JP3485551B2 - 電磁振動型ポンプ - Google Patents

電磁振動型ポンプ

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JP3485551B2
JP3485551B2 JP2001228154A JP2001228154A JP3485551B2 JP 3485551 B2 JP3485551 B2 JP 3485551B2 JP 2001228154 A JP2001228154 A JP 2001228154A JP 2001228154 A JP2001228154 A JP 2001228154A JP 3485551 B2 JP3485551 B2 JP 3485551B2
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郁夫 大家
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁振動型ポンプに
関する。さらに詳しくは、主として室内用エアマットや
エアベッドへのエアの吸排、養魚用水槽や家庭浄化槽な
どにおける酸素補給、または公害監視における検査ガス
のサンプリングなどに利用される電磁振動型ポンプに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電磁石と永久磁石との磁気的
相互作用に基づく、該永久磁石を備えた振動子の振動を
利用して流体を吸引、吐出する電磁振動型ポンプとし
て、たとえば図6に示されるようなダイヤフラム式のポ
ンプがある。
【0003】このポンプは、二方に対向して配置されて
いる電磁石151からなる電磁石部と、永久磁石152
を備えた振動子153と、該振動子153の両端に連結
されたダイヤフラム154と、前記電磁石部の両端側に
それぞれ固定されたダイヤフラム台154aおよびポン
プケーシング155と、前記ダイヤフラム154とポン
プケーシング155とのあいだに形成されるポンプ圧縮
室156とから構成されている。そして、前記電磁石1
51は、E型の鉄心157に捲線したコイル部158を
組み込んで完成させたものであり、前記振動子153
は、該鉄心157間に形成される空隙部159に配置さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記電磁石151は、
それぞれ鉄心157にコイル部158を組み込んでいる
ため、電磁石部全体が大きくなり、ポンプを小型化する
のが難しいとともに、ポンプの製作費が高くなりやす
い。また、ポンプ自体の框体が密閉状態ではないので、
騒音が高いという問題がある。
【0005】本発明は、叙上の事情に鑑み、ポンプの小
型化、低騒音化および生産コストの低減を図ることがで
きる電磁振動型ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁振動型ポン
プは、電磁石部と、該電磁石部内に支持され、磁石を備
えた振動子と、前記電磁石部の両側部に固定されるポン
プケーシング部とを有してなる電磁振動型ポンプであっ
て、前記電磁石部が、鉄心の内周凹部に組み込まれる
捲線コイル部からなる電磁石と、捲線コイル部が省略さ
れた補助鉄心と、前記鉄心と補助鉄心を空隙を隔てて
対向させ、外表面に樹脂がモールドされた框体部とから
り、前記電磁石部の内周部に、前記框体部の成形前に
組み込まれた電磁石部の鉄心位置決め具が配置されてな
ることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の電磁振動型ポンプを説明する。
【0008】図1は本発明の電磁振動型ポンプの一実施
の形態を示す斜視図、図2は図1のポンプの分解斜視
図、図3は電磁石の分解斜視図、図4は大径鉄心の分解
斜視図、図5は図1の振動子の平面図である。
【0009】図1〜5に示されるように、本発明の一実
施の形態にかかわる電磁振動型ポンプは、電磁石部1
と、該電磁石部1内の空隙部Sに所定の間隔をおいて配
置される、フェライト磁石または稀土類磁石などの磁石
2を備えた矩形断面の振動子3と、該振動子3の両端に
連結されるダイヤフラム4と、前記電磁石部1の両端部
にそれぞれ固定されるポンプケーシング部5から構成さ
れている。このポンプケーシング部5は、ポンプケーシ
ング6とこのポンプケーシング6の側面側にパッキン7
を挟んで固着される側面蓋部(弁室蓋部)8とからな
る。この側面蓋部8には、ポンプ本体を容易に取付部位
に取り付けられるように、取付け脚9が一体化されてい
る。なお、10は段付きクッションであり、ポンプ部の
振動を吸収する。前記ポンプケーシング6は、さらに吸
引室11、吐出室12および圧縮室13からなるポンプ
部を有しており、吸引室11は、前記圧縮室12と連通
するために、吸入口14と吸入弁15を、吐出室12は
吐出口16と吐出弁17をそれぞれ備えている。
【0010】前記電磁石部1は、2極1コイルタイプで
あって、大径鉄心(主鉄心)18の内周凹部に組み込ま
れる捲線コイル部19からなる電磁石20と、捲線コイ
ル部が省略された小径鉄心(補助鉄心)21と、前記大
径鉄心18および小径鉄心21の内周部に配置される鉄
心保持具(中子)22と、外表面に樹脂がモールドされ
た框体部23とから構成されている。なお、図2におい
ては、前記電磁石20、小径鉄心21および鉄心保持具
22をわかりやすくするために、框体部23から取り出
して示している。
【0011】前記鉄心保持具22は、大径鉄心18およ
び小径鉄心21の位置決めを確実にするとともに、モー
ルド時に大径鉄心18および小径鉄心21を適切に保持
している。前記大径鉄心18および小径鉄心21は、位
置決めと取り付けを容易にするために、鉄心保持具22
に結合されているのが好ましい。これにより、外表面に
樹脂をモールドするときに、モールド時の型への挿入が
容易で、かつ高いモールド時の樹脂圧力に耐えるように
することができる。
【0012】また、電磁石部1は外表面に框体部23が
一体成形されているため、電磁石部1を構成する鉄心1
8、21、捲線コイル部19および鉄心保持具22が強
固に結合され、ガタつきがなくなり、剛性が高められる
とともに、この剛性の向上により、振動が抑制され、ポ
ンプ部から発生する騒音を低減させることができる。ま
た、框体部23の左右側面部には、框体部23を成形す
る際にダイヤフラム4を取り付けるためのダイヤフラム
取付部24を同時に一体化成形しているので、ダイヤフ
ラム台の部品が2個減るとともに、組立工数を二工程減
らせることができ、これにより、製造原価を低減させる
ことができる。なお、本実施の形態では、前記鉄心保持
具22により大径鉄心18および小径鉄心21が保持さ
れているが、金型の持具で保持できる場合はこの鉄心保
持具を省くこともできる。
【0013】前記框体部23には、図2に示されるよう
に、小径鉄心21の背部に吸気口用のタンク部25と排
気口用のタンク部26が、框体部23を成形する際に同
時に形成されている。また、このタンク部25、26
は、1つの凹部を振動方向と並行に隔壁27により区画
されており、サイレンサー機能を有する。また、タンク
部25、26には、吸入部28および排出部29を有す
る蓋30がパッキン31を介して固着されている。ま
た、前記タンク部25、26にフェルトまたはポリエス
テル繊維などからなるフィルターを配置することによ
り、空気がフィルター内を通過するときに塵などの不純
物が取り除かれるため、清浄な空気を排出することがで
きる。前記框体部23の材料としては、成形材料である
耐熱性で低収縮率のBMC(バルクモールドコンパウン
ド)を用いるのが望ましく、たとえば不飽和ポリエステ
ル系のBMCなどを用いることができる。
【0014】前記大径鉄心18および小径鉄心21は、
図5に示されるように、断面がE型を呈しており、外方
ヨーク部18a、21aと、該外方ヨーク部18a、2
1aの両端部位に配置されるサイドポール部18b、2
1bと、該サイドポール部18b、21bのあいだに配
置されるセンターポール部(主極)18c、21cとか
ら構成されている。大径鉄心18のセンターポール部1
8cは、捲線コイル部19が組み込みやすいように外方
ヨーク部18aとは別体で作製されている。また、内周
極部には、互いに向き合う方向にL字状に屈曲された磁
極部が形成されている。なお、19aはコイルエンド
(絶縁材)、19bは鉄心絶縁カラー、19cは端子板
である。
【0015】なお、本実施の形態では、大径鉄心18お
よび小径鉄心21が予め珪素鋼鈑製のステータコアを複
数枚積層して作製されているが、本発明においては、こ
れに限定されることはなく、積層したブロックを所定の
形状にワイヤーカットで作製することもできる。
【0016】前記鉄心保持具22は、前記矩形断面の磁
石(2極)の振動子3が挿通するための矩形の角孔部3
2を有し、対向する外周壁部に極部開口に嵌る4個のブ
リッジ部33と2個の支持部34が形成されている。な
お、鉄心保持具22の材料としては、モールド時の15
0度位の熱に耐えられる耐熱性樹脂またはアルミニウム
などの非磁性体金属などを用いることができる。本実施
の形態では、鉄心保持具22の内部空洞部の断面は、振
動子の断面と同じ矩形にされているが、磁石の性能、た
とえばフェライト磁石のように起磁力の小さい磁石を採
用する場合は磁石厚が過大にならないように、幅寸法を
大にして磁束量を増大させる。なお、内部空洞部の断面
が扁平になりすぎると、振動子の強度低下やダイヤフラ
ムとの結合に支障を生ずるので、3mm以上の適度の厚
さが必要である。
【0017】前記振動子3は、両端部に植え込まれたね
じ35を有する断面が矩形の非磁性部材36と、該非磁
性部材36に埋め込まれた矩形の磁石2とからなる。前
記ダイヤフラム4は前記ねじ5にナット38により固定
されている。なお、37aはモールド時に磁石2を支え
る穴であり、37bは軽量化のための開口である。
【0018】なお、本実施の形態におけるポンプケーシ
ング6は、図2に示されるように、吸引室11と吐出室
12とが、ほぼX字状の隔壁41により上下方向および
左右方向に分割され、吸引室11に隣接して吸音用の共
鳴形サイレンサーを形成する空洞部42が形成されてい
る。そして、少なくとも前記タンク部25から吸引室1
1および該吸引室11から空洞部42に通じる隔壁41
ならびにタンク部26から吐出室12に通じる隔壁41
には、それぞれ貫通溝43が形成されている。本実施の
形態では、タンク部25に吸入された空気の吸入音に対
し、空洞部42が共鳴形消音部として作用するので、吸
入音が吸音される。前記貫通溝43の形状としては、空
洞部42と連通する形状であれば、とくに限定されるも
のではなく、たとえば切り欠いた溝または孔とすること
ができる。また隔壁41の貫通溝43の数についても、
とくに限定されるものではなく、適宜選定することがで
きる。
【0019】また、吸気側のタンク部25と排出側のタ
ンク部26の左右にそれぞれポンプケーシング6が取り
付けられているが、弁15、17が取り付けられる部位
の吸入口14、吐出口16のバルブ孔を表裏同形状とし
ておくことにより、左右の弁15、17の入替えを行な
えば、ポンプケーシング6を共用化できる。すなわち、
右側ポンプケーシングを基準として、弁座の方向が決ま
ったとき、左側ポンプケーシングは弁の方向を右側と反
対にすればよいので、弁の形を共用できる形にしておく
ことでポンプケーシングを共用化することができる。こ
の場合、共鳴サイレンサー用の貫通溝(切欠き)の形成
位置は変更になるので、貫通溝は金型では形成せず後加
工する。
【0020】本実施の形態では、図1〜2に示されるよ
うに吸入部28および排出部29がポンプ本体の一方に
設けられているので、外観がよくなるとともに、配管が
簡単であるので、ポンプの応用に際して、大きな設計の
自由度を得ることができる。また、樹脂成形により漏電
を防止することができる。さらに可燃性ガスの昇圧に際
しては、ポンプ全体が完全に密閉された構造であるた
め、ガス漏れによる発火などの危険性もない。
【0021】なお、これまでの実施の形態では、振動子
の両端に円盤型ダイヤフラムが連結された電磁振動式ダ
イヤフラムポンプについて説明したが、本発明において
は、これに限定されるものではなく、円盤型ダイヤフラ
ムの外側に前記振動子の振動に連動して、圧力を発生
し、ポンプ作用を行なうコルゲーション付きダイヤフラ
ムが連結されている電磁振動式ダイヤフラムポンプ、振
動子の両端部に設けられるピストンとポンプケーシング
に形成されるシリンダー部からなるピストン式電磁振動
型ポンプ、またはこのピストン式電磁振動型ポンプの振
動子の両端部がコルゲーション付き十字形バネで支持さ
れているピストン式電磁振動型ポンプなどに適用するこ
ともできる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
電磁石部を小型化にできるとともに、低コストのポンプ
を得ることができる。また、框体部およびタンク部によ
り、低騒音のポンプとなるとともに、該框体部により安
全性(感電防止および発火防止)の高いポンプとするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁振動型ポンプの一実施の形態を示
す斜視図である。
【図2】図1のポンプの分解斜視図である。
【図3】図1の電磁石の分解斜視図である。
【図4】大径鉄心の分解斜視図である。
【図5】図1の振動子の側面図である。
【図6】従来の電磁振動式ダイヤフラムポンプの一例を
示す縦断面図である。
【符号の説明】 1 電磁石部 2 磁石 3 振動子 4 ダイヤフラム 5 ポンプケーシング部 6 ポンプケーシング 7 パッキング 8 側面蓋部 9 取付け脚 10 段付きクッション 18 大径鉄心 19 捲線コイル部 20 電磁石 21 小径鉄心 22 鉄心保持具 23 框体部 24 ダイヤフラム取付部 25 吸気口用のタンク部 26 排気口用のタンク部 27 隔壁 28 吸入部 29 排出部 30 蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−185473(JP,A) 特開2001−132647(JP,A) 実開 昭57−109287(JP,U) 実開 昭64−51782(JP,U) 実開 昭54−117513(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 45/047 B06B 1/04 F04B 45/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁石部と、該電磁石部内に支持され、
    磁石を備えた振動子と、前記電磁石部の両側部に固定さ
    れるポンプケーシング部とを有してなる電磁振動型ポン
    プであって、前記電磁石部が、鉄心の内周凹部に組み
    込まれる捲線コイル部からなる電磁石と、捲線コイル部
    が省略された、補助鉄心と、前記鉄心と補助鉄心を空
    隙を隔てて対向させ、外表面に樹脂がモールドされた框
    体部とからなり、前記電磁石部の内周部に、前記框体部
    の成形前に組み込まれた電磁石部の鉄心位置決め具が配
    置されてなる電磁振動型ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記框体部に、ダイヤフラムを取り付け
    るための取付部が一体成形されてなる請求項1記載の電
    磁振動型ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記補助鉄心の背部に吸気口用のタンク
    部と排気口用のタンク部とが設けられてなる請求項1ま
    たは記載の電磁振動型ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ポンプケーシング内の吸引室と吐出
    室とが隔壁により上下方向の部位に形成されるととも
    に、前記隔壁により吸引室に隣接して空洞部が形成され
    ており、前記吸引室、空洞部および吐出室を区画する隔
    壁に貫通溝が形成されてなる請求項1、2または記載
    の電磁振動型ポンプ。
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