JP3477456B2 - 物理量測定装置 - Google Patents

物理量測定装置

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JP3477456B2
JP3477456B2 JP2001136108A JP2001136108A JP3477456B2 JP 3477456 B2 JP3477456 B2 JP 3477456B2 JP 2001136108 A JP2001136108 A JP 2001136108A JP 2001136108 A JP2001136108 A JP 2001136108A JP 3477456 B2 JP3477456 B2 JP 3477456B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡、走査型力顕微鏡、高分解能表面電位計、形状測定
装置等に用いられる物理量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物理量測定装置に関する第一の従来例
(特開平6−308180号公報参照)を図14に基づ
いて説明する。試料1に対向した上部の位置には、先端
に探針2(導電性の針)を有するバネとしての片持ち梁
3が配置されており、この片持ち梁3はその一端が基台
4に支持されてカンチレバーを構成している。このよう
なカンチレバーにはアンプ5を介して加算器6が接続さ
れている。この場合、周波数ωacの交流電圧と、周波数
ωac/2の交流電圧と、直流バイアス電圧Vbとが重畳
された電圧が加算器6に印加されると、試料1の表面と
探針2との間に静電引力が働いて、カンチレバーが振動
する。探針2と反対側の片持ち梁3の位置にはミラー7
が接続されており、このミラー7と半導体レーザ(L
D)8と光検知器(PD)9との間でいわゆる光テコの
原理によりレーザ光の検出が行われる。これにより、P
D9に検出される光量からカンチレバーの振動状態を知
ることができる。そこで、今、試料1の表面と探針2と
の間の電位差をV、試料1の表面と探針2の先端との間
の距離をZ、静電容量をCとすると、静電引力Fesは、
【0003】
【数1】
【0004】として表わされる。また、試料1の表面電
位をVsとすると、Vは、
【0005】
【数2】
【0006】として表わされる。従って、Fesは、
【0007】
【数3】
【0008】として表わされる。ここで、ωacをカンチ
レバーの共振周波数ωo とすれば、Fesのωacの成分で
ある静電引力Fesωac は、
【0009】
【数4】
【0010】となり、共振する。従って、Fesωac
より生じるカンチレバーの振動を示すプリアンプ10の
出力vは、
【0011】
【数5】
【0012】として表わされる。なお、aは比例定数と
する。また、 φ1 =φ …(6) φ2 =(−π/2)+φ …(7) とすると、φは力Fesωac の位相と、Fesωac により
生じる共振振動との間の位相差である。
【0013】この場合、(5)式中の第一項は周波数ω
0 の第一交流電圧により生じる振動を表わし、位相φ1
は印加している第一交流電圧の位相を基準にしている。
その位相φ1 は第一交流電圧からロックインアンプ1
1,12に与えられる参照信号を基準にしている。
(5)式中の第二項は周波数ω0 /2の交流電圧により
生じる振動を表わし、位相φ2 は印加している第二交流
電圧の位相を基準にしている。その位相φ2 は第二交流
電圧からロックインアンプ11,12に与えられる参照
信号を基準にしている。第一交流電圧及び第二交流電圧
の位相は一致している。また、asin(ωt+ψ)な
る交流信号を位相θによりロックインアンプ11,12
により位相検波・増幅したときの出力Vは、
【0014】
【数6】
【0015】となる。なお、Aは比例定数である。ここ
で、(5)式を(8)式に当てはめると、
【0016】
【数7】
【0017】となる。ここで、ωacをカンチレバーの機
械的共振周波数ω0 と完全に一致させる(ωac=ω0
と、φ=−π/2である。これを(9)式に代入する
と、
【0018】
【数8】
【0019】となる。位相θ=θ1 =−π/2でロック
インアンプ11により、vを位相検波・増幅すればロッ
クインアンプ11の出力V1 は(10)式に位相θ=θ
1 =−π/2を代入したものとなる。また、位相θ=θ
2 =−πでロックインアンプ12により、vを位相検波
・増幅すればロックインアンプ12の出力V2 は(1
0)式に位相θ=θ2 =−πを代入したものとなる。な
お、ロックインアンプ11には積分器13が接続され、
ロックインアンプ12には比較器14と積分器15が接
続されている。ここで、V1、V2は、
【0020】
【数9】
【0021】と表わすことができる。なお、A1,A2
比例定数である。
【0022】以上のようにして、(5)式の括弧内の第
一項と第二項の振幅を分離することができる。これによ
り、V1 が0になるようにVbを制御すれば、(∂C/
∂Z)に関係なく、Vbの値から試料1の表面電位を測
定することができる。また、図14の装置では、V2
値を一定にするように、Z軸アクチュエータ16を制御
するから、トポ像(アクチュエータ制御電圧から得られ
る像)は(∂C/∂Z)が一定の像となる。この場合、
試料1の絶縁膜の容量が、探針2の先端とカンチレバー
の容量よりも十分大きければ、トポ像は試料1の表面形
状を示す。従って、このようなことから、試料1の表面
電位と表面形状(物理量)を同時に測定することができ
る。
【0023】次に、第二の従来例(走査型マクスウェル
応力顕微鏡による有機薄膜の表面電位の観察、信学技法
OEM92−3参照)を図15に基づいて説明する。加
算器6には周波数ωの交流電圧と直流バイアス電圧Vb
とが入力され、これら2つの電圧が重畳された電圧が導
電性のカンチレバーに印加される。この印加電圧により
試料1の表面と探針2の先端との間に静電引力が働き、
カンチレバーが振動する。探針2と試料1の表面との間
の電位差をVとすると、静電引力Fesは、
【0024】
【数10】
【0025】として表わされる。ここで、試料1の表面
電位をVsとすると、Vは、 V=Vb−Vs+VAsinωt …(14) として表わされる。従って、Fesは、
【0026】
【数11】
【0027】として表わされる。このFesのω成分及び
2ω成分となるFesω は、
【0028】
【数12】
【0029】として表わされ、このFesω によりカン
チレバーは振動する。ここで、ωはカンチレバーの機械
的共振周波数の1/2以下の周波数となっている。これ
により、Fesω により生じるカンチレバーの振動を示
すプリアンプ10の出力vは、
【0030】
【数13】
【0031】で表わされる。なお、aは比例定数であ
る。
【0032】ここで、vを、ロックインアンプ11によ
り周波数ωの参照信号により位相検波増幅することによ
りV1 が得られ、ロックインアンプ12により周波数2
ωの参照信号により位相検波増幅することによりV2
得られる。これらV1,V2の値は、
【0033】
【数14】
【0034】として表わされる。なお、A1,A2は比例
定数である。
【0035】以上のようにして、(17)式の括弧内の
第一項と第二項の振幅を分離することができる。これに
より、V1 が0になるようにVbを制御すれば、(∂C
/∂Z)に関係なく、Vbの値から試料1の表面電位を
測定することができる。
【0036】また、図15の装置では、V2 の値を一定
にするように、Z軸アクチュエータ16を制御するか
ら、トポ像(アクチュエータ制御電圧から得られる像)
は(∂C/∂Z)が一定の像となる。この場合、試料1
の絶縁膜の容量が、探針2の先端とカンチレバーの容量
よりも十分大きければ、トポ像は試料1の表面形状を示
す。従って、このようなことから、試料1の表面電位と
表面形状を同時に測定することができる。
【0037】次に、第三の従来例を図16に基づいて説
明する。図16の装置は、図15の装置にパソコン17
と、粗動アクチュエータ16aとを接続した場合の例で
ある。物理量の測定を開始する前の探針2と試料1の表
面との間の距離は、走査・実測定時の距離よりも遥かに
離れていることから、測定を行う場合には、両者の距離
を測定時の距離に近づけるいわゆるアプローチ動作が必
要である。この場合、ロックインアンプ12の出力値
は、探針2の先端と、試料1の表面との間の距離を示し
ていることから、その出力値をパソコン17でモニタし
ながら、探針2と試料1の表面との間の距離が一定値に
近づいたところで粗動アクチュエータ16aを停止させ
て、アプローチ動作を行うようにしている。そして、試
料1の表面と探針2との間に働く静電引力による片持ち
梁3の曲がりや、振動状態の変化から、試料1の表面電
位及び表面形状(物理量)を測定することができる。
【0038】次に、第四の従来例(表面マイクロマシニ
ングによるトンネル電流ユニット、マイクロ理工学、マ
イクロマシーニング合同研究会資料MP94−61、M
M94−61参照)を図17に基づいて説明する。トン
ネル電流ユニットを構成するプローブ18と、支持バネ
19と、静電アクチュエータのバネ部20とは可動部分
とされ、その他の接地パッド21と、静電アクチュエー
タの駆動パッド22と、プローブ18に対向する電流検
出パッド23とは固定部分とされ、シリコン酸化膜を介
して基板(図示せず)に固定されている。電流検出パッ
ド23と駆動パッド22との間には、電流電圧変換器
(IVC)24と、演算器25と、積分器(Ki/s)
26とが接続されている。
【0039】この場合、プローブ18は、支持バネ1
9、接地パッド21を介して接地電位となっている。一
方、電流検出パッド23はトンネルバイアスにより接地
電位に対して一定の直流電圧が印加されている。今、こ
のような状態で、プローブ18の先端が、電流検出パッ
ド23にナノメートルオーダ単位で接近すると、両者間
にトンネル電流が流れる。電流電圧変換器(IVC)2
4はそのトンネル電流を電圧に変換し、演算器25でそ
の変換された電圧値と基準信号との偏差が求められ、こ
の偏差値が積分器(Ki/s)26を介して、静電アク
チュエータの駆動パッド22にフィードバックされる。
このように駆動パッド22に電圧が印加されると、その
駆動パッド22側のくし歯部と支持バネ19のくし歯部
との間に静電引力が作用し、これにより可動部分のプロ
ーブ18が変位する。この場合の変位量は、例えば、外
乱等によりプローブ18の先端と電流検出パッド23と
の間の距離が変化して両者間の距離が一定に保たれる量
に相当する。
【0040】次に、第五の従来例(OPTRONICS、1992、N
o.9、p.97参照) を図18、図19に基づいて説明す
る。図18に示すように、基板27の中央には片持ち梁
28が設けられ、この片持ち梁28上にはその延在した
方向に沿って光導波路29が形成されている。この片持
ち梁28の先端のギャップを挾んだ基板27の固定部3
0上には、前記光導波路29の端面29aと対向する端
面31aを有する光導波路31が形成されている。この
ような構造とされた基板27において、光導波路29を
伝搬してきた光は片持ち梁28の先端に位置する端面2
9aから放射され、この放射された光はこれと対向する
端面31aから入射して再結合し光導波路31内を伝搬
していく。この場合、図19(a)に示すように、片持
ち梁28が変形していない状態では、光導波路29,3
1間で光軸ズレが生じないため、伝搬される光量が減少
することはない。しかし、図19(b)に示すように、
片持ち梁28が変形した状態では、光軸ズレが生じ、光
導波路31側に入射する光量が減少する。従って、この
ように片持ち梁28の変形量(曲がり量)に応じて伝搬
される光量が変化するため、光導波路31側の光量を検
出することにより片持ち梁28の変形量を容易に測定す
ることができる。この応用例としては、圧力センサ、加
速度センサ、流量センサ等が考えられる。
【0041】次に、第六の従来例(Japanese Journal o
f Applied Physics、Vol.28、No.2、Feb.、1989、p.287
参照)を図20に基づいて説明する。基板32上には片
持ち梁33が設けられている。この片持ち梁33の付け
根付近には、その梁の延在方向に直交して光導波路34
が形成されている。また、基板32の固定部35上に
は、光導波路34に平行な状態で光導波路36が形成さ
れている。この場合、光導波路34は片持ち梁33の変
形量を検出する信号検出用導波路とされ、光導波路36
は参照用導波路とされており、両者はY字形に分岐、合
流して光導波路37とつながっている。このような構造
とされた基板32において、片持ち梁33の変形に伴っ
て光導波路34が変形し、これにより屈折率が変化して
導波路内を伝搬する光の位相が変化する。このような位
相変化によって片持ち梁33の変形量を測定することが
できる。
【0042】ここで、そのような位相変化により信号検
出を行う動作原理を、図21、図22の基本的構造であ
るマッハツェンダ干渉計を用いて説明する。前述した図
20の片持ち梁33に相当する変形領域が、この図21
ではA領域(微細構造のダイアフラム部)に相当する。
変形するA領域上の光導波路34を通って位相が変化し
た光と、固定部35上の光導波路36を通って位相が変
化しない光とは、Y状の分岐部で合流し光導波路37で
合波干渉した時、この光導波路37から出力される光の
光強度は両方の光の位相によって変化する。この場合、
図22(a)に示すように、両方の光が同相の場合は、
合波されることにより0次モードが励起され、光導波路
37から出力される光の光量は最大となる。また、図2
2(b)に示すように、両方の光が逆相の場合は、1次
モードが励起されるため光波が導波路外部へ放射され
(シングルモード導波路の場合)、光導波路37からは
光が出力されない。このように光導波路37から出力さ
れる光量を測定することによって、A領域すなわち片持
ち梁33の変形量を測定することができる。
【0043】また、位相変化により信号検出を行う他の
例を、図23及び図24に基づいて説明する。図23に
示すように、基板32上には2本の光導波路38,39
が形成されており、これら光導波路38,39はX状の
分岐部にて光導波路34,36と交差している。この場
合、光導波路39は、光導波路38よりも導波路の幅が
狭く形成されている。基板32の端面には反射ミラー4
0が設けられている。このような構造はモードデバイダ
として機能するものである。まず、左側の幅の広い光導
波路38から入射した光は、分岐部にて1:1に分波さ
れ、光導波路34,36内を伝搬していき、反射ミラー
40により反射されて再度分岐部に戻ってくる。この
時、両方の光が図24(a)に示すように同相であれば
0次モードが励起され、光は広い幅の光導波路38の方
へ伝搬していく。また、両方の光が図24(b)に示す
ように逆相であれば1次モードが励起され、光は狭い幅
の光導波路39の方へ伝搬していく。このように光が同
相か否かはA領域すなわち片持ち梁33の変形量によっ
て決まるものであるため、光導波路38,39に戻って
くる光量を調べることにより片持ち梁33の変形量を測
定することができる。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】第一及び第二の従来例
の場合(図14、図15参照)、交流電圧の周波数ωac
をカンチレバーの機械的共振周波数ω0 に完全に一致さ
せている。従って、(10)式でも述べたように、φ=
−π/2となるため、ロックインアンプ11により位相
θ=−π/2で、ロックインアンプ12により位相θ=
−πでそれぞれ位相検波増幅すれば、(5)式の括弧内
の第一項と第二項の振幅を(11)式、(12)式に示
すように分離して得ることができる。
【0045】しかし、カンチレバーの機械的共振周波数
ω0 は、測定を何回か行っている間に、周囲の気温や湿
度、気圧などの影響により少しずつズレてくる。これに
対して、交流電圧の周波数ωacは安定しているため、変
化しない。このため、ω0 とωacとは経時変化に伴って
一致しなくなってくる。また、カンチレバーの共振点付
近では共振周波数のズレに対する位相の変化が非常に大
きく、わずかな共振点のズレにより、φの−π/2から
の差が無視しえないものとなる。一方、ロックインアン
プ11,12において位相検波を行う位相は、測定当初
に調整したθ1=−π/2、θ2 =−πのままである。
従って、(11)式、(12)式のように、(5)式の
括弧内の第一項と第二項とを分離できなくなる。
【0046】例えば、ω0 =ωacが成り立たなくなるこ
とにより、φ=−π/2+Δφになったとする。このと
き、
【0047】
【数15】
【0048】となる。ここでのθ=θ1 =−π/2の時
のロックインアンプ11の出力V1 、及び、θ=θ2
−πのときのロックインアンプ12の出力V2 はそれぞ
れ、
【0049】
【数16】
【0050】となる。(21)式、(22)式からわか
るように、Δφ≠0であるため、(5)式の括弧内の第
一項と第二項とは分離されず、表面電位を測定する信号
1 には表面形状を測定するための(5)式の括弧内の
第二項の振幅が混入している。また、表面形状を測定す
る信号であるV2 には表面電位を測定するための(5)
式の括弧内の第一項の振幅が混入している。すなわち、
このことは、表面電位が表面形状の測定結果に混入・干
渉し、また、表面形状が表面電位の測定結果に混入・干
渉することを意味する。このように、従来においては、
カンチレバーの共振周波数であるω0 が、周囲の気温や
湿度、気圧などの影響によりわずかに変動することによ
って、試料1の表面電位と表面形状の測定結果が互いに
干渉し、無視できない誤差となって現われてくる。
【0051】次に、第三の従来例の装置(図16参照)
は、図15の装置に粗動アクチュエータ16aとパソコ
ン17とを追加したものであり、この場合のロックイン
アンプ12の出力は、
【0052】
【数17】
【0053】のようになる。ここで、試料1の絶縁膜の
容量が探針2の先端と、カンチレバーの容量よりも十分
大きければ、(∂C/∂Z)は探針2と試料1の表面と
の間の距離のみに依存する関数となり、これにより、V
2 から探針2の先端と試料1の表面との間の距離を測定
することができる。図16の構成では、ロックインアン
プ12の出力をパソコン17がモニタし、探針2と試料
1の表面との間の距離が一定値に近づくと、粗動アクチ
ュエータ16aを停止させてアプローチを行っている。
一方、探針2の先端と試料1の基板との間の静電容量C
は平行平板のコンデンサに近似することができ、 C=ε(S/Z) …(23) となる。ここで、Sはコンデンサ電極の面積、εは電極
間の誘電体の誘電率である。これにより、(∂C/∂
Z)は、
【0054】
【数18】
【0055】となる。(25)式から、V2 はZの自乗
に反比例する。
【0056】一方、電子写真の開発過程において、感光
体試料にレーザビームにより書込みを行った後のビーム
スポットが照射された部分の表面電位分布を測定したい
という要望がある。この場合、図16の装置において、
試料1を探針2から離れたところで予め帯電器により帯
電させ、レーザビームを照射した後、試料1を探針2の
下に移動し、探針2と試料表面との間でアプローチを行
った後、試料1の表面電位分布測定を開始することにな
る。この場合、感光体試料は表面に電化が帯電した後、
光が照射されなくても、その表面電位が徐々に低下す
る、いわゆる暗減衰という特性をもつ。この暗減衰の速
度は条件により異なるが一般的な感光体の場合、帯電後
5分程度で初期値の80%程度の表面電位となる。この
ようなことから、感光体試料を測定する場合、帯電後か
ら5分程度以内で測定が終了することが好ましい。実
際、図16の装置で感光体の表面電位を測定する場合、
最も時間がかかるステップはアプローチであり、通常2
〜3分程度が必要となる。このように時間がかかるのは
以下のような理由による。
【0057】帯電・露光後、試料1を探針2の直下に移
動してきた時の探針2と試料表面との間の距離Zは数m
mであるのに対して、測定時のZは十分な解像度を得る
ために、0.5μm程度でなければならない。従って、
アプローチのステップでは、探針2の先端と試料1の表
面が衝突することなく、Zを数mmから0.5μm(1
/100)に近づけなければならない。アプローチ時
に、パソコン17が粗動アクチュエータ16aを制御す
る基となるZを検出している信号はV2 であり、(2
5)式に示されるように、Zの自乗に反比例する。従っ
て、アプローチ時にZが数mmから0.5μmへ約1/
100になるため、V2 の値は約10000倍となる。
すなわち、Zが小さくなるに従ってV2 は急激に大きく
なる。逆にいうと、探針と試料表面とが近づかないと、
2 はZに対して十分な感度を持たないことになる。図
16の装置の場合、V2 の出力からパソコン17が粗動
アクチュエータ16aに負帰還をかけ、アプローチを行
うため、高速なアプローチを行うとすると、Z測定時の
値に近づくまで十分な負帰還がかからず、探針2と試料
表面とが衝突することになる。このようなことから、ア
プローチをゆっくりと行わなければならず、アプローチ
に時間がかかることになる。このようにアプローチに時
間がかかることによって、感光体の暗減衰が進み、測定
すべき初期の状態からの誤差が大きくなる。
【0058】また、高速なアプローチを行う手段とし
て、アプローチ前の探針2と試料表面との間の距離ds
をV2 の出力から測定しておき、予め決められている測
定時の探針先端と試料表面との間の距離doから、粗動
アクチュエータ16aがアプローチ時に移動すべき距離
ds−doを算出し、パソコンがその距離分だけ粗動ア
クチュエータを動かし、試料1のアプローチを行い、探
針2の先端と試料表面との間の距離をdsにする方法が
ある。しかし、この場合も、V2 が距離Zの自乗に反比
例するため、アプローチ前のZ=ds(数mm)である
場合にはV2 は距離に対して十分な感度を持たず、探針
2の先端と試料表面との間の距離を正確に測定すること
ができない。従って、粗動アクチュエータ16aが移動
すべき正確な距離を知ることができず、アプローチ時
に、探針2の先端と試料表面とが衝突することになる。
【0059】次に、図25は、第四の従来例(図17参
照)のトンネル電流ユニットを、表面電位測定に応用し
た場合の例である。プローブ18には、支持バネ19、
接地パッド21を介して、アンプ41の出力が印加され
る。試料1の表面電位と、探針2の電位との間に働く静
電引力により支持バネ19が変形、振動する。この変
形、振動は静電アクチュエータを構成する駆動パッド2
2のくし歯電極と支持バネ19のくし歯電極との間の静
電容量の変化して表われる。これらくし歯間の容量を容
量計42により測定することによって、プローブの変
形、振動を測定することができる。しかし、電子写真に
おける1KVに及ぶ表面電位を測定する場合、プローブ
の電位も試料1の表面電位と等しく1KV程度になる。
従って、容量計42の接地パッド21に接続されている
入力端も1KVの高電圧になる。このため、容量計42
の耐圧限界を超えて、破損が生じたり、大きな測定誤差
の原因となり、プローブ18の振動を測定することがで
きなくなる。
【0060】次に、感光体の表面電位の測定を行うため
には、前述したように測定を数分のうちに終了しなけれ
ばならない。これを実現するためには、アプローチを素
早く行うと共に、実測定時間を短縮する必要があり、そ
のためには図14の片持ち梁3の共振周波数を高く設定
する必要がある。この共振周波数を高く設定するために
は、片持ち梁3のバネ定数を高くするのが最も簡単であ
るが、これを行うと探針2に働く相互作用(静電引力)
に対する片持ち梁3の曲がりが小さくなり、感度が低下
する。そこで、共振周波数を高くしかつバネ定数の増加
を抑える方法としては、片持ち梁3全体の寸法を相似的
に小さく(いわゆる、シュリンク)すればよい。このた
め、図26に示すような寸法をもつ半導体加工プロセス
で作製されたマイクロカンチレバー43を用いる。すな
わち、片持ち梁3の長さL=450μm、幅Wa=30
μm、厚さD=2.2μmとし、探針2の高さH=13
μmとする。
【0061】一方、スポット径2Wのレーザビームが座
標X=0を中心に照射されたときの試料表面座標xに対
する表面電位分布V(x)は
【0062】
【数19】
【0063】で近似することができる。この場合、aは
感光体材料から決まる値で、a≒0.01cm、スポッ
ト径2W=60μm、露光部電位VL =−100
(V)、非露光部電位VD =−1000(V)とする
と、表面電位分布は図27のようになる。今、図28に
示すように、探針2がx=0(V(0)=VL の位置)
の直上にあり、電位測定の制御系によりカンチレバー電
位がVcant=VL になっていると仮定すると、座標xに
おける試料表面とカンチレバーとの電位差ΔV(x)=
V(x)−VL となり、xに対して図29の曲線を示
す。
【0064】また、空気中1気圧、20°Cにおける放
電開始電圧Vs(V)は、放電を生じる電極のギャップ
d(μm)に対して、 Vs=2.44d+65.3√d …(28) として表わされる(パッシェン則)。
【0065】図28のように、試料表面に対して片持ち
梁3を平行に配置させると、両者間の距離は13.5μ
mである。ここで、d=13.5とすると、このときの
放電開始電圧Vsは、約273Vとなる。図29におい
て、ΔV(x)がVsを超えた部分では片持ち梁3と試
料表面との間で放電が生じることになる。すなわち、x
>約60〜70μmの部分では放電を生じ、試料表面の
電荷分布を乱すことになり、測定が不可能となる。この
ような問題を解決するための方法としては、図26の高
さHを100μm以上にしたカンチレバーを用いればよ
い。しかし、マイクロカンチレバーでは探針2の高さH
を百μm程度にすることはその製造工程上、非常に困難
である。マイクロカンチレバーを用いずに、大きなカン
チレバーを用いれば高さHを百μm程度にすることは可
能であるが、前述したように高い周波数と低いバネ定数
とを同時に満足することはできない。
【0066】次に、第五の従来例(図18参照)、第六
の従来例(図20参照)の場合、光導波路29,31,
34,36を用いて光量差から片持ち梁28,33の変
形量を検出する基本的な動作原理が述べられている。し
かし、そのような光導波路29,31,34,36を用
いて、感光体ドラムの表面電位の測定や、トナー電位分
布の測定等に応用した例は見当らない。
【0067】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、試料に対面する基板と、前記基板に対して固定的な
固定部と、前記基板に対して可動自在な可動部と、前記
試料に対して直角となるように前記可動部に設けられて
この可動部の可動に応じて変位する探針と、探針を有す
る基板の可動部に一部が配線された第一の光導波路と、
この第一の光導波路の端面に対向する端面を有し基板の
固定部に配線された第二の光導波路と、探針に印加する
電圧印加回路と、電圧印加回路と電気的に分離して設け
られ、第一及び第二の光導波路を通過した光により探針
の運動を検出する運動検出回路と、を具備し、可動部
は、探針を中心に対称に配置されて基板と平行に折り返
された一対のバネを有し、電圧を印加された前記探針と
前記試料の表面との間に働く静電引力により前記バネに
接続された前記探針を移動させるようにした。
【0068】従って、第一の光導波路に接続された探針
に印加する電圧印加回路と、第一及び第二の光導波路を
通じて探針の運動を検出する運動検出回路とを電気的に
分離して設けたことによって、試料の表面に対向配置さ
れる探針側に高電圧が印加されても、その探針の運動を
検出する運動検出回路側にはその高電圧は印加されず、
これにより、耐圧限界を超えて測定回路が破損したり、
大きな測定誤差を招いたりするようなことがなくなる。
【0069】 請求項2記載の発明では、試料に対面す
る基板と、前記基板に対して固定的な固定部と、前記基
板に対して可動自在な可動部と、前記試料に対して直角
となるように前記可動部に設けられてこの可動部の可動
に応じて変位する探針と、探針を有する基板の可動部に
一部が配線された第一の光導波路と、基板の固定部に配
線された第二の光導波路と、第一の光導波路を伝搬する
光と第二の光導波路を伝搬する光とが干渉を起こすよう
にこれら2つの光導波路が合流する基板上に配線された
第三の光導波路と、探針に印加する電圧印加回路と、前
記電圧印加回路と電気的に分離して設けられ、第三の光
導波路で干渉を起こした光により探針の運動を検出する
運動検出回路と、を具備し、前記可動部は、前記探針を
中心に対称に配置されて前記基板と平行に折り返された
一対のバネを有し、電圧を印加された前記探針と前記試
料の表面との間に働く静電引力により前記バネに接続さ
れた前記探針を移動させるようにした。
【0070】従って、第一の光導波路に接続された探針
に印加する電圧印加回路と、第三の光導波路を通じて探
針の運動を検出する運動検出回路とを電気的に分離して
設けたことによって、試料の表面に対向配置される探針
側に高電圧が印加されても、その探針の運動を検出する
運動検出回路側にはその高電圧は印加されず、これによ
り、耐圧限界を超えて測定回路が破損したり、大きな測
定誤差を招いたりするようなことがなくなる。
【0071】
【発明の実施の形態】本発明の第1の参考例を図1及び
図2に基づいて説明する。なお、従来技術(図14参
照)と同一部分についての説明は省略し、その同一部分
については同一符号を用いる。
【0072】図1の物理量測定装置には、探針電圧印加
手段44が設けられている。この探針電圧印加手段44
は、バネとしての片持ち梁3の機械的共振周波数ω0
下の周波数ωの第一交流電圧Va1と、この第一交流電圧
Va1の周波数ωの1/2の周波数の第二交流電圧Va2
を重畳した電圧を探針2に印加する。以下、この探針電
圧印加手段44を設けた場合における装置の動作につい
て述べる。
【0073】加算器6には、帰還直流電圧Vbと、片持
ち梁3の機械的共振周波数ω0 の1/2以下好ましくは
1/3以下の周波数ωの第一交流電圧Va1と、ω/2の
第二交流電圧Va2とが加算される。これら重畳された電
圧が片持ち梁3に印加される。今、探針2と、試料表面
との間に働く力は、前述したように、
【0074】
【数20】
【0075】である。試料1の表面電位をVsとする
と、探針2と試料表面との間の電位差Vは、
【0076】
【数21】
【0077】となる。これにより、探針2の先端と、試
料表面との間の静電引力Fesは、
【0078】
【数22】
【0079】となる。ωは、機械的共振周波数ω0 の1
/3以下の周波数であるから、Fesにより共振振動を起
こすことはない。従って、片持ち梁3の振動の表わすプ
リアンプ10の出力vは、
【0080】
【数23】
【0081】となり、Fesに比例した同位相の振動を示
す。ロックインアンプ45は狭帯域アンプであり、参照
信号の周波数がωであるため、(31)式の出力vの第
二項のω成分のみを増幅する。第二項の各々の正弦関数
の位相差は、探針2に印加している周波数ωの交流電圧
を基準にした位相差である。また、第二項は互いにπ/
2だけ位相がずれた正弦波が重畳された波形となってい
る。ここでのロックインアンプ45は2位相型となって
いるため、π/2だけ位相がずれた正弦波は分離され、
それぞれの出力V1,V2は、
【0082】
【数24】
【0083】となり、交流電圧の振幅に比例した直流電
圧が出力される。なお、A1,A2は比例定数である。こ
のように(31)式の第二項の括弧内の2つの項を分離
することができる。(31)式中のωは片持ち梁3の機
械的共振周波数ω0 に非共振な振動周波数であり、従来
技術のように共振周波数で片持ち梁3を振動させる場合
のように、周囲の気温、湿度、気圧などの影響による共
振周波数のわずかな変動により、片持ち梁3の振動の位
相が大きく変動することはない。従って、振動波形の位
相変化に起因して、表面電位と表面形状の測定結果が互
いに干渉し、無視できない誤差となって現われてくるよ
うなことがなくなり、安定して正確な誤差の少ない試料
1の表面電位と表面形状の測定を行うことができる。こ
の場合、電圧V1 が0になるようにVbに帰還をかける
ことにより、Vbの値から表面電位Vsを知ることがで
きる。また、探針電圧と表面電位の直流バイアス電圧が
等しくなるので、解像度を高くするために探針2と試料
表面との間の距離を近づけても、両者間で放電現象が生
じるようなことがなく、非破壊の状態で測定が可能とな
る。また、V2 の値が一定になるようにZ軸アクチュエ
ータ16に帰還をかけることにより、探針2と試料表面
との間の距離を一定に保つことが可能となり、これによ
り試料表面に凹凸が存在しても、探針2と試料表面との
衝突を防止すると共に、解像度の変動を抑えることがで
きる。
【0084】次に、第1の参考例の変形例について説明
する。ここでは、加算器6、Z軸アクチュエータ16に
帰還をかけるようなことは行わず、図2に示すように、
ロックインアンプ45の出力V1,V2をパソコン17に
送り込むようにする。このようにパソコン17に出力デ
ータを取込むことによって、試料1の表面電位と、探針
2と試料表面との間の距離を測定することができる。す
なわち、試料1の絶縁膜の容量が探針2の先端とカンチ
レバーの容量よりも十分大きければ、(∂C/∂Z)は
探針2と試料表面との間の距離の関数となるため、V2
から探針2と試料表面との間の距離を計算して求めるこ
とができる。また、V2 から得られた(∂C/∂Z)
と、V1 から(11)式を用いて試料1の表面電位Vs
を計算して求めることができる。なお、この時のVbは
0である。
【0085】上述したように、探針電圧印加手段44に
より探針2に印加される電圧の周波数ωは、片持ち梁3
の機械的共振周波数ω0 とは異なる非共振な振動周波数
とされているため、従来のように機械的共振周波数ω0
で片持ち梁3を振動させたときのように、周囲の気温、
湿度、気圧等の影響による機械的共振周波数ω0 のわず
かな変動によって、片持ち梁3の振動の位相が大きく変
動するようなことがなくなる。これにより、片持ち梁3
の振動波形の位相変化に起因して表面電位と表面形状と
の測定結果が互いに干渉し合って無視できない誤差とな
って現われるようなことがなく、物理量(試料表面電位
及び試料表面形状)の測定を常に安定した状態で正確に
行うことができる。
【0086】次に、本発明の第2の参考例を図3〜図5
に基づいて説明する。なお、従来技術(図16参照)と
同一部分についての説明は省略し、その同一部分につい
ては同一符号を用いる。
【0087】片持ち梁3に近接した位置には、探針2と
試料1の表面との間の距離を測定する距離測定手段とし
ての距離計46が設けられている。この距離計46と片
持ち梁3を保持する基台4とは、共通の固定台47によ
り機械的に強固に保持されている。距離計46はどのよ
うなものでもよいが、測定精度が高い光学的な距離計、
例えば非接触レーザ変位計が望ましく、また、その出力
は測定する距離に対して直線的で一定の感度をもつこと
が好ましい。このような距離計46はパソコン17に接
続されている。このパソコン17内には、距離計46の
出力値をもとに探針2と試料1の表面との間の距離を求
め、アプローチ時の粗動アクチュエータ16aの動作を
制御する距離制御手段(図示せず)が設けられている。
【0088】このような構成において、以下、距離計4
6及び距離制御手段の働きを中心に説明する。まず、試
料1、Z軸アクチュエータ16、感光体の試料1が一体
となって、移動レール48により帯電器49とレーザ書
込み系50との下方に移動する。この位置で、試料1は
帯電器49により帯電され、その後、レーザ書込み系5
0により露光される。これにより、試料1の表面にはレ
ーザ光が照射されたパターンの静電潜像が形成される。
その後、試料1、Z軸アクチュエータ16は、移動レー
ル48によって、片持ち梁3と距離計46の下方に移動
する。そして、この位置で、距離計46は、距離計自身
と試料表面との間の距離を測定する。この距離計46
は、距離に対して直線的で一定の感度をもつことから、
距離計46と試料表面とが数mm離れていても、距離の
変動に対して十分な感度をもつ。また、距離計46と片
持ち梁3の基台4とは、共通の固定台47により強固に
保持されていることから、距離計46の出力値から探針
2の先端と試料1の表面との間の距離が一意的に決定さ
れる。このとき、パソコン17は、試料1が探針2の直
下に移動した直後に距離計46の出力値を読取り、この
ときの探針2と試料表面との間の距離dsを測定する。
この距離dsは、測定値が距離に対して十分な感度を有
することから、正確な値を示す。その後、パソコン17
は予め決められている測定時の探針2の先端と試料1の
表面との間の距離d0 から、粗動アクチュエータ16a
がアプローチ時に移動すべき距離ds−d0 を計算し、
この距離分だけ粗動アクチュエータ16aを動かし、試
料1のアプローチを行い、探針2の先端と試料1の表面
との間の距離をdsにする。このとき、粗動アクチュエ
ータ16aが移動すべき距離が正確にわかっているた
め、フィードバックをかけずにオープンループで粗動ア
クチュエータ16aを駆動制御することができる。これ
により、高速でかつ探針2と試料1の表面とが衝突する
ことなくアプローチ動作を行うことができる。
【0089】また、パソコン17が距離計46の出力を
監視しながらアプローチを行い、探針2の先端と試料1
の表面との間の距離が測定時のd0 になったところで、
粗動アクチュエータ16aを停止させる(負帰還をかけ
る)ようにしてもよい。この場合、距離計46の出力は
探針2の先端と試料1の表面との間の距離に対して直線
であり、感度が一定であるため、高速にアプローチを行
う場合、負帰還が間に合わず探針2の先端と試料1の表
面とが衝突するようなことはない。
【0090】次に、第2の参考例の変形例について説明
する。ロックインアンプ12の出力と目標基準電圧との
偏差を出力する比較器14の出力を常に積分器15(図
16参照)で積分しZ軸アクチュエータ16に帰還をか
ける場合について考える。ここでは、図16の積分器1
5の代わりに、帰還回路51を設けた。図4は、帰還回
路51の内部回路の構成を示す。帰還回路51は、第一
電圧調整部52と、比較器53と、第二電圧調整部54
と、積分器55とから構成されている。
【0091】今、アプローチ時における探針2と試料1
の表面との間の距離は、これを一定(d0 )に保とうと
するV21に制御されるZ軸アクチュエータ16の動き
と、探針2と試料1の表面との間の距離をd0 に近づけ
ようとする粗動アクチュエータ16aの動きとに分けら
れる。このため、二重に帰還制御がかかるようになり、
きわめて不安定な動作となる。そこで、このような不具
合をなくすために、アプローチ終了までは第一電圧調整
部52による電圧Vr1の手動の制御状態にしておき、ア
プローチ終了後(粗動アクチュエータ16aにより探針
2と試料1の表面との間の距離を変化させることがなく
なった後)、直流電圧V11による自動の帰還制御状態に
移行させる。これにより、二重に帰還制御がかかるよう
なことがなくなり、安定した動作を行わせることができ
る。
【0092】上述したように、距離計46の出力値をも
とに、距離制御手段を用いて探針2と試料1の表面との
間の距離を制御することによって、従来のように粗動ア
クチュエータ16a・Z軸アクチュエータ16により探
針2と試料表面との間の距離を制御する必要がなくな
り、高速でかつ探針2と試料表面との衝突が生じること
なく、アプローチ動作を行わせることが可能となる。こ
のため、物理量の測定開始までの時間を一段と短縮する
ことができ、これにより例えば感光体の表面電位の測定
を精度良く行うことができる。
【0093】次に、距離計46に使用される光源につい
て説明する。その光源としては発光波長が感光体に感度
を有しない波長であることが望ましく、受光素子もその
発光波長に感度を有するものであることが望ましい。例
として、感光体が電子写真に用いられる感光体である場
合について述べる。
【0094】図5は、電子写真装置に用いられる周知の
代表的な感光体の分光感度を表わしたものである。これ
により、400nm付近では、Seと、硫化亜鉛と
硫化カドミニウムとの混合物とが特に高い感度を有して
いる。600nm付近では、LPC(Layered Photo
Conductor){約0.1μm厚のchlorodiane blue とdi
phenylhydrazone との混合物の膜CGL(Charge Gener
ation Layer) の上に約15μmのCTL(Charge Tra
nsport Layer)を積層したもの}が特に高い感度を有し
ている。また、有機感光体(polyvinylcarbazole とt
rinitrofluorenone を1:1に混合した物質を正に帯電
させたもの)は600nm付近に感度を有し、有機感
光体(と同様な物質を負に帯電させたもの)は400
nm〜600nmの範囲で感度を有している。
【0095】これにより、感光体は600nm以上の波
長の光に対して感度をもたないことがわかる。従って、
このようなことから、波長600nm以上の波長の光を
発する測定用レーザ光源と、この600nm以上の波長
の感度を有する受光素子とを用いる。また、分光感度に
対してある程度の余裕度をもたせる意味から、好ましく
は、900nm以上の波長の光に対応する材料からなる
光源及び受光素子を用いるとよい。この900nm以上
の波長に対応する光源及び受光素子の材料としては、以
下の表1、表2に示すようなものがある。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】また、600nm以上の波長に対応する光
源及び受光素子の材料としては、前記900nm以上の
波長に対応する光源及び受光素子に加えて、以下の表
3、表4に示すようなものがある。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】また、図5において、、の物質に関し
ては400nm以下の波長に対して感度が低いことか
ら、その400nm以下の波長の光源と、この波長に感
度をもつ受光素子とを用いる。この400nm以下の波
長に対応する光源及び受光素子の材料としては、以下の
表5、表6に示すようなものがある。
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】上述したように、感光体の分光感度を持た
ない波長の光を用い、光源及び受光素子の各種の材料の
中から発光波長と分光感度のある波長とが一致する材料
を組み合わせて距離計46を構成することによって、感
光体上での静電潜像の状態が乱されることがなくなり、
これにより、測定誤差をなくして表面電位等の測定を正
確に行うことができる。
【0105】次に、本発明の第1の実施形態を図6〜図
11に基づいて説明する。なお、従来技術(図18、図
25参照)と同一部分についての説明は省略し、その同
一部分については同一符号を用いる。
【0106】試料1と対向した位置には、プローブ18
が基板56の端部から飛び出した形で配置されている。
このプローブ18と、4本のバネ57と、バネ57の中
央に形成された平坦部59とは一体に形成され、可動部
を構成している。バネ57は、基板56の固定部側とな
る4箇所の固定端58に固定されている。また、レーザ
光が入射する第一の光導波路60は、可動部の平坦部5
9及び基板56の固定部の両方に渡って配線されてい
る。この第一の光導波路60の端面に端面を対向させた
形で、第二の光導波路61が固定部側に配線されてい
る。また、平坦部59にはリード線62を介してアンプ
41が接続されている。これにより、プローブ18に
は、リード線62を介してアンプ41から電圧が印加さ
れる。この場合、プローブ18と、平坦部59と、リー
ド線62と、アンプ41とは、電圧印加回路63を構成
している。また、バネ57と、このバネ57に一部が接
続された第一の光導波路60と、受光側の第二の光導波
路61と、受光器(図示せず)とは、運動検出回路64
を構成している。これら電圧印加回路63と運動検出回
路64とは、電気的に分離されている。
【0107】このような構成において、本装置の動作に
ついて述べる。プローブ18には、アンプ41の出力が
リード線62を介して印加される。この印加電圧によ
り、プローブ18と試料1の表面との間に静電引力が働
く。この静電引力により、バネ57に接続されたプロー
ブ18は移動又は変形する。一方、レーザ光が第一の光
導波路60側から入射しており、その端面から出射した
光は対向する第二の光導波路61の端面に再入射して受
光器に受光される。この場合、プローブ18の移動又は
変形による運動は、第二の光導波路61を介して受光器
に光量変化として検出される。
【0108】試料1の表面電位を測定する場合、従来例
(図25参照)では、プローブ18も表面電位とほぼ同
電位の高い電圧となり、プローブ18の振動を測定する
測定器の耐圧限界を超え測定不能となるようなことがあ
るが、本実施の形態では、プローブ18の運動を光学的
に検出し、プローブ18に電圧を印加する系(電圧印加
回路63)とプローブ18の運動を検出する系(運動検
出回路64)とを電気的に分離しているため、プローブ
18の運動測定に支障をきたすようなことがない。ま
た、プローブ18の運動を検出する系はプローブ18が
形成されている基板と同一の基板上に作られているた
め、装置全体の小型化が可能となる。また、プローブ1
8をアレイ化してもよく、多点同時測定による高速な測
定も可能である。
【0109】 次に、変形例について説明する。図7の
装置は、バネ57を例えば低抵抗のポリシリコンにより
形成し導電性とした場合の例である。アンプ41は固定
端58を介して導電性のバネ57と接続されている。こ
れにより、アンプ41の出力はバネ57を介してプロー
ブ18に印加される。このようにバネ57にリード線の
機能をもたせることによって、配廻しが少なく、部品点
数を削減することができる。また、図8は、第一の光導
波路60に導電性物質(例えば、金属薄膜)をコートし
た場合の例である。アンプ41の出力は第一の光導波路
60を介してプローブ18に印加される。このように第
一の光導波路60を導電性とすることにより、リード線
としての機能をもたせることができる。また、図9は、
第一の光導波路60の剛性を高めて、バネとしての機能
をもたせた場合の例である。アンプ41の出力は、リー
ド線62を介してプローブ18に印加される。これによ
り、前述したバネ57の構造がなくなり、簡素化した構
成とすることができる。また、図10は、参考例とし
て、第一の光導波路60の剛性を高め、かつ、金属薄膜
等の導電性物質をコートした場合の例である。これによ
り、一段と単純な構成とすることができる。また、図1
1は、アンプ41の出力はリード線62を介してプロー
ブ18に印加されるのみならず、そのプローブ18に印
加する電圧と同一の電圧が基板56にも印加されてい
る。これにより、プローブ18と基板56との間、及
び、プローブ18と基板周辺の機構部分との間に静電引
力が働くことを防止することができる。
【0110】上述したように、第一の光導波路60に接
続されたプローブ18に印加する電圧印加回路63と、
第一及び第二の光導波路60,61を通じてプローブ1
8の運動を検出する運動検出回路64とを電気的に分離
して設けたので、試料1の表面に対向配置されるプロー
ブ側に高電圧が印加されても、プローブ18の運動を検
出する運動検出回路64側には高電圧は印加されず、耐
圧限界を超えて測定回路が破損したり、大きな測定誤差
を招いたりするようなことがなくなる。これにより、高
電圧な表面電位の測定が可能となり、また、運動検出回
路64はプローブ18が形成されている基板56と同一
の基板上に設けられていることから、装置全体の小型化
を図ることができる。
【0111】次に、本発明の第2の実施の形態を図12
及び図13に基づいて説明する。なお、従来技術(図2
0参照)と同一部分についての説明は省略し、その同一
部分については同一符号を用いる。
【0112】基板56の端部から先端が飛び出したプロ
ーブ18と、4本のバネ57と、平坦部59とは、可動
部を構成している。バネ57は、基板56の固定部側と
なる固定端58に固定されている。平坦部59及び基板
56の固定部の両方に渡って、第一の光導波路(信号検
出用)65が配線されている。また、固定部側には第二
の光導波路(参照用)66が配線されている。第一の光
導波路65を伝搬する光と第二の光導波路66を伝搬す
る光とが干渉を起こすように、第一の光導波路65と第
二の光導波路66とが合流する位置の基板56の固定部
側には第三の光導波路67が配線されている。また、平
坦部59にはリード線62を介してアンプ41が接続さ
れている。これにより、プローブ18には、リード線6
2を介してアンプ41から電圧が印加される。この場
合、プローブ18と、平坦部59と、リード線62と、
アンプ41とは、電圧印加回路63を構成している。ま
た、バネ57と、このバネ57に一部が接続された第一
の光導波路65と、第二の光導波路66と、第三の光導
波路67と、受光器及び光源(ともに図示せず)とは、
運動検出回路64を構成している。これら電圧印加回路
63と運動検出回路64とは、電気的に分離されてい
る。
【0113】このような構成において、本装置の動作に
ついて述べる。アンプ41の出力がリード線62を介し
てプローブ18に印加されると、プローブ18と試料1
の表面との間に静電引力が働き、これによりプローブ1
8が移動又は変形する。このプローブ18の運動は平坦
部59上の第一の光導波路65を変位させるため、この
変位が第三の光導波路67を介して受光器(図示せず)
に光量変化して検出される。
【0114】試料1の表面電位を測定する場合、従来例
(図20参照)では、プローブ18も表面電位とほぼ同
電位の高い電圧となり、プローブ18の振動を測定する
測定器の耐圧限界を超え測定不能となるようなことがあ
るが、本実施の形態では、プローブ18の運動を第一〜
第三の光導波路65,66,67を用いて光学的に検出
し、プローブ18に電圧を印加する系(電圧印加回路6
3)とプローブ18の運動を検出する系(運動検出回路
64)とを電気的に分離しているため、プローブ18の
運動測定に支障をきたすようなことがない。また、プロ
ーブ18の運動を検出する系はプローブ18が形成され
ている基板と同一の基板上に作られているため、装置全
体の小型化が可能となる。また、プローブ18をアレイ
化してもよく、多点同時測定による高速な測定も可能で
ある。
【0115】次に、変形例について説明する。図13に
示すように、信号検出用の第一の光導波路65と、参照
用の第二の光導波路66との端面にはミラー68が設け
られている。第一の光導波路65と第二の光導波路66
との合流位置には、光導入用及び受光用の第三の光導波
路67が設けられている。この場合、レーザ光は光導入
用の第三の光導波路67から第一の光導波路65と第二
の光導波路66とに分岐して入射し、ミラー68により
反射され、その後、受光用の第三の光導波路67に導か
れ受光器に検出される。このように入射光路と反射光路
とを共用させることにより、基板構成の小型化を図るこ
とができる。
【0116】また、本実施の形態の場合にも、前述した
変形例や参考例(図7〜図11参照)と同様に、バネ5
7を導電性としてリード線の機能をもたせたり、第一の
光導波路65を導電性としてリード線の機能をもたせた
り、第一の光導波路65の剛性を高めバネとしての機能
をもたせるようにしてもよい。
【0117】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、探針を有する基
板の可動部に一部が配線された第一の光導波路と、この
第一の光導波路の端面に対向する端面を有し基板の固定
部に配線された第二の光導波路とを備え、探針に印加す
る電圧印加回路と、第一及び第二の光導波路を通過した
光により探針の運動を検出する運動検出回路とを電気的
に分離して設けたので、探針の運動を検出する運動検出
回路が探針に印加する電圧によって支障をきたすような
ことがなくなり、これにより、高電圧な表面電位の測定
が可能となり、また、運動検出回路は探針が形成されて
いる基板と同一の基板上に設けられていることから、装
置全体の小型化が可能となる。
【0118】請求項2記載の発明は、探針を有する基板
の可動部に一部が配線された第一の光導波路と、基板の
固定部に配線された第二の光導波路と、第一の光導波路
を伝搬する光と第二の光導波路を伝搬する光とが干渉を
起こすようにこれら2つの光導波路が合流する基板上に
配線された第三の光導波路とを備え、探針に印加する電
圧印加回路と、第三の光導波路で干渉を起こした光によ
り探針の運動を検出する運動検出回路とを電気的に分離
して設けたので、探針の運動を検出する運動検出回路が
探針に印加する電圧によって支障をきたすようなことが
なくなり、これにより、高電圧な表面電位の測定が可能
となり、また、運動検出回路は探針が形成されている基
板と同一の基板上に設けられていることから、装置全体
の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の参考例である物理量測定装置を
示す構成図である。
【図2】図1の装置にパソコンを付加させた場合の構成
図である。
【図3】本発明の第二の参考例である物理量測定装置を
示す構成図である。
【図4】帰還回路の構成を示す回路図である。
【図5】波長に対する感光体の感度を示す特性図であ
る。
【図6】本発明の実施の第一の形態である物理量測定装
置を示す構成図である。
【図7】バネにリード線の機能をもたせた場合を示す構
成図である。
【図8】光導波路にリード線の機能をもたせた場合を示
す構成図である。
【図9】光導波路にバネの機能をもたせた場合を示す構
成図である。
【図10】光導波路にリード線の機能とバネの機能とを
もたせた場合を示す構成図である。
【図11】プローブ及び基板に電圧を印加した場合を示
す構成図である。
【図12】本発明の実施の第二の形態である物理量測定
装置を示す構成図である。
【図13】光導波路の一端にミラーを配置した場合を示
す構成図である。
【図14】第一の従来例である物理量測定装置を示す構
成図である。
【図15】第二の従来例である物理量測定装置を示す構
成図である。
【図16】第三の従来例である物理量測定装置を示す構
成図である。
【図17】第四の従来例である物理量測定装置を示す構
成図である。
【図18】第五の従来例である物理量測定装置を示す斜
視図である。
【図19】信号検出の動作原理を示す説明図である。
【図20】第六の従来例である物理量測定装置を示し、
(a)は斜視図、(b)はa−a断面図である。
【図21】位相変化により信号検出を行うマッハツェン
ダ干渉計の基本構成を示す斜視図である。
【図22】マッハツェンダ干渉計の動作原理を示し、
(a)は同相時の動作を示す模式図、(b)は逆相時の
動作を示す模式図である。
【図23】位相変化により信号検出を行う他の例を示す
斜視図である。
【図24】図23の動作原理を示し、(a)は同相時の
動作を示す模式図、(b)は逆相時の動作を示す模式図
である。
【図25】表面電位測定計を示す構成図である。
【図26】マイクロカンチレバーの構成を示す側面図で
ある。
【図27】表面電位分布を示す特性図である。
【図28】試料表面とカンチレバーとの間に電位差が発
生している様子を示す側面図である。
【図29】試料表面と探針との間の電位差、及び、放電
開始電圧の様子を示す特性図である。
【符号の説明】
18 探針 46 距離測定手段 56 基板 60 第一の光導波路 61 第二の光導波路 63 電圧印加回路 64 運動検出回路 65 第一の光導波路 66 第二の光導波路 67 第三の光導波路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G12B 21/12 G12B 1/00 601F (56)参考文献 特開 平6−308180(JP,A) 特開 平6−194155(JP,A) 特開 平6−117818(JP,A) 特開 平5−231861(JP,A) 特開 平4−311839(JP,A) 特開 平4−162340(JP,A) 特開 平4−83137(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/00 - 13/24 G01B 21/00 - 21/32 G12B 21/00 - 21/24 G01R 29/00 - 29/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対面する基板と、 前記基板に対して固定的な固定部と、 前記基板に対して可動自在な可動部と、 前記試料に対して直角となるように前記可動部に設けら
    れてこの可動部の可動に応じて変位する探針と、 前記探針を有する前記基板の可動部に一部が配線された
    第一の光導波路と、 この第一の光導波路の端面に対向する端面を有し前記基
    板の固定部に配線された第二の光導波路と、 前記探針に電圧を印加する電圧印加回路と、 前記電圧印加回路と電気的に分離して設けられ、前記第
    一及び第二の光導波路を通過した光により前記探針の運
    動を検出する運動検出回路と、 を具備し、前記可動部は、前記探針を中心に対称に配置
    されて前記基板と平行に折り返された一対のバネを有
    し、電圧を印加された前記探針と前記試料の表面との間
    に働く静電引力により前記バネに接続された前記探針を
    移動させるようにしたことを特徴とする物理量測定装
    置。
  2. 【請求項2】 試料に対面する基板と、 前記基板に対して固定的な固定部と、 前記基板に対して可動自在な可動部と、 前記試料に対して直角となるように前記可動部に設けら
    れてこの可動部の可動に応じて変位する探針と、 前記探針を有する前記基板の可動部に一部が配線された
    第一の光導波路と、 前記基板の固定部に配線された第二の光導波路と、 前記第一の光導波路を伝搬する光と前記第二の光導波路
    を伝搬する光とが干渉を起こすようにこれら2つの光導
    波路が合流する前記基板上に配線された第三の光導波路
    と、 前記探針に電圧を印加する電圧印加回路と、 前記電圧印加回路と電気的に分離して設けられ、前記第
    三の光導波路で干渉を起こした光により前記探針の運動
    を検出する運動検出回路と、 を具備し、前記可動部は、前記探針を中心に対称に配置
    されて前記基板と平行に折り返された一対のバネを有
    し、電圧を印加された前記探針と前記試料の表面との間
    に働く静電引力により前記バネに接続された前記探針を
    移動させるようにしたことを特徴とする物理量測定装
    置。
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