外板に対して中塗り塗料を塗
    布するように設定され、 前記第2ステーションと第3ステーションとのいずれか
    一方のステーションが、自動車車体のエンジンルームお
    よび/またはトランクルームに対して、外板に対する上
    塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となるカ
    ラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布するよう
    に設定されると共に、他方のステーションが、自動車車
    体のドアインナに対してカラーベース塗料を塗布するよ
    うに設定され、 前記第4ステーションが、外板に対して上塗り用のカラ
    ーベース塗料を塗布するように設定され、 前記第5ステーションと第6ステーションとのいずれか
    一方のステーションがドアインナに対して上塗り用のク
    リア塗料を塗布するように設定されると共に、他方のス
    テーションが外板に対して上塗り用のクリア塗料を塗布
    するように設定され、 前記第7ステーションが、前記第1ステーションから第
    6ステーションまでの間に塗布された塗料を焼き付け乾
    燥させるように設定され、 前記搬送手段によって自動車車体を前記第1ステーショ
    ンから第6ステーションを通過させるまでの搬送を行っ
    ている間、前記第2ステーションから第6ステーション
    での塗料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布さ
    れた塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエッ
    トの状態で行われる、ことを特徴とする自動車車体の塗
    装装置。
  17. 【請求項17】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用となる光
    輝材を含有した光輝材含有ベース塗装と、上塗り用のク
    リア塗装とを順次行うための自動車車体の塗装装置であ
    って、 自動車車体が、搬送手段によって搬送されつつ順次、第
    1ステーション、第2ステーション、第3ステーショ
    ン、第4ステーション、第5ステーション、第6ステー
    ション、第7ステーション、第8ステーション、第9ス
    テーションを通過するように設定され、 前記第1ステーションが、外板に対して中塗り塗料を塗
    布するように設定され、 前記2ステーションと第3ステーションとのいずれか一
    方のステーションが、自動車車体のエンジンルームおよ
    び/またはトランクルームに対して、外板に対する上塗
    り用のカラーベース塗料と同色または近似色となるカラ
    ー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布するように
    設定されると共に、他方のステーションが、自動車車体
    のドアインナに対してカラーベース塗料を塗布するよう
    に設定され、 前記第4ステーションが、外板に対して上塗り用のカラ
    ーベース塗料を塗布するように設定され、 前記第5ステーションと第6ステーションとのいずれか
    一方のステーションが外板に対して上塗り用の光輝材含
    有ベース塗料を塗布するように設定されると共に、他方
    のステーションがドアインナに対して上塗り用の光輝材
    含有ベース塗料を塗布するように設定され、 前記第7ステーションと第8ステーションとのいずれか
    一方のステーションがドアインナに対して上塗り用のク
    リア塗料を塗布するように設定されると共に他方のステ
    ーションが外板に対して上塗り用のクリア塗料を塗布す
    るように設定され、 前記第9ステーションが、前記第1ステーションから第
    8ステーションにおいて塗布された塗料を焼き付け乾燥
    させるように設定され、 前記搬送手段によって自動車車体を前記第1ステーショ
    ンから第8ステーションを通過させるまでの搬送を行っ
    ている間、前記第2ステーションから第8ステーション
    での塗料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布さ
    れた塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエッ
    トの状態で行われる、ことを特徴とする自動車車体の塗
    装装置。
  18. 【請求項18】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用のカラーベース塗装と、上塗り用のクリア
    塗装とを順次行うための自動車車体の塗装装置であっ
    て、 自動車車体が、搬送手段によって搬送されつつ順次、第
    1ステーション、第2ステーション、第3ステーショ
    ン、第4ステーション、第5ステーション、第6ステー
    ション、第7ステーション、第8ステーションを通過す
    るように設定され、 前記第1ステーションが、外板に対して中塗り塗料を塗
    布するように設定され、 前記第2ステーションと第3ステーションとのいずれか
    一方のステーションが、自動車車体のエンジンルームお
    よび/またはトランクルームに対して、外板に対する上
    塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となるカ
    ラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布するよう
    に設定されると共に、他方のステーションが、自動車車
    体のドアインナに対して中塗り塗料を塗布するように設
    定され、 前記第4ステーションと第5ステーションとのいずれか
    一方のステーションが外板に対して上塗り用のカラーベ
    ース塗料を塗布するように設定されると共に、他方のス
    テーションがドアインナに対してカラーベース塗料を塗
    布するように設定され、 前記第6ステーションと第7ステーションとのいずれか
    一方のステーションが、外板に対して上塗り用のクリア
    塗料を塗布するように設定されると共に、他方のステー
    ションが外板に対して上塗り用のクリア塗料を塗布する
    ように設定され、 前記第8ステーションが、前記第1ステーションから第
    7ステーションまでの間に塗布された塗料を焼き付け乾
    燥させるように設定され、 前記搬送手段によって自動車車体を前記第1ステーショ
    ンから第7ステーションを通過させるまでの搬送を行っ
    ている間、前記第2ステーションから第7ステーション
    での塗料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布さ
    れた塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエッ
    トの状態で行われる、ことを特徴とする自動車車体の塗
    装装置。
  19. 【請求項19】自動車車体の外板に対して、中塗り塗装
    と、上塗り用となるソリッド系塗料を用いたカラーベー
    ス塗装とを順次行うための自動車車体の塗装装置であっ
    て、 自動車車体が、搬送手段によって搬送されつつ順次、第
    1ステーション、第2ステーション、第3ステーショ
    ン、第4ステーション、第5ステーションを通過するよ
    うに設定され、 第第1ステーションが、外板に対して中塗り塗料を塗布
    するように設定され、 前記第2ステーションと第3ステーションとのいずれか
    一方のステーションが、自動車車体のエンジンルームお
    よび/またはトランクルームに対して、外板に対する上
    塗り用のカラーベース塗料と同色または近似色となるカ
    ラー中塗り塗料またはカラーベース塗料を塗布するよう
    に設定されると共に、他方のステーションが、自動車車
    体のドアインナに対してカラーベース塗料を塗布するよ
    うに設定され、 前記第4ステーションが、外板に対して上塗り用のカラ
    ーベース塗料を塗布するように設定され、 前記第5ステーションが、前記第1ステーションから第
    4ステーションまでの間に塗布された塗料を焼き付け乾
    燥させるように設定され、 前記搬送手段によって自動車車体を前記第1ステーショ
    ンから第4ステーションを通過させるまでの搬送を行っ
    ている間、前記第2ステーションから第4ステーション
    での塗料の塗布がそれぞれ、前のステーションで塗布さ
    れた塗料が乾燥される前に行われるウエットオンウエッ
    トの状態で行われる、ことを特徴とする自動車車体の塗
    装装置。
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