JP3486802B2 - 抗酸化性繊維材料とその製造方法 - Google Patents

抗酸化性繊維材料とその製造方法

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JP3486802B2
JP3486802B2 JP15455397A JP15455397A JP3486802B2 JP 3486802 B2 JP3486802 B2 JP 3486802B2 JP 15455397 A JP15455397 A JP 15455397A JP 15455397 A JP15455397 A JP 15455397A JP 3486802 B2 JP3486802 B2 JP 3486802B2
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文雄 宮澤
由雄 伊藤
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富士紡績株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮魚,肉類等の食
品を酸化より防止するための包装材料分野等に使用され
る抗酸化性繊維製品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品の鮮度に悪影響を与える
酸素および活性酸素を消化する抗酸化剤の研究が広く行
われており、ブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロ
キシアニソール,アスコルビン酸,α−トコフェロール
等が抗酸化剤として食品に添加使用されている。また、
抗酸化剤の効果を高める補助剤の研究も行われており、
例えば特開平3−50293号公報には高度不飽和脂肪
酸を含む不飽和油脂や界面活性剤、及びこれらを含む食
品の酸化を防止するために、抗酸化剤と蛋白質酵素加水
分解物を併用することが、特開平4−112740号公
報には煮干し魚等の水産加工物に含まれる油分を酸化防
止するために抗酸化剤と脂肪酸エステルにカゼインナト
リウムを混合した抗酸化剤が、又、特開平4−2488
96号公報には、多価不飽和脂肪酸を含む油脂の酸化を
防止するために抗酸化酵素とカゼインナトリウムを混合
した酸化抑制方法が開示されている。しかし、抗酸化能
を繊維製品に具備させた包装材料は知られていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗酸化剤は空気中で極
めて不安定であるという欠点があり、空気中に曝される
機会の多い繊維製品に具備させるには、抗酸化能の長期
間の維持性が要求される。また、経済性の観点から、洗
浄が可能で、複数回の使用に耐える包装材料であること
が望まれる。本発明は、食品等の包装材料分野等におい
て長期間安定的に抗酸化能を発揮でき、しかも繰返し使
用に耐える繊維材料とその製造方法を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維製品を、
抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または植物組織の
抽出物と、蛋白質または蛋白質部分加水分解物で処理し
た抗酸化性繊維材料、及び繊維製品を、抗酸化能を具備
した植物組織の粉砕物または植物組織の抽出物と、蛋白
質または蛋白質部分加水分解物、及び架橋化剤とで処理
した抗酸化能を具備した抗酸化性繊維材料に係る。本発
明による抗酸化能を具備した繊維材料は、繊維製品を、
抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または植物組織の
抽出物に対する蛋白質または蛋白質部分加水分解物の配
合重量比が1:0.1〜1:10で、夫々の濃度が0.
5〜20重量%の含有液で処理して製造される。又、本
発明においては、繊維製品を、抗酸化能を具備した植物
組織の粉砕物又は植物組織の抽出物に対する蛋白質また
は蛋白質部分加水分解物の配合重量比が1:0.1〜
1:10で、夫々の濃度が0.5〜20重量%の含有液
で処理後、更に濃度2〜20重量%の架橋化剤溶液で処
理を行うことによって製造される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる繊維製品は、
原繊としては、綿,羊毛,パルプ等の天然繊維、及びレ
ーヨン,アセテート等の再生繊維やナイロン,アクリ
ル,ポリビニルアルコール,ポリエステル等の合成繊維
で、これらの1種又は2種以上を混繊したものであって
もよい。形状についても原繊,紡績糸,編織布,抄紙,
不織布,更には繊維縫製製品のいずれであってもよい。
そして繊維製品が原繊,紡績糸の場合にはこれらを用い
て抄紙,不織布,編織布等の形態として用いるのが好ま
しい。
【0006】本発明に用いられる抗酸化剤としての抗酸
化能を具備した植物組織の粉砕物または抽出物として
は、例えばアスコルビン酸やα−トコフェロールに代表
されるビタミン類、又、カテキン,フラボノールに代表
されるフラボノイド類、又、タンニン類、又、β−カロ
テンやリコペンに代表されるカロテノイド類やテルペノ
イド類、及びセサミンに代表されるリグナン類等を含有
するもので、例示すればツバキ科のチャ、モチノキ科の
マテ、バラ科の甜茶、クルミ科の黄杞、ガガイモ科のギ
ムネマ・シルベスタ、マメ科のアスパラサス・リネアリ
ス、及びトチュウ科のトチュウ等のいわゆる茶の原料と
なるもの、又、ハーブ類、生薬類やスパイス類に属する
コショウ科のペパー、ニクヅク科のナットメグ(メー
ス)、クスノキ科のシナモンやローレル、アブラナ科の
マスタードやワサビ、マメ科のフェヌグリーク、フトモ
モ科のクローブ,オールスパイスやユーカリ、セリ科の
ディル,セロリシード,キャラウエイ,コリアンダー,
クミン,フェンネル,パセリやアニス、ユリ科のガーリ
ックやオニオン、ショウガ科のカルダモン,ジンジャー
やターメリック、シソ科のシソ,バジル,マジョラム,
オレガノ,セージ,ローズマリー,タイム,コガネバ
ナ,ラベンダーやハッカ、ナス科のレッドペパーやパプ
リカ、ユキノシタ科のユキノシタ、キク科のカミツレ,
ヨモギ,マリーゴールドやヒマワリ、イネ科のレモング
ラス、ボタン科のシャクヤク、ラン科のバニラ、ミカン
科のサンショウ,レモンやオレンジ、ゴマ科のゴマ、バ
ラ科のモモ,ウメやアンズ等から得られる粉砕物または
抽出物が挙げられ、更にこれらを焙煎若しくは発酵させ
たものも含まれる。これらの中で特にチャ、甜茶、ロー
ズマリー、セージの植物組織の粉砕物または抽出物を用
いるのが好ましい。そして、これらを1種以外に2種以
上混合して使用もできる。尚、本発明でいう植物組織の
抽出物とは、植物組織の粉砕物から単に粗粉を除いたも
の、該粉砕物を水等で溶出したものであり、特定成分の
みを抽出したものではない。
【0007】本発明に用いられる蛋白質は、乳,卵,
絹,穀類,豆類,獣毛類を主とする動植物由来のもので
あって、特に限定されるものではなく、具体的にはカゼ
イン,乳ホエータンパク質,フィブロイン,セリシン,
コラーゲン,ゼラチン,ツエイン,グルテン,ケラチン
が挙げられる。又、上述の蛋白質以外に蛋白質を予め蛋
白質分解酵素処理した蛋白質の部分加水分解物が挙げら
れ、ここでいう部分加水分解物の分解率は特に限定され
ない。このような部分加水分解物を得る方法としては、
例えば蛋白質を分散もしくは溶解した溶液に、蛋白質に
対して通常0.1〜1.0重量%のパパイン,トリプシ
ン,キモトリプシン,ペプシン,コラゲナーゼ等の蛋白
質分解酵素を加え、40℃前後で30分〜24時間反応
させ、必要に応じて乾燥処理すれば良い。これら蛋白質
や蛋白質部分加水分解物は単独、またはこれらの中から
選ばれた2種以上の混合物でもよく、又、これらのナト
リウム等の塩物質でもよい。
【0008】本発明においては、上記のように繊維製品
を抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または抽出物
と、蛋白質または蛋白質部分加水分解物とで処理した
後、更に架橋化剤溶液で処理することができる。本発明
で用いられる架橋化剤として、エピクロロヒドリン,エ
チレングリコールジグリシジルエーテル,ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル等のジエポキシ類,ヘ
キサメチレンジイソシアネート,ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート等のジイソシアネート類等
のジイソシアネート類、ジカルボン酸ハロゲン化物,カ
ルボン酸無水物,ヘキサメチレンビス(3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロライ
ド)等が挙げられるが、食品包装材料として食品に害を
与えるような架橋化剤の使用は避けた方が好ましい。
【0009】本発明の抗酸化性繊維材料の製造方法とし
ては、先ず抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または
抽出物と、蛋白質または蛋白質部分加水分解物を、水中
に、または界面活性剤を加えた水中、或いは有機溶媒中
に溶解して抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または
抽出物と、蛋白質または蛋白質部分加水分解物の含有液
を得、これに繊維製品を1〜40秒間浸漬し、絞り率3
0〜150%で絞る。その後60〜110℃で10〜4
0分間乾燥処理すれば良い。また、繊維製品に上述の含
有液を繊維製品の重量に対して30〜150%スプレー
処理し、その後60〜110℃で10〜40分間乾燥処
理しても良い。このとき、該含有液における抗酸化能を
具備した植物組織の粉砕物または抽出物に対する蛋白質
または蛋白質部分加水分解物の配合重量比は、1:0.
1〜10好ましくは1:0.2〜5とする。蛋白質また
は蛋白質部分加水分解物の比率が低すぎると抗酸化能が
長期間安定的に発揮できなくなり、又、抗酸化能を具備
した植物組織の粉砕物または抽出物の比率が低すぎる
と、所望の抗酸化能が発揮できなくなる。また、該含有
液における抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または
抽出物と、蛋白質または蛋白質部分加水分解物の濃度は
特に限定されないが、夫々の濃度が低すぎると所望の抗
酸化能が発揮できず、しかも抗酸化能が長期間維持せ
ず、高すぎると繊維材料の風合いを損なう恐れがあるこ
とから、夫々の濃度は0.5〜20重量%の範囲とする
ことが好ましい。
【0010】更に、架橋化剤を用いる製造方法として
は、抗酸化能を具備した植物組織の粉砕物または抽出物
と、蛋白質または蛋白質部分加水分解物の含有液により
処理した繊維製品、または該含有液により処理した後乾
燥した繊維製品を、2〜20重量%の架橋化剤溶液に1
〜40秒間浸漬し、絞り率30〜150%で絞る。その
後60〜110℃で2〜40分間乾燥熱処理する。未反
応の架橋化剤が残留する恐れのある場合には充分に水洗
することが重要である。また、上述の含有液に浸漬処理
する以外にスプレー処理等の方法を採用しても良い。
【0011】架橋化剤で処理することにより蛋白質同士
を架橋させ蛋白質の水溶化を防止すると共に、繊維製品
に反応基があるものでは、繊維と蛋白質の架橋化にも資
する。架橋化剤で処理することにより、繊維材料を包装
材料として使用し洗浄を繰り返してもその抗酸化能を維
持できる効果を生ずる。架橋化剤溶液の濃度は、2重量
%未満であると繊維材料の抗酸化能の耐洗濯性が劣り、
一方、20重量%を越えて濃度を高くしても抗酸化能の
耐洗濯性の向上には寄与せず、また繊維材料の風合いを
損う恐れがある。
【0012】
【実施例】以下、本発明について、実施例により具体的
に説明するが、本発明はこの範囲に限定されるものでは
ない。なお、本実施例での測定方法と評価は、以下の方
法に基づいて行った。
【0013】・抗酸化度の測定方法 β−カロチンを0.2mg/ml、リノール酸40mg
/ml、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
を主成分とするノニオン系界面活性剤(AtlasPowder C
o.製、商品名:Tween20 )を400mg/ml含む溶液
1000mlに試料10gを加え、50℃にて70分間
緩く攪拌しながら反応させた後、吸光光度計(ベックマ
ン(株)製、機種名:DU−65)にて波長470nm
の吸光度を測定し、以下の式で抗酸化度を算出した。ま
た試料を製造直後、3ケ月間及び6カ月間室内光に曝さ
れる場所で室温にて保存した後、同様に抗酸化度を測定
し、抗酸化能の長期安定性の指標とした。 抗酸化度(%)={(反応後の吸光度÷ブランクの吸光
度)−1}×100
【0014】尚、実施例中の洗濯5回後の抗酸化度の測
定時の洗濯処理は、製造直後の試料についてJIS L
O844(1973)「洗たくに対する染色堅ろう度試
験方法」の3.3B法の試験符号B−3号の洗たく条件
で行った。
【0015】・風合いの評価 5名のパネラーにより製造直後の各試料を未処理試料の
風合いと比較し、次の基準で判定した。 ◎:5人全員変らない ○:3〜4人変らない
△:変らない2人以下 ×:全員悪い
【0016】〔実施例1〕シソ科のローズマリー微粉砕
物((株)カネカサンスパイス製のローズマリー末をさ
らに微粉砕して400メッシュの篩により粗粉末を除い
たもの)とコラーゲン(昭和電工(株)製、商品名トリ
アゼットCX260−1)夫々を、10重量%のエタノ
ール水溶液1kg中に表1に示すような含有液中のロー
ズマリー微粉砕物濃度とコラーゲン濃度になるように加
え、5分間攪拌してローズマリー微粉砕物とコラーゲン
の含有液13種を準備した。その夫々の含有液に100
cm×250cmの綿平織物(40番手単糸、経110
本/inch、緯70本/inch)を20秒間浸漬
し、絞り率50%で絞った後、110℃にて20分間乾
燥処理をして、綿平織物の繊維材料試料No.1〜13
を得た。比較例として抗酸化剤で処理をしていない未処
理の綿平織物試料No.14と、ローズマリー微粉砕物
5重量%のみでコラーゲンを用いずに同様の処理をした
綿平織物試料No.15を得た。得られた試料について
製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗濯5回後の抗酸化
度を測定し、又、風合いの評価を行い、その結果を表1
に示した。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、比較例の試料No.15はコラ
ーゲンを配合しない溶液で処理しているため3カ月後及
び6カ月後の抗酸化度の低下が著しく、性能を維持させ
るのに問題がある。
【0019】試料No.1は含有液中のローズマリー微
粉砕物の濃度が低いので抗酸化度が低く、試料No.6
は逆に含有液中のコラーゲン濃度が低いため抗酸化能の
長期安定性が好ましくない。ローズマリー微粉砕物に対
するコラーゲン配合重量比が1:0.1〜10の範囲の
含有液で処理した試料No.2〜5は良好な結果を示し
ているが特に配合重量比が1.5〜0.2の範囲の含有
液で処理した試料No.3〜4が優れた抗酸化能が長期
間維持され、また風合にも優れている。又、試料No.
7〜13については、試料No.7はローズマリー微粉
砕物濃度が低いため抗酸化度が低く、試料No.10は
コラーゲンの濃度が30重量%と高く、又試料No.1
3はローズマリー微粉砕物の濃度が30重量%と高いた
めに風合いが硬くなる欠点があり、ローズマリー微粉砕
物とコラーゲンの濃度がそれぞれ0.5〜20重量%に
して、ローズマリー微粉砕物に対するコラーゲンの配合
重量比が1:0.2〜5の範囲内とすることにより好結
果の抗酸化性繊維材料が得られることが明らかである。
【0020】〔実施例2〕実施例1の試料No.4を得
た条件と同一に処理をして得た綿平織物6片を用いて、
更にこれに架橋化剤としてヘキサメチレンビス−(3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム
クロライド)(一方社油脂(株)製、商品名:カチオノ
ンUK)の1%,2%,5%,10%,20%,30%
の水溶液夫々2kgを準備し、夫々に20秒間浸漬し絞
り率70%で絞った後、110℃で3分間キュアリング
処理し、次いで充分水洗した後乾燥し、綿平織物の繊維
材料試料No.16〜21を得た。得られた各試料につ
いて製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗濯5回後の抗
酸化度の測定、及び実施例1の未処理品の試料No.1
4に対する風合いの評価をし、表2にその結果を示し
た。
【0021】
【表2】
【0022】表2より、試料No.16は1重量%濃度
の架橋化剤溶液で処理しているため洗濯5回後の抗酸化
度の低下が大きく、逆に試料No.21は30重量%濃
度の架橋化剤溶液で処理しているため風合いが悪い。抗
酸化処理後、濃度が2〜20重量%の架橋化剤溶液で処
理した試料No.17〜20は、実施例1の試料No.
4と比較し洗濯5回後の抗酸化度が優れ、又風合いもよ
い。抗酸化剤と蛋白質の含有液で処理後架橋化剤溶液で
処理するときの架橋化剤の濃度が2〜20重量%とすれ
ば、複数回の洗濯後も良好な抗酸化度を維持しているこ
とが明らかである。
【0023】〔実施例3〕実施例1で得た綿平織物の試
料No.2〜5,8〜9,11〜12及び15(比較
例)と同様に処理して得た綿平織物を製造し、夫々の試
料について実施例2と同じく架橋化剤としてヘキサメチ
レンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメ
チルアンモニウムクロライド)を用いてその5%の水溶
液2kg夫々に20秒間浸漬し、絞り率70%で絞った
後、110℃で3分間キュアリング処理し、次いで充分
水洗した後乾燥し、綿平織物の繊維材料試料No.22
〜29、及び比較例No.30を得た。得られた各試料
について製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗濯5回後
の抗酸化度の測定及び風合いの評価をし、表3にその結
果を示した。
【0024】
【表3】
【0025】表3より、綿平織物をローズマリー微粉砕
物とコラーゲンの各溶液濃度が0.5〜20重量%の範
囲にありローズマリー微粉砕物に対するコラーゲンの配
合重量比が1:0.1〜10の範囲で処理したものを更
に架橋化剤溶液で処理することによって実施例1に比べ
特に洗濯後の抗酸化度の値を高く保つことができること
が明らかである。
【0026】〔実施例4〕ツバキ科のチャのカテキンを
含む緑茶抽出物の粉体(シティメックス社製、商品名:
緑茶ポリフェノールCTP95)とバラ科のカテキンを
含む甜茶抽出物(サントリー(株)製、商品名:サンテ
ンチャS粉末を400メッシュの篩により粗粉を除いた
もの)を重量比で1:1に混合させ、この混合物とカゼ
インナトリウム(日本プロテン(株)製、商品名:AL
ANATE180)の夫々を、10重量%のエタノール
水溶液1kg中に表4に示すような含有液中の緑茶抽出
物と甜茶抽出物の混合物濃度とカゼインナトリウム濃度
になるように加え、5分間攪拌して、緑茶抽出物と甜茶
抽出物の混合物とカゼインナトリウムの含有液13種を
準備した。その夫々の含有液に、実施例1で用いた綿平
織物片を20秒間浸漬し、絞り率50%で絞った後、1
10℃で20分間乾燥処理をして綿平織物の繊維材料試
料No.31〜43を得た。比較例として、綿平織物に
緑茶抽出物と甜茶抽出物の混合物5重量%の混合溶液の
みで同様の処理をして試料No.44を得た。得られた
各試料について製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗濯
5回後の抗酸化度の測定及び風合いの評価をし、表4に
その結果を示した。
【0027】
【表4】
【0028】表4より、実施例1と同様に試料No.3
1,36,37,40,43は緑茶・甜茶抽出物の混合
物とカゼインナトリウムの濃度が0.5〜20重量%外
で、又、配合重量比が1:0.1〜10の範囲外にあり
抗酸化度または洗濯後の抗酸化能の維持性又は風合いに
劣っているが、他は優れた抗酸化度と抗酸化能の維持及
び風合いを具備し、抗酸化能を具備した植物組織の抽出
物を2種混合して使用してもその効果が優れていること
が明らかである。
【0029】〔実施例5〕実施例4で得た綿平織物の繊
維材料の試料No.32〜35,38〜39,41〜4
2及び44(比較例)と同様に処理して綿平織物を製造
し、夫々の試料について実施例3と同じく架橋化剤とし
てヘキサメチレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピルジメチルアンモニウムクロライド)を用いて、
その5重量%の水溶液2kgに20秒間浸漬し、絞り率
70%で絞った後、95℃で5分間キュアリング処理
し、次いで充分水洗し、綿平織物の繊維材料の試料N
o.45〜52と比較例試料No.53を得た。得られ
た各試料について製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗
濯5回後の抗酸化度の測定及び風合いの評価をし、表5
にその結果を示した。
【0030】
【表5】
【0031】表5より、綿平織物を緑茶と甜茶の抽出物
を重量比1:1で混合した混合物とカゼインナトリウム
の各濃度が0.5〜20重量%の範囲にあり緑茶と甜茶
の抽出物の混合物に対するカゼインナトリウムの配合重
量比が1:0.1〜10の範囲である抗酸化剤と蛋白質
の含有液で処理したものを更に架橋化剤溶液で処理する
ことによって、実施例4に比べ特に洗濯5回後の抗酸化
度を高く維持することができることが明らかである。
【0032】〔実施例6〕ツバキ科のチャの緑茶抽出物
の粉体(シティメックス社製、商品名:緑茶ポリフェノ
ールCTP95)とカゼインナトリウム(日本プロテン
(株)製、商品名:ALANATE180)を、夫々水
20kgに表6に示すように含有液中の緑茶抽出物濃度
とカゼインナトリウム濃度になるよう加えて5分間攪拌
し、緑茶抽出物とカゼインナトリウムの含有液8種類を
準備した。夫々の含有液に平均繊度3.2デニール、平
均繊維長51mmのレーヨンステープル1.6kgを20
秒間浸漬し、絞り率70%で絞った後、110℃にて1
0分間乾燥処理し、繊維材料として試料No.54’〜
61’を得た。更に、得られた繊維材料試料である処理
されたレーヨンステープルを用いて、夫々目付30g/
2 のスパンレース不織布に成形し、試料No.54〜
61を得た。比較例として、緑茶抽出物5重量%水溶液
のみで同一条件でレーヨンステープルを処理し試料N
o.62’を得、これを用いてスパンレース不織布に成
形した試料No.62を得た。又、未処理のレーヨンス
テープルを用いてスパンレース不織布とした試料No.
63を得た。得られた各試料について製造直後、3カ月
後、6カ月後及び洗濯5回後の抗酸化度の測定及び風合
いの評価をし、表6にその結果を示した。
【0033】
【表6】
【0034】表6より明らかな如く、抗酸化性を付与さ
せた繊維材料のレーヨンステープルを用いて使用形態に
適したスパンレース不織布としても、緑茶抽出物とカゼ
インナトリウムの含有液の濃度が夫々0.5〜20重量
%にして、緑茶抽出物に対するカゼインナトリウムの配
合重量比が1:0.1〜10の範囲にある液で処理した
各試料は優れた抗酸化度と風合いを示している。
【0035】〔実施例7〕 実施例6の試料No.54’〜61’と62’を得た条
件と同一に処理をして得たレーヨンステープル9種類を
用いて、更に架橋化剤としてエチレングリコールジグリ
シジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デ
ナコールEX−810)の夫々5%水溶液40kg中に
10秒間浸漬し、絞り率60%で絞った後95℃で5分
間キュアリング処理し、次いで充分水洗した後乾燥し、
繊維材料として試料No.64’〜71’、72’を得
た。更にここで得られた試料の夫々の処理後架橋化剤溶
液で処理をしたレーヨンステープルを用いて、夫々目付
30g/m2のスパンレース不織布に成形し、試料N
o.64〜71と比較例試料No.72を得た。得られ
た各試料について製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗
濯5回後の抗酸化度の測定及び風合いの評価をし表7に
その結果を示した。
【0036】
【表7】
【0037】表7から明らかな如く、表6の結果と比較
すると抗酸化剤と蛋白質の含有液で処理後更に架橋剤で
処理をすることによって、複数回の洗濯後も抗酸化度に
優れたものとなることが明らかである。
【0038】〔実施例8〕バラ科の甜茶抽出物(サント
リー(株)製、商品名:サンテンチャS粉末を400メ
ッシュの篩により粗粉を除いたもの)と平均分子量約6
50のカゼイン部分加水分解物(森永乳業(株)製、商
品名:森永ペプチドC2500)を、夫々水5kgに表
8に示すように含有液中の甜茶抽出物濃度とカゼイン部
分加水分解物濃度になるように加え、5分間攪拌して甜
茶抽出物とカゼイン部分加水分解物の含有液8種類を準
備した。その夫々の含有液に平均繊度3.2デニール、
平均繊維長51mmのレーヨンステープルを用いて目付5
0g/m2 のレーヨンスパンレース不織布に成形した大
きさ140cm×200cmの不織布を20秒間浸漬
し、絞り率80%で絞った後95℃で15分間乾燥処理
をしてレーヨンスパンレース不織布の繊維材料試料N
o.72〜79を得た。比較例として甜茶抽出物5重量
%のみでカゼイン部分加水分解物を用いずに同様の処理
をしたレーヨンスパンレース不織布試料No.80を得
た。又、全く処理をしていないレーヨンスパンレース不
織布を試料No.81とした。得られた試料について製
造直後、3カ月後、6カ月後及び洗濯5回後の抗酸化度
を測定し、又風合いの評価を行いその結果を表8に示し
た。
【0039】
【表8】
【0040】表8の結果より、本発明の繊維材料に抗酸
化能があり風合いにも優れていることが明らかである。
【0041】〔実施例9〕シソ科のセージ微粉砕物
((株)カネカサンスパイス製のセージ末を更に微粉砕
処理し400メッシュの篩により粗粉を除いたもの)と
コラーゲン(昭和電工(株)製、商品名:トリアゼット
CX260−1)を、夫々水20kg中に表9に示すよ
うに含有液中のセージ微粉砕物濃度とコラーゲン濃度に
なるように加え、5分間攪拌して、セージ微粉砕物とコ
ラーゲンの含有液8種を準備した。その夫々の含有液に
50番手単糸の綿紡績糸1.6kgを20秒間浸漬し絞
り率70%で絞った後、95℃で10分間乾燥処理を
し、綿紡績糸の繊維材料試料No.82’〜89’を得
た。更にここで得られた綿紡績糸の繊維材料No.8
2’〜89’を用いて、30インチ、22ゲージ、針本
数2,088本の丸編機にて夫々を天竺編物に編成し試
料No.82〜89を得た。比較例として、セージ微粉
砕物5重量%のみで綿紡績糸を同様に処理し、これを用
いて天竺編物とした試料No.90と、未処理の綿紡績
糸で天竺編物とした試料No.91を得た。得られた試
料について、製造直後、3カ月後、6カ月後及び洗濯5
回後の抗酸化度を測定し、又、風合いの評価を行いその
結果を表9に示した。
【0042】
【表9】
【0043】表9の結果より、本発明の繊維材料に抗酸
化能があり、風合いにも優れていることが明らかであ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られる抗酸化性繊
維材料は、抗酸化能を長期間維持し、かつ包装材料とし
て良好な風合いを具備するものであり、鮮魚や肉類等の
酸化を防止し食品の鮮度保持を目的とする包装材料等に
供するのに好適なものである。更に抗酸化剤と蛋白質ま
たは蛋白質部分加水分解物の含有液で処理後架橋化剤溶
液で処理することにより、繰り返し洗浄しても抗酸化能
の低下が防止できる効果があり、繰り返し洗浄しても包
装材料として長期間の使用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 15/34 A23B 4/00 A (56)参考文献 特開 平6−313280(JP,A) 特開 平4−185770(JP,A) 特開 平8−296173(JP,A) 特開 平9−137381(JP,A) 特開 平5−117972(JP,A) 特開 平6−218885(JP,A) 特公 平3−1942(JP,B2) 特許3424115(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/715 A23B A23L B65D C09K Fターム(4L033)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維製品を、抗酸化能を具備した植物組
    織の粉砕物または植物組織の抽出物と、蛋白質または蛋
    白質部分加水分解物とで処理する際に、抗酸化能を具備
    した植物組織の粉砕物または植物組織の抽出物に対する
    蛋白質または蛋白質部分加水分解物の配合重量比が1:
    0.1〜10で、夫々の濃度が0.5〜20重量%の含
    有液で処理することを特徴とする抗酸化性繊維材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 繊維製品を、抗酸化能を具備した植物組
    織の粉砕物または植物組織の抽出物と、蛋白質または蛋
    白質部分加水分解物、及び架橋化剤とで処理したことを
    特徴とする抗酸化性繊維材料。
  3. 【請求項3】 繊維製品を、抗酸化能を具備した植物組
    織の粉砕物または植物組織の抽出物と、蛋白質または蛋
    白質部分加水分解物とで処理する際に、抗酸化能を具備
    した植物組織の粉砕物または植物組織の抽出物に対する
    蛋白質または蛋白質部分加水分解物の配合重量比が1:
    0.1〜10で夫々の濃度が0.5〜20重量%の含有
    液で処理後、濃度2〜20重量%の架橋化剤溶液で処理
    することを特徴とする抗酸化性繊維材料の製造方法。
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