JP3477904B2 - ステアリング操作反力調節装置 - Google Patents

ステアリング操作反力調節装置

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JP3477904B2
JP3477904B2 JP10849095A JP10849095A JP3477904B2 JP 3477904 B2 JP3477904 B2 JP 3477904B2 JP 10849095 A JP10849095 A JP 10849095A JP 10849095 A JP10849095 A JP 10849095A JP 3477904 B2 JP3477904 B2 JP 3477904B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ステアリング装置の
操作反力を調節して運転者の疲労を軽減するステアリン
グ操作反力調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のステアリング装置の操作反力を調
節する装置としては、例えば特開平5−85379号公
報に示されたものがある。この装置は、車速の検知信号
に応じてパワーステアリング装置の作動オイル流量を調
節し、図20の(ア)のような特性を得るようにしたも
のである。即ち、この装置によれば車速が高くなるに応
じて操作反力を増大させ、低速走行時には軽く、高速走
行時には若干重い操作感覚を得るようにしたものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
装置では、ステアリング装置の操作反力を調節するパラ
メータが車速となっており、運転者の上肢の状態等は一
切考慮されていないものであった。即ち、運転者の上肢
の状態はステアリングホイールの操舵角や運転者の体
格、運転姿勢等によって異なり、同じ操作感を得られる
とは限らない。これを図21を用いて説明する。
【0004】この図21(a)は横軸に操舵角αを取
り、縦軸に人間が感じる筋負担を取っている。図21
(b)は、操舵角αを示している。そして、(a)の
(イ)のカーブはステアリング操作反力、即ちステアリ
ングホイールから乗員の手に入力される反力が一定の場
合に人間が感じる筋負担のカーブを示している。この
(イ)のカーブのようにステアリング操舵角が異なると
運転者の筋負担は異なり、舵角が大きくなる程運転者は
操作しづらいと感じると考えられる。又、運転者が変わ
り、肩とステアリングホイールとの位置関係が変わった
場合でも、筋負担に変化を生じる。これを図22を用い
て説明する。
【0005】図22の(a)は、ステアリングホイール
SWと乗員Pとの関係を示している。Rはステアリング
ホイールWに対する握り点位置を示し、Qは肩関節の位
置を示している。そして、R,Qの前後方向の距離を
X、上下方向の距離をYとした場合に、それぞれX,Y
の違いに対する筋負担の変化を(b)の(ウ)、(c)
の(エ)のように示される。この(ウ)、(エ)の変化
は操作反力が一定である場合にX,Yの変化に対する筋
負担の変化を表している。この(ウ)、(エ)のように
運転者が変わり、X,Yが変化すると操作反力が一定で
あるにも拘らず筋負担が変化している。即ち、運転者の
上肢が長くなる等X,Yが大きくなり、運転者は操作し
ずらく感じる可能性がある。又、長時間運転する場合の
運転者の負担を考えてもステアリング反力は運転者に運
転状況のインフォメーションを与える分だけあれば良
く、必要以上の上肢負荷は筋疲労を引き起こしやすくさ
せるだけである。
【0006】そこで、この発明は、操舵角や運転者の姿
勢、体格が異なる場合でも一定の上肢負荷で操作するこ
とのできるステアリング操作反力調節装置の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、ステアリング装置の操作反力を
調節する反力調節手段と、運転者が上肢を保持する筋力
を検出する筋力検出手段と、運転者のステアリング操作
筋力の目標値を設定する目標筋力設定手段と、前記筋力
検出手段が検出する筋力と前記目標筋力設定手段が設定
する目標値とからステアリング装置の操作反力を決定す
る操作反力演算手段と、該操作反力演算手段が決定した
操作反力に基づき前記反力調節手段を制御する制御手段
とよりなることを特徴とする。
【0008】 請求項2の発明は、請求項1記載のステ
アリング操作反力調節装置であって、前記筋力検出手段
は、運転者の体格を検出する体格検出部を有し、運転者
の体格に応じた筋力を検出することを特徴とする。
【0009】 請求項3の発明は、請求項1又は2記載
のステアリング操作反力調節装置であって、前記筋力検
出手段は、運転者の姿勢を検出する姿勢検出部を有し、
運転者の姿勢に応じた筋力を検出することを特徴とす
る。
【0010】 請求項4の発明は、請求項3記載のステ
アリング操作反力調節装置であって、前記姿勢検出部
は、シートスライド位置、シートバック角度、シートク
ッション角度、ステアリング操作角からステアリング装
置に対する運転者の肩関節位置、肘関節位置を演算して
運転者の姿勢とすることを特徴とする。
【0011】 請求項5の発明は、請求項1記載のステ
アリング操作反力調節装置であって、前記目標筋力設定
手段は、前記運転者の上肢の筋長を検出する筋長検出部
を有し、該筋長に応じた前記目標値を決定することを特
徴とする。
【0012】 請求項6の発明は、請求項5記載のステ
アリング操作反力調節装置であって、前記筋長検出部
は、シートスライド位置、シートバック角度、シートク
ッション角度、ステアリング操作角からステアリング装
置に対する運転者の肩関節位置、肘関節位置を演算して
上肢の状態を検出し、該上肢の状態から上肢の関節角度
を求め、該関節角度に応じた筋長を検出することを特徴
とする。
【0013】 請求項7の発明は、請求項5〜6のいず
れかに記載のステアリング操作反力調節装置であって、
前記目標筋力設定手段は、運転者の体格検出部を有し、
運転者の体格に応じた目標値を設定することを特徴とす
る。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】請求項1の発明では、筋力検出手段が運転者が
上肢を保持する筋力を検出する。又、目標筋力設定手段
が運転者のステアリング操作筋力の目標値を設定する。
そして、検出した筋力と設定した目標値とから演算手段
がステアリング装置の操作反力を決定する。次に制御手
段が決定した操作反力に基づき、反力調節手段を制御
し、ステアリング操作に際して運転者の上肢負荷状態を
略一定にすることができる。
【0019】 請求項2の発明では、請求項1の発明の
作用に加え、筋力検出手段は、その体格検出部によって
運転者の体格を検出し、運転者の体格に応じた筋力を検
出することができる。従って、演算手段は運転者の体格
に応じた操作反力を決定することができる。
【0020】 請求項3の発明では、請求項1又は2の
発明の作用に加え、筋力検出手段は状態検出部が検出し
た運転者の状態に応じた筋力を検出することができる。
【0021】 請求項4の発明では、請求項3の発明の
作用に加え、状態検出部は、シートスライド位置、シー
トバック角度、シートクッション角度、ステアリング操
作角からステアリング装置に対する運転者の肩関節位
置、肘関節位置を演算して運転者の状態とすることがで
きる。従って、運転者の肩関節位置、肘関節位置に応じ
た筋力を検出することができる。
【0022】 請求項5の発明では、請求項1の発明の
作用に加え、目標筋力設定手段は、筋長検出部によって
運転者の上肢の筋長を検出し、この筋長に応じて運転者
のステアリング操作筋力の目標値を設定することができ
る。
【0023】 請求項6の発明では、請求項5の発明の
作用に加え、筋長検出部は、シートスライド位置、シー
トバック角度、シートクッション角度、ステアリング操
作角からステアリング装置に対する運転者の肩関節位
置、肘関節位置を演算して上肢の状態を検出し、この上
肢の状態から上肢の関節角度を求め、この関節角度に応
じた筋長を検出することができる。
【0024】 請求項7の発明では、請求項5〜6の発
明の作用に加え、目標筋力設定手段は、運転者の体格検
出部によって体格を検出し、運転者の体格に応じた目標
値を設定することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0030】(第1実施例)図1は、この発明の第1実
施例に係るステアリング操作反力調節装置の概略構成図
を示している。この図1のように、このステアリング操
作反力調節装置は、反力調節装置1、舵角センサ3を備
えている。又、シート5にはシートスライドセンサ7、
シートクッション角センサ9、及びシートバック角セン
サ11が設けられている。更に、図示しないアクセルペ
ダルにはペダル位置検出センサ13が設けられている。
【0031】前記反力調節装置1は、ステアリング装置
の操作反力、即ちステアリングホイールSWの操作反力
を調節するものであり、具体的には例えば、パワーステ
アリング装置の流量を調節する構成となっている。前記
舵角センサ3は、ステアリングホイールSWの操舵角を
検出する。前記シートスライドセンサ7は、シート5の
スライド位置を検出する。前記シートクッション角セン
サ9は、シート5のシートクッション角を検出する。前
記シートバック角センサ11は、シート5のシートバッ
ク角を検出する。前記ペダル位置検出センサ13は、図
示しないアクセルペダルのペダル踏込み角を検出する。
各センサ3,7,9,11,13の出力信号はコントロ
ーラ15へ入力されるようになっている。このコントロ
ーラ15は決められた制御ロジックによって前記反力調
節装置1を制御する構成となっている。
【0032】図2は、図1をブロック化して示したもの
である。この図2のようにシートスライドセンサ7及び
シートクッション角センサ9は、運転者の体格を検出す
る体格検出部17を構成している。又、舵角センサ3、
シートスライドセンサ7、シートクッション角センサ
9、シートバック角センサ11は運転者の姿勢を検出す
る姿勢検出部19を構成している。又、同時に運転者の
上肢の筋長を検出する筋長検出部21を構成している。
そして、これら姿勢検出部19及び筋長検出部21は、
運転者の状態を検出する状態検出手段及び運転者が上肢
を保持する筋力を検出する筋力検出手段を構成してい
る。
【0033】前記コントローラ15は、運転者の上肢負
荷状態が一定となるように反力調節手段を制御する制御
手段を構成している。又、運転者のステアリング操作筋
力の目標値を設定する目標筋力設定手段を構成してい
る。更に、筋力検出手段が検出する筋力と目標筋力設定
手段が設定する目標値とからステアリング装置の操作反
力を決定する操作反力演算手段を構成している。前記操
作反力調節装置1は、ステアリング装置の操作反力を調
節する反力調節手段を構成している。
【0034】次に、作用を説明する。
【0035】この発明の第1実施例に係るステアリング
操作反力調節装置は、後述するフローチャートで説明す
るように、まず現在の上肢の各筋の負荷、即ち上肢を保
持するための現在筋力を求め、ステアリング反力を発生
させた時の人間の使用すべき一定値の筋力(目標筋力)
を設定し、現在筋力が目標筋力と等しくなるようにして
人間が感じる操作感(負荷)が一定になるようにしたも
のである。
【0036】現在筋力の検出 ここで現在筋力とは、運転者の体格、姿勢等から検出さ
れ、運転者が現在上肢を保持するために必要とされる筋
力である。
【0037】まず、図3,図4によりステアリングホイ
ールSWを操作している時の運転者の上肢の状態を説明
する。図3は、ステアリングホイールSWを握っている
上肢の状態を斜視図で示し、図4は、ステアリングホイ
ールSWを操作している乗員を側面から見て模式的に示
したものである。
【0038】まず、図3において、上肢23は握り点R
によってステアリングホイールSWを握りながら操作し
ている。この上肢23の肩関節を25、肘関節を27、
上腕を29、前腕を31、上腕を動かす筋を33、前腕
を動かす筋を35で示している。又、ステアリング中心
は37であり、舵角をαで示している。図4では更に、
腰を39、膝を41で示している。そして、現在筋力は
握り点Rとの関係で検出される。肩関節25から握り点
Rまでの水平、垂直距離はX,Yとしている。又、この
現在筋力は運転者の状態、即ち姿勢や体格によって異な
るため、この姿勢や体格を考慮した検出を行なってい
る。
【0039】まず、図5の関係を用いて運転者の体格を
推定する。この図5は、横軸にシートスライド位置、縦
軸に体格を取り、クッション角の大、中、小により体格
とシートスライド位置との関係を3本のグラフ(オ)、
(カ)、(キ)で示している。従って、クッション角と
シートスライド位置とから運転者の体格を推定すること
ができる。
【0040】図6は、体格による操作反力係数T1 を求
めるグラフ(ク)を示している。この操作反力係数T1
は後述する目標筋力の補正に用いる。又、体格が推定さ
れると、体格に比例する上腕29の長さ(肩関節25か
ら肘関節27までの距離)及び前腕31の長さ(ここで
は肘関節27からステアリング握り点Rまでの距離)を
求めることができる。又、握り点Rは、ステアリング舵
角αから推定する。肘関節27の位置は肩関節25の位
置、上腕29の長さ、前腕31の長さから幾何学的に計
算することができる。
【0041】次に、図7,図8は肩関節25から握り点
Rまでの水平、垂直距離X,Y位置とその姿勢を保持す
るための上肢23の使用する筋の負荷との関係を示して
いる。
【0042】図7は、垂直距離Yを一定として、水平距
離Xを変化させた場合の上腕29及び前腕31の筋負荷
の変化を(ケ)、(コ)で表している。図8は、水平距
離Xを一定とし、垂直距離Yを変化させた時の上腕29
及び前腕31の筋負荷の変化を(サ)、(シ)で表して
いる。例えば図4で示す握り点位置R(A)と握り点位
置R(B)とでは、図7からも明らかなように肩関節2
5に近い握り点R(B)の方が保持のための筋負荷が小
さいことが分かる。そして、検出したX,Yによって図
7,図8から上肢を保持するための現在の筋負荷(現在
筋力)を求める。
【0043】目標筋力 次に、ステアリング反力を発生させた時の人間が使用す
べき一定値の筋力(目標筋力)を上腕29及び前腕31
毎に予め設定しておく。この発明の第1実施例では、人
間が感じる操作感(負荷)が一定となるように上腕2
9、前腕31の少なくとも一方の筋力が目標筋力と等し
くなるよう操作反力を調節するものである。ここで、同
一の操作反力であっても人間が感じる操作感(負荷)
は、運転者の体格や筋長によって異なるため、体格及び
筋長を考慮した目標筋力を設定する。ここで、目標筋力
の体格による補正は、前記図6で求めた操作反力係数T
1 を目標筋力に掛けることによって行なう。
【0044】次に、筋長についてであるが、筋長Lと発
生できる筋力(最大筋力)は、図9(a)に示すような
関係がある。従って、運転者に同じ操作感を感じさせる
ために目標筋力を補正する必要がある。図9(a)の
(ス)は筋長Lと発生できる筋力(最大筋力)との関係
を表したものである。(セ)は上肢保持に使う筋力(現
在筋力)を表している。又、(ソ)は最大筋力(ス)の
変化に応じて補正した目標筋力を表している。即ち、筋
長Lの変化に応じて変わる最大筋力(ス)に応じ、目標
筋力(ソ)を補正しているのである。図9(b)は筋長
Lと筋力との関係を示している。そして、目標筋力
(ソ)の補正は、図10で求める操作反力係数K2 によ
って行なう。この図10は筋長Lと補正のための操作反
力係数K2 との関係(タ)を表している。筋長が100
%、即ち伸びも縮みもしていない状態では、操作反力係
数K2 =1.0となっている。ここで、前記筋長Lは、
関節角度(上腕29の筋は肩関節角度、前腕31の筋は
肘関節角度)と、図11(a)の(チ)に示す関係があ
る。(b)は肘関節角度を示している。そして、上記の
ようにして求めた上肢の状態から関節角度を計算し、図
11(a)から筋長Lを求めることができる。
【0045】操作反力 上記のようにして現在筋力、目標筋力が求まった時、ス
テアリングホイールSWの操作反力を計算する。まず、
目標筋力から現在の筋力を引き、ステアリング操作反力
による筋力を求める(上腕、前腕)。このイメージを前
記図9(a)に示す。即ち、(a)の斜線部分(ツ)が
目標筋力(ソ)と現在筋力(セ)との差を示している。
【0046】次に、このステアリング操作反力による筋
力からステアリング操作反力を求めるものであり、これ
を図12,図13を用いて説明する。
【0047】図12は、肘関節の場合を示している。こ
こで、ステアリング操作反力に対して必要な筋力をf1
とし、肘関節27から筋付着点43までのモーメントア
ームをL1mとし、一定値とする。又、前腕31の長さを
1 、握り点Rと肘関節27を結ぶ直線と略直交する方
向と、操作反力F1 とのなす角をθ1 としている。角度
θ1 は前記のようにして求めた上肢23の状態から求め
ることができる。そして、ステアリングホイールSWの
操作反力はF1 として求めることができる。即ち、幾何
学的な関係から F1 =(L1 cos θ1 )/(f1 ×L1m) となる。
【0048】図13は、肩関節25の場合を示してい
る。この場合もステアリング操作反力による筋力をf2
とし、筋付着点を45とし、モーメントアームをL2m
している。又、握り点Rから肩関節25までの距離をL
2 とし、握り点Rと肩関節25とを結ぶ線分に対し略直
交する方向と操作反力F2 とのなす角をθ2 としてい
る。従って、この場合も幾何学的な関係から F2 =(L2 cos θ2 )/(f2 ×L2m) によって求めることができる。
【0049】要するに、図1,図2のように舵角センサ
3、シートスライドセンサ7、シートクッション角セン
サ9、シートバック角センサ11、及びペダル位置検出
センサ13の検出信号がコントローラ15に入力され、
コントローラ15は各信号から体格、運転姿勢に応じた
現在筋力を演算し、設定した目標筋力との関係において
ステアリングホイールSWの操作反力を演算する。演算
した操作反力によってコントローラ15は、反力調節装
置1を制御するのである。
【0050】図14はコントローラ15による制御フロ
ーチャートを示している。操作反力の決定は上記のよう
な原理によって行なわれ、以下のように制御されるもの
である。
【0051】即ち、制御が開始されると、ステップS1
でシートスライド位置、クッション角が検知され、体格
の推定と操作反力係数T1 が求められる。
【0052】次に、ステップS2では、シートバック角
を検知し、体格から肩関節の位置が求められる。ステッ
プS3では、体格から上腕の長さ、前腕の長さが推定さ
れ、舵角αから握り点及び肘関節位置、肘、肩関節角度
が推定される。
【0053】ステップS4では目標筋力が設定される。
この目標筋力はステップS1で求めた操作反力係数T1
によって補正される。即ち、前腕目標筋力としてFref1
´=T1 ×Fref1、上腕目標筋力としてFref2´=T1
×Fref2として設定される。
【0054】ステップS5では、関節角度から筋長Lを
求め、操作反力係数K2 を算出する(図9,図10)。
【0055】ステップS6では、筋長Lに応じて目標筋
力を補正するために、ステップS4で求めた目標筋力F
ref1´,Fref2´にK2 を掛ける補正を行なう。即ち、
re f1″=K2 ×Fref1´,Fref2″=K2 ×Fref2´
となる。
【0056】ステップS7では、上肢の現在筋力(現在
の負荷)Fl1,Fl2を求める(図7,図8)。
【0057】ステップS8では、目標筋力と現在筋力と
の差、即ちステアリング操作反力による筋力を求める。
S1=Fref1″−Fl1,FS2=Fref2″−Fl2 ステップS9では、ステアリング操作反力による筋力か
らステアリング操作反力F1 ,F2 を求める(図12,
図13)。
【0058】ステップS10では、操作反力F1 ,F2
のどちらか小さい方を選択する。これは、肘関節の筋、
肩関節の筋共に目標筋力を越えないようにするためであ
る。即ち、F1 >F2 ならば、F=F2 とし、F1 <F
2 ならば、F=F1 とする。
【0059】ステップS11では、反力調節装置を操作
反力がFとなるように駆動する。
【0060】ステップS10では、運転者がシートスラ
イド、シートバック、シートクッションを操作したか否
かが判断される。即ち、これらが操作されれば、運転者
の姿勢が変化するため、再び体格の推定、操作反力係数
1 を求めるようにするためである。従って、シートス
ライド等が操作されていれば、ステップS1へ戻り、操
作されていなければ、ステップS3へ移行する。
【0061】このようにして目標筋力を設定し、現在筋
力との差からステアリングホイールの操作反力を求めて
制御するため、ステアリングホイールの操舵角に拘ら
ず、運転者は常に一定の筋負荷で操作することができ、
良好な操作フィーリングを得ることができる。又、体格
の違いや姿勢変化を考慮した目標筋力の補正を行なって
いるため、運転者が異なったり運転姿勢が異なっても一
定の筋負荷で操作することができ、良好な操作フィーリ
ングを維持することができる。
【0062】(第2実施例)この実施例は、上肢の現在
筋力を求めることなく、操作反力を演算するようにした
ものである。基本的な構成は第1実施例と同様であり、
図1,図2を共用する。そして、この第2実施例では、
舵角センサ3がステアリング装置の舵角を検出する舵角
検出部47を構成している。この実施例では舵角αと図
4のようにして求めた距離X,Yとから操作反力を決定
している。
【0063】図15は、舵角αと操作反力Fαとの関係
を示している。舵角αは図15(b)のようになってい
る。即ち、握り点がR1 ,R2 ,R3 ,R4 と移動する
につれて、舵角αが0度から増加することとしている。
又、逆方向の操作も同様な考え方である。そして、
(a)のように舵角αが0度から次第に増加すると、操
作反力Fαは次第に減少し90度で最小になった後、そ
の後増大している。このような関係から舵角αによる操
作反力Fαを求めることができる。
【0064】次に、乗員の体格や姿勢によって操作反力
を補正するため、距離X、距離Yによる操作反力係数を
求める。距離Xと操作反力係数KX の関係は、図16の
ようになっており、距離Yと操作反力係数KY との関係
は、図17のようになっている。この図16,図17か
ら操作反力係数KX ,KY を求めることができる。そし
て、コントローラ15による制御は図18のフローチャ
ートに基づいて行なわれる。このフローチャートが実行
されると、まずステップS1でシートスライド位置、ク
ッション角が検知され、運転者の体格及び操作反力係数
1 が求められる(図5,図6)。
【0065】次に、ステップS2では、シートバック角
が検出され、求められた体格から肩関節の位置が求めら
れる。
【0066】ステップS3では、舵角αが検知され、操
作反力Fαが求められる(図15)。
【0067】ステップS4では、肩関節位置及び舵角α
より肩から握り点までの距離X,Yを求め、操作反力係
数KX ,KY を求める。
【0068】ステップS5では、運転者の体格及び姿勢
によって操作反力を補正するため、操作反力係数T1
X ,KY をステップS3で求めた操作反力Fαに掛け
る。即ち、F=Fα×T1 ×KX ×KY となる。
【0069】ステップS6では、コントローラによって
反力調節装置が操作反力がFとなるように制御される。
【0070】ステップS7では、運転者がシートスライ
ド等を操作したか否かが判断され、操作されていれば、
ステップS1へ移行し、操作されていなければステップ
S3へ移行する。
【0071】従って、この実施例でも第1実施例と同様
な作用効果を奏する他、上肢の状態を求めることなく、
舵角αの検出によって操作反力を求めることができ、よ
り制御を簡単にすることができる。
【0072】尚、上記各実施例では、運転者が感じる操
作筋力が一定になるようステアリング操作反力を算出し
たが、更に上肢の動かし易さの指標を追加してステアリ
ング操作反力を求めることもできる。これは、上肢の関
節を一定量動かした時にステアリングホイールが大きく
操作できる時は操作反力は小さく、小さくしか操舵でき
ない場合はステアリング操作反力を大きくするものであ
る。
【0073】まず、上肢が現在の状態にある時、ステア
リングホイールを一定舵角操舵する時の関節角度の変化
量を計算で求め、図19から操作反力係数K3 を求め
る。この係数K3 を上記各実施例で求めたステアリング
操作反力に掛けて最終的なステアリング操作反力とする
ものである。従って、この場合は、運転者が感じる操作
筋力を一定にすることができると共に、上肢を動かし易
くなり、より良好な操作フィーリングで疲労軽減を図る
ことができる。
【0074】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明では、運転者が上肢を保持する筋力の検出と、目標値
との設定により上肢負荷状態を一定にすることができ、
良好な操作フィーリングを得ることができる。従って、
運転者の疲労を著しく軽減することができる。
【0075】 請求項2の発明では、請求項1の発明の
効果に加え運転者の体格に応じた制御を行なうことがで
き、運転者が異なる場合でも、上肢負荷状態を一定にす
ることができ、良好な操作フィーリングにより疲労軽減
を図ることができる。
【0076】 請求項3の発明では、請求項1又は2の
発明の効果に加え、運転者の姿勢に応じた制御を行なう
ことができる。従って、シートスライドを操作する等し
て、運転者の姿勢が変化した場合でも上肢負荷状態を一
定にすることができ、良好な操作フィーリングにより疲
労軽減を図ることができる。
【0077】 請求項4の発明では、請求項3の発明の
効果に加え、運転者の肩関節位置、肘関節位置を演算し
て運転者の姿勢を検出するため、正確な姿勢検出を行な
うことができる。従って、上肢負荷状態を一定にするこ
とを正確に行なうことができ、より良好な操作フィーリ
ングで疲労軽減を図ることができる。
【0078】 請求項5の発明では、請求項1の発明の
効果に加え、筋長に応じた目標値を設定することができ
る。従って、運転者の姿勢が変化する等して、筋長が変
わった場合でも上肢負荷状態を一定にすることができ、
より良好な操作フィーリングで疲労軽減を図ることがで
きる。
【0079】 請求項6の発明では、請求項5の発明の
効果に加え、関節角度に応じた筋長を検出することがで
き、より正確な筋長を測定することができる。従って、
より良好な操作フィーリングで疲労軽減を図ることがで
きる。
【0080】 請求項7の発明では、請求項5〜6のい
ずれかの発明の効果に加え、運転者の体格に応じた目標
値を設定することができる。従って、運転者が変わった
場合でも正確な目標値を設定することができ、より良好
な操作フィーリングで疲労軽減を図ることができる。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1,第2実施例に係る概略構成図
である。
【図2】第1,第2実施例に係るブロック図である。
【図3】上肢の状態を示す斜視図である。
【図4】運転姿勢を示す側面から見た模式図である。
【図5】体格とシートスライド位置、クッション角との
関係を示すグラフである。
【図6】体格と操作反力係数との関係を示すグラフであ
る。
【図7】握り点位置Xと筋負荷との関係を示すグラフで
ある。
【図8】握り点位置Yと筋負荷との関係を示すグラフで
ある。
【図9】筋長と筋力との関係を説明するものであり、
(a)は筋長と筋力との関係を示すグラフ、(b)は筋
長と筋力との説明図である。
【図10】筋長と操作反力係数との関係を示すグラフで
ある。
【図11】関節角度と筋長との関係を説明するもので、
(a)は関節角度と筋長との関係を示すグラフ、(b)
は関節角度の説明図である。
【図12】肘関節に関する操作反力の説明図である。
【図13】肩関節に関する操作反力の説明図である。
【図14】第1実施例に係るフローチャートである。
【図15】第2実施例に係る舵角と操作反力との関係を
説明するもので、(a)は舵角と操作反力との関係のグ
ラフ、(b)は舵角の説明図である。
【図16】距離Xと操作反力係数との関係を示すグラフ
である。
【図17】距離Yと操作反力係数との関係を示すグラフ
である。
【図18】第2実施例に係るフローチャートである。
【図19】肩関節の角度変化量と操作反力係数との関係
のグラフである。
【図20】従来例の車速と操舵角との関係を示すグラフ
である。
【図21】舵角と人間が感じる筋負担との関係を説明す
るもので、(a)は舵角と人間が感じる筋負担との関係
を示すグラフ、(b)は舵角の説明図である。
【図22】操作反力が一定の場合の人間が感じる筋負担
を説明するもので、(a)は運転姿勢の模式図、(b)
は距離Xと人間が感じる筋負担との関係を示すグラフ、
(c)は距離Yと人間が感じる筋負担との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 反力調節装置(反力調節手段) 3 舵角センサ(状態検出手段、筋力検出手段) 7 シートスライドセンサ(状態検出手段、筋力検出手
段) 9 シートクッション角センサ(状態検出手段、筋力検
出手段) 11 シートバック角センサ(状態検出手段、筋力検出
手段) 15 コントローラ(制御手段、目標筋力設定手段、操
作反力演算手段) 17 体格検出部 19 姿勢検出部 21 筋長検出部 47 舵角検出部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング装置の操作反力を調節する
    反力調節手段と、 運転者が上肢を保持する筋力を検出する筋力検出手段
    と、 運転者のステアリング操作筋力の目標値を設定する目標
    筋力設定手段と、 前記筋力検出手段が検出する筋力と前記目標筋力設定手
    段が設定する目標値とからステアリング装置の操作反力
    を決定する操作反力演算手段と、 該操作反力演算手段が決定した操作反力に基づき前記反
    力調節手段を制御する制御手段とよりなることを特徴と
    するステアリング操作反力調節装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステアリング操作反力調
    節装置であって、 前記筋力検出手段は、運転者の体格を検出する体格検出
    部を有し、運転者の体格に応じた筋力を検出することを
    特徴とするステアリング操作反力調節装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のステアリング操作
    反力調節装置であって、 前記筋力検出手段は、運転者の姿勢を検出する姿勢検出
    部を有し、運転者の姿勢に応じた筋力を検出することを
    特徴とするステアリング操作反力調節装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のステアリング操作反力調
    節装置であって、 前記姿勢検出部は、シートスライド位置、シートバック
    角度、シートクッション角度、ステアリング操作角から
    ステアリング装置に対する運転者の肩関節位置、肘関節
    位置を演算して運転者の姿勢とすることを特徴とするス
    テアリング操作反力調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のステアリング操作反力調
    節装置であって、 前記目標筋力設定手段は、前記運転者の上肢の筋長を検
    出する筋長検出部を有し、該筋長に応じた前記目標値を
    決定することを特徴とするステアリング操作反力調節装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のステアリング操作反力調
    節装置であって、 前記筋長検出部は、シートスライド位置、シートバック
    角度、シートクッション角度、ステアリング操作角から
    ステアリング装置に対する運転者の肩関節位置、肘関節
    位置を演算して上肢の状態を検出し、該上肢の状態から
    上肢の関節角度を求め、該関節角度に応じた筋長を検出
    することを特徴とするステアリング操作反力調節装置。
  7. 【請求項7】 請求項5〜6のいずれかに記載のステア
    リング操作反力調節装置であって、 前記目標筋力設定手段は、運転者の体格検出部を有し、
    運転者の体格に応じた目標値を設定することを特徴とす
    るステアリング操作反力調節装置。
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