JPH0421077B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はダイヤフラム型エアーポンプに関す
る。さらに詳しくは、電磁石の起磁力、および主
極と永久磁石との作用力を減少させることなく使
用コイル量を節約することができ、もつてポンプ
の軽量化、コンパクト化を図ることのできるダイ
ヤフラム型エアーポンプに関する。

〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕

従来より、ダイヤフラム型エアーポンプは、主
として養魚水槽や、家庭用浄化槽などにおける酸
素補給、あるいは公害監視における検査ガスのサ
ンプリングなどに利用されている。

かかるダイヤフラム型エアーポンプにおける電
磁石としては、従来より、第４図に示されるよう
なＥ型積層鉄板からなるコア３０にコイル（図示
せず）を捲回したものが用いられてる。第４図に
おいて、３１は主極、３２は側極である。

このような構造を有する電磁石において、磁束
を増やしてポンプ出力をアツプさせるべくコイル
の太さ、巻数を増やそうとしても、巻線窓寸法
（第４図のａ×ｂ参照）は設定されており、かか
る巻数の増加にかわつてもつぱら鉄芯の積厚を大
きくし総磁束を増加して対応せざるをえなかつ
た。しかしながら、積厚を増やすと巻芯の断面積
が大きくなるので、勢い巻線使用量が多くなり、
その重量が増加し、したがつてポンプの重量が大
きくなるとともにポンプが大型化するという不都
合があつた。

一方、同一の起磁力をうるには巻芯を細くする
ことが巻線量を少なくするうえで有効な方法であ
り、本発明にかかわるダイヤフラム型エアーポン
プにおける電磁石はかかる考えのもとに従来の電
磁石のような低磁束密度の磁路（第４図参照）を
高磁束密度の磁路にするものであり、非常にやせ
た鉄芯（第３図参照）で充分である。

しかしながら、主極の断面積を小さくして巻芯
を小さくすると、永久磁石と作用する部位が小さ
くなつてしまい、主極と永久磁石とのあいだに作
用する引力または斥力が弱いものとなるだけでな
く、側極との対応磁路面が小さくなり、パーミア
ンス係数が小さくなり、したがつて間〓空間磁束
が減少してしまうという問題がある。

本発明は、叙上の事情に鑑み、巻芯を小さくす
ることで使用コイル量を節約することができ、し
かも電磁石と永久磁石との磁気的相互作用が低下
するのを防止できるダイヤフラム型エアーポンプ
を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のダイヤフラム型エアーポンプは電磁石
と永久磁石との磁気的相互作用にもとづく、前記
永久磁石を備えたロツドの電磁振動によつて、前
記ロツドに連結されたダイヤフラムを駆動するエ
アーポンプであつて、前記電磁石は主極と側極と
からなり、前記主極の高さを側極の高さよりも小
さくするとともに前記主極の永久磁石側先端部分
に補助磁路を設け、電磁石の主極磁路面と側極と
の対応磁路面を大きくしてパーミアンス係数を大
きくし、その空〓磁束を多くし、かつ、主極と永
久磁石との作用部分を広くかつ強力になることを
特徴としている。

〔作用〕

本発明のダイヤフラム型エアーポンプにあつて
は、コイルの巻芯が小さいため、同一起磁力をう
るのに巻線使用量を減少させることができ、それ
によりポンプの軽量化、小型化が図れるはもちろ
んのこと、主極に補助磁路を設け、永久磁石との
作用部分を大きくしているので、該補助磁路を含
めた主極と永久磁石との引力または斥力を大きく
するとともに、側極との対応磁路面も大きくな
り、パーミアンス係数が大きくなり、したがつて
間〓空間磁束を増加させ、相互電磁力を増大させ
ることができる。

〔実施例〕

つぎに図面にもとづき本発明のダイヤフラム型
エアーポンプを説明する。

第１図は本発明のダイヤフラム型エアーポンプ
の一実施例の一部に平面図を含む断面図、第２ａ
図および第２ｂ図はそれぞれ本発明のダイヤフラ
ム型エアーポンプにおける電磁石コアの実例の概
略斜視図である。

第１図、第２ａ図および第２ｂ図において１は
横断面が略Ｅ字状の電磁コイルのコアであり、該
コア１は横断面がコ字状の側極２と、該側極２の
中央に設けられた主極３と、該主極３の先端部で
あつて、その上面および下面に設けられてなる補
助磁路４０からからなつている。前記主極３の高
さhmは、第２ａ図に示されるように、側極２の
高さhsよりも小さくなるよう構成されている。主
極３および／または側極２および／または補助磁
路４０としては、第２ａ図に示されるように厚さ
0.5〜５mmの鉄板を屈曲したものや、図示されて
いないが、0.2〜0.5mmの鉄板を２〜20層積層せし
めた積層鉄板を湾曲成形したものや、積層鉄板を
屈曲成形したものや、鉄板を湾曲成形したもので
あつてもよい。さらには、圧粉鉄心などの磁性粉
末を集結成形したものであつてもよい。ここに
「湾曲」とはアールをつけて曲げることをいい、
「屈曲」とは実質的にアールがなく、折り曲げる
ように曲げることをいう。主極３は、ねじ４によ
つて側極２に固定されているが、たとえば接着な
ど他の固定方法を用いるようにしてもよい。

補助磁路４０は、使用コイル量を節約するため
に主極３の高さhmを側極２の高さhsよりも小さ
くしたことにともない、該主極３の永久磁石との
作用部分が小さくなり、主極３と永久磁石との磁
気的相互作用が弱くなるのを防止するとともに側
極との対応磁路面を大きくして、パーミアンス係
数を大きくし空〓磁束を多くする部分である。補
助磁路４０は、第２ａ図に示される実施例のよう
に、矩形断面の主極の上面および下面にＬ字状の
板部材を取り付け、該Ｌ字状部材の短辺に補助磁
路４０としての機能をもたせるようにしてもよい
し、第２ｂ図に示される実施例のように、主極の
前面に板部材を取り付け、該板部材の主極の断面
長を超える部分に補助磁路としての機能をもたせ
るようにしてもよい。また、第３図に示されるよ
うに、従来のＥ型コアを本発明の思想により改造
して、コアを全体的にやせさせるとともに断面積
を小さくした主極の全面に補助磁路４０を取り付
けるようにしてもよい。第３図のばあい、巻線窓
寸法a′×b′は従来のＥ型コアよりも大きくなる。
補助磁路４０は主極３と一体成形するようにして
もよいし、主極３とは別体に成形し、主極に取り
付けるようにしてもよい。

本発明のダイヤフラム型エアーポンプは、かか
る補助磁路を、側極２に比べその高さを小さくし
た主極に設けてなることを特徴としており、補助
磁路によつて主極の永久磁石と作用する部位を広
くかつ長くするとともに側極との対応磁路面を大
きくすることができ、電磁石と永久磁石との磁気
的相互作用を強めることができ、コイル節約のた
めに主極の高さを側極の高さよりも小さくするこ
とに付随する不都合を解消することができるので
ある。この意味において、補助磁路の高さは、主
極に設けられた状態において、側極および永久磁
石と略同一の高さとするのが好ましい。また、補
助磁路の幅は、主極の幅を超えてもよい。

コア１内には、主極３に接する形で６，６ナイ
ロンなどからなるコイル枠５が設けられており、
該コイル枠５に銅線が捲回されてコイル６を構成
している。コア１、コイル枠５およびコイル６に
よつて電磁コイルＡが構成されている。

一対の電磁コイルＡの中間には、２個の永久磁
石７ａ，７ｂを備えたロツド８が設けられてい
る。

ロツド８の両端部は、センタープレート９を介
してEPDMなどからなるダイヤフラム１０に連
結されている。センタープレート９は、ダイヤフ
ラム１０の両面に設けられており、該ダイヤフラ
ム１０を押し引きして左右（第１図において）に
変位させる要素である。センタープレート９とダ
イヤフラム１０とは、ナツト１１と取り付け座１
２とのあいだに介装されており、ナツト１２によ
り締付けられることによりロツド８の先端部に固
定されている。

ダイヤフラム１０の外周端部１３は、側極２に
ボルトで固定されたPBTなどからなるダイヤフ
ラム台１４とケーシング１５とにより嵌装されて
いる。ダイヤフラム１０とケーシング１５の凹部
１６とにより作動室が形成されている。

ケーシング１５には、前記凹部１６以外に、吸
引室１７および吐出室１８が形成されており、吸
引室１７と作動室との隔壁には連通孔１７ａが形
成されており、また吐出室１８と作動室との隔壁
には連通孔１８ａが形成されている。連通孔１７
ａ部および連通孔１８ａ部には、それぞれ吸引弁
１７ｂおよび吐出弁１８ｂが設けられている。な
お１８ｃはチユーブ（図示せず）などが接続され
る吐出口である。

ケーシング１５はPBTなどで作製されており、
第１図に示される実施例においては、ダイヤフラ
ム台１４とともにボルトによつて側極に固定され
ている。なお、第１図においては右側のダイヤフ
ラム台およびケーシングが平面図として描かれて
おり、その内部の構造は示されていないが、前述
した左方の構成とまつたく対称的に同じものとな
つている。

つぎに本実施例のダイヤフラム型エアーポンプ
の動作について簡単に説明する。

電磁コイルＡに交流電流を流すと交流電流の変
化に同期して電磁コイルＡの両端にＮ極およびＳ
極の磁極が交互に生じ、したがつて磁性体である
主極および側極も交流電流の変化に同期して磁化
され、それらの先端にはそれぞれ異なる極性の磁
極が交互にあらわれる。

交流電流のある半波間において、主極および補
助磁路の先端がＮ極に磁化されているばあい、側
極の先端はＳ極に磁化される。このばあいに、永
久磁石７ａと側極の先端２０ａとのあいだ、およ
び永久磁石７ｂと主極および補助磁路の先端２１
ｂとのあいだには引力が作用する。。一方、永久
磁石７ｂと側極の先端２０ｂとのあいだ、および
永久磁石７ａと主極および補助磁路の先端２１ａ
とのあいだには斥力が作用する。これによつて、
ロツド８は第１図において左方へ移動する。つぎ
に、交流電流が前記半波間のつぎの半波間になつ
たばあいは前記斥力が引力に、また引力が斥力へ
と変化し、ロツドは右方へ移動する。

このようにしてロツド８が交流の周期と同期し
て左右方向に往復運動を行ない、これに連動して
ダイヤフラム１０が左右に振動する。そして、ロ
ツド８が右方へ移動したときに吐出弁１１８ｂが
閉じたままで吸引弁１７ｂが開いて、吸入口１９
ａ、通気口１９ｂを通つて吸引室１７内に吸引さ
れた流体は、連通孔１７ａを通つて作動室内に流
入する。そして、つぎにロツド８が左方へ移動し
たときに吸引弁１７ｂが閉じるとともに吐出弁１
８ｂが開き、作動室内の流体が連通孔１８ａを通
つて吐出室１８を経て吐出口１８ｃより吐出され
る。このようにして、本実施例のダイヤフラム型
エアーポンプが駆動する。

〔発明の効果〕

以上詳述せるごとく、本発明のダイヤフラム型
エアーポンプにあつては、主極の高さを側極の高
さよりも小さくして巻芯を小さくしているので、
同一起磁力をうるのに使用コイル量を減らすこと
ができ、ポンプの軽量化、小型化を図ることがで
きるのはもちろんのこと、側極よりもその高さを
小さくした主極に補助磁路を設けているので、側
極との対応磁路面が大きくなつてパーミアンス係
数が大きくなり、間〓空間磁束が増加する。ま
た、永久磁石との作用部分も広くかつ長くなり、
前記間〓空間磁束の増加とも相まつて、電磁石と
永久磁石との磁気的相互作用を強力ならしめ、小
型、軽量にもかかわらず大容量のエアーポンプを
うることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図本発明のダイヤフラム型エアーポンプの
一実施例の一部平面図を含む断面図、第２ａ図お
よび第２ｂ図はそれぞれ本発明のダイヤフラム型
エアーポンプにおける電磁石コアの実例の概略斜
視図、第３図は第４図に示される従来のＥ型コア
を本発明の思想により改造したコアの概略斜視
図、第４図は従来のＥ型コアの概略斜視図であ
る。 （図面の主要符号） Ａ：電磁コイル、１：コ
ア、２：側極、３：主極、７ａ，７ｂ：永久磁
石、８：ロツド、１０：ダイヤフラム、４０：補
助磁路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電磁石と永久磁石との磁気的相互作用にもと
   づく、前記永久磁石を備えたロツドの電磁振動に
   よつて、前記ロツドに連結されたダイヤフラムを
   駆動するエアーポンプであつて、前記電磁石は主
   極と側極とからなり、前記主極の高さを側極の高
   さよりも小さくするとともに前記主極の永久磁石
   側先端部分に補助磁路を設け、電磁石の主極磁路
   面と側極との対応磁路面を大きくしてパーミアン
   ス係数を大きくし、かつ、主極と永久磁石との作
   用部分を広くかつ強力にしてなることを特徴とす
   るダイヤフラム型エアーポンプ。 ２ 電磁石の主極および／または側極および／ま
   たは補助磁路が、積層鉄板または鉄板を湾曲成形
   したものからなる特許請求の範囲第１項記載のダ
   イヤフラム型エアーポンプ。 ３ 電磁石の主極および／または側極および／ま
   たは補助磁路が、積層鉄板または鉄板を屈曲成形
   したものからなる特許請求の範囲第１項記載のダ
   イヤフラム型エアーポンプ。 ４ 電磁石の主極および／または側極および／ま
   たは補助磁路が、磁性粉末を集結成形したものか
   らなる特許請求の範囲第１項記載のダイヤフラム
   型エアーポンプ。 ５ 磁性粉末が圧粉鉄心である特許請求の範囲第
   ４項記載のダイヤフラム型エアーポンプ。 ６ 電磁石の補助磁路が、積層鉄板または鉄板を
   別途成形したものであつて、主極に取り付けられ
   てなる特許請求の範囲第１項記載のダイヤフラム
   型エアーポンプ。 ７ 電磁石の補助磁路が、磁性粉末を別途集結成
   形したものであつて、主極に取り付けられてなる
   特許請求の範囲第１項記載のダイヤフラム型エア
   ーポンプ。