JP3485625B2 - 熱転写シリアルプリント方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、熱転写シリアルプリン
ト方法に関し、更に詳しくは１行内にフルカラー画像の
一部とモノクロ画像の一部とが混在した画像をプリント
するための方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】熱転写シリアルプリンタは、往復動自在
なヘッドキャリッジを備え、これにカラーインクリボン
カセットが装着される。このヘッドキャリッジにはサー
マルヘッドが取り付けられており、ヘッドキャリッジが
記録用紙の幅方向（副走査方向）に移動する間に、カラ
ーインクリボンカセットから引き出したカラーインクリ
ボンを記録用紙に重ね、その背後からサーマルヘッドで
押圧・加熱して、カラーインクリボンのインクを記録用
紙に転写する。

【０００３】カラーインクリボンには、イエローインク
エリア，マゼンタインクエリア，シアンインクエリアを
所定の順番で繰り返して形成した３色のものと、これに
ブラックインクエリアを加えた４色のものとがある。各
インクエリアの長さは、記録用紙の１行とほぼ同じであ
る。ここで、熱転写シリアルプリンタは、プラテンの長
さから使用可能な記録用紙の最大サイズが決まってお
り、このサイズに合ったインクエリアを有するカラーイ
ンクリボンが使用される。

【０００４】３色のカラーインクリボンでは、フルカラ
ー画像又はモノクロ画像（例えば黒文字や黒の線画）を
プリントする場合に、ヘッドキャリッジを副走査方向に
３回往復動してから、記録用紙を主走査方向にほぼ１行
分送る。４色のカラーインクリボンではヘッドキャリッ
ジを４回往復動してから紙送りを行う。

【０００５】また、実開昭３−１０９８６５号公報に記
載されているように、片側のトラックにイエローインク
エリア，マゼンタインクエリア，シアンインクエリアを
繰り返して形成し、別の片側のトラックにブラックイン
クエリアを連続して形成したダブルタイプのカラーイン
クリボンも知られている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】年賀状や絵葉書では、
１行内にフルカラー画像とモノクロ画像例えば黒文字と
が混在したパターンを用いることがある。このような混
在画像に対しても、１行の全てがフルカラー画像の場合
と同様に、ヘッドキャリッジをインクエリアの種類数
（３回又は４回）往復動させているため、プリントに時
間がかかっていた。同様に、ダブルタイプのカラーイン
クリボンでも、混在画像に対しては３色のインクエリア
が使用されるから、やはりプリントに時間がかかる。

【０００７】３色のカラーインクリボンでは、１行の全
てがフルカラー画像又は黒文字の場合と同様に、混在画
像に対しては全てのインクエリアが使用されるが、４色
のカラーインクリボンでは各インクエリアの一部が使わ
れない。すなわち、黒文字の部分に対しては３色のイン
クエリアが使われず、フルカラー画像の部分ではブラッ
クインクエリアが使われない。これらの不要なインクエ
リアはそのまま巻き取られるため、カラーインクリボン
の無駄となる。各インクエリアは、１行と同じかそれよ
りも僅かに長いため、空送りされるカラーインクリボン
はかなりの長さになってしまい、その無駄が多いという
問題があった。

【０００８】本発明は、カラーインクリボンの無駄をな
くすとともに、プリント時間を短縮することができる熱
転写シリアルプリント方法を提供することを目的とする
ものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、各行を複数のブロックに区画し、各ブ
ロック内はフルカラー画像とモノクロ画像の一方だけを
存在させることにより、ブロック単位で画像をプリント
するようにしたものである。カラーインクリボンには、
従来の４色のカラーインクリボンと同様に、イエローイ
ンクエリア，マゼンタインクエリア，シアンインクエリ
アを所定の順番で配置したフルカラー用インク領域と、
モノクロインクエリアとが交互に形成されており、各イ
ンクエリアの長さがブロックの長さに対応している。各
インクエリアは、ブロックの長さと同じでもよいが、記
録用紙に対するカラーインクリボンのスリップを考慮し
て、これよりも僅かに長くするのがよい。

【００１０】フルカラー画像のブロックでは、フルカラ
ー用インク領域を使用し、サーマルヘッドをブロック内
で３回往復動させる。モノクロ画像のブロックでは、モ
ノクロインクエリアを使用し、サーマルヘッドをブロッ
ク内で１回往動させる。

【００１１】請求項２では、各ブロックは長さが同じで
あり、またモノクロインクエリアはブラックインクエリ
アであり、モノクロ画像としての黒文字や線画のプリン
トに用いられる。

【００１２】請求項３では、フルカラー画像のブロック
と、モノクロ画像のブロックとは長さが異なっており、
またモノクロインクエリアはブラックインクエリアであ
り、モノクロ画像としての黒文字や線画のプリントに用
いられる。

【００１３】

【作用】本発明では、１行を複数のブロックに区画する
とともに、各インクエリアの長さをブロックに対応させ
たカラーインクリボンを使用し、ブロック単位でプリン
トするから、たとえ空送りが発生しても、その送り量が
従来の行単位に比べて少ない。また、モノクロ画像のブ
ロックでは、ヘッドキャリッジを１回往動させるだけで
あるから、プリント時間を短縮することができる。

【００１４】

【実施例】本発明を実施する熱転写シリアルプリンタを
示す図２において、箱形をしたプリンタ本体１０の上部
に給紙口１１が形成され、これから記録用紙１２が挿入
される。この記録用紙１２は、一対の送りローラ１３，
１４でニップされ、矢線で示す主走査方向に１行ずつ間
欠送りされる。

【００１５】ヘッドキャリッジ１５には、カラーインク
リボンカセット１６がセットされる。このカラーインク
リボンカセット１６は、周知のように２個のリールを備
え、両端が固定された状態でカラーインクリボン１７を
巻き付けている。この実施例のカラーインクリボンカセ
ット１６は、表裏を反転してヘッドキャリッジ１５にセ
ットすることができるダブルタイプであるため、前側に
２個の切欠き１８，１９（図３参照）が形成されてい
る。

【００１６】ヘッドキャリッジ１５には、サーマルヘッ
ド２２と、マークセンサー２３，リール軸２４，２５と
が設けられている。サーマルヘッド２２は、カラーイン
クリボンカセット１６のセット時に、切欠き１８，１９
の一方に入り込む。マークセンサー２３は、カラーイン
クリボンカセット１６の前側の角に形成した切欠き（図
示せず）に入り込む。このマークセンサー２３は、各イ
ンクエリアの頭出しを行うために、カラーインクリボン
１７のマークを検出する。

【００１７】リール軸２４，２５は、カラーインクリボ
ンカセット１６のリールのハブに嵌合する。一方のリー
ル軸２４は、ヘッドキャリッジ１５内のパルスモータ２
７（図３参照）で駆動され、プリント中にはカラーイン
クリボン１７をインクドットの１個分の長さずつ巻き上
げる。

【００１８】ヘッドキャリッジ１５は、ガイド棒２８に
挿通され、かつガイドレール２９にスライド自在に支持
されている。また、このヘッドキャリッジ１５には、タ
イミングベルト３０の一部が固定されている。このタイ
ミングベルト３０は、プーリ３１，３２に掛けられてい
る。一方のプーリ３１は、パルスモータ３３に連結され
ている。プラテン３４は、記録用紙１２の背後を受け止
めるように配置されている。

【００１９】プリンタ本体１０には、プリント開始を指
示するプリントキー３５とディスプレイ３６とが設けら
れている。このディスプレイ３６は、操作手順や各種の
トラブルを警告表示するために用いられる。

【００２０】図３において、フレームメモリ部４０は、
青色フレームメモリ４０ａ，緑色フレームメモリ４０
ｂ，赤色フレームメモリ４０ｃ，黒色フレームメモリ４
０から構成されている。熱転写シリアルプリンタに入力
された１フレーム分の青色画像データ，緑色画像デー
タ，赤色画像データ，黒色画像データは、対応するフレ
ームメモリ４０ａ〜４０ｄに書き込まれる。

【００２１】各フレームメモリ４０ａ〜４０ｄは、１行
分の画素が順番に読み出されてデータ変換部４１に送ら
れ、青色画像データ，緑色画像データ，赤色画像データ
がイエロー画像データ，マゼンタ画像データ，シアン画
像データにそれぞれ変換される。これらのイエロー画像
データ，マゼンタ画像データ，シアン画像データは、イ
エローラインメモリ４２ａ，マゼンタラインメモリ４２
ｂ，シアンラインメモリ４２ｃのうち対応するものに書
き込まれる。なお、黒色画像データは、そのまま黒色ラ
インメモリ４２ｄに書き込まれる。

【００２２】本発明では、１行を複数のブロックに区画
し、ブロック単位でプリントを行うから、ラインメモリ
４２ａ〜４２ｄは、ブロック毎に仮想的に区画されてい
る。データコントローラ４３は、各ブロックの画像の種
類を判定してから、画像の種類に応じて、ラインメモリ
を指定する。この指定したラインメモリから、プリント
すべき色の画像データをブロック単位で読み出してヘッ
ドドライバ４４に送る。このヘッドドライバ４４は、サ
ーマルヘッド２２を駆動し、複数の発熱素子２２ａ〜２
２ｎを選択的に駆動する。これらの発熱素子２２ａ〜２
２ｎは、主走査方向にライン状に配列されており、カラ
ーインクリボン１７を背後から加熱・押圧して、軟化又
は溶融したインクを記録用紙１２に転写する。

【００２３】システムコントローラ４６は、データコン
トローラ４３等の各回路や、パルスモータ２７，３３，
４７の駆動を制御する。このパルスモータ４７は、送り
ローラ１３，１４を回転させて、記録用紙１２を主走査
方向に送る。

【００２４】図４に示すように、カラーインクリボン１
７には、フルカラー用インク領域５０と、モノクロ用イ
ンク領域とが交互に形成されている。このフルカラー用
インク領域５０は、熱記録の順番で配列されたイエロー
インクエリア５１，マゼンタインクエリア５２，シアン
インクエリア５３で構成されている。これらのインクエ
リア５１〜５３の順番は、インクの特性を考慮して適当
に変更してもよい。モノクロ用インク領域としては、黒
文字を記録するためにブラックインクエリア５４が用い
られている。勿論、イエロー，マゼンタ，シアン以外の
色であれば、所望の色であってもよい。

【００２５】各インクエリア５１〜５４は、その長さが
いずれもＬ１であり、ブロックの長さと同じである。な
お、カラーインクリボン１７は、記録用紙１２に対して
スリップがあるので、実際はブロックよりも少し長くな
っている。また、イエローインクエリア５１の前に黒線
が２本のマーク５５ａが、マゼンタインクエリア５２と
シアンインクエリア５３の前には、黒線が１本のマーク
５５ｂが記録されている。ブラックインクエリア５４の
前には、黒線が３本のマーク５５ｃが記録されている。
これらのマークによって、インクエリアの頭出しとその
種類が識別される。

【００２６】図５は、プリントフォーマットを示すもの
である。記録用紙１２の記録領域は、主走査方向の長さ
がＬ２であり、副走査方向の長さがＬ３である。この主
走査方向には、１３行が割り当てられているから、１行
の幅はＬ２／１３である。また、各行は第１〜第４ブロ
ックに区画されており、各ブロックの長さはインクエリ
アと同じ長さＬ１である。したがって、記録領域は、マ
トリクスに配置された５２個のブロックで構成される。

【００２７】各ブロックには、フルカラー画像と黒文字
のいずれか一方だけがプリントされる。この実施例で
は、例えば第１行の第１ブロックには、フルカラー画像
が割り当てられ、第１行の第３ブロックには黒文字が割
り当てられている。

【００２８】次に、図１を参照して、上記実施例の作用
について説明する。１つのブロック内には、フルカラー
画像と黒文字のいずれか一方だけが存在するように、フ
ルカラー画像と黒文字とをレイアウトして、混在画像を
作成する。この混在画像の作成は、パソコン等によって
行うことができる。フルカラー画像は、ビデオカメラや
スキャナーから取り込み、所望の位置へ移動してから、
１つ又は複数の連続したブロック内に入るように、サイ
ズを縮小・拡大する。黒文字は、カーソル及びキーボー
ドを使用して、所望の位置へ書き込む。

【００２９】レイアウトが決まった混在画像の青色画像
データ，緑色画像データ，赤色画像データから下色除去
処理を行って黒色画像データを作成する。得られた４色
の画像データは、熱転写シリアルプリンタをパソコンに
接続して、そのフレームメモリ４０〜４０ｄにそれぞれ
書き込む。

【００３０】プリントキー３５を操作すれば、システム
コントローラ４６がパルスモータ４７を駆動して、送り
ローラ１３，１４を回転させる。これらの送りローラ１
３，１４は、給紙口１１から挿入された記録用紙１２を
ニップして、第１行目がサーマルヘッド２２に対面する
ように給紙する。

【００３１】システムコントローラ４６は、データ変換
部４１を作動させ、青色フレームメモリ４０ａから第１
行目の青色画像データを画素毎に読み出し、これをイエ
ロー画像データに変換してから、イエローラインメモリ
４２ａに書き込む。次に、緑色フレームメモリ４０ｂか
ら第１行目の緑色画像データを読み出し、マゼンタ画像
データに変換してから、マゼンタラインメモリ４２ｂに
書き込む。この後に、赤色フレームメモリ４０ｃの第１
行目の赤色画像データをシアン画像データに変換して、
シアンラインメモリ４２ｃに書き込む。黒色フレームメ
モリ４０ｄの第１行目の黒色画像データはそのまま黒色
ラインメモリ４２ｄに書き込む。

【００３２】第１行目の４色の画像データがラインメモ
リ４２ａ〜４２ｄに書き込まれると、データコントロー
ラ４３は、行数を表すａを零にリセットしてから、
「１」を加えて、ａ＝１にする。また、ブロック数ｂを
零にしてから、「１」を加えてｂ＝１にする。

【００３３】データコントローラ４３は、イエローライ
ンメモリ４２ａから、第１行の第１ブロックに含まれる
イエロー画像データを読み出し、全ての画素にイエロー
画像データが存在していないかどうかを判定する。も
し、全画素にイエロー画像データが存在していない場合
には、このブロックは黒文字であると判定する。この場
合には、ブラックインクエリア５４を用い、ヘッドキャ
リッジ１５を一回往動して画像を黒色でプリントする。
他方、イエロー画像データが存在している場合には、フ
ルカラー画像であると判定する。この場合は、フルカラ
ー用インク領域５０を用い、第１ブロック内でヘッドキ
ャリッジ１５を３回往動して画像を３色でプリントす
る。

【００３４】画像の種類の判定は、マゼンタ画像デー
タ，シアン画像データを用いて行ってもよく、更には３
色の画像データの全てを用いて判定してもよい。また、
フルカラー画像では、ブラックインクを使用しないの
で、黒色画像データの有無から画像の種類を判定しても
よい。

【００３５】この実施例では、第１行の第１ブロックは
フルカラー画像であるから、システコントローラ４６
は、パルスモータ２７を駆動してカラーインクリボン１
７を巻き上げて、フルカラー用インク領域５０の最初に
あるイエローインクエリア５１の頭出しを行う。この頭
出しは、カラーインクリボン１７の給送中に、マークセ
ンサー２３がマーク５５ａを検知した時点を基準とし、
マークセンサー２３からサーマルヘッド２２までの通路
の距離だけ、カラーインクリボン１７を給送することに
よって行われる。

【００３６】イエローインクエリア５１の頭出し後に、
サーマルヘッド２２がイエローインクエリア５１の背面
を記録用紙１２に押し付け、カラーインクリボン１７を
１ドット分ずつ巻き上げる。これとともに、パルスモー
タ３３によってタイミングベルト３０を回転させ、ヘッ
ドキャリッジ１５を１ドット分ずつ第１ブロック内で移
動し、サーマルヘッド２２によって第１ブロック内にイ
エロー画像をプリントする。

【００３７】このイエロー画像の記録に際しては、まず
データコントローラ４３は、イエローラインメモリ４２
ａから第１ブロック内の各画素のイエロー画像データを
列毎に読み出してヘッドドライバ４４に送る。ヘッドド
ライバ４４は、ルックアップテーブルを参照して、１列
分の各画素のイエロー画像データを主走査方向でＭ個、
副走査方向でＮ個の駆動データに変換する。したがっ
て、１個の画素のイエロー画像データは、Ｎ個の駆動デ
ータを持ったＭ個の駆動データ群に変換される。このＭ
個の駆動データ群は、隣接するＭ個の発熱素子に供給さ
れ、Ｍ個の発熱素子で１個の画素を記録する。この１個
の画素は、Ｍ×Ｎ個のセルからなるマトリクスを構成
し、インクが記録されたセルの個数から階調が表現され
る。

【００３８】発熱素子２２ａ〜２２ｎの個数に対応した
駆動データ群のうち、第１ビットをそれぞれ取り出して
サーマルヘッド２２に送り、発熱素子２２ａ〜２２ｎを
選択的に発熱させる。各発熱素子２２ａ〜２２ｎは、イ
エローインクエリア５１のイエローインクを記録用紙１
２に転写する。このインク転写により、各マトリクスの
主走査方向に伸びた第１列上にある各セルが記録され
る。

【００３９】第１ビットの記録後に、パルスモータ２７
が回転して、カラーインクリボン１７を１ドット（セ
ル）分巻き上げ、またパルスモータ３３が回転してヘッ
ドキャリッジ１５を１ドット分主走査方向に移動する。
第１ビットの記録と同様に、第２ビット〜第Ｎビットを
サーマルヘッド２２に送って、第１列目の画素のイエロ
ー画像を記録する。

【００４０】第１列目の画素のイエロー画像をプリント
してから、第２列目以降の画素のイエロー画像をプリン
トする。こうして第１ブロックのイエロー画像の記録が
終了すると、ヘッドキャリッジ１５は第１ブロックの始
めに戻される。これとともに、カラーインクリボン１７
が巻き上げられ、マーク５５ｂを参照してマゼンタイン
クエリア５２の頭出しが行われる。

【００４１】マゼンタインクエリア５２の頭出し後に、
カラーインクリボン１７を１ドット分ずつ巻き上げなが
ら、ヘッドキャリッジ１５を第１ブロック内で移動す
る。この移動中に、マゼンタラインメモリ４２ｂから読
み出した第１ブロックのマゼンタ画像データに基づい
て、第１ブロック内にマゼンタ画像をプリントする。同
様にして、シアンラインメモリ４２ｃから読み出した第
１ブロックのシアン画像データに基づいて、シアンイン
クエリア５３を用いて第１ブロック内にシアン画像をプ
リントする。これにより、３色順次記録で第１行の第１
ブロック内にフルカラー画像がプリントされる。

【００４２】第１ブロックの記録後に、ブロック数ｂを
インクリメントしてから、第２ブロックのプリントを行
う。この場合もデータコントローラ４３は、第１行の第
２ブロックの画像の種類を判定する。この第２ブロック
はフルカラー画像であるから、第１ブロックのプリント
に使用したフルカラー用インク領域５０の後にあるブラ
ックインクエリア５４を未使用のままで空送りし、その
次にあるフルカラー用インク領域を用いて、ヘッドキャ
リッジ１５を３回往復動して第２ブロックにフルカラー
画像をプリントする。

【００４３】ブロック数ｂをインクリメントしてから、
第１行目の第３ブロックのプリントを行う。この第３ブ
ロックは黒文字であるため、第２ブロックのプリントに
使用したフルカラー用インク領域の後にあるブラックイ
ンクエリア５４を頭出しする。このブラックインクエリ
ア５４を使用し、ヘッドキャリッジ１５を１回往動しな
がら、黒色ラインメモリ４２ｄから読み出した第３ブロ
ックの黒色画像データに基づいてサーマルヘッド２２を
駆動し、第３ブロック内に黒文字をプリントする。

【００４４】第１行目の第４ブロックも黒文字であるか
ら、第３ブロックのプリントに使用したブラックインク
エリア５４の後にあるフルカラー用インク領域を未使用
のままで空送りし、その次にあるブラックインクエリア
５４を頭出しする。黒色ラインメモリ４２ｄから読み出
した第４ブロックの黒色画像データを用いて、第４ブロ
ックに黒文字をプリントする。

【００４５】第１行目の第４ブロックのプリントが終了
すると、ブロック数ｂが４であるから、システムコント
ローラ４６はパルスモータ４７を駆動し、一対の送りロ
ーラ１３，１４を回転させ、記録用紙１２を主走査方向
に１行分送る。これとともに、ヘッドキャリッジ１５を
行の記録開始位置、すなわち第１ブロックの先頭位置へ
戻す。

【００４６】各ラインメモリ４２ａ〜４２ｄは、複数の
行を記憶することができるから、第１行目の記録中に、
第２行目の４色画像データが各ラインメモリ４２ａ〜４
２ｄに書き込まれる。この第２行目も前述した第１行目
と同様にして、各ブロック単位でプリントを行うととも
に、各ブロック内の画像の種類を判定して、画像の種類
に応じたプリントを行う。こうして、第１３行目まで記
録すると、パルスモータ４７が回転してプリント済みの
記録用紙１２を排紙する。

【００４７】図６は、各ブロックの長さが異なったプリ
ントフォーマットを示すものである。記録用紙６０の記
録領域は８行であり、各行は第１及び第２ブロックに区
画されている。したがって、記録領域は、マトリクスに
配置された１６個のブロックで構成されている。また、
第１ブロックの長さはＬ４であり、第２ブロックの長さ
はＬ５である。この実施例では、長い第１ブロックに黒
文字がプリントされ、第２ブロックにフルカラー画像が
プリントされる。

【００４８】このプリントフォーマットでは、カラーイ
ンクリボンの無駄をなくすために、図７に示すカラーイ
ンクリボン６２が用いられる。このカラーインクリボン
６２では、フルカラー用インク領域６３と、長さＬ４の
ブラックインクエリア６４とが交互に形成されている。
フルカラー用インク領域６３は、イエローインクエリア
６５，マゼンタインクエリア６６，シアンインクエリア
６７で構成されており、その長さはいずれもＬ５であ
る。

【００４９】このプリントフォーマットでも、行毎に順
次プリントが行われ、そして各行内ではブロック単位で
プリントが行われる。なお、フルカラー画像と黒文字
は、横向きでプリントされるから、混在画像を９０度反
転した状態で、各画素のカラー画像データをフレームメ
モリ群４０に書き込む。

【００５０】図８は、別のプリントフォーマットを示す
ものである。このプリントフォーマットでは、各行が第
１〜第３ブロックに区画されており、その長さはＬ６，
Ｌ７，Ｌ８である。この第１ブロックと第３ブロックの
長さの和は、第２ブロックの長さと同じであるから、各
インクエリアの長さがＬ７となったカラーインクリボン
が用いられる。

【００５１】第１行の第１ブロックには、長さＬ７のブ
ラックインクエリアが使用され、そのうちの長さＬ６だ
け使用される。そして、残りのブラックインクエリアが
未使用のままで空送りされてから、フルカラー用インク
領域を用いて、第２ブロックにフルカラー画像がプリン
トされる。次に、第２ブロックで使用したフルカラー用
インク領域の後にあるブラックインクエリアを用いて第
３ブロックに黒文字をプリントする。この第３ブロック
では、ブラックインクエリアのうち長さＬ８だけ使用さ
れるので、長さＬ６が残る。

【００５２】第２行目の第１ブロックは黒文字であるか
ら、第１行の第３ブロックの記録後に残っていた長さＬ
６を使用して、第１ブロックに黒文字をプリントする。
第２ブロックは、フルカラー画像であるから、次のフル
カラー用インク領域を使用して、第２ブロックをプリン
トする。以下、同様にして、各行の各ブロックをプリン
トする。

【００５３】このプリントフォーマットは、１行が３ブ
ロックに区画されているから、記録領域はマトリクスに
配置された２４個のブロックから構成される。なお、こ
のプリントフォーマットに使用されるカラーインクリボ
ンは、各行を長さが同じ２つのブロックに区画し、黒文
字とフルカラー画像とを交互に配置したプリントフォー
マットに用いるものと同じである。

【００５４】図９は、画像合成機能を備えた熱転写シリ
アルプリンタを示すものである。この熱転写シリアルプ
リンタ７０は、文字やプリント指示を入力するためのキ
ーボード７１と、エラーや操作手順を表示したり、混在
画像を表示するための液晶モニタ７２と、サーマルプリ
ント部７３とからなる。この熱転写シリアルプリンタ７
０には、フルカラー画像を入力するためのビデオカメラ
７４やスキャナー７５が接続される。ビデオカメラ７４
は、磁気テープに記録されたビデオ画像を再生し、これ
を熱転写シリアルプリンタ７０に入力する。スキャナー
７５は、原画７６上を走査することで、画像データを読
み取る。

【００５５】液晶モニタ７２を観察しながら、キーボー
ド７１を操作してフルカラー画像のレイアウトを行う。
黒文字は、カーソルで位置を指定してから、キーボード
７１の文字キーを操作することで、所望の文字を入力す
ることができる。プリントを指示すれば、前述した実施
例と同様に、サーマルプリント部７３が作動して記録用
紙７７に混在画像をプリントする。

【００５６】図１０は、スキャナー付き熱転写シリアル
プリンタを示すものである。この熱転写シリアルプリン
タ８０では、スキャナー部８１に混在画像の原稿８２を
セットすれば、この混在画像の画像データが読み取ら
れ、得られた４色の画像データがフレームメモリ部に書
き込まれる。プリントを指示すれば、カセット８３から
引き出された記録用紙８４に、前述した手順によって混
在画像がプリントされる。

【００５７】上記実施例は、カラーインクリボンのイン
クを溶融して記録用紙に転写する溶融型であるが、昇華
によってインクを転写する昇華型のカラーインクリボン
カセットに対しても本発明を利用することができる。ま
た、モノクロ用インク領域にはブラックインクが塗布さ
れているが、これは他の色例えばグリーンであってもよ
い。

【００５８】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、各行を複数のブロックに区画し、各ブロック内は
フルカラー画像とモノクロ画像の一方だけを存在させる
とともに、フルカラー画像のブロックではイエロー，マ
ゼンタ，シアンの３種類のインクエリアを使用して３色
順次記録を行い、モノクロ画像のブロックではモノクロ
インクエリアを使用して記録するから、１行の全てを３
色又は４色順次記録する従来の方法に比べて、プリント
速度を速くすることができる。

【００５９】また、各インクエリアの長さをブロックに
対応させているから、空送りされる長さが短くなり、カ
ラーインクリボンの無駄を少なくすることができる。更
に、従来は、規定サイズよりも小さな記録用紙を使用し
た場合には、空送りによってカラーインクリボンの無駄
が大きくなるが、本発明では１行内のブロックの個数が
少ない小サイズの記録用紙を用いた場合でも、カラーイ
ンクリボンの無駄が多くなることはない。

【００６０】本発明では、フルカラー画像と、モノクロ
画像とが交互に並んでいる場合には、空送りが不要であ
るから、カラーインクリボンの無駄が発生しない。

【００６１】また、カラーインクリボンは４色のカラー
インクエリアを持っているが、フルカラー画像に対して
は３色のインクエリアを使用して記録するから、フルカ
ラー画像の後にモノクロ画像がある場合に、次の３色イ
ンクエリアを空送りすることが不要である。したがっ
て、カラーインクリボンを空送りすることなく、３色の
後にあるモノクロインクエリアを使用してモノクロ画像
を記録することができるので、カラーインクリボンの無
駄を少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプリント方法を示すフローチャートで
ある。

【図２】熱転写シリアルプリンタの斜視図である。

【図３】熱転写シリアルプリンタの電気構成を示すブロ
ック図である。

【図４】カラーインクリボンの説明図である。

【図５】プリントフォーマット例を示す説明図である。

【図６】別のプリントフォーマットを示す説明図であ
る。

【図７】図６に示すプリントフォーマットに用いられる
カラーインクリボンの説明図である。

【図８】更に別のプリントフォーマットを示す説明図で
ある。

【図９】画像合成機能を備えた熱転写シリアルプリンタ
を示す斜視図である。

【図１０】スキャナー付き熱転写シリアルプリンタの斜
視図である。

【符号の説明】

１２，６０，８４ 記録用紙 １５ ヘッドキャリッジ １６ カラーインクリボンカセット １７，６２ カラーインクリボン ２２ サーマルヘッド ５０，６３ フルカラー用インク領域 ５１，６５ イエローインクエリア ５２，６６ マゼンタインクエリア ５３，６７ シアンインクエリア ５４，６７ ブラックインクエリア

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個の発熱素子を主走査方向にライン
   状に配列したサーマルヘッドとカラーインクリボンとを
   主走査方向と直交する記録用紙の幅方向である副走査方
   向に移動しながら、主走査方向に移動自在な記録用紙
   に、カラーインクリボンのインクを転写して画像を１行
   ずつプリントする熱転写シリアルプリント方法におい
   て、 前記各行を複数のブロックに区画し、各ブロック内はフ
   ルカラー画像とモノクロ画像の一方だけを存在させるこ
   と、 前記カラーインクリボンには、イエローインクエリア，
   マゼンタインクエリア，シアンインクエリアを所定の順
   番で配置したフルカラー用インク領域と、モノクロイン
   クエリアとを交互に形成すること、 前記各インクエリアの長さをブロックに対応させるこ
   と、 フルカラー画像のブロックでは、フルカラー用インク領
   域を使用し、サーマルヘッドをブロック内で３回往復動
   させること、 モノクロ画像のブロックでは、モノクロインクエリアを
   使用し、サーマルヘッドをブロック内で往動させること
   を特徴とする熱転写シリアルプリント方法。
2. 【請求項２】 前記各ブロックは、その長さが同じであ
   り、またモノクロインクエリアは、モノクロ画像として
   の黒文字のプリントに用いられるブラックインクエリア
   であることを特徴とする請求項１記載の熱転写シリアル
   プリント方法。
3. 【請求項３】 前記フルカラー画像のブロックと、モノ
   クロ画像のブロックとは長さが異なっており、またモノ
   クロインクエリアは、モノクロ画像としての黒文字のプ
   リントに用いられるブラックインクエリアであることを
   特徴とする請求項１記載の熱転写シリアルプリント方
   法。