JP3636454B2 - 往復動式モータの固定子 - Google Patents
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- H02K33/16—Motors with reciprocating, oscillating or vibrating magnet, armature or coil system with polarised armatures moving in alternate directions by reversal or energisation of a single coil system
Description
【０００１】
〔技術分野〕
本発明は、往復動式モータの固定子に係るもので、詳しくは、部品を簡単に製造し得る往復動式モータの固定子に関するものである。
〔背景技術〕
一般に、モータは、電気エネルギーを運動エネルギーに変換させる機器で、電気エネルギーを回転運動に変換させる回転型モータと、電気エネルギーを直線状往復運動に変換させる往復動式モータとに分類される。
【０００２】
モータは、動力源としての使用分野が多様であり、特に、家電製品においては、冷蔵庫、エアコンディショナ等、ほぼ全ての製品に装着されている。
【０００３】
冷蔵庫及びエアコンディショナの場合、送風ファンを回転させるために使用されることもあるが、その冷蔵庫及びエアコンディショナを構成する冷蔵サイクル装置の圧縮機に装着されて動力源として使用されることもある。
【０００４】
図1、2は、本出願人が研究開発中の往復動式モータの一例を示したもので、図示されたように、往復動式モータは、環状に形成されていて、その内部にコイル110が巻線されたボビン100と、そのボビン100の側に外部の電源からボビン100に巻線したコイル110に電気的に接続する端子部120と、U字状の薄板で形成された複数のラミネーションシート210がボビン100を中心に円筒状をなすように放射状に積層されたアウターコア200と、所定幅及び長さに形成されて、その長さ方向を中心に上下が非対称に形成された複数のラミネーションシート310が円筒状をなすように放射状に積層されて、アウターコア200の内部に挿入されるインナーコア300と、アウターコア200とインナーコア300間に挿入される可動子400とを含んで構成されている。
【０００５】
ボビン100を含むアウターコア200及びインナーコア300は固定子(S)を構成するようになる。
【０００６】
一方、インナーコア300をアウターコア200の外側に位置することができる。即ち、インナーコア300側にボビン100が位置するように構成して、アウターコア200にボビン100を取り付けないように構成することもできる。
【０００７】
アウターコア200を構成する複数のラミネーションシート210は、その内側に形成された開口溝(H)にボビン100を挿入するように積層し、そのラミネーションシート210の両端が極をなす磁極部211となり、それ以外の部分は磁束が流れるパス部212となる。
【０００８】
インナーコア300を構成するラミネーションシート310は、アウターコア200のラミネーションシート210と対面する部分が長く、その反対側が短くなるように形成され、その両端に一方に開口された結合溝311が形成される。
【０００９】
可動子400は、円筒に形成された磁石ホルダー410、及びその磁石ホルダー410の外周面にしっかり固定された複数の永久磁石420で構成される。
【００１０】
そして、図３に示されたように、その複数のラミネーションシート310が円筒をなすように放射状に積層した積層体(L)は、その凹溝によって形成される環状のリング結合溝311に環状の固定リング312が圧入されてしっかり固定される。
【００１１】
図２中、符号220はアウターコアの固定リングを示したものである。
【００１２】
このような往復動式モータは、図4に示されたように、巻線コイル110に電流が流れると、その巻線コイル110に流れる電流によって巻線コイル110の周辺に磁束が形成され、その磁束は、アウターコア200及びインナーコア300に沿って閉ループを形成して通れるようになる。
【００１３】
巻線コイル110に流れる電流による磁束、及び可動子400を構成する永久磁石420による相互作用によって、可動子400は中心軸方向に動くようになる。
【００１４】
そして、巻線コイル110に流れる電流の方向を変えると、アウターコア200及びインナーコア300に形成される磁束の方向が変わり、可動子400が反対方向に動くようになる。
【００１５】
このように電流の方向を交互に変えて供給すると、可動子400は前記アウターコア200とインナーコア300間で直線的に往復運動をするようになる。これによって、可動子400は直線的往復駆動力を有するようになる。
【００１６】
一方、固定子(S)を構成するアウターコア200及びインナーコア300が複数のラミネーションシートの積層体に構成することで、固定子に流れる磁束の損失を低減されるようになる。
【００１７】
然し、このような従来の構造においては、固定子(S)を製造する時、その固定子(S)のインナーコア300を構成するラミネーションシート310が長手方向の中心線に対して非対称に形成されるため、その複数のラミネーションシート310を円筒状に放射積層する時、その各ラミネーションシート310の向きを合わせて積層させなければならなく、積層の作業が煩雑であって生産性を低下させることは勿論で、大量生産に適合しないという問題点があった。
〔発明の詳細な説明〕
従って、このような点を勘案して案出した本発明は、部品の製造を簡単にすることができ、組立能率を向上し得るようにした往復動式モータの固定子を提供することを目的とする。
【００１８】
このような本発明の目的を達成するために、コイルを巻線したボビンと、該ボビンと一体に形成して、外部の電源からコイルに電気的に接続する端子部と、所定の形状を有する薄板で形成された複数のラミネーションシートがボビンに沿って放射状に積層される第1積層コアと、所定の幅を有する複数のラミネーションシートを円筒状をなすように放射状に積層し、第1積層コアの内側または外側に位置するように組み立てた第2積層コアと、を備える往復動式モータの固定子において、第 2 積層コアのラミネーションシートは、固定用リング挿入溝を有し、その長さ方向の中心線に対して上下に対称に形成されると共に、その幅方向の中心線に対して左右に対称に形成されることを特徴とする往復動式モータの固定子が提供されている。
〔実施例〕
以下、本発明に係る往復動式モータを図面に示した実施例に従って説明する。
図5は本発明に係る往復動式モータの固定子の一例が具備された往復動式モータを示したもので、図示されたように、往復動式モータは、コイル510が巻線された絶縁体のボビン500の側に、外部の電源からコイル510に電気的に接続する端子部520が一体に形成される。
【００１９】
そして、ボビン500の外側に第1積層コア600が組み合わされ、その第1積層コア600は、U字状の薄板で形成された複数のラミネーションシート610がボビン500に沿って放射状に積層される積層体で形成される。
【００２０】
第1積層コア600を構成する複数のラミネーションシート610は、その内側に形成された開口溝(H)にボビン500が挿入されるように、端子部520のある面から他の面まで積層され、そのラミネーションシート610の両端が極をなす磁極部611となり、それ以外の部分は磁束が流れるパス部612となる。
【００２１】
そして、第1積層コア600の内部に第2積層コア700が所定間隔をおいて挿入される。
【００２２】
第2積層コア700は、図6に示されたように、所定幅及び長さを有するように形成されると共に、その長さ方向の中心線に対して、上下が対称性を有するように形成された複数のラミネーションシート710が円筒状をなすように放射状に積層された積層体(L')、及びその積層体(L')を固定する固定リング720で構成されている。
【００２３】
また、第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、その長さ方向に対する垂直中心線を基準に左右が対称性を有するように形成される。
【００２４】
第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、所定幅及び長さに形成された矩形状の四角板部711、及びその四角板部711の長さ方向の中心両端に所定幅及び深さに形成されたリング挿入溝712をそれぞれ含んで構成されている。
【００２５】
ラミネーションシート710は、円筒状をなすように放射状に積層された後、その複数のラミネーションシート710のリング挿入溝712によって形成された環状溝に環状の固定リング720を圧入する。
【００２６】
また、第2積層コア700のラミネーションシートの変形例は、図7に示されたように、ラミネーションシート730は、所定幅及び長さに形成された矩形の四角板部731と、その四角板体部731の長さ方向の中心両端に所定幅及び深さにそれぞれ形成されたリング挿入溝732と、そのリング挿入溝732の上下に、四角板部731の角が鋭角をなすようにそれぞれ形成される切開溝733とを含んで構成されている。この時、切開溝733は三角状に形成されることが好ましい。
【００２７】
そして、第1積層コア600と第2積層コア700間に可動子800を挿入する。該可動子800は、円筒に形成された磁石ホルダー810、及びその磁石ホルダー810の外周面にしっかり固定された複数の永久磁石820で構成される。
【００２８】
また、本発明の他の実施例においては、図8に示されたように、コイル510が巻線された絶縁体のボビン500と、該ボビン500と一体に形成されて、外部の電源からコイル510に電気的に接続する端子部520と、所定の形状を有する薄板で形成された複数のラミネーションシート510がボビン500に沿って放射状に積層される第1積層コア600と、所定幅及び長さに形成されると共に、その長さ方向の中心線に対して、上下が対称性を有するように形成された複数のラミネーションシート710が円筒状をなすように放射状に積層されて、第1積層コア600の外側に位置するように組み立てられた第2積層コア700とを含んで構成されている。
【００２９】
即ち、第1積層コア600は第2積層コア700と所定間隔をおいてその内部に挿入される。
【００３０】
また、第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、その長さ方向に対して垂直中心線を基準に左右が対称に形成される。
【００３１】
即ち、第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、所定幅及び長さに形成された矩形状の四角板部711、及びその四角板部711の長さ方向の中心両端に所定幅及び深さに形成されたリング挿入溝712をそれぞれ含んで構成されている。
【００３２】
そして、第1積層コア600と第2積層コア700間に可動子800が挿入される。
【００３３】
以下、本発明に係る往復動式モータの固定子の作用効果について説明する。
【００３４】
まず、往復動式モータは、ボビン500の内部に位置する巻線コイル510に電流が流れると、その巻線コイル510に流れる電流によって、第1積層コア600及び第2積層コア700に沿って閉ループを形成して磁束が通れるようになる。
【００３５】
巻線コイル510に流れる電流による磁束と可動子800を構成する永久磁石820との相互作用によって、可動子800は中心軸方向に動くようになる。
【００３６】
そして、巻線コイル510に流れる電流の方向を変えると、第1積層コア600及び第2積層コア700に形成される磁束の方向が変わり、永久磁石820は反対方向に動くようになる。
【００３７】
このように電流の方向を交互に変えて供給すると、可動子800は第1積層コア600と第2積層コア700間で直線的に往復運動をするようになる。
【００３８】
一方、往復動式モータの第2積層コア700を構成する複数のラミネーションシート710は、その長さ方向の中心線を基準にして上下左右に対称性を有するように形成するため、その複数のラミネーションシート710を放射積層する時に向きに注意する必要がなくなり、特定の向きに整列しなくても積層が可能になる。
【００３９】
そして、図7に示したように、切開溝733の具備された複数のラミネーションシート730が積層された第2積層コア700の場合、その形状的な特性によって、前記第1積層コア600の磁極部611を通した磁束の通りが円滑になる。
〔産業上の利用可能性〕
以上説明したように、本発明に係る往復動式モータの固定子においては、放射積層体を構成する複数のラミネーションシートは、その長さ方向の中心線を基準に上下が対称に構成され、その複数のラミネーションシートを積層する時、特定の方向に整列しなくても積層が可能となり、積層作業が簡単且つ便利になって、組立生産性を向上させるだけでなく、量産性を高められるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 現在開発進行中の往復動式モータの正面断面図である。
【図２】 現在開発進行中の往復動式モータの側面図である。
【図３】 現在開発中の往復動式モータを構成するインナーコアを分解した斜視図である。
【図４】 現在開発中の往復動式モータの動作状態を示した正面断面図である。
【図５】 本発明に係る往復動式モータの固定子が具備された往復動式モータの正面断面図である。
【図６】 本発明に係る往復動式モータの固定子を分解した斜視図である。
【図７】 本発明に係る往復動式モータの固定子を構成するラミネーションシートの変形例を示した正面図である。
【図８】 本発明に係る往復動式モータの他の実施例を示した断面図である。
〔技術分野〕
本発明は、往復動式モータの固定子に係るもので、詳しくは、部品を簡単に製造し得る往復動式モータの固定子に関するものである。
〔背景技術〕
一般に、モータは、電気エネルギーを運動エネルギーに変換させる機器で、電気エネルギーを回転運動に変換させる回転型モータと、電気エネルギーを直線状往復運動に変換させる往復動式モータとに分類される。
【０００２】
モータは、動力源としての使用分野が多様であり、特に、家電製品においては、冷蔵庫、エアコンディショナ等、ほぼ全ての製品に装着されている。
【０００３】
冷蔵庫及びエアコンディショナの場合、送風ファンを回転させるために使用されることもあるが、その冷蔵庫及びエアコンディショナを構成する冷蔵サイクル装置の圧縮機に装着されて動力源として使用されることもある。
【０００４】
図1、2は、本出願人が研究開発中の往復動式モータの一例を示したもので、図示されたように、往復動式モータは、環状に形成されていて、その内部にコイル110が巻線されたボビン100と、そのボビン100の側に外部の電源からボビン100に巻線したコイル110に電気的に接続する端子部120と、U字状の薄板で形成された複数のラミネーションシート210がボビン100を中心に円筒状をなすように放射状に積層されたアウターコア200と、所定幅及び長さに形成されて、その長さ方向を中心に上下が非対称に形成された複数のラミネーションシート310が円筒状をなすように放射状に積層されて、アウターコア200の内部に挿入されるインナーコア300と、アウターコア200とインナーコア300間に挿入される可動子400とを含んで構成されている。
【０００５】
ボビン100を含むアウターコア200及びインナーコア300は固定子(S)を構成するようになる。
【０００６】
一方、インナーコア300をアウターコア200の外側に位置することができる。即ち、インナーコア300側にボビン100が位置するように構成して、アウターコア200にボビン100を取り付けないように構成することもできる。
【０００７】
アウターコア200を構成する複数のラミネーションシート210は、その内側に形成された開口溝(H)にボビン100を挿入するように積層し、そのラミネーションシート210の両端が極をなす磁極部211となり、それ以外の部分は磁束が流れるパス部212となる。
【０００８】
インナーコア300を構成するラミネーションシート310は、アウターコア200のラミネーションシート210と対面する部分が長く、その反対側が短くなるように形成され、その両端に一方に開口された結合溝311が形成される。
【０００９】
可動子400は、円筒に形成された磁石ホルダー410、及びその磁石ホルダー410の外周面にしっかり固定された複数の永久磁石420で構成される。
【００１０】
そして、図３に示されたように、その複数のラミネーションシート310が円筒をなすように放射状に積層した積層体(L)は、その凹溝によって形成される環状のリング結合溝311に環状の固定リング312が圧入されてしっかり固定される。
【００１１】
図２中、符号220はアウターコアの固定リングを示したものである。
【００１２】
このような往復動式モータは、図4に示されたように、巻線コイル110に電流が流れると、その巻線コイル110に流れる電流によって巻線コイル110の周辺に磁束が形成され、その磁束は、アウターコア200及びインナーコア300に沿って閉ループを形成して通れるようになる。
【００１３】
巻線コイル110に流れる電流による磁束、及び可動子400を構成する永久磁石420による相互作用によって、可動子400は中心軸方向に動くようになる。
【００１４】
そして、巻線コイル110に流れる電流の方向を変えると、アウターコア200及びインナーコア300に形成される磁束の方向が変わり、可動子400が反対方向に動くようになる。
【００１５】
このように電流の方向を交互に変えて供給すると、可動子400は前記アウターコア200とインナーコア300間で直線的に往復運動をするようになる。これによって、可動子400は直線的往復駆動力を有するようになる。
【００１６】
一方、固定子(S)を構成するアウターコア200及びインナーコア300が複数のラミネーションシートの積層体に構成することで、固定子に流れる磁束の損失を低減されるようになる。
【００１７】
然し、このような従来の構造においては、固定子(S)を製造する時、その固定子(S)のインナーコア300を構成するラミネーションシート310が長手方向の中心線に対して非対称に形成されるため、その複数のラミネーションシート310を円筒状に放射積層する時、その各ラミネーションシート310の向きを合わせて積層させなければならなく、積層の作業が煩雑であって生産性を低下させることは勿論で、大量生産に適合しないという問題点があった。
〔発明の詳細な説明〕
従って、このような点を勘案して案出した本発明は、部品の製造を簡単にすることができ、組立能率を向上し得るようにした往復動式モータの固定子を提供することを目的とする。
【００１８】
このような本発明の目的を達成するために、コイルを巻線したボビンと、該ボビンと一体に形成して、外部の電源からコイルに電気的に接続する端子部と、所定の形状を有する薄板で形成された複数のラミネーションシートがボビンに沿って放射状に積層される第1積層コアと、所定の幅を有する複数のラミネーションシートを円筒状をなすように放射状に積層し、第1積層コアの内側または外側に位置するように組み立てた第2積層コアと、を備える往復動式モータの固定子において、第 2 積層コアのラミネーションシートは、固定用リング挿入溝を有し、その長さ方向の中心線に対して上下に対称に形成されると共に、その幅方向の中心線に対して左右に対称に形成されることを特徴とする往復動式モータの固定子が提供されている。
〔実施例〕
以下、本発明に係る往復動式モータを図面に示した実施例に従って説明する。
図5は本発明に係る往復動式モータの固定子の一例が具備された往復動式モータを示したもので、図示されたように、往復動式モータは、コイル510が巻線された絶縁体のボビン500の側に、外部の電源からコイル510に電気的に接続する端子部520が一体に形成される。
【００１９】
そして、ボビン500の外側に第1積層コア600が組み合わされ、その第1積層コア600は、U字状の薄板で形成された複数のラミネーションシート610がボビン500に沿って放射状に積層される積層体で形成される。
【００２０】
第1積層コア600を構成する複数のラミネーションシート610は、その内側に形成された開口溝(H)にボビン500が挿入されるように、端子部520のある面から他の面まで積層され、そのラミネーションシート610の両端が極をなす磁極部611となり、それ以外の部分は磁束が流れるパス部612となる。
【００２１】
そして、第1積層コア600の内部に第2積層コア700が所定間隔をおいて挿入される。
【００２２】
第2積層コア700は、図6に示されたように、所定幅及び長さを有するように形成されると共に、その長さ方向の中心線に対して、上下が対称性を有するように形成された複数のラミネーションシート710が円筒状をなすように放射状に積層された積層体(L')、及びその積層体(L')を固定する固定リング720で構成されている。
【００２３】
また、第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、その長さ方向に対する垂直中心線を基準に左右が対称性を有するように形成される。
【００２４】
第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、所定幅及び長さに形成された矩形状の四角板部711、及びその四角板部711の長さ方向の中心両端に所定幅及び深さに形成されたリング挿入溝712をそれぞれ含んで構成されている。
【００２５】
ラミネーションシート710は、円筒状をなすように放射状に積層された後、その複数のラミネーションシート710のリング挿入溝712によって形成された環状溝に環状の固定リング720を圧入する。
【００２６】
また、第2積層コア700のラミネーションシートの変形例は、図7に示されたように、ラミネーションシート730は、所定幅及び長さに形成された矩形の四角板部731と、その四角板体部731の長さ方向の中心両端に所定幅及び深さにそれぞれ形成されたリング挿入溝732と、そのリング挿入溝732の上下に、四角板部731の角が鋭角をなすようにそれぞれ形成される切開溝733とを含んで構成されている。この時、切開溝733は三角状に形成されることが好ましい。
【００２７】
そして、第1積層コア600と第2積層コア700間に可動子800を挿入する。該可動子800は、円筒に形成された磁石ホルダー810、及びその磁石ホルダー810の外周面にしっかり固定された複数の永久磁石820で構成される。
【００２８】
また、本発明の他の実施例においては、図8に示されたように、コイル510が巻線された絶縁体のボビン500と、該ボビン500と一体に形成されて、外部の電源からコイル510に電気的に接続する端子部520と、所定の形状を有する薄板で形成された複数のラミネーションシート510がボビン500に沿って放射状に積層される第1積層コア600と、所定幅及び長さに形成されると共に、その長さ方向の中心線に対して、上下が対称性を有するように形成された複数のラミネーションシート710が円筒状をなすように放射状に積層されて、第1積層コア600の外側に位置するように組み立てられた第2積層コア700とを含んで構成されている。
【００２９】
即ち、第1積層コア600は第2積層コア700と所定間隔をおいてその内部に挿入される。
【００３０】
また、第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、その長さ方向に対して垂直中心線を基準に左右が対称に形成される。
【００３１】
即ち、第2積層コア700を構成するラミネーションシート710は、所定幅及び長さに形成された矩形状の四角板部711、及びその四角板部711の長さ方向の中心両端に所定幅及び深さに形成されたリング挿入溝712をそれぞれ含んで構成されている。
【００３２】
そして、第1積層コア600と第2積層コア700間に可動子800が挿入される。
【００３３】
以下、本発明に係る往復動式モータの固定子の作用効果について説明する。
【００３４】
まず、往復動式モータは、ボビン500の内部に位置する巻線コイル510に電流が流れると、その巻線コイル510に流れる電流によって、第1積層コア600及び第2積層コア700に沿って閉ループを形成して磁束が通れるようになる。
【００３５】
巻線コイル510に流れる電流による磁束と可動子800を構成する永久磁石820との相互作用によって、可動子800は中心軸方向に動くようになる。
【００３６】
そして、巻線コイル510に流れる電流の方向を変えると、第1積層コア600及び第2積層コア700に形成される磁束の方向が変わり、永久磁石820は反対方向に動くようになる。
【００３７】
このように電流の方向を交互に変えて供給すると、可動子800は第1積層コア600と第2積層コア700間で直線的に往復運動をするようになる。
【００３８】
一方、往復動式モータの第2積層コア700を構成する複数のラミネーションシート710は、その長さ方向の中心線を基準にして上下左右に対称性を有するように形成するため、その複数のラミネーションシート710を放射積層する時に向きに注意する必要がなくなり、特定の向きに整列しなくても積層が可能になる。
【００３９】
そして、図7に示したように、切開溝733の具備された複数のラミネーションシート730が積層された第2積層コア700の場合、その形状的な特性によって、前記第1積層コア600の磁極部611を通した磁束の通りが円滑になる。
〔産業上の利用可能性〕
以上説明したように、本発明に係る往復動式モータの固定子においては、放射積層体を構成する複数のラミネーションシートは、その長さ方向の中心線を基準に上下が対称に構成され、その複数のラミネーションシートを積層する時、特定の方向に整列しなくても積層が可能となり、積層作業が簡単且つ便利になって、組立生産性を向上させるだけでなく、量産性を高められるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 現在開発進行中の往復動式モータの正面断面図である。
【図２】 現在開発進行中の往復動式モータの側面図である。
【図３】 現在開発中の往復動式モータを構成するインナーコアを分解した斜視図である。
【図４】 現在開発中の往復動式モータの動作状態を示した正面断面図である。
【図５】 本発明に係る往復動式モータの固定子が具備された往復動式モータの正面断面図である。
【図６】 本発明に係る往復動式モータの固定子を分解した斜視図である。
【図７】 本発明に係る往復動式モータの固定子を構成するラミネーションシートの変形例を示した正面図である。
【図８】 本発明に係る往復動式モータの他の実施例を示した断面図である。
Claims (3)
- コイルが巻線されたボビンと、
該ボビンと一体に形成されて、外部の電源から前記コイルに電気的に接続する端子部と、
所定の形状を有する薄板で形成された複数のラミネーションシートが前記ボビンに沿って放射状に積層される第1積層コアと、
所定の幅を有する複数のラミネーションシートが円筒状をなすように放射状に積層され、前記第1積層コアの内側または外側に位置するように結合される第2積層コアと、を備える往復動式モータの固定子において、
前記第 2 積層コアのラミネーションシートは、固定用リング挿入溝を有し、該第２積層コアのラミネーションシートの長さ方向の中心線に対して上下に対称に形成されると共に、その幅方向の中心線に対して左右に対称に形成されることを特徴とする往復動式モータの固定子。 - 前記第2積層コアのラミネーションシートは、所定幅及び長さを有する矩形状の四角板部、及びその四角板部の長さ方向の中心線の両端に所定幅及び深さを有するリング挿入溝をそれぞれ含んで構成される請求項１に記載の往復動式モータの固定子。
- 前記第2積層コアのラミネーションシートは、所定幅及び長さに形成された矩形の四角板部と、その四角板部の長さ方向の中心線の両端に所定幅及び深さを有するようにそれぞれ形成されるリング挿入溝と、そのリング挿入溝の上下に、前記四角板部の角が鋭角をなすようにそれぞれ形成される切開溝とを含んで構成される請求項１に記載の往復動式モータの固定子。
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