JP3081248B2 - 歯周ポケット清浄器具 - Google Patents

歯周ポケット清浄器具

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JP3081248B2
JP3081248B2 JP08511617A JP51161796A JP3081248B2 JP 3081248 B2 JP3081248 B2 JP 3081248B2 JP 08511617 A JP08511617 A JP 08511617A JP 51161796 A JP51161796 A JP 51161796A JP 3081248 B2 JP3081248 B2 JP 3081248B2
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耕一 岡野
継男 松井
倫久 杉本
正治 喜多
敬 森田
智子 浅井
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耕一 岡野
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C17/00Devices for cleaning, polishing, rinsing or drying teeth, teeth cavities or prostheses; Saliva removers; Dental appliances for receiving spittle
    • A61C17/02Rinsing or air-blowing devices, e.g. using fluid jets or comprising liquid medication
    • A61C17/024Rinsing or air-blowing devices, e.g. using fluid jets or comprising liquid medication with constant liquid flow

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、歯周ポケット内で繁殖する歯周病原菌の殺
菌を安全且つ手軽に行うことができ、歯科医院はもとよ
り一般家庭でも歯周ポケットの改善治療が行える歯周ポ
ケット清浄器具に関する。
背景技術 歯と歯茎の間に存在する歯周ポケット内で歯周病原菌
が繁殖すると、歯肉炎の原因となるプラークが蓄積され
ることが知られている。歯周ポケットは図35に示すよう
に歯茎表層400よりやや深い位置に存在している。歯茎
表層400は歯面401と密着して閉じているため、通常の歯
ブラシでは歯周ポケット402の内部を刷掃することはで
きず歯周病原菌の繁殖やプラークの蓄積を抑制すること
は困難である。
歯周ポケット内の病原菌の繁殖やプラークの蓄積を抑
制する方法としては、次の3つの方法が良く知られてい
る。
針状器具を歯周ポケットに強制挿入して殺菌剤や消炎
剤等の薬液を注入したり、あるいは洗浄したりする方
法。
先端にゴムを取りつけた液剤注入ノズルを使用し、ゴ
ム先を歯周ポケットに挿入して薬液を注入することによ
り歯周ポケット内を洗う方法。
加圧したジェット水流を噴出する装置を用い、ジェッ
ト水流によりプラークを洗い流す方法。
は確実な方法であるが、このような処置は歯肉損傷
の危険性があることから歯科医でなければ行い得ず、一
般人が家庭内で、しかも自分で行える方法ではない。ま
たは家庭内で自分で処置できるものの、ゴム先を歯周
ポケット内に正確に挿入することは難しく、薬液が周囲
に飛び散る問題もあり、充分な量の薬液が注入できない
うえに周囲を汚損するおそれもあり、完全なものとはい
えない。は家庭内において自分で処置できるものの、
前述したように歯茎表面は歯面に接触して歯周ポケット
は閉じられた状態にあるため、水圧を高めたとしても歯
周ポケット内に水流を流し込むことは難しくプラークの
除去効果はあまり高くない。
これらの問題をある程度解決するものとしては、実公
平4−4733号として提案された技術が存在する。ここに
は先端に噴射ノズルを有する噴射ノズルハンドピース
と、前記噴射ノズルハンドピースに圧縮空気を供給する
エアーポンプ及び大量の水を蓄えた水タンクを一体的に
収納した据え置き型の本体装置と、当該本体装置から前
記噴射ノズルハンドピースに対して圧縮空気と水を供給
するための同軸状の二重チューブとを備えた装置構成が
示され、且つノズル先端から噴き出す圧縮空気の噴射圧
力を1〜2Kg/cm2、圧縮空気の噴き出し量を6〜9リッ
トル/分に設定し、水の噴き出し量を10〜30cc/分の範
囲に設定した歯周ポケット洗浄装置が提案されている。
そして、この装置では噴射ノズル先端から水と同時に圧
縮空気を噴出させることにより、多量の水分を含む霧状
ジェットを発生させ、この霧状ジェットの風圧によって
歯周ポケットの入口を開かせると同時に霧状ジェットに
含まれる大量の水を歯周ポケット内に力強く流し込むこ
とにより、歯周ポケット内のプラーク、食物残滓及び雑
菌を流し去り、且つ霧状ジェットの噴射圧力により歯茎
のマッサージも行えることが記載されている。
この技術は、大量の水をノズル先端で圧縮空気と混合
させて霧状ジェットを作り出し、霧状ジェットが歯茎表
層400に与える圧力によって歯周ポケットの入口を開か
せるものであることから、従来のジェット水流によるも
のに比べて歯周ポケットを開かせやすく、ジェット水流
のみによるものに比べてプラーク除去効果及び歯周ポケ
ット内洗浄効果において優れているものの、医師が行う
薬剤投与や各種器具を用いた物理的除去に比べると病原
菌の殺菌という観点からはやや効果が低いという問題が
ある。またその他にも解決すべき問題点を抱えている。
先ず第1にこの技術では歯周病原菌を含むプラークや
食物残滓を、大量の水分を含む霧状ジェットで洗い流す
ことに主眼がおかれているために、大量の水と高圧の圧
縮空気が必要となり、このため据え置き型の本体装置に
設ける水溜めタンクの大容積化は避けられない。また本
体装置内に設けられた大量の水を、同軸状の二重チュー
ブを通じて本体装置からかなり離れた噴射ノズルハンド
ピースにまで送出するためには、噴射ノズル先端付近に
まで水を吸い上げるために噴射ノズル先端付近の空気を
負圧にすることが要求され、このためには送出圧力の大
きなエアーポンプが必要となって装置コストが高くつ
き、装置の小型化、低価格化が困難となるという問題が
あった。
また、この方法で洗浄効果を高めるには、水の供給量
を増やすと同時に圧縮空気の圧力を高めるしか方法がな
く、このような方法に頼った場合、水流の過剰な圧力に
よってデリケートな歯周ポケット内壁に損傷を与えるお
それもある。
更にこの技術では大量の水を口腔内に供給するもので
あるから、洗浄を終えるまでに頻繁に口内に溜まった水
を吐き出す必要があるとともに、口内に溜まった水が口
外に滴り落ちやすいため、装置の使用場所が洗面所等に
限定され、例えばベッドサイドで使用することができな
い等、使用場所が自由に選択できないという問題があっ
た。
また本体装置に蓄えられた水を長尺なチューブを通じ
て噴射ノズルハンドピースにまで導いているため、ハン
ドピースの本体装置に対する高さ関係が変わるとハンド
ピースからの霧状ジェットの噴出量が変化し、霧状ジェ
ットを安定的に噴出できないという問題点もある。
本発明はこのような現況に鑑みてなされたものであ
り、歯周病予防に極めて優れた効果を有し、歯周ポケッ
トを傷めるおそれもなく、また使用場所も限定されるこ
となく何処ででも使用でき、ハンドピースの高さ位置に
影響されることなく安定した霧状ジェットを得ることが
でき、しかも装置コストも安価な歯周ポケット清浄器具
を提供せんとするものである。
発明の開示 本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を重ね
た結果、次の着想を得た。歯周病の予防の方法として
は、前記公報のようにプラークやプラークの原因となる
病原菌を洗い流すことに重点をおいた方法とは別に、病
原菌の殺菌に重点をおいた方法もあり得るのではないか
と考えた。歯周病原菌は嫌気性菌であるから、歯周ポケ
ット内により多くの空気を供給でき、且つ空気供給に伴
う口腔内乾燥を防止できる構造の装置が提供できれば、
前記着想は実現可能であるとの確信を得た。
この新たな着想に基づく歯周ポケット清浄器具は、そ
の概念が前記公報記載の装置と相違することから、圧縮
空気の噴き出し量、圧縮空気の噴射圧力及び水分の噴き
出し量の適正範囲を新たに見出す必要がある。
本発明者は各種実験によって、圧縮空気の噴き出し
量、圧縮空気の噴射圧力及び水分の噴き出し量の適正範
囲について検討を行った結果、本発明によって提案され
る歯周ポケット清浄器具に必要となる圧縮空気の噴き出
し量は前記公報記載の圧縮空気の噴き出し量よりも遙か
に多く、他方、水の噴き出し量は遙かに少なくする必要
があるとの結論にいたった。また、圧縮空気の噴出圧力
は、歯肉に対する為害性という観点からは低いほど良
く、前記公報記載の圧縮空気の圧力は強すぎることも確
認された。
このような認識に基づいて完成された本発明の歯周ポ
ケット清浄器具は以下の構成を有している。
本発明の歯周ポケット清浄器具は、エアージェット噴
出機構を備えたハンディプローブと、圧縮空気を作り出
すエアーポンプと、前記エアーポンプから前記ハンディ
プローブに圧縮空気を送給するための送気チューブとか
ら構成されている。
またハンディプローブは次の構成を有している。
ハンディプローブは、 先端に噴出口を備えた噴射ノズルと、 水又は薬液を含む液剤を貯留する貯液タンクと、 前記貯液タンク内の液剤を前記噴射ノズルを経由して
噴出口の略中心位置にまで案内する液剤案内路と、 外部供給される圧縮空気を、前記噴射ノズルを経由し
て噴出口における前記液剤案内路を包囲する位置に案内
する圧縮空気案内路と、 を備えている。
そして前記ハンディプローブのノズルから噴出する圧
縮空気の圧力は0.05〜0.80Kg/cm2、圧縮空気の噴き出し
量は2〜30リットル/分、液剤の噴き出し量は1〜10cc
/分の範囲に設定している。
尚、ここでハンディプローブのノズルから噴出する圧
縮空気の圧力とは送気チューブ内部の圧力によって表現
しており、上記0.05〜0.80Kg/cm2の値も送気チューブ途
中部で測定した値である。
液剤案内路は、貯液タンク内から噴射ノズルの導入部
にまで液剤を導く液剤供給管と、噴射ノズルの内部空間
をノズル外筒に対して同軸状に貫通して噴出口の略中心
位置にまで液剤を案内するノズル内液導管とより構成す
る。
圧縮空気案内路は、外部供給される圧縮空気を噴射ノ
ズルに導くノズル外送気路と、噴射ノズルに導入された
圧縮空気をノズル内液導管の周囲を同軸状に包囲するよ
うにして噴出口にまで導くノズル内送気路とより構成す
ることができる。
圧縮空気案内路を分岐させ、分岐させた圧縮空気案内
路の一方を噴射ノズルに導き、他方を貯液タンク内部空
間に導いて液剤の液面を加圧することがより好ましい。
ハンディプローブはハンディプローブ本体としての胴
体部から噴射ノズルを連設した構成である。貯液タンク
はこのハンディプローブの胴体部に一体化されている場
合と、ハンディプローブ胴体部とは別体構成され、ハン
ディプローブ胴体部と貯液タンクとが連結チューブによ
って接続されている場合とがある。
噴射口には液剤案内路の終端と圧縮空気案内路の終端
が臨んでおり、噴射口面積から液剤案内路の終端部の面
積を除いたものが圧縮空気案内路の終端面積、即ちエア
ー噴出部の実質面積となる。このエアー噴出部の面積に
は最適範囲が存在する。エアー噴出部の実質面積は0.5m
m2〜20mm2の範囲となすことが望まれ、また噴射口より
噴射ノズルの軸線方向に沿って5mm離れた地点での風圧
は1〜10g/π・(5mm)の範囲に設定することが好ま
しい。
また液剤案内路の少なくともハンディプローブの噴射
口に位置づけられる部分や柔軟性を有するチューブによ
って構成してもよい。そして噴射口の開口中心位置に位
置づけられる柔軟性チューブの先端位置は、ノズル外筒
の開口端位置に対して、ノズルの軸線方向において±2m
mの範囲となすことが好ましい。
またエアーポンプとしては、ダイヤフラム式コンプレ
ッサが採用でき、且つそのダイヤフラムの駆動源として
は電磁石と永久磁石の反発吸引作用を利用した往復振動
体を採用することが好ましい。
霧状ジェットの噴出量の調整手段としては種々のもの
が考えられ、例えば、ハンディプローブの圧縮空気案内
路又は、エアーポンプからハンディプローブに圧縮空気
を供給するための送気チューブの途中部に圧縮空気の流
通量を規制する手段を設けることで実現することもでき
る。
また別の方法としてハンディプローブの圧縮空気案内
路又は、エアーポンプからハンディプローブに圧縮空気
を供給するための送気チューブの途中部に圧縮空気の一
部を圧縮空気案内路外部又は送気チューブ外部に排気す
る手段を設けることで実現することもできる。
また、ノズル部をハンディプローブ本体に対して分離
可能となしたり、ノズル内液導管をハンディプローブ本
体に対して分離可能となすこともできる。噴射ノズルと
ノズル内液導管とは予め一体的に固定しておいてもよ
い。
このような構成の歯周ポケット清浄器具の使用方法
は、先ず水又は薬液を含む液剤をハンディプローブの貯
液タンクに補給した後、エアーポンプを作動させる。1
〜2秒経過してハンディプローブから霧状ジェットが噴
射可能な状態になった段階でハンディプローブを口腔内
に挿入して、ノズル先端から噴出する霧状ジェットを目
的とする歯周ポケットの入口部である歯面と歯肉の間に
位置づける。
エアーポンプによって作られた圧縮空気が送気チュー
ブを通じてハンディプローブに供給され、ハンディプロ
ーブ内に入った圧縮空気は圧縮空気案内路を通じて噴射
ノズルに導かれる。圧縮空気は先細となったノズル先端
部を通過するときに加速されてノズル先端部が減圧状態
となる。ノズル先端部が減圧状態となると、噴出口中心
位置に存在する液剤案内路先端部分から液剤が圧力差に
よって吸い出されるようになり、液剤案内路先端部分か
ら外部に出た液剤は圧縮空気の流れに乗って霧状に分散
され霧状ジェットとなって噴出する。
霧状ジェットは必ずしも歯周ポケットの入口部である
歯面と歯肉の間に正確に当てる必要はない。何故なら、
ハンディプローブから噴出する霧状ジェットは空気が主
体であって水分は僅かであり流体粘度が低いから、仮に
霧状ジェットが歯面にあたったとしても霧状ジェットの
一部は歯面で方向転換させられて目的とする歯周ポケッ
トの入口部である歯面と歯肉の間に侵入させられるから
である。
そして、水又は薬液を含む液剤はハンディプローブの
胴体部と一体化されるかあるいは胴体部と至近距離に配
置された貯液タンク内に収容されているから、エアーポ
ンプが作り出す0.05〜0.80Kg/cm2程度の小さな噴射圧力
の圧縮空気でも液剤は霧状となってノズル先端から噴射
される。
圧縮空気が主体である霧状ジェットは歯周ポケットの
入口部である歯面と歯肉の間に侵入して、入口部を閉鎖
している歯肉片を押し開き、大量の圧縮空気を歯周ポケ
ット内に侵入させ歯周病原菌を死滅させる。
ノズル先端から噴射される霧状ジェットに含まれる僅
かな液分は歯周ポケット内や歯周ポケット周囲を湿らせ
て潤滑性を与える役目を果たし、特にこの液分が薬液で
ある場合は殺菌や消炎等の薬効も合わせて発揮する。噴
出液量は1〜10cc/分の範囲であって極めて少ないの
で、ハンディプローブに内蔵された小さな貯液タンクで
も口腔内の全ての歯周ポケットに対して処置を施すこと
ができる。
圧縮空気案内路を分岐し、分岐させた圧縮空気案内路
の一方を貯液タンク内部空間に導入したときは、貯液タ
ンク内の液面が圧縮空気により加圧されて、液剤が液剤
案内路に向かって押し出されるようになる。そしてこの
液剤の押出し作用は、噴出口付近における減圧作用によ
る液剤の吸い出し作用と協働することにより液剤が圧縮
空気に乗って噴出されることを支援する。そして仮にエ
アーポンプの能力が低く、減圧作用が充分機能しない場
合であっても、液面を加圧して液剤を案内路に向かって
押し出すことができるので、圧縮空気の噴出圧力が0.05
〜0.80Kg/cm2と極めて低い本装置による霧状ジェットの
噴出作用をより安定化できる。
更に、貯液タンク内に圧縮空気を導入することには、
貯液タンク内の真空化を防止する作用効果もある。即
ち、密閉した貯液タンク内に圧縮空気を導入しない場
合、液剤が吸い出されるにしたがってタンク内は真空に
近づき、液剤の吸い出しが困難になっていく。これを防
止するために貯液タンク適所にタンク外から空気を導入
するための開口部を形成すると、今度は貯液タンクが転
倒したときに、この開口部を通じて液漏れが発生すると
いう問題が新たに生じる。
貯液タンク内に圧縮空気を導入することで、完全密閉
した貯液タンクであってもタンク内が真空化することは
なくなるので、液剤の吸い出しが困難となることはな
い。また完全密閉した貯液タンクを使用できるため、貯
液タンクが転倒した場合でも液零れが発生することもな
い。
また噴出口における液剤案内路の終端面積を除いたエ
アー噴出部の実質面積が0.5mm2〜20mm2の範囲であれ
ば、噴射圧力は所定の範囲でより安定し、好ましい霧状
ジェットの発生が保証される。
噴射口から噴出する霧状ジェットの噴出圧力にも最適
範囲が存在する。噴射口より噴射ノズルの軸線方向に5m
m離れた地点での風圧が1〜10g/π・(5mm)であれ
ば、適度な使用感があり、且つデリケートな歯周ポケッ
ト内壁を損傷する懸念もない。また実使用時におけるノ
ズル噴射口と噴射対象部位との離間距離は約5mm以内で
あるが、5mm以内の範囲内における距離変化に対する圧
力変化はほとんどないので前記値が霧状ジェットの圧力
の有効な指標となる。
また液剤案内路の少なくともハンディプローブの噴射
口に位置づけられる部分を柔軟性を有するチューブによ
って構成した場合、チューブは圧縮空気の噴出のない状
態では自重により垂れているが、チューブの周囲に圧縮
空気流が通過しているときには、チューブ周囲に形成さ
れた圧縮空気の通過路の径方向幅が全周にわたって等し
くなってチューブ周囲各部における圧力が等圧となるよ
うに、チューブの存在位置が自動修正されることにな
り、チューブは噴射口の開口中心位置に常時位置づけら
れるようになる。そして柔軟性チューブが噴射口の開口
中心位置に存在する姿勢が維持されることにより、粒径
の揃った霧状ジェットの噴出が保証される。
また柔軟性チューブの先端位置が、噴出口の開口端位
置に対して、噴射ノズルの軸線方向において±2mmの範
囲であれば、柔軟性チューブが噴射口の開口中心位置に
常時位置づけられるようになる機能、即ち自動センタリ
ング機能はより安定して発揮される。
エアーポンプがダイヤフラム式コンプレッサであっ
て、そのダイヤフラムの駆動源が電磁石と永久磁石の反
発吸引作用を利用した往復振動体である場合、ダイヤフ
ラムと弁の開閉によって空気が加圧される。空気の通過
路と駆動機構とは完全に遮断されているので清浄な圧縮
空気がハンディプローブに送給される。
また、ハンディプローブからの霧状ジェットの噴出の
開始及び停止の制御並びに噴出量の制御法として、ハン
ディプローブの圧縮空気案内路又は、エアーポンプから
ハンディプローブに圧縮空気を供給するための送気チュ
ーブの途中部に圧縮空気の流通量を規制する手段を設
け、これを操作することで圧縮空気の送給量を直接制御
した場合は、圧縮空気の流通量を制限するとダイヤフラ
ムの振動幅が小さくなるとともに駆動源である往復振動
体の振動幅が小さくなる。往復振動体は電磁石と永久磁
石の反発吸引作用を利用したものであるため、往復振動
体の振動幅の制限は、モータの回転を機械的に規制した
場合に発生するような過負荷による過剰電流の発生を伴
うことはなく、往復振動体の振動幅の制限は、むしろ負
荷の軽減を意味し、消費電力の低減につながる。
またモータ回転式の駆動源を用いた場合、圧縮空気の
流通量や吹き出し量を規制すると噴射圧力が異常に高ま
る現象が生じ、異常高圧となった霧状ジェットによって
歯周ポケット内壁を傷つけることが懸念されるが、駆動
源として往復振動体を用いた場合には圧縮空気の流通量
や吹き出し量を規制した場合でも霧状ジェットが異常高
圧になることはない。このことは本装置使用中におい
て、例えばノズル部先端が歯周ポケット入口付近や歯茎
部に接触して空気の吹き出し量が規制されるような事態
が発生したとしても、霧状ジェットが異常高圧とはなら
ないことを意味し、歯周ポケット内壁を傷つけるおそれ
が少なく安全性に優れていることを意味している。また
送気チューブの耐圧強度も必要以上に強固にする必要が
ない。
またハンディプローブからの霧状ジェットの噴出量の
制御をエアーポンプからハンディプローブに圧縮空気を
供給するための送気チューブの途中部に圧縮空気の一部
を圧縮空気案内路外部又は送気チューブ外部に排気する
手段を設けることで実現した場合には、ダイヤフラムの
振動幅に変化はなく、消費電力に大きな変化は現れな
い。
またノズル部やノズル内液導管をハンディプローブ本
体に対して分離可能となした場合、他人が使用したノズ
ル部やノズル内液導管を廃棄して新しいものと取り替え
たり、あるいは自分専用のノズル部やノズル内液導管と
取り替えることにより、仮に使用時にノズル部やノズル
内液導管が口内に接触したとしても病原菌が感染するこ
とはない。これは病院内での本装置の使用を前提とした
場合、院内感染を防止するうえで重要である。また必要
に応じて長さや形状の異なったノズル部と交換すること
で、口内の噴射対象部位の変更に対応して霧状ジェット
の噴射態様を変えることができる。また、ノズル内液導
管の内径を変えることにより液剤の噴出量を変えること
もできる。
また噴射ノズルとノズル内液導管とを予め一体化した
状態でユーザーに提供することにすれば、噴射ノズルの
交換と同時にノズル内液導管の交換も同時になされる。
したがって噴射ノズル内へのノズル内液導管の挿入作業
は不要となる。
図面の簡単な説明 図1は本発明の歯周ポケット清浄器具の全体構成を示
す説明図、図2はノズル先端部において霧状ジェットが
発生するメカニズムと、発生した霧状ジェットが歯に吹
き付けられている様子を示す説明図、図3はノズル先端
部において霧状ジェットが発生するメカニズムと発生し
た霧状ジェットが歯に吹き付けられている様子を示す説
明図、図4はハンディプローブの第1実施例の構造を示
す断面正面図、図5は分解状態のハンディプローブを示
す部分断面平面図、図6は導入空気量調整部に用いる栓
体の構造を示す説明図、図7は噴出口におけるエアー噴
出部の実質面積を示す説明図であり、(a)は断面説明
図、(b)は噴出口を正面から見た説明図、図8は噴射
口より5mm離れた地点における風圧を変化させた場合の
使用感に関する官能試験の結果を示すグラフ、図9は噴
出口におけるエアー噴出部の実質面積を求めるための実
験装置を示す説明図、図10は同実験装置により測定され
たエアー噴出部の実質面積と風圧との関係を示すグラ
フ、図11はレサズリン寒天を用いた酸素到達試験の実験
法を示す説明図、図12は同実験結果を示すグラフ、図13
は同実験結果を示すグラフ、図14は噴出口付近でのノズ
ル内液導管の位置関係が霧状ジェットに与える影響を示
した説明図であり、(a)は断面説明図、(b)は噴出
口を正面から見た説明図、図15は噴射ノズルとノズル内
液導管の他の変形例を示す断面図、図16は噴射ノズルと
ノズル内液導管の他の変形例を示す断面図、図17は噴出
口付近でのノズル内液導管の噴射ノズル軸方向における
位置関係が霧状ジェットに与える影響を説明するための
説明図、図18は噴出口付近でのノズル内液導管の噴射ノ
ズル軸方向における位置関係が霧状ジェットに与える影
響を説明するための説明図、図19は噴射ノズルとノズル
内液導管の他の変形例を示す断面図、図20は図15におけ
るI−I拡大断面図、図21は噴射ノズルとノズル内液導
管の他の変形例を示す断面図、図22はハンディプローブ
の第2実施例の構造を示す断面正面図、図23はハンディ
プローブの第3実施例の構造を示す断面正面図、図24
(a)(b)(c)はハンディプローブの第3実施例に
おける導入空気量調整部の構造を示す断面説明図、図25
はハンディプローブの第4実施例の構造を示す断面正面
図、図26はハンディプローブの第4実施例の構造を示す
断面平面図、図27(a)(b)(c)は同実施例におけ
る導入空気量の調整機構を示す断面図、図28は同実施例
における送気調整つまみの回転規制構造を示す断面図、
図29はハンディプローブの第5実施例の構造を示す断面
正面図、図30はダイヤフラム式コンプレッサの縦断面
図、図31はダイヤフラム式コンプレッサの縦断面図、図
32はコンプレッサ本体の横断面説明図、第33(a)は噴
射ノズル他の変形例を示す断面説明図、(b)は同変形
例を噴出口を正面から見た説明図、図34は同噴射ノズル
先端が歯茎部に接触した状態を示す説明図、図35は歯周
ポケットの形成位置を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態 次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき説明す
る。図1は本発明の歯周ポケット清浄器具の全体構成を
示す説明図である。本装置は図示する如く、ハンディプ
ローブ1と、圧縮空気を作り出すエアーポンプ100と、
前記エアーポンプ100で作りだした圧縮空気をハンディ
プローブ1に送給するための送気チューブ200とから構
成されている。
本装置は、エアーポンプ100によって作り出された圧
縮空気を送気チューブ200を通じてハンディプローブ1
に送り込み、この圧縮空気をハンディプローブ1の噴射
ノズル2にまで導いて加速させて噴射ノズル先端部分を
減圧状態となすと同時に、ハンディプローブ1内で圧縮
空気の一部を貯液タンク50内に導入して貯液タンク50内
の液剤を液剤案内路へと押出し、これら吸い上げ作用と
押出し作用の両作用を協働させて液剤を液剤案内路を通
じて噴射ノズル先端位置まで吸い上げたのち、この吸い
出した液剤に圧縮空気を高速度で吹き付けることによっ
てノズル先端から霧状ジェットを噴射するように構成し
ている。
図2は、ノズル先端部において霧状ジェットが発生す
るメカニズムと、発生した霧状ジェットが歯に吹き付け
られている様子を示している。噴射ノズル2の軸心位置
には水又は薬液等の液剤をノズル先端に案内する液剤案
内路としてのノズル内液導管10bが配置されており、圧
縮空気はこのノズル内液導管10bの周りを通過して噴出
口3に導かれる。噴射ノズル2は先端側に向かって先細
となっているため、噴射ノズル2先端に向かうほど圧縮
空気は加速され噴出口3付近では最大限にまで加速され
る。噴出口3付近はこの加速された空気流の通過によっ
て減圧状態となるまで、ノズル内液導管10b内を通じて
貯液タンク内の液剤が吸い上げられてノズル内液導管10
bの開口端から液剤が連続的に排出される。噴出口3か
ら排出された液剤には加速された圧縮空気が接触して衝
撃力が作用し、液剤はこの衝撃力によって微細な粒子と
なって圧縮空気中に分散して霧状ジェットとなって噴出
口3から一気に解放される。
噴出口3から噴出して歯300に吹き付けられた霧状ジ
ェットは図3において矢印で示すように、歯茎表層301
を風圧で開けた後、歯周ポケット302内に侵入して歯周
ポケット内の嫌気性菌を空気に曝し、嫌気性菌を死滅さ
せたりその繁殖を抑制したりする。また歯周ポケット30
2に侵入しなかった霧状ジェットは歯300の周囲を回り込
み、この回り込んだ霧状ジェットのなかには別の歯の歯
周ポケットに到達するものもある。
本装置が噴出する霧状ジェットには水又は薬液が含ま
れているが、その量は少なく、霧状ジェットは水流ジェ
ットというよりもむしろエアージェットとしての性格が
強く流体粘度も水流ジェットに比べて遙に小さい。した
がって霧状ジェットがターゲットとする歯周ポケットの
入口に吹き付けられない場合でも歯面に当たった霧状ジ
ェットは歯の上下左右更には裏側に回り込むことによっ
て歯周ポケット302内に到達することができる。
そして、霧状ジェットに含まれる水又は薬液等の液剤
が、エアージェットの吹き付けによって乾燥しがちな歯
周ポケット302内や口腔内に湿り気を与え、特に液剤が
殺菌剤、消炎剤、プラーク溶解剤、う触予防剤、歯石沈
着予防剤、止血剤、知覚過敏予防剤、局所麻酔剤、抗ヒ
スタミン剤又は抗生物質等の薬剤である場合は、空気に
よる殺菌効果に加えて薬剤固有の効果、即ち殺菌効果、
消炎効果、プラーク溶解効果、う触予防効果、歯石沈着
予防効果、止血効果、知覚過敏予防効果、局所麻酔効果
等が加わる。
次に本発明装置の各部の詳細について説明する。先ず
第1実施例において用いるハンディプローブ1について
述べる。
ハンディプローブ1は図4に示すように、噴射ノズル
2と、水又は薬液を含む液剤を貯留する貯液タンク50
と、当該貯液タンク50が取りつけられるとともに各種機
構を内蔵し且つハンディプローブ1の把持部ともなる胴
体部70とから構成されている。
ハンディプローブ1内部には、貯液タンク50内から胴
体部70内部を通って噴出口3にいたる液剤案内路10と、
ハンディプローブ1外部から供給される圧縮空気を噴出
口3に導く通路となる圧縮空気案内路71とが形成されて
いる。
液剤案内路10は、貯液タンク50内の液剤51を貯液タン
ク50から導き出して前記噴射ノズル2に液剤51を案内す
るための通路であり、貯液タンク50から噴射ノズル2ま
での通路となる液剤供給チューブ10aと、この液剤供給
チューブ10aに接続されたノズル内液導管10b、10b′と
から構成される。一方、圧縮空気案内路71は、ハンディ
プローブ1外部から供給される圧縮空気を噴出口3に導
く通路であり、胴体部70内に形成されたノズル外送気路
71aと噴射ノズル2内に形成されたノズル内送気路71bと
から構成されている。
そして先細となった噴射ノズル先端部4と、その内部
の空間に位置づけられたノズル内液導管10bの先端部と
によって霧状ジェット発生機構が構成されている。
図5はハンディプローブ1の詳細を示したものであ
り、胴体部70から噴射ノズル2とノズル内液剤供給パー
ツ12を分離した状態を示している。
ノズル内液剤供給パーツ12は胴体部70に対して取り替
え可能であり、その構成は筒状装着部11に金属管や硬質
合成樹脂管よりなるノズル内液導管10b′を間に介在さ
せてポリエチレン製、ポリエステル製、テフロン製、塩
化ビニル製又はシリコン製等の腰が柔らかく且つ弾力性
を有する柔軟性チューブよりなるノズル内液導管10bを
連結した構成である。柔軟性チューブよりなるノズル内
液導管10bを筒状装着部11に直接取りつけていないの
は、柔軟性チューブの取り替えを想定したからである
が、柔軟性チューブであるノズル内液導管10bを筒状装
着部11に直接取りつけてもよい。
尚、ノズル内液導管全体を針状金属管や硬質合成樹脂
管等で構成してもよい。この場合は、ノズル内液導管10
b先端を噴出口3の中心位置に位置づけるための工夫が
必要となる。このことについては後述する。
一方、胴体部70の先端(図中左)には前記ノズル内液
剤供給パーツ12を連結するための連結杆72と、噴射ノズ
ル2を連結するためのノズル連結部73が突出形成されて
いる。連結杆72には液剤供給チューブ10aが内挿されて
おり連結杆72の先端に液剤供給チューブ10aの先端を露
出させている。またノズル連結部73にはOリング74が嵌
着され噴射ノズル2装着時の気密性が維持できるように
構成されている。
胴体部70へのノズル連結部73及び噴射ノズル2の取付
けは、連結杆72にノズル内液剤供給パーツ12を装着した
後、噴射ノズル2をノズル連結部73に装着することによ
って行う。尚、図示しないが連結杆72を設けることなく
液剤供給チューブ10aをそのまま延長させて、この延長
させた液剤供給チューブ10aにノズル内液剤供給パーツ1
2及びノズル内液導管10bの機能を担わせることもでき
る。この場合、部品点数が削減できる利点がある。また
この場合は噴射ノズルの取り替えのみを想定している。
胴体部70の基端側(図中右側)に設けられる圧縮空気
導入部75には送気チューブ200との連結筒部76と、当該
連結筒部76を通じて胴体部70内に導入される圧縮空気の
総量を規制する導入空気量調整部80とが設けられてい
る。
導入空気量調整部80は、胴体部70を構成する本体筒部
85の基端部に、図6で示すように、遮蔽板81の周囲に多
数の空気通過孔82,82,……を設けた栓体83を内嵌し、こ
の栓体83を装着した本体筒部85基端部に、連結筒部76の
内部空間と連通するキャップ部材77をネジ部78によって
螺合して構成している。そしてキャップ部材77を回転さ
せることにより、栓体83とキャップ部材77との余裕空間
84を拡縮させて圧縮空気の導入量を規制している。ま
た、本体筒部85とキャップ部材77との間にはOリング79
を介装させて気密性を維持している。
貯液タンク50は図4に示すように、胴体部70に形成さ
れた筒蓋52に内嵌することにより胴体部70と一体化でき
るように構成されており、貯液タンク50の開口部53には
胴体部70から突出状に形成された環状壁54が嵌め込まれ
ている。この環状壁54にはゴム又はコルク等の封止栓55
が内嵌されており、この封止栓55を貫通して液剤供給チ
ューブ10aを貯液タンク50内から導出している。
封止栓55には圧縮空気取り込み孔56が設けられてお
り、胴体部70内の圧縮空気案内路71を流れる圧縮空気の
一部を図中矢印で示すように分岐させて貯液タンク50内
に取り込めるように構成している。尚、図示しないが封
止栓を使用せず胴体部70の下部壁に直接的に小孔を開設
し、この小孔を通して液剤供給チューブ10aを導出する
とともに、この小孔を圧縮空気取込穴として共用するこ
とも考えられる。
このようにして貯液タンク50内に圧縮空気を導入して
貯液タンク50内の液面を加圧することにより、液剤51は
液剤供給チューブ10aを通じて押し出されることにな
り、噴出口3先端の減圧作用による液剤吸い上げ作用と
協働することにより、圧縮空気の噴射圧力が小さくても
霧状ジェットが発生するように工夫されている。
圧縮空気取り込み孔56の孔径はなるべく小さいほうが
好ましい。これは孔径があまり大きいと、エアーポンプ
100が作動停止しているときに本ハンディプローブ1を
転倒させた場合、液剤が流出するおそれがあるからであ
る。尚、エアーポンプ100が作動している場合は、圧縮
空気取り込み孔56から導入された圧縮空気によって液面
が加圧されているため、ハンディプローブ1を逆さまに
するような操作を行った場合でも圧縮空気取り込み孔56
や開口部53を通じて液漏れが発生することはない。また
図示しないが圧縮空気取り込み孔56の貯液タンク50内へ
の開口端に圧縮空気の通過によって押し拡げられ、圧縮
空気の送給が停止したときには閉鎖する逆止弁を取りつ
けてもよい。この場合は圧縮空気の送給が停止した状態
でも液漏れが発生することはない。
貯液タンク50は50cc程度の液剤が収容できる大きさで
あれば充分である。本装置では液剤の噴き出し量は1〜
10cc/分と、極めて少ないので50cc程度の液剤があれ
ば、液剤の詰め替えを行うことなく口腔内の全ての歯周
ポケットを処置することができる。また、液剤の噴き出
し量が少ないことから、処置中に何度も液剤を吐き出す
こともなく、したがって本装置の使用場所が洗面所に限
定されることもない。
液剤としては水又は薬液が対象となり、薬液としては
殺菌剤、消炎剤、プラーク溶解剤、う触予防剤、歯石沈
着予防剤、止血剤、知覚過敏予防剤、局所麻酔剤、抗ヒ
スタミン剤又は抗生物質が対象となる。
殺菌剤としては、例えばクロルヘキシジン、ヨードグ
リセリン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニ
ウム、クロルヘキシジングルコネート等があげられる。
消炎剤としては、例えばヒドロコルチゾンやデキサメ
タゾン等のステロイド系消炎剤、イブプロフェンやイン
ドメタシン等の非ステロイド系消炎剤、アズレン、アズ
レンスルホン酸塩、βグリチルレチン酸、トウキ軟エキ
ス、塩化ナトリウム、酢酸dl−α−トコフェロール、イ
プシロンアミノカプロン酸等のその他の消炎剤等があげ
られる。
プラーク溶解剤としては、例えば塩化リゾチーム等が
あげられる。
う触予防剤としては、例えばモノフルオロリン酸ナト
リウム、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等があげら
れる。
歯石沈着予防剤としては、例えばピロリン酸、クエン
酸亜鉛、塩化亜鉛、AHP、ガントレッツ酸等があげられ
る。
止血剤としては、例えばトラネキサム酸等があげられ
る。
知覚過敏予防剤としては、例えば乳酸アルミニウム、
硝酸カリウム、シュウ酸カリウム、塩化ストロンチウム
等があげられる。
局所麻酔剤としては、例えばリドカインやプロカイン
等があげられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラ
ミンやマレイン酸クロルフェニラミン等があげられる。
抗生物質としては、例えばアンピシリン、塩酸ミノサ
イクリン、塩酸テトラサイクリン、ベンジルペニシリン
等があげられる。
ところで、本発明の歯周ポケット清浄器具では、噴射
ノズル2から噴出する圧縮空気の噴射圧力を0.05〜0.80
Kg/cm2、圧縮空気の噴き出し量を2〜30リットル/分、
液剤の噴き出し量を1〜10cc/分の範囲に設定してい
る。これは本発明の歯周ポケット清浄器具が空気供給に
よる歯周病原菌の殺菌に主たる目的があって、液剤は口
腔内の乾き防止や、薬液添加による殺菌作用強化や消炎
作用等を期待するためのものであって、液剤によりプラ
ークや歯周病原菌を洗い流すことを想定していないこと
から導き出された数値範囲である。
液剤の噴き出し量を1〜10cc/分の範囲に設定してい
るのは、本願発明では上述したように液剤は口腔内の乾
きを防ぐ意味と薬液添加による殺菌強化作用や消炎作用
等を発揮させることに意味があるためであり、その量は
少なめに設定されている。この数値範囲は、1口腔中の
全歯周ポケットを殺菌処理するのにそれほど頻繁に液剤
を吐き出さなくてもよい量であって、しかも歯周ポケッ
ト以外の箇所にまで飛沫が飛散しない量であり、それで
あって口中の乾きを防止したり、あるいは薬液添加の際
には充分な薬効も期待できる量であることを基準にして
設定されている。10cc/分を超えると液剤が口中に溢れ
るようになって液剤の頻繁な吐き出しが必要となり、他
方1cc/分未満であると口中の乾きを防止したり薬液によ
る薬効を発揮できないことから、液剤の噴き出し量は1
〜10cc/分の範囲に設定する必要があるとの結論に至っ
た。より好ましくは2〜7.5cc/分である。
また、本発明では液剤の噴き出し量が少ないのとは反
対に圧縮空気の噴き出し量は2〜30リットル/分と、多
く設定している。これは、本願発明が空気による病原菌
の殺菌を主目的としているためである。圧縮空気の噴き
出し量は2リットル/分未満であると、殺菌効果が充分
発揮されず、また30リットル/分を超えても噴き出し量
の増加に見合った殺菌効果の向上が得られないためであ
る。また噴き出し量の増加はエアーポンプ100の大型化
も招くため噴き出し量をこれ以上多くすることは好まし
くない。
また圧縮空気の噴き出し量とともに重要なのが圧縮空
気の噴射圧力である。本発明では圧縮空気の噴射圧力は
0.05〜0.80Kg/cm2と、極めて小さな値に設定している。
より好ましい圧縮空気の噴射圧力は0.20〜0.80Kg/cm2
ある。これは本発明では吸い上げる液剤量が少なく、し
かもその液剤が収容されている貯液タンク50は、ハンデ
ィプローブ1の胴体部70に一体化されているか、あるい
はその至近位置に配置されていて噴出口3との距離が短
いため、噴出口3付近での減圧状態が軽度であっても液
剤吸い上げが可能なためである。また噴射圧力が大きい
とデリケートな歯周ポケットを傷つける懸念もある。更
に噴射圧力が大きいと大型のエアーポンプが必要となり
コストアップ要因ともなる。これら観点から圧縮空気の
噴射圧力は0.50Kg/cm2以下に設定される。また圧縮空気
の噴射圧力の下限を0.05Kg/cm2以上としているのは、こ
れより噴射圧力が小さいと歯周ポケットを開かせる効果
が薄いからである。より好ましい範囲は0.10〜0.30Kg/c
m2である。尚、上述した実施例のように圧縮空気の一部
を分岐させて貯液タンク50に導入した場合は前記数値範
囲の下限値に近い値であっても極めて安定した霧状ジェ
ットが得られる。しかも使用するエアーポンプ100は小
型且つ低価格のものでも充分使用できる。
ところで、噴出口3からの圧縮空気の噴射圧力ととも
に重要なのが、実使用において歯周ポケットが受ける圧
力である。本発明者の研究によれば、この圧力は噴出口
3より噴射ノズル2の軸線方向に沿って5mm離れた地点
において半径5mmの円内が受ける風圧として評価され、
その値は1〜10g、即ち、1〜10g/π・(5mm)に設定
することが好ましいことがわかっている。噴出口3より
5mm離れた地点とは、本装置を実使用したときの噴出口
3と歯周ポケットとの距離に相当している。1g未満だと
頼り無くて使用感に乏しいし、他方、10gを超えると痛
みを感じ且つデリケートな歯周ポケットを傷つける懸念
もある。尚、実使用時には噴出口3と歯周ポケットとの
距離は5mm以内となることもあるが、5mm以内では風圧に
ほとんど差がないことも確認されているので、歯周ポケ
ットが受ける風圧を上記基準に基づいてほぼ一律に評価
できる。
図8に上記風圧1〜10g/π・(5mm)を導くに際し
て行った官能試験の結果を示す。この試験は歯肉辺縁相
当部の歯面に対し2cm〜3cmの幅で横に噴射し、歯肉に感
じる圧力による刺激を0〜5の6段階で評価してもらっ
た。被試験者は10人である。0〜5の各段階の内容は次
のとおりである。
0:殆ど何も感じない。
1:刺激を感じるが物足りない。
2:適度な刺激を感じる。
3:強い刺激を感じるが許容できる。
4:痛みを感じる。
5:痛みが強すぎて使用できない。
図8に示しているように、風圧1〜10g/π・(5mm)
であれば使用感に優れた適度な刺激が得られることが
わかった。
このような風圧を規定する要因となるのは、圧縮空気
の噴射圧力であると同時に噴出口3におけるエアー噴出
部の実質面積である。エアー噴出部の実質面積とは図7
(a)(b)に示すように、噴出口3におけるノズル内
液導管10bを除いた部分の面積であり、図に示す寸法を
用いて表現すると、π・(R12−R22)である。
本発明者等はこの面圧が得られるエアー噴出部の実質
面積を決定するための実験を次の方法で行った。図9に
示すように、電子天秤500の上に先端面積がπ・(5mm)
であって、基部がベース台502によって支持された棒
体501を立設したうえ、この棒体501及び電子天秤500
を、上面に直径12mmの穴503を開けたボックス504によっ
て囲み、前記穴503に棒体501を非接触状態で挿通させて
棒体501の先端面506をボックス504外に露出させ、一
方、ハンディプローブ1の噴射ノズル2の軸線を前記棒
体501の軸線と一致させた状態でスタンド505によって支
持した測定装置を構成した。そしてこの装置を用い棒体
501の先端面506と噴出口3との離間距離Lを5mmに設定
し、ノズル外筒5の内径R1を変化させながら、口腔内の
被噴射面に見立てた棒体501の先端面506が受ける噴射圧
力について測定を行いその結果を記録した。測定結果を
図10に示す。図示されるようにエアー噴出部の実質面積
が0.5mm2〜20mm2の範囲であれば、先端面506が受ける面
圧が1〜10gの範囲に収まることが確認された。これら
のことから噴出口3におけるエアー噴出部の実質面積は
0.5mm2〜20mm2の範囲に設定することが好ましいとの結
果が得られた。尚、20mm2は直径5mmの円内の面積にほぼ
相当する。
次に噴射ノズル2の軸線方向に沿って5mm離れた地点
において受ける風圧の大きさが霧状ジェットの歯周ポケ
ット内奥への到達とどのような関係にあるかを実験によ
って確かめた。
この実験は、歯周ポケットに見立てた疑似モデルを寒
天により作製し、この寒天に酸素に触れると変色する試
薬であるレサズリンを混入しておき、ハンディプローブ
から霧状ジェットを寒天表面に向かって噴出させて寒天
内部に侵入させ、寒天の色調変化を見ることにより行っ
た。寒天は歯肉とほぼ同等の硬度に調製し次の手順で実
験を行った。
レサズリン寒天の組成は次のとおりである。
NaCl :8.6g KCl : 0.3g CaCl2・2H2O :0.33g レサズリン・Na塩: 0.01g Cystein・HCl :0.5g Agar :20.0g 蒸留水 全体で:1.0リットル 1/5NaC :約20.0ミリリットル 上記各成分を加熱混合して図11に示すように50ミリリ
ットルのキャップ付の透明容器510に分注する。次いで
冷却後嫌気BOX内で容器内の酸素を脱気(真空引きを行
った後、酸素以外の混合ガスを封入する)する。この
後、直径1cmの薄肉のプラスチックパイプを寒天表面か
ら押し込み、寒天に深さ5cmの円形の切れ目511を入れ
る。
このようにして作製された被試験体であるレサズリン
寒天入り容器を嫌気BOXより取り出してキャップを開
け、速やかにハンディプローブの噴射ノズル2を容器内
に位置づけ、切れ目511上方5mmの位置から切れ目511を
めがけて3秒間噴射する。
キャップを閉め、一定時間経過後にその変化を写真撮
影し、現像した写真から変色領域についてその色調と変
色領域の深さについて評価した。評価は次の3段階で行
った。尚、サンプル数は10である。
0:無色若しくは輪郭がつかめない薄い赤 1:薄い赤 2:はっきりした赤 結果を図12及び図13に示す。この結果からも噴射ノズ
ル2の軸線方向に沿って5mm離れた地点において受ける
風圧が1g/π・(5mm)以上であれば充分深い位置にま
で酸素を到達させることができることが確認された。ま
た同時に、風圧は必要以上に高くしても酸素の侵入深さ
はそれほど深くならないことも確認された。
また本発明者は歯周炎患者を対象とした臨床試験も行
ったが、ここでも本発明の歯周ポケット清浄器具を1日
3回(朝、夕食後、就寝前)使用する習慣を継続した場
合、歯周ポケットの深さが浅くなる改善効果が確かめら
れた。
次に噴出口3におけるノズル内液導管10bの位置関係
について考察する。安定した霧状ジェットを噴射するに
は図14(a)(b)に示すように、ノズル内液導管10b
は噴出口3において中心位置に存在させる必要がある。
ノズル内液導管10bの先端位置がノズル外筒5の中心位
置から偏っているとノズル内液導管10bを包囲するノズ
ル内送気路71bを通過する空気の流れに乱れが生じノズ
ル内液導管10bの周囲の減圧状態に差ができる。このこ
とは噴出されるジェット流に含まれる水滴粒径を均質に
微細化することを阻み、水滴粒子の粗大化となって現れ
る。またジェット流に脈打ち現象や噴き出し方向が安定
しない現象も発生する。更にノズル内液導管10bの偏り
が著しく、図中仮想線で示すようにノズル内液導管10b
がノズル外筒5内壁に接触している場合は、ノズル内液
導管10bから吸い出された液剤はノズル外筒5の内壁を
伝わって一部が滴下するため霧状ジェット化が完全には
行われなくなる。
したがって均一な微細水滴を含む霧状ジェットを安定
的に噴出するためには、ノズル内液導管10bを噴出口中
心位置に正確に位置づけることが必要である。図4,5と
して示した実施例ではこの目的を達成する方法としてノ
ズル内液導管10bに柔軟性チューブを用いることを提案
した。柔軟性チューブを用いれば、圧縮空気の噴出がな
い状態では図14(a)において仮想線で示すように、ノ
ズル内液導管10bは自重によりノズル外筒5の内壁に接
触しているが、圧縮空気が噴出されると柔軟性チューブ
の周囲を等圧にすべく圧縮空気は柔軟性チューブの周囲
各部の通過間隙を等しくするような力をノズル内液導管
10bに及ぼし、ノズル内液導管10b先端を噴出口3中心位
置に自動的にセンタリングする。この機構を用いれば、
ノズル内液導管10bは本装置使用時には噴出口3中心位
置に自動的に位置づけられることとなるので、厳密な組
み立て精度が不要となり、本装置の製造コストの低減に
寄与するとともに、本装置を購入したユーザーが自分で
噴射ノズル2やノズル内液剤供給パーツ12を取り替える
ことも容易となる。
また柔軟性チューブであれば、ノズル外筒5が直線状
でなくても噴出口3の中心位置に自動センタリングでき
るので、ノズル外筒5の先端部を曲げた場合でもノズル
内液導管10bを噴出口3中心位置に正確且つ自動的に位
置づけることができる。これは大きな利点である。噴射
ノズル2が全体にわたって直状である場合、口腔内奥部
に位置する歯周ポケットに霧状ジェットを当てようとす
ると、無理な姿勢をとらざるを得ないが、ノズル先端が
曲がっていると無理な姿勢をとる必要がない。ノズル内
液導管10bとして針状金属管又は硬質合成樹脂管等を用
いた場合は、先端の曲がったノズル外筒5にノズル内液
導管10bを挿入することは極めて困難である。
また噴射ノズルが直状である場合であっても、針状金
属管又は硬質合成樹脂管等を噴出口3の中心位置に正確
に位置づけることは極めて困難である。図15は直状の噴
射ノズル2に針状金属管又は硬質合成樹脂管等のノズル
内液導管10bを内挿した場合である。図からもわかるよ
うにノズル内液導管10bの先端部が噴出口3の中心に位
置づけられるためには連結杆72と筒状装着部11との嵌合
精度並びにノズル連結部73と噴射ノズル2との嵌合精度
は極めて精密である必要がある。しかしながらこのよう
な組み立て精度を確保することは容易ではない。これを
解消する一手段としては図16に示すようにノズル外筒5
とノズル内液導管10bとの間に圧縮空気の流通を阻害し
ない構造のスペーサー13を介在させることが考慮され
る。
次に、ノズル内液導管10bとして柔軟性チューブを用
いた場合の柔軟性チューブの先端位置についても考察す
る。図18に示すように噴出口3から柔軟性チューブが若
干突出している程度であれば自動センタリング機能に障
害はないが、その長さが一定以上になると自動センタリ
ング機能は働かなくなり、また使用中に柔軟性チューブ
先端にプラークが付着するおそれもでてくる。また図17
に示すようにノズル内液導管10b先端が噴出口3より引
っ込んでいる場合には、この引っ込み量があまり多い
と、圧縮空気を送給した場合であってもノズル内液導管
10bはノズル外筒5の内壁に接触する現象が発生した
り、霧状ジェットとして噴出した薬液がノズル内壁に衝
突して再び粗大化した水滴粒子となってしまう現象が生
ずる。これらのことから、柔軟性チューブの先端部位置
は、噴出口3に対して、ノズルの軸線方向において±2m
mの範囲にあることが好ましいことが確認された。
図19は先端部を曲げた噴射ノズル2A内にノズル内液剤
供給パーツ12を一体的に組み込んだ場合である。ノズル
内液剤供給パーツ12は図20で示すように放射状に配置さ
れた複数の脚片14,14……によって保持されている。こ
のように噴射ノズル2Aとノズル内液剤供給パーツ12を予
め一体化させてユーザーに提供する形態を採用した場
合、ユーザーはノズル内液剤供給パーツ12や噴射ノズル
2Aの交換に手間取ることがなくなる。したがって、本ハ
ンディプローブ1を複数人数で共同使用する場合などに
は、使用者が代わる際の噴射ノズル2Aやノズル内液剤供
給パーツ12の交換が迅速に行える。また、ノズル内液剤
供給パーツ12をメーカーサイドで予め噴射ノズル2Aに高
精度に組み込んだ状態でユーザーに提供できるので、ユ
ーザー自身がノズル内液剤供給パーツ12や噴射ノズル2A
の組み立てを自分で行うときに発生しがちな、組付け不
良に起因する霧状ジェットの発生不良も防止できる。
図21は噴射ノズルの変形例である。この例では噴射ノ
ズル2Cの外形は直状となし、ノズル内液剤供給パーツ12
の先端部を噴射ノズル2C内で曲げて噴射ノズル2C側部に
噴出口3′を設けた場合である。この場合、ハンディプ
ローブ1をあたかも歯ブラシを取り扱う感覚で操作で
き、噴出口3′を頬側や舌側に向けることも容易であ
る。また、本噴射ノズル2Cは図19で示したものに比べて
デザイン的に洗練されているという利点もある。
図22は本願発明の第2実施例であり、霧状ジェットの
噴出量の制御方法を変えた場合である。本実施例では側
壁に開口穴16を設けた噴射ノズル2Bを設け、本体筒部85
の基端側に設けた導入空気量調整部80によって圧縮空気
の送給量を調節し、開口穴16を指先で閉鎖したり開放さ
せたりすることで霧状ジェットの噴出及び停止を制御す
るものである。本方法では開口穴16を閉鎖すると通常ど
おり霧状ジェットが噴出し、他方、開口穴16を開放する
と送気チューブ200によって圧縮空気案内路71に供給さ
れた圧縮空気のほとんどが開口穴16から外部へ放出され
ることになり、貯液タンク50内に導入される空気と噴射
ノズル2B先端側に導かれる空気が共に低圧となって、噴
射ノズル2B先端からの霧状ジェットの噴出を瞬間的に停
止させることができる。しかもこの操作は片手で行うこ
とができるので操作性にも優れている。尚、図例のもの
では、導入空気量調整部80による圧縮空気の供給量の調
節を併用しているが、これは省略することもできる。こ
の場合、開口穴16の閉鎖、開放以外に開口穴16の開放度
合いを指先で制御することにより、噴出量の調節を行う
こともできる。
図23は本願発明の第3実施例であり、図4,5,6,22で示
したものとは別の導入空気量調整部90を設けた場合であ
る。この導入空気量調整部90は本体筒部85の基端側に内
穴91を開設するとともに、この内穴91形成部位にリング
体93を回転可能に外嵌し、リング体93に開設した外穴92
と前記内穴91との重なり具合によって空気の放出量を調
整するものである。例えば図24(a)に示すように内穴
91と外穴92とが重なっていない場合は完全閉鎖状態であ
り、霧状ジェットの噴出量は最大である。また図24
(b)に示すように内穴91と外穴92とが一部重なってい
る場合は圧縮空気の一部が外部放出されるため霧状ジェ
ットの噴出量はやや弱まる。更に図24(c)に示すよう
に内穴91と外穴92とが完全に重なっている場合は送気チ
ューブ200から導入された圧縮空気のほとんどが外部放
出されるため霧状ジェットの噴出量は完全に停止する。
この方法も霧状ジェットの噴出、停止及び噴出量の制御
を手元で行うことができる。尚、内穴91及び外穴92の形
状としては図例のもの以外に三角穴や長円穴、更には深
さ方向で穴径を変えた円錐台状の穴なども採用できる。
図25〜図28は本願発明の第4実施例であり、導入空気
量調整部の構造の変形例である。この導入空気量調整部
90′は本体筒部85の基端側に筒部周囲における対面位置
に張り出し部94,94を設け、更にこの張り出し部94より
も更に基端側には、この張り出し部94に外径をほぼ一致
させた拡径環状部94′が連続的に形成されている。また
T字型通路95を貫設した内筒96と一部を切欠させた外筒
97よりなる二重筒構造の送気調整つまみ98を前記本体筒
部85の基端に嵌め込んだ構造である。そして送気調整つ
まみ98を回転させることで送気チューブ200から送り込
まれた圧縮空気をT字型通路95を経て張り出し部95の内
側に形成された迂回通路99を通じてハンディプローブ1
の本体筒部85内に圧縮空気を送り込むように構成されて
いる。
この送気調整つまみ98による圧縮空気の流通量の調整
の様子は図27で示される。例えば図27(a)に示すよう
にT字型通路95の開放端が迂回通路99内に位置づけられ
た状態では、圧縮空気の流通量は最大となり、他方
(b)に示すようにT字型通路95の開放端の一部が遮蔽
されている場合には、圧縮空気の流通量はやや絞られ、
更に(c)に示すようにT字型通路95の開放端が完全に
閉鎖されている場合には圧縮空気の送給は完全に停止す
ることになる。
尚、送気調整つまみ98は図28に示すように拡径環状部
94′に外嵌されており、拡径環状部94′から突出形成さ
れたストッパー94aが外筒97の切欠部97aと係合すること
で、その回転範囲が規制されるように構成されている。
このような構成の導入空気量調整部90′を採用した場
合、わずかな回転角度で圧縮空気の流通路の開閉をなす
ことが可能となり、また流通量の調整も容易となる。ま
た本機構ではネジや中栓をなくしたので部品点数が少な
くなり、したがって組み立て工数も少なくひいてはコス
ト低減につながる。
以上述べた第1実施例〜第4実施例は貯液タンクをハ
ンディプローブ1の胴体部70に一体的に取りつけた場合
であったが、貯液タンクはハンディプローブ1の胴体部
70に対して近接配置されるのであれば、ハンディプロー
ブ1の胴体部70と別体であってもよい。図29として示す
第5実施例は貯液タンクをハンディプローブ1の胴体部
70と別体構成した場合である。
この実施例ではハンディプローブ1の胴体部70から、
送気チューブ60aの中に送液チューブ60bを挿通した二重
チューブ構造の連結チューブ60が導出されており、この
連結チューブ60の他端と送気チューブ200とが分岐ジョ
イント61を介して連結されている。連結チューブ60とし
てはフレキシブルチューブが用いられるが、貯液タンク
50A内の液剤が満杯である場合でもチューブがくびれな
いような最低限の硬さは必要である。
分岐ジョイント61は送気チューブ200に接続される主
管路61a、送気チューブ60aに接続される分岐管路61bと
貯液タンク50Aに接続される分岐管路61cとを有し、分岐
管路61cには送液チューブ60bが挿通されて、この送液チ
ューブ60bは貯液タンク50A内の液剤中にまで導かれてい
る。そして、送気チューブ200を通じて送給される圧縮
空気は送気チューブ60aに送ると同時に分岐管路61cを通
じて貯液タンク50A内部にも圧縮空気の一部を導入し、
貯液タンク50A内部の液剤界面を加圧することにより送
液チューブ60bを通じてハンディプローブ1に液剤を押
し出す構成となっている。
このように貯液タンクをハンディプローブ胴体部70と
一体化することなく胴体部70の至近位置に配置した場合
は、ハンディプローブ胴体部70の軽量化がはかれるとと
もにハンディプローブ胴体部に貯液タンクが存在しない
ためハンディプローブが握りやすくなつて操作性が向上
するとともに、ハンディプローブ胴体部の細径化も可能
となる。更に貯液タンクはハンディプローブが如何なる
姿勢をとった場合でもフレキシブルチューブの作用によ
ってほぼ垂直状態が維持されるので液剤案内路を通じた
噴射ノズルへの液剤の安定供給が保証される。また貯液
タンクがハンディプローブ1と一体化していないため、
ハンディプローブ1を軸回りに回転させることも容易で
あり、したがって噴射ノズル先端部が図19で示したよう
に曲がっている場合でも口腔内奥の入り組んだ場所等に
おける任意部位に噴射ノズル先端を容易に位置づけるこ
とができる。
このように上述した第1実施例〜第5実施例の全てに
おいてハンディプローブ1は、霧状ジェットの噴出、停
止及び噴出量の調整を手元で行えるように工夫されてい
る。しかもこれら調整は、エアーポンプ100の電源を電
気的に制御するのではなく、圧縮空気の流路を狭くして
圧縮空気の流通量を規制したり、圧縮空気を開放するこ
とにより噴射ノズルへの圧縮空気供給量を調整するもの
である。このような制御手段は水滴のつきやすいハンデ
ィプローブ1に電気配線を持ち込むことを必要としない
から安全であり、しかも噴射ノズルに近い位置での制御
であるから制御操作に対する応答性が優れている。
ハンディプローブ1は以上のような構成である。次に
このようなハンディプローブ1に送気チューブ200を通
じて圧縮空気を送り込むエアーポンプ100について説明
する。エアーポンプ100としては種々のものが利用可能
であるが、本発明には特にダイヤフラム式コンプレッサ
が適し、ダイヤフラム式コンプレッサのなかでも特に電
磁石と永久磁石の反発吸引作用を利用した往復振動体を
ダイヤフラムの駆動源として用いたものが適している。
ダイヤフラム式コンプレッサを用いる理由は空気の流通
路に機械部品が露出していないため清浄な空気送給が可
能であるからであり、駆動源として前記往復振動体を用
いるのは、前記第1実施例で示したような圧縮空気の流
路閉塞による霧状ジェットの噴出量制御を行った場合で
もエアーポンプに負荷がかからず、且つまた、霧状ジェ
ットの噴射圧力が異常高圧となることがないためであ
る。
本発明では液剤をハンディプローブ1に取りつけられ
た貯液タンク50内に収容しているため圧縮空気の噴射圧
力は小さくても充分であり、特に圧縮空気の一部を貯液
タンク50内に導入して液剤を貯液タンク50内から押し出
すようにした場合は、圧縮空気の噴射圧力はより小さな
ものでも充分間に合う。例えば消費電力8ワット〜30ワ
ット程度の小型小容量のポンプで充分間に合う。これは
従来のジェット水流を用いる歯周ポケット洗浄装置が消
費電力30ワット〜50Wワット程度のポンプを必要とする
のとは対照的である。
図30〜図32として示すものがダイヤフラム式コンプレ
ッサであり、図30は図31は縦断面図であり、図32はコン
プレッサ本体の横断面説明図である。本ダイヤフラム式
コンプレッサは、防音対策を施したケーシング101内に
コンプレッサ本体102が収容され、ケーシング101の側部
位置にはフィルター103を前面に配した空気取り込み穴1
04が設けられている。またコンプレッサ本体102の吐出
管105がケーシング101を貫通して設けられ、この吐出管
105に送気チューブ200が接続されている。尚、図中106
は電源スイッチであり、図中107は電源コードである。
コンプレッサ本体102の内部構造は図32で示される。
コンプレッサ本体102はコイル111に交流電源112を接続
して構成される電磁石113、113を対向配置するととも
に、電磁石113、113相互間の空間に長手方向にそれぞれ
N,S極を着磁した永久磁石114,114をスライド可能なロッ
ド115に固定し、このロッド115の両端にダイヤフラム11
6,116を取付け、且つそれぞれのダイヤフラム116,116に
対向して吸入弁117と吐出弁118を取付けた構成である。
吸入弁117と吐出弁118との間は隔壁119で遮断され、一
方に吸入口120、他方に吐出口121が形成され、二つのダ
イヤフラム116,116の吐出口121から出る圧縮空気を図30
に示すように合流チューブ122によって合流させてい
る。尚、図中左側のダイヤフラム116に対応して設けら
れる吸入弁及び吐出弁等を含むその他の構造は図示して
いないがその構造は、図中右側のダイヤフラム116に対
応して設けられる構造と同じである。
図示したものは相向かい合う一対の電磁石113、113を
使用したものであったが、電磁石は片側だけであっても
よい。また図示しないが、中空部を有する環状電磁石を
ソレノイドプランジャーのように配列配置し、中空部の
中を永久磁石が取りつけられたロッドを貫通させ、この
ロッドの両端にダイヤフラム116,116を取りつけた構造
を採用することもできる。
このようなダイヤフラム式コンプレッサはコイル111
に交流電圧を印加して、電磁石113内に電源周波数の極
性反転に同期した磁界反転現象を生じさせると、永久磁
石114,114が磁界反転に対応して吸引、反発する。この
動作をロッド115の往復動作として取り出し、ダイヤフ
ラム116を振動させることにより圧縮空気を送出するも
のである。
このコンプレッサ本体102では第1実施例のように霧
状ジェットの噴出停止及び噴出量を制御する目的で、ハ
ンディプローブ1の圧縮空気案内路の途中部に圧縮空気
の流通量を絞り込んだ場合、ダイヤフラムの振動幅が小
さくなると同時に永久磁石114,114の振動幅が小さくな
るだけで過剰電流の発生を伴うことはなく、むしろ負荷
が軽減して消費電力が低減する。また第2実施例や第3
実施例のように圧縮空気を開放することで霧状ジェット
の噴出量制御を行うものにもダイヤフラム式コンプレッ
サは当然用いることができる。このようなダイヤフラム
式コンプレッサでは霧状ジェットの噴出量の制御に電気
系統を制御する通常制御方法以外に前述したように圧縮
空気の流通量をハンディプローブ1内部で直接制御する
方法も採用できるので優れた操作性が発揮される。
往復振動体利用のダイヤフラム式コンプレッサを用い
る利点の一つに、仮に本装置使用中に、噴射ノズル2先
端が歯茎部等に接触して空気の噴き出し量が規制される
ような事態が発生した場合でも、霧状ジェットが異常高
圧とならないことがあるのは前述したとおりであるが、
噴射ノズル2先端が歯茎部に接触した場合の霧状ジェッ
トの異常高圧化を回避する手段としては他の方法も考慮
される。例えば図33(a)(b)で示されるように噴射
ノズル2の先端構造を工夫することが考えられる。即
ち、図33(a)(b)に示すように噴射ノズル2先端面
に十字方向に凹部6,6,6,6を設ければ、図34に示すよう
に歯茎部305等に平面的に当たった場合でも、霧状ジェ
ットは凹部6を通じて側方に逃がすことができる。した
がって、このような構造の噴射ノズル2を用いた場合は
噴射ノズル2の前方への霧状ジェットの噴出が規制され
た場合でも、霧状ジェットが異常高圧化するおそれはな
いので、例えば噴射ノズル2を歯茎部至近距離に急激に
接近させた場合や噴射ノズル2を歯茎部に接触させたり
した場合でも、霧状ジェットが衝撃的に歯茎部に吹きつ
けるようなことはなく当たりを和らげることができる。
産業上の利用可能性 本発明の歯周ポケット清浄器具は2〜30リットル/分
の大量の圧縮空気に1〜10cc/分の少量の水又は薬液を
含む液剤を霧状に分散させた霧状ジェットを噴射ノズル
から噴き出して歯周ポケットの入口部を閉鎖している歯
肉片を押し開き、圧縮空気を歯周ポケット内に侵入させ
て圧縮空気中の酸素によって歯周病原菌を死滅させ、且
つ霧状ジェットに含まれる水分によって口腔内の乾燥防
止を行ったり、あるいは液剤として薬液を用いることに
より口腔内乾燥防止に加えて殺菌効果、消炎効果、プラ
ーク溶解効果、う触予防効果、歯石沈着予防効果、止血
効果、知覚過敏予防効果、局所麻酔効果等の薬効を発揮
させた。
本発明の歯周ポケット清浄器具が噴出する霧状ジェッ
トは圧縮空気が主体であり流体粘度が低いため、霧状ジ
ェットが目的とする歯周ポケットに侵入できなかった場
合でも、歯面等ではねかえった霧状ジェットの一部は方
向転換して目的とする歯周ポケットや他の歯周ポケット
に再侵入させることができるから噴射ノズルの口腔内で
の位置づけに厳密さが要求されず手軽に使用できる。
また本発明の歯周ポケット清浄器具は液剤の噴き出し
量が少なく、且つ液剤はハンディプローブの胴体部に一
体的にとりつけられるかあるいはハンディプローブ1の
胴体部の至近位置に配置された貯液タンクに収容されて
いるので0.05〜0.80Kg/cm2程度の小さな噴射圧力の圧縮
空気でも液剤は霧状となってノズル先端から噴射するこ
とができる。したがってエアーポンプとして小型のもの
が使用でき、装置の小型化と全体コストの低減がはかれ
る。そして、本歯周ポケット清浄器具は圧縮空気の噴射
圧力が小さいためデリケートな歯周ポケット内壁に損傷
を与えるおそれもない。
また液剤がハンディプローブに内蔵されているから、
従来のようにハンディプローブとは別体の本体装置に貯
留された水を長尺チューブを通じて吸い上げる場合のよ
うに、ハンディプローブの高さ位置によって噴霧状態に
差がでることもなく、どのような高さ位置でも安定した
霧状ジェットを発生させることができる。
また本歯周ポケット清浄器具では液剤使用量は極めて
少ないから、口から液剤が溢れ出したり、使用中に頻繁
に口腔内に溜まった水を吐き出す必要はないため洗面所
以外での使用も可能であり、例えばベッドサイドで使用
する等、使用場所が限定されない利点もある。
請求項3記載のように、圧縮空気の一部を分岐して貯
液タンク内部空間に導入して貯液タンク内液剤の液面を
加圧した場合は、液剤に対して押出し作用が働き、この
押出し作用がノズル先端部における減圧による液剤の吸
い出し作用と協働して液剤の吐出を支援する。したがっ
てこの場合、圧縮空気の噴射圧力はより小さくすること
ができるとともに、小さな噴射圧力でも安定した霧状ジ
ェットを発生させることができる。そして貯液タンクに
圧縮空気を導入しているため、液剤吸い出しによる貯液
タンク内の真空化現象を防止することが可能であり、液
剤が少なくなっても吸い出しが困難となることはなく液
剤の吸い出しを安定して行うことができる。また貯液タ
ンク内は真空化しないので、外部空気導入用の開口を貯
液タンクに設ける必要がなく貯液タンクの完全密閉化が
可能であり、貯液タンクが転倒した場合でも液漏れが発
生することはない。
請求項5記載のように、貯液タンクをハンディプロー
ブの胴体部と一体化することなく、貯液タンクをハンデ
ィプローブ胴体部の至近位置においてハンディプローブ
の胴体部とを連結チューブによって接続した場合は、ハ
ンディプローブ胴体部の軽量化がはかれるとともにハン
ディプローブ胴体部に貯液タンクが存在しないためハン
ディプローブが握りやすくなるとともにハンディプロー
ブ胴体部の細径化が可能となり、更に貯液タンクはハン
ディプローブが如何なる姿勢をとった場合でも定姿勢を
維持できるので液剤を液剤案内路を通じて噴射ノズルに
安定供給できるので、ハンディプローブの操作性が向上
し、例えば口腔内奥の入り組んだ場所へも噴射ノズル先
端を比較的容易に位置づけることができる。
また請求項6記載のように噴出口におけるエアー噴出
部の実質面積が0.5mm2〜20mm2の範囲であれば、噴射圧
力は所定の範囲でより安定し、好ましい霧状ジェットの
発生が保証される。
請求項7記載のように噴出口より噴射ノズルの軸線方
向に5mm離れた地点での風圧が1〜10g/π・(5mm)
設定した場合は、デリケートな歯周ポケット内壁を損傷
することなく適度な使用感を与えることができる。
請求項8記載のように液剤案内路の少なくともハンデ
ィプローブの噴射口に位置づけられる部分を柔軟性を有
するチューブによって構成した場合、自動センタリング
機能が発揮されて柔軟性チューブは噴射口の開口中心に
常時位置づけられるようになり、粒径の揃った霧状ジェ
ットの噴出が保証される。
請求項9記載のように柔軟性チューブの先端位置が、
噴出口の開口端位置に対して、噴射ノズルの軸線方向に
おいて±2mmの範囲であれば、柔軟性チューブの自動セ
ンタリング機能はより安定して発揮され、したがって粒
径の揃った霧状ジェットが得られる。
請求項10記載のようにエアーポンプがダイヤフラム式
コンプレッサであって、そのダイヤフラムの駆動源が電
磁石と永久磁石の反発吸引作用を利用した往復振動体で
ある場合、空気の通過路と駆動機構とは完全に遮断され
ているので清浄な圧縮空気をハンディプローブに送るこ
とができる。
また、請求項11記載のようにハンディプローブの圧縮
空気案内路又は、エアーポンプからハンディプローブに
圧縮空気を供給するための送気チューブの途中部に圧縮
空気の流通量を規制する手段を設けたり請求項10記載の
ようにハンディプローブの圧縮空気案内路又は、エアー
ポンプからハンディプローブに圧縮空気を供給するため
の送気チューブの途中部に圧縮空気を外部に排気する手
段を設けたときにはハンディプローブを操作している手
元で霧状ジェットの噴出量を自由に制御できる。しかも
手元での制御であることから制御操作に対する応答性も
高い。また、電気系統の制御によるものではないから、
水分等が付着するハンディプローブからの霧状ジェット
の噴射量調節として適している。
そして、特に圧縮空気の流通量を規制することにより
霧状ジェットの噴射量を制御した場合でも、電磁石と永
久磁石の反発吸引作用を利用した往復振動体を駆動源と
したダイヤフラム式コンプレッサを用いた場合は、この
ような圧縮空気の流通量規制はダイヤフラム式コンプレ
ッサに対する負荷増大を意味しないので、過剰負荷によ
る電力消費量の増大やコンプレッサの焼損がおこること
もない。
またハンディプローブへの圧縮空気の送給を規制した
り、使用中に、噴射ノズル先端部が歯茎部に接触する等
して、霧状ジェットの噴出量が規制されるようなことが
あっても、霧状ジェットの噴出圧が異常高圧となること
はないので安全である。
請求項13記載のようにノズル部をハンディプローブ本
体に対して分離可能となした場合や請求項14記載のよう
にノズル内液導管をハンディプローブ本体に対して分離
可能となした場合、他人が使用したノズル部やノズル内
液導管を廃棄して新しいものと取り替えたり、あるいは
自分専用のノズル部やノズル内液導管と取り替えること
により、仮に使用時にノズル部やノズル内液導管先端が
口腔内に接触したとしても病原菌が感染することはな
く、病院内感染を防止できる。また必要に応じて長さや
形状の異なったノズル部と交換することで、口腔内の噴
射対象部位の変更に対応して霧状ジェットの噴射態様を
変えることができる。またノズル内液導管の内径を変え
ることによって液剤の噴出量を変えることもできる。
請求項15記載のように噴射ノズルとノズル内液導管と
を予め一体化して供給した場合、噴射ノズルの交換とノ
ズル内液導管の交換は同時になされる。したがって交換
時における噴射ノズル内所定位置に正確にノズル内液導
管を位置づける必要がなくなり、ユーザー自身による噴
射ノズル及びノズル内液導管の交換作業が簡易になると
ともに、メーカーサイドでノズル内液導管を予め噴射ノ
ズル内で組み込んで供給できるから、高精度な組み付け
が可能であり安定した霧状ジェットの噴出が保証でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 敬 大阪府高槻市栄町2丁目24−10 (72)発明者 浅井 智子 大阪府大阪市住之江区平林北2丁目8− 24 (56)参考文献 特開 平5−68689(JP,A) 実公 平4−4733(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 17/00 - 17/04

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアージェット噴出機構を備えたハンディ
    プローブと、圧縮空気を作り出すエアーポンプと、前記
    エアーポンプから前記ハンディプローブに圧縮空気を送
    給するための送気チューブとから構成される歯周ポケッ
    ト清浄器具であって、ハンディプローブは、 先端に噴出口を備えた噴射ノズルと、 水又は薬液を含む液剤を貯留する貯液タンクと、 前記貯液タンク内の液剤を前記噴射ノズルを経由して噴
    出口の略中心位置にまで案内する液剤案内路と、 外部供給される圧縮空気を、前記噴射ノズルを経由して
    噴出口における前記液剤案内路を包囲する位置に案内す
    る圧縮空気案内路と、 を備えた構成であり、且つ前記ハンディプローブのノズ
    ルから噴出する圧縮空気の噴射圧力が0.05〜0.80Kg/c
    m2、圧縮空気の噴き出し量が2〜30リットル/分、液剤
    の噴き出し量が1〜10cc/分の範囲に設定された歯周ポ
    ケット清浄器具。
  2. 【請求項2】液剤案内路を、貯液タンクから前記噴射ノ
    ズルの導入部にまで液剤を導く液剤供給管と、噴射ノズ
    ルの内部空間をノズル外筒に対して同軸状に貫通して噴
    出口の略中心位置にまで液剤を案内するノズル内液導管
    とより構成し、 圧縮空気案内路を、外部供給される圧縮空気を前記噴射
    ノズルの導入部にまで導くノズル外送気路と、噴射ノズ
    ルに導入された圧縮空気を前記ノズル内液導管の周囲を
    同軸状に包囲するようにして噴出口にまで導くノズル内
    送気路とより構成した請求項1記載の歯周ポケット清浄
    器具。
  3. 【請求項3】圧縮空気案内路を分岐させ、分岐させた圧
    縮空気案内路の一方を噴射ノズルに導くとともに他方を
    貯液タンク内部空間に導いてなる請求項1又は2記載の
    歯周ポケット清浄器具。
  4. 【請求項4】噴射ノズルに連設されたハンディプローブ
    の胴体部に貯液タンクが一体化されている請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の歯周ポケット清浄器具。
  5. 【請求項5】噴射ノズルに連設されたハンディプローブ
    の胴体部と貯液タンクが、ハンディプローブ胴体部から
    導出された連結チューブによって接続されている請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の歯周ポケット清浄器具。
  6. 【請求項6】噴射口における液剤案内路を除いたエアー
    噴出部の実質面積が0.5mm2〜20mm2の範囲である請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の歯周ポケット清浄器具。
  7. 【請求項7】噴射口より噴射ノズルの軸線方向に沿って
    5mm離れた地点での風圧が1〜10g/π・(5mm)である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯周ポケット清浄
    器具。
  8. 【請求項8】液剤案内路の少なくともハンディプローブ
    の噴射口に位置づけられる部分が柔軟性を有するチュー
    ブによって構成されている請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の歯周ポケット清浄器具。
  9. 【請求項9】噴射口の開口中心位置に位置づけられる柔
    軟性チューブの先端位置は、ノズル外筒の開口端位置に
    対して、ノズルの軸線方向において±2mmの範囲である
    請求項8記載の歯周ポケット清浄器具。
  10. 【請求項10】エアーポンプがダイヤフラム式コンプレ
    ッサであって、そのダイヤフラムの駆動源が電磁石と永
    久磁石の反発吸引作用を利用した往復振動体である請求
    項1〜9のいずれか1項に記載の歯周ポケット清浄器
    具。
  11. 【請求項11】ハンディプローブの圧縮空気案内路又
    は、エアーポンプからハンディプローブに圧縮空気を供
    給するための送気チューブの途中部に圧縮空気の流通量
    を規制する手段を設けた請求項10記載の歯周ポケット清
    浄器具。
  12. 【請求項12】ハンディプローブの圧縮空気案内路又
    は、エアーポンプからハンディプローブに圧縮空気を供
    給するための送気チューブの途中部に圧縮空気の一部を
    圧縮空気案内路外部又は送気チューブ外部に排気する手
    段を設けた請求項10記載の歯周ポケット清浄器具。
  13. 【請求項13】噴射ノズルがハンディプローブ本体に対
    して分離可能である請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の歯周ポケット清浄器具。
  14. 【請求項14】ノズル内液導管がハンディプローブ本体
    に対して分離可能である請求項1〜13のいずれか1項に
    記載の歯周ポケット清浄器具。
  15. 【請求項15】噴射ノズルとノズル内液導管とが予め一
    体的に固定されている請求項13又は14記載の歯周ポケッ
    ト清浄器具。
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