JP3479508B2 - 薄膜トランジスタの作製方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの作製方法

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JP3479508B2
JP3479508B2 JP2000386272A JP2000386272A JP3479508B2 JP 3479508 B2 JP3479508 B2 JP 3479508B2 JP 2000386272 A JP2000386272 A JP 2000386272A JP 2000386272 A JP2000386272 A JP 2000386272A JP 3479508 B2 JP3479508 B2 JP 3479508B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非単結晶半導体薄膜
を用いた薄膜トランジスタ(以下にTFT ともいう)及び
その製造方法に関するものであり、特に液晶ディスプレ
ー,イメージセンサー等に適用可能な高速応答性を持つ
薄膜トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、化学的気相法等によって、作製さ
れた非単結晶半導体薄膜を利用した薄膜トランジスタが
注目されている。この薄膜トランジスタは、絶縁性基板
上に前述の如く化学的気相法等を用いて形成されるの
で、その作製雰囲気温度が最高で450 ℃程度と低温で形
成でき、安価なソーダガラス, ホウケイ酸ガラス等を基
板として用いることができる。
【0003】この薄膜トランジスタは電界効果型であ
り、いわゆるMOSFETと同様の機能を有しているが、前述
の如く安価な絶縁性基板上に低温で形成でき、さらにそ
の作製する最大面積は薄膜半導体を形成する装置の寸法
にのみ限定されるもので、容易に大面積基板上にトラン
ジスタを作製できるという利点を持っていた。このため
多量の画素を持つマトリクス構造の液晶ディスプレーの
スイッチング素子や一次元又は二次元のイメージセンサ
等のスイッチング素子として極めて有望である。
【0004】また、この薄膜トランジスタを作製するに
はすでに確立された技術であるフォトリソグラフィーが
応用可能で、いわゆる微細加工が可能であり、IC等と同
様に集積化を図ることも可能であった。
【0005】この従来より知られたTFT の代表的な構造
を図2に概略的に示す。(20)はガラスよりなる絶縁性
基板であり、(21)は非単結晶半導体よりなる薄膜半導
体、(22)、(23)はソースドレイン領域で、(24)、
(25)はソースドレイン電極、(26)はゲート絶縁膜で
(27)はゲート電極であります。このように構成された
薄膜トランジスタはゲート電極(27)に電圧を加えるこ
とにより、ソースドレイン(22)、(23)間に流れる電
流を調整するものであります。
【0006】この時、この薄膜トランジスタの応答速度
は次式で与えられる。 S=μ・V/L2 ここでLはチャネル長,μはキャリアの移動度,Vはゲ
ート電圧。
【0007】この薄膜トランジスタに用いられる非単結
晶半導体層は半導体層中に多量の結晶粒界等を含んでお
り、これらが原因で単結晶の半導体に比べてキャリアの
移動度が非常に小さく上式より判るようにトランジスタ
の応答速度が非常に遅いという問題が発生していた。特
にアモルファスシリコン半導体を用いた時その移動度は
だいたい0.1 〜1 (cm2/V・Sec )程度で、ほとんどTF
T として動作しない程度のものであった。
【0008】このような問題を解決するには上式より明
らかなようにチャネル長を短くすることと、キャリアの
移動度を大きくすることが知られ、種々の改良が行われ
ている。
【0009】特にチャネル長Lを短くすると、その2乗
で応答速度に影響するので非常に有効な手段である。
しかしながらTFT の特徴である大面積基板上に素子を形
成する場合、フォトリソグラフィー技術を用いて、ソー
スドレイン間の間隔(だいたいのチャネル長に対応す
る)を10μm 以下にすることは、その加工精度,歩留ま
り,生産コスト等の面から明らかに困難であり、TFT の
チャネル長を短くする手段として、フォトリソグラフィ
ー技術を使用しない手段が求められている。その一つの
答えとして、図3に示すように縦チャネル構造のTFT が
提案されている。これは基板上にソース(30)活性領域
(31)ドレイン(32)よりなる非単結晶半導体層を積層
したのち、ゲート絶縁膜(33)を形成しその上にゲート
電極(34)を有するものである。
【0010】この構造の場合、そのチャネル長はほぼ活
性領域(31)の厚みに対応し、活性領域の厚みを調節す
ることにより容易にチャネル長を可変できるものであっ
た。
【0011】しかしながら、この構造のTFTは非単結晶
半導体層を複数層積層するので、ソースドレイン間の電
流が流れる方向に多数の界面を有していることになり、
良好なTFT 特性が得られない。また、電流の流れる方向
の断面積が大きいのでオフ電流が増大するという問題が
発生し、縦型TFTは本質的な問題解決とはなっていな
い。
【0012】一方、移動度を向上させることは、従来よ
り種々の方法によって行われていた。代表的には、非単
結晶半導体をアニールして、単結晶化又は多結晶のグレ
インサイズを大きくすることが行われていた。
【0013】これら従来例では、高温下でアニールする
ために、高価な耐熱性基板を使用しなければならなかっ
たり、基板上全面の半導体層を単結晶化又は多結晶化す
るため、処理時間が長くなるという問題が発生してい
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の如き
問題を解決するものであり、従来より知られたTFT に比
べて、高速で動作するTFTを複雑な工程がなく、再現性
よく作製する方法を提供することをその目的とするもの
であります。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板上に薄膜トランジスタ素子を整列して
複数個形成する場合において、レーザーを照射すること
により、N又はP型の導電型を有する低抵抗の非単結晶
半導体を切断し、ソース、ドレイン領域を作製する工程
と、選択的にレーザー光を照射して、前記高抵抗の非単
結晶半導体層の、レーザー光が照射された部分の結晶化
を助長せしめ、その部分が複数個の薄膜トランジスタの
チャネル部になるように作製することを特徴とする。
【0016】本発明では、レーザー光を用いて低抵抗の
非単結晶半導体を切断し、ソース、ドレイン領域を作製
するために、レーザー光を絞るための光学系を用いるこ
とにより、ソース、ドレイン領域の間隔(ほぼチャネル
長に相当する。)を数μm程度にすることが可能であ
り、従来のフォトリソグラフィー法では困難であったチ
ャネル長の短縮を可能にすることができる。
【0017】また、レーザー光照射により高抵抗の非単
結晶半導体層の結晶化を助長するため、TFTのキャリア
移動度を増大させ、前に述べた応答速度を増大せしめ、
その結果従来適用できなかった液晶ディスプレー、イメ
ージセンサー等に非単結晶半導体を用いた薄膜トランジ
スタ素子を適用可能ならしめるものである。
【0018】さらに本発明においては、基板上の整列し
た複数の部分に直線状或いはドット状にレーザー光を照
射するため、従来の方法に比較して、直線状に照射する
場合には直線部分の結晶化の促進或いは非単結晶半導体
の切断を同時に行うことができ、非単結晶半導体薄膜の
複数の部分の結晶化、非単結晶半導体の切断を短時間で
行うことができる。またドット状に照射する場合におい
ても1ヶ所に照射した後の基板の移動のためのプログラ
ムが、整列した部分への照射のために簡単であるうえ、
工程上も、非単結晶半導体薄膜の複数の部分の結晶化、
非単結晶半導体の切断を短時間で行うことができる。
【0019】さらに本発明においては、エッチングの際
も、レーザー光を照射した部分は照射しない部分に比較
してエッチングしにくいため、エッチング時の歩留りが
上昇し、コストダウンにもなり得る。
【0020】特に作製しようとする薄膜トランジスタが
コプレナー型、逆スタガード型の場合には、低抵抗の非
単結晶半導体薄膜を切断する工程と、高抵抗の非単結晶
半導体薄膜の結晶化を同時に行うことができ、特に工程
に要する時間を短縮することができる。
【0021】さらに、例えばスタガード型の薄膜トラン
ジスタを作製する場合には、真空装置内においてN型の
非単結晶半導体膜を作製した後、その真空装置内に基板
をセットした状態で真空装置内にレーザー光を導いてN
型の半導体薄膜を切断してソース、ドレイン領域を作製
し、その状態で高抵抗の(I型)非単結晶半導体薄膜を
成膜して、再びレーザー光を照射することによりI型の
半導体層を結晶化し、その後絶縁膜を作製することがで
きる。つまり、N型の半導体層の作製から絶縁膜の作製
まで基板に手を触れることなく行うことができる。従っ
て確実にN型の半導体層の切断した部分とI型の半導体
層の結晶化する部分とが一致する、つまりチャネル領域
のみ結晶化することができる。さらに、I型の半導体薄
膜を作製しながらレーザー光を照射して結晶化の進んだ
半導体薄膜を作製した場合には、薄膜作製、結晶化と2
回にわけて行われていた工程を1回の工程で行うことが
でき、工程に要する時間の短縮が実現できる。そのう
え、前に述べた複数の箇所の結晶化或いは切断と組み合
わせれば、さらに工程時間の短縮が実現できる。以下に
実施例により本発明を詳しく説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】
【実施例】『実施例1』本実施例においては、液晶ディ
スプレイに用いるためのコプレナー型の薄膜トランジス
タの作製について示す。本実施例に対応する薄膜トラン
ジスタの概略的な作製工程を図1(a)〜(g)に示
す。
【0024】まず、基板(11)として、透明導電膜とし
てパターニングされたITO電極(画素電極)(18)を
有する300mm×300mmのソーダガラスを用い、この基板
(11)上に公知のプラズマCVD法にて高抵抗半導体層
としてI型の非単結晶珪素膜(13)を形成する。この時
の作製条件は以下の通りであった。 基板温度 250℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 150W 使用ガス SiH4 膜厚 6000Å
【0025】そして同様にプラズマCVD法により低抵
抗非単結晶半導体としてN型の導電型を有する非単結晶
珪素膜(12)を形成する。(図1(a))この非単結晶
珪素膜(12)の作製条件は非単結晶珪素膜(13)の時と
ほぼ同じであるが、使用ガスがSiH4+PH3で膜厚は2000
Åとした。
【0026】このN型の非単結晶珪素膜(12)は、その
形成時にH2ガスを多量に導入し、Rfパワーを高くし
て、微結晶化して電気抵抗を下げたものを使用しても良
い。次に、公知のフォトリソグラフィー技術を用いて、
この非単結晶珪素膜(12)、(13)をソース、ドレイン
領域の所定の外形パターンにマスキングを行い、CF 4
スを用いてドライエッチングを行い、図1(b)の状態
を得た。
【0027】次に、公知のスパッタリング法を用いてモ
リブデン薄膜を成膜し、エッチングしてソース、ドレイ
ン電極(50)、(51)を作製した。(図1(c))
【0028】次に、この非単結晶珪素膜(12)に対し、
長さ300mm巾2.5μmの細長い長方形の照射断面となるよ
うに、光学系によって集光された波長248.7nmのエキシ
マレーザー光(15)を図1(d)に示す様に照射し、非
単結晶珪素膜(12)を切断し、続けて高抵抗の非単結晶
珪素膜(13)のレーザー光を照射した部分の結晶度を増
大せしめた。ここで注意しなければいけないことは、非
単結晶珪素膜(13)を切断しないようにレーザー光のエ
ネルギーを調節することである。
【0029】普通、レーザー光は中心部が強く、端のほ
うは弱くなっていて、強度において、ガウス分布を呈す
る。従って、この光の状態のまま照射すると光の中心部
のみ結晶化が進んでしまうので、本実施例においては、
光学系を用いて、光の強度を均一にして照射を行った。
【0030】そして図1(e)の状態を得た。ただし、
図1(e)においては直線状にレーザー光を照射して、
結晶度の増大した部分のみを示す。本実施例においての
レーザー光の照射条件は最初パワー密度1J/cm2、パル
ス巾15μsecで、3パルス照射し、続けてパワー密度0.3
J/cm2、パルス巾12μsecで、2パルス照射した。
【0031】本実施例の場合、最初の3パルスは低抵抗
の非単結晶珪素膜を切断するために、後の2パルスは高
抵抗の非単結晶珪素膜を結晶化させるために照射した。
この照射回数及びレーザーの条件は被加工物によって異
なり本実施例の場合は予備実験を行って前述の条件を出
してその条件を用いた。
【0032】次に、プラズマCVD法で窒化珪素膜を10
0Å形成し、パターニングを行いゲイト絶縁膜(16)と
した。
【0033】そして、公知のスパッタリング法にて、モ
リブデン膜を成膜し、パターニングを行い、ゲイト電極
(17)を形成し、図1(f)に示すような、薄膜トラン
ジスタ(10)を整列して配置した基板を完成させた。
(図1(g))
【0034】そして絶縁膜を形成した後、配向膜塗布工
程、スペーサー散布工程、貼り合わせ工程、液晶注入工
程を通過して、液晶セルが完成した。
【0035】以上のようにして、光学系を用いて断面を
直線状にしたレーザー光を用いて、複数の薄膜トランジ
スタに対応する低抵抗の非単結晶珪素膜の切断を同時に
行うことができ、さらに複数の薄膜トランジスタに対応
する高抵抗の非単結晶珪素膜の結晶化の促進を同時に行
うことができる。そのうえ前記2つの工程の、切断、結
晶化を続けて行うことができるため、ソース、ドレイン
領域間つまりチャネル部のみ結晶化を行うことができ、
リーク電流を非常に少なく押さえることができ、さら
に、液晶ディスプレイに用いるような大型の基板に複数
のTFTを整列して作製する場合に特に短時間で加工がで
き、有効である。
【0036】『実施例2』本実施例においては、実施例
1と同様に本発明を液晶ディスプレイの作製時に用いた
場合について示す。ただし、スタガード型の薄膜トラン
ジスタを作製する場合について述べる。
【0037】まず、実施例1で用いたものと同じ基板上
に、実施例1と同様な方法でモリブデン膜を形成し、パ
ターニングを行ってソース、ドレイン電極とする。
【0038】次に、実施例1と同様な方法でN型の導電
性を有する非単結晶半導体薄膜を形成する。
【0039】そして、N型の半導体薄膜を作製した真空
装置内にレーザー光を導き、N型の半導体薄膜を切断す
る。
【0040】そして、N型の半導体薄膜を切断後、その
状態で、実施例1と同様な方法で高抵抗の(I型)非単
結晶半導体層を成膜し、再びレーザー光を照射してI型
の非単結晶半導体層を結晶化する。
【0041】本実施例においては、巾5μm長さ2.5μ
mの長方形の照射断面となるように光学系によって集光
された波長1.06μmのYAGレーザー光を図4に示す様
に点状に照射し、一箇所の照射ごとに基板をX、或いは
Y方向に一定の長さだけ動かして次の箇所の照射を行っ
た。
【0042】この時のレーザー光の照射条件はパワー密
度1J/cm2、繰り返し周波数10kHzで1.5秒間照射し
た後、パワー密度0.5J/cm2、繰り返し周波数10kHz
で0.5秒間照射した。この場合、最初の1.5秒間はN型の
半導体層の切断のため、後の0.5秒間はI型の半導体層
の結晶化のために照射した。
【0043】この照射回数及びレーザーの条件は被加工
物によって異なり、本実施例の場合は予備実験を行って
前述の条件を出してその条件を用いた。
【0044】本実施例においても実施例1と同様に、レ
ーザー光を均一にするために光学系を用いた。
【0045】そして、レーザー光照射後、同一の真空装
置内で窒化珪素膜を100Å成膜し、ゲート絶縁膜とし
た。
【0046】そして、公知のフォトリソグラフィー技術
を用いて、N型、I型の半導体層、さらにゲート絶縁膜
をパターニングした。
【0047】その後、モリブデン膜を作製、パターニン
グしてゲート電極として、薄膜トランジスタが完成し
た。
【0048】そして、絶縁膜を成膜した後、液晶配向膜
塗布工程、スペーサー散布工程、貼り合わせ工程、液晶
注入工程を経由して液晶セルが完成した。
【0049】このようにして、整列して形成される複数
個の薄膜トランジスタの、非単結晶珪素膜のチャネル部
に相当する部分のみにレーザー光を照射し、結晶化を促
進することによって、応答速度の大きい薄膜トランジス
タを作製することができ、そのうえ、レーザー光を部分
的に照射するため、従来のように全面に照射する方法に
比較して、短時間での結晶化が可能である。
【0050】本実施例においては、実施例1以上に必要
な部分のみの照射であるため、非単結晶珪素膜のエッチ
ングの際、かりに微妙に残渣が残ってしまった場合でも
不必要な部分は結晶化が進んでいないので、リーク電流
を少なくすることができる。
【0051】さらに、N型半導体層作製から絶縁膜作製
までの工程を同一の真空装置内で、基板を1度も動かさ
ずに行ったので、N型半導体の切断した部分とI型半導
体の結晶化した部分とが一致し、余分なリーク電流を削
減することができたうえに、工程に要する時間も短縮で
きる。
【0052】そのうえレーザー光照射を真空装置内で行
ったため、レーザー光照射によりN型半導体が気化した
結果生ずるガスをすばやく真空ポンプで引いてしまうた
め、一度気化したガスが再び基板表面に吸着されること
がなく、切断面が非常に清浄な状態になる結果、薄膜ト
ランジスタの性能が非常に安定したものとなった。
【0053】本実施例は、スタガード型の薄膜トランジ
スタんの作製に関するものであったが、例えば逆スタガ
ード型の場合工程としては、ゲート電極作製→ゲート絶
縁膜作製→I型半導体層作製→結晶化→N型半導体層作
製→電極薄膜作製→N型半導体層電極切断の順になる
が、このうちゲート絶縁膜作製からN型半導体層作製ま
で基板を動かさずに行なえるので、やはりN型半導体層
の切断部分とI型半導体層の結晶化部分が一致して前に
述べた効果が得られるものである。さらに他の型の薄膜
トランジスタ作製の際も同様な効果が得られる。
【0054】『実施例3』本実施例においては、本発明
をイメージセンサーの作製時に用いた場合について示
す。
【0055】まず、ガラス基板上に、実施例1と同様な
方法で、モリブデン膜を形成した後、N型の導電型を有
する非単結晶珪素膜を形成する。
【0056】次に、公知のフォトリソグラフィー技術を
用いて、実施例1と同様に非単結晶珪素膜を所定の外形
パターンにマスキングを行い、CF4ガスを用いてドライ
エッチングを行う。
【0057】次に、この非単結晶珪素膜に対し、巾5μ
m長さ230mm(基板の長さに対応する。)のほぼ直線状
の照射断面となるように光学系によって集光された波長
248.7nmのエキシマレーザー光を照射して、光を照射し
た部分の非単結晶珪素膜を切断して、ソース、ドレイン
領域を作製する。
【0058】次に、実施例1と同様に高抵抗半導体層と
してI型の非単結晶珪素膜を形成する。
【0059】再び巾5μm長さ230mm(基板の長さに対
応する。)のほぼ直線状の照射断面となるように光学系
によって集光された波長248.7nmのエキシマレーザー光
を照射して、I型の非単結晶珪素膜を結晶化した。
【0060】ここまでのレーザー光の照射条件はパワー
密度1J/cm2、パルス巾15μsecで3パルス照射した
後、パワー密度0.5J/cm2、パルス巾10μsecで2パルス
照射した。最初の3パルスはN型の非単結晶珪素膜を切
断する際に用い、後の2パルスはI型の非単結晶珪素膜
を切断する際の用いた。
【0061】この照射回数及びレーザーの条件は被加工
物によって異なり、本実施例の場合は予備実験を行って
前述の条件を出してその条件を用いた。
【0062】本実施例においても実施例1と同様に、レ
ーザー光が均一になるように光学系を用いている。
【0063】次に、このI型の珪素膜上にプラズマCV
D法で窒化珪素膜を100Å形成し、ゲイト絶縁膜とし
た。
【0064】これらを所定のパターンにパターニング
後、公知のスパッタリング法にて、モリブデン膜を蒸着
し、パターニングを行い、ゲイト電極を形成し、その後
絶縁膜を作製して薄膜トランジスタを完成させた。
【0065】このようにして、一直線上に整列して形成
される複数個の薄膜トランジスタを作製する際に、断面
がほぼ直線状のレーザー光を用いたため半導体層の切
断、結晶化を1回の工程で行うことができた。
【0066】
【発明の効果】レーザー光を用いて複数の部分を同時に
加工することにより、整列して形成される薄膜トランジ
スタのチャネル長の短縮とチャネル部の結晶度の増大を
短時間で行うことができた。これにより、従来ではキャ
リアの移動度が小さいためにディスプレー装置、イメー
ジセンサー等のスイッチング素子として使用できなかっ
た非単結晶半導体を用いた薄膜トランジスタを使用する
ことが可能になった。
【0067】また、チャネル部の結晶度を増大させるた
めにレーザー加工技術を用いたので、大面積化されても
加工精度上の問題はなく、良好な特性を有する薄膜トラ
ンジスタを大面積基板上に多数形成することが非常に容
易になった。
【0068】さらには、レーザー加工を直線状、ドット
状などの必要な部分にのみ行っているので、エッチング
時の歩留りが上昇し、さらにリーク電流を低減すること
ができた。
【0069】そのうえ、真空装置内にレーザー光を導い
て本発明の構成を用いれば、さらに工程時間を短縮する
ことができ、そのうえ、切断部と結晶化の部分が一致し
てリーク電流をさらに減らすことができる。
【0070】なお、本明細書の実施例においては、低抵
抗半導体層としてN型のみ示したが、本発明の技術思想
からP型の半導体層を有する薄膜トランジスタの場合に
も、本発明が極めて有効であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例について薄膜トランジスタの作
製工程を示す。
【図2】従来の薄膜トランジスタの断面の概略図を示
す。
【図3】従来の薄膜トランジスタの断面の概略図を示
す。
【図4】本発明の実施例について薄膜トランジスタの作
製工程を示す。
【符号の説明】
10・・・薄膜トランジスタ 11・・・基板 12・・・低抵抗非単結晶半導体層 13・・・高抵抗非単結晶半導体層 14・・・結晶度の増大した部分 15・・・レーザー光 16・・・ゲート絶縁膜 17・・・ゲート電極 18・・・ITO電極 50、51・・・ソース、ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−224346(JP,A) 特開 昭59−195871(JP,A) 特開 昭58−127318(JP,A) 特開 昭63−25913(JP,A) 特開 昭55−68652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/336 G02F 1/1368 H01L 21/20 H01L 29/786

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上にI型の第1の非単結晶半導体
    膜を形成し、 前記第1の非単結晶半導体膜上にN型またはP型の第2
    の非単結晶半導体膜を形成し、 照射断面が線状のレーザー光を照射することにより、
    ース領域およびドレイン領域を形成するように前記第2
    の非単結晶半導体膜切断し、続けて前記第1の非単結
    晶半導体膜において、前記第2の非単結晶半導体膜を切
    断することにより表面が露出されたチャネル部となる
    域を結晶化し、 前記第1の非単結晶半導体膜および第2の非単結晶半導
    体膜上にゲート絶縁膜を形成し、 前記ゲート絶縁膜上で前記結晶化された領域の上方にゲ
    ート電極を形成することを特徴とする薄膜トランジスタ
    の作製方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記レーザー光は、減
    圧下にて照射されたことを特徴とする薄膜トランジスタ
    の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記レ
    ーザー光は、パルス照射されたことを特徴とする薄膜ト
    ランジスタの作製方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれか一におい
    て、前記レーザー光は、エキシマレーザー光であること
    を特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項3のいずれか一におい
    て、前記レーザー光は、YAGレーザー光であることを
    特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載
    された方法によって作製されたことを特徴とする薄膜ト
    ランジスタ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載
    された方法によって作製された薄膜トランジスタを用い
    たことを特徴とするディスプレイ。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載
    された方法によって作製された薄膜トランジスタを画素
    のスイッチング素子に用いたことを特徴とするディスプ
    レイ。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載
    された方法によって作製された薄膜トランジスタを用い
    たことを特徴とするセンサー。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
    載された方法によって作製された薄膜トランジスタを画
    素のスイッチング素子に用いたことを特徴とするセンサ
    ー。
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