JP3484596B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP3484596B2 JP17518196A JP17518196A JP3484596B2 JP 3484596 B2 JP3484596 B2 JP 3484596B2 JP 17518196 A JP17518196 A JP 17518196A JP 17518196 A JP17518196 A JP 17518196A JP 3484596 B2 JP3484596 B2 JP 3484596B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステルの製造
方法に関するものであり、テレフタル酸(以下TPAと
いう)またはそのエステル形成性誘導体と、エチレング
リコール(以下EGという)、1,4−ブタンジオール
(以下BGという)などのグリコールまたはそのエステ
ル形成性誘導体の使用量を最小限とし、さらにポリエス
テルの品質を安定化する方法である。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、ポリエステル
は、例えばポリエチレンテレフタレートの場合、スラリ
ー混合機でスラリー化されたTPAとEGが、エステル
化反応装置に送られエステル化反応した後、生成するポ
リエステル低重合体が続いて重縮合反応装置に送られ重
縮合反応することにより製造される。
【0004】ここで、反応性を向上させるため、EG
は、TPAに対して通常1.05〜1.5モル倍供給さ
れなければならない上、各反応において配合される触媒
成分や添加物も、大部分は溶媒にEGを使用しており、
結局工程内にはポリエステル中に含まれる理論EG量に
対して過剰のEGが存在することになる。その結果、エ
ステル化反応装置や重縮合反応装置から、EGを一部留
出させて、抜き出す必要が生じ、このEG(以下留出E
Gという)には、水分や共沸・飛沫同伴したポリエステ
ル低重合体が含まれることになる。
【0005】また、ポリエステル重合設備は、通常この
ように工程から発生する留出EGや追加供給するEGを
一括して、純度の高いEGに精製する回収工程を有して
おりここで精製した高純度のEGを原料として再使用し
ているが、回収率100%とはいかず、トータルでみる
とEGの使用量が大きくなりコストアップ原因の一つと
なっていた。また、EGの回収で取り除かれる物質は主
として、水を初めとする低沸点成分と、ポリエステル低
重合体や製造工程にて供給する触媒・添加物のような高
沸点成分とであるが、特に後者が廃棄処分されること
は、同じくトータルに見てTPA・EG・触媒・添加物
の使用量を大幅に増大させコストアップの大きな原因と
なる。これまで、このコストアップ要因を解決すべくさ
まざまな検討がなされてきた。その解決法の一つが、発
生する留出EGを、回収精製工程を経ずに直接原料とし
て、再度使用する方法であるが、その方法は、特開昭5
3−126096号公報、特公昭59−48058号公
報等に開示されている。しかしながら、この方法だけで
は上述のコスト面の問題を解決することは可能であって
も、上述したような留出EG中には低沸点や高沸点成分
が含まれており、これらの成分が一定割合で含まれるの
ではないため、原料供給部のEG/TPAモル比を一定
に保つ手段がなく、製造されるポリエステルポリマーの
品質の経時的なばらつきが大変大きくなってしまう。こ
のため、問題をすべて解消するには至っていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上述べ
たような従来方法による問題点をまとめて解決するため
に鋭意検討を続けてきた結果、各工程から発生する留出
グリコールを、必ずしも回収工程を通さずに直接原料化
し、大幅なコストダウンを図るとともに、原料の成分を
一定にする方法について検討した結果、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は第一の発明として、
「テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導
体、ならびにグリコールおよび/またはそのエステル形
成性誘導体を原料としてエステル化反応装置に供給して
エステル化反応を行い、得られたポリエステル低重合体
を重縮合反応装置に供給して重縮合することによりポリ
エステルを製造する方法において、エステル化反応装置
および/または重縮合反応装置から排出されるグリコー
ルおよび/またはそのエステル形成性誘導体を主体とす
る留出液を、原料として一部または全量、再利用する工
程を有するものであり、さらに再利用する留出液中の
水、該グリコールおよびそのエステル形成性誘導体の少
なくとも1種類の成分の含有率を、連続的または断続的
に測定し、その含有率の測定結果によって、原料の投入
量を決定し、決定された投入量に基づいて、原料を反応
装置に投入する工程を有するポリエステルの製造方
法。」からなるものであり、第2の発明として「テレフ
タル酸および/またはそのエステル形成性誘導体、なら
びにグリコールおよび/またはそのエステル形成性誘導
体を原料としてエステル化反応装置に供給してエステル
化反応を行い、得られたポリエステル低重合体を重縮合
反応装置に供給して重縮合することによりポリエステル
を製造する方法において、エステル化反応装置および/
または重縮合反応装置から排出されるグリコールおよび
/またはそのエステル形成性誘導体を主体とする留出液
を、原料として一部または全量、再利用する工程を有す
るものであり、さらに該留出液を原料として再利用する
前に、エステル化反応装置に供給するグリコールおよび
/またはそのエステル形成性誘導体の量に対して12時
間以上分の容量をもつ貯槽に貯留した後、当該グリコー
ルおよび/またはそのエステル形成性誘導体を反応装置
に投入する工程を有することを特徴とするポリエステル
の製造方法」からなる。。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0009】本発明のポリエステルとはTPAまたはそ
のエステル形成性誘導体をジカルボン酸成分とし、E
G、BGなどのグリコールまたはそのエステル形成性誘
導体をグリコール成分とするポリエステルを対象とし、
好ましくはポリエチレンテレフタレートおよびポリブチ
レンテレフタレートである。
【0010】なお、TPA成分の一部を、例えば5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソ
フタル酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−
ヒドロキシ安息香酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、4´,4−ジフェニルメタ
ンジカルボン酸、4´,4−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、1,2´
−ジフェノキシエタンp,p´−ジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸な
どの二官能性カルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体で置き換えるか、またはグリコール成分の一部をトリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシベン
ゼン、ビスフェノールAなどの脂肪族、脂環族、芳香族
のジオキシ化合物またはそのエステル形成性誘導体で置
き換えた主鎖の繰り返し単位の70モル%以上がエチレ
ンテレフタレート単位およびテトラメチレンテレフタレ
ート単位から選ばれるエステル単位である共重合ポリエ
ステルであってもよい。
【0011】また、本発明のポリエステルの製造法は連
続式であっても回分式であってもよい。
【0012】以下、本発明の第1の製造方法を図面を用
いて説明する。なお、以下ジオール成分としてEGにつ
いて説明しているが、本発明はEGのみに制限されるも
のではない。
【0013】図1は本発明製造方法を説明する概念図で
ある。図1において、TPAとEGとをスラリー混合機
1に一定モル比として供給し、スラリーとする。このス
ラリーを原料として、ポンプ2によってエステル化反応
装置3に送る。図1の方法では、TPAとEGとをスラ
リー化しているが、必ずしもその形状とせずエステル化
反応装置3に供給することができる。エステル化反応装
置3では、好ましくは240〜270℃,常圧〜0.3
MPaの条件にて反応し、エステル化反応装置4に送
る。なお、エステル化反応では、重合触媒および必要に
応じて顔料が添加され、それらはEGに溶解、または分
散されて投入されるのが一般的である。
【0014】エステル化反応装置3で反応し生成した水
は、低沸点成分とともに精留塔5の塔頂より留出水とし
て分離され、EGは精留塔5の下部より、缶出液として
エステル化反応装置3に戻される。エステル化反応装置
4で発生した、水や低沸点成分や飛沫同伴したポリエス
テル低重合体を含む留出EGは、EG貯槽6に送られ
る。こうしてエステル化反応装置4で、ほぼエステル化
反応が完了し生成したポリエステル低重合体が次工程の
重縮合反応装置に送られる。
【0015】重縮合反応装置7,8,9では、250〜
300℃,0.05〜30kPaの範囲で徐々に温度,
真空度を上げていくと、ポリエステルのポリマーが合成
される。この重縮合反応装置7,8,9にはそれぞれ湿
式凝縮器10,11,12が設置されており、反応によ
って発生した留出EGはここで凝縮され、それぞれ循環
EG貯槽13,14,15に蓄えられるとともに、循環
EGとして再び湿式凝縮器に送られ、留出EGを凝縮さ
せるための噴霧液として使用される。なおそれぞれの湿
式凝縮器は、配管により真空源に接続している。ここで
特に高真空度が要求される重縮合反応装置9に付帯する
湿式凝縮器12での留出EG中に含まれる水などの低沸
点成分の蒸気圧に起因する圧力損失や、飛沫同伴して発
生するポリエステル低重合体の各装置や配管への付着を
防止する目的で、原料TPAに対するモル比として0〜
1となる量の、願わくば水分率が0.3重量パーセント
以下のEGを、循環EG貯槽15に追添加する。循環E
G貯槽15では液面高さが一定になるように、いわゆる
オーバーフロー形式にて液が抜き出され、該液は循環E
G貯槽14に送られる。ここで重縮合反応装置8で発生
した留出EGと合わされ同じく湿式凝縮器11の噴霧液
として用いられた後、同様にオーバーフロー形式で循環
EG貯槽13に送られ、同様に操作される。但し、湿式
凝縮器10,11に対応する循環EG貯槽13,14が
循環EG貯槽13の一槽に統一されていれば前述操作は
一回のみとなり、また重縮合反応装置が合わせて四槽以
上の場合は同様な操作が繰り返される。そして循環EG
貯槽13の液面を一定にするために循環EG貯槽15に
追添加される前述の低水分EGの添加量を調節するのが
好ましい。
【0016】循環EG貯槽13から抜き出されたEG
は、ポンプ16にてEG貯槽6に送られる。この時、必
要ならばEG貯槽6の液面を一定に保つために制御弁1
7で流量を制御する。また、EG貯槽6は自動濃度計1
8を付帯し、該液の水分またはEG分含有率を連続的に
測定する。こうして集合した留出EGは、EG貯槽6か
らポンプ19を使用し、制御弁20で流量制御された一
定量がスラリー混合機1に供給され原料として再使用さ
れる。この時、必要以上に大きな異物やポリマーの変成
物が原料に供給されてしまうのを防止するため該配管に
フィルターを設置することが望ましい。一方、原料供給
はTPAに対するEGのモル比を常に一定とする必要が
あり、そのため、原料として再使用する留出EGに,モ
ル比合わせのための、望ましくは水分含有率0.3重量
パーセント以下の低水分EGを、補填供給する必要性が
生ずる場合がある。その場合は、前述のオンライン濃度
計18によって測定された水またはEGの濃度をもと
に、低水分EGの必要供給量を決定し、その結果を制御
弁21により該低水分EG供給量を調節しながら、ポン
プ19の吐出側に連続的または断続的に追添加する。そ
して、スラリー混合機に供給されるEGが接触する金属
部分のうち、大部分、望ましくは全部分をステンレス製
とするのが好ましい。
【0017】次に、図2を用いて、第2の発明方法につ
いて説明する。
【0018】図2において、TPAとEGとをスラリー
混合機1に一定モル比として供給し、スラリーとする。
このスラリーを原料として、ポンプ2によってエステル
化反応装置3に送る。図2の方法では、TPAとEGと
をスラリー化しているが、必ずしもその形状とせずエス
テル化反応装置3に供給することができる。エステル化
反応装置3では、好ましくは240〜270℃,常圧〜
0.3MPaの条件にて反応し、エステル化反応装置4
に送る。なお、エステル化反応では、重合触媒および必
要に応じて顔料が添加され、それらはEGに溶解、また
は分散されて投入されるのが一般的である。
【0019】エステル化反応装置3で反応し生成した水
は、低沸点成分とともに精留塔5の塔頂より留出水とし
て分離され、EGは精留塔5の下部より、缶出液として
エステル化反応装置3に戻される。エステル化反応装置
4で発生した、水や低沸点成分や飛沫同伴したポリエス
テル低重合体を含む留出EGは、EG貯槽6に送られ
る。こうしてエステル化反応装置4で、ほぼエステル化
反応が完了し生成したポリエステル低重合体が次工程の
重縮合反応装置に送られる。
【0020】重縮合反応装置7,8,9では、250〜
300℃,0.05〜30kPaの範囲で徐々に温度,
真空度を上げていくと、ポリエステルのポリマーが合成
される。この重縮合反応装置7,8,9にはそれぞれ湿
式凝縮器10,11,12が設置されており、反応によ
って発生した留出EGはここで凝縮され、それぞれ循環
EG貯槽13,14,15に蓄えられるとともに、循環
EGとして再び湿式凝縮器に送られ、留出EGを凝縮さ
せるための噴霧液として使用される。なおそれぞれの湿
式凝縮器は、配管により真空源に接続している。ここで
特に高真空度が要求される重縮合反応装置9に付帯する
湿式凝縮器12での留出EG中に含まれる水などの低沸
点成分の蒸気圧に起因する圧力損失や、飛沫同伴して発
生するポリエステル低重合体の各装置や配管への付着を
防止する目的で、原料TPAに対するモル比として0〜
1となる量の、願わくば水分率が0.3重量パーセント
以下のEGを、循環EG貯槽15に追添加する。循環E
G貯槽15では液面高さが一定になるように、いわゆる
オーバーフロー形式にて液が抜き出され、該液は循環E
G貯槽14に送られる。ここで重縮合反応装置8で発生
した留出EGと合わされ同じく湿式凝縮器11の噴霧液
として用いられた後、同様にオーバーフロー形式で循環
EG貯槽13に送られ、同様に操作される。但し、湿式
凝縮器10,11に対応する循環EG貯槽13,14が
循環EG貯槽13の一槽に統一されていれば前述操作は
一回のみとなり、また重縮合反応装置が合わせて四槽以
上の場合は同様な操作が繰り返される。そして循環EG
貯槽13の液面を一定にするために循環EG貯槽15に
追添加される前述の低水分EGの添加量を調節するのが
好ましい。循環EG貯槽13から抜き出されたEGは、
ポンプ16にてEG貯槽6に送られる。この時、必要な
らばEG貯槽6の液面を一定に保つために制御弁17で
流量を制御する。またEG貯槽6は、本願第2発明の特
徴を有する貯槽であり、各工程から留出してきたEG
を、原料として使用するEGに対して12時間分以上の
容量を有する。12時間分以上の容量を有することによ
って、刻々変動する回収されるEGおよび/またはその
エステル形成性誘導体の含有率を実質的に、一定にする
ことができる。
【0021】こうして集められた留出EGは、EG貯槽
6からポンプ19を使用し、制御弁20で流量制御され
た量がスラリー混合機に供給され原料として再使用され
る。この時、必要以上の大きな異物やポリマーの変成物
が原料に供給されてしまうのを防止するために該配管に
フィルターを設置するのが望ましい。一方、原料供給は
TPAに対するEGのモル比を常に一定とする必要があ
り、そのため原料として再使用する留出EGに、望まし
くは水分含有率0.3重量%以下のEGを、補充供給す
る場合がある。
【0022】なお、第1の発明、第2の発明に共通して
いえることとして、再利用されるグリコールおよび/ま
たはそのエステル形成性誘導体中の鉄含有率が、テレフ
タル酸および/またはそのエステル形成性誘導体に対す
る重量比10ppm以下、好ましくは5ppm以下であ
ることが、得られるポリエステルの色調の面から好まし
い。
【0023】図3は従来方法の工程を示す概念図であ
り、図1からオンライン濃度計を取り外し、第1の発明
方法のように発生する留出EG中に含まれる純EG成分
の含有率を測定する手段がなく、また第2の発明方法の
ように、回収したグリーコールおよび/またはエステル
形成性誘導体を多量に貯留する容器がない。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。
【0025】第1の発明 実施例1 第1図に示した、留出EGと接触する金属部を可能な限
り全てステンレス製とした製造装置を用いて、工程から
発生する留出EGと循環EG貯槽15に追添加したEG
との混合物中の純EG分が、常に13.8kg/Hrとな
るように制御して、TPA31.1kg/Hrとともにス
ラリー混合機1に供給しスラリー化した後、ポンプ2経
由でエステル化反応装置3に供給した。そして、表1の
条件によりエステル化及び重縮合反応させた。製造にお
いて、液体の密度差に基づく超音波の音速変化を検知す
る手段による自動濃度計18で、水の濃度を測定し、得
られたポリエステルは、極限粘度0.69,b値(スガ
試験機社製カラーマシンSM−5で測定した値)6.
2,DEG含有率0.75%という良好な品質であっ
た。なお、循環EG貯槽15に新たに購入し追添加され
た低水分EGは11.7kg/Hrであり、また、同条
件で1か月間運転を続けたが、品質は極めて一定を維持
し、EG回収精製工程も全く稼動することはなかった。
また、製造品を使用して製糸試験を行ったが糸切れ,染
め差等の問題もなく、従来品と大差ない品質の糸が得ら
れた。
【0026】
【表1】
【0027】第2の発明 実施例2 第2図に示した、留出EGと接触する金属部を可能な限
りステンレス製とし、EG貯槽6の容量を180kg
(ポリエステルの製造におけるEG供給量の13時間
分)とした製造装置を用いた。工程から発生する留出E
Gと、循環EG貯槽15に追添加したEGとの混合物の
成分は、当初EG成分が90重量%、水分が10重量%
含まれていた。そこで、スラリー混合機1に、EGの混
合物を15.3kg/hr(EG分:13.8kg/h
r),TPA31.1kg/hrの供給速度で供給し、
スラリー混合機でスラリー化した後、ポンプ2経由でエ
ステル化反応装置3に供給した。
【0028】そしてエステル化反応装置3の条件を25
5℃、圧力180kPa、平均対流時間4.0時間、エ
ステル化反応装置4の条件を260℃、圧力100kP
a、平均対流時間1.0時間、重縮合反応装置7の条件
を270℃、圧力15kPa、平均対流時間0.8時
間、重縮合反応反応装置8の条件を285℃、圧力1.
5kPa、平均対流時間0.8時間、重縮合反応装置9
の条件を285℃、圧力0.08kPa、平均対流時間
3.5時間として、循環EG貯槽に添加されたEGは1
1.7kg/hrとして、ポリエステルの連続重合を1
か月間行った。
【0029】製造の間、4時間に1回の割合で、スラリ
ー混合機に供給される混合EG中のEG成分の量を測定
したが、一定であった。
【0030】この間に得られたポリエステルは極限粘度
0.71,b値6.2,DEG成分含有率0.75重量
%という良好な品質を保った。また得られたポリエステ
ルを使用して、製糸試験を行ったが、糸切れ、染斑の問
題もなかった。
【0031】比較例1 図3に示した、留出EGと接触する金属部を可能な限り
全てステンレス製とした製造装置を用いて実験を行っ
た。工程から発生する留出EGと循環EG貯槽15に追
添加したEGとの混合物には、実験開始当時、純EG成
分が90%含まれていたので、供給量を常に15.3kg
/Hrとなるように制御して、TPA31.1kg/Hr
とともにスラリー混合機1へ供給し、表1の条件を全く
変えずにエステル化及び重縮合反応させた。得られたポ
リエステルは、開始直後、極限粘度0.69,b値6.
2,DEG含有率0.75%という実施例と変わらない
品質であったが、安定化せず、b値が6.0〜9.0,
DEG含有率が0.73〜0.88まで大きく変化し
た。さらに、製糸試験でも染め差等に大きな影響があっ
た。これは原料供給部のEG/TPAモル比を制御でき
なかったことに起因する。
【0032】
【発明の効果】留出グリコールを回収工程に回すことな
く再利用でき、さらにポリエステルが製長期間安定して
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本第1発明製造法の一実施工程の概略図
【図2】:本第2発明製造法の一実施工程の概略図
【図3】:従来方法による製造工程を示す。
【符号の説明】
1…スラリー混合機 2…スラリー供給ポンプ 3〜4…エステル化反応装置 5…精留塔 6…留出EG貯槽 7〜9…重縮合反応装置 10〜12…湿式凝縮器 13〜15…循環EG貯槽 16…留出EG抜き出しポンプ 17…制御弁 18…自動濃度計 19…留出EG供給ポンプ 20〜21…制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−65426(JP,A) 特開 昭57−10626(JP,A) 特開 昭55−56120(JP,A) 特開 昭53−14796(JP,A) 特開 昭51−28197(JP,A) 特開 昭51−18793(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸および/またはそのエステ
    ル形成性誘導体、ならびにグリコールおよび/またはそ
    のエステル形成性誘導体を原料としてエステル化反応装
    置に供給してエステル化反応を行い、得られたポリエス
    テル低重合体を重縮合反応装置に供給して重縮合するこ
    とによりポリエステルを製造する方法において、エステ
    ル化反応装置および/または重縮合反応装置から排出さ
    れるグリコールおよび/またはそのエステル形成性誘導
    体を主体とする留出液を、原料として一部または全量、
    再利用する工程を有するものであり、さらに再利用する
    留出液中の水、該グリコールおよびそのエステル形成性
    誘導体の少なくとも1種類の成分の含有率を、連続的ま
    たは断続的に測定し、その含有率の測定結果によって、
    原料の投入量を決定し、決定された投入量に基づいて、
    原料を反応装置に投入する工程を有するポリエステルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】グリコールがエチレングリコールまたは
    1,4−ブタンジオールである請求項1記載のポリエス
    テルの製造方法。
  3. 【請求項3】 再利用する留出液中の水、グリコールま
    たはそのエステル形成性誘導体含有率を測定する方法
    が、液体の密度差に基づく超音波の音速変化を検知する
    方法である請求項1または2項記載のポリエステルの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 テレフタル酸および/またはそのエステ
    ル形成性誘導体、ならびにグリコールおよび/またはそ
    のエステル形成性誘導体を原料としてエステル化反応装
    置に供給してエステル化反応を行い、得られたポリエス
    テル低重合体を重縮合反応装置に供給して重縮合するこ
    とによりポリエステルを製造する方法において、エステ
    ル化反応装置および/または重縮合反応装置から排出さ
    れるグリコールおよび/またはそのエステル形成性誘導
    体を主体とする留出液を、原料として一部または全量、
    再利用する工程を有するものであり、さらに該留出液を
    原料として再利用する前に、エステル化反応装置に供給
    するグリコールおよび/またはそのエステル形成性誘導
    体の量に対して12時間以上分の容量をもつ貯槽に貯留
    した後、当該グリコールおよび/またはそのエステル形
    成性誘導体を反応装置に投入する工程を有することを特
    徴とするポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】グリコールがエチレングリコールまたは
    1,4−ブタンジオールである請求項4記載のポリエス
    テルの製造方法。
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