JP3478718B6 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被帯電体面に接触させて帯電を行う帯電部材、及び該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。詳しくは、電圧を印加した帯電部材により被帯電体表面を所定の電位に帯電する帯電部材、及び該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子写真装置(複写機及び光プリンタなど)及び静電記録装置などの画像形成装置において、感光体及び誘電体などの被帯電体としての像担持体面を帯電処理する手段としては従来よりコロナ放電装置が広く利用されている。
【0003】コロナ放電装置は像担持体などの被帯電体面を所定の電位に均一に帯電処理する手段として有効である。しかしながら、高圧電源を必要とし、コロナ放電のため好ましくはないオゾンが発生するなどの問題点を有している。
【0004】このようなコロナ放電装置に対して、前記のように電圧を印加した帯電部材を被帯電体面に接触させて被帯電体面を帯電処理する接触帯電装置は、電源の低圧化が図れる、またオゾンの発生量が少ないなどの長所を有している。
【0005】例えば、本出願人が先に提案した(特願昭62−51492号及び同62−230334号など)ように、接触帯電装置において、直流電圧と直流電圧を帯電部材に印加したときの帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する振動電界を帯電部材と被帯電体との間に形成することにより、被帯電体の帯電均一性を図ることができる。
【0006】このような帯電部材の構成として、導電性支持体上に抵抗層を設けたり、導電性支持体上に少なくとも弾性層と抵抗層を設け、上層の抵抗層に適度な体積抵抗を保持させ、下層の弾性層に被帯電体との当接を適正にするための適度な弾性を保持させることにより、被帯電体の帯電均一性や、感光体などの被帯電体表面のピンホールや傷などによるリーク防止などを図ることができる。
【0007】弾性層には、カーボンブラック、グラファイト、金属粉や金属酸化物などの導電性粉末を弾性材料中に分散した層を用いる。弾性材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム及びシリコーンゴムなどの合成ゴム、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、ポリオレフィン系及びポリウレタン系などの熱可塑性エラストマー及びそれらの混合体などが用いられる。弾性層は金型成形などで形成されることが多い。
【0008】抵抗層には、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂などの高分子化合物にカーボンブラック及び金属酸化物などの導電性粒子を分散した層が用いられる。抵抗層は浸漬塗工、スプレー塗工及びロール塗工などにより形成されることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、帯電部材について、抵抗層は、ゴムまたは樹脂にカーボンや金属酸化物などを分散したものを有機溶剤に溶解して塗料を作成し、該塗料を弾性層面にコーティングし、乾燥して溶剤を蒸発させることで形成している。
【0010】コーティングにより抵抗層を形成する場合は、乾燥工程と十分な乾燥時間が必要となり、帯電部材の製造時間が長くなるという問題がある。
【0011】また、弾性層に帯電音を抑制する目的で発泡体を用いた場合、コーティングにより抵抗層を形成すると、発泡弾性層の発泡セル中に有機溶剤が残留し易くなる。この残留溶剤は抵抗層の表面側に徐々に移行して帯電部材表面に染み出てしまう。そのため、被帯電体面に対して該帯電部材が接触した状態に長時間あると、帯電部材が被帯電体面に固着したり、被帯電体面が溶剤の移行で変質を生じたりする。
【0012】被帯電体が例えば前記例の電子写真感光体であれば、帯電部材との長時間接触部分面に溶剤移行による局部変質を生じ、その結果出力画像面において上記変質部に対応する画像部分が白スジや黒スジなどの異常画像部となる。
【0013】最近では、抵抗層の形成にコーティングを用いず、非粘着性や非汚染性を備えた材料の電気抵抗を予め調整しシームレスチューブを形成し、その内径を前記弾性層より小さめに成形し、そこへ前記弾性層を圧入する方法や同材料によるシームレスチューブをシュリンクチューブ(熱収縮性)とし、加熱処理により密着させ抵抗層を形成する方法により製造することも提案されている。
【0014】コーティングを用いずにシームレスチューブなどを用いて帯電部材の抵抗層を形成する場合、数μmといった薄層を均一に形成することは非常に困難である。コーティングを用いた場合は数μmといった薄層を形成することは十分可能である。そのため、帯電部材の抵抗を調整する方法としてコーティング層の体積抵抗を予めコントロールする方法と膜厚をコントロールすることによる2つの方法がある。この両者を併用してコントロールすれば比較的容易に帯電部材の抵抗を制御することができる。一方、シームレスチューブを用いた場合は薄層化が困難であるため、帯電部材の抵抗を調整するにはシームレスチューブにより形成される抵抗層の体積抵抗を所望の値に精度よくコントロールしなければならない。しかしながら、電子写真用の帯電部材を構成している抵抗層は104 〜1012Ωcm程度の半導電性とすることが多いが、このような半導電性領域にシームレスチューブなどを所望の抵抗値に精度よく、しかも均一に成形加工することは技術的に非常に難しいという問題がある。
【0015】前述のような接触式の帯電部材では、像担持体である感光体にピンホールや傷が生じた場合、帯電部材が103 Ω以下と低い場合、感光体のピンホール部が帯電部材とのニップ部である帯電領域に移動すると、帯電部材と感光体のピンホールとの間でリークが発生して給電部の電圧が著しく降下してしまう。そのため、このリーク発生時には帯電部材と感光体とのニップ部の長手方向全体が帯電不良となり実際の画像においては反転現像では黒帯状、正規現像では白帯状の画像ムラが感光体の回転周期毎に現れ画像品質が低下する。
【0016】従って、本発明の目的は、抵抗層の形成時に有機溶剤を用いないため、乾燥工程が不要で、有機溶剤を使用する場合の被帯電体としての感光体への汚染の恐れがなく、また抵抗層をシームレスチューブなどの抵抗材料から形成しても抵抗ムラが小さく、しかも被帯電体である感光ドラムにピンホールが生じても電圧降下が起こらない帯電部材、及び該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記のような構成を特徴とする帯電部材、及び該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置である。
【0018】(1)電圧を印加した帯電部材を被帯電体面に接触させることにより該被帯電体面を帯電する帯電部材において、該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体上の弾性層及び該弾性層上の半導電性の抵抗層を有し、該抵抗層は、導電性ポリマーからなるシームレ スチューブ(酸化亜鉛とカーボンと絶縁オイルを含むポリマーまたは複酸化物と絶縁オイルを含むポリマーからなる発泡弾性チューブを除く)を該弾性層の周面に外嵌したものであり、該シームレスチューブは、外嵌前の内 径をL 、そのときの抵抗値をR とし、外嵌後の内径をL 、そのときの抵抗値をR としたとき、L 及び は、下記式(1)で示される関係を満たし、且つR 及びR は、下記式(2)で示される関係を満たし、 それによって帯電部材の抵抗が調整されていることを特徴とする帯電部材:
×1.005≦L ≦L ×2.00 ・・・ (1)
×2≦R ≦R ×10 ・・・(2)
【0019】(2)前記R が、10 〜10 Ωで ある(1)に記載の帯電部材。
【0020】
【0021】()該抵抗層が1層または2層以上の積層からなる(1)または(2)に記載の帯電部材。
【0022】()該弾性層が発泡体からなる(1)乃至(3)のいずれかに記載の帯電部材。
【0023】()該帯電部材の最外部に位置する抵抗層の硬度が、JIS−K6301に示されるJIS−A硬度で40〜90度である(1)乃至(4)のいずれかに記載の帯電部材。
【0024】()該帯電部材の10点平均表面粗さ(Rz)が10μm以下である(1)乃至(5)のいずれかに記載の帯電部材。
【0025】()像担持体、(1)乃至(6)のいずれかに記載の帯電部材、及び該像担持体及び帯電部材を一体に収容するカートリッジ容器を有し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0026】()像担持体及び(1)乃至(6)のいずれかに記載の帯電部材を有する画像形成装置。
【0027】即ち、上記(2)項の帯電部材のように帯電部材の抵抗層について、抵抗材料を予め中空部材として、例えばシームレスチューブ体などの形態で成膜製造し、この中空部材を帯電部材の弾性層面に対して外嵌処理して帯電部材の抵抗層を形成することにより溶剤を用いなくて済み、乾燥工程が不要となる。
【0028】従って、帯電部材自体の製造は容易に短時間なものとすることが可能であり、しかもコーティング層中の残留溶剤の表面染みだしによる被帯電体の汚染などの問題を回避することができる。
【0029】また、上記(1)乃至(3)項のように、本発明では、予め円筒状の中空部材として成膜されたシームレスチューブなどの抵抗材料を弾性層の上に外嵌処理し、延伸して被覆形成を行い、その延伸の度合いを調節することで帯電部材の抵抗値を容易に制御することができる。本発明者らが検討を重ねた結果、シームレスチューブをある程度延伸すると抵抗値が延伸に従って上昇してくることが分った。何故、抵抗値が延伸により上昇していくかの原因は不明であるが、この現象を利用し、まず、低い抵抗値にシームレスチューブを成形加工し、そのシームレスチューブを支持部材に延伸被覆させると、半導電性の均一な被覆層が得られることが分った。本発明では、この現象を利用して半導電性を有する抵抗層を所望の抵抗値に精度よくコントロールし、しかも均一に抵抗値を設定することが可能であることが分った。なお、102 〜104 Ω程度の低い抵抗値に均一にシームレスチューブを成形加工することは比較的容易であった。
【0030】具体的には、シームレスチューブなどの抵抗材料を帯電部材の弾性層上に外嵌処理して抵抗層を形成したときの内径L1 をある一定値に固定しておいて、予め円筒状の中空部材として成膜されたシームレスチューブなどの外嵌処理前の円筒内径L0 を変えることで延伸量を変え抵抗値をコントロールすることができる。
【0031】シームレスチューブなどの抵抗材料の材料配合(処方)を変えたりしなくても、材料配合(処方)をある程度の抵抗値になるようにしてあれば、後はシームレスチューブの延伸の度合いにより抵抗値を精度よくコントロールすることができる。
【0032】半導電性領域では極微量の導電剤配合量の差で大きく抵抗値が変わってしまうことがある。従って、本発明のような構成とすることは、抵抗材料の導電剤配合量の秤量誤差やロット間のバラツキにより発生する抵抗値のバラツキをシームレスチューブ成形時あるいは成形後に延伸量にて抵抗調整できるので非常に有用な手段である。
【0033】なお、(3)項に示すようにシームレスチューブなどの延伸は
0 ×1.005≦L1 ≦L0 ×2.00
の範囲で行うものであるが、L1 (延伸被覆後の内径)がL0 (延伸前の内径)の2倍を超える場合{L1 >(L0 ×2.00)}は、チューブを延伸し抵抗層を形成した初期の状態では問題無いが、経時変化により抵抗層を形成している延伸状態のチューブが緩んでしまうという問題が生じるので好ましくない。
【0034】シームレスチューブの外嵌処理前の円筒内径L0 、外嵌処理後(延伸後)の内径L1 とシームレスチューブの抵抗値の関係(延伸と抵抗値の関係)を図1に示す。
【0035】帯電部材、及び該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置についての特有の作用効果は以下に示す実施例において具体的に記述する。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の帯電部材の概略構成について説明する。
(1)画像形成装置例
図2は本発明に従う帯電部材を用いた接触帯電装置を像担持体の一次帯電手段とした電子写真装置(レーザービームプリンタ)の一例の概略構成図である。
【0037】2は被帯電体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。2aは該感光ドラム2のアルミニウムなどの導電性ドラム支持体、2bはそのドラム支持体2aの外周面に形成した感光層である。
【0038】1は接触帯電部材であり、本例は感光ドラム2面のドラム母線方向に並行して所定の押圧力で圧接させて配置したローラ体(以下、帯電ローラと記す)で、感光ドラム2の回転に従動回転する。
【0039】本例の帯電ローラ1は、直流電圧あるいは直流電圧と交流電圧の重畳電圧を印加する芯金1a、その上に弾力性と導電性を付与する弾性層、その上に抵抗層を形成する。抵抗層は、例えば、弾性層の圧縮変形によるヘタリを防止する目的及び抵抗を制御する目的で第1抵抗層を形成し、第1抵抗層の外側に、感光体への現像剤融着の防止及び感光体に欠陥部(ピンホール)が生じた際に過剰に電流が流れ込むのを防止するなどを目的として第2抵抗層を形成する。本例の帯電ローラ1の導電性芯金1a、弾性層、第1抵抗層及び第2抵抗層については後述する。
【0040】3は帯電ローラ1に対する電圧印加電源であり、この電源から帯電ローラ1の導電性芯金(軸体)1aに所定の電圧を印加することで、回転する感光ドラム2の表面が所定の電位に接触帯電式で帯電処理される。
【0041】帯電ローラ1に対する電圧は、直流電圧のみの場合と直流電圧に交流電圧のような振動電界を重畳する場合とがある。均一な帯電処理という面では振動電界を重畳した場合の方が有利である。
【0042】帯電ローラ1により所定の電位に均一に一次帯電処理された感光ドラム2面の周囲には、原稿の画像情報に応じて露光し静電潜像を形成する不図示の露光手段4、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置5、給紙カセット6から供給された転写材Pに感光ドラム上のトナー像を転写する転写帯電器7、転写後の感光ドラム2上の残留トナーを除去するクリーニング装置9、次の一次帯電に備え、感光ドラム2上の電荷を除去する不図示の前露光手段10が配置されている。更に、転写帯電器7の下流側には、転写材P上に転写されたトナー像を転写材Pに定着する定着装置8が配置されている。11は画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジであり、本実施例では帯電ローラ1、感光ドラム2、現像装置5及びクリーニング装置9の4つのプロセス機器を包含させてある。12は装置内に装着されたプロセスカートリッジ11の保持部材である。
【0043】(帯電ローラ例)例えば、帯電部材は図3に示すようにローラ形状であり、導電性芯金1aと、その外周に一体に形成された弾性層1bと、該弾性層の外周に形成された第1抵抗層1c及び、更に、その外周に形成された第2抵抗層1dから構成されている。
【0044】本発明の帯電部材の他の構成を図4に示す。図4(a)に示すように帯電部材は、第1抵抗層1c、第2抵抗層1d及び第3抵抗層1eからなる3層以上の抵抗層からなる構成としてもよい。また、図4(b)のように弾性層と1層の抵抗層からなる構成としてもよい。
【0045】本発明に用いられる導電性芯金1aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケルなどの金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施してもさしつかえないが、導電性を損なわないことが必要である。
【0046】帯電ローラ1において、弾性層1bは被帯電体としての感光ドラム2に対する給電や、帯電ローラ1の感光ドラム2に対する良好な均一密着性の確保と、振動電界を印加した際に生じる帯電音に対して消音効果を持たせるために適当な導電性と弾性及び硬度を持たせてある。帯電音を抑制するには弾性層を発泡体とするのが効果的である。また、帯電ローラ1と感光ドラム2の均一密着性を確保するために弾性層1bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することも多い。一般に使用されている帯電ローラ1が、芯金1aの両端部に所定の押圧力を与えて感光ドラム2と当接されているので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラ1の真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状はこれを防止するために形成する。
【0047】弾性層1bの導電性はゴムなどの弾性材料中にカーボンブラックや導電性金属酸化物などの導電剤を適宜添加することにより108 Ωcm未満に調整されるのがよい。弾性や硬度はプロセス油や可塑剤などを添加したり発泡させることにより調整される。弾性層1bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴムや、EPDM、SBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、IR、BR、NBR及びCRなどの合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコーン樹脂なども挙げられる。これらの弾性材料を発泡成形した発泡体を弾性層1bに用いるのがよい。
【0048】弾性層の硬度は、JIS−K6301(JIS−C硬度)において、50度以下にすることで帯電音に対する消音効果が見られ、帯電音が気にならないものとなる。
【0049】第1抵抗層1cを構成する抵抗材料は、予めシームレスチューブ状の形態で成膜製造し、このシームレスチューブの外嵌処理により帯電部材1の第1抵抗層を形成する。
【0050】第1抵抗層1cは、荷重に対して変形しにくく、弾性層を圧縮変形から保護する目的で設ける。特に、弾性層に発泡体を用いたとき圧縮変形に対する保護が重要となる。また、弾性層に近い位置に形成されるため弾性層中に含有されるオイルや可塑剤などの帯電部材表面へのブリードアウトを防止する目的で設ける。そのため100%モジュラスが高く、バリヤー性に優れた材料が好ましい。
【0051】第1抵抗層の100%モジュラス値(M100 )は、例えば上記のように発泡体を弾性層に使用した場合、我々が検討を重ねた結果、50〜100kg/cm2の範囲が好ましいことが分った。100%モジュラス値(M100 )が50kg/cm2 未満であると荷重に対する圧縮変形が大きくなり、発泡体からなる弾性層のヘタリを防止しにくい。また、100%モジュラス値(M100 )が100kg/cm2 を超えると、弾性層外周へ被覆する際、大きな力を加えなければならず、チューブが破れたり偏肉する恐れがあるので、望ましくない。
【0052】第1抵抗層1cの具体的材料としては、エチレンプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド及びスチレンエチレンブチル及びエチレンブチルなどの各樹脂や共重合体よりなるエラストマー及び変性体から選ばれるものである。更には、ポリマーアロイを用いることができ、具体的にはエチレンプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、スチレンエチレンブチル及びエチレンブチルなどの各樹脂や共重合体よりなるエラストマー及び変性体などのエラストマーと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフロロエチレンなどの各樹脂及び共重合体からなる材料の組み合わせがよい。
【0053】本発明に用いる第1抵抗層1cは、導電性または半導電性を有している必要がある。導電性または半導電性の発現のためには、各種導電剤(導電性カーボン、導電性酸化錫、導電性酸化チタン、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩など)を適宜用いることができる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。
【0054】また、第1抵抗層には、無機フィラーを含有してもさしつかえない。ここでいう無機フィラーとは炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、雲母、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ及びガラス繊維などであり、充填剤及び補強剤などとして使用することができる。必要に応じて、前記各種無機フィラーを2種以上併用して使用してもさしつかえない。
【0055】第2抵抗層1dは、帯電部材の表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため感光体表面への現像剤の融着を抑制する目的で設ける。また、被帯電体にピンホールが生じた場合、ピンホールに多量に電流が流れることで電源3の出力電圧が低下して、帯電ローラ1のニップ方向全域に帯電不良が生じるのを防止する目的で設ける。
【0056】第2抵抗層の硬度は、現像剤の融着を抑制するためJIS−K6301に示されるJIS−A硬度で40〜90度の範囲であることが好ましい。JIS−A硬度が40度未満であると、タック性が強くなり、被帯電体に貼り付いてしまう恐れがある。また、帯電部材表面に付着物が付き易くなり帯電部材表面が汚れ易くなる。そのため、帯電不良や帯電ムラが発生する恐れがある。また、JIS−A硬度が90度を超えると感光体表面に現像剤の融着を生じさせ易くなる。
【0057】また、第2抵抗層の抵抗値は被帯電体に生じたピンホールに多量の電流が流れるのを防止するため104 〜1012Ωcm程度の半導電性が好ましい。半導電性の領域に抵抗層の抵抗値を設定する場合、本発明のようなシームレスチューブの延伸により抵抗値をコントロールすれば、所望の抵抗値に均一な抵抗層を得ることが可能である。
【0058】第2抵抗層1dの具体的材料としては、エチレンプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、スチレンエチレンブチル及びエチレンブチルなどの各樹脂や共重合体よりなるエラストマー及び変性体から選ばれるものである。更には、ポリマーアロイを用いることができ、具体的にはエチレンプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、スチレンエチレンブチル及びエチレンブチルなどの各樹脂や共重合体よりなるエラストマー及び変性体などのエラストマーと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフロロエチレンなどの各樹脂及び共重合体からなる材料の組み合わせがよい。
【0059】本発明(図3の場合)に用いる第2抵抗層は、帯電部材の表面を形成するため半導電性を有している必要がある。半導電性の発現のためには、各種導電剤(導電性カーボン、導電性酸化錫、導電性酸化チタン、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩など)を適宜用いることができる。この場合、所望の電気抵抗を得るためには前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。
【0060】また、第2抵抗層には、無機フィラーを含有してもさしつかえない。ここでいう無機フィラーとは炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、雲母、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ及びガラス繊維などであり、充填剤及び補強剤などとして使用することができる。必要に応じて、前記各種無機フィラーを2種以上併用して使用してもさしつかえない。
【0061】第1抵抗層1cは、熱収縮性チューブを用いてチューブの内径を支持部材の外径よりも大きく設計しチューブ内に支持部材を挿入した後、加熱処理によりチューブを収縮させて被覆形成してもよいし、非熱収縮性チューブを用いてチューブの内径を支持部材の外径よりも小さく設計してチューブ内に空気を吹き込みチューブの内径を拡大した後、支持部材を挿入しチューブの収縮力により被覆形成してもよい。但し、半導電性領域に第1抵抗層1c及び第2抵抗層1dの抵抗値を設定する場合、均一な抵抗値の抵抗層を得るため本発明では延伸による抵抗調整を行うので、シームレスチューブの内径を支持部材の外径よりも小さく設計してチューブ内に空気を吹き込みチューブの内径を拡大した後、支持部材を挿入しチューブの収縮力により被覆形成する方法がよい。
【0062】本発明の帯電ローラを用いる場合、帯電ローラの表面が粗いと、その表面の凹凸によって微妙に帯電ムラが生じ、結果として画像不良が生じてしまうことがある。あるいは、感光体表面を浸食(削れなど)する恐れがある。従って、帯電ローラの表面は、より滑らかな方が好ましく、JIS−B0601表面粗さの規格における10点平均表面粗さRzが10μm以下、好ましくは4μm以下であることが望ましい。
【0063】本発明における体積抵抗率の測定は、JIS−K6911に準じて行ったものである。
【0064】(実施例1)下記の要領で、本発明に従う帯電部材を作成した。
【0065】
(弾性層の作成)
弾性層の材料として、
EPDM(合成ゴム) 100重量部
導電性カーボン 10重量部
と発泡剤、加硫剤及びその他の添加剤を適量加え混練分散し、ゴムコンパウンドを得る。得られたゴムコンパウンドを押し出し成形によってチューブ状に成形し、加硫発泡成形し発泡体とした。チューブ状の発泡体に導電性芯金1aを圧入した後、研磨によって直径11.5mmのスポンジローラ(弾性層1b)を得た。
【0066】
(第1抵抗層としてのシームレスチューブ作成)
第1抵抗層の材料として、
ポリウレタンエラストマー 100重量部
(100%モジュラス、39.0kg/cm2 樹脂ナチュラル)
導電性カーボン 15重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
を加圧式混練機を用いて180℃で10分間溶融混練し、導電性ポリマーを作成した。
【0067】得られた導電性ポリマーを押出機により内径(L0 )10.8mmで肉厚250μmで、かつ長さが300mmのシームレスチューブAに成形した。
【0068】次いで、シームレスチューブAに空気を吹き込み、その外径を拡げつつ、先に作成したスポンジローラを挿入し、両者を嵌合し、発泡体からなる弾性層1b上に第1抵抗層1cを形成した。
【0069】
(第2抵抗層としてのシームレスチューブ作成)
第2抵抗層の材料として、
スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー
100重量部
導電性カーボン 10重量部
導電性酸化チタン 20重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
を加圧式混練機を用いて200℃で10分間溶融混練し、導電性ポリマーを作成した。
【0070】得られた導電性ポリマーを押出機により内径(L0 )11.0mmで肉厚250μmで、かつ長さが300mmのシームレスチューブBに成形した。
【0071】次いで、シームレスチューブBに空気を吹き込み、その外径を拡げつつ、先に作成した第1抵抗層を被覆したスポンジローラを挿入し、両者を嵌合し、第1抵抗層上に第2抵抗層を形成し、帯電ローラを得た。
【0072】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0073】
(i)弾性層の硬度(JIS−C) ;40度
(ii)シームレスチューブAの内径L0 (10.8mm)での抵抗値R0
;0.007MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.025MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;62.6kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 (11.0mm)での抵抗値R。

【0074】
;0.045MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;0.95MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;79.3度
(iv)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;2.105μm

【0075】第1抵抗層及び第2抵抗層の抵抗値測定には、第1抵抗層及び第2抵抗層のそれぞれ内径L1 に等しい直径を有するステンレス製の円柱棒(長さ350mm)を電極として用いる。シームレスチューブA及びBをそれぞれステンレス製円柱棒の外周に延伸被覆させ、第1抵抗層及び第2抵抗層と同じ延伸状態を作り出し抵抗値を測定し、それぞれ第1抵抗層及び第2抵抗層の抵抗値とした。
【0076】第1抵抗層の抵抗測定の場合、φ11.0のステンレス製円柱棒の外周にシームレスチューブA(内径10.8mm)を被覆した。図5に示すように、該シームレスチューブA52を被覆したステンレス製円柱棒51のシームレスチューブを被覆した部分上に幅10mmのアルミ箔53を巻き、ステンレス製円柱棒の端部とアルミ箔間に電源54より直流−250Vを印加し電流計55で電流を計測し、ステンレス製円柱棒とアルミ箔間の抵抗値を測る。これより得た抵抗値を第1抵抗層の抵抗値とした。
【0077】第2抵抗層の抵抗測定の場合、φ11.5のステンレス製円柱棒を用いて、シームレスチューブB(内径11.0mm)の抵抗測定を行った以外、第1抵抗層の抵抗測定と同様に行った。
【0078】延伸前の内径L0 を有するシームレスチューブA及びBの抵抗値の測定には、それぞれ内径L0 (シームレスチューブAは10.8mm、シームレスチューブBは11.0mm)に等しい直径を有するステンレス製円柱棒を電極として使用する。
【0079】シームレスチューブAの抵抗測定の場合、シームレスチューブAに空気を吹き込み、軽く外径を広げつつ、φ10.8のステンレス製円柱棒を挿入し、両者を嵌合し、図5に示すように抵抗値を測定した。
【0080】シームレスチューブBの抵抗測定も同様にφ11.0のステンレス製円柱棒を用いて図5に示すように行った。
【0081】第1抵抗層のL1 及びR1 は、下記の条件を満たしている。
【0082】
0 ×1.005≦(L1 =11.0mm)≦L0 ×2.00
0 ×2.00≦(R1 =0.025MΩ)≦R1 ×105
但し、L0 =10.8mm、R0 =0.007MΩである。
【0083】第2抵抗層のL1 及びR1 も、下記の条件を満たしている。
【0084】
0 ×1.005≦(L1 =11.5mm)≦L0 ×2.00
0 ×2.00≦(R1 =0.95MΩ)≦R1 ×105
但し、L0 =11.0mm、R0 =0.045MΩである。
【0085】(複数枚画像出し耐久試験)該帯電ローラを図2に示すレーザービームプリンタ用プロセスカートリッジの一次帯電器の位置にある帯電ローラ1として設置し、該プロセスカートリッジを高温多湿の環境4(温度40℃、湿度95%)下に、30日間放置した。
【0086】30日間、環境4下に放置した上記プロセスカートリッジを図2に示すレーザービームプリンタ用プロセスカートリッジ11として設置し、印加電圧として、直流電圧−700Vと、周波数900Hz、ピーク間電圧2.0kVの交流電圧からなる振動電界を重畳印加し、環境1(温度23℃、湿度55%)、環境2(温度32.5℃、湿度80%)、環境3(温度15℃、湿度10%)の各環境下において、複数枚画像出し耐久評価を行った。
【0087】結果を表1に示す。
【0088】表中の◎は得られた画像が優秀、○は良好、△は実用可、×は実用不可であることを示す。
【0089】その結果、全ての環境下で初期から良好な画像が得られ、10000枚の画像出し後でも初期と殆ど変わらない画像が得られた。また、被帯電体である感光ドラムへの現像剤の融着も認められなかった。
【0090】(ピンホール試験)予め、金属針を用いて金属基材に達するφ0.5mmのピンホールを10点開けた感光ドラムを図2に示すレーザービームプリンタの感光ドラム2とし、本実施例の帯電ローラを帯電ローラ1として設置し、印加電圧として、直流電圧−700Vと、周波数900Hz、ピーク間電圧2.0kVの交流電圧からなる振動電界を重畳印加し、環境1(温度23℃、湿度55%)、環境2(温度32.5℃、湿度80%)、環境3(温度15℃、湿度10%)の各環境下において、画像評価を行った。得られた画像を目視にて観察することによって画像の評価を行った。その結果、ピンホールリークの発生による異常画像はどの環境でも見られなかった。
【0091】(実施例2)実施例1において、帯電ローラの第2抵抗層を構成する材料として、
オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー
100重量部
導電性カーボン 13重量部
導電性酸化チタン 20重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
とした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0092】この帯電ローラについて実施例1と同様に測定・評価を行い、その結果を表1に示した。
【0093】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0094】
(i)発泡弾性層の硬度(JIS−C);40度
(ii)シームレスチューブAの内径L0 (10.8mm)での抵抗値R0
;0.007MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.025MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;62.6kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 (11.0mm)での抵抗値R0
;0.032MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;1.07MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;87.4度
(iv)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;2.230μm

【0095】(実施例3)実施例1において、帯電ローラの第2抵抗層の構成材料として、
スチレンブタジエンゴム 100重量部
ポリプロピレン 30重量部
導電性カーボン 13重量部
導電性酸化チタン 20重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
とした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0096】この帯電ローラについて実施例1と同様に測定・評価を行い、その結果を表1に示した。
【0097】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0098】
(i)発泡弾性層の硬度(JIS−C) ;40度
(ii)シームレスチューブAの内径L0 ;10.8mm
シームレスチューブAの内径L0 (10.8mm)での抵抗値
;0.007MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.025MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;62.6kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 ;10.9mm
シームレスチューブBの内径L0 (10.9mm)での抵抗値R0
;0.075MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;0.83MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;75.7度
(iv)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;3.501μm

【0099】(実施例4)実施例1において、帯電ローラの第2抵抗層の構成材料として、
スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー
100重量部
ポリエチレン 20重量部
導電性カーボン 14重量部
導電性酸化チタン 20重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
とした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0100】この帯電ローラについて実施例1と同様に測定・評価を行い、その結果を表1に示した。
【0101】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0102】
(i)発泡弾性層の硬度(JIS−C) ;40度
(ii)シームレスチューブAの内径L0 ;10.8mm
シームレスチューブAの内径L0 (10.8mm)での抵抗値R0
;0.007MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.025MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;62.6kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 ;11.1mm
シームレスチューブBの内径L0 (11.1mm)での抵抗値R0
;0.031MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;0.45MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;82.1度
(iV)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;2.459μm

【0103】(実施例5)実施例1において、帯電ローラの第1抵抗層の構成材料として、
ポリウレタンエラストマー 100重量部
(100%モジュラス、33.9kg/cm2 樹脂ナチュラル)
導電性カーボン 15重量部
導電性酸化チタン 20重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
とし、熱収縮性チューブAを作成し、チューブ内にスポンジローラを挿入した後、加熱処理にて収縮させて弾性層1b上に被覆形成した以外、実施例1と同様に測定・評価を行い、その結果を表1に示した。
【0104】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0105】
(i)発泡弾性層の硬度(JIS−C) ;40度
(ii)熱収縮性チューブAの内径L0 ;11.2mm
熱収縮性チューブAの内径L0 (11.2mm)での抵抗値R0
;0.021MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.01MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;55.2kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 ;11.0mm
シームレスチューブBの内径L0 (11.0mm)での抵抗値R0
;0.045MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;0.95MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;79.3度
(iv)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;2.209μm

【0106】第1抵抗層は延伸による抵抗調整を行っていないが、低い抵抗値(104 Ω)に設定しているので比較的均一に抵抗層を形成させることができる。
【0107】なお、半導電性に設定している第2抵抗層は延伸による抵抗調整を行っている。
【0108】(実施例6)実施例3において、帯電ローラの弾性層の構成材料として、
SBR 100重量部
導電性カーボン 10重量部
と加硫剤及びその他の添加剤を適量加え混練分散し、ゴムコンパウンドを得る。得られたゴムコンパウンドを用い、金型を用いて導電性芯金の周囲に外径φ11.0になるようにローラ状に弾性層1bをプレス成形にて加硫成形した以外、実施例3と同様に測定・評価を行い、その結果を表1に示した。
【0109】なお、実施例6に使用する弾性層は発泡剤を使用していないので発泡体ではない。
【0110】複数枚画像出し耐久試験の際に、帯電音の発生がわずかに認められたが、これは通常のオフィス環境でレーザービームプリンタを使用する場合にはほとんど気にならないレベルである。
【0111】弾性層に発泡体を使用していないので帯電音に対する消音効果がやや弱いためと考える。
【0112】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0113】
(i)弾性層の硬度(JIS−C) ;48度
(ii)シームレスチューブAの内径L0 ;10.8mm
シームレスチューブAの内径L0 (10.8mm)での抵抗値R0
;0.007MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.025MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;62.6kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 ;10.9mm
シームレスチューブBの内径L0 (10.9mm)での抵抗値R0
;0.075MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;0.83MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;75.7度
(iv)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;3.004μm

【0114】(実施例7)実施例1において、第1抵抗層の構成材料として
ポリウレタンエラストマー 100重量部
(100%モジュラス、33.9kg/cm2 樹脂ナチュラル)
導電性カーボン 14.5重量部
酸化マグネシウム 10重量部
ステアリン酸カルシウム 1重量部
を加圧式混練機を用いて180℃で10分間溶融混練し、導電性ポリマーを作成した。
【0115】得られた導電性ポリマーを押出機により内径(L0 )10.8mmで肉厚250μmで、かつ長さが300mmのシームレスチューブAに成形した以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0116】この帯電ローラについて実施例1と同様に測定・評価を行い、その結果を表1に示した。
【0117】得られた帯電ローラの各特性は以下の通りである。
【0118】
(i)発泡弾性層の硬度(JIS−C) ;40度
(ii)シームレスチューブAの内径L0 ;10.8mm
シームレスチューブAの内径L0 (10.8mm)での抵抗値R0
;0.018MΩ
第1抵抗層の内径L1 ;11.0mm
第1抵抗層の抵抗値R1 ;0.021MΩ
第1抵抗層の100%モジュラス ;54.7kg/cm2
(iii) シームレスチューブBの内径L0 (11.0mm)での抵抗値R0
;0.045MΩ
第2抵抗層の内径L1 ;11.5mm
第2抵抗層の抵抗値R1 ;0.95MΩ
第2抵抗層の硬度(JIS−A) ;79.3度
(iv)帯電ローラの10点平均表面粗さRz;2.533μm

【0119】理由は不明であるが、本実施例で作成した第1抵抗層として使用するシームレスチューブAは、上記のように延伸被覆させたが、延伸による抵抗上昇はほとんど見られない。
【0120】本実施例では第2抵抗層においては延伸による抵抗調整を行っているが、第1抵抗層は延伸による抵抗調整を行っていない。しかしながら、第1抵抗層は設定した抵抗値が低い値であるので、比較的抵抗ムラも小さく比較的均一で良好な抵抗層が得られたため、特に画像に与える影響はなかった。
【0121】(比較例1)実施例1において、帯電ローラの抵抗層を構成する方法として浸漬塗工方式を採用し、発泡体からなる弾性層の上に抵抗層を形成させた。抵抗層を構成する材料としては
ポリウレタン樹脂 100重量部
導電性酸化チタン 30重量部
をMEK(メチルエチルケトン)溶媒にて分散溶解して抵抗層用塗料を作成する。この塗料を弾性層1b上に浸漬塗工にて塗布をして膜厚100μmの抵抗層を1層設けた。
【0122】これ以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0123】この帯電ローラについて実施例1と同様に複数枚画像出し耐久評価を行った。
【0124】環境1、環境2、環境3の全ての環境下で画像上(特にハーフトーン領域)に感光ドラムピッチのスジ状の画像ムラが発生していた。
【0125】上記画像ムラの原因は、弾性層として発泡体を使用し、浸漬塗工により溶剤を用いて抵抗層を形成したため弾性層の発泡セル中に溶剤であるメチルエチルケトン(MEK)が残存してしまい、高温多湿の環境に放置したことで残存したMEKが帯電ローラ表面に移行して感光ドラムを汚染したものと考える。
【0126】
【表1】
Figure 0003478718
【0127】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、抵抗層の形成時に有機溶剤を用いなくて済むため、乾燥工程が不要となるので帯電部材の製造コストを低くすることができる。また、抵抗層の形成に有機溶剤を使用した場合に発生する恐れがある、感光体への汚染という問題を解決することができる。
【0128】また、本発明のような抵抗層の構成とすることで、容易に所望の半導電性領域の抵抗値に精度よくコントロールでき、しかも抵抗ムラの小さい均一な抵抗層を得ることができる。従って、このような抵抗層で抵抗を制御した帯電部材は抵抗ムラの小さい均一な抵抗値を有するものとなる。
【0129】また、本発明のような抵抗層の構成とすることで、被帯電体である感光ドラムにピンホールが生じたとしても電圧降下は全くといっていいほど起こらなくなる。
【0130】従って、低コストで、かつ高精細な出力画像を得ることのできる帯電部材、及び該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】シームレスチューブ等の抵抗材料の延伸と抵抗値の関係を表した図である。
【図2】本発明の帯電部材を用いた接触帯電装置を像担持体の一次帯電手段としたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の一例の概略構成図である。
【図3】本発明による帯電ローラの概略構成図である。
【図4】他の実施例を示す帯電ローラの概略構成図である。
【図5】抵抗層の抵抗測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 帯電部材としての帯電ローラ
1a 導電性芯金
1b 発泡弾性層
1c 第1抵抗層
1d 第2抵抗層
2 被帯電体(感光ドラム)
3 電源
4 露光手段
5 現像装置
6 給紙カセット
7 転写帯電器
8 定着装置
9 クリーニング装置
10 前露光装置
11 プロセスカートリッジ
12 プロセスカートリッジの保持部材
P 転写材
51 ステンレス製円柱棒(電極)
52 シームレスチューブ
53 アルミ箔シート
54 電源
55 直流電流計

Claims (8)

  1. 電圧を印加した帯電部材を被帯電体面に接触させることにより該被帯電体面を帯電する帯電部材において、
    該帯電部材は、導電性支持体、該導電性支持体上の弾性層及び該弾性層上の半導電性の抵抗層を有し、
    該抵抗層は、導電性ポリマーからなるシームレスチュー ブ(酸化亜鉛とカーボンと絶縁オイルを含むポリマーまたは複酸化物と絶縁オイルを含むポリマーから構成された発泡弾性チューブを除く)を該弾性層の周面に外嵌したものであり、
    該シームレスチューブは、外嵌前の内径をL 、そのと きの抵抗値をR とし、外嵌後の内径をL 、そのとき の抵抗値をR としたとき、L 及びL は、下記式 (1)で示される関係を満たし、且つR 及びR は、 下記式(2)で示される関係を満たし、それによって帯電部材の抵抗が調整されていることを特徴とする帯電部材:
    ×1.005≦L ≦L ×2.00 ・・・ (1)
    ×2≦R ≦R ×10 ・・・(2)
  2. 前記R が、10 〜10 Ωである請 求項1記載の帯電部材。
  3. 該抵抗層が1層または2層以上の積層からなる請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 該弾性層が発泡体からなる請求項1乃至のいずれかに記載の帯電部材。
  5. 該帯電部材の最外部に位置する抵抗層の硬度が、JIS−K6301に示されるJIS−A硬度で40〜90度である請求項1乃至のいずれかに記載の帯電部材。
  6. 該帯電部材の10点平均表面粗さ(Rz)が10μm以下である請求項1乃至のいずれかに記載の帯電部材。
  7. 像担持体、請求項1乃至のいずれかに記載の帯電部材、及び該像担持体及び帯電部材を一体に収容するカートリッジ容器を有し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 像担持体及び請求項1乃至のいずれかに記載の帯電部材を有する画像形成装置。
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