JP3481383B2 - 吸汗発散性に優れたポリウレタン繊維含有繊維製品およびその製造方法 - Google Patents
吸汗発散性に優れたポリウレタン繊維含有繊維製品およびその製造方法Info
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Description
を含む繊維および繊維製品の改質、特に、素肌に直接触
れる場合のこれら繊維および繊維製品の疎水性に起因す
るムレ感を改質する方法に関する。
われる時代となっきている。レグニットを代表するパン
ティストッキングなどは、ナイロン、ポリウレタン等疎
水性合成繊維で構成されており、素肌に直接触れるため
ムレ感が大きな課題となっている。すなわち、汗が出始
めると皮膚との間の湿度は急激に上昇し、また汗が止ま
っても湿度は高いままの状態が続いて不快感を与えるこ
とになる。
て、天然に近い良好な風合や吸汗性などの機能性を付与
する試みがある。例えば、加水分解した硬蛋白質水溶液
にナイロン製パンティーストッキングを浸漬脱水した後
乾燥する方法、さらにタンニン等の固着剤を用いる方法
(特開平3−269172号、特開平4−185770
号)、あるいは天然蛋白質微粉末と合成樹脂エマルジョ
ンの混合物をパッドしたりスプレーした後熱処理する方
法(特開平6−10268号)等が開示されている。し
かしながら、これらの方法では脱水むらや付与むら(ス
プレー)が生じやすく、製品の均一性に欠ける懸念があ
る。またこれらの方法においては処理剤は繊維製品、例
えばパンティーストッキング全体に付与され、単に吸湿
(保湿)剤として天然蛋白質を利用しているに過ぎな
い。したがって吸汗性は向上するが拡散放汗性はそれほ
ど期待できず、十分には不快感を解消できていない。
り調製した羊毛蛋白質を利用して解消した(特願平7−
204361号)。即ち、羊毛繊維を高濃度の酸化剤に
より酸化開裂し、比較的分子量の大きなまま可溶化した
ものを用いた。このことにより、シスチンがシステイン
酸に変化され溶解拠点となると同時にイオン的にアニオ
ニックな蛋白質に調整できる。この羊毛蛋白質はポリウ
レタン繊維にほぼ選択的に吸着することを発見した。ち
なみに、ポリウレタン繊維を利用したレグニットはポリ
ウレタン繊維と、一般にはナイロンとからなる加工糸を
用いて製造されるゾッキタイプの編物、あるいはこのよ
うな加工糸とナイロンとの交編によって作られている。
したがって、羊毛蛋白質を付与したポリウレタン繊維の
吸水性と相手繊維の疎水性による毛細管効果によって素
早く汗を吸収し、発散を促進することになる。しかもポ
リウレタン繊維を用いたレグニットにおいて、着用時に
発生する伸縮の繰り返しにより、吸水性部分と疎水性部
分が相互に肌と接触することになり、吸汗と発散が効果
的に行われる。
に近い吸汗発散性を有し、快適な着用感をもった、ポリ
ウレタン繊維を含有する繊維または繊維製品およびその
製造法を提供することである。
繊維に選択的に水溶性蛋白質を付与した、ポリウレタン
繊維および疎水性繊維を含有する吸汗発散性の繊維また
は繊維製品に関する。詳しくは、本発明は、キトサンと
水溶性蛋白質との分散液に、ポリウレタン繊維および疎
水性繊維を含有する繊維または繊維製品を浸漬すること
により、ポリウレタン繊維の表面に選択的に蛋白質を付
与して得られるポリウレタン繊維を含有する吸汗発散性
の繊維または繊維製品に関する。また本発明は、ポリウ
レタン繊維および疎水性繊維を含有する繊維または繊維
製品を、キトサン水溶液に浸漬したのち水溶性蛋白質溶
液に浸漬するか、またはキトサン水溶液と蛋白質水溶液
との分散液に浸漬し、次いで液を昇温することによりポ
リウレタン繊維に選択的に水溶性蛋白質を付与すること
を特徴とするポリウレタン繊維および疎水性繊維を含有
する吸汗発散性に優れた繊維または繊維製品の製造方法
に関する。特に、本発明は、ポリウレタン繊維および疎
水性繊維を含有する繊維または繊維製品を浸漬する分散
液のpHが6〜8である上記の製造方法に関する。 更に
本発明は、上記の製造方法によって得られるポリウレタ
ン繊維および疎水性繊維を含有する吸汗発散性に優れた
繊維または繊維製品に関する。
サンの存在下でポリウレタン繊維および疎水性繊維を含
有する繊維または繊維製品に接触させることにより、蛋
白質をポリウレタン繊維表面に付与させて、ポリウレタ
ン繊維に吸汗発散性を付与したこと、2)ポリウレタン
繊維および疎水性繊維を含有する繊維または繊維製品を
構成する繊維中のポリウレタン繊維だけに選択的に蛋白
質を吸着させることにより、他の構成成分である疎水性
成分と共働して疎水性と親水性のバランスのとれた優れ
た吸汗発散性が得られ、これによりムレのない着用感の
良いポリウレタン繊維含有繊維製品を提供できることで
ある。
は繊維製品はポリウレタン繊維と、一般にはナイロンま
たはポリエステルとからなる加工糸であり、またこれら
を用いて製造されるゾッキタイプの編み物、あるいはこ
のような加工糸と他の合成繊維(主にナイロンまたはポ
リエステル)との交編または交織によって作られる繊維
製品である。本発明の効果が特に生かされる繊維製品は
例えばレグニット、ランジェリー、下着等の特に直接肌
に着用する肌着類である。中でも特にパンティストッキ
ングに好適である。このような繊維または繊維製品をキ
トサンの存在下で蛋白質溶液に接触させると、この蛋白
質は、図2実施例1〜5の走査型電子顕微鏡写真で明白
に観察されるように、ポリウレタン繊維(写真において
比較的太い方の繊維)に選択的に吸着され、相手素材で
あるナイロンやポリエステル繊維にはほとんど吸着され
ない。
域を出ないが、蛋白質とキトサンのサスペンジョンが上
記のpH環境下において昇温により浴中で不安定になり
ポリウレタン繊維に吸尽するものと考えられる。また隣
接する分子鎖どうしが互いにイオン対を消去するように
比較的緻密に配列するポリアミド結合を有するナイロン
繊維と比べて、ウレタン結合を有するポリウレタン繊維
の方がイオン的にも活性で上記蛋白質と高い親和力を有
するものと考えられる。
リウレタン繊維含有の繊維または繊維製品は次のように
着用快適性を発揮する。即ち、吸水性を付与したポリウ
レタン繊維と疎水性の相手繊維の毛細管効果によってす
ばやく汗を吸収し発散を促進することになる。しかもポ
リウレタン繊維を用いたレグニット等において、着用時
に発生する伸縮の繰り返しにより、吸水性部分と疎水性
部分が相互に肌と接触することになり、吸汗と発散が効
果的に行われる。
キトサン溶液と共に水溶液または分散液を形成し、ポリ
ウレタン繊維に選択的に吸着される。したがって本発明
で用いることができる蛋白質は水溶性であり、溶液また
は分散液としてアニオンリッチのイオン性を有していさ
えすれば、特に限定されるものではない。通常蛋白質水
溶性および分散液はイオン的には両性あるいはアニオニ
ックであり、通常市販されている蛋白質のほとんどが利
用できる。例えば、コラーゲン、大豆蛋白質、フィブロ
イン、ゼラチン、カゼイン、セリシン、アラギン、グリ
シニン等を挙げることができる。本来水溶性のゼラチ
ン、セリシンは水溶性としてそのまま利用でき、またカ
ゼイン(牛乳)、ゼイン(トウモロコシ)、アラギン
(落花生)、グリシニン(大豆)、フィブロイン
(絹)、コラーゲン、ケラチン等は酸、アルカリ、酵素
により加水分解し水溶性ペプチドとして利用すればよ
い。
るが、これらの蛋白質は一般にpH2〜11の範囲で比
較的安定した水溶液とすることができる。またこれらの
蛋白質は微粉砕したものをアニオン系界面活性剤を用い
て水中に分散して用いることも可能である。
することにより脱アセチル化して容易に得られることが
知られており、このようにして得られたキトサンは精製
して用いることができるが、このようなものは既に市販
されており、本発明では市販のキトサンをそのまま使用
することもできる。キトサンはクエン酸、リンゴ酸等の
有機酸水溶液に溶解し、pH2〜5の有機酸水溶液とす
ることができる。本発明で使用するキトサンは好ましく
は分子量が数千〜数百万のものを使用する。市販のキト
サンとしては例えば、「キトサンSK−10」(甲陽ケ
ミカル社製)、七福化学社製のキトサン誘導体溶液(p
H5)等を挙げることができる。
クな蛋白質水溶液とを混合して本発明の分散液が形成さ
れる。なお、ここでは形成される分散液は微細な分散状
態をもっていることが重要である。微細な分散液はキト
サン溶液のpH、蛋白質のpH、および添加比率によっ
て異なるが、一般にはpH5〜9の範囲に調整すること
により形成することができる。このように得られた蛋白
質およびキトサンをポリウレタン繊維で構成される繊維
製品に付与して本発明は達成される。繊維または繊維製
品への蛋白質およびキトサンの付与方法としては、パデ
ィング法、ディッピング法、吸尽法など幅広い方法が採
用できる。
繊維または繊維製品を浸漬して、繊維または繊維製品に
水溶性蛋白質を吸尽するに当たっては、分散液のpHは
中性領域が好ましく、好ましくはpH6〜8である。p
H5以下では100℃まで昇温しても蛋白質の吸着は起
こらず、pH9以上では室温でも吸尽が始まり、付着が
斑になり良好な付着状態が得られない。吸尽処理時のp
H調整は限定的ではないが次のように行うことができ、
用いる蛋白質水溶性のpH、含有量などの諸性質に応じ
て適宜選択すればよい。例えば、酸性側にシフトしたい
場合はキトサン溶液(酸性溶液)の添加量を増せばよい
し。中性領域に調整するときは、浴に少量の酢酸ソーダ
などの塩を添加すればよい。また、アルカリ側にシフト
したい場合はエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、三
ナトリウム、四ナトリウムなどが利用できる。また本発
明の吸尽処理においては、一般的に処理浴のpHの小さ
な上昇を伴い吸尽が完了する。
出ないが、蛋白質とキトサンの分散液が上記のpH環境
下において昇温により浴中で不安定になりポリウレタン
繊維に吸着するものと考えられる。本発明において、繊
維または繊維製品に吸尽される蛋白質の量は、ポリウレ
タン繊維に対して、0.2〜10.5重量%の場合に優れ
た効果を発現することができ、より好ましい吸尽量は
0.3〜2.5重量%である。0.2重量%未満では吸水
性効果に乏しく、10.5重量%を越えると仕上げ工程
において繊維製品にセットスジを発生させ好ましくな
い。本発明の方法によれば、繊維または繊維製品には通
常蛋白質とともに、ポリウレタン繊維当たり1〜10重
量%のキトサンが吸着される。
明の繊維及び繊維製品には抗菌性が付与される。本発明
に於けるキトサンの使用量においてはそれ単独では抗菌
性は示さないが、蛋白質とキトサンを併用使用して得ら
れた製品については優れた抗菌性を有している。このメ
カニズムの詳細はよく解らないが、蛋白質とキトサン両
者に多数のアミノ基を含有されていることにより生ずる
ものと考えられる。
分子鎖中にウレタン結合またはウレタン結合とウレア結
合とを有する弾性繊維であり、スパンデックスとも呼ば
れるものを意味する。これはその化学構造が高融点のハ
ードセグメントと、ガラス転移点が室温以下の屈曲性に
富むソフトセグメントからなる線状のブロック共重合体
を、適当な溶媒に溶かして乾式紡糸または湿式紡糸する
ことにより、またはそのまま溶融して溶融紡糸により製
造される繊維である。この繊維を形成するポリマーは一
般には、低融点、低ガラス転移点をもつ高分子量のジオ
ール、ジイソシアネートおよび鎖延長剤と呼ばれる低分
子量の二官能性活性水素化合物とを主原料として製造さ
れる。高分子量ジオールにはポリエステルジオール、ポ
リエーテルジオール、ポリカーボネートジオールまたは
これらの共重合物が使用される。またジイソシアネート
としては通常、トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等
の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレジイソシアネ
ート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートのような環状脂肪族ジイソシアネート類が使用
される。
はほとんどなく、他の汎用繊維、特にナイロンやポリエ
ステルをポリウレタン上にコイル状に巻き付けたカバー
ドヤーンのような加工糸として用いられている。またこ
のような加工糸も単独で用いられるだけでなく、更に相
手素材と一緒に交編または交織して繊維製品が作られ
る。レグニットを初めとする肌着類の場合は、カバー糸
はほとんどナイロンであり、交編、交織の場合の相手素
材にもほとんどナイロンが用いられている。
ヤーン)と50/-17 WN(ウーリーナイロン)との交編ポ
リウレタン繊維混率 約8% レッグ部 :15/12-7F SCY(シングルカバードヤー
ン)のゾッキタイプポリウレタン繊維混率 約25% ナイロン糸:東レ社製「ミラコスモ」 ポリウレタン糸:東レ社製「オペロン」 上記パンティストッキング80kgをオーバーマイヤー
染色機で常套の方法で精錬および染色を行い(図1)、
遠心脱水機で脱水後、以下の実施例で使用した。
脱水後付きドラム染色機に充填しキトサン溶液(甲陽ケ
ミカル社製「キトサンSK-10」をクエン酸水溶液に
溶解した、pH2の5重量%水溶液)20%owfとコ
ラーゲン水溶液(高松油脂社製「MC-1245A」)
10%owfを添加し、浴比1:10の白濁したサスペ
ンジョン溶液を得た。この溶液中にウエットシリコン
「DM-67」(日華化学社製)2%owfを添加し、
1℃/minで50℃まで昇温し、30分間処理した。
昇温前の初期の浴のpHは7.1であり、昇温に伴い白
濁溶液は完全に無色透明となり吸尽を完了した。なお吸
尽後の浴のpHは7.4であった。吸尽処理後、脱水
し、その後0.8kg/cm2で10秒間スチームセット
(タカトリ社製「TAS-150」)し、110℃25
秒間熱風乾燥して本発明品を得た。
した遠心脱水機付きドラム染色機に、実施例1と同じキ
トサン溶液5%owf、キトサン誘導体溶液(七福化学
社製「FCM-117」)10%owfおよび大豆蛋白
質(和光純薬社製蛋白粉末)1%owfを添加し、浴比
1:10の微細な白濁サスペンジョン溶液とした。更
に、ウエットシリコン「DM-67」を2%owf添加
し、50℃まで昇温した。次いで、酢酸ソーダを2%o
wf添加し、蛋白質のサスペンジョンを吸尽させた。浴
は無色透明となった。吸尽処理浴の初期のpHは6.6
であり、最終的には7.2であった。その後、実施例1
と同様にセットおよび乾燥し、製品を得た。
した遠心脱水機付きドラム染色機に、実施例2と同様、
キトサン誘導体10%owf、プルドソワ「AL-3
6」(シナノケンシ社製、フィブロイン水溶液:濃度1
0重量%)10%owfおよびウエットシリコン「DM
-67」2%owf添加し浴比1:10のサスペンジョ
ン溶液として50℃まで昇温した。次いで、酢酸ソーダ
を2%owf添加し、蛋白質のサスペンジョンを吸尽さ
せた。。吸尽処理浴の初期のpHは6.9であり、吸尽
完了時のpHは7.3であった。その後、実施例1と同
様にセットおよび乾燥し、製品を得た。
した遠心脱水機付きドラム染色機に、実施例2と同じキ
トサン溶液5%owf、キトサン誘導体溶液(七福化学
社製)10%owfおよびゼラチン(キシダ化学社製、
粉末)1%owfを添加し、浴比1:10の微細な白濁
サスペンジョン溶液を加えた。更に、ウエットシリコン
「DM-67」を2%owf添加し蛋白質のサスペンジ
ョンを吸尽させた。浴は無色透明となった。吸尽処理浴
の初期のpHは6.9であり、最終的には7.3であっ
た。その後、実施例1と同様にセットおよび乾燥し、製
品を得た。
トサン誘導体溶液(七福化学社製)10%owfおよび
カゼイン(キシダ化学社製、粉末)1%owfを添加
し、浴比1:10の微細な白濁サスペンジョン溶液とし
た。更に、ウエットシリコン「DM-67」を2%ow
f添加し蛋白質のサスペンジョンを吸尽させた。浴は無
色透明となった。吸尽処理浴の初期のpHは6.9であ
り、最終的には7.4であった。その後、実施例1と同
様にセットおよび乾燥し、製品を得た。
で吸尽処理を行い、製品を得た。吸尽浴の初期のpHは
9.0で50℃30分処理後のpHは9.3であり、処理
浴は微細なサスペンジョンを形成せず、吸尽する様子も
観察されなかった。
調整した以外は比較例1と同様に処理して製品を得た。
処理時の様子は比較例1と同様であった。
(共栄化学社製、熱反応性水溶液ポリウレタン樹脂)2
%owfを添加する以外は、比較例1と同様の方法で製
品を得た。吸尽浴の初期のpHは9.1で、50℃30
分後のpHは9.4であった。処理浴はわずかに白濁し
たが、昇温に伴ってこの白濁は消失することはなかっ
た。追加して90℃まで昇温したところ、染料まで浴中
に泣き出し、蛋白質の吸尽する様子は、充分には観察で
きなかった。
1%owf使用する以外は比較例3と全く同様にして製
品を得た。吸尽浴の初期のpHは7.5で50℃30分
後のpHは7.3であった。処理浴はわずかに白濁した
が、昇温してもこの白濁は消失することがなかった。
「AL-36」(シルクフィブロイン)10%owfを
使用する以外は比較例4と全く同様にして製品を得た。
吸尽浴の初期のpHは7.5で50℃30分後のpHは
7.2であった。処理浴はわずかに白濁したが、昇温し
てもこの白濁は消失することがなかった。
たゼラチン1%owfを使用する以外は比較例5と全く
同様にして製品を得た。吸尽浴の初期のpHは7.7で
50℃30分後のpHは7.8であった。処理浴はわず
かに白濁したが、昇温してもこの白濁は消失することが
なかった。
wfを使用する以外は比較例6と全く同様にして製品を
得た。吸尽浴の初期のpHは7.7で50℃30分後の
pHは7.9であった。処理浴はわずかに白濁したが、
昇温してもこの白濁は消失することがなかった。
%owf使用する以外は実施例1と全く同様にして製品
を得た。
価〕実施例1〜5および比較例1〜8で得られたパンテ
ィストッキングにつき、以下の評価を行った。 (1)吸水、拡散性 吸水、拡散性は次のようにして評価した。15cm×1
5cmの正方形の木枠にパンティストッキングのレッグ
部をかぶせる形で固定し、ビュレットにて上方3cmよ
り水滴を滴下して水滴の吸い込み状況を観察した。なお
評価は、洗濯処理の前後で行い、吸水拡散性の耐洗濯性
についても評価した。 〔洗濯条件〕:JIS L 0217 104法に準じ
て、10回洗濯処理を行った。
秒、60秒時点での状態を次の基準にしたがって評価付
けした。 ◎ :水滴は極めて速やかに拡散して全体のぬれ感が減
少している。 ○ :水滴が浸透し、はっきりと拡散が観察できる。 △ :水滴が浸透し、わずかに拡散が進行している。 × :水滴が浸透しただけで、拡散が進行していない。 ××:水滴全く浸透していない。 結果を表1に示した。
質を併用した実施例1〜5では、同量の蛋白質のみを用
いた比較例と対比して吸水拡散性が優れている。またそ
の耐洗濯性も優れている。
トッキングのレッグ部のポリウレタン糸について、蛋白
質の付与状態を走査型電子顕微鏡で観察した。顕微鏡写
真を図2〜8に示した。比較例と比べて、いずれの蛋白
質の場合も、同じ蛋白質を同量使用したにもかかわら
ず、キトサンと併用した実施例の方がはるかに多量にポ
リウレタン繊維に吸着している様子が観察される。
濯品)のパンティストッキングに付き次の方法で抗菌性
を比較した。 〔試験方法〕抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニ
ュアル・菌数測定法(繊維製品衛生加工協議会、昭和6
3年) 滅菌試料布に下記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密
閉容器中で、37℃、18時間培養した後の生菌数を計
測し、植菌数に対する増減値を求めた。 試験菌株:黄色葡萄状球菌(Staphylococcus aureus I
FO 12732)
ノゲンユニを使用) 洗濯前後の抗菌性試験の結果を表2に示した。
プログラム図。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(実施例1、2)。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(実施例3、4)。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(実施例5)。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(比較例1、2)。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(比較例3、4)。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(比較例5、6)。
す繊維表面の電子顕微鏡写真(比較例7)。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリウレタン繊維に選択的に水溶性蛋白
質を付与した、ポリウレタン繊維および疎水性繊維を含
有する吸汗発散性に優れた繊維または繊維製品。 - 【請求項2】 キトサンと水溶性蛋白質との分散液に、
ポリウレタン繊維および疎水性繊維を含有する繊維また
は繊維製品を浸漬することにより、ポリウレタン繊維の
表面に選択的に水溶性蛋白質を付与して得られる請求項
1記載の繊維または繊維製品。 - 【請求項3】 ポリウレタン繊維および疎水性繊維含有
繊維または繊維製品がポリウレタン繊維とナイロン、ポ
リエステルとからなることを特徴とする請求項1または
2記載の繊維または繊維製品。 - 【請求項4】 繊維製品がパンティストッキングである
請求項3記載の繊維製品。 - 【請求項5】 ポリウレタン繊維および疎水性繊維を含
有する繊維または繊維製品を、キトサン水溶液に浸漬し
たのち水溶性蛋白質溶液に浸漬するか、またはキトサン
水溶液と水溶性蛋白質水溶液との分散液に浸漬し、次い
で液を昇温することによりポリウレタン繊維に選択的に
水溶性蛋白質を付与することを特徴とするポリウレタン
繊維および疎水性繊維を含有する吸汗発散性に優れた繊
維または繊維製品の製造方法。 - 【請求項6】 ポリウレタン繊維および疎水性繊維を含
有する繊維または繊維製品を浸漬する分散液のpHが6
〜8である請求項5記載の製造方法。 - 【請求項7】 請求項5または6に記載の製造方法によ
って得られるポリウレタン繊維および疎水性繊維を含有
する吸汗発散性に優れた繊維または繊維製品。 - 【請求項8】 繊維製品がパンティストッキングである
請求項7記載の繊維製品。
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