JP3486909B2 - コンタクトレンズおよび眼内レンズ - Google Patents

コンタクトレンズおよび眼内レンズ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な紫外線吸収剤
いたコンタクトレンズおよび眼内レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂用紫外線吸収剤として
は、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリア
ゾール系、シアノアクリレート系等の化合物が知られて
おり、用途、目的に応じて種々選択して用いられてい
る。
【0003】従来より、紫外線吸収剤を重合組成物に添
加して用いる場合、その加工の場面或いは使用の場面に
おいて重合組成物からのプリードアウトによる性能劣化
及び、生体への毒性が問題となることから、この様な問
題を改善するため、重合可能な骨格を有する紫外線吸収
剤を用い、これを単独重合、あるいは重合性モノマーと
共重合させる方法が用いられている。例えば、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノンとアクリル酸とのエステル
(特公昭36−6771号)を重合性モノマーと共重合
させる方法が報告されている。しかしながら、ベンゾフ
ェノン系誘導体のアクリル酸エステルでは、最大吸収波
長が比較的短かく、地上における太陽光線の紫外線領域
の中で、その積算エネルギーの大きい波長領域(320
〜400nm)を吸収するには不十分であった。そのた
め、長波長領域での紫外線吸収効果が高く、より長い最
大吸収波長をもつベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤で
重合組成物からの溶出、ブリードアウトのない紫外線吸
収剤が望まれていた。 また、これらの方法において
も、重合体に対して相溶性が悪い場合には、重合時ある
いは使用時に未反応の紫外線吸収剤がブリードアウトし
て性能の劣化や変質をきたしたりする場合があった。ま
た、紫外線吸収剤が重合組成物において相溶性が悪い場
合には、紫外線吸収剤が重合体中で相分離を起こし、透
明性の低下、機械的強度の低下など重合組成物自身の物
性を低下する場合があった。
【0004】一方、日光がヒトの目に、特に白内障の形
成に関して、障害をもたらすことは周知である。これに
最も関与する日光の部分は、300〜400nmの近紫
外領域である。この紫外線(UV)バンドは水晶体、網
膜に化学変化を引き起こすことによって目に障害をもた
らすことが知られている。この近紫外線によって引き起
こされる目の障害の問題は無水晶体患者においてとりわ
け大きい。本来、UV吸収フィルターとしての役割を果
している水晶体を摘出しているため、近視外線が引き起
こし得る光化学障害を受けやすいからである。かかる問
題を回避し、ヒトの目を保護するという面において米国
特許第3,141,869号明細書にあるように、紫外
線が目に達するのを防止するために紫外線吸収剤を眼鏡
レンズ中に混入することがなされていた。この様な目的
には300〜400nmの波長領域での紫外線吸収能に
優れる紫外線吸収剤が望まれることから、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤が最適であると言える。
【0005】しかしながら、この様な光学材料、特に眼
科領域での医療用光学材料においても、上記の様な、紫
外線吸収剤のブリードアウト、溶出、および重合体との
相溶性不良による物性の低下などが問題になっていた。
特に、酸素透過性コンタクトレンズや軟質眼内レンズに
眼機能および眼組織を保護するために紫外線吸収能を付
与した場合、これらはケイ素原子を含有する重合体、特
にシロキサン含有重合体よりなるため、PMMAに代表
される従来の医療用光学材料とは異なり、紫外線吸収剤
のレンズ基材からの溶出、ブリードアウト、紫外線吸収
特性の劣化などの問題が顕著である。つまり、シリコー
ンのガラス転移点が常温より低く、常温ではゴム状高分
子であることから分るように、シロキサン化合物の重合
体においてはシロキサン領域の分子運動が大きく、この
部分に存在する紫外線吸収剤がブリードアウトや溶出し
やすい傾向にあった。このため、長期間の使用により紫
外線吸収特性がなくなったり、紫外線吸収剤が溶出する
ことによる安全上の問題があった。そして、酸素透過性
や柔軟性を高めるためにシロキサン化合物の含有量を多
くすればするほど、上記の安全性や紫外線吸収能の劣化
の問題点が顕著になっていた。
【0006】また、特に酸素透過性コンタクトレンズ、
軟質眼内レンズなどの医療用材料にあっては素材中にシ
リコーンの様な疎水性成分と生体親和性を高める親水性
成分とからなるため、添加した紫外線吸収剤が相分離し
やすく、素材の物性を低下させるという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、300〜400
nmの波長領域での紫外線吸収能に優れ、溶出、ブリー
ドアウトがなく、重合体に相溶性の良い紫外線吸収剤
用いたコンタクトレンズおよび眼内レンズを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともケ
イ素原子を含有するモノマー及び/又はマクロマーおよ
び2−{2´−ヒドロキシ−5´−[N−(β−メタク
リロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ]−3´−
t−ブチルフェニル}−5−メチル−2H−ベンゾトリ
アゾールとからなる紫外線吸収ポリマーからなるコンタ
クトレンズであって、該ポリマーはヒドロゲル状ポリマ
ーであることを特徴とするコンタクトレンズを提供す
る。また、本発明は、少なくともケイ素原子を含有する
モノマー及び/又はマクロマーおよび2−{2´−ヒド
ロキシ−5´−[N−(β−メタクリロイルオキシエチ
ル)カルバモイルオキシ]−3´−t−ブチルフェニ
ル}−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールとからな
る紫外線吸収ポリマーからなる眼内レンズであって、該
ポリマーはヒドロゲル状ポリマーであることを特徴とす
る眼内レンズを提供する。
【0009】 本発明に用いられる紫外線吸収剤は、分
子内にウレタン結合とそれに結合するアルキレン鎖を有
するため多くの重合体との相溶性が高く、共有結合を介
して重合体に配合され、これを含む重合体に紫外線吸収
能を付与することができる。ウレタン結合自信は極性基
であり、このウレタン結合に結合するアルキレン鎖は極
性が低く疎水性のため、このアルキレン鎖の長さを調節
することにより、紫外線吸収剤分子全体の極性をコント
ロールできる。こうすることにより多くの重合体に対し
て最適の相溶性を得ることができる。この結果、紫外線
吸収剤が重合体のモノマとより完全に反応し、このこと
により抽出可能な未反応単量体量を低下させることがで
きる。
【0010】 本発明に用いる紫外線吸収剤は、特に3
00〜400nm程度の波長領域の紫外線吸収能に優れ
たベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の骨格を分子内に
有する。ここで、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の
骨格とは、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にフ
ェノール環が結合したものを意味する。そして、重合可
能な不飽和二重結合がアルキレン鎖を介してウレタン結
合によりベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の骨格に結
合している。
【0011】
【0012】 本発明に用いる紫外線吸収剤は、下記式
[II]で表される2−{2´−ヒドロキシ−5´−[N−
(β−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキ
シ]−3´−t−ブチルフェニル}−5−メチル−2H
−ベンゾトリアゾールである。
【0013】
【化学式1】 上記式 II で示される紫外線吸収剤は、所定の位置に
t−ブチル基を有するハイドロキノンと所定の位置にメ
チル基を有するニトロアニリンとを反応させてニトロフ
ェニルアゾハイドロキノン誘導体にし、これをアルカリ
処理して所望のメチル基及びt−ブチル基を有するジヒ
ドロキシフェニル−2H−トリアゾール誘導体にした
後、これにOCN−CH 2 CH 2 −O−CO−C(CH
3 )=CH 2 で表されるイソシアネート誘導体を反応さ
せることにより製造することができる。これらの個々の
工程は、公知の有機化学反応に基づき行うことができ、
また、好ましい具体的な条件は下記実施例に詳細に記載
されている。
【0014】 本発明に用いられる紫外線吸収剤は多く
の不飽和単量体と共重合させて所望の紫外線吸収特性を
有する組成物を提供できる。本発明の紫外線吸収組成物
は、本発明の紫外線吸収剤のホモポリマまたはコポリマ
のみから成っていてもよいし、さらに他のポリマ及び/
又は種々の添加剤や着色料を含むものであってもよい。
すなわち、その紫外線吸収剤の単独重合体あるいは共重
合体は紫外線吸収特性を付与するため、広範囲の重合体
に対する添加剤として使用することもできる。本発明
用いられる紫外線吸収剤が共重合成分として含有される
のに適当な代表的重合体及び共重合体並びに該紫外線吸
収性ポリマとブレンドするのに適当な代表的重合体及び
共重合体には、次の様なものがある。
【0015】(1)モノーまたはジオレフィンから由来す
る重合体:例えば、任意に架橋してあってもよいポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブ
チレン、ポリメチルブテン−1、ポリメチルペンテン−
1、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリ−4−メ
チルペンテン。
【0016】(2)(1) に挙げた単独重合体の混合物:例
えばポリプロピレンとポリエチレン、ポリプロピレンと
ポリイソブテン、ポリプロピレンとポリブテン−1 。
【0017】(3)(1) に挙げた重合体に基づく単量体の
共重合体:例えば、エチレン−プロピレン共重合体、プ
ロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−イソブチ
レン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、および
エチレンとプロピレンとジエン、例えばヘキサジエン、
ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンとの三
元共重合体、並びにアルファ−オレフィン例えばエチレ
ンと(メタ)アクリル酸との共重合体。
【0018】(4)スチレン又はα−メチルスチレンの共
重合体:例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、衝撃
強度を付与するためにアクリル酸エステル重合体で変性
したスチレン−アクリロニトリル共重合体並びにブロッ
ク共重合体、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体。
【0019】(5)スチレンのグラフト共重合体:例えば
ポリブタジエンへのスチレンのグラフト共重合体、一般
にアクリトニトリル−ブタジエン−スチレンまたはAB
S樹脂と呼ばれるポリブタジエンおよび(4) に挙げた共
重合体とポリブタジエンの混合物へのスチレンとアクリ
ロニトリルのグラフト共重合体。
【0020】(6)ポリオルガノシロキサンの様なシリコ
ーン重合体。
【0021】(7)ハロゲン含有ビニル重合体:例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロプレン、塩化ゴ
ム、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共
重合体。
【0022】(8)α、β−不飽和有機酸及びその誘導
体:ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸のエステ
ル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル
アミド及びポリアクリロニトリル。本発明の紫外線吸収
剤は(メタ)アクリル酸及び一つ以上のその誘導体の共
重合体からなる熱硬化性アクリル樹脂ラッカーおよびメ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂中で有利に使用すること
ができる。
【0023】(9)不飽和アルコールおよびアミンから由
来する重合体、並びにそれらのアシル重合体、例えばポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン
酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリフタル酸アリル、ポリ
アリルメラミン及び他のビニル化合物との共重合体。例
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体。
【0024】(10) エポキシドから由来する単独重合体
及び共重合体:例えば、ポリエチレンオキシド又はビス
グリシジルエーテルから由来する重合体。
【0025】(11) ポリアセタール:例えばポリオキシ
メチレン、及び共重合体としてエチレンオキシドを含有
するポリオキシメチレン。
【0026】(12) ポリアルキレンオキシド:例えばポ
リオキシエチレン、ポリプロピレンオキシド又はポリブ
チレンオキシド。
【0027】(13) ポリフェニレンオキシド (14) ポリウレタン及びポリ尿素 (15) ポリカーボネート (16) ポリスルホン (17) ジアミンとジカルボン酸から及び/又はアミノカ
ルボン酸又は相当するラクタムから由来するポリアミド
及びコポリアミド:例えば、ポリアミド6、ポリアミド
6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド11、ポリア
ミド12、m−ビニルラクタム及びポリ−m−フェニレ
ン−イソフタルアミド。
【0028】(18) ジカルボン酸とジアルコールから及
び/又はヒドロキシスルホン酸又は相当するラクトンか
ら由来するポリエステル:例えば、ポリエチレングリコ
ールテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘ
キサンテレフタレート。
【0029】(19) 一方においてアルデヒドから及び他
方においてフェノール、尿素及びメラミンから由来する
架橋した重合体:例えば、フェノール−ホルムアルデヒ
ド、尿素−ホルムアルデヒド及びメラミン−ホルムアル
デヒド。
【0030】(20) アルキド樹脂:例えばグリセリン−
フタル酸樹脂及びそれらのメラミン−ホルムアルデヒド
樹脂との混合物。
【0031】(21) 飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価
アルコールのコポリエステルから並びに架橋剤としての
ビニル化合物から由来する不飽和ポリエステル且つまた
そのハロゲン含有難燃性変性物。
【0032】(22) 天然重合体:例えば、セルロース、
ゴム。
【0033】(23)(22) の化学的に変性した同族誘導
体:例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、
及び酢酸セルロース並びにセルロースエーテル、例えば
メチルセルロース。
【0034】特に有用な組成物は、本発明の紫外線吸収
剤と例えばスチレン、メチルスチレン、ケイ素原子と不
飽和二重結合とを有する化合物、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ビ
ニルラクタム、エチレン、プロピレン及びそれらの混合
物の様な、他の共重合性不飽和二重結合を有する単量体
との共重合体を含むものである。
【0035】 また、本発明に用いる紫外線吸収ポリマ
ーは、ケイ素原子を含有するモノマー及び/又はマクロ
マーを構成成分とする。かかる、ケイ素原子を含有する
ポリマとは、ポリマの主鎖および/または側鎖にケイ素
原子を含有していればよく、例えばシロキサン結合や、
トリメチルシリル基などの有機シラン基を含有するポリ
マを主成分としてなる重合体である。これら、ケイ素原
子を含有するポリマーにおいて酸素透過性の点、および
/または柔軟性の点からケイ素原子がシロキサン結合に
よりポリマ中に含有される長鎖状のものが好ましい。か
かる重合体の具体例としては、トリス(トリメチルシロ
キシ)シリルプロピルメタクリレート、両末端に二重結
合を持ったポリジメチルシロキサン、シリコーン含有
(メタ)アクリレートなどを用いたホモポリマ、あるい
はこれらのモノマと他のモノマとのコポリマなどが挙げ
られる。共重合可能なモノマとしては、(メタ)アクリ
ルモノマ、芳香族ビニルモノマ、ヘテロ環ビニルモノマ
などの単官能モノマ、あるいはジ−、トリ−、テトラ−
(メタ)アクリルモノマ、芳香族ジビニルモノマ、芳香
族ジアリルモノマなどの多官能モノマなどが挙げられ
る。(メタ)アクリルモノマとしては、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、などのアルキル(メタ)アクリ
レート類、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、テトラフ
ロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アル
キル(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル(メタ)
アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレー
ト類などが挙げられる。中でも、メチルメタクリレート
を用いると、機械的特性において良好なものとなる。ま
た、フロロアルキル(メタ)アクリレートを用いると、
酸素透過性と機械的特性の両機能を満足する重合体とす
ることができる点から好ましい。また、芳香族ビニルモ
ノマとしては、ビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビ
ニルエチルベンゼンなどの例を挙げることができる。さ
らに、ヘテロ環ビニルモノマとしては、ビニルカルバゾ
ール、マレイミド、無水マレイン酸などの例を挙げるこ
とができる。これら共重合可能なモノマとしては、共重
合性、透明性などの点から(メタ)アクリレートモノマ
が好ましい。中でも、機械的特性、透明性、酸素透過性
の点からメチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸が最も好
ましい。共重合可能な多官能性モノマについて説明す
る。ジ(メタ)アクリルモノマの例としては、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノー
ルAジ(メタ)アクリレートおよびそのウレタン変性ジ
メタクリレートプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。トリ(メタ)アクリルモノマ
としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
トなどの例が挙げられる。テトラ(メタ)アクリルモノ
マとしては、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。芳香族ジビニル化合物と
しては、o−、m−、p−のジアリルフタレートなどが
挙げられる。その他の多官能モノマの例としては、ビス
マレイミド、アリル(メタ)アクリレートなども挙げる
ことができる。共重合性、透明性などの点からジ−、ト
リ−、テトラ−、(メタ)アクリレートモノマが好まし
い。中でも、機械的特性、透明性の点からトリ(メタ)
アクリレートが最も好ましい。
【0036】以上のことより、透明性、酸素透過性、機
械的特性の点からケイ素原子を含有する重合体として、
二重結合を有するシロキサン化合物と(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物とのシロキサン−(メタ)アクリ
ル共重合体であることが最も好ましい。
【0037】ケイ素原子を含有する重合体と共重合可能
なモノマとを共重合する場合、通常、それぞれの組成
は、ケイ素原子を含有する重合体10〜90重量部、共
重合可能なモノマ10〜90重量部の範囲で選択される
が、とくに限定されるものではない。ケイ素原子を含有
する重合体が9重量部以下の場合、酸素透過性が不足
し、また91重量部以上の場合、強度が低下するなど、
好ましくない場合がある。一般にケイ素原子を含有する
重合体と他のモノマとの共重合体において、ケイ素原子
を含有する重合体の割合が増加するにつれて酸素透過性
が大きくなり、強度が低下する傾向にある。
【0038】重合体におけるケイ素原子の存在は、ポリ
マ全体に均一であっても、いわゆるミクロ相分離構造を
有する不均一系であっても良い。
【0039】ケイ素原子を含む上記組成物の酸素透過係
数は10×10-11 cm3 (STP) ・ cm/cm 2 ・ sec ・ mmHg
以上であることが好ましい。ここでいうところの酸素透
過係数の測定は電極法、真空泡、加圧法など公知の方法
にておこなわれる。本発明の紫外線吸収組成物をコンタ
クトレンズに適用した場合、酸素透過係数10×10
-11 cm3 (STP) ・ cm/cm 2 ・ sec ・ mmHgより小さけれ
ば、角膜表面よりレンズを介して角膜に必要な酸素を十
分には供給できることができず、長期装用した場合、角
膜の生理的負担が大きくなり、好ましくない。また、連
続装用した場合、角膜の浮腫が生じ、視力障害を引き起
こす可能性があり好ましくない。
【0040】添加する紫外線吸収剤の濃度は、原料モノ
マーの混合液の重量に対して0.01〜10重量%の範
囲が望ましい。濃度が0.01重量%以下であれば十分
な紫外線吸収能を得ることができない。また、添加量が
10重量%を越えると重合率の低下、機械的強度の低下
をもたらすことがあり、好ましくない。コンタクトレン
ズ、眼内レンズにあっては、200〜400nmの紫外
線領域内の最大吸収波長における透過率が20%未満で
あることが望ましい。これを得るため、レンズの厚さと
のかね合いから適当な紫外線吸収剤の濃度が決められ
る。
【0041】 本発明に用いられる紫外線吸収ポリマー
は短波長を透過しないことから、カットフィルターとし
て広く光学材料として使用することできる。光学材料
に用いる場合、紫外線吸収剤を単独で用いても良いし、
可視光線領域の吸収特性を調整するために着色剤を添加
しても良い。用いられる着色剤としては、直接染料、油
溶性染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、バット染
料、有機顔料などにおけるモノアゾ系、ビスアゾ系、ア
ントラキノン系、キノナフタロン系、キサンテン系、ピ
ラゾール系、トリフェニルメタン系、インジゴイド系、
フルオラン系、キノリン系などの有機染料が挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0042】 本発明に用いられる紫外線吸収ポリマー
を光学材料として用いる場合、眼鏡レンズ、眼内レン
ズ、コンタクトレンズ等医療用光学材料の他、分光光度
計用集光レンズ、光ファイバー、太陽エネルギー集光
器、蛍光拡散器などにも用い得るが、特に好適なものは
コンタクトレンズ、眼内レンズである
【0043】 本発明のコンタクトレンズや眼内レンズ
に用いられる紫外線吸収ポリマーは、ヒドロゲルの形態
を有している。ここで“ヒドロゲル”とは、約10〜9
0%の平衡含水率を有する架橋ポリマを意味する。この
ヒドロゲルを与えるモノマとして挙げられるものは、ヒ
ドロキシ低級アルキル(C1 〜C9 )(メタ)アクリレ
ートであり、これは相当する(メタ)アクリレートのジ
エステル、例えばエチレングリコールジメタクリレート
数%で架橋され、ヒドロゲルとなる。他の適当な親水性
モノマの例はN−ビニル複素環式モノマであり、このモ
ノマの例としてはN−ビニル−2−ピロリドン、N−ビ
ニルピリジン及びN−ビニルカプロラクタムが好適な例
として挙げられる。更に、他の親水性のモノマの例は重
合性オレフィン酸及びアミドであり、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロト
ン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド及びN−
(1,1−ジメチル−3−オキソブチルアクリルアミ
ド)が好適な例として挙げられる。親水性モノマのその
他の適当な群はメチル及びエチルビニルエーテルのよう
な低級アルキルビニルエーテルである。本発明において
好ましい紫外線吸収ヒドロゲルはヒドロキシエチルメタ
クリレートと共重合したものである。
【0044】
【0045】
【0046】以下に実施例をあげて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるもので
はない。
【0047】 参考例1 2−{2´−ヒドロキシ−5´−[N−(β−メタクリ
ロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ]−3´−t
−ブチルフェニル}−5−メチル−2H−ベンゾトリア
ゾールの合成中間体2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
6−(4’−メチル−2−’ニトロフェニルアゾ)−フ
ェノールの合成メカニカルスターラーを付けた500m
l三口フラスコにて8.2gの98%4−メチル−2−
ニトロアニリンと18mlの濃塩酸を室温で撹拌し溶解
した。この溶液を50mlの氷水で希釈した。この溶液
を氷で冷却し4℃以下に保ちながら水15mlに溶解し
た97%亜硝酸ナトリウム3.8gを滴下した。滴下終
了後、更に冷却を続けながら2時間撹拌した。その後、
泡が発生しなくなるまでスルファミン酸を加え、過剰な
亜硝酸ナトリウムを分解した。この反応液をろ過し、ろ
液を得た。9.0gのt−ブチルハイドロキノンと6g
の水酸化ナトリウムを水200mlに溶解した溶液に、
氷で冷却し4℃以下にに保ち撹拌しながら上記ろ液を滴
下した。ジアゾニウム溶液の約1/3を加えた後、40
mlの10%水酸化ナトリウム水溶液を同時に滴下し
た。この反応溶液を引続き4℃以下で2時間半撹拌し、
その後室温になるまで放置した。塩酸を加え、酸性とし
てアゾ染料の結晶を得、ろ過によって分離した。
【0048】2−[2´,5´−ジヒドロキシ−3´−
t−ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリ
アゾールの合成 上記によって得た2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6
−(4’−メチル−2−’ニトロフェニルアゾ)−フェ
ノールをメカニカルスターラーを付けた500ml三口
フラスコ中、150mlのエタノールに溶解した。アル
ゴン雰囲気下、室温にて2N水酸化ナトリウム水溶液1
50mlに亜鉛粉末12gを溶解した溶液を30℃以下
に保ちながら滴下した。反応液を室温で40時間撹拌し
た後、100mlの水で希釈した。生成した沈殿をろ過
により分離し、沈殿を水洗した。この沈殿をエタノール
で洗い、生成物を溶解して亜鉛と分離した。エタノール
をエバポレータにより留去し、生成物を真空乾燥した。
この生成物をヘプタンにより再結晶して精製し、10.
2gの生成物を得た。
【0049】 2−{2´−ヒドロキシ−5´−[N−
(β−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキ
シ]−3´−t−ブチルフェニル}−5−メチル−2H
−ベンゾトリアゾールの合成 ジムロートコンデンサーを取り付けた300ml三口フ
ラスコに2−[2´,5´−ジヒドロキシ−3´−t−
ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾ
ール2.1g、テトラヒドロフラン50ml、ジ−n−
ブチルスズジラウレート10μl、ハイドロキノン10
mgを取り、マグネチックスターラーで60℃にて撹拌
した。これにメタクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト1.45gを滴下しながら加た。60℃にて6時間撹
拌を続け、薄層クロマトグラフィーにてメタクリロイル
オキシエチルイソシアネートが消失したことを確認した
後、反応を終了し、テトラヒドロフランを留去した。固
形分をジエチルエーテルに溶解後、水で洗浄し、エーテ
ル層を回収し、エーテルを留去した。固形分を120m
lメタノール+60mlジクロルメタンに溶解、再結晶
により精製し、2.9gの生成物を得た。
【0050】図1にこの紫外線吸収剤の紫外可視吸収ス
ペクトルを示す。スペクトルに示されるように紫外線領
域で十分大きな吸収が得られた。
【0051】 参考例2 撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入口を備え
た四ツ口フラスコに、2,6−ジイソシアナートカプロ
ン酸−β−イソシアナートエチルエステル53.4部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート52部、ジ−n−
ブチルスズジラウレート0.01部を仕込み、赤外線吸
収スペクトルで水酸基の吸収が消失するまで、50℃、
窒素雰囲気下で撹拌する。平均分子量946を有する次
式で表される両末端アルコール変性ポリジメチルシロキ
サン94.6部を上記四ツ口フラスコ中に添加し、赤外
吸収スペクトルのイソシアナート基の吸収が消失するま
で、50℃、窒素雰囲気下で撹拌し、両末端に各二個の
二重結合を有する、下記式[III] で表されるシロキサン
マクロマーを主成分とする反応生成物を得た。
【0052】
【化学式2】 この反応生成物(主成分がシロキサンマクロマー)10
部に対して、トリフルオロエチルメタクリレート3部添
加すると共に、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート0.055部、アゾビスメチルバレロニトリル0.
004部を添加した。このモノマー混合液に対して紫外
線吸収剤2−{2´−ヒドロキシ−5´−[N−(β−
メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ]−
3´−t−ブチルフェニル}−5−メチル−2H−ベン
ゾトリアゾール0.5重量%添加し、各組成物を混合・
溶解して均一な透明原液を得た。この原液を棒状ガラス
容器に入れ脱気し、窒素雰囲気とした後密栓した。これ
を恒温水槽中で40℃、40時間、50℃、24時間、
60℃、16時間、70℃、4時間、90℃、2時間の
条件で反応をおこなわせた。更に循環乾燥器中で130
℃、3時間加熱をおこない、棒状重合体を得た。得られ
た重合体は、ショアーD硬度74であって硬く、切削
性、研磨性とも良好で機械加工性は良好であった。
【0053】この重合体をミキサーにより細片とし、こ
の細片1gを蒸留水50gに浸漬し、100℃にて30
時間加熱抽出した。この抽出液において紫外線吸収剤の
溶出は分光学的に認められなかった。
【0054】この重合体を直径17mm、厚さ5mmの
ディスクに加工後、真空減圧下、120℃、16時間加
熱処理し、ブリードアウトによる吸光度の減少を分光学
的に調べた。その結果、吸光度減少は1.1%と極めて
少なかった。
【0055】この重合体を直径9mm、厚さ0.2mm
のディスクに加工後、真空減圧下、120℃、16時間
加熱処理した。本ディスクを常温にてフェードメータに
よる照射試験をおこなった。フェードメータによる照射
200時間照射後でさえ吸光度は照射前の吸光度の9
6.2%が認められ、紫外線吸収能の劣化はなく優れた
耐光性を示した。
【0056】この重合体の酸素透過係数を製科研式フィ
ルム酸素透過率計によって求めた37℃での酸素透過係
数は32×10-11 cm3 (STP) ・ cm/cm 2 ・ sec ・ mmHg
であった。
【0057】この重合体を切削研磨してレンズ系9.0
mm、ベースカーブ8.0mm、レンズパワー−3.0
0Dのコンタクトレンズに加工することができた。
【0058】 参考例3 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
レート50重量部、トリフロロエチルメタクリレート5
0重量部、アゾビスイソブチルニトリル0.05重量
部、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル0.15重
量部を混合し重合原液とした。このモノマー混合液に対
して紫外線吸収剤として2−{2´−ヒドロキシ−5´
−[N−(β−メタクリロイルオキシエチル)カルバモ
イルオキシ]−3´−t−ブチルフェニル}−5−メチ
ル−2H−ベンゾトリアゾールを0.5重量%添加・溶
解して均一な透明原液を得た。溶解後、試験管に封入し
て、60℃から110℃まで24時間かけて昇温させた
後、110℃にて4時間保持し重合体を得た。
【0059】この重合体をミキサーにより細片とし、こ
の細片1gを蒸留水50gに浸漬し、100℃にて30
時間加熱抽出した。この抽出液において紫外線吸収剤の
溶出は分光学的に認めれなかった。
【0060】この重合体を直径17mm、厚さ5mmの
ディスクに加工後、真空減圧下、120℃、16時間加
熱処理し、ブリードアウトによる吸光度の減少を分光学
的に調べた。その結果、吸光度減少は0.6%と極めて
少なかった。
【0061】この重合体を直径9mm、厚さ0.2mm
のディスクに加工後、真空減圧下、120℃、16時間
加熱処理した。本ディスクを常温にてフェードメータに
よる照射試験をおこなった。フェードメータによる照射
200時間照射後でさえ吸光度は照射前の吸光度の9
7.8%が認められ、紫外線吸収能の劣化はなく優れた
耐光性を示した。
【0062】この重合体の酸素透過係数を製科研式フィ
ルム酸素透過率計によって求めた37℃での酸素透過係
数は30×10-11 cm3 (STP) ・ cm/cm 2 ・ sec ・ mmHg
であった。
【0063】この重合体は機械加工性が良好であり、切
削研磨してレンズ系9.0mm、ベースカーブ8.0m
m、レンズパワー−3.00Dのコンタクトレンズに加
工することができた。
【0064】 参考例4 両末端に二重結合を有するポリジメチルシロキサン45
重量部、トリフルオロエチルメタクリレート47.5重
量部、メタクリル酸3重量部、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート4.5重量部を均一に混合し、これ
にアゾビスイソブチロニトリル0.05重量部、アゾビ
スシクロヘキシルカルボニトリル0.15重量部を添加
した。このモノマー混合液に対して紫外線吸収剤として
2−{2´−ヒドロキシ−5´−[N−(β−メタクリ
ロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ]−3´−t
−ブチルフェニル}−5−メチル−2H−ベンゾトリア
ゾールを0.5重量%添加し、各組成物を混合・溶解し
て均一な透明原液を得た。この原液を棒状ガラス容器に
入れ脱気し、窒素雰囲気とした後密栓した。これを、6
0℃から110℃まで24時間かけて昇温させた後、1
10℃にて4時間保持し重合体を得た。得られた重合体
は、ショアーD硬度70であって硬く、切削性、研磨性
とも良好であった。
【0065】この重合体をミキサーにより細片とし、こ
の細片1gを蒸留水50gに浸漬し、100℃にて30
時間加熱抽出した。この抽出液における紫外線吸収剤の
溶出を分光学的に観察した。この結果、紫外線吸収剤の
溶出は分光学的に認められなかった。
【0066】この重合体を直径17mm、厚さ5mmの
ディスクに加工後、真空減圧下、120℃、16時間加
熱処理し、ブリードアウトによる吸光度の減少を分光学
的に調べた。この結果、ブリードアウトによる色調、吸
光度の変化は認められなかった。
【0067】この重合体を直径9mm、厚さ0.2mm
のディスクに加工後、真空減圧下、120℃、16時間
加熱処理した。本ディスクを常温にてフェードメータに
よる照射試験をおこなった。フェードメータによる照射
200時間照射後でさえ吸光度は照射前の吸光度の9
6.6%が認められ、紫外線吸収能の劣化はなく優れた
耐光性を示した。
【0068】この重合体の酸素透過係数を製科研式フィ
ルム酸素透過率計によって求めた37℃での酸素透過係
数は130×10-11 cm3 (STP) ・ cm/cm 2 ・ sec ・ mm
Hgであった。
【0069】この重合体を切削研磨してレンズ系9.0
mm、ベースカーブ8.0mm、レンズパワー−3.0
0Dのコンタクトレンズに加工することができた。
【0070】図2に厚さ0.2mmのディスクの紫外可
視吸収スペクトル(透過率)を示す。スペクトルに示さ
れるように紫外線領域で十分大きな吸収が得られた。
【0071】 参考例1、2、3、4の結果より、本発
明によって得られる紫外線吸収剤を用いたコンタクトレ
ンズや眼内レンズは300〜400nmの波長領域での
紫外線吸収能に優れ、溶出、ブリードアウトがなく
の結果安定した紫外線吸収能を有する。
【0072】
【発明の効果】本発明により、300〜400nmの波
長領域での紫外線吸収能に優れ、溶出、ブリードアウト
がなく、コンタクトレンズおよび眼内レンズを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた本発明の紫外線吸収剤の紫外
可視吸収スペクトルである。
【図2】実施例で得られた重合体の紫外可視吸収スペク
トル(透過率)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08J 5/18 C08J 5/18 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104 (56)参考文献 特開 昭60−166369(JP,A) 特開 昭63−185969(JP,A) 特開 平4−190318(JP,A) 特開 平4−193869(JP,A) 特開 昭60−51181(JP,A) 特開 平3−257420(JP,A) 特開 昭52−84258(JP,A) 特開 平6−73368(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 7/04 C09K 3/00 104 C07D 249/18 - 249/20 C08F 20/36 C08F 246/00 C08G 77/388 C08J 5/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともケイ素原子を含有するモノマ
    ー及び/又はマクロマーおよび2−{2´−ヒドロキシ
    −5´−[N−(β−メタクリロイルオキシエチル)カ
    ルバモイルオキシ]−3´−t−ブチルフェニル}−5
    −メチル−2H−ベンゾトリアゾールとからなる紫外線
    吸収ポリマーからなるコンタクトレンズであって、該ポ
    リマーはヒドロゲル状ポリマーであることを特徴とする
    コンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 前記ヒドロゲルに占める2−{2´−ヒ
    ドロキシ−5´−[N−(β−メタクリロイルオキシエ
    チル)カルバモイルオキシ]−3´−t−ブチルフェニ
    ル}−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール単位の割
    合が0.01〜10.0重量%であることを特徴とする
    請求項1記載のコンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】 少なくともケイ素原子を含有するモノマ
    ー及び/又はマクロマーおよび2−{2´−ヒドロキシ
    −5´−[N−(β−メタクリロイルオキシエチル)カ
    ルバモイルオキシ]−3´−t−ブチルフェニル}−5
    −メチル−2H−ベンゾトリアゾールとからなる紫外線
    吸収ポリマーからなる眼内レンズであって、該ポリマー
    はヒドロゲル状ポリマーであることを特徴とする眼内レ
    ンズ。
  4. 【請求項4】 前記ヒドロゲルに占める2−{2´−ヒ
    ドロキシ−5´−[N−(β−メタクリロイルオキシエ
    チル)カルバモイルオキシ]−3´−t−ブチルフェニ
    ル}−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール単位の割
    合が0.01〜10.0重量%であることを特徴とする
    請求項3記載の眼内レンズ。
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