JP3487130B2 - 像担持体ユニット - Google Patents

像担持体ユニット

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JP3487130B2
JP3487130B2 JP15751997A JP15751997A JP3487130B2 JP 3487130 B2 JP3487130 B2 JP 3487130B2 JP 15751997 A JP15751997 A JP 15751997A JP 15751997 A JP15751997 A JP 15751997A JP 3487130 B2 JP3487130 B2 JP 3487130B2
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  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機
等の画像形成装置に用いられる像担持体ユニットに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いた画像形成
装置は、外周面に感光層を有する感光体と、この感光体
の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段
により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して
静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形
成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視
像(トナー像)とする現像手段と、この現像手段により
現像されたトナー像を用紙等の転写媒体に転写させる転
写手段とを有している。
【0003】感光体としては、外周面に感光層が形成さ
れた硬質の感光体ドラムと、表面に感光層が形成された
可撓性を有する感光体ベルトとが一般に知られている。
【0004】また、帯電手段、現像手段、および転写手
段としては、それぞれ、前記感光体の表面に接触させる
ローラ状のものが知られており、そのローラとしては、
硬質のものと軟質ゴムからなるものとが知られている。
【0005】感光体として硬質の感光体ドラムを用い、
またこれに接触させるローラとしても硬質のものを用い
る場合には、感光体ドラムおよび硬質ローラを高精度に
製造するには自ずと限界があり、必ず誤差が生ずるか
ら、両者を均一に接触させることは困難である。両者が
均一に接触しないと、局部的に隙間が生じて帯電むら、
現像むら、転写むらが生じたり、必要以上に強く圧接さ
れて感光ドラムや硬質ローラに傷がついたりするという
問題が生ずる。
【0006】したがって、感光体とこれに接触させるロ
ーラとを両者とも硬質のもので構成するということは通
常行なわれておらず、感光体として硬質の感光体ドラム
を用いる場合には、ローラを軟質ゴムで構成する、ロー
ラとして硬質のものを用いる場合には、感光体として可
撓性を有する感光体ベルトを用いる、ということが行な
われている。
【0007】しかしながら、感光体の表面に接触させる
ローラを軟質ゴムで構成した場合には、次のような問題
があった。
【0008】感光体の表面に接触させる帯電ローラ等を
ゴムローラで構成する場合には、これに導電性を付与す
るために、カーボン等の導電性粒子を分散させるという
ことが行なわれるが、カーボン分散度のムラやバラツキ
でゴム硬度が変化し、ローラ表面における硬度がばらつ
くために、感光体に対する良好な密着状態が得られなく
なるという問題があった。
【0009】逆に、感光体に対する良好な密着状態を得
るべく、カーボンの分散量を小さくすると、導電性にバ
ラツキが生じ、帯電むらの原因になるという問題があっ
た。
【0010】また、柔軟性を高めるために、配合剤とし
て可塑剤を加えたものを用いると、長期間の使用や使用
環境によって、可塑剤が表面に滲み出してくる場合があ
り、この可塑剤が感光体の表面に付着して感光体中の光
導電材料が変性したり、ローラに感光体が張り付いて感
光体表面が剥がれてしまうという問題があった。
【0011】このような問題は、ローラとして硬質のも
のを用い、感光体として可撓性を有する感光体ベルトを
用いることにより解決することができる。
【0012】しかしながら、感光体として感光体ベルト
を用いた場合には、これを支持するために少なくとも2
本の支持ローラが必要なために、構造が複雑になるばか
りでなく装置が大型化してしまうという問題があった。
【0013】したがって、このような問題を同時に解決
することが望まれている。
【0014】このような要望に応えようとしたものとし
ては、従来、特開平4−188164号公報記載の感光
体駆動装置が知られている。
【0015】図9は、その感光体駆動装置を示す図で、
(a)は側面図、(b)は斜視図である。
【0016】この感光体駆動装置は、筒状の薄膜シート
として形成された感光体ベルト20と、この感光体ベル
ト20の内径周長よりも短い外径周長を有し、感光体ベ
ルト20の内側にあって回転駆動する駆動ローラ21
と、前記感光体ベルト20との摩擦係数が駆動ローラ2
1と感光体ベルト20の摩擦係数より小さく設定されて
おり、駆動ローラ21の円周方向の所定範囲内で駆動ロ
ーラ21に感光体ベルト20を密着させながら、感光体
ベルト20を摺動自在に押圧する押圧部材22とを備え
ている。なお、図9において、24は帯電器、25は露
光装置、26は現像ローラ、27は転写帯電器、28は
クリーニングローラである。
【0017】このような感光体駆動装置によれば、感光
体ベルト20は、押圧部材22により駆動ローラ21の
表面に部分的に密着された状態で駆動され、押圧部材2
2が無い部分では、駆動ローラ21との周長差によっ
て、たわみ23が形成される。
【0018】このため、感光体ベルト20は、押圧部材
22による密着部分においては、その硬度が駆動ローラ
21の硬度によって疑似されることから、硬質材として
使用することができ、押圧部材22が無い部分において
は、たわみ23が形成されることから、弾性体として使
用することができる。
【0019】したがって、この装置によれば、感光体ベ
ルト20の押圧部分22との密着部分においては、弾性
体からなるクリーニングローラ28を接触させることが
でき、たわみ23部分においては、硬質材からなる現像
ローラ26を接触させることができる。
【0020】そして、この現像ローラ26の接触は、た
わみ23が弾性体として作用することから、現像ローラ
26が硬質材からなる場合でも、充分なニップ幅をもっ
て、かつ非常に低圧接力で安定的に行なわれる。
【0021】すなわち、この装置によれば、硬質の現像
ローラを用いても、感光体や現像ローラに傷がつくとい
うことがなく、また、装置の大型化も防止することがで
きる。
【0022】なお、この装置と同様の装置は、特開平6
−27859号公報、特開平6−258989号公報等
にも開示されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平4−1
88164号公報記載の感光体駆動装置では、感光体ベ
ルト20の周縁部に部分的に設けられた押圧部材22に
よって感光体ベルト20が案内される構成となっていた
ため、感光体ベルト20が押圧部材22に進入する際、
その入り口部分22aにおいて、感光体ベルト22の周
縁部(端縁部)に曲げ応力が生じやすく、これによって
感光体ベルト20の端縁部に、折れや割れ、あるいは感
光層の剥がれが発生しやすい(耐久性に劣る)という問
題がある。これにより、感光体ベルト20が端縁部から
破壊する、もしくは破壊までは至らないが重大な画像欠
陥を引き起こすおそれがあるという問題がある。
【0024】また、感光体ベルト20は、図9に示した
ような状態で装置に組み込まれるまでは、それ単体で取
り扱われなければならない。しかしながら、感光体ベル
ト20は、上述したように筒状の薄膜シートとして形成
されており、充分な剛性を有していないから、これを取
り扱うのが困難であるという問題がある。
【0025】さらに、上記装置では、感光体ベルト20
の両端部を押圧する押圧部材22が無い部分においてた
わみ23が形成される構成となっていたため、このたわ
み23が形成される部分においては、その両端部におい
て、感光体ベルト20と駆動ローラ21との間に開口2
9が形成される。
【0026】このため、装置内で浮遊しているトナー、
トナーの外添剤、紙粉等の異物が上記開口29,29か
ら感光体ベルト20と駆動ローラ21との間に入りやす
く、これら異物の侵入によって、感光体ベルト20と駆
動ローラ21との摩擦力が低下し、感光体ベルト20が
駆動されなくなるおそれがあるという問題がある。
【0027】本発明は、以上のような種々の問題を解決
しようとするものであり、その目的は、当接部材との確
実で安定した接触状態を得ることが可能で、耐久性およ
び取扱い性に優れ、確実に駆動することのできる像担持
体ユニットを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の像担持体ユニットは、それ自身では回
転しない軸と、この軸に対して回転可能に取り付けられ
た一対の円板状部材と、これら一対の円板状部材によっ
て両端部が支持固定され円板状部材とともに回転する可
撓性を有する薄肉円筒状の像担持体と、この像担持体の
内方において前記軸に取り付けられ、像担持体に対して
その外方から当接部材が当接されるその当接位置におい
て像担持体を内方から支持するバックアップ部材と、こ
のバックアップ部材を前記支持方向に向けて付勢する付
勢手段と、前記円板状部材に設けられ、前記バックアッ
プ部材の前記支持方向における位置決めを行なう位置決
め部と、を備えたことを特徴とする。
【0029】請求項2記載の像担持体ユニットは、請求
項1記載の像担持体ユニットにおいて、前記当接部材
が、前記像担持体の外周面に残存した現像剤を除去する
クリーニング部材であることを特徴とする。
【0030】請求項3記載の像担持体ユニットは、請求
項1または2記載の像担持体ユニットにおいて、前記バ
ックアップ部材は、回転可能なローラであることを特徴
とする。
【0031】
【作用効果】請求項1記載の像担持体ユニットによれ
ば、次のような作用効果が得られる。 (a)薄肉円筒状の像担持体の両端部が、軸に対して回
転可能に取り付けられた一対の円板状部材によって支持
固定されているので、円板状部材が回転駆動されると、
像担持体が確実に回転駆動されることとなる。
【0032】また、像担持体の両端部が、一対の円板状
部材によって支持固定された構成となっているので、耐
久性にも優れている。
【0033】(b)像担持体は、可撓性を有する薄肉円
筒状であり、その両端部が円板状部材によって支持され
た構成となっているので、像担持体は、円板状部材によ
って支持されていない中央部分が内方に変形可能であ
る。
【0034】したがって、この像担持体の中央部分のう
ち、バックアップ部材が設けられていない部分は、いわ
ば疑似軟質材として利用することが可能であるため、こ
れに当接させる部材が硬質ローラ等であっても、確実で
安定した接触状態を得ることができ、確実に像担持体に
像を形成し、あるいは像を担持させることができる。
【0035】一方、像担持体に対しては、その外周面
に、いわゆるプロセス部材(帯電部材、クリーニング部
材等)等の当接部材が当接されるが、その当接位置にお
いては、像担持体がバックアップ部材によって内方から
支持されているので、当接部材を確実に当接させること
ができる。
【0036】しかも、仮にこのバックアップ部材がない
状態で当接部材を像担持体に当接させたとすると、薄肉
円筒状である像担持体がクリープ変形するおそれがある
が、請求項1記載の像担持体ユニットによれば、このよ
うなおそれもなくなる。
【0037】(c)軸に対して回転可能に取り付けられ
た一対の円板状部材によって像担持体の両端部が支持固
定されているとともに、像担持体の内方においてバック
アップ部材が軸に取り付けられていることによってユニ
ット化されているので、取扱いが容易になる。
【0038】(d)バックアップ部材は、付勢手段によ
って付勢された状態で像担持体を内方から支持すること
となるので、像担持体とバックアップ部材との位置精度
が向上する。
【0039】しかも、円板状部材には、バックアップ部
材の前記支持方向における位置決めを行なう位置決め部
が設けられており、上記付勢手段による付勢力が位置決
め部によって受けられることとなるので、像担持体に不
要な力が作用することが防止され、したがって、像担持
体内面の摩耗が低減される。
【0040】以上のように、この請求項1記載の像担持
体ユニットによれば、当接部材との確実で安定した接触
状態を得ることが可能で、耐久性および取扱い性に優
れ、確実に駆動することができるという作用効果が得ら
れる。
【0041】請求項2記載の像担持体ユニットによれ
ば、請求項1記載の像担持体ユニットにおいて、前記当
接部材が、前記像担持体の外周面に残存した現像剤を除
去するクリーニング部材であるので、クリーニング部材
を確実に当接させて、像担持体の外周面に残存した現像
剤(例えばトナー)を確実に除去することができる。
【0042】請求項3記載の像担持体ユニットによれ
ば、請求項1または2記載の像担持体ユニットにおい
て、前記バックアップ部材は、回転可能なローラで構成
されているので、像担持体に対する負荷を小さくするこ
とができ、したがって、像担持体の駆動トルクを低減さ
せることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0044】<第1の実施の形態>図1は本発明に係る
像担持体ユニットの第1の実施の形態を主として示す正
断面図(図3におけるI−I断面に相当する図)、図2
は左側面図、図3は上記像担持体ユニットを画像形成装
置に組み込んだ状態を示す部分側面図である。
【0045】これらの図に示すように、この像担持体ユ
ニット100は、それ自身では回転しない軸110と、
この軸110に対して回転可能に取り付けられた一対の
円板状部材120,130と、これら一対の円板状部材
120,130によって両端部が支持固定され円板状部
材120,130とともに回転する可撓性を有する薄肉
円筒状の像担持体140と、この像担持体140の内方
において軸110に取り付けられ、像担持体140に対
してその外方から当接部材としてのクリーニング部材2
10(図3参照)、帯電ローラ220(図3参照)、転
写ローラ230(図3参照)が当接されるその当接位置
において像担持体140を内方から支持する第1、第
2、第3のバックアップ部材としての第1バックアップ
ローラ151、第2バックアップローラ152、第3バ
ックアップローラ153と、これらのバックアップロー
ラを前記支持方向(半径方向外方)に向けて付勢する付
勢手段160と、前記円板状部材120,130に設け
られ、バックアップローラの前記支持方向における位置
決めを行なう位置決め部121b,131bとを備えて
いる。
【0046】なお、この実施の形態においては、バック
アップ部材として、第1、第2、第3のバックアップロ
ーラ151,152,153を設けたが、バックアップ
部材は、必要な箇所に少なくとも1つ設ける構成として
もよい。この場合、クリーニング部材210が当接され
るその当接位置に設けることが望ましい。
【0047】図1に示すように、軸110は、像担持体
140の内方に配置される大径部111と、この大径部
111の両端から突設され、円板状部材120,130
を貫通する小径部112,113とを備えている。小径
部112,113には、この像担持体ユニット100を
画像形成装置のフレームF(一部のみ図示)に取り付け
るための側板181,182が取り付けられている。こ
れら側板181,182と軸110との円周方向の位置
決めは、それぞれピン183で行なわれている。また、
一方の小径部112には、リング状の凹溝112aが形
成されており、像担持体ユニット100を画像形成装置
に組み込む際には、この凹溝112aが画像形成装置の
フレームFと係合することによって、フレームFに対す
る位置決めがなされるようになっている。
【0048】一対の円板状部材120,130は、いず
れもベアリング114を介して軸110に回転可能に設
けられている。これら一対の円板状部材120,130
およびベアリング114は、止め輪115,116によ
って軸110の軸線方向におけるスライドが規制されて
いる。左方のベアリング114と側板182との間に
は、ガタ防止用の圧縮コイルバネ117が設けられてい
る。
【0049】一対の円板状部材120,130には、そ
の内側面に短い円筒状の支持部121,131が形成さ
れており、この支持部121,131によって像担持体
140の両端部141が支持されている。像担持体14
0の両端部141は適宜の手段、例えば接着等によって
支持部121,131に固定することも可能であるが、
この実施の形態では、次のような固定構造を採用してい
る。
【0050】図4はその固定構造を示す図であり、図1
の部分拡大図である。この固定構造は、左右対称である
から、左方の円板状部材130側について説明するが、
対応する右側の部材については括弧書きでその符号を記
す。
【0051】図1および図4に示すように、この固定構
造は、円板状部材130(120)の内側において前記
支持部131(121)の外周側に配置されたリング状
部材133(123)と、このリング状部材133(1
23)と前記支持部131(121)との間に配置され
たゴム等の弾性体からなる弾性リング134(124)
と、リング状部材133(123)と前記支持部131
(121)との間に配置されたリング状スライダ135
(125)と、このリング状スライダ135(125)
をスライドさせるネジ136(126)とを備えてい
る。
【0052】図4に示すように、リング状部材133
は、筒状部133aと、これと一体のフランジ133b
と、筒状部133aの先端において内側にリング状に一
体的に形成されたストッパ部133cとを有しており、
フランジ133bが図示しない適宜の固定手段(例えば
ネジ)によって円板状部材130に固定されている。
【0053】弾性リング134は、ストッパ部133c
の内側に配置され、リング状スライダ135を後述する
ように矢印X2方向にスライドさせる前の状態にあって
は、図4に実線で示すように、その内周面134aと前
記支持部131の外周面131aとの間に隙間Cが形成
される。したがって、この状態においては、像担持体1
40の端部141を隙間Cに挿入することができる。
【0054】リング状スライダ135は、弾性リング1
34と円板状部材130との間に配置されている。
【0055】ネジ136は円板状部材130に螺合して
おり、その先端136aがリング状スライダ135に当
接可能である。なお、ネジ136は円周方向に等間隔で
複数本(この実施の形態では図2に示すように6本)設
けられている。
【0056】したがって、このような構造において、ネ
ジ136を回転させると、その先端136aがリング状
スライダ135に当接して、これを矢印X2方向にスラ
イドさせることとなる。
【0057】リング状スライダ135が矢印X2方向に
スライドすると、そのリング状の先端面135aがリン
グ状部材133のストッパ部133cとの間で弾性リン
グ134を押圧する。
【0058】押圧された弾性リング134の内周面13
4aは、図4に仮想線で示すように、内方に向かって膨
出しようとするが(なおこの状態は概念的に描いてあ
る)、実際には、この膨出は支持部131および像担持
体140の端部141によって阻害されるので、結果と
して、像担持体の端部141は支持部131と弾性リン
グの内周面134aとで挟圧された状態となる。
【0059】すなわち、この固定構造によれば、ネジ1
36を回転させてリング状スライダ135をスライドさ
せることによって、膨出する弾性リング134の内周面
134aと支持部131とで像担持体140の端部14
1を挟圧してこれを支持部131に固定することができ
る。
【0060】図1に示すように、他方の円板状部材12
0には、その外側面に駆動用のギア122が固定されて
いる。
【0061】像担持体140は、この実施の形態では感
光体として構成されており、可撓性を有する基材の表面
(外周面)に感光層を形成することにより構成されてい
る。基材としては、例えば、電鋳法にて作製したニッケ
ルシームレス管を用いることができる。感光層は、いわ
ゆるOPC(有機感光体)をディッピング法で形成する
ことができる。このような感光体140の可撓性すなわ
ち柔軟さは、基材の厚みと径とを調整することにより決
定することが可能であるから、使用される画像形成装置
に応じて適宜設定することが可能である。例えば、基材
厚み20〜200μm、基材直径10〜300mmの範
囲で適宜設定する。なお、OPCは主として樹脂からな
るので、可撓性の面では優れるが、基材との密着性を確
保し、レーザー光の干渉対策を施すために、基材とOP
Cとの間に下引き層を形成することが望ましい。下引き
層としては、酸化亜鉛、酸化チタン等のレーザー光を吸
収可能な粒子をナイロン樹脂等の樹脂に分散させた層が
好適である。
【0062】バックアップローラ151,152,15
3は、図1、図3、および図5に示すように、一対の取
付板170,170、および付勢手段160を介して軸
110に取り付けられている。バックアップローラ15
1,152,153の取付構造は、基本的に同じ構造で
あるので、バックアップローラ151を代表させて説明
する。
【0063】軸110には、その大径部111の両側に
フランジ175,175が固定されており、このフラン
ジ175に取付板170が固定される。
【0064】図5に示すように、取付板170の中央部
には、軸110の小径部112または113の挿通孔1
71が設けられており、この挿通孔171に、軸の小径
部が挿通され、上記フランジ175に対して、図示しな
いネジ等で取付板170が固定される。取付板170に
は、付勢手段160の取付空所172が形成されてい
る。
【0065】付勢手段160は、バックアップローラ1
51の軸端151aを回転可能に支持する軸受部材16
1,161と、この軸受部材161,161を軸110
の半径方向外方に向けて付勢する圧縮バネ162,16
2とを備えている。
【0066】軸受部材161の両側部には、ガイド溝1
61a,161aが設けられており、これらガイド溝1
61a,161aに、取付板170の取付空所172を
なす側縁部172a,172aが図6(a)に示すよう
に係合していることによって、軸受部材161は軸11
0の半径方向(図6(b)の矢印Y方向)にスライド可
能に取付板170に取り付けられる。
【0067】圧縮バネ162は、軸受部材161と前記
フランジ175の筒状部176との間に設けられてい
る。
【0068】図1および図4に示すように、バックアッ
プローラ151の軸端151aには、位置決め用のロー
ラ163,163が設けられており、このローラ16
3,163が、位置決め部をなす、円板状部材120,
130の支持部121,131の内周面121b,13
1bに当接することによって、バックアップローラ15
1の位置決めがなされている。
【0069】以上のようなバックアップローラ151,
152,153は、前記圧縮バネ162を収縮させるよ
うにして像担持体140内部に配置され、配置された状
態では、圧縮バネ162の付勢力が上記位置決め部をな
す支持部121,131の内周面121b,131bで
受けられた状態で像担持体140を内方から支持するこ
ととなる。
【0070】そして、以上のような像担持体ユニット1
00は、図3に示すように、画像形成装置に組み込ま
れ、駆動用のギア122に画像形成装置本体の駆動ギア
(図示せず)が噛み合うことによって、その像担持体
(感光体)140が矢印a方向に回転駆動される。
【0071】図3において、220は前述した帯電ロー
ラ、Lは感光体140表面を選択的に露光するレーザー
光、300(Y,M,C,K)は現像ローラ、230は
前述した転写ローラ、210は前述したクリーニング部
材である。
【0072】帯電ローラ220は、感光体140の外周
面に当接して外周面を一様に帯電させるようになってい
る。
【0073】レーザー光Lは、図示しない露光手段から
発せられ、感光体140の表面を選択的に露光して感光
体140の表面に静電潜像を形成するようになってい
る。
【0074】各現像ローラ300(Y,M,C,K)
は、それぞれ感光体140に対して接離可能に構成され
ており、いずれか1つの現像ローラのみが感光体140
に当接し得るようになっている。現像ローラ300
(Y)はイエロートナーを、300(M)はマゼンタト
ナーを、300(C)はシアントナーを、300(K)
はブラックトナーを感光体140上に供給する。これら
の現像ローラは、表面を粗面化した金属ローラ、また
は、硬質の樹脂ローラで構成されている。
【0075】転写ローラ230と感光体140との間に
は中間転写ベルト400が循環駆動されるようになって
おり、この中間転写ベルト400に対しては、図示しな
い2次転写ローラが対向配置されている。中間転写ベル
ト400が循環駆動される過程で、転写ローラ230
(1次転写ローラ)と感光体140との間において、感
光体140上のトナー像が中間転写ベルト400上に転
写され、中間転写ベルト400上に転写されたトナー像
が、2次転写ローラとの間に供給される用紙等の記録媒
体に転写されるようになっている。
【0076】クリーニング部材210は、クリーニング
ブレードで構成されている。このクリーニングブレード
210、および帯電ローラ220は、サブケース240
に組み込まれている。このサブケース240は、前述し
た側板181,182(図1参照)を利用して像担持体
ユニット100と組み合わせて単一のユニットとするこ
とができる。
【0077】この画像形成装置は、イエロー(Y)、マ
ゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の
トナーを用いてフルカラー画像を形成することのできる
装置であり、その作動は次の通りである。
【0078】(i)図示しないホストコンピュータ(パ
ーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形
成信号)が入力されると、感光体140および中間転写
ベルト400が回転駆動される。
【0079】(ii)感光体140の外周面が帯電ロー
ラ220によって一様に帯電される。
【0080】(iii)一様に帯電した感光体140の
外周面に、図示しない露光手段によって第1色目(例え
ばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光Lがなさ
れ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0081】(iv)感光体140には、第1色目(例
えばイエロー)用の現像ローラ300Yのみが接触し、
これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例え
ばイエロー)のトナー像が感光体140上に形成され
る。
【0082】(v)感光体140上に形成されたトナー
像が、1次転写部すなわち、感光体140と1次転写ロ
ーラ230との間において中間転写ベルト400上に転
写される。このとき、2次転写ローラは中間転写ベルト
400から離間している。
【0083】(vi)感光体140上に残留しているト
ナーがクリーニング部材210によって除去された後、
除電手段(図示せず)によって感光体140が除電され
る。
【0084】(vii)上記(ii)〜(vi)の動作
が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令
信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、
と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー
像が中間転写ベルト400上において重ね合わされて中
間転写ベルト400上に形成される。
【0085】(viii)所定のタイミングで2次転写
部(中間転写ベルト400と2次転写ローラとの接触
部)に用紙等の記録媒体が供給され、中間転写ベルト4
00上のトナー像(基本的にはフルカラー画像)が記録
媒体上に転写される。
【0086】以上のような像担持体ユニット100によ
れば、次のような作用効果が得られる。
【0087】(a)薄肉円筒状の像担持体140の両端
部141が、軸110に対して回転可能に取り付けられ
た一対の円板状部材120,130によって支持固定さ
れているので、円板状部材120,130が回転駆動す
るされると、像担持体140が確実に回転駆動されるこ
ととなる。
【0088】また、像担持体140の両端部141が、
一対の円板状部材120,130によって支持固定され
た構成となっているので、耐久性にも優れている。
【0089】(b)像担持体140は、可撓性を有する
薄肉円筒状であり、その両端部141が円板状部材12
0,130によって支持された構成となっているので、
像担持体140は、円板状部材120,130によって
支持されていない中央部分142(図1参照)が内方に
変形可能である。
【0090】したがって、この像担持体140の中央部
分142のうち、バックアップ部材151,152,1
53が設けられていない部分は、いわば疑似軟質材とし
て利用することが可能であるため、これに当接させる部
材が上記現像ローラ300等の硬質ローラ等であって
も、確実で安定した接触状態を得ることができ、確実に
像担持体140に像を形成し、あるいは像を担持させる
ことができる。
【0091】一方、像担持体140に対しては、その外
周面に、当接部材としてのクリーニング部材210、帯
電ローラ220、転写ローラ230が当接されるが、そ
の当接位置においては、像担持体140がバックアップ
部材151,152,153によって内方から支持され
ているので、これら当接部材を確実に当接させることが
できる。
【0092】すなわち、クリーニング部材210および
帯電ローラ220を像担持体140に確実に当接させ
て、像担持体140の外周面に残存したトナーを確実に
除去し、また確実に帯電させることができる。また、転
写位置においても、転写ローラ230部分における中間
転写ベルト400に対して像担持体140を確実に当接
させることができる。
【0093】しかも、仮にこれらのバックアップ部材1
51等がない状態でクリーニング部材210等を像担持
体140に当接させたとすると、薄肉円筒状である像担
持体140がクリープ変形するおそれがあるが、この実
施の形態の像担持体ユニット100によれば、このよう
なおそれもなくなる。
【0094】(c)軸110に対して回転可能に取り付
けられた一対の円板状部材120,130によって像担
持体140の両端部141が支持固定されているととも
に、像担持体140の内方においてバックアップ部材1
51等が軸110に取り付けられていることによってユ
ニット化されているので、取扱いが容易になる。
【0095】(d)バックアップ部材151等は、付勢
手段160によって付勢された状態で像担持体140を
内方から支持することとなるので、像担持体140とバ
ックアップ部材151等との位置精度が向上する。
【0096】しかも、円板状部材120,130には、
バックアップ部材151等の前記支持方向における位置
決めを行なう位置決め部121b,131bが設けられ
ており、上記付勢手段160による付勢力が位置決め部
121b,131bによって受けられることとなるの
で、像担持体140に不要な力が作用することが防止さ
れ、したがって、像担持体140内面の摩耗が低減され
る。また、支持部121,131に対する像担持体14
0の固定強度を過大にする必要がなくなり、低コスト化
も図ることができる。
【0097】以上のように、この実施の形態の像担持体
ユニット100によれば、当接部材との確実で安定した
接触状態を得ることが可能で、耐久性および取扱い性に
優れ、確実に駆動することができるという作用効果が得
られる。
【0098】さらに、 (e)バックアップ部材151,152,153は、回
転可能なローラで構成されているので、像担持体140
に対する負荷を小さくすることができ、したがって、像
担持体140の駆動トルクを低減することができる。
【0099】<第2の実施の形態>図7は本発明に係る
像担持体ユニットの第2の実施の形態を主として示す正
断面図(図3におけるI−I断面に相当する図)であ
る。この図において、図1に示したものと同様の部分に
ついては同じ符号を付してその説明は省略する。
【0100】この第2の実施の形態が上述した第1の実
施の形態と異なる点は、円板状部材120’,130’
の支持部121’,131’の軸線方向長さを比較的長
く形成し、その位置決め部としての内周面121’b,
131’bに、バックアップローラ151,152,1
53(図では151のみ図示)の両端部分を像担持体1
40を介して当接させることによって、バックアップロ
ーラ151,152,153の位置決めを行なうように
した点にある。
【0101】また、これにともない、像担持体140の
両端部141を支持部121’,131’に固定するた
めの、リング状部材133’(123’)、弾性リング
134(124)、およびリング状スライダ135(1
25)を支持部121’,131’の内方に配置した点
にある。
【0102】したがって、この実施の形態においては、
リング状部材133’のフランジ133’bは内側に、
ストッパ部133’cは外側に形成されており、ネジ1
36を回転させてリング状スライダ135をスライドさ
せると、弾性リング134の外周面134bが外方に膨
出して、この外周面134bと支持部131’の内周面
131’bとの間に像担持体140の端部141が挟圧
されて固定されることとなる。
【0103】なお、図7において、123dはリング状
部材123’(133’)を円板状部材120’(13
0’)に固定するネジのためのネジ穴である。
【0104】このような構成によると、上述した(a)
(b)(c)(d)(e)の作用効果に加え、さらに次
のような作用効果(f)(g)が得られる。
【0105】(f)バックアップローラ151,15
2,153が円板状部材120’,130’の支持部1
21’,131’の内周面121’b,131’bによ
って位置決めされるとともに、この内周面によって像担
持体140も位置決めされるので、結果としてバックア
ップローラ151,152,153と像担持体140と
の位置決め精度が一層向上する。
【0106】(g)弾性リング134の外周面134b
が外方に膨出することによって像担持体140が固定さ
れるので、固定時に像担持体の140の端部に皺がよる
等の事態を比較的容易に防止することができる。
【0107】
【実施例】バックアップ部材の半径方向の位置精度は、
±100μm程度とすることが望ましい。また、円周方
向(像担持体140の回転方向)の位置精度は、±1゜
以内程度とする事が望ましい。
【0108】像担持体140に対する、帯電ローラ22
0、現像ローラ310、転写ローラ230の当接量(像
担持体140の凹み量)は0.5mm以下とすることが
望ましい。
【0109】以上、本発明の実施の形態および実施例に
ついて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜
変形実施可能である。
【0110】例えば、 付勢手段の構成は適宜採用することができ、例えば、
図8に示すように、取付板170’の取付空所172’
に軸受部材161をスライド可能に取り付けるととも
に、レバー177を軸177aで揺動可能に取り付け、
その一端177bを軸受部材161に連結し、他端17
7cと取付板のバネ掛け部178との間に引っ張りバネ
179を設けてバックアップローラ151,152,1
53がそれぞれ半径方向外方に付勢されるようにしても
良い。
【0111】上記実施の形態では像担持体ユニットを
感光体ユニットとして説明したが、本発明の像担持体ユ
ニットは、これに限らず、中間転写媒体ユニットとして
も構成することができる。この場合、像担持体は薄肉円
筒状の中間転写媒体となる。
【0112】
【発明の効果】請求項1〜3記載のいずれの像担持体ユ
ニットによっても、当接部材との確実で安定した接触状
態を得ることが可能で、耐久性および取扱い性に優れ、
確実に駆動することができるという効果が得られる。
【0113】しかも、薄肉円筒状である像担持体がクリ
ープ変形するおそれもなくなり、像担持体とバックアッ
プ部材との位置精度も向上する。また、像担持体内面の
摩耗が低減される。
【0114】さらに、請求項2記載の像担持体ユニット
によれば、クリーニング部材を確実に当接させて、像担
持体の外周面に残存した現像剤を確実に除去することが
できる。
【0115】請求項3記載の像担持体ユニットによれ
ば、像担持体の駆動トルクを低減することができる。
【0116】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る像担持体ユニットの第1の実施の
形態を主として示す正断面図(図3におけるI−I断面
に相当する図)。
【図2】上記像担持体ユニットの左側面図。
【図3】上記像担持体ユニットを画像形成装置に組み込
んだ状態を示す部分側面図。
【図4】像担持体端部の固定構造を示す図で、図1の部
分拡大図。
【図5】バックアップローラの取付構造を示す図で、
(a)は分解部分正面図、(b)は側面図。
【図6】バックアップローラの取付構造を示す図で、
(a)は横断面図(図(b)におけるa−a断面図、
(b)は部分側面図。
【図7】本発明に係る像担持体ユニットの第2の実施の
形態を主として示す正断面図(図3におけるI−I断面
に相当する図)。
【図8】付勢手段の変形例を示す側面図。
【図9】(a)(b)は従来技術の説明図。
【符号の説明】
100 像担持体ユニット 110 軸 120 円板状部材 121b 位置決め部 130 円板状部材 131b 位置決め部 140 像担持体 151〜153 バックアップローラ(バックアップ
部材) 160 付勢手段 210 クリーニング部材 300 現像ローラ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−295282(JP,A) 特開 平8−44198(JP,A) 特開 平6−83251(JP,A) 特開 平1−170975(JP,A) 特開 平4−188164(JP,A) 特開 平6−27859(JP,A) 特開 平6−258989(JP,A) 特開 平4−371973(JP,A) 実開 平1−14266(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 350 G03G 21/16 G03G 15/00 550 G03G 15/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それ自身では回転しない軸と、 この軸に対して回転可能に取り付けられた一対の円板状
    部材と、 これら一対の円板状部材によって両端部が支持固定され
    円板状部材とともに回転する可撓性を有する薄肉円筒状
    の像担持体と、 この像担持体の内方において前記軸に取り付けられ、像
    担持体に対してその外方から当接部材が当接されるその
    当接位置において像担持体を内方から支持するバックア
    ップ部材と、 このバックアップ部材を前記支持方向に向けて付勢する
    付勢手段と、 前記円板状部材に設けられ、前記バックアップ部材の前
    記支持方向における位置決めを行なう位置決め部と、を
    備えたことを特徴とする像担持体ユニット。
  2. 【請求項2】 前記当接部材が、前記像担持体の外周面
    に残存した現像剤を除去するクリーニング部材であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の像担持体ユニット。
  3. 【請求項3】 前記バックアップ部材は、回転可能なロ
    ーラであることを特徴とする請求項1または2記載の像
    担持体ユニット。
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