JP3483297B2 - 外壁パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、住宅等の建築物におい
て、外壁を構成するために使用される外壁パネルに関す
る。 【０００２】 【従来の技術】近時、住宅等の建築物のプレハブリケー
ション化に伴って、建築物の外壁も、工場にて生産され
た外壁パネルを使用して構築されるようになっている。
外壁パネルは、通常、鉄筋コンクリートによって構成さ
れたパネル本体と、このパネル本体におけるコンクリー
トに取り付けられたフレーム取付部材とを有しており、
このフレーム取付部材に、溝形鋼等のフレーム材が、建
築現場において取り付けられている。そして、外壁パネ
ルに取り付けられたフレーム材が、建築現場に建設され
た鉄骨フレームにボルト等によって取り付けられる。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】このような外壁パネル
は、建築現場において、パネル本体にフレーム材を取り
付けるようになっているために、施工作業効率が悪いと
いう問題がある。また、フレーム材はパネル本体のコン
クリートに取り付けられたフレーム取付部材に取り付け
られているために、強度的に問題もある。 【０００４】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、施工性に優れており、しかも、パ
ネル本体とフレーム体とが強固に接続されて、長期にわ
たって分離するおそれのない外壁パネルを提供すること
にある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明の外壁パネルは、
独立気泡コンクリートの内部にメッシュ状態になった鉄
筋を有する長方形の平板状のパネル本体と、このパネル
本体の背面の周縁部に対向して配置された長方形枠状の
フレーム体と、前記パネル本体の内部の鉄筋に一方の側
部がそれぞれ溶接されており、他方の側部がパネル本体
の背面の周縁部から露出して、その露出した側部に前記
フレーム体にそれぞれ溶接されている複数本の連結体
と、を具備することを特徴とするものであり、そのこと
により上記目的が達成される。 【０００６】 【作用】本発明の外壁パネルでは、鉄筋コンクリート製
のパネル本体と、このパネル本体の背面に配置されたフ
レーム体とが複数の連結体によって連結されている。各
連結体の一方の側部は、コンクリート内の鉄筋に溶接さ
れており、各連結体の他方の側部はコンクリートから露
出した状態でフレーム体に溶接されているために、パネ
ル本体とフレーム体とは強固に結合されて、長期にわた
って分離するおそれがない。 【０００７】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 【０００８】図１は、本発明の外壁パネルの一例を示す
横断面図、図２はその外壁パネルの要部の断面斜視図、
図３はその外壁パネルの背面図である。 【０００９】この外壁パネルは、鉄筋コンクリート製の
パネル本体１０と、このパネル本体１０の背面に取り付
けられたフレーム体２０とを有している。パネル本体１
０は、独立気泡コンクリート１１内に、メッシュ状鉄筋
１２が配置されて構成されている。メッシュ状鉄筋１２
の各交差部は溶接されている。独立気泡コンクリート１
１の表面には適当な模様が設けられている。 【００１０】独立気泡コンクリート１１の背面に設けら
れたフレーム体２０は、断面Ｕ字状の溝形鋼を使用した
４本のフレーム材２１を、開口部が内周側になるように
接続して長方形枠状に構成されている。フレーム体２０
の各フレーム材２１は、独立気泡コンクリート１１の周
縁部に対向した状態になっており、３本のフレーム材２
１の外周面は、図３に示すように、パネル本体１０の長
手方向の一方の端部外周面を除いた外周面に沿った状態
になっている。残りのフレーム材２１の外周面は、フレ
ーム体２０の長手方向の一方の端部の外周面に対して、
若干内側に位置している。 【００１１】パネル本体１０とフレーム体２０とは、複
数の連結体３０によって連結されている。各連結体３０
は、例えば棒鋼によって構成されており、フレーム体２
０における各フレーム材２１とは直交状態で、各フレー
ム材２１の長手方向に等しい間隔をあけて配置されてい
る。各連結体３０は、フレーム体２０におけるパネル本
体１０に対向する側面に、一方の側部が溶接されてい
る。各連結体３０の他方の側部は、独立気泡コンクリー
ト１１の内部に進入するように、ほぼ直角に屈曲され
て、独立気泡コンクリート１１の内部を、各フレーム材
２１から離れる方向に真っ直ぐに延出している。そし
て、独立気泡コンクリート１１内を延出する各連結体３
０の側部は、独立気泡コンクリート１１内に配置された
鉄筋１２に、溶接によって接続されている。 【００１２】このような構成の外壁パネルは、工場にて
製造されるようになっている。外壁パネルの製造に際し
ては、予めメッシュ状に構成されて各交差部が溶接され
た鉄筋１２が型枠内に配置される。そして、型枠の四周
縁部に沿って複数本の連結体３０が、それぞれ適当な間
隔をあけた状態で配置されて、一方の側部が鉄筋１２
に、溶接によって連結される。各連結体３０の他方の側
部は、型枠から外部に延出しない状態で、独立気泡コン
クリート１１の打設レベルに沿うように水平に配置され
る。 【００１３】このような状態で、独立気泡コンクリート
１１が型枠内に打設される。このとき、各連結体３０
は、鉄筋１２に溶接された側部とは反対側の側部が、独
立気泡コンクリート１１の表面から露出した状態とされ
る。型枠内に打設された独立気泡コンクリート１１は、
鋼製タンク内にて１８０℃の高温、および約１０気圧の
高圧でオートクレーブ養生される。その後、独立気泡コ
ンクリート１１が硬化すると、独立気泡コンクリート１
１が型枠から取り外され、パネル本体１０が製造され
る。 【００１４】製造されたパネル本体１０は、背面の周縁
部に対向して、フレーム体２０が所定位置に配置され
て、パネル本体１０の背面から露出した各連結体３０の
側部に、フレーム体２０の側面がそれぞれ溶接される。
これにより、本発明の外壁パネルが製造される。 【００１５】このように製造された外壁パネルは、建築
現場に搬送されて、予め枠組みされた鉄骨フレームにボ
ルト等によって取り付けられる。このとき、各外壁パネ
ルにおける長手方向の一方端部外周面と、フレーム体２
０におけるこの端部外周面に近接して平行するフレーム
材２１の外周面とは、適当な間隔があいているために、
外壁パネルが長手方向に並設された状態になると、長手
方向に隣接するフレーム体２０同士は、適当な間隔が形
成された状態になり、鉄骨フレーム等に対する取付が容
易になる。 【００１６】鉄骨フレームに取り付けられた外壁パネル
は、フレーム体２０の内部に断熱材等が配置される。断
熱材は、フレーム体２０における各フレーム材２１の開
口部内に周縁部が嵌入された状態で保持される。 【００１７】本発明の外壁パネルは、パネル本体１０
が、独立気泡コンクリート１１の内部にメッシュ状の鉄
筋１２が配置された構成であるために、パネル本体１０
自体も非常に強固になっている。また、パネル本体１０
の独立気泡コンクリート１１内に埋め込まれて内部の鉄
筋１２に溶接によって接続された複数の連結体３０が、
フレーム体２０にもそれぞれ溶接されており、パネル本
体１０とフレーム体２０とを連結しているために、パネ
ル本体１０とフレーム体２０との結合は強固になり、両
者は長期にわたって分離するおそれがない。 【００１８】 【発明の効果】本発明の外壁パネルは、このように、パ
ネル本体のコンクリート内に配置されたメッシュ状の鉄
筋に、複数の連結体の一方の側部が連結されて、各連結
体の他方の側部が、パネル本体の背面に配置されたフレ
ーム体にそれぞれ溶接されているために、パネル本体と
フレーム体とは強固に連結される。パネル本体とフレー
ム体とは工場にて連結された状態とされるために、建築
現場における施工作業が容易であり、作業効率は著しく
向上する。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の外壁パネルの縦断面図である。 【図２】その外壁パネルの要部の断面斜視図である。 【図３】その外壁パネルの背面図である。 【符号の説明】 １０ パネル本体 １１ 独立気泡コンクリート １２ 鉄筋 ２０ フレーム体 ２１ フレーム材 ３０ 連結体

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 独立気泡コンクリートの内部にメッシュ
   状態になった鉄筋を有する長方形の平板状のパネル本体
   と、 このパネル本体の背面の周縁部に対向して配置された長
   方形枠状のフレーム体と、 前記パネル本体の内部の鉄筋に一方の側部がそれぞれ溶
   接されており、他方の側部がパネル本体の背面の周縁部
   から露出して、その露出した側部に前記フレーム体にそ
   れぞれ溶接されている複数本の連結体と、 を具備することを特徴とする外壁パネル。